「マナドでトマト価格大暴騰」(2019年07月09日)

2019年6月のインフレ率に関する中央統計庁報告で、北スラウェシ州マナド市が全国
最大の3.6%というインフレ率を示した。この月の全国平均値はわずか0.55%であ
る。1〜6月累計は4.77%で、全国平均の2.05%の二倍超だ。YOYもマナド市
は5.10%であり、全国平均値の3.28%を大きく上回った。

1月からの累計をカテゴリー別に見ると、食材が17.26%という目を瞠る数字になっ
ている。飲食品・住居・教育などは特に驚くような数字ではない。マナド人の食事に必須
のトマトは3.45%で、4月には1.32%のデフレがあったというのに、お構いなし
の暴騰だ。パサルでは4月にキロ当たり3〜4千ルピアだったものが、6月は2万6千ル
ピアになった。カツオはインフレ率0.19%、赤トウガラシ0.024%、ニンニクは
0.106%のデフレ、チャベラウィッも0.3%のデフレだった。

結局、6月のインフレ率3.6%はトマトがそのうちの3.45%部分を占めて、全国最
大の呼び声を一手に引き受けたことになる。北スラウェシ州のトマト生産は3万トン、州
内消費は2万トンで、需給関係は問題ないように見えるが、月によって生産量が大きく乱
れることが起こる。6月にはどうやらそれが起こったようだ。

マナド人に必須のトマトはサンバルダブダブsambal dabu-dabuの主要材料なのである。
トマトとバワンメラ、チャベラウィッと赤トウガラシ、レモンバジルを細切れにし、ライ
ム搾り汁を合わせ、塩・砂糖・食用油を加えて作られる辛さ極めつけのこのサンバルは、
マナド料理に欠かせないものであり、特に焼き魚や他のシーフード料理にはぴったりのサ
ンバルだ。

トマトが暴騰したり、トウガラシが暴騰しても、ダブダブを作らなければ主婦の値打ちは
暴落してしまう。マナド人の暮らしも平坦ではなさそうだ。