「インドネシアの種族数」(2019年07月17日)

2019年4月2日付けコンパス紙への投書"255 Suku Asli di Papua"から
拝啓、編集部殿。2010年の中央統計庁センサスの結果によると、インドネシアには3
百の人種グループがあって1,340種族がいるとのことです。その同じソースからの別
の情報では1,128種族がいる由で、そしてジョコ・ウィドド大統領はインドネシアに
714種族がいると述べています。本当の数字がいったいどれなのか、中央統計庁は詳細
を説明する必要があります。

パプアの原住種族が255あるというのは、上の三つの数字に含まれているのでしょうか
?よくわかりません。もし714が正しいと仮定すると、パプアの種族数は全インドネシ
アの35.7%を占めることになります。

2019年3月9日付けコンパス紙の記事「パプア女性を忘れてはならない」では、
Korowai, Lani, Moi, Meg, Yali, Kimyalなどいくつかの種族名が、3月8日の世界女性
の日に関連して記されていました。その記事は保健や教育の状況がパプアの女性にとって
まだ喜ぶべきものになっておらず、これからのチャレンジであることを述べていました。
慣習がかの女たちに枷をはめているために、インドネシアの他の州にいる姉妹たちから大
きく遅れているのです。

かの女たちの境遇はインドネシアの文化と精神と建設に関するクンチャロニンラKoentja-
raningrat博士のメッセージを思い出させてくれます。国家建設とは本質的に完璧な人間開
発のことなのである。それゆえに経済やインフラの建設はインドネシア人の開発と一体化
し、それをサポートするものでなければならない。

政府は人材開発、特にパプアの女性に対する開発に留意しているように思われます。パプ
アの人類学研究は、現地の文化の根を否定することなく活性化するアクションリサーチ形
態を取って段階的な文化変容をもたらすよう、適切な対策を見出すためにもっと強化され
なければなりません。

より人間的な新文化の建設は長い時間と相互関与ならびに忍耐強さを必要とすることを認
めなければなりません。物理的なインフラ建設とは性格がまったく異なっているのです。
[ 西ジャカルタ市在住、ウィム K ウィヨノ ]

2019年4月11日付けコンパス紙に掲載された中央統計庁からの回答
拝啓、編集部殿。4月2日付けコンパス紙に掲載された投書に関して、次の通り説明申し
上げます。
2010年国民センサスには人種グループという概念がありません。あるのは種族だけで
す。そのときの調査では、種族の定義が容易でないことから、種族に関する質問は自主申
告方式で行われており、本人の言う種族名が記録されています。

一般的にひとは、血統・生活慣習・言語・親族関係から果ては政治的要因などに根拠を置
いて、自分の種族アイデンティティを決めています。分析を容易にするために、回答され
た各データにはコードが付けられます。

2010年国民センサスでは、コードを付けられた種族名が1,331ありました。その
データは「2010年国民センサス報告、インドネシア国民の日常的国籍・宗教・種族・
言語」と題する中央統計庁公式報告書の中に公開されています。1,331あったコード
の中には、種族名・種族異名・サブ種族名・サブ種族名の下位カテゴリーなどが含まれて
います。

その結果、種族に関する分析では、すべてのコードを再分類する必要性が生じます。たと
えばバタッ族について分析する際に、バタッ族の異名は何か、サブ種族とその下位カテゴ
リーは何かといったことがらを適用して、はじめて分析が可能になります。

そのとき、研究者によってどのコードを加えたり、どのコードを外したりするような調整
が、上のような方式のために可能になります。センサスで行われている方式はそのような
自由度を研究者に与えています。2010年センサスの種族データには、その付加価値が
付けられているのです。

2013年の中央統計庁と東南アジア学研究機関ISEASの共同研究で、2010年国
民センサスの種族データ分析に利用できる新分類が得られました。センサスで集められた
種族コードのグループ化によって、633の大カテゴリー種族が明確化したのです。種族
百科事典などの書籍や全国のインターネット情報に見られるものがそれです。
[ 中央統計庁法務広報局長、ドウィ・レッノ・ウィルジェン・ワッユ・ウタミ ]