「国立公園を破壊から守れ」(2019年10月14日)

2019年7月31日付けコンパス紙への投書"Nasib Taman Nasional"から
拝啓、編集部殿。荒らしや略奪の容易に行える自然保護地域のひとつが国立公園です。ス
マトラのクリンチセブラッKerinci Seblat国立公園、カリマンタンのタンジュンプティン
Tanjung Putin国立公園、スラウェシのボガニナニワルタボネBogani Nani Wartabone国立
公園などがその例です。

何年も前から続けられている行為は違法木材切り出し、違法採掘、農園を作るための不法
伐採、野生動物狩猟、住民の居住などです。措置が取られているとは言っても部分的でし
かなく、また恒久的でもないために、何年か経てば同じことがまた繰り返されている始末
です。

国立公園域内の環境破壊は規模と激しさがますます増加する傾向におちいっています。国
立公園をリングの上で闘っているボクサーにたとえるなら、相手に打たれ続けながら何と
か最終ラウンドまで持ちこたえようとロープに頼り切っている状態がそれでしょう。国立
公園の運命はただ耐えること一辺倒で、包括的対策は何もないままに破壊は極力小さく抑
えるように努めるだけという状況がそれなのです。

国立公園運営にいくつかの弱点があることを認めなければなりません。まず第一に、国立
公園の広さとそこで現場を監視する職員の人数がまったくアンバランスであること。国立
公園の広さは平均的に10万Ha超ですが、中には100万Haを超えるところもありま
す。ところが現場監視員は各国立公園に100〜125人しかいません。理想的には、監
視員一人当たり200〜250Haを担当するのが妥当です。だから面積10万Haの国
立公園は監視員が5百人必要なのです。

第二は、核地区と効用地区やその他地区の境界がはっきりしていないことです。それらの
地区境界線の確定と表示を行うためには、長い時間と巨額の費用が必要です。

インドネシア全国の国立公園の責任者である生活環境森林省は、国立公園の保全にもっと
適切な方法の検討を開始するべきです。国立公園管理館や管理総館がその運営を単独で行
っているという印象を払拭するために、国立公園の監視と保全活動に地元自治体と地元民
を巻き込まなければなりません。その代償として地元民には、1990年法律第5号第3
4条第(3)項に記されているように、観光ビジネスのために効用地域の経営機会を与え
るのが良いでしょう。

自然保存地域の一部である国立公園は永久に維持されなければならない国家資産なのです。
[ ボゴール市在住、プラモノ・ドゥイ・スセティヨ ]