「プレマンの隠語(前)」(2020年03月30日) ライター: レプブリカ紙記者、シティ・ダロジャ・スリ・ワッユニ ソース: レプブリカ紙 "Mengenal Istilah Dunia Percopetan" 言葉はコミュニケーションツールだ。人種や種族が個々に持っている言葉は世界に多分数 千はあるだろう。社会的文化的発展が独自の言葉を生み出すこともある。 enakと言う代わりにendangという言葉を友人が口にしたとき、わたしはヘナヘナとなった。 「Ya sutra lah kalau begindang.」という文はバハサガウル辞典をひもとけば分かるし、 セラブリティ層が好んで使う言葉に注意していればもっと語彙も増える。 バハサガウルが流行する前、バハサプレマンと呼ばれる言葉が流行った。このバハサプレ マンがどこに由来していたのかをわたし自身はよく知らない。しかしわたしの友人がブタ ウィ語gua(我)をogutと変形させていたのを耳にしている。マージナルな若者層はmakan をkemek、bapak-ibuをbokap-nyokapと言っている。berapaという語をかれらはberokapと 言う。このような言葉をマスターするためには、かれらと頻繁に接触して練習するしかな い。 ひとつのコミュニティが自分たちの間でのみ通じる言葉を創造しようとしていることがわ たしにだんだん分かって来た。そうすることで、自分たちが何を話していようが、外部の 人間にその内容を知られる心配から免れるのだ。犯罪被害者を含めて公共スペースにおけ る犯罪を集中的に観察した結果、スリや強盗たちの隠語がわたしには理解できるようにな った。本当は、わたしが自分で解明したわけでなく、元大物強盗と知り合いになった結果 だったのだが。 大物強盗というのは、殺人も辞さない強盗という意味でなくて、四輪車強盗を指している。 その本人が言うには、四輪車強盗というのは強盗の世界で最高位カーストなのだそうだ。 「最低カーストは洗濯物やニワトリ、あるいは礼拝所で他人のサンダルを盗む小物泥棒だ。 ただし、小物泥棒すら、強姦犯罪者よりはマシなのだ。強姦犯罪者は最低のまた最低カー ストになる。奴らは女性を侮蔑しているのだから。留置場や刑務所で強姦犯罪者は一番手 ひどく扱われる。物理的な仕置きだけでなく、牢名主に金を渡さなければならない。」も う14回もムショ入りを経験し、全国たいていの刑務所は熟知している元大物の知り合い はそう語った。わたしはかれから、盗賊たちが使っている隠語の数々を教えてもらった。 盗賊は普通、一人で仕事しない、とかれは言う。最低でも三人チームだから、チーム内で のみ分かる隠語を使わなければならない。チームでは役割分担が行われる。都バス内で仕 事するとき、ひとりはブレーキ屋tukang remの役に就く。ブレーキ屋とはその名の通り、 動きを止める役割を果たす。その方法は、車内の乗客が争って降りようとするときに、扉 の辺りに立っているだけ。そうすることで、バスから出ようとする乗客の流れに停滞が起 こる。 次の役割は押し屋tukang dorong。押し屋は停滞するひとの流れを前に押しやろうとする。 前にはブレーキ屋がいて通りにくくしており、後ろからは押し屋がその流れを無理押しし てくるから、降りようとしている人間の塊りは密着して押し合いへし合いになる。 [ 続く ]