「ジャムゥ(終)」(2020年06月15日)

限界のある、それどころか誤謬から無縁でいられない西洋学術理論であらゆる医療メソッ
ドが証明でき、また証明されなければならないわけでないことを西洋科学技術の世界はす
でに認識し、また理解している。いかにファーマシー医薬品が権威と実績のある西洋式学
術臨床面のテストをパスしていても、人間の健康に有害な作用を及ぼしうることを事実が
示している。何千人もの赤児に障害をもたらしたサリドマイド、あるいはファーマシー下
痢止め薬が長期的に飲用者の視力を冒したことを忘れてはならない。ファーマシー薬品ヴ
ァイアグラは性心理的でなく生物学的に勃起を起こさせるため、性行為の補助として無理
に誤った用法を行えば、心臓や血圧に問題のあるひとには致命的なリスクをもたらす。こ
の奇跡の薬の薬効を誤用した結果、生命を落とした者が何百人もいる。

e) 天然資源が無限にあるわけではないため、無制限な開発が行われると薬効を持つ植物
の絶滅を引き起こすおそれがあるばかりか、生命連鎖をなしているエコシステムを破壊す
ることになりかねない。

f) インドネシアの公式保健サービスは単一方式であるどころか、西洋ファーマシーと医
学の独占形態を取っている。この方針が続けられるかぎり、ジャムゥ産業が自由に成長発
展できる機会は狭められる。2000年に施行が開始されると言われているジャムゥ消費
者保護法はファーマシー消費者保護法と一律の内容にされるそうで、そうなればジャムゥ
産業にとって弔鐘が鳴り響くことになる。

最初に失業者になるおそれの高いのは、ファーマシー医薬品生産方式での条件を満たすの
が不可能なジャムゥゲンドンやカキリマワルンあるいは家内産業のジャムゥ生産者たちで
あるということを民衆経済イデオロギー愛好者たちは覚るべきだ。ジャムゥ生産の基本的
観念やメソッドはファーマシー医学と根本的に異なっているのだから。

それらの様々な障害に対応するために、第三ミレニアムを迎えるジャムゥ産業は予見的ス
テップを踏まなければならない。

a) ジャムゥ製品の持続的研究開発。休むことなく新製品を生み出し、あるいは代々伝え
られてきたジャムゥの改善やレベルアップを図る。伝統遺産に改善の余地がないなどとい
うことはありえない。

b) 自立的な本質と形態を踏まえて、保健サービス学の形式にジャムゥを標準化する。

C) 社会・産業界・実業界・生産者農民・行政の間で統合的な生活環境保全マネージメン
トを確立する。

d) インドネシアジャムゥ産業界の人材に対して製造とビジネス能力の向上を推進する。
業界の最前衛であるマーケティングのみならず、財務・情報システム・生産、そして何よ
り重要な人材管理の能力を高めること。ヌサンタラだけでなくこの地球上の医薬品市場に
おける競争に立ち向かう優れた人材を育て上げることは最重要課題である。

e) このレフォルマシ時代は、植民地支配者の名残を引きずる国民保健政策への全面改革
を行う時である。インドネシアの独立が政治軍事面だけに限られてはならないのだ。とこ
ろがわれわれの保健政策はいまだに文化帝国主義と植民地主義に支配されている。それど
ころか、西洋医療ファーマシーマフィアの支配下にあるのだ。


われわれ全関係者が同じテーブルに着いて綿密な計画を作り、単一コース、ましてやモノ
ポリでなく、インドネシア民族自身の築いてきた伝統医薬保健サービスと連合してダブル
コースの国民保健サービスを整然と実行する時がいま来ている。中国・インド・チベット
・ミャンマー・スリランカそしてドイツまでもがダブルコースの国民保健サービスを行い、
それができるどころか大きい成功を収めているのが実証されているというのに、インドネ
シアが追随しないでどうするのか?レフォルマシの意欲が燃え上がっているいま、国民保
健サービスシステムが西洋文化の独占物になり、われわれの民族文化が継子扱いされてい
るのは、実に不適正きわまりない。

ジャムゥよ。怖れずに前進せよ。ムルデカ![ 完 ]