「ヌサンタラのドゥリアン(16)」(2023年03月24日)

kue sus durian
シュークリームのインドネシア語がkue susだ。語源はオランダ語soes。これは普通のシ
ュー皮の中にドリアンカスタードを入れただけのもの。カスタードの作り方はこれ。

ブレンダーにドリアンの果肉と牛乳を入れて滑らかにする。それを鍋の中で小麦粉・コー
ンスターチ・塩・バニラと合わせて均一にする。鍋を弱火で熱し、ブツブツ跳ねるように
なったら火から下ろして冷ます。

puding durian
ドリアンを主役にしたプリンで、ドリアンの味覚を一層引き立たせるためにカスタードプ
リンとはだいぶ趣の異なるものになっている。カスタードプリンでも種々の味覚をコンビ
ネーションさせたものがあるように、このドリアンプリンもチョコレートや他の層と組合
せたりしてさまざまなバリエーションが作られている。簡単で手軽にドリアンプリンを作
る方法のひとつがこれだ。

牛乳・粉乳・カスタードパウダーを混ぜておく。次にドリアンの果肉とココナツミルクを
ブレンダーで混ぜる。容器に移してから先に作ったカスタードパウダー溶液を混ぜ込む。

鍋に牛乳・上白糖・塩・粉末寒天を入れて中火で熱し、かき混ぜながら沸騰させたあと、
上のドリアンのドウを加えて弱火で再加熱し、沸騰させる。これをプリン型に入れて冷ま
せばドリアンプリンができあがる。

ココナツミルクソースをかけて供するのが一般的な作法になっている。このソースは濃い
ココナツミルク・塩・パンダン葉を混ぜて加熱する、定常パターンのもの。

muffin durian
これはマフィンの中にドリアンの果肉を混ぜ込んで焼き上げたものだ。通常一般のマフィ
ンを作る要領で素材をこねるときに、ドリアンの果肉を混ぜ込むだけでよい。

pie durian
インドネシアでpieあるいはpie susuと呼ばれているものはカスタードタルトレットのこ
とだ。だからピエドリアンというのはとどのつまりが、粉を練って皿状に焼いたものの中
にドリアンカスタードが入った食べ物ということになる。ドリアンカスタードの作り方は
これ。

ドリアンの果肉・白砂糖・牛乳・塩・粉末バニラをブレンダーで混ぜる。鍋にマーガリン
を置いてブレンダーの中身を移し、中火で熱する。それをかき混ぜながら卵黄とコーンス
ターチを混ぜ込み、濃く均一になるようにする。ドリアンの香りが強まったところで火を
止め、タルト皿に入れてオーブンで焼く。タルト皿を作るとき、オーブンで焼き上げてし
まわないように、気を付けること。

pancake durian
種から外したドリアンの果肉とクリームを小麦粉の薄皮で包んだもの。西洋風の厚目でこ
んがり焼いたパンケーキの間にドリアンの果肉をはさむものもあるが、インドネシアでは
クレープスタイルの方が一般的なようだ。

品物自体はdurian crepesと呼ばれるのにふさわしい姿をしていて、そう呼んでいるひと
も実際に存在しているというのに、いったいどうしてパンケーキという名称でインドネシ
アに定着したのか判然としない。きっとあまたある謎のひとつなのだろう。

皮はまず、小麦粉と塩砂糖を混ぜたものに卵黄・牛乳・溶かしバターを加えて練り、濃い
液状のドウを作る。溶かしバターを塗った平らな小鍋にドウを少しずつ入れて何枚も焼く。
薄皮だから破れないように注意する。

広げた皮の中央にホイップクリームを置き、その上にドリアンの果肉を置いてから皮を封
筒のようにくるむ。冷蔵庫で冷やしたものを供する。[ 続く ]