「JKT−BDGエクスプレス(3)」(2025年08月29日) 今やカラワン〜プルワカルタ経由のジャカルタ〜バンドゥンルートが鉄道も自動車も標準 になった。おかしなことに、プンチャッ街道の入り口に当たるボゴール県チアウィからバ ンドゥンへのルートをグーグルに尋ねると、問答無用でカラワン〜プルワカルタ経由のル ートに引き回されるのである。従順に従っていれば50キロくらい余分に走らされること になるから、ガソリンを浪費したくないドライバーはご用心。それはそれとして: プルワカルタ駅を出た列車はパダララン目指して進む。その行程にたいへん珍しい光景が 用意されている。列車は広大な谷の上に建てられた長い長い鉄橋を走るのである。地表面 から線路までの高さは40〜50メートル、高い鉄橋は100メートルに達する。おまけ にチソマン、チクバン、チビソロと三つも長い鉄橋があって、人によってはスリル満点の 光景に見えるかもしれない。だが国鉄技術者の説明によると、鉄橋の上にはガードレール 設備が施されていて、鉄橋が揺れても脱線が起こらないように十分な安全対策が執られて いるそうだ。 最長のチクバン鉄橋は長さが300メートルあり、ジャワ島でも最長の栄誉を誇っている。 チビソロは290メートルだ。1906年に建てられたそのふたつは地表高40〜50メ ートルだが、チソマン川をまたいで設けられたチソマン鉄橋は地表高が100メートルも ある。 1930年に建てられたチソマン鉄橋が現在使われなくなっているのは鉄橋そのものの年 齢が原因なのではなく、地盤が動いたためだと国鉄の技術者が説明した。チソマン新鉄橋 はプルワカルタ〜パダララン複線化工事の際に旧鉄橋から25メートルほど南に建てられ た。新しいのは全長が243メートルになって古い鉄橋の230メートルより長くなって いる。 2003〜2004年に行われたプルワカルタ〜パダララン複線化工事では、チガネア〜 スカタニ7.2KMとプレレッ〜チソマン6.2KMの二区間が複線化された。その他の区間 はパダラランまでオランダ時代の単線が依然として使われている。チソマン駅から先の複 線化が困難なのはチソマン〜チカドンドン5.7KM区間にチソマン鉄橋があるためだ。そ して全長920メートルのササッサアットンネルがあり、パダラランに近付けば上述のふ たつの鉄橋も待ち構えている。 プルワカルタ〜パダララン区間の行程は次のようになっている。 Purwakarta - Ciganea - Sukatani - Plered - Cisomang - (jembatan Cisomang) - Cikadongdong - Rendeh - Maswati - (terowongan Sasaksaat) - Sasaksaat - (jembatan Cikubang) - Cilame - (jembatan Cibisoro) - Padalarang ( )以外は駅名。 オランダ時代に掘られたササッサアットンネルは丘の頂上とトンネルの天井が30メート ルほどの距離しかなく、またトンネル天井で浸水が強まっている現象が観察されているこ とから、丘を掘り崩す対策も検討されている。そうなればササッサアッのトンネルは姿を 消すことだろう。このトンネルはインドネシア国内で第2の長さを誇る鉄道トンネルであ り、第1位のヴィルヘルミナトンネルが使われていないために、現役中でナンバーワンに なっている。 長い長いそれらの三鉄橋を毎日80便の列車が20〜30分かけて通過している。チプラ ラン自動車専用道が鉄橋と並行して作られている場所があり、鉄橋を列車が通過している ときに通り合わせれば珍しい見物になること請け合いだ。しかし運転者がそれに見とれて いては事故の元だから、やめたほうがいい。 それらの鉄橋はインドネシア国鉄バンドゥン第二操車区の管轄地区にあるのだが、この操 車区の管理下にある鉄橋は現役のものだけで455ヵ所もあり、長さの合計は6.7KMで、 鉄材の重量は1.2万トンに上っている。[ 続く ]