「スカルノのジャカルタ(73)」(2026年04月03日) モスクは直径45メートルの総大理石貼り白色ドームを載せた主館とその玄関に当たる5 階建ての表館、そして南側の大テラス並びに大テラスの南端に建てられた高さ6,666cmつ まりほぼ67メートルの高さのミナレットで構成され、大テラスには周囲と中央に屋根付 き回廊が配置されている。 一辺百メートルの正四辺形をしている床を持つ主館の内部は天井とドームまで吹き抜けの 大広間になっていて、床の中央部にドームを支える12本の柱が建っているだけだ。6万 1千人がそのスペースの中で同時に礼拝できる。建物の四隅には外に張り出した5階建て のバルコニーが設けられており、表館の5階と同期した高さになっている。 主館のドームには西ドイツ製スチール86トンが使われ、中央に避雷針が設けられてその 避雷針にイスラムのシンボルである星と三日月をかたどった直径3メートルのマスタカが 取り付けられている。 表館は主館の東側に突き出した形で主館とつながり、表のカテドラル通りから橋を渡って モスクの敷地に入って来た者を最初に迎える位置に大門を開いている。そこから階段を上 がって中に入ると、右側が主館の大広間に向かう通路になっている。大広間の向こう側の 壁にミンバルとミッラブがあり、キブラッの方角がその軸になっている。 長さ33メートル幅27メートル高さ52メートルの表館は5階建てでその全フロアを礼 拝に使うことができ、8千人が同時に礼拝できる。表館の屋上には直径10メートルの第 2ドームが載っている。 このイスティクラルモスクのフロアの数え方は地面階の上に一階がある方式を採っている ために地上から数えれば6階建てになる。つまり礼拝は一階で行われるが、それは地面階 のひとつ上ということなのだ。地面階には一階に上がる門と階段、ウドゥ場、事務所、多 目的室、診療所、図書館、マドラサがある。 南端のミナレットは高さ66.66メートルでその上に30メートルの尖塔が載っており、 アルクルアンに記された6,666のパラグラフ数と30の巻数を表している。そのためにミ ナレット自体の高さは96.66メートルということになる。 ミナレットを南端に載せて南側に広がっているオープンエアーの大テラスは29,800平米の 面積を有し、5万人の同時礼拝を可能にしている。表館の大門から入ってそのまままっす ぐ進めば大テラスのほぼ中央を二分している主回廊に入る。この主回廊の端は独立記念塔 に対面しており、主回廊に入ると独立記念塔を見ながら端まで歩くことになる。大テラス 自体は周囲が回廊で囲まれていて、主回廊の端を左に曲がればミナレットを経由して表館 に戻るルート、右に曲がれば主館の南側につながるルートになる。 5階建ての建物は一日5回の礼拝とパンチャシラを象徴し、ドームを支える12本の柱は 預言者ムハンマッの誕生日であるラビウルアワル月12日を示している。ドームの直径4 5メートルは1945に掛けたものだ。 このモスク建物を包む6.85Haの土地には駐車場やユーティリティサービス施設の他に 巨大な噴水池が庭園の一部として設けられた。直径45メートルの円形池の中央に噴水設 備が置かれ、メインノズルから吹き上げる水は高さ45メートルに達する。その周りに8 本のノズル、そしてその外周を17本のノズルが囲んでインドネシア共和国独立宣言の日 付を象徴している。噴水が動くのは毎週金曜日とイスラム大祭の日だけだそうだ。 2015年にはイスティクラルモスクを毎日1万人が礼拝や観光に訪れ、外国人ツーリス トも週日で百人、土日は130人くらいが訪れるという話で、中国人・日本人・ドイツ人 が外国人訪問者の上位を占めていると当時のモスク管理者は語っている。今では毎週金曜 日に2万5千人が集まり、イドゥルフィトリやイドゥルアドハの大祭には一日に25万人 がモスク内を埋め尽くす。[ 続く ]