インドネシア市場情報2004〜05年


「ジャイアント・ハイパーマーケットの新規オープンは今年4店舗」(2004年5月7日)
スーパーマーケットのへロー、ハイパーマーケットのジャイアント、薬局のガーディアン、コンビニエンスストアのスターマートという四つの小売チェーンを運営しているPT Hero Supermarket Tbkのイプン・クルニア社長は、今年ジャイアントを新たに4店舗オープンすると語った。ジャイアントは既に全国で6店舗が営業しており、うち4店はチマンギス、スルポン、スマンギ、ブカシのジャボタベッ地区、もう2店はバンドンとスラバヤにある。同社ではもう2店を新規にジャボタベッ地区に、他に2店を別の都市に開設する計画。4月22日にマタハリがこの業態への参入を開始し、カルフルの独走にまったをかけようと外資と地場資本の三つ巴、いやアルファを含む四つ巴の競争がはじまった。最近カルフルの値段が高くなった、と嘆く庶民の声が聞こえはじめていたところだが、賢い消費者にとって切り札が増えることを期待。


「アクアの販売は伸び悩み」(2004年5月7日)
アクアブランドのビン詰め飲料水を製造しているPTアクアゴールデンミシシッピー社は、今年の販売目標を319万リッター、1.17兆ルピアと設定している。しかしこの業界はビン詰め飲料水再充填業が公認されて以来、売上が伸び悩んでいる。保健衛生上の管理に問題を抱える再充填業者も多いが、それでもその部分のビジネスは伸びているようだ。アクア社もその影響を受けて販売量は2002年307万リッター、2003年309万リッターと微々たる増加。影響がもっとも大きいのは5ガロンビンで、同社では3%の販売減。他のブランドでは15%も減少したために、生産を止めてしまったところもある。それでもアクア社の販売量が微増しているのは、カップとペットボトルのおかげだとのこと。


「2003年のインドネシアトップリテイラーはマタハリデパート」(2004年5月18日)
ユーロモニター・インターナショナルが最近発表したアジアパシフィック地区の小売業トップ500によれば、インドネシア小売業者のナンバーワンはMatahari Department Storeが6.5億ドルの売上で108位に登場している。2003年の売上高をベースにしたこの番付表のトップ10はイオン、セブンイレブン、ダイエー、ローソン、高島屋など日本勢で占められているが、3位にウールワース、6位にコールズとオーストラリア勢がひとりノンジャパン勢力として健闘している。
ほかのインドネシア勢はどうかと見れば、Robinson, Ramayana, Cahayaなどのデパートメントストアを運営しているPT Ramayana Lestari Sentosa社が134位に売上高4.3億ドルで登場。続いてカルフル・インドネシアが3.9億ドルで141位を占め、Hero Supermarketが170位、コンビニのIndomaretが181位、Alfa Supermarketが250位、Alfa Convenience Storeが256位、Next, Union Bay, Nauticaなどのアウトレットを持つPT Mitra Adiperkasaが384位、靴のBataが388位、薬局Kimia Farmaが438位、イギリス系Giant Hypermarketは449位に位置している。
ところでインドネシアの小売業界では特に、実在庫が帳簿の数より不足しているディスクリパンシーの率が他の国より大きく、他の国では1%を切るようなレベルを更にミニマイズしようと努力を払っているが、インドネシアでは売上高の3%前後から下がったことがない。これは商店やショッピングセンターが的確なシステムを持っていないことを表すものであり、また従業員の生産性が平均以下であるために、インドネシアの小売業界に筋肉質の経営が実現しにくい要因となっている、と専門家は述べている。


「クラパガディンでJF3開催中」(2004年5月21日)
5月19日から23日まで、北ジャカルタ市クラパガディン地区にあるクラパガディンモール?でジャカルタファッション&フードフェスティバル(略してJF3)が催されている。これは都庁とクラパガディン地区開発を行ってきたスンマレコン・グループがいくつかのスポンサーを募って開催したもので、今年はアメリカ、スエーデン、中国から招聘したファッションモデルも参加している。19日夜にクラブクラパガディンで催されたガラファッションショーにはスティヨソ都知事も列席した。スンマレコン社はこの行事を毎年開催し、ファッションはクラパガディンというステータスを目指したいと述べている。


「お買い物はジャカルタグレートセールで」(2004年5月28日)
今年も予定されているジャカルタグレートセールへの協賛表明者は既に276事業者にのぼっている。ショッピングセンター23、デパートメントストア24、小売店170、ホテル18、スパ3、レストラン35というのがその内訳で、これは27日現在のものであり、6月中旬からのグレートセール開始までには更に参加者が増えるだろう、とこの催しの事務局を担当しているイベントオーガナイザー、PTガヤウィサタのプルワティ・シダルタ社長は語っている。
例年10%から70%までのディスカウントが出るこのジャカルタグレートセールは6月22日のジャカルタ創設記念日を盛り上げる催しのひとつで、近隣諸国へもショッピングツアーにジャカルタへという観光誘致プロモーションをかけている。ちなみに昨年のグレートセールでの総売上は3.9兆ルピアだが、今年はその10%アップを目標に掲げている。またジャカルタ商工会議所は、このセールに参加した商店が割引率を大きく見せるために価格をマークアップする行為を行わないよう勧告し、もし行ったことが明らかになれば制裁を与える、と表明している。


「新品携帯電話販売が半減」(2004年6月1日)
ルピア為替レートに敏感に反応する携帯電話価格のおかげで、5月半ば頃から新品ハンドセットの販売店での売上が半減している。ある商店主は、値上がりはせいぜい10万ルピア程度だが、数量のメインを占めるローエンドでは影響が大きく、このセグメントの顧客は新品を買い控えて、まだ値上がりが起こっていない中古品を選択している、と語る。しかし過去にも何回か満ち干きする販売の波をくぐってきたこの業界は危機状況への対応を心得ており、ゲームのダウンロード、リングトーン、壁紙、初回用カードや買い足しバウチャーなど製品サポートビジネスへとシフトする。
今商店にとっての稼ぎがしらは度数をリチャージするための買い足しバウチャーで、1万ルピアバウチャーは小売レベルで1万5千ルピアの値が付いている。ところが表示価格10万ルピアのものは9万7千ルピアで売ることができる。もともと買い足しバウチャーを売って小売店が取れるマージンは、価格の大小にかかわらず4%だが、表示価格10万ルピアや15万ルピアのものは、マージン金額は大きいが数はあまり売れない。今消費者の人気が集まっているのは1万から5万ルピアの小額買い足しバウチャーで、シェア構成は1万と2万もので50%、5万ルピアもので35%、10万や15万ものは15%だ、との業界筋の談。ところが小額バウチャーは数量があまり出回っておらず、その結果市場原理が働いて値上がりしているのが実態とのこと。


「トップブランドフォーキッズ賞受賞者決まる」(2004年6月7日)
子供向けスナック菓子に対して与えられるTop Brand for Kids 2004 Award受賞者が決まった。今回表彰されるのはジェリーのOkky JellyとピーナツのKacang Garuda。このアワードの企画は、3千万人という国内子供消費者市場の大きさを視野に入れた消費者教育とビジネス振興を目指すもので、リサーチ機関『フロンティア』と雑誌『マーケティング』が主宰している。審査方法はジャカルタ、バンドン、スマラン、スラバヤ、メダンで母親1千2百人、子供2千人から集めたアンケートを集計し、ブランド人気、品質認知、ブランドイメージ、消費者ロイヤルティの4ポイントを、回帰分析を用いてスコアを出すというもの。今回オッキ・ジェリーは48.7%のスコアを取り、二位Inacoの14.1%、三位Nutrijell8.3%を引き離して優勝した。またカチャン・ガルーダは80.1%を得、二位のDua Kelinci6.2%、三位のIyes4.2%を圧倒的に降して優勝した。


「エレクトロニックシティの販売が好調」(2004年6月8日)
各地にさまざまなブランドの家電品を集めた大型店舗を運営しているエレクトロニックシティの今年1月から5月までの売上が前年同期実績に対して5割増になっている、と同社経営陣のひとりが語った。
エディ・プリアンボド営業販売担当部長は、特にオーデイオビジュアル製品の販売が好調で、総売上高は前年にくらべて5割増になっている、と語る。しかも6月1日から7日までの一週間は、分割払いの金利0パーセントに景品を加えたセールを行い、10億ルピアの販売を達成したとのこと。ルピア為替レートが下降気味であるため、値上がり前に買っておこうと消費者の購買意欲が盛り上がっていることがその背景だろう、と同部長は見ている。「価格はまだ概して安定しており、一部の商品で5%ほどの値上がりが起こっているだけだ。これで為替レートが値上がりを引き起こせば、消費者は買い控えに入ってしまう。このパターンは1997年以降定常化している。」との同部長のコメント。


「インドミーの味のバリエーションが減少する」(2004年6月10日)
世界最大の即席麺生産者PT Indofood Sukses Makmur社は、今市場に出している40種類の商品を淘汰する考えであることを明らかにした。同社のチェザール・デラクルス財務担当取締役は「いま40種類の異なる味のバリエーションが市場にオファーされているが、その中で人気のないものは生産を中止する。弊社は市場で人気のあるものだけを販売する所存であり、20種類に減らす予定にしている。どの味を残すかは市場での売れ行き次第だ。」と述べている。
インドフード社の今年の即席麺販売目標は95億食。最近の新参ブランド攻勢の中でシェアを守る側に立っているが、国内市場の8割シェアはまだゆるぎない、との同取締役の談。今年はアジア,アメリカ、オーストラリアへの輸出が2億から2.5億食と見込まれ、今年の売上は昨年から5%ほど増加するだろうと予測されている。


「ジャカルタグレートセールは6月14日から」(2004年6月11日)
首都ジャカルタ創設を記念して催されるジャカルタグレートセールは6月14日から7月14日までの1ヶ月間実施されるが、参加表明がいまひとつ盛り上がらない、と主催者は不満を洩らしている。参加を既に表明したのは、ショッピングセンター23、デパート101、小売店1,514、ホテル18、スパ3、レストラン41という内容だが、都内で営業許可が出されているのはショッピングセンターで74、レストランは2,115。もっと参加があっても良いのに、と思うのが人情というもの。小売業界オブザーバーのクスタルジョノ・プロジョラリトは、「本気で国際ショッピング祭りを行うのなら、空港からはじめなければならない。イミグレーションや観光行政機関を巻き込まなければだめだ。」と都庁とオーガナイザーを批判している。
一方この催しに関連して都庁は、その期間中でのホテルレストラン税免除の検討を始めた。このホテルレストラン税は地方税で、都庁は今年年間6千億ルピアの収入をそこからあげようと期待しているが、業界側はこれまでこの納税に対する見返りがほとんど感じられないと都庁を批判してきた。そのため都庁は、このセール期間中に免税を与えることでこの企画の盛り上がりをはかれば一石二鳥と考えているもよう。


「カキリマ商人は都庁に一日10億ルピア納めることができる」(2005年6月14日)
通貨危機に端を発した多次元経済危機で失業者があふれ、首都に残ったかれらの多くはカキリマ商人となって糊口をしのごうと、都内の繁華な場所にあふれかえった。かれらが公共施設である道路や公園、あるいは道端や駐車場などを占拠したため、都庁秩安局はかれらを追い払うことを目的に実力行使を行うようになったが、それで問題の根が解決されるものでもない。
道端に商品を並べて販売活動を行っているかれらカキリマ商人も協会を組織している。インドネシアカキリマ商人協会(APLI)がそれで、同協会によれば、中央統計庁の公表データである首都のカキリマ商人14万1千人をはるかに超える、総数30万人が都内で日々カキリマ商行為を行っているとのこと。協会は都庁に対し、都庁秩安局が暴力的に行う実力行使は根本解決にならず、かえって事態を紛糾させるだけであるため、都庁は現状を認めてカキリマ商人の商活動を許し、協会はその見返りとして一日10億ルピアを都庁出納に毎日納めるという条件を出した。
一方スティヨソ都知事はその提案に悲観的で、カキリマ商人が全員法規を遵守するというなら話は別だが、これまでの情況を見るかぎりでは、それが実現するとは思えない、と答え、都庁はカキリマ商人のためにあちこちに育成地区を設けてそこで商活動を行うよう指導しており、公共施設を勝手に占拠する者はあくまで実力で排除するしかない、と述べている。


「ジャカルタグレートセールに人の波」(2004年6月15日)
14日、ジャカルタグレートセールに協賛する23モール、101デパート、1,514小売店、18ホテル、3スパ、41レストランに消費者が殺到した。最大70%ディスカウントを与えるショッピングスポットに人の波が押し寄せたが、中には12日から既にディスカウントを開始した店もある。この催事の主催プロジェクトオフィサー、プルワティ・シダルタは「このセールのグランドローンチングは6月24日にプラザスマンギで行われるが、各協賛者がソフトローンチングを既に始めたことは大いに歓迎する。」と述べている。このセール協賛店で買い物すれば20万ルピアごとに1ポイントが与えられ、たくさん点数を集めればボルボS40 2.0ターボやノキア携帯電話などの景品を手に入れるチャンスが待っている。


「紀伊國屋書店は20万タイトルの書籍を販売」(2004年6月16日)
日系の書店『紀伊國屋』がプラザスナヤンのそごうデパート5階に新装オープンした。床面積1,850平米の店舗に20万タイトルの書籍を陳列しているこの書店は、いまジャカルタで最大のインターナショナルブックショップだ。日本の紀伊國屋書店からライセンスを受けて営業しているPT Kinokunia Bukindoは1990年3月に設立されたが、いまや百人の従業員を雇用し、国内外の百店から仕入れを行っている。
同社は外国語やインドネシア語の書籍を販売しているが、英語の書籍が32カテゴリーでもっとも充実しており、中国語が30、日本語が18カテゴリーで、インドネシア語書籍は全体の中で5%を占めているに過ぎない。販売量は英語書籍が60%を占め、次いで日本語が25%となっている。インターナショナルスクールがジャカルタに多いために他の都市にくらべてジャカルタでの需要が高く、また日系書店であることから日本語書籍の販売も大きいポーションを占めている。


「ジャカルタフェアが17日からはじまる」(2004年6月18日)
中央ジャカルタ市クマヨランのジャカルタフェア会場(Arena Pekan Raya Jakarta)で17日、メガワティ大統領を招いての第37回ジャカルタフェア開会式が華やかに行われた。開会スピーチの中で大統領は、このフェアを夜市のひとつから世界的ネットワークを備えたモダン通商産業フェアに変身させていってもらいたい、とスティヨソ都知事に要請した。この開会式には大統領の夫、商工大臣、外務大臣、経済分野統括大臣、国民教育大臣など多くの現職閣僚も列席し、式後のアトラクションで150人が入り乱れて踊る華やかな群舞を楽しんでいた。
主催者は昨年のフェア開催期間中の入場者170万人が今年は220万人に増えることを目論んでおり、昨年の取引高だった2千億ルピアを今年は2千5百億ルピアに伸ばそうと意欲的な目標を掲げている。今年のジャカルタフェア出展はおよそ1千団体で、例年このフェアには地方自治体が地元産業振興を目的にブースを開いて特産品を出展しており、今年も廉価な掘り出し物が手に入ることが期待される。フェア会場にはA,B,Cの三ホールがあり、地方自治体ブースはCホールに設置されている。
フェアへの入場はウイークデーで15時から22時まで、土日と国民の休日は10時から23時までとなっている。ほとんど毎日、夜の時間帯にはダンドゥッやロックの有名バンドや歌手が屋外ステージに登場するスケジュールが組まれ、食べ物売りも軒を並べてジャカルタの伝統的な料理や食品を用意して顧客を待っている。


「インドネシアは国際eコマースに加われない」(2004年6月18日)
ペイメントゲートウエーを運営しているアメリカのペイパル社がグローバルeコマース対象国の中にインドネシアを含めていない。そのためにインドネシアの個人も団体も、国際eコマース参加への扉が閉ざされた状態にある。
インドネシアIT連盟のテディ・スカルディ会長は「インドネシアがまだサイバー法を持っていないことが最大の障害になっている。今進められている『電子決済と情報』法案の早急な成立を目指して、実業界が一致団結して後押しする必要がある。」とコメントしている。一方ICTウオッチコーディネーターのドニーは、ぺイパルのインドネシア加入申請却下はサイバー法不在だけが問題ではないとしながらも、サイバー法がない現在、交渉のすべはないも同然であり、サイバー法を一日も早く成立させるのが先決問題だ、と述べている。
インドネシアにおけるeペイメントについては、個人レベルで行われている部分があるにせよきわめて小さい範囲に過ぎず、実業界がeコマースに関わるのはあまりにもリスクが高いために、関係者はみな二の足を踏んでいるのが実情だ。


「エンデ産の緑石に人気」(2004年6月29日)
フローレス州エンデの町から西へおよそ20キロ行ったところにあるプンガジャワ海岸(Pantai Penggajawa)で採れる緑色の石の売れ行きが伸びている。エンデの緑石業者アフマッ・ヤニ34歳は5年前からそのビジネスを始め、販売高は年々伸びているとのこと。
プンガジャワ海岸地元民が一日平均30トンの緑石を集めると、ヤニは採集者からキロ当たり180ルピアで買い上げる。それをエンデの倉庫に在庫しておき、スラバヤで流通業を行っているかれ自身の弟にキロ当たり600ルピアで卸すのがかれのビジネス。月間販売量は3百トンで、かれはそれを年内に5百トンの規模まで拡大しようという計画を立てている。
この石は庭や壁などに建築資材として使用され、住居に彩りを添えているもので、国内ではバリ、スラバヤ、バンドン、ジャカルタなどで販売されており、またスラバヤから台湾や香港にも輸出されている。


「学年末休みから新学期にかけては、携帯電話販売が沈滞」(2004年7月7日)
携帯電話機販売業界は、7月から8月にかけての学年末休みから新学期期間中は販売がニ三割減少するため、在庫減らしにかかっている。販売業者にとっては、資金を長期に寝させないことのほか、価格が下降傾向にあるこのマーケットの性格に合わせての対応の意味合いも持っている。これは業界が例年体験している現象であり、業界者は慌てず騒がずといったところ。
ロビー・ダルマスティアワン全国携帯電話協会(APSI)会長によれば、今年上半期の国内携帯電話機販売は、年間目標460万台の45%に達しているとのこと。市場に流れている諸ブランドあわせて30機種を超えるバラエティの中で、小売価格150万ルピア以下のローエンドカテゴリーは65%を占めており、3百万ルピア以下のミドルレンジは25%、単価3百万ルピアを超える高級品は10%だそうだ。
スラバヤで20店のアウトレットを持つ、ある大手販売業者は「例年7月8月は10から15%販売がダウンする。ことしもそのくらい下がるだろう。在庫もそれにあわせて適正化する。いまは為替レートが変動しているので、この要因も仕入れに影響している。でもだいたい5大トップブランドを置いとけば間違いないよ。」と語っている。スラバヤの5大トップブランドとは、ノキア、サムスン、ソニーエリクソン、シーメンス、モトローラ。


「ジャカルタフェア来場者は目標以下」(2004年7月9日)
6月17日から首都クマヨラン地区のPRJ(Pekan Raya Jakarta)で開催されているジャカルタフェア2004の来場者数はいまひとつ盛り上がりに欠けている。主催者のPT Jakarta International EXPOが公表したオープン以来7月5日までの入場者数は1,043,647人で、今年の目標である250万人の半分に満たない。同社プロジェクトダイレクターのラルフ・シューネマンは、2002年が150万人、2003年が200万人とジャンプしており、今年は平均一日7万人の入場を想定して220から250万人という目標を組んだ、と語っているが、入場券販売データを見ると開会後の数日は11万人が入場したものの、その後のウイークデーは2万4千から4万人のレベルで、週末にやっと10万前後の数に達する。最後の7月4日は11万3千人が入場したが、総選挙投票日の5日は99,500人で10万人を切っている。
シティ・ハルタティ・ムルダヤ同社代表取締役は、「入場者数というのは入場券販売から得られた数字で、実際にはもっと大勢の人が入場している。毎晩アーティストのステージには10万人の群衆が集まっており、子供、老齢者、軍人・警察官など入場券販売の対象でない人たちはデータの中に含まれていない。それらの人数を加えれば、入場者は二倍になるはず。」と述べている。
ところで入場者数は例年より寂しい状況だが、出展者の販売状況は決して悪いわけでなく、中にはフェア期間中の販売予定の75%をもう消化してしまった、と語るブース責任者もいる。


「ラマヤナデパートの販売は好調」(2004年7月12日)
国内小売業界のナンバーツー、ラマヤナデパートの今年の販売状況はきわめて快調で、売上高の伸び率は昨年の二倍になるだろうと同社関係筋が語った。ジャカルタをベースに全国に82ヶ所の販売拠点を持つラマヤナデパートを運営しているPT Ramayana Lestari Sentosaの上級経営会メンバーの一人コー・ブンキムは、昨年の売上伸び率3.4%に対して今年の売上の伸びは8%に達するかもしれない、と表明した。
「今年第一四半期は大きい利益が出た。通常第一四半期は年間でいちばん成績の悪い時期であり、その時期にヒットを出せば年間売上は7から8%の伸びが可能になる。今年は売上が6,614億ルピア、純利が427億ルピアと計上され、いずれも前年同期をオーバーしている。これは4百万人を超える海外出稼ぎ者からの40兆ルピアに上る家族宛の送金が流れ込んできているからで、その流れが継続すれば売上は安泰だ。2002年10月から2003年6月までラマヤナの売上は15%低下したが、海外からの送金減少の影響を蒙っている。」との談。ラマヤナデパートも、業界トップのマタハリデパートが進めているハイパーマーケット業界への参入を検討しており、近い将来国内の大きい市場に出店することになるだろうと見られている。


「CMアーティストの報酬は制作費の2%」(2004年7月14日)
CM制作費一回分は2億から3億ルピアで、そのうち40%はクルーに、20%はケータリングに支払われるのに、CM出演者には1から2%しか支出されない。契約外のCMだと、出演者には150万から2百万のギャラが出されるが、出演者を連れて行ったエージェンシーがその25%を取る。出演者がふたりしか出ないCMもあるが、エキストラには50万ルピアしか出ない。三百人会員を持つCMアーティストの協会であるPapindoのフェンディ・スコワティ会長は、CM出演者をもっとアーティストとして扱ってもらいたい、と広告代理店や業界、プロダクションハウスなどに呼びかけている。最近のトレンドは、跳んだり走ったりといったダイナミックなアクションを見せようとする傾向がある一方、出演者選びにはコメディアンが採用される傾向が強い。昨年もっとも出演回数の多かったコメディアンはバスキだそうだ。また子供CMアーティストの需要も高まっているとのこと。


「質公社の150支店が赤字」(2004年7月15日)
質公社が全国に持つ750支店のうち150はいまだに赤字だ、とジョクジャのムスティカシェラトンホテルで開かれた同公社全国会議でデディ・クスデディ社長が語った。
「ジョクジャのグヌンキドゥル県ブロソッや中部ジャワ州マグラン県サラマンなどでは、利用者がワヤンクリッ、ジャリッ布、鍋その他台所道具など評価額2万ルピア程度の品物を持ち込んでくる。その程度の貸し出しでは、職員の給与どころか、管理費さえカバーできない。全支店中二割は赤字だが、残る6百支店は利益が出ており、2003年の公社全体の業績は8.6兆ルピアの貸出額で1千2百億の利益が得られた。全体で採算が取れているため、赤字支店には資金援助を行い、零細クレジットサービスは継続する。今年の業績目標は貸出し金額11兆、利益は1千7百億で、上半期の貸出し額実績は4.9兆ルピアだ。」と同社長は会議の中で述べている。
その席で同社長は公社の新しい企画である小規模零細規模事業へのローンプログラムについて説明し、イ_ア銀行債券金利に12%を加えた低金利ローンの貸出しをこれから進めて行く、と述べた。このローンは消費用途でなく、年間売上高が1億ルピア未満の零細事業主と年間売上高が10億ルピア未満の小規模事業主に対してオファーされる。またローン契約方式については、動産を担保に置く質入方式と、動産の所有権に関わる証書を委ねるフィドゥシア方式の二種類がある、とのこと。


「ジャカルタフェア2004が18日に閉幕」(2004年7月19日)
開会中の来場者があまり伸びずに主催者の気をもませた今年のジャカルタフェアは、最終的に225万人という入場者数実績を作ってその幕を閉じた。閉会式は18日23時15分にスティヨソ都知事が列席し、盛大な花火大会で終わりを祝うプログラムで、また最終日に行われたステージショーでは、人気歌手アウディやアリ・ラソをはじめ多くのバンドが出演し、ステージ近辺は観客でごった返した。
今年のフェアは1千軒の出展者がプロモーションを兼ねて商品を陳列し、32日間のフェア期間中に3千億ルピアの売上をあげた。主催者は来年の開会に照準を合わせてすぐにその準備を始める態勢に入っているが、同時に来年のジャカルタフェア開催に備えて1万5千平米のDホール建設計画を立てている。JI EXPO社は、今年の開催に要した経費は3百億ルピアで、入場券販売収入は25から30パーセントが水漏れしているために150億しかなく、新ホール建設費用は国内外の投資家を誘って行わざるを得ないとしている。


「今年のジャカルタフェア期間中、首都ホテル界の客室稼動は向上」(2004年7月21日)
一星から三星級ホテルのジェネラルマネージャーが編成しているミッドフォーラムのスダルミン会長は、今年6月17日から7月18日まで開催されたジャカルタフェア期間中の会員ホテルの客室稼動が、70から80パーセントに達した、と語った。平常時の稼働率は65%。昨年はほとんど影響が感じられなかったが、今年のこの変化は多分、学校休みにからめてジャカルタフェアを見るために地方部からジャカルタに上京して来た人が増加してのではないか、と同会長は分析する。
「この期間国内観光客は、四星・五星級ホテルよりも一星から三星級のホテルに泊まる傾向が高い。一泊27万5千ルピアという料金レベルがかれらの選択ポイントのようだ。宿泊日数は2日から3日というのが多い。四星級ホテルの多くは一泊35万から40万ルピアに料金を下げて三星級以下のホテルと競り合おうとしている。」との同会長の談。
ところでインドネシアではホテルのインターネットブッキングがあまり進んでいない。ホテル業界にITソフトウエア製品を納入しているPT Hotel Information Systems Indonesiaによれば、インターネット予約を受け付けているのは、四星五星級ホテルをメインにせいぜい二三割とのこと。シンガポールでは70%がそれを行っているのと好対照。遅かれ早かれ世界の傾向を追随せざるを得ないことは明らかにしても、インドネシアでその進行が遅い要因のひとつはまず、オンライン維持費用の高さ。シンガポールでは24時間オンラインのインターネット接続でひと月2百万ルピア程度のコストだが、インドネシアではそれが5百万から6百万ルピアかかる。もうひとつの要因は、予約者が自分のクレジットカード番号をインプットしなければならないが、その番号が盗まれるのではないかという不安を多くの消費者が抱いている。その不安の対策としてはSMSを使うようなことしかなく、結局はマニュアルでのブッキングが主流を占めることになる。
インドネシアのホテルに外国人旅行者がインターネットブッキングを入れるのは20%程度、インドネシア人旅行者の方は5%にも満たないだろう、と見られている。


「携帯電話利用者が2千3百万人に」(2004年7月22日)
今年上半期末時点でインドネシアの携帯電話利用者は2千3百万番号に達した、とジョニー・スワンディ・シャムATSI(携帯電話通信協会)会長が語った。21日にジャカルタコンベンションセンターで開催が始まったインドネシアセルラーショーでのオープニングスピーチで同会長は、2003年末の1千9百万番号から半年間で目を見張るような増加をしているが、インドネシアの人口から見れば普及率は12%弱でしかなく、これから更に市場の拡大が期待できる、と強調した。地域によっては三四十%の普及率に達しているところもあるが、近隣職国はたとえばシンガポールで85%、マレーシアで35%、他のアセアン諸国もミャンマーを除いて20%を超えているのが実情で、インドネシアのこの12%弱は今年年末に2千8百万番号、普及率で14.5%にアップするだろう、と述べている。
シェアの半分以上である1,250万番号を占めるテルコムセルは、今年上半期に290万の新規顧客を獲得した。今年同社の新規顧客獲得目標は5百万番号で、この目標をクリアーするのは間違いないものと同社は見ている。またナンバーツーのインドサットも140万顧客を新規に獲得しており、同社の利用者は737万番号に上っている。
携帯電話機メーカーや携帯電話サービスオペレータが一堂に会して自社のプロダクトのプロモーションと販売を行うインドネシアセルラーショーは、7月25日まで続けられる予定。


「第477回ジャカルタ創設記念祭の閉幕は25日のカーニバル」(2004年7月23日)
一部有識者から、ジャカルタ生誕が1527年6月22日(スンダクラパがファタヒラの征服でジャヤカルタとなった日)とされている根拠がなにもない、と批判されている例年一ヶ月間にわたるお祭りの今年最後を飾る催しは、タムリン〜スディルマン通りを練り歩くカーニバル。
7月25日夕方3時に開始されるこのカーニバルでは、盛りたくさんのイベントが用意されている。飾り立てた自動車、オートバイそして山車総勢三百台が都庁前を出発してパレードをリードし、タムリン通り高速車線を南下してホテルインドネシア前ロータリーでそのままスディルマン通りに向けて南下するものと左折してイマムボンジョル通りに曲がるものに分かれる。得意芸を披露するアクロバットたちに導かれた徒歩参加者は、都庁前からタムリン北詰の噴水を曲がって低速車線を通り、その後サバン通りへと曲がる。伝統的なタンジドールやハジュル・マラウィスの音楽演奏に連れて踊り手たちが踊り狂う。カーニバルの総仕上げは、夜7時から8時まで1時間にわたってホテルインドネシア前ロータリーで繰り広げられるショーで、それはバリのケチャダンスで始まり、音楽家ハリー・ルスリ演出でのドラムサウンドによる「リズムの輪」と続く。圧巻は477人のドラマーやパーカッショニストが繰り広げるそのジャムセッションかもしれない。とどめは噴水に降り注ぐ花火という趣向。
ロータリーからサリナデパート前までは歩道の一部と低速車線を見物客のために残しながらステージが組まれ、分散する個々のステージではさまざまなショーが演じられる。出演者はクラカタウバンド、ジャドウッ・フェリアントとクア・エトゥニカ、サンバスンダ、ギラン・ラマダンとネラ、シャハラニやマルシャ・ナインゴラン、スジウォ・テジョ、リザ・アルシャッ、アジ・ラオなどそうそうたる顔ぶれ。
この大カーニバル催行には都庁から10億ルピアが支出されるが、資金不足は明らかで、不足分は協賛企業からの寄付でまかなう、とオーガナイザーは述べているものの、総費用については明らかにされなかった。
25日は、バスウエーは終日平常通り運行するが、タムリン通りの南行きは午後4時から6時まで一般車両の通行がストップされ、北行きは午後6時から8時までホテルインドネシア前ロータリー南で道路がブロックされることになっている。


「インドネシアベストブランド賞が5社に」(2004年7月24日)
雑誌SWAと調査機関マーケティングリサーチスペシャリストおよびSWAネットワークが毎年行っている、各業界で顕著な業績をあげている企業に対するベストブランド賞表彰が7月22日に行われた。
この選考は80カテゴリーに関して全国5大都市3千人の回答者から集めた調査結果に基づくもので、ベストコーポレートブランドには、テルコム、BCA銀行、ガルーダ航空、キミアファルマ、インドフードが選ばれた。セダン車部門ではトヨタ、オートバイ部門ではホンダ、生命保険部門はAJPブミプトラ1912、自動車保険部門はガルダオトなどが上がっているが、実業分野以外にも男性歌手部門にイワン・ファルス、女性歌手部門ではクリスダヤンティ、バンド部門はパディ、MC部門にウルファ・ドゥイヤンティ、コメディ部門はパトリオなどもリストに登場している。


「中古キジャンが飛ぶような売れ行き」(2004年7月28日)
いま2000年以降製造の中古キジャンが売れに売れている。Mobil 88カリマラン店は、6月に46台、7月には51台の中古キジャンを販売したという。ガトッ・エリヨノ同店長は、トヨタがキジャンkapsulからキジャンInnovaにモデルチェンジするために在庫調整を行った結果、市場で新車キジャンの品薄が起こっており、顧客が中古車に流れているためだ、と説明する。キジャンイノバは今年9月にガソリン車とジーゼル車の二種類で発売される予定とのこと。同じMobil 88のトゥベッ店は6月に100台、7月には80台中古車を販売しているが、その6割はキジャンとのこと。このような需要増に対して販売店側は1台3百万から5百万ルピア高い値付けをしており、これは10から20%の値上がりに相当する。状況は仕入れ面でも同じように働いており、多少高めになっても顧客から買い取っているとのこと。
Mobil 88カリマラン店で販売されているキジャン中古車の価格は、2000年製LGXで1億2千7百万ルピア、2001年製LGXは1億3千2百万、2000年製Kristaは1億3千1百万ルピアとなっている。しかし1999年以前のものは特に価格の変化は見られない。


「キジャン新モデルは8月末から生産開始」(2004年8月3日)
PTトヨタアストラモトルが計画しているキジャンカプスルの後継機種キジャンイノバの生産は8月末から開始される見込み。この新モデルは生産開始と同時に消費者へのお披露目がなされる予定になっている、と同社のヘンドラヤディ、営業広報課長は語る。市場でのキジャンの品薄について同課長は、「工場で新モデルの生産準備を行うためにキジャンカプスルの生産は7月に打ち切ったが、当初8月販売用在庫を見込んで生産したにも関わらず、7月にはそれが売り切れてしまった。」と説明している。
キジャンは月産5〜6千台が作られているが、今回のような現象はアバンザの例に次ぐ稀な出来事で、従来は売れ残り旧モデルを値引きして捌くのが普通だったとのこと。新キジャンイノバの価格については、まだ明らかにしてくれなかった。


「Mプリントステーションの生産は月2百台弱」(2004年8月11日)
電子媒体に納められた画像データを印画紙上にプリントするMプリントステーションは当初、月産1〜2百台程度の生産量で開始する、とPT Modern Photo Tbkの子会社PT Modern Indolabのダニエル・リマン取締役が語った。このMプリントステーションは同社が開発した新商品でコンピュータとタッチスクリーンおよびプリンターが機械のメインをなしており、写真店やモールの隅などに置いて顧客に写真の印刷を自分で行ってもらうためのもの。顧客はプリントステーションに備えられた、携帯電話、CDROM、スマートメディア、Xdカード、SDカード、フラッシュドライバー、メモリースティック、コンパクトフラッシュ、フロッピーディスクなどを受けるそれぞれの収納口に媒体をセットし、タッチスクリーン上に出てくるアイコンを指で触って自分が望む作業をこの機械に指示する方式。アウトプットは、フジ写真用紙に2S、3S、4Rの中のお好みサイズでプリントされる。
モデルン・インドラブが製造したMプリントステーションは、やはりモデルングループのひとつとして全国150店のフジイメージプラザを運営しているPT Modern Putraindonesiaが販売するが、1台およそ三千万ルピアのこのプリントステーションは客の集まりやすい場所に置いておくだけで商売になる効率の良い投資であり、12から15ヶ月で投資資金は回収できるはずと試算して、販売側はプロモーションを推進している。販売側はモデルングループと取引のある全国2千の写真店にこのMプリントステーションを販売していく方針で、まずは全国のMフォトスタジオやフジイメージプラザに設置していく計画とのこと。


「マタハリデパートが独立記念日を祝してセール」(2004年8月12日)
小売業界ナンバーワンのマタハリデパートが、今年第59回目のインドネシア共和国独立記念日を祝ってディスカウントセールを実施する。PTマタハリ・プトラ・プリマTbk社広報課長サシャ・リナサンティは、全国のマタハリデパートは独立記念日を迎えて、紅白のニュアンスを基調に店内の飾りつけを行い、それにあわせてディスカウントセールを実施する、と語った。
「Tシャツ、Yシャツ、子供服は8月13日から17日まで特別価格で販売しますが、特にトラフィオ、ハーディ・エイミス、スタンリー・アダムスなどの紳士服コレクションは15日まで20%から最高75%のディスカウントセールを行います。マタハリスーパーマーケットの方は、特定商品のクッキングフェアや、3万ルピアごとにバンコック、マレーシア、シンガポール旅行が当たるTropical食用油の特別セールを9月12日まで実施します。他にもNestle製品を5万ルピアお買上げの方には賞品を差し上げます。」と同課長は宣伝している。


「7月の四輪自動車販売は三菱がトヨタを抜く」(2004年8月13日)
GAIKINDO(自動車産業連盟)が報告した7月の国内四輪自動車販売状況は、総数が38,428台で6月から10%ダウンした。ブランド別には三菱が8,244台で常勝トップのトヨタを抜き、二位トヨタは8,164台、三位以下はスズキ6,609台、ダイハツ4,728台、ホンダ4,239台などとなっている。
販売ダウンの足を引っ張ったのはトヨタの不振で、トヨタの主要機種キジャンがモデルチェンジのために供給できなかったことが大きく響いている。キジャンミニバスは毎月5千台以上の販売を記録してきたが、6月は4,252台に落ち、そして7月にはわずか112台と激減している状況から、7月の販売減の原因が見て取れる。ちなみに6月の販売総数42,806台中トヨタは12,561台で30%のシェアを占め、キジャンは更にその中の5,338台で12%というシェアだった。
なお、今年1月から7月までの四輪自動車販売総数累計は264,660台となっている。


「今年上半期のモダンマーケット物価はダウン」(2004年8月23日)
ACニールセンインドネシアの調査によると、今年上半期のモダンマーケット物価は前年同期に比べて3.6%ダウンしたとのこと。この調査では、ハイパー、スーパー、ミニなどの西洋式マーケットやデパートなどからなる小売業種がモダンマーケットとして分類され、伝統的なパサルをはじめとするトラディショナルマーケットと区分されている。調査対象品目は消費者向け製品31カテゴリーで、トラディショナルとモダンの両マーケットで統計が取られた。トラディショナルマーケットのその期間の物価は前年に比べて1.9%高くなっている。インドネシア全体では商品の小売価格が4.1%アップしているとのこと。モダンマーケットでのこの値下がりの原因は、その期間に行われた積極的なセールの影響だと同調査は報告している。その期間の食品の販売は前年同期に比べて8.8%の伸びを示しており、粉ミルクが6.3%,ビン詰め飲料水が10.5%伸びたのがその駆動力となっている。
小売業協会APRINDOのハンダカ・サントソ会長は、インドネシア小売市場では6百兆ルピアが回転しており、これはアジアパシフィック地域で中国に次ぐ規模のものである、と語った。同会長はその数字について、ACニールセンが報告したものと説明している。インドネシアのモダンマーケットは2002年に既にデパートメントストア367、スーパーマーケット683、ミニマーケット972、ハイパーマーケット34という勢力図が記されており、積極的な新店舗オープン方針や住宅地区に続々とミニマーケットが開店するなど最近も旺盛な発展を示している。


「キジャン新モデルがベールを脱いだ」(2004年8月27日)
トヨタキジャンの品薄を招いていた今回のモデルチェンジで、いよいよ9月1日から市場に登場するキジャン「イノバ」がその姿をあらわにした。この新モデルは車幅1.73m、車長4.635m、車高1.8mの7人乗りで、エンジン排気量はガソリン車で1.8リッター(スタンダード)、2.0リッター(デラックス)、2.4リッター(グランド)の三種類、ジーゼル車で2.7リッターの一種類。トランスミッションはマニュアル式とオートマチック式の双方がそれぞれのタイプで用意される。価格は最低で1.4億ルピア、最高で2.0億ルピア。トヨタ車の国内販売会社PTアストラインターナショナルは、既に1万4千台の予約を受けている、と語っている。当面の生産台数は7百台が予定されている。


「7月の家電品販売は不調」(2004年8月30日)
エレクトロニクス・マーケタークラブのハンドコ・スティォノ広報員は、今年7月までの累計家電品販売数が昨年にくらべて大きく増えている、と表明した。カラーTV受像機は2,298,406台で対前年同期比137.1%、エアコンは390,003台で151.4%、洗濯機は359,463台で147.9%という伸び率が示されている。ただ冷蔵庫だけが、904,238台で対前年同期比99.8%と0.2%の減少だ。しかし7月は学校の新学期が始まる月であるために家電品販売は総体的に不調で、対前月比でも対前年同月比でも、今年の販売数はダウンしている。今年7月は販売低調という逆風に加えて、原油価格高騰による一部原材料のコストアップという打撃にも見舞われているが、1ドル8,500ルピアという規準為替レートから9,100ルピアに逸脱している状況下に消費者の購買力も低下しており、そのコストアップ分を消費者価格に転嫁するのが困難なため、製造メーカーが抱え込んでいるのが実態だ。
このコストアップでは、原油の価格高騰によるプラスチックの値上がりとともに海上運賃もかなり大きく値上がりしているため、総生産コストに対して5から15%のアップを生産者に強いている。ハンドコ広報員は、製造業界は販売価格への転嫁を模索しており、少しずつ分割してでも良いから値上げの妥当な時期を検討しているが、その販売価格への転嫁が困難であれば、メーカーは生産量を減らしてロスを切り詰める方向に向かうだろう、と述べている。
商工省スバギオ金属機械電子雑貨産業総局長は既に、原油価格値上がりの影響を最小に抑えるために、各製造メーカーは輸出向け販売の比重を高めるように、と業界への指導を行っている。


「水道会社への苦情はひと月9千件」(2004年8月31日)
ジャカルタで上水道事業が始まったのは80年前だが、首都公営水道会社PD PAM Jayaは6年前に二つの外国企業と契約を結んでこの事業経営を委ねた。チリウン川東側に住む都民へのサービスはイギリスのテームズウオーターインターナショナルと合弁したPT Thames PAM Jaya、西側住民へはフランスのリヨネーズデゾーとの合弁によるPT PAM Lyonnaise Jayaが行うことになった。過去から水道公社が抱えていた問題は、老朽化した給水パイプ網からの漏洩問題で、その二つの合弁会社は1998年の57%という水漏れを今年は47%まで減少させた、と主張している。しかし会社の水道料金計算の中には漏洩している分まで織り込まれ、6ヶ月ごとに値上げが行われるというシステムが採用されている。都内住民でその二つの水道会社のいずれかから上水供給を受けている顧客数は649,429。
この上水道サービス事業に対して利用者からの苦情は多い。月9千件にのぼる苦情の中の40%は供給量不足だ。他にはパイプからの水漏れ、水質の悪さ、過剰請求、苦情への対応の遅さなどが上がっている。最近では各家庭に設置されているメーターが狂っているのではないかとの疑念を苦情してくる顧客が増えているそうで、これは過剰請求と関連する問題でもある。苦情を出してくるのは北ジャカルタ市住民に多く、マジョリティは中低所得階層とのこと。


「プラザインドネシアでフードバガンザ」(2004年9月16日)
プラザインドネシアとそれに隣接するエンターテインメント・センター(Entertainment X’nter)では、10月13日までフードバガンザと題してさまざまな催しが開催されている。これはその二つのショッピングセンターに入っているテナントへの集客援助としてセンターが主催するもので、プラザインドネシアに入居している28テナントとEXの25テナントが協賛している。メインの催しは四つあり、まずグランドハイヤットホテルがイタリアから招いたシェフがその腕を披露するシェフ・ショー、二つ目は35万ルピア以上のお買い物でアウディA4をはじめさまざまな賞品が当たるイート&ウイン、三つ目はテナントコンペティションで、参加飲食業テナントにベストフード賞とベストサービス賞を投票する。四つ目はワインテイスティングで、10月6日までマクシムドパリで無料試飲ができる。期間中に是非お越しください、とプラザインドネシアとEXは顧客に呼びかけている。


「キジャンイノバの今年の販売目標は2万1千台」(2004年9月17日)
PTトヨタアストラモトルはキジャン新型車イノバの今年の国内販売台数を2万1千台と計画している。9月1日から発売されたイノバは9月10日時点で既に受注台数2万7千台と好調なスタートを切っているが、生産予定は月産6千台としており、今年9月から12月までの四ヶ月間に2万1千台を売り切ると同社は自信満々の態。4ヶ月掛ける6千台が2万4千台にならないのは、その四ヶ月に休みが多いためと同社は説明している。受注総数2万7千台中の2千2百台は第二回ジャカルタモーターショーにおける受注分。
9月4日から12日まで開かれたその第二回ジャカルタモーターショーは予想外の盛況で、平均1万7千人が来場し、取引も同社が目標にしたイノバ成約1千台を二倍以上オーバーする受注があがっていることから、同社は今回の催しを高く評価している。イノバはE,G,Vの三タイプが発売され、それぞれにガソリン車とジーゼル車が用意されており、受注した中ではGタイプが全体の6割を占め、またオートマチック車は2割で8割はマニュアル型とのこと。


「マタハリ・ハイパーマート第二号店がオープン」(2004年9月24日)
ハイパーマーケット業界に参入を決めたPT Matahari Putra Prima社は、既に第一号店をタングラン県スルポンにオープンしているが、去る9月22日に第二号店をカラワチスーパーモール内に開店した。
同社は年内にもう三店をオープンして、ルバランとクリスマスの商機をとらえたいとしている。予定されている三店はタングランのメトロポリス・タウンスクエア、ジャカルタのガジャマダ通り地区、ソロのグランドモール。マタハリ社の核事業はマタハリデパートとマタハリスーパーマーケットだが、ハイパーマーケットセクターへの事業拡張を行って5年後には40〜50店のハイパーマーケット網を設け、年商1兆ルピアに達するもうひとつの柱に育てようというのが同社の中期計画。ソロ店以外のマタハリ・ハイパーマートはマタハリが従来持っていた店舗を改築してハイパーマートにするため、コストは150億ルピア前後で済むが、ソロは新規建築になるために4百億ルピアかかりそうだ、と同社のダニー・コンジョギアンPR・投資家担当取締役は語っている。


「日本へのコーヒー輸出に障害」(2004年9月30日)
日本のコーヒー輸入者から出されるミクロ条件が厳しさの度を強めており、インドネシアのコーヒー輸出業界はそれを満たすに十分な力を持っていないため、今後の日本向けコーヒー輸出は減少するかもしれない、と業界者が語った。
インドネシアコーヒー輸出者協会AEKIのラヒム・カルタブラタ事務局長は、日本の輸入者が要求する品質条件について、異物や欠陥などに対するマクロ条件よりも、含有毒性、バクテリア、残留殺虫剤などに対するミクロ条件がはるかに厳しくなっている、と述べている。「日本側が出したミクロ条件に関する警告をたいへん心配している。聞くところでは、ブラジルやコロンビア産コーヒーで条件を満たさなかったものは既に輸入をブロックされたそうだ。これまでコーヒー豆の品質に関しては、目で見えるマクロ条件だけが問題にされていたが、最近では日本をはじめ先進国からのミクロ条件が厳しくなっており、それに対してインドネシアのラボの中でそれらの条件をきちんと判定できる能力を持つところはまだない。チラチャスの物品品質検査センターやジュンベルのコーヒー・カカオ検査院など国内にラボはいくつかあるが、コーヒーからあらゆる種類のバクテリア、毒性物質、残留殺虫剤などを検査できるところはまだないのが実情だ。政府にしても、そのようなミクロ条件を織り込んだコーヒー品質規準はまだ設けていない。それに関連して日本のJICAからこの面での協力申し出があり、品質検査ラボの規準を向上させるための援助が予定されている。」と同事務局長は語っている。
昨年のインドネシアのコーヒー輸出はロブスタ種が22万5千トン、アラビカ種が3万5千トンで、日本向けにはその30%が出荷されており、最大の輸出先となっている。


「カラオケレコーディングビジネスが急上昇」(2004年10月3日)
フランチャイズ制のサウンドレコーディングビジネスが翼を広げている。「テレビでアイドルやタレント探し番組をやってくれるおかげで、客は増加の一途だ。」とTalent Boxのオーナー、グナルジョアディ・グナワンは語る。来店客はカラオケ愛好者がほとんどで、自慢の喉を忠実度の高い録音に納めて楽しみたいためにやってくる。このタレントボックスは2003年12月、首都グロゴルのモールチプトラに一号店がオープンして以来、まだ一年たたないのにバンドン、サマリンダ、デポックにフランチャイズ店がオープンした。出資者は2億5千万ルピアで三つの録音ブース、録音器材、従業員トレーニングを本部から支給されるが、その前に自分で場所を確保しなければならない。言うまでもなくタレントボックス本部は、モールなど集客力の高い場所を用意するように勧めている。そのほうが投資リターンははるかに早いそうだ。今ある四店のうちの稼ぎ頭はモールチプトラ店で、一日150万ルピア前後の売上を達成している。他の都市にある三店は一日100万ルピア程度とのこと。「投資回収は18ヶ月で終わると計算している。ただジャカルタのような大都会よりも地方部のほうが将来性は高い。地方にオープンした店は地元民から大好評を得ている。」とのグナルジョアディの談。その言通り、今年末までにバタム、ポンティアナック、マカッサルなどの地方部に、そしてジャカルタでももうひとつチトス(Cilandak Town Square)での開店が準備されている。


「エレクトロニックシティがインターネットショップをオープン」(2004年10月5日)
大型家電品販売店舗エレクトロニックシティ(EC)が、インターネットショッピングサービスを開始する。エディ・プリアンボド営業販売担当ジェネラルマネージャーはこの企画に関して、従来の失敗例などを十分吟味し、その轍を踏まないように練り上げた企画であり、必ずや成功するものと期待している、と語った。このインターネットショッピングルートはEC独自のものに加えて、インドネシアのオンラインメディアとして最先端にいるDetik.comと提携したDetik Shopという新チャンネルをも用意して顧客からの注文を受ける予定であり、顧客にとってはEC ShopとDetik Shopのふたつの注文ルートが使えることになる。Detik.com読者の圧倒的な数に比例して、Detik Shopで月間7億ルピア、EC Shopで月間3億ルピアの売上をECは期待している。Detik.com側は、受けた注文に対する支払いが指定口座に入金されたことを確認したあとで、ECに対して発注書が出され、入金が正午までになされたら顧客は当日夕方に商品を受け取れるが、正午を過ぎた場合は納品は翌日になる、と説明している。


「10月以降は10%の需要増、と家電業界」(2004年10月12日)
イドゥルフィトリとクリスマスが近付いているいま、家電品需要はこれまでの10から20%増加しており、生産者は既に上がってしまった5%の製造コストを吸収するために2%ほどの値上げを行う予定だ、とエレクトロニクスマーケタークラブのハンドコ・スティオノ広報担当が語った。
「今年9月の実績集計がまだ終わっていないが、製造業界は10月の販売が伸びている感触を得ている。9月に大統領選挙投票があったために売れ行きは沈滞気味だったが、10月の二週目に入って10から20%増えていることが実感されている。断食に関連しているためだろうが、よく売れているのは食品に関係した商品が多く、冷蔵庫、マジックジャー、それからエアコンも売れ行きが好調だ。他の商品はこれまでとほぼ同じペースで堅調に売れている。販売増はいいが、製造業界は二つの要因から来たコストアップに悩まされており、販売価格への転嫁は避けられないだろう。」と同広報担当は述べている。二つの要因とはルピアレートが9千ルピア台のルピア安にあることおよびプラスチック、鉄鋼、アルミなどの素材が大幅に値上がりしていることを指している。


「消費の伸びが裏付けられる」(2004年10月15日)
ACニールセンが行った消費動向調査で、顕著な消費の伸びが証明された。特に食品、清掃洗剤商品、燃料など耐久消費財を除く『足の早い消費財』カテゴリーは2001年から平均38%の伸びを示し、価格面でも16%上昇している。この状況は中でも食品とパーソナルケア製品が推進力となっており、食品は9.7%という平均成長率になっているが、これはモダンマーケットでの24.1%と在来型マーケットでの5.2%という増加がその内訳。モダンマーケットにおける足早消費財のトップランナーはクッキング製品の19%、そして洗剤の17%だが、在来型マーケットではコーヒー23.2%、ビスケット15.4%という内容になっている。
今年上半期の消費物品販売は前年同期から8.8%増加しており、これはモダンマーケット店舗における21.5%という販売増に大きく依存している。ところで消費者側のパフォーマンスから見た状況に関しては、高額支出者カテゴリーが増加しているという結論が示された。全国9主要都市での調査によれば、Aクラス消費者は調査人口中の15%を占める1千2百万人となっており、この比率は昨年の12%から増加している。このAクラス消費者は月平均175万ルピア以上を足早消費財購入に支出しているが、シンガポールのAクラスと人数で比較するとインドネシアの方が四倍多い。インドネシアのBクラス消費者は月平均125万ルピア以上を足早消費財に支出する階層だが、これも昨年の13%から今年は15%に膨らんでいる。一番下の80万ルピア未満というブラケットは反対に減少を示している。


「商工省が国内有力ブランドにベストブランドアワードを授与」(2004年10月15日)
商工省が2003年から行っている国内産業における有力ブランドに対する表彰式が、13日からクマヨランで開催されているインドネシア産品展示会の中で行われた。昨年表彰されたのは石鹸のGiv、ジャムゥのSido Muncul、コーヒーのKapal Api。
今年の表彰台に登ったのはPTシナルソスロ社のビン詰め紅茶飲料Teh Botol、トヨタキジャン、そしてビューティケア製品のSari Ayu。ソスロがBotol印飲料の生産を始めたのは1940年で、1974年に現在のTeh Botol Sosroブランドに変え、インドネシア国内で34%のシェアを有する最大ブランドとして君臨している。世界的ブランドのコカコーラが15%、スプライトが14%という国内市場シェアと比較すると、その民族系ブランドの勢力がよくわかる。トヨタのアジアカー、Kijangは1980年に初代モデルが市場に紹介されて以来、いまでは国内市場の54%シェアを握る国内最大の人気車種となっている。
マルタ・ティラアル・グループの商標Sari Ayuは、ある国内市場調査によると、回答者110万人中85%がお気に入りブランドという評価を与えている。1970年から市場に紹介されたこのブランドはインドネシア最初の民族系化粧品として根強い人気を持っており、最近では国内市場で化粧品のカラートレンドをリードする商品を送り出している。R&Dや教育訓練活動も盛んに行っており、シンガポール、マレーシア、ブルネイで商標登録を済ませている。
ベストブランドとは別にベストデザインも表彰され、今年の舞台に上がったのはPolytronブランド家電品を製造しているPTハルトノイスタナテクノロギーのグランドVCDミニコンポ。この製品はラジオ、テレコ、CD、VCDプレーヤーのコンビネーション。
リニ・スワンディ商工相は、インドネシアの工業製品生産者の多くがOEMオーダーを受けてただそれを作るだけ、という下請けビジネスでよしとしている現状を批判し、生産品に付加価値をつけるためには自分のブランドを持ち、ブランド普及と製品販売の戦略を積極的に展開しなければならず、その意味で国内有力ブランドを表彰することで国内産業界にその意識付けをはかるのを目的にしている、とその催しの背景を説明した。


「携帯電話機が供給ダウンで値上がり」(2004年10月25日)
ここ二週間ほど全国の携帯電話機市場は、依然として高い購買需要に対して供給が減少しており、そのために市場価格が1台当たり10万から30万ルピアほど値上がりしている、とロビー・ダルマスティアワン全国携帯電話協会会長が語った。この先供給不足が続けば、ルバランシーズンに需要が伸び上がるため市場価格はもっと高くなる可能性もある。ある販売店では店主が、品薄状態はまだ二週間ほど続くだろうが、そのあとは需給関係はノーマルに戻り、金額は1台当たり50万ルピアほど値下がりするのではないか、と語っている。
国内の携帯電話機需要は、オペレータが地方部にサービスエリアを拡大しているため、増加の一途をたどっており、今年の販売総数はGSMとCDMAの合算で650万台に達するものと予測されている。この先も年々30から35%の上昇を続けるだろうと業界では見ており、2005年の販売台数は8百万との声も出ている。
また市場ではローエンドモデルが65%と大きいシェアを占め、一方中級機種は従来の20から25%へと拡大傾向を見せており、高級モデルの数量増はスローダウンしている。


「中古車市場は商業車がメイン」(2004年10月26日)
ファイナンス会社PT BFI Finance Indonesiaのピーター・ワンカー取締役は、インドネシアの中古車市場は新車マーケットの2倍から3倍の規模があり、中古車市場の主流は商業車で占められている、と語った。昨年の新車販売実績である35万4千台に対して、今年の新車四輪車販売予測は43万台を突破するものと見られているが、四輪車買い替えが四五年サイクルだと仮定するなら、中古車販売ビジネスは新車マーケットよりもはるかに大きい規模であることが推測される、と同取締役は述べている。同社のフランシス・レイ代表取締役によれば、同社が消費者ファイナンスを行っているクマヨランとクラパガディンの自動車ディーラーは、一店あたり月10台の中古車販売を行っており、その内クレジットが使われるのは6割程度とのこと。価格は8千万から1億ルピア程度で初回払いはその2割から3割。しかし全国的に経済活動が活発化しているため、地方部の大中都市で中古車販売が大きく伸びており、需要の大半はトラックを含む商業車になっている、との談。
インドネシア競売社(PT Balai Lelang Indonesia)でも、取扱い車種は商業車が6割を占めているそうだ。業界最大手と言われる同社のジョージ・グナワン社長は、「外資系企業が所有車両を二次マーケットに放出する際に競売会社をよく使うのは、最終価格の透明度が高いからだ。インドネシア社会では、このような形態の販売がやっと紹介され始めたというところで、今後はアカウンタビリティのはっきりしたこんなやり方がもっと増加していくだろう。問題は売買金額の0.3%を競売管理費用として国庫が徴収していることで、隣国のマレーシアやシンガポールではこのような国庫徴収金など存在しないのだが。」とコメントしている。


「携帯電話機品薄状態はスカルノハッタ空港での通関手続きのため」(2004年10月28日)
国内携帯電話機市場が全国的に品薄になっており、ルバランを控えたこの需要期に価格が上昇傾向を示しているが、その品薄は海外からの輸入品の通関に時間がかかっているためであることが明らかにされた。市場は供給不足のせいで売り手市場になっており、商人は以前の価格から30%ほど高い値付けをして販売している。
ある業界者によれば、大手輸入者は一回に一機種を5万台くらいのロットで輸入しているそうで、いま通関手続きが終わらずに空港内に溜まっている数量は数十万台に上るのではないかと推測されている。この状況が長引けば、ルバランに向けて市場価格は更に上昇を続けるだろうと見られており、正規のルート外から市場に持ち込まれる商品もあるが、大量供給は期待できない。市場では販売側がこの濡れ手に粟をエンジョイしているが、反対に空港に溜まっている商品が続々と手続きが終わって市場に出てきたとき、価格の大暴落が起こるかもしれないと業界者は強く懸念している。
ロビー・ダルマスティアワン全国携帯電話協会会長は、「輸入者たちは通関手続きを早く終わらせるよう努力しており、引取りが済んだものもある。税関には溜まっている貨物の手続きを順次終了させ、ルバラン前にはすべての引取りが終わるよう協力をお願いしたい。ローエンドに比べて市場が小さいため、中級から高級品のレンジが一番影響を蒙っている。」とコメントしている。
PTサムスン・エレクトロニクス・インドネシアのリー・カンヒュン営業取締役は、携帯電話機輸入者が輸入税の完納を行うように輸入プロセスを厳しくしたのは良いことだ、と語る。「監視強化のせいで、納税を終わらせていないために税関で止められているものも含めて輸入品がたくさん空港にあるようだが、市場にはそれほどネガティブな影響は出ていない。溜まっていたものの一部が既に動き始めているから。」との談。


「首都のサロンでは男性客が増加」(2004年11月1日)
インドネシアでサロンと言えば美容院のこと。かつて美容院と言えば女性の独占物だったが、ここ数年男性の姿もめっきり増えている。
都内のあちこちにモールやプラザが雨後のたけのこのように出現し、サロン業界がモールやプラザに開店する戦略を始めたことから、この業界も大きく膨らみ始めた。サロン・ジョニー・アンドレアンはいまや全国に2百店を持ち、サロン・ルディ・ハディスワルノは130店をオープンしている。それら大手サロンの顧客は、いまや男性が40%を占めている。サロン・ヨピーでは男性が30%、サロン・ルトゥイエは20%程度。
サロン・ルディの男性顧客は中流以上の経済層で若者から成人までおり、80%がクリームバスを注文するとのこと。サロン・ジョニー側の話しでは、毛髪の手入れに加えて全身指圧マッサージとマニキュア・ぺディキュアを注文するそうだが、最近ではヘアスパやヘアマスクも増えているそうだ。店側から見ると、もはや女性向け男性向けサービスの違いなどなく、男性の方がたいてい髪の毛が短いので、処理が早く終わるというあたりの差しかない。
ヘアカットも数年前は、男性のチョイスは数種類のモデルで事足りたが、いまや注文内容は千差万別で、去年はヤングエグゼキュティブが日本や台湾の青春スターを真似たスタイルを注文し、ボンディングやレイヤーを加えるのがトレンドだった。ことしもそれはあまり変わっていないが、ことしは染色がもっと増えている、と美容師たちは言う。選ばれる色はおとなしめのものが多く、インドネシア人で派手な色を求めるひとはまだ少ないらしい。
とあるモールに開店しているサロンを覗くと、中年のバパがマッサージを受けながらうつらうつら。目を覚ましたところをインタビューすると、スディルマン=タムリン界隈の役所にお勤めの高級官僚51歳。この日は19歳の末っ子と一緒に頭のお手入れにやってきた、と言う。二週間に一回はクリームバスをしに、お店に通っている。息子の方は二ヶ月ごとに髪型を変え、ボンディングにヘアスパやヘアマスク、いろいろ色を変えてみたり、と変身の楽しみを満喫のご様子。バパは頭皮と身体をほぐしてリラックスしたあとは、ご子息と食事そして書店に行くか,モール内を見て回る予定。奥方よりも息子との方が男同士で話しが合う、と休日の親子の団欒を垣間見せてくれた。


「そごうギフトカード新発売」(2004年11月2日)
そごう百貨店を運営しているPTパネンレスタリインテルヌサは、これまでのギフトバウチャーとは別にギフトカードを発売したと発表した。この新機軸のギフトカードはクレジットカードに似たもので、初回購入時は5万ルピアだが1万ルピア単位で最高5百万ルピアまで残高を増やすことができる。カードに小額の残高が残った場合でもいつでもまた別の買い物に使うことが可能で、残高は買い物をしたさいに打ち出される支払い領収書に記載されるので、その都度確認することができる。このSogo Gift Cardはジャカルタのプラザスナヤン、クラパガディン、プラザインドネシア、スラバヤのプラザトゥンジュガン、メダンのそごうプラザなど全国のそごう百貨店で使うことができる。


「バンドンでノスタルジーショッピング」(2004年11月4日)
バンドンは昔から周辺に繊維関係の工場が多く、繊維製品の街として有名だった。クライシス前は、チバドゥユット通りやチアンプラス通りにジャカルタから観光バスが乗り付けて、観光客がジーパンやさまざまな衣料品を買い漁る姿が風物詩となっていたものだ。市内には今でも、衣料品のファクトリーアウトレットが多い。
チアンプラス通りにある古い建物に、ファクトリーアウトレット・パリス・ファン・ヤファの看板がかけられた。1885年に建てられた古い建物を買い取って床と天井はそのままにし、その他の部分に化粧直しを施して商店に改装したこの粋な企画は、PTコレアピジーンズグループのもの。ヘンリ・フサダ社長は、150億ルピアという投資の回収がいつできるかわからないが、顧客に古きよき時代のバンドンを偲びながら買い物を楽しんでもらえる場所を提供するのが希望だ、と語る。店内にはバンドンの古い時代の写真を掲げ、往時への郷愁はいやがうえにも高まる仕組み。店内に置かれる商品もそのコンセプトに合わせたそれなりの品々で、決して廉価メリットを追求したものではない。他とは差のある独自のコンセプトを有するこのブティックは明らかに中流以上の顧客層を対象としたものだ。陳列品の三分の一以上は『往時のバンドン』に合致させたニュアンスの品物。どうぞ一度お越しの上、Parijs Van Javaと書かれたTシャツをお求め下さい、と同社長はプロモに努めている。


「小売業界は4割増の売上」(2004年11月10日)
今年のラマダン月に、首都の小売業界は平常月のおよそ4割増しで売上を伸ばしている、と首都商工会議所は見ている。プンキ・バンバン・プルワディ会頭は、モダンマーケットも旧来型マーケットも、相当な規模で売上が伸びているようだ、と語った。ラマダン月は国民の所得が増加し、また年に一回この月にだけ国民が行うことがあってそのために支出が増え、買い物が増加する。イドゥルフィトリ日に備えてケーキや菓子を各家庭で焼いたり、ルバラン料理を作り、新しい服を買い、中には親族や隣人が懇親に訪れるのをもてなすための食事を盛る食器すら、新しいものを買い揃えるという家もある。全国的にマーケットが膨れ上がるこの時期、にわか商人も増加し、大きい需給関係が回転する。首都の生活基幹物資供給も増加しており、日々の中央市場の入荷量は米3千トン、砂糖2千3百トン、食用油5百トン、野菜類1千3百トン、果物4百トン、魚介類550トン、鶏卵425トン、食用肉1千トンなどとなっているが、この首都の台所はほとんどすべての物資が地元から供給されないものであるため、流通パイプに故障が起こると大変なことになるというアキレス腱も抱えている。商工会議所は都内のマーケットを広範囲にモニターしており、小売者は最大限の販売と最大限の利益を追求しているため、物品によっては10から20%の値上がりが起こっているものもあるが、最大限の販売を目指して激しい競争が行われる結果、価格割引も旺盛に行われているという状況だと報告している。
ほとんど毎晩、首都のモダンマーケットは大混雑の盛況で、この一年最大の販売期に少しでもたくさん販売しようと趣向を凝らしており、そんな市場の状況はムスリム以外の人々にも最大限に利用されている。11月6日7日の週末は、イドゥルフィトリ前の最後の土日だったためラマダン月の中でも最高の人出となったが、都内各所のハイパーマーケットでも、外国人の姿が数多く見られた。


「世界の高級ブランドはジャカルタに花盛り」(2004年11月18日)
ジャカルタでファッションの世界にブランド志向が大きな高まりを見せ始めたのは、1990年代半ばごろではなかっただろうか?金持ち層はその前から外国へ出て高級ブランド品を買い漁っていたが、それが中産階級まで降りてきてマーケットの層を厚くし始めたのがそのころのような気がするのは、1995年にオープンしたプラザスナヤンに高級ブランド専門ブティックが軒を並べているのを目の当たりにして受けた印象が強かったせいにちがいない。バブル破裂前の過熱消費時代は通貨危機で冷水を浴びることになったが、道をつけられた消費の欲求は、経済状況の改善とともに再びよみがえりを見せている。2003年の一人当たり国民所得は946ドルまで回復しているのだ。
Prada, Miu Miu, Boss, Todd's, Cocinelle, Aignerのブランド代理権を持つPTマハガヤ・プルダナは、高額のために現金買いに躊躇する階層を捉えようとしてシティバンクの消費向けローン「イージーペイ」を取り込んだ。2百万ルピアのプラダのバッグを現金即払いで買う人は多くないが、12ヶ月の分割払いになるなら顧客の心理バリアーは溶解する。スペインのMangoブランドだと上着やスラックスはひとつ30から40万ルピアだが、もっと高級イメージのあるミウミウの上着は一着で2百万ルピア。「十代のお嬢様方がたくさん2百万ルピアのサンダルをお求めになります。」と語るのは、マハガヤ社のレニー・テジャ販売課長。
高級中級の外国ブランドが続々とジャカルタを目指してやってくる。廉価商品は地元衣料品会社が香港、中国、韓国から商品を買い取り、それに見慣れないインドネシアブランドを付けて流通させている。インドネシアのデザイナーも、Biyan, Ghea, Sebastian, Accent, et cetera, Country Fiestaなどで市場をにぎわせている。そんな中でLolita Lempickaが東南アジア第一号店をジャカルタに出した。第二号店がシンガポール。トッズもそんなパターンを踏んでおり、コチネレなどはシンガポールで売られていない。アメリカ産ブランド靴Stuart Weitzmanも東南アジアでの最初はプラザインドネシアでの出店で、シンガポールはその四ヵ月後だった。世界から貧困国と見られているインドネシアでのそんな現象は何を意味しているのだろうか?
ACニールセンが2003年に行った消費調査では、一ヶ月の消費支出が225万ルピアを超えるA1ブラケット、175万ルピア以上のA2ブラケットがバンドン、スラバヤ、メダンでは22%おり、ジャカルタはA1だけで14%、A2が12%となっている。インドネシアで外国産高級ブランドを志向する消費者層は、イージーペイローンを使ってでも、という限界層まで含めて「百万人です。」とレニー・テジャは述べているのである。


「美容院ビジネスは巨大産業」(2004年11月19日)
ジョニー・アンドレアン、ヨピー・アンドレアン、ルディ・ハディスワルノ、スヘンドロ・アディコロたちにとってモールや大型ショッピングセンターはビジネス展開の狩場だ。かれらが営んでいるビジネスは、インドネシアで言うところのサロン・クチャンティカン、つまり美容院。
それが大きいマーケットであるだけに、競争も激しい。勝ち残るためには知恵と技をふりしぼって顧客を呼び込まなければならない。価格はできるだけ抑えても品質を落としてはならない。業界者はフランチャイズやジョイントパートナーシステムでネットワーク拡大に努めており、言うまでもなく出店先は人の集まるモールや大型ショッピングセンターがターゲットとなる。
1978年に最初の店を開いたジョニー・アンドレアンは、いまやかれの名前は全国163店の看板だ。その半分は出資者が店舗一切を整えて経営をジョニー・アンドレアン本社に委ねている。全163店の経営は、その本社が行っているのだ。かれのネットワークは大都市ばかりか、チレボン、シドアルジョ、スラカルタなど中小都市にもオープンしており、さらに美容学校やトレーニングセンターを37ヶ所に設けている。
ルディ・ハディスワルノはフランチャイズシステムだ。1968年からこの業界に棲んできたかれが持つ130店のネットワークは8割がフランチャイズとのこと。店の6割はモールやショッピングセンターにあり、あとは店舗住宅や一軒家になっている。顧客層は上級経済層で、35歳以上の経済的に安定した階層がもっぱら。しかし顧客層拡大を忘れているわけではない。中流層を狙ったルディ・サロン、そして13歳から20代までを対象にしたブラウン・サロンというバリエーションも用意されている。おまけにルディ・ハディスワルノ・トレーニングセンターと称するサロンもあり、これは低所得層を対象にしたもので、来店客は勉強中のインターン生がサービスする。それらのバリエーションは店のロケーション、料金、インテリア、美容器具、従業員の経験年数などで差がつけられている。ルディはさらにお子様向けサロンにまで手を広げ、上流層向けはキディカッツ、その下の層向けにはファンカットという名称で違いを出している。
1996年からサロンビジネスに参入したヨピーは、ヨピーサロン・カウラムダ、ヨピーサロン・プロフェショナル、ヨピーサロン・トレーニングセンターの三つのバリエーションで顧客を掬い取る。トレーニングセンターはルディと同じコンセプトで、中下流層向け美容院。美容師はインターン生で、使われる器具用品は国産のエコノミーなものにし、料金を低く抑えている。インターン生は講師に指導されながら客のヘアメークを行い、うまくできない場合は講師が巧みに仕上げを行ってくれる。90店ほどあるかれのネットワーク55%がフランチャイズ。店はほとんどモールやショッピングセンターにあり、5店だけが店舗住宅とのこと。
業界大手のそれら三社に対して発展著しいのがサロン・ルトゥイエ。1997年10月にサロンビジネスを始めたこのサロンは、ジャボタベックに十数店を広げ、若者からヤングミセス層に人気を博している。髪染めでは既に世間の評価が確立している。
サロン・ジョニー・アンドレアンのネットワークに加わって美容院ビジネスを手がけたいと望むなら、ロケーションを用意して1.5から2億ルピアの資金を携え、ジョイントパートナーを申し込むことだ。店の運営はジョニー・アンドレアン側が行い、会計は店のオーナーが行い、上がった利益は折半というのが経営方針。ルディ・ハディスワルノのフランチャイズも似たようなシステムだが、こちらの家賃以外の初期納入資金は2.5から5億ルピア。ヨピー・サロンはロイヤルティ制で、1.25から1.5億ルピアを納めることになる。運営は百パーセント、ヨピー側が行うが、資材購入費用は折半だそうだ。利益は総売上の10から20%で、毎月ヨピー側から経営報告が出され、利益も折半となる。サロン・ルトゥイエのフランチャイズは比較的自由が与えられているようだ。ルトゥイエからは専門家が派遣されてきて常駐するが、経営は投資者が自ら行い、使われる資材のブランド選択も自分で決めることが許されているとのこと。あるフランチャイズ店は初期投資に2.4億ルピアを使ったが、そのうちの1億ルピア強をすべてのライセンス関連費用としてルトゥイエに納めたそうだ。残りはルトゥイエのスタンダードに応じた資材器材の購入にあてられた。ルトゥイエへのロイヤルティは売上が月4千5百万ルピアを超えた場合のみで、率は7%となっている。売り上げがそれを下回れば、ロイヤルティを納めなくともよい。
年を追ってサロンは増加しているが、クライシス前から営業していた事業主は、クライシス後ビジネスの利益はあまりあがらなくなった、と語る。大手サロンネットワークでは、ヘアースタイリストを含めて一店舗当たり10人から15人の従業員が働いている。いまだと、毎日50人以上の客があれば、店の経営はまず安泰といえる。かつては女性の独占物と言って過言でなかったサロンは、いまや男性から子供まで顧客層が拡大されており、当面は大きなビジネスマーケットとしての位置が約束されているようだ。


「ジャカルタにはこんなに儲かる商売が」(2004年11月19日)
オルバ期に地方部の豊かな天然資源が開発され、地元に落ちた収益はほんの一部で、大部分は中央に吸収された。中央とはジャカルタのことだ。おかげで、インドネシアの金の60から70%はジャカルタに集まっている、とたいていの人が言う。その金の分け前にあずかろうと、首都ジャカルタに人が集まってくる。大卒から肉体労働者、女中からゲペンまで、ジャカルタに潜り込めばサバイバルは不可能じゃない。収入を求め、キャリアを求めて、上京者は絶えることなく都に上る。首都のアーバナイゼーションはこうして、尖鋭の度を深めていく。
かれらは首都のあらゆる職業に流れ込む。工場に、オフィスに、女中に、カキリマ商人に、そして中には競争に敗れて転落し、闇の世界に棲むようになる者もいる。一方他人から羨望の目で見られる者もいる。不動産ブローカーはそのひとつだ。
べッタ・ハルジュリ夫人は、タバコ会社に勤める夫がマランからジャカルタに転勤になったのに従って上京した。ブラウィジャヤ大学で土木工学を修めたかの女は、ジャカルタで自分のキャリアを伸ばすチャンスに目をつぶることをしなかった。不動産会社に一年未満勤め、そして個人ブローカーの道を歩み始めた。不動産売買を仲介すれば、税金や手続料を差し引いたネット価格の2.5%が仲介手数料として手に入る。だから狙いは30億ルピア程度の中級以上のアパートだ。ひと月に二三軒売れれば、収入は億のレベルになる。しかしそんな高価な買い物をするクライエントを維持するには、信用が第一の鍵となるのだ。ひとはみな、トラブルを嫌う。どうすればクライエントをトラブルから遠ざけておけるのか?ましてや仲介した不動産が所有権係争の対象になっていたりすれば、ブローカー生命は尽きる。クライエントたちの間でブローカーの評価がささやかれるのは当たり前のことであり、だから有能なブローカーをただの仲介業者だと見ては大きい間違いを犯すことになる。ブローカーの中には、売り手と買い手の間にたって価格をもてあそぼうとする者がいるが、べッタ夫人はそんな行為が自分の評価を傷つけることを知っている。売り手が1億だと言えば、そのまま正直に相手に伝えることにしている。正直が自分を守る最上の武器なのだ。
13年間この道を歩んできたアビー夫人は、首都圏の実業家との幅広い交際関係を元手に今の地位を築き上げた。1997年以来それまでの一戸建て住宅からアパートにかの女はビジネス方針を転換した。二三年して、高級アパート建設とその需要の伸びを実感したかの女は、自分の読みが誤っていないことを確認したのだ。かの女もべッタ夫人のビジネスポリシーをわがものにしている。勤勉さや努力だけで成功が得られるものではない。
このビジネスに参入して6ヶ月だというのに、毎月高級アパートを二三軒仲介するという驚異的な実績をあげて、同業者をうならせている男がいる。かれスハンディも、二人の先輩女性たちのポリシーに賛同する。かれは手数料を2%にしているが、六十数億ルピアの高級アパートを2件仲介すれば、月収は2億4千万ルピア。これはジャカルタにある大企業の中級エグゼキュティブの年収に匹敵する。運良く毎月コンスタントにそれが実現すれば・・・、ジャカルタのどこを探してもこんなビジネスにお目にかかることはありえそうにない。
この世界で生きている者はおよそ70人。トップクラスになると、一回の取引で高級アパートを十数軒から数十軒も売る、という。その仲介収入を使って自分も一軒その場で買う。
しかしリスクもある。べッタ夫人はかつて、とある高名な実業家の所有になる大型プロパティプロジェクトを仲介したことがある。仕事が完了し、成功裏に終わったあと、約束された手数料がいつまでたっても支払われなかった。かの女はその屈辱的な出来事をひとつの教訓にした。『もっと注意深くならなければ』。その高名な実業家が約束したものをケチる可能性は小さいとべッタ夫人は見ている。かれが使っている部下がくすねた可能性がないとはいえないからだ。そんな出来事をバネにして、かの女はジャカルタで不動産ブローカーの道をまい進している。


「インドフード社製パスタがアジア市場を席巻するか」(2004年11月24日)
フランシスクス・ウェリランPTインドフードスクセスマクムル副社長が、2005年の同社製パスタ輸出計画は年間およそ3万トンで、これは2004年の計画から188%増である、と公表した。この増加は主に、フィリピンのユニレバー社が組織内合理化と製品ラインのアウトソーシング化を行った結果降って涌いてきた契約によるもので、ボガサリ製Royalブランドパスタが来年1月から一年を通してフィリピンに輸出されることになっている。ボガサリからユニレバーへの供給は、2001年にタイ向けBest Foodブランドの納入を開始して以来、2004年にはKnorrブランドでの香港向け輸出へと手を広げ、フィリピン市場にはDel Monteブランドを1997年から納入しているほか、インドネシア国内で販売されているLa Fonteブランドでも日本、韓国などに輸出されており、ボガサリ製パスタはアジア15カ国に輸出先が広がっている。


「四輪車販売台数で、ホンダがダイハツを抜く」(2004年11月24日)
Gaikindoが公表した今年1月から10月までの四輪車販売台数累計で、これまで第四位にいたダイハツがホンダに抜かれて5位に転落した。今年10ヶ月間のブランド別販売台数番付は下の通り。
1.トヨタ 115,044台
2.三菱   75,684台
3.スズキ  66,962台
4.ホンダ  39,317台
5.ダイハツ 39,082台
6.いすゞ  19,756台
7.日産   10,415台
8.ヒュンダイ 6,816台
9.フォード  5,275台
10.日野   5,134台
ホンダのこの伸びは同社のシティカー、ホンダジャズに負う所が大きく、この車種は今年10ヶ月累計で20,237台となっており、ホンダの実績の過半数をこの車種が背負っている。今のところこのジャズはタイ産の完成品輸入がメインを占め、同社では今後国内組立てを増やす方向で準備に入っている。ジャズ以外では、ホンダストリームの10ヶ月間販売台数3,213台、CR−Vは6,234台、そして他のセダン車が9,633台という内訳になっている。


「年末年始はエンジョイジャカルタ」(2004年11月25日)
12月から1月にかけては、ジャカルタの観光セクターはオフシーズン。ビジネス訪問者が外国人入国者のメインを占めるジャカルタの観光セクターは、だからビジネス客へのサービスが主体で、他の観光地とは多少性格を異にしている。ビジネス客は仕事が終わったら一日慰安の日を設けて、買い物、ゴルフ、スパなどで休日を楽しんで欲しい、と都庁観光局は希望を述べているが、時間と財布に余裕のある人ばかりでもあるまい。クリスマス・新年というホリデーシーズンは、例年12月20日から1月中旬までホテル業界の客室稼動も10から15%ダウンする。そのダウンをカバーしようと、業界は国内観光客をターゲットに誘致をはかる。料金はあまり下げないようにし、さまざまなサービスを盛り込んで実質的な買い得感を誘い、国内宿泊客の確保を図るのが狙い。
都庁がそんな状況に手を貸そうと、そのオフシーズン期間に催しを企画した。題してEnjoy Jakarta Shopping & Fashion。世界のどこにも引けを取らない一大消費都市ジャカルタへのショッピングツアーは間違いなく売り物になる。シンガポール、マレーシアからはもとより、日本・台湾・韓国・香港から、ジャカルタに数あるショッピングスポットに来てもらって、割安な買い物を楽しんでいただこう、というのがこの企画で、中でも焦眉はタナアバンとマンガドゥア。その趣旨だけ見れば、毎年6月中旬に行われるジャカルタグレートセールの二番煎じのようだが、それに何が上乗せされるのかはこれからのお楽しみで、アウロラ・タンブナン都庁観光局長の腕の見せ所というところ。


「オートバイ整備業は巨大ビジネス」(2004年12月1日)
いまやオートバイ保有が2千万台に達しているインドネシア国内市場は、オートバイ整備業に巨大なマーケットを提供している。アストラ・ダルマバクティ財団のコサシ部長は、「一台のオートバイに年間10万ルピアの整備費用がかかるとしただけでも2兆ルピアの市場がある。スペアパーツに20万ルピアかかっているとするなら、こちらは4兆ルピア市場だ。オートバイ所有者は都市郊外部に多く、整備サービス業はそんなエリアを狙うべきだが、今はまだ街中に集中している。また中小規模業者の抱えている弱点はカスタマーサティスファクションにあり、オーナーも従業員も態度がそっけなく、客にあまり関心を示さず、顧客を引き付け維持しようという姿勢に欠ける。どのようにすれば客がサービスを信頼し、満足してくれるかということを考えていない。そのための人材教育が重要で、当財団は諸方面と協働してオートバイ整備事業者を育成する活動を行っている。」とガルーダ航空との協力下に10月から11月まで実施したオートバイ整備士養成コースの終了式で語った。このコースに参加したのは20人で、ジャカルタ、西ジャワ、中部ジャワなどから集まってきた人たち。このコースを終了した中で優秀者5人は、ガルーダ航空から整備工房を開くための資金が与えられる。
コサシ部長によれば、オートバイ整備工房を開くに当たっての初期資金は5千万ルピアあれば大丈夫で、2年間で投資回収ができる、とのこと。これは毎日5台のオートバイを整備するという条件で計算したものだが、中には1千5百万ルピアの資本で小規模ビジネスをはじめ、6ヶ月で投資回収を終えた者もいるそうだ。
同財団はガルーダ航空以外にも、地方自治体や事業開発機関と協力して同じ活動を推進している。


「瓶入り清涼飲料水大手6社が、値上げしない、と表明」(2004年12月2日)
瓶入り清涼飲料水にかけられている奢侈品税の取り消しを政府が決定したことから、業界側は少なくとも2005年半ばまで値上げはしないと表明した。
清涼飲料産業協会フルーツ飲料部会のファルハッ・プラディサストラ会長は、会員企業26社のうち市場シェアの65%を占める大手6社が、奢侈品税10%の解消にともなって来年上半期一杯は値上げを行わないことを表明した、と公表した。大手6社とはPT Coca Cola Amatil, PT Ciracasindo Perdana, PT Ultra Jaya, PT ABC Heinz, PT Navika, PT Berri Indosari。残る20会員企業も今年一杯にはそのコミットメントに加わるだろう、と同会長は楽観視している。同会長は、石油燃料市場価格のアップ、労賃のアップ、原材料調達での諸問題などコストアップ要因は多いが、コミットした期間はそれをカバーして生産者価格を据え置くという意味であり、流通段階あるいは小売レベルの価格を生産者が統制するということではない、と補足した。これは流通現場で需給状況に応じて変動する価格を統御する能力は生産者にないことを意味している。同協会は10%の奢侈品税解消に続いて、一次産品5品目にかけられているPPN(付加価値税)も、外国からの密輸品流入を煽るものであることから、善処してもらいたいと政府に要望している。


「新車に対する苦情がインドネシアで増加」(2004年12月7日)
J.D.パワー・エイシアパシフィックが行った新車自動車オーナーの苦情に関する調査で、インドネシアでは苦情が増加していることが明らかにされた。
同機関が行ったInitial Quality Study2004調査は、新車所有期間が2ヶ月から6ヶ月というドライバー2千3百人を対象にして集計されたもので、所有自動車としては12自動車会社の33車種がカバーされている。2003年に行われた調査との比較では、前回の百台中苦情件数142が、2004年には161に増加したとの結果が示されている。
苦情カテゴリーとしては走行性・運転性・ブレーキといった基本性能のほか、フィーチャーと制御、座席、冷暖房と換気、サウンドシステム、エクステリア、インテリア、トランスミッション、エンジンなどに分けられ、インドネシアドライバーには走行性・運転性・ブレーキカテゴリーが最大の関心事で、全苦情の24%がこのカテゴリーに属している。次いで多いのがギヤ切替と燃費問題で、このカテゴリーは全体の10%を占めている。セグメント別に苦情の少ないクオリティ車種はトップから順に、エントリーミッドサイズセグメントでホンダシティ、トヨタビオス、スズキアエリオ、エントリーSUVでキジャン、いすゞパンサー、ダイハツタルナ、SUVでは日産Xトレール、スズキエスクード、日産テラノ、MPVバンでキアカーレンス、ホンダストリーム、スズキキャリー。詳細情報はこちらでどうぞ。http://www.jdpower.co.jp/press/pdf2004/2004IndonesiaIQS_E.pdf


「パソコン販売は12%の増加」(2004年12月8日)
今年第三四半期国内のパソコン販売は19万2千ユニットで、前年同期の112%だった、と調査機関ガートナーデータクエストが報告した。家庭用は113.7%、プロ用は112%の伸びを示し、タイプ別ではデスクトップ型が83.6%と依然圧倒的なシェアを占めている。携帯型パソコンは前年実績に対して13%減少しており、第三四半期に起こった値上がりの影響が響いたものと調査機関はコメントを付けている。ブランド別シェアではヒューレットパッカードが30%の伸びでマーケットシェアの16%をおさえ、Acer、IBM、Zyrex、東芝がそのあとを追っている。2003年の年間販売数は64万ユニット、2002年は49万5千ユニットという実績。
一方インドネシアコンピュータ事業者協会の示す今年第三四半期の数字は35万台。9ヶ月で75万台という実績が上がっており、今年の目標1百万台は到達できるだろう、とヒダヤッ・チョクロジョヨ同協会会長は述べている。同会長によれば、ルバラン前の一週間、パソコン販売は激減し、販売店の売上は30から50%減少したが、ルバラン明けから年末までの販売はドライブがかかるに違いない、と期待されている由。
ガートナーデータクエストが集計した日本を除くアジアパシフィック地域のパソコン販売状況は、今年第三四半期の販売数は850万ユニットで前年同期の109.8%であり、今年第二四半期からも3.1%増加しているというきわめてポジティブな状況にある。中でもインドは35%増という瞠目すべき好況を示している。域内諸国の市場をリードしているブランドは中国産のLenovoで、107万台を売り、11.9%のシェアを占めている。シェア争奪の第二位はHPが10.1%、IBM7.9%、Dell7.2%、Founder Electronics4.7%といった順。


「エドワード・フォレールがフランチャイズに乗り出す」(2004年12月10日)
1989年に履物のスケッチを手に戸別訪問で注文を取っていたエドワード・フォレールが起した会社が、今では名の通ったブランド品履物メーカーに成長している。バンドンに本拠を据えるPT Edward Forrer社は、シドニー、ジャカルタ、スラバヤ、スマラン、メダン、ジョクジャ、マカッサル、マラン、そしてバリに2店、バンドンに7店並びに「ショップオンザムーブ」と呼ぶ自動車での販売で既に18店の販売拠点を構えているが、あまりにも強いフランチャイズライセンス要請を目の当たりにして11月24日、フランチャイズ制導入に踏み切った。11月に行われた展示会で受けたフランチャイズ申し込みは6百件を超え、厳重な審査を行った上でライセンス契約を行う、としている。申請者は申し込み時に5百万ルピアを納め、最大4回のインタビューを受けることになる。この動きに伴って同社は年内に2店増やして販売拠点を20にし、来年も20店を新設する、と意欲的な計画を立てている。


「KIAが日野を抜いて国内四輪車販売ベスト10に登場」(2004年12月13日)
KIAブランド自動車は11月も644台と販売数の低下が見られず、今年11ヶ月の販売総数は5,598台となり、日野自動車の5,565台を抜いて国内四輪車販売のベスト10入りを果たした。韓国系のPT KIA Mobil Indonesiaは昨年末から主力機種Carensの国内組立てを開始し、それがKIAの自動車販売に大きく貢献していることを見せつけている。一方今年4月から販売を開始したシティカーPicantoは11ヶ月で1,666台の販売台数だが、完成車の輸入販売であるこの機種は輸入のタイミングが合わなかったために11月の販売数量が減少してしまった。同社は安定供給という面から、このピカントもカーレンスと同様、国内組立てに切り替えることを検討している。


「パワーレンジャーがやってくる」(2004年12月15日)
タングランのスーパーモールカラワチに、パワーレンジャーやウルトラマンがやってくる。エニ・ロハニ同モールPRコーディネータによれば、同モールは今年のクリスマス新年のセールスシーズン催事として、キッズステーションと組んでお子様向けプログラムを予定している、とのこと。期間は12月10日から来年1月9日までで、子供たちのヒーローは早くもモール内で子供たちと握手を交わしている。
それとは別に女の子向け催しも用意されており、今回はブラッツをテーマにしたもので、「ブラッツそっくりさんコンテスト」が12月18日に予定されているほか、ファッションショー、パズラー4(フォー)コンペティション、アカペラコーラス、アクロバット、お人形ステージなど多彩なプログラムでお楽しみいただける、と同モールPRコーディネータは紹介している。


「モダンマーケットでの小売販売シェアは30%」(2004年12月17日)
在来型のパサルに対してモダンマーケットと呼ばれているミニマーケット、スーパーマーケット、ハイパーマーケットなどの生活用品小売店舗における販売は総小売市場の25%に達しており、来年そのシェアは30%にまで拡大するだろう、とACニールセンインドネシアのヨンキ・スルヤ・スシロ小売ビジネス開発担当取締役が語った。FMCG(足の早い消費財)と呼ばれるカテゴリーの物品販売がそのようなハイペースで伸びれば、来年の経済成長にドライブをかける要因となりうるもの。
全国的に見れば在来型マーケットが圧倒的に優勢だが、都市部での消費ライフスタイルはモダンマーケットへの強い傾倒を見せており、在来型マーケットに淘汰が始まっているのが実態だ。統計調査では、平均的インドネシア人はひと月に24回在来型パサルを訪れる一方、ハイパーマーケットは月一回、スーパーマーケットは月二回、ミニマーケットは月三回訪れるという配分になっている。「タバコ、石鹸、お菓子類などFMCGを買うには、在来型マーケットが消費者の生活領域近くにあり、また値段も安く、手軽なために優勢ではあるが、明るく快適で空調が効いており、魅力的なさまざまな商品が陳列されているモダンマーケットで買い物をしたいという消費者のモチベーションは今後もまだまだ強まるだろう。」と同取締役はコメントしている。
そんな状況は多くの在来型小売商にとって大きな脅威であり、行政に対する小売業界からのモダンマーケット営業許可規制の要望は強まっている。モダンマーケット業界内での競争から新店舗開設の全国展開意欲は高まっており、行政側からの店舗規模や出店場所に関する規制は強まるだろうが、経済開発の実を取るべく業界の意欲を冷やさないで、どう導いて行くかが腕の見せどころと見られている。今年モダンマーケットでは積極的な値引き販売が展開されて消費者物価は3%低下している。しかし在来型マーケットでは物価が1.3%上昇しているというデータも上がっており、一般小売商にとって今後も厳しい時期は続くだろう。


「今年の家電品販売は絶好調」(2004年12月22日)
自動車業界に負けず劣らず、家電業界も好景気をエンジョイしている。エレクトロニクスマーケタークラブ広報担当ステファヌス・インドラヤナは、いくつかの商品カテゴリーで販売数が大きく伸びている、と語る。
「テレビは、今年年初に立てた販売見込の320万台が11月には既に345万台という実績でクリヤーされている。昨年実績の303万台からもう10%以上のオーバーだ。成長が特に著しいのはエアコンで、今年の見込みだった47万5千台は11月末で586,450台という実績値を示している。洗濯機にしても、見込まれていた50万台は59万5千台近くまで売れている。市場の需要には強い勢いがあって、来年もそれは継続するだろう。今年の総販売台数がテレビ4百万、冷蔵庫150万という数字に到達する可能性は高い。」そしてエアコンも洗濯機も70万台に達するのではないか、とステファヌスは語る。
国内家電市場における主要プレーヤーは地元資本にせよ外資にせよ、国内で製造販売を行っている会社だ。全国的販売網とサービス体制が市場シェアを確保するベースになるのは自動車業界と変わらない。「国内市場動向に則した戦略をスピーディに展開することがそれで可能になる。」PTエレクトロルックスの営業担当取締役であるステファヌスはそうコメントする。PTLGエレクトロニクスインドネシアのスン・キウン営業販売担当GMは、国内家電品需要が伸びているのは喜ばしい、とコメントする。「かつてエアコンは国内市場で贅沢品だった。でも今はそうじゃない。奢侈品税対象から外されたことも寄与して、販売台数はすごく伸びている。」LG社は今年のエアコン販売目標12万6千台の達成をきわめて楽観視している。同社は他の商品についても、テレビ135万台、冷蔵庫75万台という生産目標は到達できる、ともスン・キウンGMは述べている。


「都内各モールの年末商戦は」(2004年12月23日)
普段は一日4万2千から4万7千人の来店客があるモールチプトラは、土日には4万5千から5万3千人に来店客が膨れ上がって混雑する。360店のテナントを擁するこのモールは、中流消費者層がメインの顧客になっているが、モール側はなんとか中の上から上流層へ向かって引き上げようと努力している。クリスマス〜年始のホリデーシーズンには普段より2〜3割来店客が増加するが、その集客のために催し物は不可欠で、同モールはアメリカンアニメの主人公ガーフィールドを12月9日から1月9日まで、センターコートに招いている。
一方同じ道路沿いにあるモールタマンアングレッは12月14日から三日間、バットマンライブショーを催した。中の上級クラスがやってくるこのモールは、平常日で4〜5万人、土日は5〜7万人の人出となるが、ホリデーシーズンになるともう一声上がって6〜8万人が来店する。同モールはシティバンクとの協賛でショッピングボーナス=ホリデイリワードを10月22日から2005年2月13日まで開催中。ショッピング金額35万ルピアごとに1枚、支払いにシティバンクのクレジットカードを使うと2枚の抽選券がもらえ、景品にはアウディ461台、フォードエスケープ1台その他さまざまな品物が用意されている。モールタマンアングレッはそれとは別の社会奉仕活動として、貧困者への無料結核医療を提供している。西ジャカルタ市マンガ通り8番地のクリニック・ジファンカで11月23日から12月31日までの毎週火曜と金曜午前9時から午後3時まで、同モールのスポンサーで希望者への無料医療が実施されている。


「南の島に雪が降る」(2004年12月23日)
タングラン県カラワチのスーパーモールカラワチでは、12月11日から来年の1月9日まで、モール内で人工雪を降らせている。ジャカルタのベストファミリーモールと今年11月に調査機関マークプラスが報告したそのステータスに恥じないように、同モールはお子様向けの企画を充実させている。「映画やテレビの画面でしか見たこともない雪というものを、南国の子供たちにも体験してもらおうと考えております。冷たくそして柔らかい氷の花を手に受けて、きっと子供たちは忘れられない体験を心に刻んでくれることでしょう。外国から取り寄せた雪の原料は人体にまったく害はありません。衛生面でも問題はありません。ここ一週間ほどご来店のお客様方はとても喜んでくださっています。」PTスーパーモールカラワチのPR担当者はそう述べている。同モールは他にもブラッツ人形やパワーレンジャーに関連した企画を行っている。


「インドネシアビレッジを造ろう」(2004年12月24日)
インドネシア商工会議所は、シンガポールとマレーシアにインドネシアビレッジを設ける構想を明らかにした。商工会議所のトーマス・ダルマワン製品販売開発部門常任委員長は、「シンガポールは年間7百万人の観光客が訪れ、またチャンギ空港を通過する旅客は2千1百万人もいる。シンガポールでインドネシア産品に触れ、それを購入してもらえるなら、インドネシア産業にとって付加価値を持つ。またインドネシアを紹介して次の機会にはインドネシアを訪れてもらうことも、観光振興にたいへん有意義だ。そのために、2005年にはシンガポールとマレーシアにインドネシアビレッジをオープンし、物品やサービスの積極的な紹介活動を進める。」と構想を説明する。プロモートされる製品は、食品、工芸品、伝統マッサージからスパなどの美容サービスまで上がっており、またそれと平行して、国際的にプロモーションが不足している観光地を全面に押し出すことも計画されている。バリ、トラジャ、ジョクジャなどといった名前の定着しているところはパンフレットを置いても、それを紹介の目玉にはしないそうだ。だからこの企画には、民間業界だけでなく、地方行政府も協賛参加してもらえるだろう、と商工会議所は期待している。インドネシアビレッジの設立に関して商工会議所はあくまでファシリテーターとしての機能を果たすだけだ、と同委員長は述べている。
商工会議所はこの構想実現のために、近々駐ジャカルタシンガポール大使と会談する予定。両国間の互恵をベースにするこの構想は必ずやシンガポール政府の賛同が得られるものと商工会議所は確信しているが、その互恵を実質的に表明するために、2005年1月18日から2月13日までジャカルタでシンガポールと中国の実業界がバザーを開催するのを後援する予定にしている。
一方マレーシアは既にシンガポールにマレーシアビレッジを設立しており、毎週金曜日とラマダン月にはたいそうにぎわっている。商工会議所はマレーシアビレッジよりも繁華な地区に、もっと大規模なビレッジを設立する予定にしている。インドネシアビレッジは将来的にインドネシア産品の流通と小売のためのセンターとして、チャンスさえあれば他の国へも拡大させようと商工会議所は意気込んでいる。


「DVDの一般家庭への浸透が進む」(2004年12月28日)
市場でVCDからDVDへの乗り換えが進行している。エレクトロニクスマーケタークラブのステファヌス・インドラヤナ広報担当は、VCDプレーヤー販売台数が2003年の150万台から今年は130万台にダウンしそうであり、その一方でDVDプレーヤーは2003年の30万台から2004年は45万台に上昇している、と語った。更に2005年の市場動向予測として業界は、VCDプレーヤーは更に100万台前後に低下する一方、DVDプレーヤーは90万台まで伸びるだろうと見ている。「これまでVCDプレーヤーとDVDプレーヤーとの間にはかなりの価格差があり、それが販売台数の差となって表れていたが、政府の減税経済刺激策のおかげでDVDプレーヤーの小売価格低下がはかられたことから、家庭でDVDを鑑賞するのはもはや国民にとって贅沢なものでなくなっている。」ステファヌス広報担当はそうコメントしている。


「今年のプリンター販売は百万台突破」(2004年12月31日)
今年第一第二四半期のプリンター販売はそれぞれ30万台だったが、第三四半期は36万台に増加して9ヶ月で既に97万台という記録を樹立した。前年同期実績は70万台で、ことしは30%増となっている。キャノン、エプソン、HPという業界大手三社が積極的な販売を展開し、地方都市へのロードショーまで行ってプロモーションに努めたことがこの成果を生んでいるようだ。プリンター市場は上記大手三社が96%のシェアを占め、残る4%をレックスマーク、サムスン、ゼロックスが競っている。印字システムの主流をなしているのはインクジェット方式で87%のシェアを占めており、レーザー方式は6.7%、ドットマトリクス方式は7.3%という配分。
第三四半期は数量が伸びたとはいえ、ルバラン前の時期に輸入手続に変化があり、輸入通関が遅れてしばらく品薄期が発生したことが販売機会損失を招いたと業界筋では見ているが、これは税関が輸入品検査を家電品を含めて厳しくしたことによるもので、類似のことは携帯電話などでも発生している。例年第四四半期は消費者がコンピュータよりも消費物資の購入に資金を使う傾向があり、今年もその期間は販売がダウンするだろうと見られているが、それでも今年の販売台数が百万台を超えるのは確実視されている。
コンピュータシステムを構成する一機器であるプリンターのこの販売台数上昇はコンピュータ事業者協会が設定した2004年年間の販売目標1百万セットの実現に沿ったものとコンピュータ業界筋は見なしている。今年のコンピュータ販売は上半期が40万台第三四半期が35万台で通算75万台の実績となっており、協会が推進した廉価コンピュータ購入プログラムが販売促進に一役買ったことは確かだが、その後会員間での利害衝突が尖鋭化してプログラムは空中分解状態になっている。
一方プリンターカートリッジ市場は年間8千8百万ドルという規模で、今年はコンパティブルセグメントが15%シェアを増やしている。プリンター製造者以外のメーカーが供給するコンパティブルカートリッジはバージンと再充填がある。市場では56%がオリジナル製品、10から15%がコンパティブル、残りは贋ブランド品と製造者が輸入するアイテムで占められている。


「携帯電話の需要が激増」(2005年1月4日)
「ほかの会社は年末年始で生産が低下しているのに、弊社は正反対だ。」そう語るのは衛星携帯電話を製造しているPT Asia Cellular Satelit社のアディ・ラフマン社長。スマトラ島北部をはじめ津波大災害に襲われた南アジア一帯では、通常の通信インフラが壊滅しており、人工衛星を通じてのコミュニケーションが重要度を増している。同社は津波発生後の一週間で5千台近いハンドセットのオーダーをボランティア団体、政府機関、国際救援機関などから受けたそうだ。需要急増で価格を吊り上げるようなことはせず、同社は通常の工場出し値で市場へ流している、と同社長は言う。それどころかPTテルコムとPTパシフィックサテリットヌサンタラの二社を通じて、数百セットのハンドセットスターターパックと度数買い足しバウチャーを被災地に向けて寄贈した。同社はインドネシアで衛星携帯電話の製造販売ならびにサテライト通信オペレータも行っている。
一方、通常の携帯電話も被災地向け需要が急増しているが、特に廉価輸入品の供給が遅れており、市場ではローエンドクラスが品薄になっている。携帯電話のメッカ、ジャカルタのロキシーマスで営業している販売店は、アチェに出発するボランティアが必需品のひとつとして持っていくらしく、廉価品の販売数は大きく増えていて、それが品薄の原因でもあるが、需要過多になっているのに価格はまだそれほど上がっていない、と述べている。低価格帯の品薄状況は昨年末から起こっており、流通業界にとっては不測の事態だったようだ。


「四輪車生産者は値上げを計画」(2005年1月4日)
2004年は47万5千台、2005年は52万台という販売数量が予測されている四輪車業界は、特に顕著な鋼板をはじめとする原材料の値上がりに加えて、名義変更料や奢侈品税の増加も合わせ、2005年の販売価格を引き上げてコストとのバランスを取ろうとしている。PTアストラインターナショナル社は、ダイハツゼニアの価格を150から250万ルピア引き上げる予定にしている。PTBMWインドネシア社は全商品の価格帯を1.5%から2.5%引き上げる。PTトヨタアストラモトルは今のところ値上げ計画はないそうだ。トヨタは昨年8月にアバンザ50万ルピア、アルティス2百万、ビオス3百万の値上げを既に行っており、次期値上げに関しては今のところかなり慎重な姿勢を取っている。


「多機能プリンター販売が激増」(2005年1月6日)
リサーチ機関IDC(インターナショナルデータコーポレーション)が、2004年第三四半期の多機能プリンター国内市場販売は数量が激増したが単価は低下したと報告している。多機能プリンターとはプリンターにスキャナーやフォトコピーおよびファックス機能が組み合わさったもので、中にはファックス機能を持たないものもあるが、印刷方式はインクジェットタイプが一般的。IDCの報告によれば、2004年第一第二四半期の販売数量は1万2千台を前後していたが、第三四半期には2万台を超え、単価も第一第二四半期は230から240ドルだったものが、第三四半期には199ドルに下がっているとのこと。2003年第三四半期の数量は8,372台だっただけに、2004年同期の伸びは凄まじいものがある。
IDCのロースマン・ファジャル上級分析員は、多機能プリンターは既にグローバルトレンドとなり、単機能プリンターを駆逐し始めている、と語る。昨年第三四半期の販売数量激増を担ったのは単価100から299ドルというローエンド商品で、それが全体の70%を占めている。従来はローエンド商品が20%シェアを超えたことがなく、コーポレート需要の伸びを見限って家庭用・SOHO向けというコンセプトに切り替えた業界の目論見がこの大きいヒットに繋がったようだ。またファックス機能搭載機種は20%のシェアしかなく、80%がそれを除いた機能の組み合わせであることも注目されている。
販売現場での第三四半期以降の販売攻勢は目覚しく、ローエンドカテゴリー商品は2003年に比べて10から15%安くなっており、1台百万ルピアを下回る値付けがなされている。コーポレート需要も低コスト省スペースを考慮して多機能プリンターに目を向け始めており、ジャワの都市部では買い換えが増加している。但し地方部や外島部ではアフターサービスがまだ弱く、単機能プリンターは根強い需要を見せている。


「トヨタアストラが製品保証ポリシーを改定」(2005年1月6日)
トヨタアストラモトルは、同社製品に対する2年間あるいは走行距離5万キロのいずれか先に到達するまで、という保証期間を更に緩めて、3年間あるいは走行距離10万キロのいずれか先に到達するまで、というポリシーに変更したことを公表した。この新ポリシーはVINナンバーが2005年のものに適用される。またバッテリーに対する保証もこれまでの1年間または走行2万キロから2年間走行5万キロへと変更される。それらの変更に会わせてサービス実施インターバルも、ガソリン車については1万キロあるいは6ヶ月点検を標準に設定した。保証期間が長くなることで、自動車オーナーはいくつかのメンテナンス条件を満たすことが要求される。その条件のひとつは全国143のトヨタ公認サービス工場での定期点検を受けることとなっている。


「エステレル77がシドニーに新店舗オープン」(2005年1月15日)
精力的に海外展開を行っているインドネシアの地元フランチャイズブランドEs Teler 77が、シドニーに新店舗をオープンする。同ブランドはオーストラリアに三店舗を開設しているが、そのすべてがメルボルンに集中しており、今回のシドニー店オープンは同ブランドがオーストラリアに定着しつつあることを象徴している。
創業者のスキヤッノ・ヌグロホ社長は、メルボルンでの操業初期には来店客のほとんどがインドネシア人留学生や居住者だったものが今では顧客の半分がオーストラリア人になっており、弊社の味がオーストラリアで受け入れられていることを実感している、と語る。それに自信を得て、次のステップとしてシドニーに来月開店することを決めたとのこと。同社は5年前から海外進出をはじめ、いまではシンガポールに8店、オーストラリアに3店、マレーシアに1店を擁している。各国のエステレル77は積極的に料理の味付けを国際テイストに近づける工夫を怠らず、その国にいるインドネシア人をメインのターゲットにはしない、という方針を取っている。
国内でのエステレル77フランチャイズ網は既に250店を超え、今年もジャカルタをはじめ、プカンバルやジョクジャでの新店舗オープンが計画されている。エステレル77のフランチャイズ網に加わりたい方は、4億ルピアで全部まかなえる、と同社側は説明している。


「インドネシアにもガンダム」(2005年1月15日)
ポンドッキンダモールのKidz Stationにガンダム専門コーナーG-Baseが登場した。日本のバンダイ社がライセンスを持つロボットヒーロー「ガンダム」のインドネシアにおける正式ディストリビュータに指名されたPTミトラアディプルカサ社は、ガンダムプラモデルやガンダム玩具をGベースで販売する。
「ここで販売されるものはすべて日本からの直輸入品で、クラシックから最新版までできる限り広いレンジの品揃えを行って、インドネシアのガンダムファンやコレクターのご要望にお答えしたいと考えております。」Gベースオープニング式典の合間に、ミトラアディブルカサ社ファッション子供部門担当リア・ノフィアンティ部長はそう語った。ガンダムロボットは日本で1970年にテレビに登場して以来、小説・コミック・ビデオゲームなどで数多くのファンを獲得している主人公。ミトラ社は単に販売アウトレットを用意するだけでなく、ガンダムプラモデル組立てコーチや、ファンが組み立てたガンダムの出来を競うコンテストなどの開催も予定している。また会員カードを発行して、会員に対する情報提供や、折に触れての割引販売の案内なども行っていく、とのこと。
リア部長は今年の戦略に関して、年内にもう三ヶ所Gベースをオープンするために準備を進めている、と語る。今年6月にソフトオープンが予定されているポンドッキンダモール?とやはりいま建設中のフォルムスナヤンがそのふたつ。もうひとつはスラバヤだそうだ。キッズステーションのオーナーでもあるミトラアディプルカサ社はGベースの将来的な展開について、いま30ヶ所あまりあるキッズステーションのすべての店舗で、Gベースを他の玩具商品の中に溶け込ませた形で販売ポイントを拡大していく方針にしている。


「マタハリが都内ガジャマダプラザにハイパーマートをオープン」(2005年1月19日)
PTマタハリプトラプリマ社が5店目のハイパーマートを今月末、都内西ジャカルタ市ガジャマダ通りにあるガジャマダプラザにオープンする。外資系小売会社主導のハイパーマーケット市場に参入したマタハリ社は昨年タングランに三ヶ所(WTCスルポン、メトロポリスタウンスクエア、スーパーモールカラワチ)とソロのグランドモールの計四ヶ所に開店したが、今年はこのガジャマダプラザ店で早速都内への進出を目論んでいる。国内屈指の小売企業である同社は全国で79百貨店、50スーパーマーケット(ハイパーマーケット4店を含む)、105タイムゾーン・ゲームセンターを運営しているが、ハイパーマーケット店舗は今年更にバンドン、バタム、バンジャルマシン、マカッサル、メダンなど全国の主要都市に10店を開設する計画。マタハリハイパーマートでは市場最廉価方針をプロモーションしており、もしほかで同店より安い価格で同じものが売られていれば、購入者にはその差額を二倍にしてお返しするというサービスを打ち出している。また購入商品保証サービスも行っており、これは生鮮・冷凍あるいは調理済み食品に二日間、その他の商品に15日間の保証を同店が与え、クレームには返金あるいは現品交換で対応するというもの。


「広告宣伝市場は高成長」(2005年1月20日)
2004年の広告宣伝マーケットは2003年から32%も成長した、とニールセンメディアリサーチが報告した。2004年の総市場は22.2兆ルピアで、そのうちテレビが69%のシェアを占め、新聞26%、雑誌・タブロイド紙が5%という配分になっている。2003年と比べると、総市場は16.8兆ルピアだがシェア配分はテレビが69%、新聞26%、雑誌・タブロイド紙5%となっており、配分比率は前年のままであることがわかる。2002年は総市場12.4兆ルピアで、テレビが67%、新聞27%、雑誌・タブロイド紙6%だったから、テレビのウエートが増していると言う事は出来る。
一方、インドネシア広告業者協会(P3I)の報告によれば、2004年のトータルマーケットは21.1兆ルピアで、テレビが62.5%のシェア、新聞27%、雑誌・タブロイド紙7%、その他3.5%という配分だ。同協会のマスリ会長は、欧米先進国での広告宣伝市場は停滞気味で、企業の宣伝は商品広告からスポンサーシップやビローザラインへの転換トレンドにあり、従来型広告宣伝費は減少に向かっているが、アジアパシフィック地域では広告宣伝が今や大ブームだ、と語る。「インドネシアの市場成長は昨年、2003年から28%伸びた。タイヤベトナムでも20%以上の成長だ。しかし中国の32%にはかなわない。他の諸国もだいたい10%を超える成長を示している。この傾向はこの先まだまだ続くことが予想されるため、今年・来年とインドネシアの広告宣伝産業は毎年20%成長は堅いだろう。」と同会長は業界の将来性を予測している。


「家電品販売も2004年は新記録の年」(2005年1月24日)
2004年の家電品販売は業界者の予想を超える画期的な業績を記録した、とエレクトロニクスマーケタークラブのスポークスマン、ステファヌス・インドラヤナは2004年の家電品国内販売状況を下のように報告した。
カラーテレビは2003年の3,167,980台から2004年は4,089,513台に、冷蔵庫は2003年の1,451,215台から1,914,383台に、エアコンは2003年の461,380台から2004年は740,554台に、洗濯機は2003年の485,528台から2004年は726,169台にと、それらすべてのカテゴリーが当初予測をオーバーする業績を記録した。2004年は原油価格暴騰、鉄鋼やプラスチックあるいは輸送コストのアップに加えてルピアレートの変動などがコスト圧迫要因となり、小幅な価格調整を何度か余儀なくされたものの、市場は旺盛な購買意欲によって活況を呈し、予想外の好成績が記録された、と同スポークスマンは解説している。
業界者は今年もその活況が継続するものと見ており、各メーカーは意欲的な販売目標を組んでいる。中でも、巨大な市場における普及率はまだまだ小さい数字でしかなく、テレビはやっと46%、冷蔵庫は22%、携帯電話8%、洗濯機7%、エアコン6%、電子レンジ4%などといった普及率は生産者の意欲を掻き立てずにはおかないようだ。PTLGエレクトロニクスインドネシアは洗濯機市場で22%シェアを目指すと述べており、またPTシャープ・ヤソンタアンタルヌサは、テレビのマーケットシェア24%、冷蔵庫の30%シェアを更に拡大しようとして、今年はさまざまな新製品発売を目白押しに並べている。


「消費者に好評な商品は32アイテム」(2005年1月25日)
MARSが雑誌SWAと共同で毎年行っているブランドロイヤルティ評価の最新版が発表された。Indonesia Customer Loyalty Indexと称されるこの評価指数は、国内5大都市住民1千7百人から集められた回答をまとめたもので、個々のブランドにはコンシューマーバリュー、スイッチングバリヤー、コンシューマーキャラクター、コンシューマーサティスファクションの四つのパラメーターが適用されて評価指数が求められている。回答者が答えているのは消費者にとっての値打ちという意味での、そのブランドを使用した際に得られるメリットとそれに要する費用やその他の負担との間の相関関係のレベルを数値表示したものだ。
インドネシア国内で販売されている物品とサービス14カテゴリーから80商品がピックアップされ、それに対して回答者が与えた評価指数の結果によると、今回のサーベイでは32のアイテムが高い評価を得た。インドネシア消費者に好評な商品は下のようなもの。
化粧品カテゴリー : 口紅Revlon, 洗顔剤Pond's, ハンドクリームVaseline
医薬品カテゴリー : Bodrex Flu, Vicks Formula 44, Bodrex
自動車カテゴリー : Toyota Kijang, Honda
家電品カテゴリー : Sony, samsung, National Panasonic
金融カテゴリー  : 銀行BRI, クレジットカードBank Mandiri, 生命保険Jiwasraya
飲食品カテゴリー : Fresh Tea, Dji Sam Soe, Sanpoerna Mild, Indofood, Indomie, Nescafe
トイレタリーカテゴリー: シャンプーHead & Shoulder, 化粧石鹸Lux, 歯磨きMaxam
などとなっている。


「そごうが7月に新店舗をオープンする予定」(2005年1月25日)
SOGOデパートメントストアを経営するPTミトラアディプルカサのインドラワン・ウィジャヤ取締役は、今年7月にポンドッキンダモール?に新店舗を開設する予定であると語った。今現在SOGOデパートはジャカルタのプラザインドネシア、クラパガディン、プラザスナヤンの三ヶ所、スラバヤとメダンに各一ヶ所の合計5店を設けており、今年6店目が加わることになる。
ポンドッキンダモール?は既存のポンドッキンダモール?よりすこし上の顧客層を狙ったコンセプトで造られており、新店舗の方針とぴったりフォーカスが合っている、と同取締役は述べている。そごうはそのモールで19,500平米の売り場面積を占めることになるが、アッパーミドルを顧客層に狙っているそごうに対し、都内には別のタイプのデパートが存在している。ひとつはDebenhamsで、このデパートはそごうよりも更に限定した顧客層を対象にしている。もうひとつはかつてのLotusから名を替えたJava Department Storaで、こちらはそごうより下のレベルの顧客層を対象にしており、その三つはバッティングする部分が小さいために共存共栄が続くだろう、と業界では見られている。


「2005年のパソコン市場は三割成長?」(2005年2月17日)
「パソコン(PC)販売のピークはたいてい第3四半期で、続いて第4四半期、第2四半期、そして第1四半期という季節変動になっている。」そう語るのはインドネシアコンピュータ事業者協会(Apkomindo)のヒダヤッ・チョクロジョヨ会長。サーベイによれば、国内PC市場は30%が政府関連、40%が企業関連だという。2004年のPC市場は10億ドル、1百万台だった。そして今年はそれが30%の増加を見せるだろう、と同協会は予測しているが、本当にそうなるのだろうか?
Apkomindoのスティオノ・グナディ広報担当副会長は、今年第一四半期の販売は昨年第四四半期から25%減少する、と見る。その60%は政府関連の購入になると見込まれている。政府関連購入がピークを迎えるのは第三四半期で、これは政府国会が予算オーソライズをするのが第二四半期、そして予算が降りて執行に移されるのが第三四半期というメカニズムになっているためだそうだ。スティオノ副会長は、今年の30%マーケット成長は、石油燃料値上げの影響を考慮した結果だ、と言う。値上げがなければ40から50%の成長は疑いないところだが、誘導的なPCビジネス環境は継続しており、成長の伸びが鈍化するだろうが右肩上がりは当面継続すると確信している。中でも中小企業のITへの開眼が根強い需要をこの先醸成するのは間違いなく、市場の拡大はタイミング次第だとも同副会長は見ている。
一方業界者の中には、石油燃料値上げの影響はあまり受けないだろうという観測もあり、今年のPC市場は2004年の5割増だとして事業計画を組んでいるところもある。ともあれ、総体的には依然都市部に厚く、地方部に薄いPC市場地図であり、特定地方部にPCブームが起これば、上のような成長予測は簡単に覆されるかもしれない。今の市場はデスクトップ型が75%、ノートブック型20%、サーバー5%という内訳になっている。


「なつかしの釘穴付き白木家具」(2005年2月28日)
回復の見えない経済危機が続いていた2002年ごろ、廃物木材を利用した家具製造工房が雨後のたけのこのように都内各地に出現した。もともと家具屋が軒を連ねていた地区はもちろん、地の利と人のつながりを契機としてこのビジネスは当時静かな拡大を見せた。東ジャカルタ市のカリマラン街道をはじめ、チピナンバリ、チピナンインダ、プカヨン街道、チサラッのAURIラダル通りからタングランのチプタッやラワブントゥまで、比較的廉価で機能主体の小粋な白木家具が都民の需要を集めた。
材料に使われたのは輸入品が入っていた木箱で、ブカシのポンドッウグ地区の回収業者に集まったものを、廃材利用者が一本2万から3万ルピアで購入した。その板材は幅20〜30センチ、長さ2メートル程度のものだった。樹種はパインが主体で、特にドイツ、日本、タイ、オランダ、韓国からのものが上質だとして人気が集まった。家具製造者は道端の適当な場所で作り、並べ、そして販売した。チークより色の白いその材料を、かれらはjati Belanda(オランダチーク)と呼んだが、上で述べたように正確にはパインだ。
元木箱の廃材だから多数の釘穴が開いていたが、工房の職人たちがそれをそのまま使ったところ、意外に人気を博したという。釘穴をそのままにし、パテで埋めないように注文する客も多い、とかれらは言うが、そんな仕上げの家具は国内でしか売れず、輸出は不可能。国内の木材供給は不法伐採不法輸出のあおりを受けて激減し、国内家具産業は6割減となった。そんな中で釘穴付きオランダチークの白木家具が気を吐いた。ある工房では職人を30人使って一人平均5万ルピアの日当を払い、別の工房では12人使って請負制にし、物によってそれを完成させるといくら支払うという賃金システムを取っていた。好調期には工房によって月1千5百万から3千万ルピアの売上が上がっていたのに、貿易の停滞で木箱の廃材が減少傾向になってくると、売上は下降して月5百万ルピアがせいぜいとなった。レディメードの机や棚はひとつ30万ルピア程度に値付けされたが、オーダーメードだとかれらは1平米あたり30万ルピアを申し受けた。コンドや邸宅に住む外国人に結構な人気だったという。


「インドネシア製デジカメが登場」(2005年3月9日)
インドネシアで初の国産デジタルカメラをモデルンフォトが発売した。初心者からセミプロまでを対象にデザインされたM-Pixは3.1メガピクセルの解像度を持ち、デフォルト言語はインドネシア語だが、中国語と英語に切替可能。CMOSセンサーを搭載し、フラッシュ、ムービー、録音機能も完備している。内部メモリー容量は8メガピクセルで、言うまでもなくSDカードによる記憶容量拡張が可能。モニターは1.5型TFTカラー液晶、USBポートも設置されている。この国産第一号デジカメの小売価格は70万ルピア。
同社は国内デジカメ普及率がまだ四人に一人という市場にこの商品で切り込む構え。日本製コンパクトカメラを主流にした国内市場は今年、対前年比5割増の15万台市場になると予測されているが、この廉価カメラの発売で市場がさらに活発化することが期待されている。同社は従来からアナログカメラの製造を行なっており、カメラ生産技術は安定したものを培っている。インドネシア産デジカメが国際市場に進出するのも間近だろう。


「二輪車業界のホットな話題」(2005年3月15日)
べスパLXというエバーグリーンヒット機種のインドネシア生産は今年1月、ついにゼロになった。1953年に制作された映画「ローマの休日」に姿を見せたピアジオ社スクーターの最終バージョンがべスパLXで、エンジン排気量50ccから150ccまでいくつかのバリエーションが生産されている。第二次大戦中ムッソリーニ軍に爆撃機P108を供給し、挙句の果てに連合軍の攻撃で壊滅した工場から1946年、イタリア国民の足としてスクーターが世に現れ、その後の59年間にピアジオスクーターは1千6百万台が生産された。べスパLXは第139番目のバージョンだ。
イ_ア市場ではかつてスクーター界の雄として絶大な人気を博してきたべスパも、ここ数年の販売状況は低迷の一途。388万台という2004年の二輪車総販売台数実績の中で、べスパは1,819台とまったくの不振。「ピアジオはインドネシアから撤退するわけではない。」とインドネシアオートバイ産業協会(AISI)のリドワン・グナワン会長は憶測を否定する。おりしも本国ではピアジオ社のオーナーがインベストメントバンカーから産業界者へ交代したとのニュースも流れており、今後の新規巻きなおしを期待したいところ。
一方、膨張を続けるイ_アの二輪車市場では、インドからふたつのメーカーが新規参入を計画している。ひとつは三輪車バジャイで有名なインド最大の三輪二輪メーカー「バジャイオート」。同社は年間に製品150万台をスリランカ、バングラデシュ、コロンビア、メキシコなど50カ国に輸出している。バジャイオート社はインドネシアの販売代理店PTアブディラハルジャ社と組んで、まず1千万ドル規模の製造拠点を国内に設ける計画だが、場所の選定はまだ終わっていない。日本製品に牛耳られている形のイ_ア市場に関して同社のインドネシアレップは「弊社の製品は品質的に日本製より少し下だが、価格的には20から25%も安い。そのメリットを生かして最終的には国内シェアの10から15%を占めたい。」と抱負を語っている。大気汚染の元凶のひとつに数えられているイ_アのバジャイは、いまや同社とは無関係なところで製造されている。同社にはその悪イメージを払拭したいという希望もあるようだ。そのために用意された本家のバジャイは圧縮天然ガスを燃料とする環境クリーン機種で、これは3千1百万ルピアという市場価格が想定されている。
新規参入のもう一社は南インドに基盤を持つTVS Motor社。同社は2002年に二輪車1百万台を超える生産実績を上げている。こちらは2006年中盤頃にフル生産を行なうという日程計画を組んでおり、そのときには年産12万台の二輪車をイ_ア市場に送り出す予定にしている。


「ツバメの巣ビジネスは成長株」(2005年3月21日)
中華料理の高級素材として有名なツバメの巣を扱って成長著しいPT Wong Coco Food International社は今年、中国市場への切り込みに大きな期待をかけている。同社はこれまで台湾や香港向けに月40キログラムほどの輸出を行なってきたが、中国市場はきわめて大きいポテンシャリティを持っており、今年は中国本土への進出を図ろうとして態勢整備を行なっている。加えてオーストラリアに住む華人もポテンシャルマーケットであると見て、そちらへのプロモーションも進める構え。目標は月5百キロの輸出量。
国内の需要拡大も同社は注力しているが、さしたる成果はまだ見られない。同社はジャカルタのガジャマダ通りにIstana Walet Wong Cocoと銘打った店舗を設け、贈答用や自己消費用にツバメの巣を販売しており、同店舗では客が購入したツバメの巣をユニークなメニューに調理して饗応してくれるサービスも行なっている。それでも国内販売量は輸出の10%にも満たない由。これからのビジネス拡大にあわせて供給体制の向上を同社は計画しており、現状の50〜60キロから月産1千から2千キロのレベルに持っていくことを狙っている。


「女性の二人に一人はショッピング愛好症」(2005年4月4日)
ニールセンメディアリサーチのマスメディア利用状況調査報告で、インドネシア女性はさまざまなマスメディアからショッピング情報を得るのを得意とし、またショッピングに大きな幸せを感じていることが明らかになった。一方男性は女性より大きい比率で新聞雑誌を読むが、タブロイド誌は女性にかなわず、また意外にも頻繁に映画館へ出かけていることがわかった。
サーベイが行われたのはジャカルタ、ボタベッ、バンドン、スラバヤ、グルバンクルタスシラ(グルシック、バンカラン、モジョクルト、シドアルジョ、ラモガンのスラバヤ周辺地区)、スマラン、メダン、マカッサル、ジョクジャ(スレマンとバントゥルを含む)、パレンバン、デンパサルの9都市とその周辺地区で、そのエリアの20歳以上の人口、男性1,441万人女性1,421万人からサンプル抽出で得られた統計。ちなみに20歳以上人口は全国的に1億3,296万人おり、男性6,594人女性6,702万人となっている。
活字メディアから女性はインフォテイメントを求め、男性はスポーツ情報を求めている。新聞読者は男性で39.9%、女性は23.4%。映画館へ行く男性は47.3%で女性の28.1%より多い。電子媒体では、女性のテレビ視聴時間は男性より長く、国産シネトロンがお気に入り番組で、男性はスポーツ番組や外国映画を好んで見ている。また家庭支出が80万ルピアを超える中流層の女性は男性よりもはるかにラジオを聞いている。また週末にはラジオを聞く時間が平日より長く、平均3時間14分という結果が出されている。インターネットは男性に比べて女性はまったくの圏外者で、平均時間は30分に満たない。7時間もインターネットを使っている女性はわずかに1.7%だ。
このサーベイの中ではショッピング行動に関する項目もあり、マスメディアに登場するショッピング情報や割引オファーが女性は大好きで、52.4%の女性がショッピング中の幸福感をエンジョイしており、また43.4%の女性は大きな割引があれば必要でない物も購入する、と答えている。女性は価格情報にまず注意を惹かれ、国産より輸入品を買う方が有益であると考えているが、男性は購入に際して用心深いものの高額有名ブランド品は決めればあっさり買う、とのこと。


「トヨタアバンザがベストセラー」(2005年4月7日)
2004年の四輪車国内販売におけるベストセラー車種はトヨタアバンザで、販売台数は43,936台に達した。当初は45万台レベルと予測されていた2004年四輪車販売は、それをはるかに上回る未曾有の記録483,295台を達成し、ブランド別にはトヨタ141,953台、三菱89,590台、スズキ82,241台、ダイハツ47,623台、ホンダ46,500台といった内訳になった。
タイプ別にはセダン車と非セダン車の区分があり、非セダン車は442,627台でブランド別にはトヨタ124,019台、三菱89,044台、スズキ80,775台、ダイハツ47,623台、ホンダ35,185台という全体と同じ順位。車種別にはトヨタアバンザが43,936台、8月で生産打ち切りのキジャンカプスルが32,561台、2月発売されたホンダジャズが24,844台、9月発売のキジャンイノバ22,295台、以外に伸びなかったダイハツゼニア22,006台、いすゞパンサー9,489台、9月発売のスズキAPV8、998台、SUVカテゴリーでは日産Xトレール7,130台、ホンダCR−V6,701台といったところ。
一方セダン車の方は総数40,668台の中でトヨタが17,934台、ホンダ11,342台、メルセデスベンツ2,128台、BMW1,902台、スズキ1,466台という内訳。車種別にはホンダシティがナンバーワンの8,330台、トヨタビオス7,906台、トヨタアルティス2,607台、ホンダアコード1,763台、トヨタカムリ1,706台というのが売れ行き番付。
ついでに二輪車の2004年総販売台数は3,887,675台で、ブランド別にはホンダが2,035,711台、ヤマハが874,388台、スズキ844,232台、カワサキ105,057台、キムコ26,210台、ピアジオ2,077台。


「ハーレーはモゲ!!」(2005年5月19日)
二輪車の王者、ハーレー・ダビッドソン。2001年の世界市場における総販売台数は23万4千台。しかしその台数は年々増加しており、2003年の29万1千台は翌2004年ついに30万台の大台に乗った。その数31万7千台。
インドネシアではどうだろう?2004年は240台だが、2002年の138台に比べれば大幅な増加だ。ハーレーオーナーのクラブがある。その名もHarley Owner Group、略してHOGとなるが、そんな名前をあえて付けているところは、持たざる者のひがみを裏返しにしているのかもしれない。ジャカルタ周辺でも、数十台の編隊で大通りをのし歩くかれらを目にすることがある。
ともかくも高額。下は1.6億から上は5億ルピア。一番の売れ筋は3.5億ルピア前後のもの。上等の四輪車が買えるというのに、あえて二輪を買っているかれら。3百キロの巨体に120馬力のパワー。それを二本の腕でがっしりと制御するときの雄々しさ。これは疑いもなく男の世界、マチョの世界。
超大型二輪車をインドネシアではモゲと呼ぶ。Motor Gedeを略したものだ。こうしてモゲの中のモゲ、ハーレーに乗って大通りを闊歩する男たちの社会ステータスには、超一流ブランドのライフスタイル、ヒーローオブザロード、金持ち、マチョ、華麗なるサクセス、などといった香りがつきまとう。庶民は周りでただ指をくわえるだけ。
ハーレーのインドネシア代理店PT Mabua Harley Davidsonのジョニ−・ラフマッ社長は、購入者のほとんどはスポーツ好きで筋肉質のマチョタイプだと言う。かれらは路上に降りて、ハーレーにまたがっている自分を誇示するのが好きだ。休日にはいつもハーレーで外出する。しかし別タイプの顧客もいる。このタイプの人はハーレーにまたがるよりも、持っていることを誇示したがる。このタイプになると、自宅に置いてあるのが一台とは限らない。外へ引いて出ることはあまりなく、それを眺め、それに触って満足する。その種のHOG会員は会員合同ツアーがあると、集合場所まで自分で乗って行くのでなく、誰かに頼んでモゲを運んでもらう。かれが乗るのは、クラブの編隊に混じって動くときだけ。
HOGは毎月ツアーを開催し、レースを行い、社会慈善活動を行い、あるいは親睦イベントを開催する。ジョニー社長は、顧客はできるだけ前者のタイプになってもらい、家に飾るのでなく、街に出てほしい、と希望を述べる。そうしてもらうために、ひとりひとりの顧客に対し、できるかぎりのサービスと協力を惜しまない、と言う。なぜなら、ハーレーのお客様は生涯顧客だから、と。


「シンガポールからバタムのモールへお買物」(2005年5月25日)
バタム島バタムセンターにオープンしたモールは、シンガポールやマレーシアからの買物客の来店を大いに期待している。総売り場面積5万2千平米を有するメガモールバタムセンターの第一フェーズソフトオープンは売り場面積1万4千平米で3月に行われ、残り3万8千平米もあと数ヶ月後の全店オープンに向けて準備が進められている。このモールはバタムインターナショナルフェリーターミナルとの間に橋をかけてフェリー到着客が直接来店できる形にしてあり、シンガポールからの買物客に便宜を図っている。
ソフトオープン時に同モールへは一日6千台の車が来店しており、一台に二人が乗ってきたとしても1万2千人の来店客があり、オートバイで来る客はまた別だ。そして来店客の2割程度がシンガポールやマレーシアから来た観光客で占められている。シンガポール人の多くは、1シンガポールドルが2マレーシアリンギッであることからジョホールバルに買物に出る傾向が高いが、1シンガポールドルは5千5百ルピアでもあり、インドネシアの方がもっと使いでがあるので、バタムの巨大モールに必ずや惹かれるに違いないと同モールは見ている。足の便もシンガポール〜バタム間のフェリーは一日98トリップもあり、シンガポール島内の交通網の充実からウッドランド、パシリス、プンゴルなどの最僻地からでもバタムまで1時間半で来ることができる。そうした状況をうまく引き込んで、メガモールバタムセンターはシンガポールやマレーシアからの来店客であふれるようにと大きい期待をかけている。同店のアンカーテナントにはハイパーマート、タイムゾーン、マタハリデパートなどが入っている。


「インドネシア初のモバイルミュージックプレーヤーサービス」(2005年5月25日)
ジャティスモバイルがディスクタラと共同で、インドネシアで初めてのモバイルミュージックプレーヤーサービスを開始する。これはインドネシア地元曲マーケットをメインに合法的なフルトラックダウンロードサービスを顧客に提供しようというもので、従来この種のサービスの欠如が国内ヒット曲の違法コピーを煽っていた要因でもあることから、国内市場における合法コピー活動に一石を投じるものでもある。
このサービスは携帯電話顧客および携帯電話オペレータに向けられたものであり、言うまでもなく携帯式MP3プレーヤーと競合関係にある。そのためジャティスモバイル側は顧客の携帯電話にTarra PlayとMTV Soundのプレーヤーアプリケーションをいつでもどこでもインストールできる態勢をととのえる一方、ディスクタラは音楽ソフトやアプリケーションのダウンロードサービスを受け付けるタラモバイルキオスを設けて顧客サービスにあたる計画。このキオスは年内に160ヶ所オープンし、一ヶ所で11万から12万曲をターゲットに据え、全国で百万ダウンロードの売上が目標に置かれている。当面用意される音楽ソフトはインドネシアの曲が主体で、外国曲は次のステップで取り上げられる予定。このキオスでのアプリケーションダウンロードと曲のプリビューは無料。
なお、スタート段階でこのサービスが受けられる携帯電話機種は当面、ノキアの3650、3660、6600、7610とソニーエリクソンのP800およびP900に限られる。


「だれでもCDの中でアイドル歌手になれる」(2005年6月2日)
自分の歌が収められたCDを作りたい。ジャケットにもばっちりと自分の顔が写っているものを。CDに録音されているのは、カラオケをバックにした自分の歌声。そんな夢を叶えてくれるのがタレントボックス。タレントボックスはモールチプトラ、モールデポッ、バンドンのチアンプラスウオーク、そしてサマリンダのプラザSCPにある。財布には6万ルピア入っていれば良い。それであなたがスターになったエクスクルーシブCDが手に入る。しかし歌だけに限定することはない。「詩を読むのも、お話でも、自分で楽器を奏でても、ドラマを演じても、朗読でも、そして恋の告白でも、内容はさまざま。自分の思い出のためにでも、だれかにプレゼントするためにでも、使い方も自由自在。」タレントボックス事業主グナルジョアディ・グナワンはそうPRする。
タレントボックスのアイデアは、カラオケ好きのグナルジョアディがその黄金の喉を保存したいという夢から発展した。ITビジネスの世界で働くかれが到達したのは、一流スタジオでの処理に比べてその3割の手数で9割方ひけをとらない音質。2003年末に最初の出店をモールで行ったところ、若者たちに大受けで、平均毎日15人の来店客があるしまつ。最初はすべて自分ひとりでやっていたので、録音や編集などで大童となり、腰痛を起こしたとかれは述懐する。今は何人ものオペレータを使っており、一日平均40人が来店するという。店に用意されているカラオケはダンドゥッから洋楽ヒットまで6千タイトル。来店客が増え、事業希望者も出てきたため、いまやタレントボックスはフランチャイズ事業になっているが、一都市一店が原則だ。
フランチャイジーは5年間のフィーとして2.5億ルピアを納めなければならない。ロイヤルティは毎月5%。一年間で投下資本は回収できる、とグナルジョアディは語る。一ヶ所のタレントボックスにはコンピュータを備えたミニスタジオが三つ。客は20分間に三曲を録音し、編集とジャケット作成に20分間。こうして45分ほどの間にCDが完成する。昨今増加したタレント発掘テレビ番組のおかげで、デモCDを作る若者が増えており、タレントボックスの営業は大当たり。
もう少し上のレベルをお求めの向きには、モールクラパガディン地区に2004年12月にオープンしたTake2。これは画像の挿入を行うビジュアルエフェクトを用いて顧客の姿をCDの中に写しこもうというもので、VCDあるいはDVDで歌う自分の姿をじっくりと鑑賞することができる。8x8メートルのスタジオには映画撮影で使われるHDVカメラ2台や画像ミキサーなどが設置され、またスタイリストが見栄えのする顔に仕立て上げてくれる。ここだとベーシックの45万ルピアからアドバンスの100万ルピアまで、さまざまなレベルが用意されている。作品の完成はおよそ一週間後。
クマンラヤにあるワナビー(WannaB)は正午開店で、夜中の23時まで営業している。2003年12月に開店したこの店は、インドネシアではパイオニア。来店客はジャケットとCDカバー用の撮影後、1万2千タイトルの中から曲を選択。録音スタジオに入って二回のリハ後にテーク本番。完成まではおよそ45分。プロ録音スタジオだと一曲25万ルピア以上するところ、ここでは12曲で20万ルピア。CDパッケージ1は3曲入りで6万ルピア、パッケージ2だと6曲入りで10万ルピア。CDを10枚作れば3曲入りCD1枚無料の大サービス。こちらも録音内容は歌だけとは限らない。このワナビーのオーナーはなんとまだ24歳という見目可愛いうら若き女性。ボゴール生まれのかの女は7億ルピアを投資し、今では月3千万ルピア以上の売上をあげている。オーストラリアはエディス・コーワン大学経営国際ビジネスコース仕込みの経営の才の発露がこれ・・・・?


「今年のパソコン市場は昨年の3割増を期待」(2005年6月3日)
今年のパソコン販売は130万台が見込まれ、昨年から3割増になりそうだ、とインドネシアコンピュータ事業者協会(Apkomindo)のヘンキヤルト・チョクロアディグノ会長が語った。昨年の販売は政府行政内のIT振興による需要に支えられ、政府向けが60%、民間、教育、保健からの需要が残りを占めたが、今年の上半期は小売業や家庭向け需要の伸びで販売台数は60万から70万台のレンジに達しそうだ、とのこと。上半期の需要は小売、家庭、個人用途の需要が顕著で、業界は金融機関と提携してコンピュータ購入ローンの普及を推進している。
市場での販売シェアはローカル組立機種が圧倒的で、マグランのMicro Computer社が生産しているPatriotブランド、マカッサルのElextraが組立てているHybrid、スマランのHahesaが出しているAtlas、ブンクルのSakinahが作っているRafflesiaなどが市場をリードしており、シェアは70%を占めている。


「今年のジャカルタフェアは昨年以上の盛況を期待」(2005年6月9日)
6月16日の開会を間近に控えた今年のジャカルタフェアは、用意されている展示スペースの96%が既に埋まっており、個々のテナントもレンタルスペースを昨年より広く取る傾向が見られ、今年は昨年より大型化するものと期待されている。
ジャカルタフェア主宰者PTジャカルタインターナショナルエキスポのプロジェクトマネージャーであるラルフ・ショーネマンは、今年は750参加者が商品展示即売を実施し、またかれらが広いスペースを取っている実態は参加者が今年のビジネス盛況を確信していることの表れだ、とコメントしている。昨年50平米を使用したテナントの多くが今年は100から200平米を借りているとの由。主宰者側は展示エリアを昨年より20%も広げてそれに対応している。会場の奥にあるパサルガンビル広場はフェア期間中カンプンブタウィとして装われるが、そこを含めて展示エリアは1.5ヘクタールに達する。展示スタンドレンタル料金は平米当たり100万から130万ルピアで、昨年から平均5%の値上がり。ショーネマンは今年のジャカルタフェアの内容について、自動車、食品、衣料品、家電品から不動産まで多彩な販売が展開されるだろう、と都民に来場を呼びかけている。


「2004年インドネシアの消費経済は2003年から倍増」(2005年6月9日)
ACニールセンの調査で、2004年の国内消費物資販売伸び率が、インドネシアは東南アジアで最大の14%に達したことが明らかになった。他の諸国はマレーシア13%、フィリピン11%、タイ8%、シンガポールとベトナムは3%などとなっている。2003年の実績はタイがトップで9%、インドネシア7%、フィリピン6%、マレーシアとシンガポールは3%、ベトナムは2%などという数字。
インドネシアの昨年の伸び率倍増という実態についてACニールセンインドネシアのヨンキ・スルヤ・スシロ小売業ビジネス開発担当取締役は次のように分析している。同取締役によれば、昨年インドネシアのモダンマーケットは2003年の5,103ユニットから6,804ユニットへと3割増を示した。ただ増えただけでなく、積極的な販売増進策を行ったため、消費者の買物が増加した。ショッピングセンターへやってきて、プロモや値引きにつられて衝動買いを行う消費者は決して少なくない。更に2003年の商品タイプ増は1,500アイテムに満たなかったものが、2004年には5,500アイテムも増加している。経済状況改善という追い風があったにせよ、現実にはそれ以上の神風が吹いたという格好。
インドネシア小売市場はまだまだ発展の余地を大きく持っている。ジャカルタ一辺倒からメダンやスラバヤ、スマランなど地方都市への展開も進み始めているが、二級三級の町はほとんど手付かずの状況と言って過言でない。またモダンマーケットとトラディショナルマーケットの競争は圧倒的にモダンマーケットが強く、消費者はそのどちらへも行き、買物をしているが、たとえば50万ルピアを使う人はトラディショナルマーケットに10万ルピアしか落とさず、モダンマーケットで40万ルピアを使っている。


「オーダーメードもOK、木製モデル」(2005年6月14日)
さすが木材の国、インドネシア。木で作られた四輪二輪の乗り物や、果てはベチャから機関車まで、きっとどこかで読者の目に触れているにちがいない。クラシックカーから最新型乗用車、F1レーシングカー、ハーレーダビッドソン、べスパ、ベチャ、ベモ、機関車、ヘリコプター、ジェット戦闘機に至るまで、作れないものはない。
そんな木製モデルを製造している工房のひとつがバンドンにあるロビナント。
かれの工房では何人もの作業者が働いており、平均してひとり当たり一日10個を完成させている。使われる樹種はチークとソノクリン。一番人気の高いのがハーレーダビッドソンで、クラシックカーはそれほど需要がない。お値段は一番安いので1万1千ルピア、高いものになると10万ルピア。構造が細かくなればなるほど値段は高くなる。製品は中部ジャワや西部ジャワの観光地に出荷され、プランバナンやボロブドゥル、あるいはバンドンの観光地で売られている。ブルネイに輸出したこともあるそうだ。
一度作ったことのあるモデルはマスターがあるので、いつでも同じものを作れるが、はじめて作るものはデザイン構成に1〜2週間かかるらしい。かれの工房にやってくるのは、卸購入もあれば、個人客もある。そして中にはオーダーメードの注文を持ってやってくる客もいる。最近受けたのは橋のミニチュアで、これはバタムから来た客の注文だそうだ。チークとソノクリンでできた木製乗り物モデル。お宅の応接間にひとついかが?


「プリンターの第一四半期販売状況」(2005年6月16日)
今年第一四半期のコンピュータ用プリンターの販売状況は、1台40万ルピア程度のローエンド機種の売れ行きに押されて、前年同期比106.4%の32万5百台に達した。売れているプリンターの印字方式はインクジェットが86%を占め、次いでシリアルドットマトリクスが8%、レーザー6%というシェアになっている。ローエンドモデルの販売振興を精力的に行っているのはHP、キャノン、エプソン、レックスマークなど。キャノンは販売総数の94%、HPは86%、エプソンは57%、レックスマークは56%がローエンドで占められている。ローエンドプリンターは市場セグメントが家庭用・大学生用であり、この販売プロモは価格割引が主体となっている。
一方マルチ機能プリンターは、インクジェット印字タイプが28,800台、レーザー方式が4,895台だった。インクジェットタイプは前四半期から105.8%の伸び、前年同期比は146.3%の伸び。レーザータイプは前四半期からの伸びが100%、前年同期比は147.3%だった。


「有名ブランド品の税率ダウンを、とアプリンド」(2005年6月23日)
有名ブランド品の輸入関税と奢侈品税を半分に減税してほしい、とインドネシア小売業者協会(APRINDO)が政府に訴えている。インドネシアでは有名ブランド品に対する奢侈品税が35〜40%、輸入関税が10〜35%かけられており、さらに付加価値税10%を消費者に負担させているために、国内最終価格は近隣諸国に比べて割高になっている、とハンダカ・サントサ同協会会長が語った。
同会長は、シンガポールとインドネシアで同じ商品の小売価格を比較すると、インドネシアの方が10から15%高い、と説明しているが、中には二倍も違っているものがある。もし政府が関税と奢侈品税の税率を25%にしてくれれば、小売価格の20%ダウン実現は可能だそうだ。そのために同協会ではプロポーザル編成小チームを作って要望をまとめ、7月末までに大臣に対して進言したい意向。対象として取り上げられているのは国産品と競合していない40ブランドで、それらの小売価格がシンガポール、マレーシア、タイの国内販売価格に対して競争力を持つことが第一目標。
インドネシア産だとひとつ5万ルピアで買える衣料品にほぼ同等クオリティの有名ブランドブティックで売られている輸入商品には80万ルピアという価格が付けられている。その同じ商品がシンガポールや他の近隣諸国ではもっと安く買えるため、インドネシア国民は外国へ出たときにそれを買おうとし、結局外貨の流出につながっているというのが同会長の考え。


「小売業界広宣費支出は2割増」(2005年6月27日)
今年の小売業界広告宣伝費は、昨年実績の968.4億ルピアの2割増になるだろう、とACニールセンインドネシアが表明した。「モダンマーケット小売業界の競争は激しさを増しており、いずこもその競争に負けまいとして販売促進に力を入れている。昨年も2003年の807億から2割増だったし、その勢いは今年も継続するだろう。」とのACニールセンインドネシア小売ビジネス開発担当取締役の談。
小売業界の主要広告宣伝メディアとして新聞・テレビ・雑誌があげられるが、新聞の利用がもっとも好まれているようだ。同社の小売業界広告宣伝費支出データでは、その三カテゴリーについて、新聞は2003年の499億から2004年は701億に、テレビは36億から57億に、雑誌は136億から48億に変化しており、雑誌の減少と新聞の大きい伸びが目を引いている。


「サリナがボゴールに新店舗をオープン」(2005年7月9日)
PTサリナがボゴールのパンラゴプラザに今月末第13号店をオープンする。庶民向け百貨店としてスカルノ時代からの伝統を誇る小売セクター国有事業体であるサリナは都内タムリン通りサリナビルを一号店とし、その後全国各地に店舗をオープンして現在に至っている。百貨店形態は都内タムリン、バンドンのブラガ、ボゴール、マラン。スーパーマーケット形態はバンドンのマルガハユ、スマランのガリアンとウガランおよびバニュマニッ、マランのサウォジャジャル、バリのサヌル。アウトレット形態はジョクジャのマリオボロ、スラバヤのトゥンジャガンプラザとバリ。ボゴールの第13号店は160カウンターの40%がハンディクラフトで占められる見込み。サリナはインドネシア最初の国策百貨店であることから、国民産業の振興をポリシーのひとつに据えており、中小企業が生産するハンディクラフトを中心にした雑貨小物の陳列販売に力を入れている。


「家電品が近々値上がり」(2005年7月15日)
家電品業界が、5%以上の値上げを予定している。ルピア為替レート安が継続していること、原材料コストが今後さらに高騰することが予測されることなどから、業界は今月中にも販売価格を引き上げる考えでいる。プラスチックや鉄素材の部品は20%も値上がりしており、製造コストの中で原材料費は60%に達するため、その値上がりを吸収できる余地はほとんどない、と業界者は語っている。
一方、消費者購買力は石油燃料欠乏にからんで10%も低下していることから、業界は今回の値上げ幅をどこに置くか、まだその検討を重ねている。


「Timezoneはオーストラリアブランド」(2005年7月22日)
インドネシアのモールやショッピングセンターにオープンしているゲームセンターTimezoneはオーストラリアのブランド。ブランドオーナーのLeisure Allied Industry (Australia)との合弁でインドネシアでの事業を行なっているのが、小売業界のジャイアント、マタハリ。PT Matahari Putra Prima社は既に105ヶ所にタイムゾーンをオープンし、今年はさらに25ヶ所を追加しようとしている。一ヶ所の広さは3百から1千2百平米で、ゲーム機器、ソフト著作権などもろもろの費用を含めると、初期費用に20から50億ルピアが必要となう。利用者は4〜12歳の子供がメインで、それ以外は若者層。子供連れ家族が買い物に来たとき、子供を遊ばせておく場所としてタイムゾーンがよく利用されている。このレベルでタイムゾーンと競合しているのは1〜2社しかない、と同社は破竹のビジネス拡大をエンジョイしている。


「ジャカルタの玩具卸マーケットはパサルプルンプン」(2005年7月23日)
チャワンとタンジュンプリウッを結ぶジャカルタバイパスの中央を高架有料自動車道路が走っている。都内カサブランカ通り方面から東に向かうと、このバイパスの下を立体交差してバスキ・ラフマッ通りに抜ける。ジャカルタにはじめて三層立体交差が出現したのがこの地点だ。この交差点の北東側、有料道路プダティ料金所に程近いあたりにパサルができている。歩道を占拠して作られたこの市場がジャカルタで一番安く玩具が買えるパサル、グンブロンプルンプン市場。
ここにはプラザスナヤンやプラザインドネシアで売られているのと同じものが激安で買えるし、また類似品でよければさらに安値で買える。マイスト高級自動車コレクションの18分の1や24分の1モデルは10万から20万ルピアで手に入る。香港製ヤトミンだとレプリカショップではどんなに安くとも15万ルピアだが、このパサルだと6万5千ルピア。キンスマートは一台4万ルピアするものが、ここではペアで3万5千。
女の子にはマテル社のバービー人形が人気だが、インドネシアでバルビーと呼ばれているこの人形もオリジナル品だと玩具店で30万ルピアするものが、ここでは13万ルピア。中国産のバルビーもどきだともっと安い。バービー専門店に特化した販売ブースもあり、輸入品や国産のバービーハウスからアクセサリー類までたいていのものが用意されている。ヨーヨー、ピストル、自転車などのプラスチック玩具は一個1千から4千ルピアだが、ダースで買うとその価格が一個当たり7百から3千ルピアに下がる。玩具のバジャイは一個2万5千ルピアだが、ダースで買うと一個1万7千ルピアになる。ここでは文房具やスポーツ用品も扱われており、バドミントンラケットがペアで2万5千ルピア、シャトルコックは12個入りで1万5千ルピア、大型チェス盤は1万7千ルピア。国産シャトルコックがスポーツ用品店で3万から5万ルピアの価格になっている今、この市場は実にお買い得。
地元住民の話では、この市場は1998年の経済危機のさなかに誕生したそうだ。ジャカルタ暴動のあと、人々がここに集まって販売ブースを作り、しまいに市の態をなすようになった。商人は地元民や地方からの上京者が入り混じっている。公道の上に作られた市だが、地代が発生する。1.5x3メートルのブースは賃料が年間3百万ルピア。都内の玩具卸センターであるコタ〜パンチョラン〜パサルパギから遠く離れたこんな地区に卸市場が誕生したというのはユニークな話だと関係者は言う。そこから近いジャティヌガラ市場の商人がそこへ仕入れにやってくるくらいだ。近郊のブカシやタングラン、遠くはチレボンやランプンからさえそこへ仕入れに人がくる。なんと子供たちさえ、この市で仕入れたものを、学校に持ちこんでクラスメートに売っている。ノートや筆記具、ヘアバンドやヘアピン、その他の小物類を買い込んでいた子供は小学5年生だと言っていた。
商人たちに人気があるのは輸入品だそうだ。国産品より高く売れ、そして利潤が大きいのが魅力らしい。この市場で密輸品かどうかなどという話をするのは、野暮というもののよう。


「消費者のモダンマーケットへの期待は大」(2005年7月28日)
生鮮食料品の購入場所がトラディショナルマーケットからモダンマーケットへと顕著な移行を示している。ACニールセンが行なった食肉・鮮魚・野菜・果物などの生鮮食料品購入場所サーベイで、2004年はより多数の消費者がトラディショナルからモダンへ購入場所を変えていることが明らかになった。下のデータからその大きい変化がわかる。数字はパーセンテージ。
食肉・鶏購入場所
マーケット / 2003年 / 2004年
ハイパーマーケット /  2 /  4
スーパーマーケット /  3 /  8
ミニマーケット /  1 /  −
モダンマーケット計 /  6 / 12
トラディショナル売店 / 10 /  8
ウエットマーケット / 70 / 67
巡回行商人 / 14 / 14
トラディショナルマーケット計 / 94 / 89
果物購入場所
マーケット / 2003年 / 2004年
ハイパーマーケット /  4 /  4
スーパーマーケット / 14 / 20
ミニマーケット /  2 /  −
モダンマーケット計 / 20 / 28
トラディショナル売店 /  9 /  7
ウエットマーケット / 57 / 46
巡回行商人 / 13 / 15
トラディショナルマーケット計 / 79 / 68

この変化に関してACニールセンのヨンキ・スルヤ・スシロ小売商ビジネス振興担当取締役は、鳥フル、狂牛病、アントラクスなど畜産上の衛生不安が増加していることが伏線をなしており、消費者のトラディショナルマーケットに対する衛生面での不信増大を導いていることが大きい要因ではないか、と見ている。「消費者は一般的に、モダンマーケット経営者は商品の選抜を厳しく行なっており、衛生面を含めた品質上の信頼度はトラディショナルマーケットよりも高いはずとのイメージを抱いている。更に購入品に不具合があったとき、モダンマーケットの方がクレームに対応してくれるとの期待を持っている。消費者はより安全な購入品を求めて購入場所を選択するため、ここ数年のトラディショナル離れはますます顕著になって行くだろう。」とコメントしている。


「カルフルはこの年末、20店になる」(2005年8月2日)
カルフルが今年後半、さらに4店の新規開店を予定している。フランス系ハイパーマーケットのカルフルは現在既にインドネシア国内で16店を経営しているが、年内にその店数を20に増やす計画。今はメダン、バンドン、スラバヤ、パレンバンの各一店を除く12店が首都圏に集中している。今年後半にオープン予定の4店は、スラバヤとマカッサル、そしてジャカルタにまた2店。カルフルは床面積6千から8千平米の超大型モダンマーケットタイプ小売店舗で、サプライヤーの数は3千を超えている。


「ジャカルタグレートセールの決算は・・・」(2005年8月10日)
6月14日から7月14日まで、都内32のショッピングセンター、112の百貨店、1,770の小売店、36のホテルとスパ、100のレストランで大安売りが行われたジャカルタグレートセールの総売上は5.6兆ルピアに達した、とその企画を主催したジャカルタ商工会議所のソフィアン・パネ会頭が語った。「今年のジャカルタグレートセールは参加店数が前年から15%増えたが、都内のショッピングセンターは60%しか参加しなかった。来年は80%が参加してくれるよう期待している。また来年はジャカルタ以外の州政府にも地元産品の展示を呼びかける一方、ミドルクラスから上の層だけがエンジョイしているという批判にこたえて、民衆市も開催する予定だ。」と同会頭は来年の抱負を述べている。


「サリナが全国展開を計画」(2005年8月12日)
小売セクターにおける国有事業体「PTサリナ」がフランチャイズシステムによる全国展開を計画している。フランチャイズはスーパーマーケットとミニマーケット形態の小売店舗で、条件は2百から5百平米の土地を住宅地区に用意すること。店の運営はサリナが行うことになる。サリナはそれとは別に、手工芸品やみやげ物専門店を各県市に開設する計画も持っており、この専門店が全国に開店すれば店数は膨大なものになる。
百貨店はジャカルタのタムリン通りに次いでボゴールにオープンしたが、三店目はマランに白羽の矢が立っている。この百貨店は今後、各州の首府に開設していく方針になっている。


「死海の水がジャカルタに」(2005年8月20日)
海面下4百メートルという世界でもっとも低い場所にある湖が死海。この湖は海水の9倍という塩分含有量のため、泳げないひとでも水面に浮くという話。その死海の泥は、肌を若返らせ、老化を防ぐはたらきがあると言われており、イスラエルまで泥まみれになりに行く女性は数知れない。
そんな死海の水に浸かって身体を若返らせたいひとも、いまやイスラエルまで行く必要がなくなった。現地直送「死海の水」がジャカルタの水浴場にたまっている。「これは世界で最初のこころみです。」とクリスタルプラザ内にあるアフロディーテ・レディーズスパ&エステティックセンターの経営者は語る。奥さんを外国のスパに連れて行くうち、外国にあってジャカルタにないスパトリートメントをジャカルタに持ち込んで女性族の需要にこたえようとのアイデアがこのスパ設立の発端だったとかれは物語る。レディーズスパは女性だけの世界。店内に設けられたアフロディーテビューティラウンジにはカフェが設けられ、百人くらいの客が収容できる。アリサンや誕生パーティ、あるいはその他の催しをそこで行うこともできる。食事をとりながら、またマッサージを受けながら、親しいひとたちと談笑のひと時を過ごすこともお好みのまま。残念ながら男性はそちらに入れず、エステティックセンターで散髪やお顔のお手入れなどを楽しむだけ。
現地直送「死海の水」で沐浴をお楽しみになりたい方はどうぞ一度おためしを。


「停電のおかげで、発電機が大売れ」(2005年8月23日)
独立記念日の翌日、ジャワバリ送電系で発生した大規模停電のおかげで、家庭用やオフィス用小型発電機の需要が急増した。今回の予期しない大規模停電は、これまでの巡回停電とは別のインパクトを電力消費者に与えたようで、都内各所の電気品マーケットでは、発電機が飛ぶように売れている。
電気製品と言えば西ジャカルタ市グロドッだが、それ以外にも南ジャカルタ市のブロックAや中央ジャカルタ市のパサルクナリなどへも発電機ハンターが押しかけた。19日にはそれらの地区にある店で、一軒で数百台もの発電機が売れたとのこと。やってきた客たちは、ジャワバリ送電系はいつまでも脆弱で今度いつまた同じような停電が起こるかわかったものじゃない、と発電機を買う理由を話す。18日の停電は、都内でも早いところは2時間後くらいに回復したが、なかには「夜7時になってやっと点いた。」「いやいや、うちなんぞは夜の10時になってやっとだよ。」などとしっかり憤懣をぶちまけていた。
グロドッ地区にあるリンドテベス機械市場のある店主は、18日に停電になったらどんどん客が来て、その日は40台売れた、と語る。客はみんなその日に使いたがったので、デリバリーはまったく必要なかったらしい。人気があるのは発電容量2千から5千ワットのもの。ヤマハブランドは250万から上は4千3百万ルピアまであるが、三菱ブランドは2千ワットで510万ルピア、ホンダは450万。しかし中国製のDaimaru, Motoya, Sogoなどは日本製よりはるかに安く、ほぼ半値で買うことができる。近くの別の店は、ふだん一日10台くらいしか売れないのに、三百台も売れたと顔をほころばせる。こんなに売れたのは、ジャカルタ水害のとき以来だそうだ。


「ショッピングセンター内小売スペースのオーナーはほとんどが投機家」(2005年8月25日)
首都圏の小売テナントスペース販売状況はきわめて高い水準にあるが、その多くが商人ではない者が投機目的で購入していると不動産リサーチ機関プロコンインダが報告した。首都圏の総小売スペースは262万平米あるが、入居率は82%で、47万8千平米が空家になっている。ジャカルタではストラタタイトルの入居が68%、賃貸スペースの入居が91%、郊外エリア(ボデタベッ地区)はストラタタイトルが54%、賃貸スペースは96%という数字。この数値から明らかなように、ストラタタイトル小売スペースの多くは転売目的に投機家が購入したものが多く、値上がりを待って売り払おうとしているため、賃貸市場に出されないものが多い。
2000年にITCマンガドゥアのテナントスペースが見る見るうちに値上がりしたことが投機目的の購入をあおっており、あれ以来ショッピングセンターのほぼ半分は、投機家の手に握られており、いつまでたっても開店しないスペースがかなりあるという状況に陥っている、とショッピングセンター経営者協会のアンドレアス・カルタウィナタ会長は言う。ストラタタイトルは投機家が購入し、賃貸スペースは商人が借りているという構図になっているが、デベロッパーは資金回収の楽なストラタタイトルを選びたがる傾向にある。賃貸だと投資回収に10〜12年かかるそうだ。


「砂に生きる村」(2005年8月27日)
中部ジャワ州クラテンのクマラン郡はもう深夜に近い23時だというのに、そのワルンでは何人もの男たちが談笑に余念がない。今は乾季。高地の空気は冷たい。
「なんでおめえは家を安く売ったのかね。」トラック運転手が傍らの男に尋ねる。そう聞かれたワルノは、つい先日家をつぶしたばかりだ。敷地を掘って砂を売る。トラックが砂を運び去って一往復するたびに、ワルノは2万4千ルピアを手に入れる。かれの所有地5千平米からは1千往復の砂が売れる。「王様は金だって言うじゃねえか。」金が王者という警句をひねったワルノの言葉に、トラック運転手は苦笑する。ワルノが自宅の地面から売るのは砂だけではない。石は一往復で2万ルピアになる。二ヶ月間でかれの手には3千5百万ルピアが転がり込むのだ。バックホーがワルノの村に入って以来、村は成金ブームに沸いている。
バックホーが地面を掘ってムラピ火山が何年にも渡って吐き出してきた砂や石をトラックの荷台に積み、トラックが走り去ってそれを集積場に降ろして来ると、村には金が降る。地所のオーナーだけではない。トラックの荷台に乗って、積まれた砂をならす6人一チームのチョケルも、トラック一往復で5千ルピアの金を手にする。荷台をならすときにこぼれた砂トラック一台分もチョケルチームの取り分だ。現物の取り分はないが、一往復6千ルピアをもらうケースもある。24時間労働でチョケルチームは15万ルピアとこぼれた砂からの10万5千ルピアを得、村の自治用に金を納める。結局ひとりあたりの稼ぎは3万5千ルピア。採砂現場に入る道路には遮断機が置かれて番人が着く。番人は二人一組だ。トラックが通るたびに2千ルピアの課金が落ちてきて、そのうちの25%は番人の取り分となる。多いときには250回もトラックが通り、番人はそれぞれ6万2千5百ルピアを手に入れる。それまで高原の狭い土地を耕作して収入を得ていたかれらにとって、バックホーがもたらす現金は大枚の金額なのだ。椰子の実は1個5百から2千ルピア。バラを栽培すれば一日一キログラムで4千ルピアになるが、値下がりすれば5百ルピアにしかならない。だからバックホーが村に来るまで、村民のほとんど全部が金貸しに絡め取られていた。
バックホーが村に入って以来、村民の8割が採砂ビジネスに関与し、そしてオートバイやその他の消費物資が買えるようになった。しかしそんなイージーマネーのおかげで賭博も盛んになった。トーゲルと呼ばれる不法籤賭博はチャンディプランバナンの名にちなんで、チャプランと命名されている。
実は、バックホーが村に近づいたとき、村の自治体はそれを入れるかどうかで二分された。一部の村の有力者や村役が強くそれを推したために結局村に入ったが、トラック1台あたり村に落ちる課金2千ルピアのうち、村役と村代議団は1千ルピアを手に入れる。一日トラックが150台往来すれば、村には30万ルピアが入り、村の自治団は15万ルピアを手に入れる。しかし村の有力者の中には、村の出納まで金が到達する前にそれを握ってしまう者がいるとの話だ。そしてもうひとつ、予期しなかった問題に村は直面している。村人がこれまで使っていた水源が、水を失いはじめているという事実だ。
ムラピ火山麓の土砂採取は、1990年代半ばごろまでマグランやスレマンで行われていたが、ほぼ取り尽くされたためにそれらの地区では砂採取を閉鎖した。採砂会社は一地域を数年かけて掘り尽くせば、別の場所へ移って行く。そして掘り尽くされた場所で起こった諸問題が、新しい場所でも再発する。


「A・Bクラス消費者の比率が上昇」(2005年8月30日)
毎月多額の消費支出を行っている階層が増加している、とACニールセンインドネシアが報告した。リサーチ会社ACニールセンが行った2004年の消費者状況サーベイによると、毎月の日用必需品購入のための支出が125万ルピアを超えるひとは、2003年の四人に一人から2004年には三人にひとりとなったとのこと。
このサーベイは、ジャカルタ、ボゴール、タングラン、ブカシ、バンドン、スマラン、スラバヤ、メダン、パレンバン、マカッサル、デンパサル、ジョクジャ+スレマン+バントゥルの12都市住民13,784人を対象に実施されたもので、そられの地区の総人口は3千7百万人にのぼる。このサーベイの結果は下の通り。
Aクラス(支出金額ひと月175万ルピア超)2003年12%、2004年15%
Bクラス(支出金額ひと月125万〜175万)2003年13%、2004年15%
C1クラス(支出金額ひと月80万〜125万)2003年24%、2004年27%
C2クラス(支出金額ひと月60万〜80万)2003年19%、2004年18%
Dクラス(支出金額ひと月40万〜60万)2003年21%、2004年17%
Eクラス(支出金額ひと月40万ルピア未満)2003年11%、2004年8%
インドネシア人の消費行動の特徴として、収入増が消費増にほぼ直結しており、消費行動が極めて旺盛であることがこのサーベイ結果から感じられる。AクラスBクラスが必ずしも金持ち層に該当しているわけではないが、インドネシア全国で見ればAクラスは1千2百万人、Bクラスは3千3百万人の人口を擁しており、インドネシア市場の巨大さがうかがわれる。


「国内家電品市場の7割が不法輸入品」(2005年9月23日)
家電業界はいまだに材料の57%を輸入に依存しており、それが製品競争力を弱めている一方、国内に密輸入品が氾濫する原因にもなっている、と業界者が語った。「それが起こるのは国内サポート産業の弱さにあり、その結果、ある家電品の生産を行うに当たってのコストが他国の同種製品との競合を困難にしている。他面、輸入コンテンツの高さは、国内の外貨浪費と密輸品の増加をあおり、結局家電製造外資が何のメリットも見出せなくなって国外移転するというケースに至る。いま国内市場で販売されている家電品の60〜70%は、正規の輸入手続を踏んでいない不法輸入品、いわゆる密輸入品だ。」ある日系有力家電メーカーとの合弁会社が運営している教育財団の理事長は、国内家電品産業の本質的な構造問題をそう語った。
工業省アブドゥル・ワヒッ電子産業局長は、地元部品材料利用開発は2006年7月仕上がりを目標にしていると述べている。このプログラムの中では、各地方で関連事業協会を巻き込んでの部品市場開催が計画されている。また密輸入品偽造品防止対策は2005年〜2009年期に検察庁、警察、税関、地元行政府を巻き込んでの対応活動が編成されるとの計画。ソフィアン・パネ首都商工会議所会頭は、インドネシアへ流れ込んでいる密輸入品の大半はアメリカで輸入をリジェクトされたものだ、と語っている。密輸入品問題解決の最善策は、国内製品に競争力を付けることだ、と同会頭は強調している。


「今年の消費支出は昨年の2割増し」(2005年9月29日)
ACニールセンインドネシアの報告によると、今年1〜8月の消費支出は37.3兆ルピアと推定され、前年同期比で120.3%になっている。特にモダンマーケットでの増加は顕著なものがあり、その32%という増加率はトラディショナルマーケットの15.6%に対して二倍という凄まじいものだ。
51の商品カテゴリーに対して行われたこのサーベイでは、食品の伸び率が22%と最大で、パーソナルケア製品19.5%、家庭用品18.1%、医薬品11.7%といった内訳。このあと、ラマダン月、イドゥルフィトリ、クリスマス、新年と高需要期が続くことからこの傾向は継続するだろうと見られており、今年は対前年比120%以上のアップで終始するのではないかと市場関係者は予測している。
10月1日の石油燃料消費者市場価格値上げの影響については、衣料品や家電品などの耐久消費財や二次製品を除いて、基幹生活物資の消費にはそれほどの影響が出ないのではないかとの見方が強い。特に食品需要は、これからファミリーが集い、大勢が共に食事を取る機会が増加することから、今後ますます増加するであろうことは疑いもない。消費者は石油燃料値上げが引き起こす全般的な値上がりを回避して、より廉価なもの、サイズの小さいもの、プライベートレーベル商品への志向を強めるものと考えられ、そのために業界もそれに合わせた市場戦略を強めることになるだろう、とオブザーバーは見ている。


「ジャカルタ人はノキアがお好き」(2005年9月30日)
今年5月25日から27日まで、小売リサーチ会社PT Tiga Cahya Fortunaが西・東・北の三ジャカルタ市住民各百人に対して、電話帳からランダム抽出した対象者に電話で質問した「あなたの携帯電話のブランドは何?」サーベイ結果によると、なんと70.1%がノキアを使っていることが明らかになった。二位はシーメンスの13.4%、続いてエリクソン7.5%、モトローラ4.5%、ソニーエリクソン3%、サムスン1.5%という番付。中央と南ジャカルタを混ぜると二位以下がかなり変わってくると思われる内容だが、それにしても今はなきエリクソン使用者がそれほどいたのにはオドロキ。ちなみに首都の携帯電話普及率は67%。


「ジャカルタの死海の水はここ」(2005年10月3日)
「死海の水がジャカルタに」(2005年8月20日)< http://indojoho.ciao.jp/050820_2.htm > の記事に関するお問い合わせを読者の皆様からいただいておりますので、お店の住所や電話番号などをご紹介いたします。

店名 :Aphrodite Ladies Spa & Aesthetic Centre
住所 :Plaza Crystal, 5th floor
Jl.KH.Mas Mansyur Kav.46 Jakarta 10220
電話 :(021)57900626〜9
ファックス :(021)57900631
eメール :aphrodite_spa@plasa.com

プラザクリスタルの場所は、マスマンシュル通り西側で、ムナラバタビア(Menara Batavia)と左側が墓地になっている次の交差点のちょうど中間当たりです。一軒だけぽつんと建っているビルですので、むしろわかり易いかもしれません。


「小売業界は今年も継続成長」(2005年10月24日)
インドネシア小売事業者協会が、2005年の小売販売の成長がモダンマーケットで28%、トラディショナルマーケットで14%である、と公表した。しかし小売ビジネス全体で見るなら、今年の成長目標である20%が実現するかどうかはまだ疑問であるとのこと。それはインドネシアのモダンとトラディショナルの比率が大きくかけ離れているためで、現在国内のモダンマーケットが7千ヶ所であるのに対しトラディショナルマーケットは180万ヶ所にのぼっている。
ハンダカ・サントソ小売事業者協会会長は、トラディショナルマーケットが今後モダンマーケットと競争するためには情報技術の活用が避けられない、と論評した。ビジネスにおける決定に際して、小売業者はいまだに勘や気分にもとづく傾向が強く、失敗するリスクが高い点を同会長は指摘している。「マーケティングにおける消費者マッピングや取り扱い商品選択、あるいは売上やコスト計算に、ますますスピーディな決定が求められており、適切なコンピュータプログラムを使ったシュミレーションをタイムリーに行うことで事業の成功確率が高まる。」同会長はそうコメントしている。


「消費者の購買力が低下する」(2005年11月9日)
石油燃料大幅値上げと運輸セクターの値上がりが引き起こしている諸物価高騰と、まだそれに見合う昇給が行われていないという現状から、イドゥルフィトリ明け以降の消費者の購買力はかなりの低下を見せるのではないか、とAprindo(小売業者協会)が懸念している。中でも飲食品などの基幹物資に対する需要よりも、衣服やアクセサリーといった二次的消費物資の需要が大きく後退するだろうと見て、採算の見直しとアウトレットの整理を余儀なくされる状況が迫っていることを小売業界は予見している。それに加えて、ラマダン月の販売ピーク期における商戦を乗り切ろうと製造業界はまだ目立った値上げを行わないできており、シーズンを超えたいまあらたな採算点に則しての価格調整を行うタイミングに製造業界はさしかかっている。このため、消費者購買力低下と商品の値上げで小売業界の売上に大きい影響がもたらされるのではないか、との不安が小売業界者を包んでいる。
ちなみに今年のイドゥルフィトリシーズン売上高は2004年実績から10%ほど低下しており、イドゥルフィトリでさえ売上低下となれば、その後の売上が20%ほど低下してもおかしくはない、と業界者は述べている。
逆風はそれだけでなく、ショッピングセンター経営者はテナントに対し、10月1日の電力料金値上げを理由にしてサービスチャージの大幅引き上げ適用を11月から始めた。大きいところでは、30%もの値上げが行われている。ある商店主は、従業員給料、テナント料、サービスチャージなどの操業コストが売上の35%を食っており、製品コストがアップしなければ操業コスト比率は今後の昇給やその他経費アップでもっと高まっていくだろう、と頭を痛めている。モダンマーケットの二次的消費物資小売業者は9月末まで平均的に、売り場床面積平米当たりひと月100〜150万ルピアの売上で、基幹物資小売業者はそれが200〜450万ルピアの売上だったそうだ。その差が出るのは、基幹物資の利益率が小さいためだ。イドゥルフィトリ明け以降の小売市場はロワーミドル層の購買力低下が顕著になるだろうとの見込みから、その層を顧客に持つ商店が大きい影響をかぶることが予想されており、アプリンド3千会員の7割程度がその対象になることから、協会は今後の動向に注目している。


「シャンプーを買うのは近所のワルン」(2005年11月11日)
リサーチ会社PT Tiga Cahya Fortuna が行ったファーストムービング消費アイテム市場サーベイ結果が公表された。浴用石鹸サーベイは9月28〜30日と10月3〜4日、シャンプーサーベイは8月22〜26日、練り歯磨きサーベイは6月8〜10日と20〜22日に、西・東・北ジャカルタ市の電話帳から抽出した百人に対する電話調査の形で実施された。
浴用石鹸は、購入場所についてスーパーマーケットがトップの32%、ミニマーケット12%、ハイパーマーケット9%、モダンマーケット以外で購入しているひとはワルン・商店39%、エージェント5%、パサル3%という内訳になっている。購入場所の選択理由については、「家から近い」39%、「廉い」38%、「毎月の買い物のときに」18%、「商品バラエティに富む」3%という内訳。
練り歯磨きは購入場所がスーパーマーケット34%、ミニマーケット18%、ハイパーマーケット6%とモダンマーケットが58%を占めているが、近所のワルンで買っているひとは42%にのぼっている。購入場所選択理由は、「廉い」47%、「家から近い」30%、「毎月の買い物と一緒に」20%といった内訳。ところが上の二品目はモダンマーケットでの購入が過半数を占めているのに、シャンプーだけは圧倒的に非モダンマーケットで購入されている。ミニマーケット28%、スーパーマーケット11%に対し、なんとワルン・商店は61%に達しているのだ。
価格については、浴用固形石鹸は63%が一個800〜1,500ルピアのものを買っており、22%が1,500〜2,500ルピアのもの、3,000〜4,500ルピアのものを買うのは3%、5,000〜7,000ルピアのものは5%という分布。一方浴用液体石鹸は、ひとつ5,000〜10,000ルピアのものを買う購買層が14%、10,000〜15,000ルピア29%、15,000〜20,000ルピアは14%、そして30,000ルピア以上を買う人も14%となっている。


「ハイパーマーケットは成長株」(2005年11月14日)
ジャカルタを中心にハイパーマーケット店舗数が急増している。PT ACニールセンインドネシアのデータによれば、2003年には43店舗だった国内ハイパーマーケットは2004年68、そして2005年10月現在83と、二年間でほぼ倍増している。ハイパーマーケットの条件は、家電や家具を含む取り扱いアイテムが2万を超え、店内レジが20ヶ所以上あることとなっている。インドネシアのハイパーマーケットは、カルフル、ハイパーマート、ジャイアント、ザクラブストア、アルトモロ、アルファグダンラバット、ティップトップなどたくさんの店があり、ジャカルタ以外にもバタム、プカンバル、マカッサル,マラン、ポンティアナッ、ソロ、メダン、パレンバン、バンドン、スラバヤなどの地方都市にも出店している。ハイパーマーケットは今後も大きい伸びが予測されており、特にトレードセンターが集客の要であるアンカーテナントとしてセンター内に誘致する傾向が出てきており、今後も競争が激化するものと見られている。


「ミニマーケット店舗数が急速拡大」(200511月16日)
今年のミニマーケット新規オープン店舗数は10月までで668件しかなく、昨年の1,566件から大幅に減少している、とPT ACニールセンインドネシアが公表した。同社の分析では、ミニマーケットの販売拠点拡大展開はジャカルタ、バンドン、スラバヤに集中しており、スマランやランプンなど他の地方都市にオープンした実績がないわけではないもののほんの数例にしかすぎず、限られた市場に集中的に展開されているためポジションが飽和状態に近付いており、新規オープンはいきおい、減少傾向にあるとのこと。今年10月までの店舗増は、ミニマーケットは11.9%、在来商店は7.4%となっているものの、実数を見るとミニマーケットは668であるのに対し、在来商店は10万を超える。
事業競争監視コミッションは昨今のミニマーケットオープン状況を、フランチャイズビジネス成長トレンドが生み出しているムード的現象であり、ビジネスプロスペクトの真剣な検討を経て行われているものではない、とコメントしている。地元に根付いた在来商店とは異なり、フランチャイジーの多くは別の地域に住み、小売業界者でもない。ミニマーケットの業績の急成長と在来商店の停滞から、トラディショナルからモダンへの移行と見る見解が生じているが、地域小売産業発展のためにはミニマーケットを在来商店とのコラボレーションが必要だ、と同コミッションは説いている。ちなみに、2004年の全国ミニマーケット店舗数は5,604、在来店舗数は1,745,589で、2005年10月時点ではそれがミニマーケット6,272、在来店舗1,874,472と変化している。


「スーパーマーケットは灰色の未来」(2005年11月22日)
ハイパーマーケットとミニマーケットの成長をよそに、スーパーマーケットは厳しい時期に入っている。全国のスーパーマーケット店舗数は2003年896、2004年956だったが2005年10月現在は961で、たいした増加が見られない。ハイパーマーケットとミニマーケットが明確な顧客セグメントをつかんでいるのにくらべ、スーパーマーケットはどっちつかずの曖昧な立場のせいで顧客を失いつつあるようだ。消費者のショッピングパターンも、週あるいは月単位での大きい買い物はハイパーマーケット、日々の買い物はミニマーケットという方向が定着しつつある。このトレンドはアジア各国も同じようなもので、シンガポールと香港だけがハイパーマーケット需要が大きくない、と言われている。その理由としては、住民の大半が狭いフラットに住んでいるため、一度に大量の買い物がしづらいということらしい。
巨大な売り場面積に多種多様な商品を置き、アイテムにバラエティを持たせて選択の幅を広くしてあるハイパーマーケットに対してスーパーマーケットは価格競争で対抗しようとしているが、やはり太刀打ちするのは困難で、最終的には店を閉めるか、それともハイパーマーケットに転換するかという選択を迫られている。マタハリスーパーマーケットはハイパーマーケットへの転換を進めているところだし、他のスーパー5社はディスカウントショップへの方向を歩んでいる。


「生活費が大幅にアップ」(2005年11月30日)
10月1日に行われた石油燃料大幅値上げ後の生活コスト増に関して、インドネシア労組協会(Aspek)が行ったサーベイの結果が公表された。インドネシア労組協会はさまざまな企業の労組162組合をメンバーとする団体で、関与する労働者数は20万人を超える。2005年11月に行われたこのサーベイは、ジャカルタと西ジャワ州のさまざまな事業分野の企業労組組合員1千人を対象にして実施されたもの。対象者は事業セクター別に、銀行9%、製造業6%、サービス業6%、郵便通信20%、清掃サービス18%、看護21%、などといった内訳になっており、月収は最低30万から最高は9百万ルピア。
10月1日の石油燃料大幅値上げがサーベイ対象者に及ぼした影響は、交通費が平均53.8%アップし、就業中の食費に41.4%、家族の食費に51.5%、家賃に47.0%という経費増をもたらした。もっとも重い負担を蒙ったのは、月収1百万ルピア未満で貯蓄のない者たち。かれらは生活費が48%も上昇している。月収3百万から9百万ルピアの勤労者で、貯蓄を有し、住宅と自動車のローンを持っている階層は、生活費上昇率が33.6%と少し小さい。今年3月に行われた石油燃料値上げ後のサーベイで、収入の残りがある、と答えた者は60%いたが、第二回目の大幅値上げ後ではそれが25%に減少した。同協会ヤヌアル事務局長は、15%ものインフレと実生活費の高騰から、労働者勤労者の賃金は最低でも25%アップしなければならない、とコメントしている。


「コンビニ業界も先行き不安」(2005年11月30日)
スーパーマーケットと同様の道を歩んでいるのがコンビニエンスストア。ACニールセンインドネシアの調査によると、2004年には全国で154店舗あったコンビニエンスストアが2005年10月には131店に減少している。この減少は主にACIミニストアの店舗数減に負うものだが、それでもってインドネシアはコンビニマーケットが合っていないと結論付けるのは時期尚早だ、と業界者はサークルKが同じタイミングで81店から86店に増えている事実を示して語る。
24時間オープンで、食品飲料タバコが扱い品目のマジョリティを占めているそれらコンビニ店は、バリのような観光地を始め、大都市でのプロスペクトを感じさせるものではあるが、広範なネットワークで事業展開を行っているサークルK、Am/pm、ACIなどに追随する大手ブランドの参入が見られない事実が、コンビニマーケットの命運を象徴しているようにも思われる。扱い商品がより充実しているミニマーケットとの競合、24時間オープンという営業スタイルによる経費高。加えてシンガポールやバンコックとはきわめて様相の異なる、一部特定エリアを除いて深夜12時を過ぎると人の姿が大きく減少するインドネシア諸都市のライフスタイル。コンビニ店は、地域住民の生活スタイルを映す鏡かもしれない。


「卸売りセンターも停滞気味」(2005年12月9日)
卸センター業界の規模拡大はまだやってきそうにない。ACニールセンの調べによると、卸売りセンター店舗数は2003年の24から2004年22、2005年10月現在23、と低迷を続けている。Goro が撤退したあと、この業界ではMakro とIndogrosir の二社が健闘しているだけ。しかしインドネシアの物品流通がお粗末なために、この業態は生き残り続けるだろう、とACニールセンの小売ビジネス開発担当取締役はコメントしている。「時に長期間、品物がいつまでも送られてこない、ということが往々にして起こっている。すると小売店は卸売りセンターに商品あるいは代替品を求めに来る。流通がよほど改善されなければ、卸売りセンターの存在意義は持続するはずだ。今後発展が見込まれるのはジャカルタ以外の地方部だが、卸売りセンターは巨大なスペースを持つ方式よりも、薄利でやっていけるような効率を追及しなければならない。ターゲットはトラディショナルマーケット商人、ホテル、オフィスなどだろう。」同取締役はそう述べている。


「サラ・リーがインドネシアに生産移転」(2005年12月20日)
アメリカの日用品メーカー、Sara Lee CorporationがKiwiブランド靴墨の生産をフランスからインドネシアに移転した。PT サラ・リーインドネシアが従来チブブルで生産していたキウィ靴墨は80%国内市場20%輸出という内訳になっていたが、今後は生産量の拡大とともに、国内と輸出が半々のシェアになる。生産量拡大のために生産工程は3シフト24時間稼動にされる予定であるため、従業員の増員が行われることになっている。サラ・リーのアジア市場における売上は5%ほどのシェアしかなく、30%を占めているユニレバーやP&Gから大きく引き離されていることから、同社はアジアでの販売てこ入れを積極的に行っていく考えであり、インドネシアと同時にインドや中国にも生産移転を行っている。サラ・リーはいくつかのブランドを持っており、Kiwi, Ambi Pur, She, Sanex, Zwitsal, Brylcreamなどがインドネシアで販売されている。


「今年の家電品業界は」(2005年12月30日)
2005年の家電品業界は、軒並み赤字になるかもしれない、と業界者が語った。Gabel役員でもあるリー・カンヒュンPTサムスンエレクトロニクスインドネシア取締役は、インドネシアのマクロ経済悪化によって国内販売が大きく後退しているため、家電品業界はみんな赤字になるのではないかと思われる、との談。年々国内市場は13〜14%の成長を記録してきたが、ことしは10%を切り、ひょっとすれば7%前後にしかならないのではないか、と同取締役は述べている。10月1日の石油燃料大幅値上げ後、家電品国内販売は2004年実績から30%も落ち込んでしまった。この販売減と製造コストの増加、そして消費者の買い控えをおそれてコストアップを販売価格に転嫁できない、といった情況のために、利益を確保できないメーカーが大半を占めるのではないかと見られている。
この業界での大手はほとんどが外国ブランドで占められており、これまで国内販売の増加が事業計画の基本をなしていたが、国内市場が厳しい情況であるため、輸出ドライブという方向転換も避けられない。この方向性はポリトロン、アカリなどローカル企業にとっても同じ意味合いを持っているにちがいない、と同取締役は分析している。2004年の国内市場は16.7兆ルピアで、そのうち80〜90%は既に国内で操業しているブランドがシェアを持っている。この12月も、例年は家電品販売が賑わうシーズンであるにもかかわらず、今年は売上がダウンしているありさまで、石油燃料値上げが消費者の購買力を大きくそいでしまったことを示している。