インドネシア市場情報2010〜11年


「お肌のお手入れはここで」(2010年1月4日)
フロンティアコンサルティンググループが2009年に行なったスキンケアのためのクリニックサーベイの中で断トツの人気を誇っているのはナターシャスキンケア。人気番付は次の通り。
1) Natasha Skin Care 26.5%
2) Erha Clinic 18.7%
3) Ristra House 4.6%
4) Bella Skin Scare 2.5%
5) Estetiderma 2.3%
6) Santi Skin Care 2.1%
7) Jayanata 1.7%
8) Epiderma 1.6%
9) London Beauty Center 1.5%
10) Dura Skin 1.5%
その他 7%
このサーベイに関連して顧客サティスファクションとロイヤルティのためのカールセンターは美容ケアクリニックで高いサービス料金と高価な美容アイテムを掲げているところほど消費者が殺到しているとの現象を指摘した。アピアランスに高い関心を寄せる消費者ほど高い料金や高価な素材を求める傾向が強く、かれらはそのような店でサービスを受けたことによって自分の美しさに自信を抱く結果その美しさが輝きを増すという循環を現出させているとのこと。
どうやらかの女たちにとっては、そのようなステップを踏むことが自信で輝く自分を作り出すために不可欠な要素であるのかもしれない。


「客に恥をかかせる店」(2010年1月11日)
2010年1月4日付けコンパス紙への投書"Dipermalukan di Hypermart"から
拝啓、編集部殿。2009年12月13日にわたしども一家はブカシのリッポチカランにあるハイパーマートで買物しました。レジで支払いを済ませたあと、わたしは先に外に出ましたが、妻はまだ出てきません。目で探していると、ハイパーマートの事務所に連れて行かれる妻の姿が目に留まりましたので、レジのパック係りと警備員に尋ねたところ、妻がレジを通るときにアラームが鳴ったので調べを受けるのだという返事です。
警備員は妻を着衣の上から調べましたが商品は何も見つかりません。調べに当たっていたひとりが「SOP通りにやらなければならない」と強く主張し、何度もデテクターで調べられましたが、商品はやはり何も見つかりません。しかしその職員はしつこく何度も調べを続けたため妻は滅入ってしまい、無実を訴えて最後にはズボンまで脱いで見せました。それでも商品は何も出てこなかったのです。
結局間違いだったことに気付いたのでしょう。かれらは妻を放免して「すみません」と詫びをひとこと口にしただけでした。今回の事件を大げさに扱った、プロとしての姿勢を持たないハイパーマート職員の仕打ちは実に遺憾です。ハイパーマートリッポチカラン店経営者は従業員に礼儀の指導を厳しく行なってください。そしてまた、防犯機器をよくチェックし、誤動作して来店客に迷惑をかけることが繰り返されないようにしてください。その店で受けた待遇が妻に与えた屈辱感と深いトラウマは「すみません」のひとことで償いのつくようなものではないのです。[ ブカシ在住、ハンディ・ハルタワン ]


「人気トップの美容サロンはここ」(2010年1月13日)
インドネシアの美容サロン大手はたいていフランチャイズ制を敷いているため、国内どの地方へ行こうとなじみの看板を見つけることができる。フロンティアコンサルティンググループが2009年に行なった調査によれば、全国でもっとも人気の高い美容サロンはジョニー・アンドレアンとのこと。人気番付は次の通り。
1) Johnny Andrean 33.4%
2) Rudy Hadisuwarno 16.4%
3) Lutuye 7.6%
4) Yopie Salon 7.6%
5) Peter Saerang 2.6%
6) Anata Salon 1.9%
7) Candra Gupta 1.7%
8) Christopher Salon 1.7%
9) May May 1.4%
その他 25.7%


「値段次第のインドネシア消費者」(2010年2月4日)
ある店が気に入って買物はたいていいつもその店で行なうという小売店ロイヤルティの高い消費者はインドネシアにわずか2%しかいない、とマタハリクラブカード(MCC)副社長が表明した。
MCCはマタハリデパート買物客に特別割引や商品券あるいは景品といった恩典を与えて常連顧客になってもらうため2000年からスタートした会員システムで、買物するつど金額に応じてポイントがたまる。MCCは既に5百万人の会員を擁しているが、人口2億4千万人中の5百万人は少しもたいした数字であるとは言えない、と副社長は述べている。
全国5都市に87ヶ所のデパートを営業しているマタハリデパートは、MCCカードを使った顧客系列化を一層強化するために、ニュージーランドのトランサクターテクノロジー社のサービスを利用することにした。
トランサクターテクノロジー社専務はインドネシアの消費者について、価格にきわめてセンシティブなインドネシア消費者に価格以外のメリット要素をどれだけ打ち出したところで、かれらを店にひきつけることはできない、とインドネシア市場の特性を物語った。「小売店は他店との価格競争を常に維持しなければならない。その上で自店へのロイヤルティを高めるために会員に対してどのように特別扱いをするかということを考えなければならない。」価格次第でどこへでも飛んで行くインドネシア消費者の性向をかれはそうコメントしている。


「使い捨ておむつの人気ブランドは?」(2010年2月4日)
赤ちゃん用使い捨ておむつはインドネシアで急速に普及した。共稼ぎ夫婦が多いために使い捨ておむつの実用性がかれらの要求にフィットしたことから消費量が急増したのだとフロンティアコンサルティンググループは説明している。しかし、共稼ぎでなくとも便利さに金を払って楽をしたいひとは世界中にたくさんいる。
赤ちゃん用使い捨ておむつはインドネシアで激しい商戦を繰り広げているが、フロンティアコンサルティンググループが調査した消費者人気番付は次のようになっていた。
1)Mamypoco 38.9%
2)Sweety 29.7%
3)Huggies 11.6%
4)Pampers 10.6%
5)Popoku 2.1%
6)Softlove 1.5%
7)Babylove 1.0%
8)Fitti 1.0%
9)その他 3.6%


「楽器ディーラーの一番人気はヌアンサ」(2010年2月6日)
楽器小売店は従来から独立店舗で営業するのが普通の形態だったが、最近はモール内に開店して競争相手との差別化をはかる傾向が生じている、とインドネシアショッピングセンター運営者協会会長が語った。「モール内に店舗を構えることで消費者がついでに楽器店を覗くということが起こる。衝動買いの可能性がそこに生じる。また楽器店はモール内のスペースを賃貸するだけでよく、店舗を自前で購入する必要もない。」
フロンティアの2009年調査によれば、消費者に人気の高い楽器店はヌアンサムシックであるとのこと。楽器店人気番付は次の通り。
Nusansa Musik 81.0%
Simfoni 6.9%
MG Sport & Music 2.4%
その他 9.7%


「ハイパーマーケットの小売市場シェアは6.8%」(2010年2月9日)
零細小売事業者の営業を脅かすものとして大規模小売店舗に対する反感は根強いものがあるが、ハイパーマーケットの市場シェアはまだまだ小さいものでしかなく、神経質になるには及ばない、とマースインドネシア代表取締役が発言した。これはハイパーマーケット進出を禁止する規則を定める地方政府が増加する傾向にあるのに反応してのもの。
ハイパーマーケットの存在は流通システムのモダン化をもたらすという意義があり、それによって国内市場に手ごろな価格で常に商品の在庫が存在するという状態がもたらされるなら消費者はたいへん大きな利益を手に入れることになるし、また生産者に対しても迅速な流通による製品販売の増加という恩恵がある。生産者と消費者の橋渡しをする大規模小売店舗は決して毛嫌いされるべきものではない。代表取締役はそうハイパーマーケットの効用を説いた。
ハイパーマーケットのモダンマーケット内シェアと全国小売市場内シェアが次のように報告されている。
Carrefour 5.8% 2.7%
Hypermart 3.8% 1.8%
Giant 2.6% 1.2%
Makro 2.4% 1.1%
合計 14.6% 6.8%


「子供用シャンプー」(2010年2月10日)
インドネシアでも子供用シャンプーの消費量が伸びている。子供に金を使う親の姿は世界中でひとつのトレンドになりつつあるようで、このマーケットセグメントを手中にしようと世界中のメーカーがあらゆる商品の子供向けバージョン開発に余念がない。
インドネシアでも子供に金を使う親が増え、そして子供のための支出金額が増加している中で、子供向けシャンプーも著しい成長を示している、とフロンティアコンサルティンググループがその人気ブランド番付を発表した。
1) Lifebuoy 32.6%
2) Dee-Dee 15.1%
3) Sunsilk 13.5%
4) Zwitsal 7.3%
5) Cussons 6.6%
6) Jonson & Johnson 3.3%
7) Kodomo 3.3%
8) B&B 1.2%
9) その他 17.1%


「書店の人気ナンバーワンはペーパークリップ」(2010年2月12日)
国民の読書習慣向上に伴ってモール内にオープンする書店が増加している。インドネシアショッピングセンター運営者協会によれば、自己啓発・健康・小説・料理などの書籍がモール内書店ではよく売れているとのこと。フロンティアの2009年調査によれば、消費者にもっとも人気の高い書店はペーパークリップであるよし。書店人気番付は次の通り。
Paper Clip 39.0%
Office 2000 21.9%
Gramedia 13.9%
Papyrus 8.0%
Gading Murni 7.9%
Gunung Agung 2.7%
その他 6.6%


「インドネシア人のコメ消費は日本人の2倍」(2010年2月13日)
インドネシア人の米小麦という炭水化物の年間一人当たり消費量は139キログラムで群を抜いて大きく、必然的に食品の中での炭水化物依存度も高くなっていることを農業省が公表した。ちなみにアジア諸国の比較は次の通り。
国名 : 年間一人当たり消費量(Kg) / 依存度(%)
中国 : 100Kg / 72%
韓国 : 80Kg / 58%
タイ : 79Kg / 57%
マレーシア : 63Kg / 45%
日本 : 60Kg / 43%
政府はコメへの集中的依存を減らして主食の多様化を図ろうと国民にイモやとうもろこしを増やす主食多様化を唱導しているものの、コメの飯が豊かさのシンボルとされシンコンやイモなどは貧乏人の食べ物という位置付けが根強い伝統観念になっているひとびとの意識変革はなかなか容易なものではないようだ。


「出費引締め対応を取ったインドネシア人は70%」(2010年2月19日)
2009年9月28日から10月16日までニールセンがインターネット経由で行なったアジア太平洋地区消費者のグローバル経済危機への対応に関するサーベイで、買物のパターンを変えていると答えた消費者の比率が一番高かったのはタイの84%だった。日本は74%、インドネシアは70%、最低はオーストラリアの53%。インドネシア消費者の買物パターンの変更とは日用必需品購入に際して、従来買っていたものからより廉価なブランドへの変更あるいはより小さい分量のパッケージへの変更といった出費抑制を目指す内容。ニールセンが報告した国別消費者買物パターン変更比率は次の通り。
タイ84%、 フィリピン80%、 日本75%、 韓国75%、 マレーシア75%、 台湾74%、 ベトナム73%、 インド70%、 インドネシア70%、 ニュージーランド67%、 中国66%、 シンガポール65%、 香港58%、 オーストラリア53%
ニールセンはさらにこの先一年間の高額出費が適切かどうかという質問を出し、それに対する肯定的な回答を次のようにまとめた。つまり中国人・オーストラリア人・インド人は実に大勢のひとがどんどん買物をしようという意欲に燃えている。
中国55%、 オーストラリア54%、 インド51%、 ベトナム48%、 フィリピン44%、 ニュージーランド43%、 インドネシア41%、 香港39%、 タイ39%、 シンガポール32%、 マレーシア29%、 台湾23%、 日本17%、 韓国12%


「客への釣り銭を着服するレジ係り」(2010年2月24日)
2009年5月18日付けコンパス紙への投書"Uang Kembalian di Hypermart"から
拝啓、編集部殿。わたしはジャカルタのガジャマダ通りにある事務所で働く会社員で、ガジャマダプラザのハイパーマートでよく買物します。買物するたびに100〜250ルピアのおつりが返ってきません。ほとんどが女性であるレジ係りは、その金額のコインがないからだとその理由を言います。キャンディでおつりをもらうほうがまだマシです。お客の権利が満たされるのですから。
毎日何十人いや何百人の買物客からかの女たちレジ係りはどれほど巨額のお金を集めているのでしょうか?そのような行為は消費者に対する不当行為です。ハイパーマート経営者はそんな不良レジ係りを処分する措置を取ってください。[ ジャカルタ在住、エカ・ワティスペニ ]


「フランチャイズ業界は依然として問題孕み」(2010年2月25日)
フランチャイザーの60%は正しく事業を行っていないので政府はこの業界の取締をもっと強めるべきだ、と全国商工会議所ライセンスフランチャイズ常設委員会議長が発言した。責任ある対応が得られないために倒産するフランチャイジーの多さに着目して調べていくと、全フランチャイザーのうちの6割がそのような問題あるビジネスを行なっていることが判明したと同議長はその根拠を説明している。「国内ブランドフランチャイズは全国に8百社以上あるが、その60%は問題ある会社だ。約束されているフランチャイザーとしての義務をおろそかにし、フランチャイジーとの間に係争が多発している。フランチャイジーは投資したのに利益が得られず、3ヶ月で赤字になるようなことが現実に起こっている。そのような投資者の多くはなけなしの貯金をはたいて3千万ルピアあまりをフランチャイズ投資したご婦人たち小規模事業主だ。投資誘致のとき言ったことを投資後実行しない詐欺まがいの内容がほとんどで、政府はこのようなフランチャイザーを取り締まる必要がある。投資者のほうもフランチャイザーの事業内容をもっと綿密に調査してから投資するようにしなければならない。たとえば、事務所従業員が二三人しかいないフランチャイザーがある。店が一ヶ所だけならそれで済むだろうが、大勢のフランチャイジーがそれぞれ店を構えれば、それでフランチャイザーが行わなければならないフランチャイジーへの事業サポートを行なえるはずがない。そのような問題あるフランチャイザーを減らすために、フランチャイザー事業者に株式公開を義務付けてはどうだろうか。すくなくとも毎年監査済み財務報告書が公開されることを商工会議所は望んでいる。それとは別に政府は民間大企業や国有事業体にフランチャイズ方式による事業拡張を奨励する政策を取ってはどうだろうか。フランチャイズ業界の中で現在大型企業は10〜15%を占めており、資本力・ノーハウ・事業経験の優れたそれらの会社はフランチャイズビジネスを正しく行なう力を持っており、フランチャイジーのビジネスはもっと高いレベルで保証されるにちがいない。」
インドネシアフランチャイズ協会会長は、現在1,010社ある国産ブランドの8割はその実態がフランチャイズと呼ばれるよりもビジネスオポチュニティに分類されるべきものだ、と語る。「だからこそ政府の指導と育成がこの業界にもっと必要とされている。小規模事業者であっても正しいフランチャイズ事業に誘導されることによって将来大規模フランチャイズに成長する可能性は高い。マクドナルドもKFCも最初は小規模事業者だったではないか。」会長は政府にそう訴えている。同協会データによれば、インドネシアのフランチャイズ会社数の変遷は次の通り。
年 : 外国ブランド / 国産ブランド / 合計
2004 : 200 / 85 /285
2005 : 237 / 129 / 366
2006 : 220 / 230 / 450
2007 : 250 / 450 / 700
2008 : 260 / 690 / 950
2009 : 260 / 750 / 1,010


「期限切れ飲食品が多数見つかる」(2010年2月27日)
食品薬品監督庁が祝祭日前に行なっている市場での商品検査で多数の期限切れ飲食品が見つかっている。中国正月を前にした2010年2月5日から11日にかけて国内主要都市にある556ヶ所の商店や配送センターなどを対象に行われた検査では、ソフトドリンク・炭酸飲料・ビスケット・キャンディ・乾燥食品などの中に期限切れ商品3,252パッケージが見つかった。腐敗した食品は251パッケージ、輸入食品487アイテムは国内流通認可未取得、156アイテムはラベル表示が規定違反、その他の違反も多少見受けられている。
食品薬品監督庁はまた6州の首都で学校周辺のワルンや屋台などで売られている子供向けのおやつを検査し、有害な着色料や防腐剤が依然として使用されているものを多数発見した。検査対象は主にクルプッ・バソ・シロップ・ソース。


「前払い方式電力利用契約」(2010年3月11日)
国有電力会社PLNの北部バンテンサービス地区支所が2009年第1四半期にプロモーションを開始した電力料金前払いシステムは、2009年中に2千8百の契約者を獲得した。そのうちのおよそ1千5百はセラン市住民で、他はチレゴン・アニエル・チカンデに分散している。2009年のパイロットプロジェクトで前払いシステムは需要が高いことを感じ取ったPLNは2010年の契約目標を1万8千軒とした。
この前払いシステムは通常の後払い方式と単位料金は変わらない。前払い方式の場合、契約者は自分の希望に応じて2万・5万・10万・20万・50万ルピアのいずれかを先払いする。家屋内への電力引き込み設備に制御器を取り付け、先払い金額分が消費されたら制御器が電力供給をストップするという仕組み。制御器は器材が40〜60万ルピアで設置費用が42万ルピア。
先払い金額の残高が5千ルピアになると制御システムが警告を発して次の買い足しを契約者に促す。契約者はPLN窓口・郵便局あるいは銀行で買い足しを行うことになる。この前払い方式による支払は期限を持っておらず、何ヶ月かかろうが使い果たせば電気が来なくなるという単純な原理で動くもので、使い果たす前に買い足しを行なえば残高が買い足し分に上乗せされるために焦付きということが起こらない。
この前払い方式だと契約者が意外な高額請求に驚くということが一切なく、契約者は消費量と残高を常日頃から意識するため省エネ省電努力が高まり、また支払遅延や未払いの管理も不必要で、その結果として発生する給電停止や電力メーター引上げといった措置も起こらず、そしてメーター検針がなくなることも大きなメリットのひとつだ。特に借家借室オーナーにとってこのシステムは賃貸者の不始末によるPLNとのトラブルを避ける最善の方法だとPLN側は宣伝している。


「弱音を吐くジャムゥ生産者」(2010年3月17日)
中部ジャワのジャムゥ生産者が中国産漢方医薬品に市場を総ナメにされることを心配している。アセアン=中国自由貿易協定(ACFTA)の実施に伴って国内市場で中国産品が優遇されることから、国産品市場競争力は中国産品の前に歴然たる競争力劣化をきたすことになりそう。
PTシドムンチュル代表取締役は、ACFTAのために国内中小生産者は大打撃をこうむるだろうし、大企業も生き残りをかけて最適化をはからなければならない、と発言している。食品薬品監督庁は5年間有効な国内流通承認費1アイテムあたり500万ルピアを中国からの輸入品に対しては250万ルピアに割引した。マレーシアでも同じような料金差別は行なわれているものの、あちらはインドネシアと正反対で国産品のほうが費用は廉い、と同代表取締役は語っている。「国産ジャムゥは過去5年間、中国・韓国・台湾からの輸入品に押されて後退の一途をたどってきた。そこに中国産品優遇が加われば国内産業は崩壊しかねない。業界としては、食品薬品監督庁の承認費用をマレーシアのような内容にしてほしいこと、また不法商品を締め出すために厳しい市場監視を行なうことを政府に要望する。」
インドネシア伝統薬品ジャムゥ事業者連盟会長は、輸入品のインドネシア語ラベル表示義務付けを政府に強く求めている。しかし圧倒的な大量生産で低い生産コストを実現している中国産漢方薬との価格差を狭めるためには、そればかりでは不十分であり、小売業界者はジャムゥ生産者に対して「弱音を吐くのはやめて競争に正面から取り組んではどうか」と批評している。


「民衆経済の底力」(2010年3月23日)
カキリマ商人から都庁が得る課金収入は、都営事業体が株主である都に納める配当金より巨額になっていることが明らかにされた。都庁の2009年収入予算によれば、都営事業体からの配当収入は1,800億ルピア。一方カキリマ商人からの課金収入は1,820億ルピアと見積もられており、カキリマ商人から得られる収益のほうが金額は大きい。その課金見積もり計算は小さめに見積もられているそうだから、民衆経済の底力をわれわれはそこに見ることになる。
カキリマ商人に対する課金徴収は2006年7月1日付け都知事決定書で定められており、カキリマ商人ひとりあたり毎日2千〜5千ルピアが徴収されている。インドネシアカキリマ商人協会データではジャカルタに14万5千人のカキリマ商人がおり、都内の繁華地区に散らばって営業している。かれらの営業場所分布は次のようになっている。
バスターミナル 20%
鉄道駅 15%
港 10%
道端 25%
繁華エリア 30%


「売行きNo.1は依然としてアバンザ」(2010年3月24日)
2009年国内四輪車生産者販売台数は486,662台だったが、車種別販売台数のトップは100,065台を売り上げたトヨタアバンザだった。二位はダイハツゼニアで43,409台、三位キジャンイノバ35,989台という順位。四位以降はホンダジャズ、ニッサンリビナ、ダイハツテリオス、トヨタラッシュ、スズキAPV、ホンダCR−V、ホンダフリードと続いており、販売台数はそれぞれ2万に満たない。各車種カテゴリー別に売行きナンバーワン車を見てみると、次のような結果になっている。
ミニセダン車 トヨタニュービオス 2,722台
小型セダン車 ホンダニューシビック 1,651台
中型セダン車 メルセデスベンツCクラス 1,108台
高級セダン車(ロー) メルセデスベンツEクラス 1,287台
高級セダン車(アッパー) メルセデスベンツSクラス 261台
ローMPV車 トヨタアバンザ 100,065台
MPV車 トヨタイノバ 35,989台
ローSUV車 ダイハツテリオス 13,149台
SUV車 ホンダCR−V 10,110台 
カテゴリー?ピックアップ スズキキャリーMT PU 16,799台
カテゴリー?ミニバス ダイハツグランマックス 5,882台
カテゴリー?マイクロバス 三菱L−300ジーゼル 1,195台
カテゴリー? 三菱ライトトラックジーゼル 28,657台
カテゴリー? 日野トラックジーゼル 2,630台
カテゴリー? 三菱パジェロ 559台
カテゴリー? 日野ヘビートラックジーゼル 3,891台


「モールは24時間営業しない」(2010年3月25日)
ショッピングセンターは今年も早朝や深夜のセール開催を継続する方針だが、それが24時間営業を目指すものでは決してない。都内のモールは営業時間が10時から22時までと公式に定められているものの、特別催事として午前8時にオープンしたり深夜のもっと遅い時間まで開店時間を延長することがある。それらの催事ではモーニングセールあるいはミッドナイトセールと称して特定商品を最大70%割引し、アトラクションで盛り上げ、景品もつくといった特別販売を行ない、上々の集客と売上を達成しているケースが多い。
そのような定常営業時間外の開店についてスナヤンシティCEOは、来店客がもたらす販売効率に大きい差があることを指摘した。「早朝や深夜の催事にやってくる客は100パーセントがショッピングを目的にしている。定常営業時間帯にやってくる客は20〜40%が買物をしないウインドウショッピング客だ。だからといってショッピングセンターが24時間営業に走る考えはない。オペレーションコストが大きくなりすぎてつりあわない。」
2009年のスナヤンシティ来店客は月平均120万〜130万人で、土日の人出が特に大きい。今年は月平均150万人の集客目標が掲げられている。


「オプティックムラワイは断トツの知名度」(2009年3月31日)
眼鏡店は事業参入のバリヤーが低いので、雨後のタケノコのように新しい屋号が生まれて市場をにぎわしている。2009年にフロンティアが調査した消費者に人気のあるめがね屋はオプティックムラワイが圧倒的な知名度を誇っている。二番手以降はどんぐりの背比べだ。
Melawai 56.5%
Seis 6.6%
Tunggal 4.8%
A. Kasoem 3.5%
Lily Kasoem 3.5%
International Optical 2.8%
Asean Optical 1.7%
Joyo 1.1%
Akur 1.1%
Gajah Mada 1.0%


「ピザハットが最高」(2010年4月1日)
2009年にフロンティアが行なったピザショップに関する消費者調査で、アメリカブランドのピザハットが圧倒的な強さを示した。10人のうちほとんど9人がピザハットの名前をあげているのは、たいへんなもの。
Pizza Hut 87.2%
Papa Rons 3.9%
Izzi Pizza 3.3%
Pizza Bar 1.8%
Domino Pizza 1.7%
その他 2.1%


「食べ物よりボディコン」(2010年4月2日)
2009年日常生活用品小売市場は全体で2008年から5.9%伸びた。食品と非食品に分けると前者は5.0%後者は7.5%で、かなり大きな差が開いている。経済危機の際にはふつう食品購入が最優先されるものだが、その常識を覆すかのようにボディケア製品・薬品・住宅用洗剤の大きい成長率が記録された。これは都市部消費者のアピアランスと健康への関心が増加していることを示すものだ、とニールセンインドネシア役員はコメントしている。


「消費者の卸しセンター離れ」(2010年4月5日)
ジャカルタのモールと卸しセンターでの小売スペース供給は需要を大きく上回っており、テナント争奪は一層厳しくそして賃貸料も下降傾向が強まるだろうとジョーンズラングラサールが予測している。同社の調べによれば、2011年までの小売スペース供給はモールが549,700平米卸しセンターが136,250平米であり、この先三年間は供給過多が継続するとのこと。消費者の卸しセンター利用は減退期に入っており、今年の小売スペース販売はモールに集中する見込みがきわめて高い。
ジャカルタの2009年までの小売スペース供給はモール1,997,501平米卸しセンター1,384,772平米で、空きスペースはそれぞれ432,469平米と554,676平米となっている。卸しセンターの空きスペース比率が顕著に高いのは消費者に卸しセンター離れが起こっているためで一部を除いて卸しセンターの中にはゴーストタウンの様相を呈しているところもある。


「中国産携帯電話器がシェア第2位」(2010年4月13日)
2009年の携帯電話器国内市場は中国産が他の著名国際ブランドを蹴落としてナンバー2の地位にのぼったことを業界者が明らかにした。年間1千2百万から1千5百万台という国内携帯電話器市場のトップブランドは依然としてシェア60%を誇るノキアだが、17%のソニーエリクソン、6%のサムスン、4%のLG、1%のモトローラなどを凌駕して中国産携帯電話器が20%のシェアを獲得した。この中国産というのは様々なブランドを合算したもの。中国産の上昇著しいのは、たとえば電話オペレータがネクシアンを抱き合わせ販売商品に使い1百万台を売り上げたように、他のいくつかのオペレータもやはり中国産携帯電話器を抱き合わせ商品に取り上げており、そのような要因が中国産の販売量増加を招いている。


「泥棒でっちあげはイセン?」(2010年4月15日)
2009年6月2日付けコンパス紙への投書"Lepas Pakaian di Carrefour"から
拝啓、編集部殿。2009年5月17日15時ごろ、わたしは姉妹でジャカルタのマンガドゥアスクエア内にあるカルフルへ行き、月例の買物を行いました。買物を済ませてレジで支払いをしていると、突然カルフル職員ふたりがやってきてわたしたちを事務所に連行しました。
事務所に着くとそのふたりはわたしたちが水泳帽(価格2万ルピア)をひとつ盗んだと告発したのです。わたしたちは盗みなどまったくした覚えがないので、とても腹が立ちました。ふたりが言うには、売場従業員のひとりが盗難現場を目撃したと報告してきたそうです。ふたりはわたしたちの買物の中味を全部チェックしましたが、水泳帽は出てきませんし買物の内容もレジ伝票とぴったり一致しています。それでも納得しなかったふたりはわたしたちのバッグの中まで調べました。しかしかれらが探している品物は出てきません。そしてとうとう「身体検査をする」と言い出したのです。これほど客を侮蔑した失礼な仕打ちはありません。ふたりはわたしたちに、着ている服を脱ぐように命じました。
売場の防犯監視システムがお粗末な店では客が恥をかかされるのです。わたしたちは明確な証拠がなにひとつないまま、ひとりの人間の言葉だけで泥棒扱いされたのです。[ ジャカルタ在住、ヴィンセンシア・チャンドラ ]
2009年6月11日付けコンパス紙に掲載されたカルフルからの回答
拝啓、編集部殿。ヴィンセンシア・チャンドラさんの2009年6月2日付けコンパス紙に掲載された投書について、次の通りお知らせします。2009年6月2日、カルフルのマンガドゥアスクエア店は2009年6月2日にヴィンセンシアさんを訪れて投書に書かれた内容について説明を行い、問題は落着しました。ヴィンセンシアさんはカルフル側の説明を了承してくださいました。顧客のご意見はレジ伝票やセールチラシに記されたカルフル各店のホットラインに電話でお伝えいただくことができます。[ PTカルフルインドネシア広報マネージャー、レタ・ドトゥロン ]


「ウナギの次はナマズ」(2010年4月18日)
ナマズのから揚げはインドネシアで人気の高い料理のひとつ。ナマズ需要の増加にともなって海洋漁業省はナマズ増産5ヵ年計画を組み、2009年の全国生産495,600万トンを2014年までに49%引き上げるという目標を設定した。そのための養魚池や生簀の製作から稚魚の飼育にいたる新規投資は1.21兆ルピアが必要とされていることを海洋漁業省養殖漁業総局長が明らかにしている。
ここで言うナマズはいわゆるナマズの姿をしているikan leleと普通の魚の姿をしている英名shark catfishという名のikan patinのふたつから成っている。レレもパティンも養殖のための水質水量はあまり問われないので養殖しやすいというメリットがあり、国内のどこでも養殖事業が行えることからナマズの増産は必ずうまくいく、と総局長は楽観視している。


「悪辣な商店」(2010年4月23日)
商業省消費者保護局長はショッピングセンター運営者協会会長宛てに文書番号第04/PDN.4.3/1/2010号を送り、テナントが消費者に圧迫や威嚇をして商品を買うように仕向ける販売手法を取ることを禁止するよう要請した。局長によれば、昨今消費者利益を損なう威嚇的なあるいはトリックを用いて消費者を追い込み、無理やり商品を買わせる販売手法がモールやショッピングセンター内で横行しており、消費者の苦情が印刷メディアや電子メディアに増加していることが最新情勢を物語っている、とのこと。
中でも昔から消費者の苦情に頻繁に登場してきたPT Aowa Nusa LestariはPT Satria Putraindo Internusaと改名したがいまだに往時の不当な販売手法を継続しているとの消費者からの苦情がある。1999年法令第8号消費者保護法の第15条は、消費者に物理的心理的障害を引き起こす強制的あるいはその他の手法を用いて販売を行なうことを禁止しており、それに違反した販売者は罰金20億ルピアと商品の返却あるいは交換を購入者に対して行なうことが命じられる。
消費者保護財団がリストアップしている、消費者に対する不当販売を行なっている店には次のようなものがある。
PT Aowa Nusa Lestari (旧名)
PT Satria Putraindo Internusa (現在名)
PT Health n Care
Metrowealth S7S
U-rolux Berjaya
Blue Top
Big Blue Top
Citra Jaya
Super Jaya
Perfect Graha Utama
PT Best
PT Metrowealth Int'l Group
PT Dataindo Megah Lestari
PT Top Asahi (Metrowealth)
PT Metro Asahi (Metrowealth)
PT Metrowealth Int'l Group (PT Mitro Asia)
PT Cahaya Sejati
PT Green Tech
PT Surya Abadi
PT Dataindo
Starthect
De Cartino Group
Pro Team
Oto Plus (Star Tech)
PT Cahaya Sakti
Matic
PT NSA (Nidolux Sukses Abadi)
I Home (Inextron)
Indo Mega
しかしPT Satria Putraindo Internusaの法務担当者は、トリックを用いて消費者に押し付け販売を行なうようなことはしていない、と反論する。「弊社はSOPに基づいて業務を行なっており、不当な販売を従業員に指示することはない。弊社販売員がSOPに違反した場合は処罰が下される。」
だが従業員が会社の名前で行なった行為は会社が責任を負うという考え方はインドネシアにまだあまり定着していないようだ。


「雑誌広告量が減少」(2010年4月23日)
2009年の雑誌タブロイド広告が2008年から減少したことをニールセンメディアインドネシアが報告した。ニールセンが国内162誌を調査した結果、2009年の年間広告ボリュームは61,712ページで2008年の63,814ページから3%減少している。しかし雑誌タブロイド業界の広告収入は2009年が1.78兆で2008年の1.68兆からは6%上昇している。ニールセンは業界広告収入について、雑誌発行者の広告タリフをそのまま使って算出したものであり、業界各社の実際の収入とは異なっていることを断っている。


「電力消費を減らす家庭は電気代を値上げしない」(2010年4月30日)
2010年7月に値上げが予定されている電力基本料金は値上げ幅が15%を超えそうだと見込まれているが、政府は電力利用契約容量が450Wと900Wの利用者は値上げをしないとの方針を表明している。それとは別に政府は今回の値上げを国民に電力消費の節減を動機付ける機会として利用することを考え、一ヶ月間の消費量が30kWhまでの利用者には現在使われている値上げ前の料金単価を適用するというインセンティブ方針を発表した。
「一日100Whの電力消費量で10ヶ所の電灯を10時間つけることができる。各家庭が電力消費を抑制すれば年間54兆ルピアの電力補助金は低経済層に効果的に分配することができる。各家庭が一日50Wの消費節減を実現すればジャワでは2千3百万電力契約者から4時間で4,400MWの節減が得られ、1kWhの電力生産に軽油0.3リッターが使われるので4時間で79億ルピアのコスト削減が実現する。」ハッタ・ラジャサ経済統括相はその政府方針に関してそのように語っている。


「自転車の国内需要は年間5百万台」(2010年5月4日)
環境に優しい乗り物として国民の意識内で自転車のウエイトが高まっており、需要は上昇傾向にある。Polygonブランドの自転車を製造しているPT Insera Sena社の販促課長は、自転車はひとつのライフスタイルとして国民の間に定着してきており、需要は顕著な増加を示している、と語る。ポリゴン自転車は過去三年間で販売量が20%増加した。
国内総需要は年間5百万台と見込まれており、国内生産はやっと1百万台でしかなく不足分は輸入品でまかなわれている。インセラセナ社の自転車生産量は日製1千4百台年間55万台であり、70%が輸出されて国内市場には30%しか供給されていない。輸出先は8割がたが欧州とのこと。


「四輪車のディーラー在庫が増加」(2010年5月7日)
2010年第1四半期の爆発的な売行きに追随して四輪自動車のディーラー在庫が増加しており、8千台の過剰在庫だという声まで聞こえている。しかし生産者業界はそれに関して、販売台数増に即してディーラー在庫が増えるのは当然の現象であり、不健全な在庫状況という見方は当たらない、とオブザーバー界の懸念を否定している。ガイキンド(インドネシア自動車産業連盟)のデータによれば、2010年1〜3月期の生産者出荷台数は174,074台で、一方ディーラー段階での販売台数は165,769台と報告されており、メーカー出荷台数のほうが小売販売台数より8,305台多い。
1〜3月期の販売は対前年比で73%もアップしており、ガイキンドは今年の年間販売台数が60万台を超えるだろうとの読みを入れている。2009年年間販売台数は48万6千台だった。昨年はグローバル経済危機の影響で消費者の購買力が低下することをすべての産業界が予測したため、自動車生産者も生産台数をしぼるという対応が取られた。またルピアの対米ドルレートの問題で販売価格が小刻みに上昇した結果平均20%の値上がりとなったことも生産縮小の要因になっている。そんな情勢が2009年と2010年の販売状況に極端な差をもたらした背景だ。
トヨタアストラモトル取締役社長は現在のディーラー在庫レベルが0.3ヶ月しかなく、不健全と言われるには程遠い状態だ、とコメントしている。


「転換期のゲームセンター業界」(2010年5月14日)
首都圏にはモールやショッピングセンター内にゲームセンターがおよそ2百ヶ所あり、全国でそれは6百ヶ所にのぼる。タイムゾーン・アマゾン・ファンワールドなどの看板を掲げた大型店もあるが、ゲーム機を数台並べただけの小規模事業者も数多い。この種のファミリーレクレーション事業は最近業績がとみに悪化しており、中小事業者の多くは倒産の瀬戸際に立たされている、とインドネシアファミリーレクレーション協会会長が表明した。来店客の減少傾向とゲーム機用コインの値上げが困難な情勢が一方にあり、それに対して事業者は収入の20%を占める娯楽遊興税のほかに電気代・スペース賃貸料・テナントサービスチャージ・ゲーム機器レンタル料・従業員人件費などのコストをカバーするだけの収益を上げることが困難になってきている。特にゲーム機はほぼ100%輸入品であり、コストが高い。そのゲーム機器を頻繁に入替えしなければ顧客に飽きられてしまうというという宿命をこの業界は背負っている。資金力の強い事業者は頻繁に機器を入替えて顧客を店に誘っているが、中小事業者にとってそれは夢のような話だ。
一方、幼い子供をゲームセンターに連れて行って遊ばせていた家庭も、子供が小学校中高学年に達するとレンタルインターネットショップに行き先が変わっていくらしい。子供たちはゲームセンターよりもインターネットで遊ぶことにより興味をひかれ、ネットサーフィンやネットゲームに没頭するようになる。ゲームセンタービジネスはいま、転換期に差し掛かっている。


「エイの皮のバッグ」(2010年5月15日)
エイの皮を使った工芸品の生産者はまだ少ない。今国内にあるのは中部ジャワ州ボヨラリ(Boyolali)、北スマトラ州メダン、ジョクジャの三ヶ所だけ。ボヨラリのサンボン村にいる生産者は、シンガポールと日本向けの輸出を行なっており国際市場での需要がたいへん大きいことを物語っている。日本からは日製1千から2千個のハンドバッグのオーダーが来ているが、今の生産能力は月産100から200個程度で海外の需要をまかなうにはほど遠い状況だ。かれはもっと多くの生産者が出てくればこの業界の繁栄は間違いない、と同業者の出現を待ち望んでいる。


「ポリトロンがLCDテレビ販売に注力」(2010年5月17日)
Polytronブランドの家電品を生産しているPT Hartono Istana Teknologi社は今年LCDテレビ市場で20%シェアを狙っている。同社販売担当取締役によれば、LCDテレビの需要は今年さらに上昇すると予想されており、販売増は間違いないとのこと。エレクトロニックマーケタークラブのデータは年間のテレビ国内販売台数を400〜430万台と報告しており、LCDテレビはそのうちの20%を占めている。ポリトロンのLCDテレビ2009年販売台数シェアは10%で、同社は今年それを倍増させようとの意欲に燃えており、南アフリカでのサッカーワールドカップ大会を拡売のチャンスにしようと戦略を練っている。
ポリトロンは今年4月に低音高音を豊かにしたLCD123を発売した。画面解像度1920x1080、USB/フラッシュディスク、マルチメディア対応といったフィーチャーを備えたこのモデルは19インチ型で275万ルピア、42インチタイプは869万ルピアという小売価格がつけられている。同社は2010年上半期のこのモデルの販売目標を1万台としており、CRTタイプを含めた全テレビの年間販売目標は17万2千台となっている。


「短い寿命の高級テレビ」(2010年5月17日)
2010年2月20日付けコンパス紙への投書"Daya Tahan Televisi LCD Sony Singkat"から
拝啓、編集部殿。2007年12月27日、わたしはジャカルタのクラパガディンにあるソニーセンターでソニーブラビア32のLCDテレビを一台11,199,200ルピアで買いました。そして有効期限が購入日から一年間になっている保証書も受け取りました。最初の一年間はまったく問題ありませんでしたが、二年目に入ってから、電源を入れると画面が乱れる現象が起こるようになりました。ときどき、さまざまな色の縦線が画面に入ってくるのです。
毎日の使用は4〜5時間くらいで、落としたりぶつけたりしたことはありません。その症状は期間とともに強まり、また縦線が消えるまでの時間もますます長くなってきました。そして2010年1月、ついに画面はたださまざまな色の縦線で満たされ、音声は出ていますが画像は何もないという状態になりました。
それで1月30日、ソニーの公式サービス業者であるクラパガディンのPTアルコシンドテクノロギにテレビを持ち込んで調べてもらいました。2月5日に結果の連絡があり、LCDパネルと関連部品交換で8百万ルピアかかると言われましたので、わたしは修理するのをやめました。そんな金額をかけるのなら、壊れたテレビは放り出して新しいLCDテレビを買うことができるのです。高い有名ブランド商品を買ったことをわたしは大いに後悔しました。ソニーブラビアLCDテレビの品質はそれほどまでにひどいものなのでしょうか?正常に機能する期間があまりにも短いではありませんか。[ 北ジャカルタ市クラパガディン在住、ヘンキ・ボリッナバン ]


「広告宣伝市場は26%の伸び」(2010年5月19日)
2010年第1四半期の広告宣伝市場は、テレビメディアの伸びが2年ぶりに印刷メディアの成長をオーバーした、とニールセンメディアインドネシアが報告した。テレビの広告宣伝費は前年同期実績から8兆ルピア増えて31%の増加率を記録し、印刷メディアは増加が4.6兆ルピアで成長率は19%にとどまった。2010年第1四半期広告宣伝費総支出は13.03兆ルピアで前年同期実績10.37兆ルピアから26%アップしている。このデータはニールセンが国内の103日刊紙165雑誌タブロイドと24テレビ局の広告をモニター調査した結果のもの。
テレビ広告の増加は、これまでテレビに出されていなかった商品にスポット広告が使われるようになったこと、そして報道番組視聴率アップに伴ってその時間帯にも多くのスポット広告が流されるようになったことが原因だとニールセンは説明している。2010年第1四半期にテレビ広告が活発に行なわれたものは通信関連・政治関連・企業そしてタバコだが、タバコは前四半期から34%も低下しており、このカテゴリーの宣伝対象15製品中で宣伝費支出がアップしたのはGudang Garam Internasional, Gudang Garam Merah, L.A Light, Djarum Blackの4種だけになっている。行政や政党など政治関連広告は過去一年間あらゆる媒体で活発化していたが、徐々に下降傾向が始まっており、新聞メディアだけがこれまでの威勢を継続している。宣伝対象カテゴリー別に2010年第1四半期と前年同期実績を比較すると、次のような推移が見られる。
カテゴリー: 2009年第1四半期 / 2010年第1四半期 (数字は支出金額で億ルピア単位)
通信: 8,450 / 13,000
政治: 10,700 / 5,590
企業: 4,060 / 4,300
ヘアケア: 3,350 / 4,300
オートバイ: 3,610 / 3,880
銀行: 2,120 / 3,770
フィルタータバコ: 3,490 / 3,770
スナック菓子: 1,980 / 3,690
メディア・プロダクションハウス: 2,750 / 3,170
不動産: 2,230 / 3,110
通信カテゴリーは過去一年間広告宣伝費支出を減らしていたが、今年に入って広告攻勢の態勢に入っており、中でもKartu As, Esia, Tri, Simpati, XL, Telkomsel, Axisがこのカテゴリーで広告宣伝費支出の上位に並んでいる。商品別ではカルトゥアスが1,260億ルピア、トリー900億ルピア、グダンガラムインターナショナル730億ルピアというのがトップスリー。


「ポンドッキンダモールのリフトであわや事故」(2010年5月21日)
2010年2月6日付けコンパス紙への投書"Lift PIM I Tidak Aman"から
拝啓、編集部殿。2010年1月23日土曜日、わたしは家族連れで南ジャカルタのポンドッキンダモール?(PIM−?)を訪れました。わたしはベビーカーを押しているので一階から三階までリフトで上り下りしなければなりません。そのリフトに乗っているとき、わたしはリフトの扉で手をはさまれました。
ベビーカーを押してリフトから出ようとしたとき、ベビーカーはリフトの外へ出ましたがわたしの身体はまだリフト内にありました。ちょうどそのときリフトの扉が自動的に閉まり、わたしの手がリフトにはさまれたのです。わたしはその扉を支えようとしましたが、扉は強い力で閉じようとします。妻がリフト内のオープンボタンを押しましたが扉は開きません。数秒待ってからわたしは仕方なく扉を両手で強打し、扉はやっと逆戻りしました。
リフトの扉は閉まるときに障害物があれば逆戻りしなければならないし、リフト内のオープンボタンを押したら閉まりつつある扉はまた開かなければなりません。リフトの入り口から近い場所にモールの警備員がいてその一部始終を見ていましたが、かれは何をしようともしませんでした。もし女性がベビーカーを押していてこんな目にあったら、いったいどんなことになっていたか知れません。[ デポッ在住、ヨンキ・プラトモ ]


「パサルの没落」(2010年5月24〜26日)
インドネシアの小売事業セクター地図を眺めてみると、モダンマーケットと総称されている事業形態の販売店舗数が顕著な伸びを示していて、昔から小売商売を営んできた在来型の商店やパサル(いちば)に集まる個人販売業者の市場シェアを奪っていることがわかる。中小資本が大部分を占めるそれら在来型小売マーケットの興廃は政府にとって国民系産業維持発展という大原理に関わる要素であり、国家経済政策遂行上で無視できない部分ではあるものの、大資本をベースにしたマクロ経済進展を経済政策業績のひとつの柱に据えているオルバ期以来の流れの中では大衆経済を標榜する勢力の理想像の実現にストレートに結びつかないのも当然の帰結だと言うことができよう。
全国モダンマーケット店舗数は2003年から2008年までの5年間で次のように猛烈な増加を示した。(2003年店舗数 → 2008年店舗数)
ハイパーマーケット・大規模卸売り店 54 → 135
デパートメントストア 477 → 623
スーパーマーケット 876 → 1,149
コンビニエンスストア 121 → 204
ミニマーケット 2,058 → 7,301
国内経済の半分以上が集中している首都圏の2008年店舗数は次の通り。()内はジャカルタだけ
ハイパーマーケット 70 (35)
デパートメントストア 217 (120)
スーパーマーケット 336 (200)
ミニマーケット 4,939 (1,841)
首都ジャカルタだけに限ってみても、2008年の2,196という店舗数は2005年の1,014店から倍増している。その間都内の在来型パサルは151ヶ所で変化しておらず、ウエートは年毎に軽さを増している。151ヶ所のパサルを訪れる都民は一日平均2百万人。
モダンマーケットの伸張は首都圏ばかりか地方都市でも活発化している。ジョクジャではマリオボロ通りにモダンマーケットが立ち並ぶようになり、近くの在来型パサルであるブリンハルジョの商人は年々売上が35%も低下しているとのこと。パサル商人協会によれば、モダンマーケットが一店オープンするとその近辺の在来型商店に品物を降ろしていた流通業者14社の売上が激減するそうだ。
モダンマーケットの攻勢にさらされた在来型マーケットに崩壊の危機が迫っている。たとえばハイパーマーケットの一日の売上が平均して5億ルピア、休日ピーク時やハリラヤともなればそれが倍増するというのだから、在来型商店の一日平均売上40万〜70万ルピアとはまるで比較にならない。ましてや在来型パサルの商人たちは廉価多売が原則であり、買物客がモダンマーケットに足を向ければ微々たる売上しか得られなくなる。商売が立ち行かなくなってパサル内の売場をたたむ商人が続出し、交代する商人が出ないまま空き家状態の売場が増加しているパサルがジャカルタ・デポッ・タングラン・西ジャワ・東ジャワ・ランプンで目に付くようになった。ゴーストいちばになりつつあるパサルは次のようなところだ。
ジャカルタ: Sindang, Tugu, Sinar, Pademangan, Kebon Bawang, Enjo, Ciplak, Cipinang Muara, Jambul, Cibubur, Ciracas, Bukitduri Peteran, Santa, Bataputih, Blok M, Tebet Timur, Mampang, Mede, Pondok Indah, Karet Pedurenan, Cidodol, Grogol, Pos Pengumben, Jembatan Besi, Cengkareng, Tambora, Rawakerbau
タングラン: Ciputat, Lembang Baru
西ジャワ: Parung, Pondok Gede, Induk Cianjur, Depok Musi, Kemiri, Cisalak
東ジャワ: Porong Baru Sidoarjo, Induk Kediri
ランプン: Panjang, Bandar Lampung
インドネシア大学経済学部がジャカルタの在来型いちばに関する調査を行った結果、80%近いいちばの建物が建築後20年以上経過しており、古く・暗く・暑いという要素のために消費者はいちばというのは汚ならしい劣悪な場所という認識を持っていて集客力がきわめて弱い、との分析を報告した。年齢別ブラケットで見たいちばの数は次の通り。(2003年時点 → 2008年時点)
30年超 30 → 12
20〜30年 78 → 73
10〜20年 28 → 27
10年未満 15 → 39
しかしインドネシアパサル商人協会は、在来型パサルの没落にはもっとさまざまな要因がからんでいる、と表明している。
それはモダンマーケットの攻勢や建物が古いという要素だけでなく、パサル運営がお粗末で小売ビジネス競争から取り残されてしまったという身から出たサビ的な要因も小さくない。パサルの商人が売場を使うために納めている課金の値上がりが激しくてついには妥当性を欠くものになっていること、清掃費や警備費の名目で金が徴収されていながら、臭く汚く床がいつも濡れて汚れているという清潔感のない環境維持、そしてスリ・泥棒・ゴロツキが徘徊して排除されないこと、それらのパサル運営のお粗末さにつながる部分も影響している。
全国には13,450ヶ所に在来型パサルがあり、1,260万人がパサル内で商売を営んでいる。空き家になっている売り場面積は全国平均で23%だが、5年前の8%にくらべると3倍の膨らみようだ。地方政府は在来型パサルのモダン化をはかってパサルサンタやブロッケム(Blok M)スクエア、チラチャスやチブブルなどで大がかりな改装工事をデベロッパーに請け負わせたものの、商人に売場の所有権(hak milik)は与えず20年間の使用権(hak pakai)だけで、おまけにデベロッパーが値付けした権利金は平米当たり4千2百万ルピアというものまで出現して商人たちが入りたくても入れない状況を自ら招いている。
インドネシア産のハーブを使ったジャムゥやコスメティックの生産者であるムスティカラトゥは全国の在来パサルを製品販売網の柱にしていた。しかし販売の7割が在来パサルでのものという時代を超えていまや販売量は在来型パサルとモダンマーケットが半々となり、シェアは逆転の方向に向かっている。その現象が現在のインドネシア小売セクターの状況を映し出している鏡であることは言うまでもない。モダンマーケットでの販売はさまざまな条件と費用徴収が課されてコスト高になるが在来型パサルではそんなものがないため単価の設定に大きい自由度がある。それだけ廉価に販売できる潜在性を持ちながらも在来型パサルは衰退の道を歩んでいる。同じ商品をモダンマーケットより廉く販売できるチャンスが在来型パサルにはある。もしそれが現実のものになれば、去って行った消費者の一部を呼び戻すことさえ不可能ではあるまい。しかしショッピング環境の問題だけでなく、価格の問題にしても、不透明な小売価格やタワルムナワル(値切り交渉)の習慣、そして消費者をごまかしてでも高く売りつけようとする在来型商店やパサル商人たちのメンタリティを嫌って去って行った消費者たちがそう簡単にモダンマーケットから離れるとは考えにくい。総合評点をつければ、やはり在来型マーケットに相当深い根本的変化が起こらなければモダンマーケットとの実力勝負で五分五分の太刀打ちは無理なようだ。


「ハイパーマーケットは24時間営業しない」(2010年5月24日)
ブディオノ副大統領がモダン小売業界の営業時間規制無用論を唱えたことに関して国民から非難の声が湧き起こっているが、それよりもモダン小売業界自身が現状のあり方を欲していると表明している。2007年大統領規則第11号でモダン小売商店の営業時間は月曜〜金曜10.00〜22.00、土曜〜日曜10.00〜23.00、国民の休日は地元政府が定める、という内容が定められている。もちろん単発の許可を申請すればそれらの時間外でも営業することは可能で、ミッドナイトセールなどという催事も頻繁に行なわれている。一時、開店時間を朝9時にという要望がモダン小売業界から出されたことがあるものの、近隣の在来型商店のビジネスを奪うものだという轟々たる反対の声にかき消されてしまった。
ともあれ、モダン小売商店の多くはモールやショッピングセンターに入っており、その営業時間はモールやショッピングセンターの営業時間と密接に関連している。特別の催事でもないかぎり、深夜にモールにやってくるような客は数が限られており、ましてや早朝にやってくるような客はほとんどいない。消費者のライフスタイルが今のような形になっている以上、それに合わない時間帯に営業しても経費倒れに終わってしまう。ハイパーやスーパーマーケットはそんな条件を抱えており、24時間営業などとんでもないという雰囲気だ。ただしミニマーケットやコンビニエンスストアは条件が違っており、住宅エリアに近い立地条件とその周辺で営業している物売りや在来型商店の中には24時間営業を行っているところも多く、同じモダン小売商店でも同列に論じることができない。どうやら副大統領の意見は空論に終わりそうだ。


「ジャカルタの小売スペース賃貸は低調」(2010年5月25日)
2010年第1四半期のジャカルタ都内ショッピングセンター小売スペース賃貸料金は2009年第4四半期から10%ダウンしており、空きスペースは20%に達している、とジョーンズラングラサールインドネシア役員が報告した。新しいショッピングセンターのオープンが盛んなためにショッピングセンターの間でテナント獲得競争が激しくなっているため、賃貸料金低下傾向は今後も継続するだろうと予想されている。具体的な賃貸料金については、2009年第4四半期が月額平米あたり45万ルピアであったのに対し、2010年第1四半期はそれが40万ルピアになっている。この状況は2011年まで変化しないだろうというのが同役員の予測だ。一方賃貸スペース入居率は前四半期の75%から第1四半期は79%に上昇した。
しかしカッシュマン&ウェイクフィールドインドネシアは、デベロッパー業界が小売スペース供給を遅らせて現状のスペース入居率をアップさせようと図っており、供給増加率は2008年の10.7%から2009年は10.3%そして2010年は一気に5.7%に低下するだろうと見込んでいる。デベロッパー業界は現在着工しているショッピングセンターを2011年から2012年にかけて完成させる意向であり、今年ジャカルタで完成が予定されているメインの物件はグランドパラゴン・エピセントラムウオーク・ガーデニアブルヴァール・マンションアットクマンなどのスーパーブロックが主体になったものだそうだ。純然たるショッピングセンターとして今年オープンするのはガンダリアメインストリートとあとはタナアバンのブロックBおよびメトロタナアバンという拡張プロジェクト程度とのこと。
インドネシアショッピングセンター運営者協会会長は、運営者側はテナント誘致の目的で賃貸料金を低くする手法を取っており、入居率は卸売りセンターで79%、ショッピングセンターで89%というレベルで全国的に80%となっている、と語っている。ただし新規オープンしたモールのテナント入居率はかなり悪いとの同会長の弁。


「スーパーマーケットの前途は暗澹」(2010年5月26日)
2010年第2四半期の小売セクターは活況を呈するだろうが、消費者のライフスタイル変化によってスーパーマーケットの発展は難しくなっており、また在来型商店はミニマーケットにビジネスを奪われて停滞するだろう、とリテールビジネスオブザーバーが表明した。「2008年以来のグローバルクライシスが回復し始めており、経済状況が上向き出したことから小売セクターは活況を見せるだろう。商業セクターとホテルレストランセクターを合わせると今年第1四半期は9.3%成長しており、経済成長の駆動力となっている。
小売セクターで発展が続くのはハイパーマーケットとミニマーケット業界で、スーパーマーケットは中途半端なために消費者の志向にフィットしなくなっている。ハイパーマーケットは同じ商品がスーパーより低価格であり、品揃えが豊富で食品から非食品に至るワンストップショッピングをオファーしていることから消費者はその至便性に惹かれている。アッパーミドルとロワーミドルに分化した消費者のうち、アッパーミドル層はハイパーマーケットでの買物を頻繁に行い、ロワーミドル層はミニマーケットを訪れていて、スーパーマーケットはその双方から見放されつつある。ロワーミドル層は従来の在来型商店からミニマーケットに訪問先を変えている。ミニマーケットには在来商店で売られていない商品があり、また定価表示販売なので価格がはっきりしたものを買うという安心感がある。ミニマーケット業界ではインドマルッ(Indomaret)とアルファマート(Alfamart)が積極的に販売網拡大を行なっており、その両者は競争状態に入っている。その証拠にインドマルッが出店しているエリアにはほぼ必ずアルファマートも店を出している。ミニマーケットが消費者をひきつけるのは、店へのアクセスの便利さ、ベーシックな日用品がかなり豊富にそろえられていて日常生活で突発的に入用になった品物をいつでも入手できること、店内が衛生的でスタイリッシュであることなどの要因による。」オブザーバーはそう小売業界の状況を解説している。


「シンガポールで消費されるインドネシア産野菜はほんのわずか」(2010年5月31日)
シンガポールの野菜マーケットは大部分が輸入品で占められており、年間輸入量は46万1千トンにのぼる。一日当たり消費量は1千トンを超えているわけだが、供給量の半分近くをマレーシアが占めており、さらに中国からの輸入を加えると7割に達する。インドネシアからの輸出はわずか6%しかなく、品質と価格で上の二国に負けているのが実情だ。生産地との距離を比較するとインドネシアがもっとも大きい地の利を持っているというのにその実態はきわめて皮肉である、とインドネシア野菜果実輸出者協会会長はコメントしている。
フロスト&サリバンが2010年に報告した野菜供給国別比率は次のようになっている。
マレーシア 43%
中国 28%
インド 6%
インドネシア 6%
オーストラリア 5%
アメリカ 3%
ベトナム 3%
タイ 2%
その他 4%


「小売販売が復調」(2010年6月4日)
2009年はグローバルクライシスのために消費者が買物プアサを行なったが、2010年は猛然たる消費意欲が復活した、とニールセンインドネシアが報告した。2010年1〜4月の日用消費財小売総額は9兆ルピアに達し、前年同期比で8%アップした。特に対前年比で大きく伸びたのはパーソナルケア製品やライフスタイル商品で、とりわけ自動車は74%も金額が上昇している。飲食品小売販売は64%の増加だ。
今年の消費者行動で目立つのは購入物品の大型化高品質化で、たとえば食用油2リッターパックの売行きが37%アップしたように大型パックは全体で16%増え、中型は7%ダウンし、小型は3%低下した。大型パックを購入することによって消費者は単価当たり支出を節減する利口な買物を行なっている。家庭用品は対前年同期比12%、パーソナルケア製品は20%、医薬品は4%それぞれアップしている。
なおモダン小売業界の躍進が著しいものの全国に広がっている在来型小売業界の売上は依然としてマジョリティを占めており、モダン小売業界売上は18%のシェアであるとのこと。全国に小売店は2百万店あり、モダン小売店は1万5千店にすぎない。そしてモダン小売店の6割がミニマーケットで占められている。


「8月に物価値上がり」(2010年6月11日)
2010年4−5月のモダンマーケット発注量は増加が見られず、6−7月の学年末休みシーズンも同じ状況が続くものと思われるが、8月になるとモダン小売店では10〜15%の商品価格値上がりが起こるだろう、とモダンマーケットサプライヤ協会会長が明らかにした。
その値上がりは電力基本料金と補助金なし12キロボンベ入りLPGの値上がりによって生産者のコストがアップするために起こり、コストアップが価格に転嫁されて小売段階までそのまま持ち越されることによるものである由。生産者の中には、ビーフンや缶詰食品業界のように既に10%値上げを実施したところもある。
小売業者協会会長も同じ内容の話をしており、生産者−流通業者−小売店という流れの中で生産者段階でアップする10〜15%のコストがそのまま消費者の手元にまで転嫁されていくだろう、との予測を語っている。
モダンマーケットサプライヤ協会によれば、現在全国にモダンマーケットサプライヤは4千社ほどあってその大半は国内生産品を扱っており、輸入品サプライヤは多くて160社程度である由。その輸入品サプライヤ160社間の競争は熾烈をきわめており、新規にこの業界に入ろうとする事業者はよくよく周到なビジネス戦略をひっさげて臨まなければ長続きしないだろう、とサプライヤ協会会長はコメントしている。2010年1月にはじまったアセアン=中国自由貿易協定でサプライヤが激増するとは考えにくいというのが同会長の見解だ。
モダン小売業界は国民消費者のショッピングライフスタイルを一変させた躍進著しいセクターであり、来年はCTコーポレーションがミニマーケット業界に新規参入することを公表している。モダンマーケットサプライヤ協会はそんな成長の渦中にあるモダン小売店市場にぴったり寄り添って繁栄を謳歌しており、今年の業界売上は対前年比で20%増になるだろうとの業績予測を述べている。


「国内自動車市場は時限爆弾を抱えている」(2010年6月14日)
2010年販売台数65万台を目指して積極的な拡売態勢に入っている四輪自動車生産者業界のディーラー向け販売台数がディーラーの実売を1万4千台も上回っていることから、それが将来の時限爆弾になるのではないか、と不安視する業界者もちらほらと出はじめている。2010年1〜5月の月別生産者販売台数とディーラー販売台数の実績比較は次の通り。
1月 52,831台 ⇒ 49,956台 (卸台数 ⇒ 小売台数)
2月 55,688台 ⇒ 52,463台
3月 65,555台 ⇒ 63,376台
4月 65,232台 ⇒ 60,770台
5月 60,690台 ⇒ 59,210台
合計 299,996台 ⇒ 285,775台
ほとんどのメーカーが2010年に入ってから製品の流通在庫を増やし始めたのは、活況を呈しているマーケットで在庫切れのためにシェアが低下するのを防ぐことを主目的にしたもので、流通在庫の回転を高めるためにも各社はこぞって低金利ローンやさまざまな魅力的パッケージをオファーして販売増に努めている。
2010年1〜5月のメーカー別流通在庫増加状況を見ると、トヨタ1,882台、ホンダ743台、いすゞ910台、スズキ4,160台、三菱5,343台で、唯一ダイハツがその期間ではメーカー出荷台数よりディーラー小売台数の方が多く、流通在庫は減少している。それはメーカーの生産者販売台数は小さいが小売ベースでは多いということを意味しており、ダイハツ関係者はいま生産者販売台数で二位の三菱よりも小売実販はダイハツのほうが多く実質二位である、と表明している。たしかに小売実販はダイハツ43,106台、三菱37,930台でダイハツに軍配が上がる成績だ。
現在市場はまだ安定した金利率と高い資金流動性に支えられており、各社は猛然たる販売合戦を展開している。根強い四輪自動車需要が消費者寄り経済情勢の風に乗って開花しているという状況にある。しかし今年下半期に政府が経済引締めに向かうであろうことを予測している業界者もいる。市場が冷やされたとき、膨らんだ流通在庫が市場を乱す時限爆弾になりかねない惧れをかれらは強く感じている。「今年第3四半期はそれでもまだルバラン販売シーズンのおかげで救われるだろうが、第4四半期には悪くすると市場での投売り合戦が発生する懸念が強い。」業界者のひとりはそう不安を表明している。


「サリロティ」(2010年6月16日)
Sari Rotiブランドのパン製造会社PTニッポンインドサリコルピンドTbkが株式の15%を一般公開する。インドネシア最大の製パン会社、ニッポンインドサリの株主はサリムグループがマジョリティを持つトレジャーイーストインベストメントが40%、ボンライトインベストメンツ34%、双日株式会社8.5%、敷島製パン株式会社8.5%などとなっている。
ニッポンインドサリはこの株式一般公開で2千から2千5百億ルピアの資金を集め、スマランとメダンに新工場を設けて現在ある西ジャワ州チカラン工場と東ジャワ州パスルアン工場の担当エリアから中部ジャワを切り離し、それぞれの工場に緻密な市場戦略を推進させる計画。スマラン工場は食パン6万パック、菓子パン20万個の日製能力を擁する大型工場が予定されている。
同社の2009年業績は売上高4,859億ルピアで2008年から27%アップし、純利益は571億ルピアで対前年比35%増となっている。


「音楽塾ビジネスは上り調子」(2010年6月23日)
ここ数年、国民の音楽熱が顕著に高まっている。テレビでスター登竜門番組が増えていることもその傾向を煽っている要因のひとつにちがいない。いまや、だれでもスターになれる時代になっているのだ。だから消費者は自分の音楽能力を高めようと考え、そこに音楽教育訓練の需要が生じる。その需要をビジネスチャンスととらえる事業家が出てくるのは当然だろう。
レコーディング・音楽出版・アーティストマネージメントなどをメインのビジネスにしているPTナガスワラサクティは音楽塾を開く計画だ。20〜25人を一クラスとするミュージシャン養成塾というのがその構想で、チブブル地区に2千平米の規模を持つナガスワラミュージックセンターを2012年開校する計画。そこではミュージシャンの卵を養成するのと並行してワークショップ・音楽クリニック・スタジオ録音などの諸活動を行い、インドネシアの音楽シーンの幅を広げる一拠点にしようという目論見だ。
ジョクジャのノンフォーマル教育機関プリマガマも音楽学習コースを設けることにして5月に生徒募集をしたところ、申込者は2百人に達した。音楽学習コースはボーカル・ギター・ベース・ピアノ・バイオリン・ドラムなどの諸部門に分かれており、月謝はひと月一部門50万ルピアとのこと。にもかかわらず低所得層家庭の子供もたくさん申し込んでいる。中には親の職業がベチャ曳きという申込者もあったそうだ。


「今年の6〜8月は小売シーズンピーク」(2010年6月28日)
小売業界はこの先3ヶ月間の売上急騰に備えて商品在庫を倍増させている。小売事業者協会は6月から8月までの3ヶ月間に売上の大幅アップが見込まれ、2010年の業界売上目標100兆ルピアにその3ヶ月は大きい貢献をするだろうと予測している。それは、その3ヶ月間にルバラン・学年末休み・新学年の三つの拡売モメンタムが集中するからだ。
協会会長はその3ヶ月間で年間売り上げ目標の50〜60%が達成されるだろうと予測しており、中でもファッション製品がそのうちの50〜60%を占めるものと見ている。業界はその3ヶ月間に半年分の売上を求めて、時間をかけて準備を進めてきた。その時期の在庫量についてもサプライヤーとの打ち合わせはずっと以前に済ませている。
今年5月までの小売販売は対前年同期比で10〜15%の上昇を示した。食品および非食品の両カテゴリーとも同じような成長率になっている。クライシスを乗り越えた経済状況の好転と市場誘導的な政治情勢が継続しており、多くの業者が2009年に計画していた新店舗開設を2010年に延期したことも今年の業績向上に寄与している。その業績は60%が首都圏外、40%が首都圏内からの貢献によるものだそうだ。首都圏外では一店当たりの売上は小さいが膨大な数の店舗があり、反対に首都圏内は店数が圧倒的に少ないもののショッピングする消費者の数が膨大だという特徴がある。
またモダン小売セクターで販売されている商品の90%は国産品で、デパートではそれが更に95%と高い。残る5%は輸入もののコスメティック・靴・玩具などである由。


「フランチャイズセクター業界絵図」(2010年6月30日)
フランチャイズセクター業界誌Majalah Info Franchiseが最新の業界図を報告している。フランチャイズセクターには同じようなビジネスネットワーク拡大手法を用いているもののフランチャイズとしての条件を満たしているものとそれを満たしていないビジネスオポチュニティの両方が含まれている。フランチャイズは100社、ビジネスオポチュニティは800社ある。
業界売上トータルは2008年81兆ルピア、2009年95兆ルピアで、2010年予想としては114.6兆ルピアが見込まれている。そのうちの42.6兆ルピアを飲食品販売業が占め、ミニマーケット業は26.5兆で不動産ブローカー19.8兆、宅配便・貨物発送7.9兆、教育6.4兆といった順位になっている。同誌が分類したサブセクターは上であげたもの以外に美容・保健・ファッションとアクセサリー・自動車の8つに分類されている。
2009年の業種別売上実績は次の通り。
ミニマーケット 21兆ルピア
不動産ブローカー 15兆ルピア
フライドチキン 10.9兆ルピア
貨物発送 6.8兆ルピア
ドーナツ 5.9兆ルピア
ピザ 3.4兆ルピア
パン 2.5兆ルピア
コーヒーショップ 2.5兆ルピア
バーガー 2.5兆ルピア
ティーショップ 1.7兆ルピア
伝統食品 1.7兆ルピア
内外資本という面から見るなら、フランチャイズの外資はおよそ100ブランドあって売上の38%を占めており、国産フランチャイズは残る62%を占めている。2009年のこの業界の雇用は61万人にのぼる。


「サシェット入りシャンプーが大幅な伸び」(2010年6月30日)
インドネシアの消費者は小分け包装されたサシェット入りシャンプーを購入する傾向が強まっていることをニールセンインドネシアが報告している。2010年第1四半期のサシェット入りシャンプーは対前年同期比33.2%の伸びで、2009年第1四半期の対前年同期比30.6%をさらに上回った。一方ボトル入りシャンプーは2009年第1四半期が対前年同期比6.9%、2010年第1四半期の対前年同期比は7.1%で、伸び率に大きな差がついている。


「印刷関連用品はトゥブッ市場へ」(2010年7月1日)
躍進目覚しいモダンマーケットに在来型市場が対抗するには特定商品に特化することが必要であり、全国パサル商人協会は今後その方針を推進して行く所存である、と同協会事務局長が表明した。特化のできている市場のモデルとして事務局長は南ジャカルタ市トゥブッ(Tebet)市場をとりあげ、トゥブッ市場は印刷関連用品が広範囲にそろっている市場であり、そのジャンルで必要なものを探す消費者はそこへ行けばあらゆるものが手に入るため都内のみならず首都圏一円から買物客を集めている、と説明した。
事務局長は更に続けて、商業省は国民消費者が在来型市場へひと月26回、モダンマーケットへは月に4回訪れていると認識しているが、それは正しくない、と批判した。ニールセン調査によると、インドネシアの消費者は在来型小売店を月に23回訪れており、モダン商店を生鮮品の購入場所にしている消費者は8%に満たない。生鮮品購入に関してインドネシアの消費者は月12回ウエットマーケットを訪れており、これはマレーシアの8回より多いもののタイの17回よりは少ない。
インドネシアの小売店舗数は在来型が99%を占めているとはいえ概して売り場面積が小さく品揃えも狭いために一店当たり売上は小さい。反対にモダン小売店の中にはあらゆる商品を取り揃えている超大規模の店があり、消費者の衝動買いを誘うことも手を貸して一店あたりの売上は巨大な金額になっている。


「ネットショップビジネスは有望株」(2010年7月7日)
インターネットを利用した小売ビジネスは今年5割成長するだろう、とニールセンインドネシアは見ている。ネットショップ紹介サイトindoshopguide.comに登録されているオンラインショップは139ユニットで12カテゴリーに渡っている。その業界の老舗としては、家電品家庭用品分野でwww.glodokshop.comやwww.glodokelektronik.com、衣料品分野ではwww.egrosir.comやwww.kaosmania.com、日常食材分野でtokosembako.com、書籍はwww.beli-buku.comなどといったところが有力なようだ。コンピュータ関連機器分野のwww.bhinneka.comは国内ビッグ100インターネットサイトに入っている。またフェースブックなどの社会ネットワークサイト内でも小売販売オファーは盛んに行なわれている。
インターナショナルデータコーポレーションの調査によれば、インドネシアのネットショップ市場は30兆ルピア規模とのこと。現在3千万人いるインドネシアのインターネット利用者は今後もどんどん増加することが見込まれており、それに伴ってオンラインショップ市場も一層拡大するものと見られている。


「カルフルが損害賠償」(2010年7月16日)
2008年12月に南ジャカルタ市ルバッブルスのカルフルへ買物に来た客が駐車場に停めた車が盗まれた事件で、被害者はカルフルを南ジャカルタ地裁に告訴した。裁判が開始されたあと、2010年6月末に開かれた調停協議で原告と被告の間に和解が成立したため、原告は告訴を取り下げることにした。
被告側は原告アフィファ・デウィに対して損害賠償金を支払うことに同意したため、原告側法律代理人ダフィッ・トビンはこの告訴を取り下げる手続に入っていると記者団に説明した。損害賠償金がいくらなのかについては明らかにされていない。


「即席麺を買い溜めするひとは少数派」(2010年7月17日)
消費者がどこでインスタントラーメンを買っているかということに関するサーベイをニールセンインドネシアが2010年半ばに行なった。国内5大都市で1,781人から集められた回答を集計したところ、49%の回答者が在来型小売店でインスタントラーメンを買っていることが明らかになった。次いでミニマーケットが24%、スーパーマーケット16%、ハイパーマーケット8%という配分で、住宅地に近い場所にあるワルンやキオスなどの売店あるいはやはり住宅地に近接しているミニマーケットで買う人が四人のうち三人という結果を示している。自宅に近い店でこまめに買っているひとはあまりカートン買いをしないようだ。


「特定5品目の輸入が急増」(2010年7月19日)
政府が特に輸入を統制している家電品・衣料品・飲食品・履物・玩具の特定5カテゴリーアイテムは2010年6月の輸入高が5月から倍増した。
カテゴリー: 2010年5月 ⇒ 2010年6月 (数字は米ドル)
家電品: 2億4,596万 ⇒ 5億2,771万
衣料品: 985万 ⇒ 1,390万
飲食品: 1,734万 ⇒ 2,229万
履物: 1,323万 ⇒ 1,321万
玩具: 576万 ⇒ 747万
合計: 2億9,215万 ⇒ 5億8,457万
2010年上半期合計は21.6億ドルに達しており、2009年間実績28億ドルはほどなくオーバーされることになりそう。
飲食品以外のすべてのカテゴリーは中国からの輸入が大部分を占め、飲食品だけはマレーシアが健闘している。家電品事業者連盟会長は家電品輸入の激増について、生産者が製品輸入者に変身し、加えて多数のトレーダーたちがこのビジネスに新規参入してきたのがその原因だろう、と分析している。
「アセアン=中国自由貿易協定で関税免除恩典を利用しようとする傾向が強まっており、特に高額商品の大きい価格低下幅をメリットに市場に切り込む販売手法が増えていることから、輸入金額が激増した割りには数量が比例していないと思われる。普通6月は消費者が資金を子供の新学期費用にまわすため市場がダウンする時期であり、だから6月の輸入増が市場での需要上昇に直結したものだという見方は当たらないと思う。ワールドカップを見るためにテレビが売れているのだという話は6月の輸入状況に結びつけにくい。それは5月に起こるべき話だ。6月の輸入増は新規トレーダーの参入による結果ではないだろうか。」家電品事業者連盟会長はそうコメントしている。


「在来型商店の底力」(2010年7月22日)
ニールセンインドネシアが国内5大都市で行なった最新調査によれば、ウイークデーの就業時間外ショッピング場所として消費者が選んでいる店舗の中では在来型商店がもっとも多かった。回答者の選択傾向は次のようになっている。
在来型商店 63%
ミニマーケット 61%
ハイパーマーケット 49%
スーパーマーケット 48%
ウイークデーの夜に買物をする場所はやはり自宅に近いところにある、夜中まで開いている店ということのようだ。


「今年の携帯電話器市場は3千5百万個」」(2010年7月23日)
携帯電話を通してインターネットを利用する消費者は1億人にのぼるだろうと業界関係者が予測している。国内の地方都市や農村部、そしてインドネシア東部地方の消費者にとって携帯電話はその人生ではじめてテクノロジーに触れる接点をもたらすものであり、テレビ・インターネット・電話・ゲームなどの娯楽が携帯電話を通して体験され且つ享受される。かれらの大半は家に固定電話回線が来ておらず、デスクトップコンピュータに接する機会もほとんどなく、ビデオゲームもましてやテレビ受像機すら身近にないひとびとなのだ。
そんな市場に向かって、携帯電話器という端末にどんなコンテンツを送り込むのか、これは実に巨大なビジネスチャンスとして活用できるものである、とローカル携帯電話ベンダーPTスカイビーCEOが表明した。「利用者は日常的にインターネットにアクセスしてチャッティングやニュース、ゲーム、写真、ビデオ、GPS、テレビ、バンキング、そして脈拍数まで測定するだろう。今年携帯電話器市場は3千万から4千万個に達するものと思われる。」
ヤフーインドネシアのカントリーマネージャーは、インドネシアのネット利用者はきわめて幅広く活発にさまざまなサイトにアクセスしている、と語る。「社会ネットワークサイトやゲームオンラインへのアクセスが活発だ。ゲームオンラインアクセス者数はアメリカに次いでインドネシアが第二位にいる。ネット利用者がアメリカは2億6千万人、インドネシアは3千万人という分母でのその実態はインドネシアの活発さを十二分に物語っている。」
PTスカイビーは最近デジタルTVフィーチャーの付いたニューモデルを発売した。現在インドネシアの携帯電話器市場は7割が100万ルピアを切る価格帯で占められており、今年同社はそのセグメントで60万個の販売を計画している。


「大戸屋が新店舗開設に意欲」(2010年7月23日)
大戸屋がインドネシアに進出して2年が経つ。2013年までに都内のショッピングモールで10店を開くのがPT大戸屋インドネシアの現在の目標だ。一店のオープンにおよそ30億ルピアの投資が必要だが、4年で投資回収が可能だそうだ。インドネシアの都市住民は今では外国の食品にあまり抵抗を持たず、積極的に受け入れている。日本食はインドネシアでひとつのトレンドになっており、売行きは好調だとPT大戸屋インドネシアのオーナーは語っている。大戸屋プラザインドネシア店では、週日は150〜200人、休日は300人が来店している、とのこと。


「国際モーターショーが閉幕」(2010年8月2日)
2010年7月23日から中央ジャカルタ市クマヨランのJI Expoで始まった第18回インドネシア国際モーターショーは大好評の内に8月1日閉幕したが、今年のショーにはローカル産のユニークなマイクロカーが展示されて来場者の関心を集めた。そのひとつがPT Super Gasindo Jayaの生産するTawon。
タウォンは650ccエンジンを搭載したマイクロカーで、乗用車タイプとピックアップ車タイプの二種類が用意され、ジャカルタのオンザロード価格は一台4千8百万ルピア。生産者はジャカルタで三輪バジャイの後釜を狙ったがいつまでたっても認可が下りず、結局カンチルの二の舞になってしまったため、運送事業用車両マーケットへの参入はあきらめたようだ。
もうひとつはオフロード車のKomodo。西ジャワ州チマヒにあるPT Fin Komodo Teknologi社工場で生産されているコモドは250cc4ストロークのガソリンエンジンを搭載したオフロード車で、ボディはたいへん軽量に作られているためガソリン消費は小さい。森林のような道路のないエリアで100キロを6〜7時間で走破し、ガソリン消費はわずか5リッター。20リッター入りガソリンタンクが備え付けられているので、満タンにしておけば4日間日中走行が継続できる。荷物運搬は250キロまで可能であり、未開地のサーベイなどに威力を発揮しそう。この車はまた平衡性がたいへん高く、横転はほとんど起こりえない、と生産者はコメントしている。この車の価格は一台6千万ルピアとのこと。


「モーターショーが閉幕」(2010年8月4日)
2010年7月23日から8月1日までの10日間中央ジャカルタ市クマヨランのJI Expoで開催された第18回インドネシアインターナショナルモーターショーは連日盛況のうちに閉幕した。主催者のGaikindo(インドネシア自動車産業連盟)は今回のショーの目標として、来場者数26万人、成約件数7千台総額2兆ルピアという数字を立てたが、いざふたを開ければ入場者総数27万9千人、成約件数1万台超で総額2.493兆ルピアという目覚しい成果が実現していた。自動車販売シーズンのひとつのピークであるルバランを間近に控えたタイミングと、ショーや展示会では特別割引が通例になっているという地元の慣習のおかげで今年のモーターショーは目覚しい販売が達成された。全23自動車メーカーが出展した今年のショーでの主要メーカーの販売台数は次のような結果になっている。
トヨタ 4,474台
ホンダ 1,273台
スズキ 633台
三菱 530台
ヒュンダイ 466台
ダイハツ 360台
いすゞ 240台
KIA 151台
BMW 111台
ガイキンドは今年のショーを自動車産業界における環境保護テクノロジーの紹介と啓蒙のための場と位置付けたが、国内消費者の自動車に関する環境問題の理解はまだ燃費効率の良さや低汚染排気ガスといったあたりに意識が集中しており、各メーカーの思想と完全にフィットしたかどうかは疑問が残るとガイキンド会長は評している。そのため会場では各メーカーのシティカー・ハッチバック・小型MPVなど小排気量で燃費のすぐれた車種に来場者の関心が集まっていた。
トヨタ車が前回のショーで販売した2千1百台の2倍を上回る販売を記録したことについてオート2000のCEOは、ルバラン前というタイミングのおかげであり、従来消費者はルバランの1ヶ月前から自動車購入に向かっていたが昨今は2ヶ月前から購入を開始するトレンドに移行してきている、と述べている。
一台でも多く成約をという通例の姿勢を各社は旺盛に示し、購入者に家電品を景品に付けたり、分割払いの頭金を10〜15%に落とし、低金利率を適用し、そして価格の割引までつけるという大盤振る舞いを行なった。ただし新発売モデルに割引をつけたところはない。たとえばトヨタのつけた割引は、アバンザで2〜4百万ルピア、ヤリスで1千5百万ルピア、カムリは1千万ルピア、ヴィオスは5百万ルピアといった魅力的なものだった。


「ケチャップマニス購入場所」(2010年8月5日)
ジャワ島でケチャップと言えば一般にはケチャップマニス(kecap manis)を意味する。この甘いケチャップマニスはジャワ人の味覚になくてはならないものだ。ニールセンインドネシアが全国5都市の消費者1,781人から集めた統計によれば、ケチャップ購入を在来型商店でおこなっているひとは49%を占め、スーパーマーケット18%、ミニマーケット17%、ハイパーマーケット10%という比率のモダン小売店を圧倒的に引き離している。


「チトスでひったくり被害に」(2010年8月5日)
2010年6月6日付けコンパス紙への投書"Keamanan di Pusat Perbelanjaan bergengsi Minim"から
拝啓、編集部殿。南ジャカルタ市チランダッタウンスクエア(Cilandak Town Square)のマタハリデパート内フードマートで買物するひとたちは、ひったくりが狙っているので十二分に警戒してください。加えてそこは保安設備も要員もほとんど用意されていません。
2010年5月13日16時ごろそのスーパーマーケットの入り口に近い果物売場で買物していたわたしは不慮のできごとに襲われました。わたしはバッグを買物カートに置いて果物の重さをはかってもらっていました。ところがほんの数秒の間にわたしのバッグがなくなったのです。取ったのはTシャツ姿のきちんとしたかっこうをした三四十歳くらいの男性でした。わたしはその男を追いかけ、その男も走り出したので叫びました。でも警備員のだれひとりとして反応を示し、その泥棒を捕まえようとする者はいませんでした。それでわたしは警備員チーフとストアマネージャーに届け出ました。かれらはただ謝罪するだけでまったく責任を取ろうとしません。
結局わたしは、ひとりもフードマート従業員に付き添われないまま警察に届け出ることになりました。あれほど高級な場所で営業しているフードマートほどの店の警備ファシリティは似ても似つかない内容だったのです。監視カメラもなく、店内警備員もほとんどいませんでした。[ ジャカルタ在住、ユニアルティ ]


「ショッピングセンターのスペース稼動が上昇」(2010年8月13日)
2010年第2四半期に入ってショッピングセンターのテナント占有率が上昇したことを不動産コンサルタントのプロコンインダが明らかにした。新規の増加は小規模小売店が大半で、カルフル・ブリッツメガプレックス・ファーマーズマーケット・セラブリティフィットネスなど広い床面積を占めるテナントが主流だった第1四半期と様相を異にしている。第2四半期にショッピングセンターの新規オープンがなかったことから、残りスペースを埋める小規模小売店が大半を占めたのがその理由であるとのこと。
第2四半期のテナントスペース稼動率は80.2%で、2011年初はいくつかの新築ショッピングセンターがオープンするため稼働率は82〜83%に上昇するだろうとプロコンは予測している。


「クレジットカードフロード」(2010年8月16日)
スターバックスコーヒー店でクレジットカードで支払いを行なった客の中にフロード被害を受けた者が少なからずいたことが明るみに出た。首都警察は2010年7月19日に行った記者発表の中で、スターバックスの南ジャカルタ市トゥブッ(Tebet)店で勤務する正社員のDが来店客のクレジットカードを悪用してシンガポールから電子機器を購入し、国内で売り払っていたことを明らかにした。国立大学卒の学歴を持つ26歳のDは客が使ったクレジットカードの本人データと検証番号をメモしておき、あとでシンガポールのアップルストアにインターネットで商品を発注するといった犯行を二年間にわたって続けていたようで、その間にDが得た金額は数億ルピアにのぼるものと推測されている。
Dの犯罪は東ジャカルタ市MTハルヨノ店に勤務していたころ始まったと見られ、警察はDの居所でスターバックスMTハルヨノ店キャッシャーのクレジットカードデータストリップ32片、アップルストアからのアイポッドの入った包装箱やインボイス、コンピュータ一式や携帯電話などの証拠品を押収した。 この事件でスターバックスのインドネシア国内事業ライセンスを持つPTサリコフィーインドネシアの販売マネージャーは、「Dは警察から出頭命令が来たときは当社の正式社員だったが、今はもう社員でなくなった。全国81店に勤務する1千人の従業員を代表するシンボルにDが使われることはわれわれの望むものでなく、Dの行なった犯罪は他の1千人従業員のハードワークと誠実さとは縁もゆかりもない、D個人のものである。」との声明を出した。Dは職務上キャッシャーの後に入って客の支払データにアクセスする機会を持っていたため、Dは個人的にその立場を悪用したのだ、とスターバックス側は主張している。


「電力料金格差」(2010年8月19日)
PLNがモールから徴収している電力料金の格差を政府が早急に是正しなければ、モールで職を得ている勤労者のうち24万人が失業の憂き目に会うだろう、とインドネシアショッピングセンター運営者協会会長が表明した。その格差というのは、2008年以前に稼動を開始したモールに対するPLNの電力料金請求は平均ひと月21.7億ルピアで、一方それより後に新しく稼動を始めたモールに対する請求ははるかに高い44.2億ルピアで開始され、53.6億ルピアへと上昇していくというもの。
PLNは限りある電力生産をより広範な国民に供給することをはかって大口利用者から抑制課金を徴収する方針を数年前から開始したが、2010年鉱エネ相規則第7号の中に、古いモールと新しいモールへの異なる対応が指示されている。その結果古いモールには6.4億ルピアが課される一方、新しいモールからは11.3億ルピアが徴収されるという不平等が行なわれ、新しいモールは経費節減をはかってその政策に対応する立場に追い込まれた。その対応の中にはもちろん人件費削減も含まれており、解雇の発生は避けられない。
新しいモールで弱小経済層に売場を提供しているところは痛いパンチを受けている。たとえばブロッケム(Blok M)スクエアがそのひとつで、ブロッケム地区内のカキリマ商人たち3千人を収容したブロッケムスクエアもスペース賃貸費用を引き上げざるを得なくなった。カキリマ商人たちは一斉に猛反発したが、モール運営者の説明を聞いたあと、今度はPLNにデモをかけることに方向転換したそうだ。
現在ジャカルタにはモールが67軒あり、そのうちの11軒が電力料金格差を蒙っている。モールはだいたい3〜4千人を雇用しており、モール自身が雇用者の解雇を迫られていることに加えて、モールテナントの賃貸費用負担が電力料金格差の影響で相場より高いものならないはずがなく、新規テナントが古いモールを選択するばかりか現在いるテナントまでが古いモールに移ることを考え始めている。
この電力料金格差の影響でモールはテナントに課しているサービス・メンテナンスチャージの引上げを開始した。10時から22時まで営業しているモールは10.3%の値上げにPPNとPPhを加えて12.4%アップ、10時から18時まで営業のモールは20.1%値上げにPPNとPPhを加えて24.1%アップ、10時から22時まで営業で自家発電を混用しているモールは12.3%アップにPPNとPPhを加えて14.8%アップになっている。


「オンラインショッピングは上り調子」(2010年8月20日)
消費者の70%がこの先半年間にインターネットオンラインショッピングを行なう意思を持っていることをニールセンインドネシアが報告した。このリサーチは2010年3月から3ヶ月かけてアジアパシフィック諸国の2万7千人を対象に行なわれたもの。インドネシアの消費者はショッピングのための支出の10%程度をネットショッピングに当てる意向であり、この傾向はマレーシア・ベトナム・フィリピン・タイと似通っているとのこと。アジア諸国の中でのネットショッピング実施度合いは韓国の消費者が59%でトップ、二位は中国で41%だとニールセンは報告している。
アジアパシフィック地域の消費者はこの先半年間で書籍を購入する予定を持っているひとが52%いて、その次は44%が衣服履物、32%が家電品というのが購入対象商品の順位。インターネットで書籍を購入しようと考えているひとはインドネシアでも一番多く、中でも男性は34%にのぼって他の商品を圧倒している。国別に見ると韓国で67%、インドネシアは38%で第7位というのが書籍についての番付だ。しかし家電品の場合インドネシアの消費者はそう簡単に購入を行なわず、53%がまず参考情報を探した上で購入するかどうかを決め、41%は参考情報が得られなければ絶対購入しないと回答している。
化粧品の購入も比較的少なく、ネットショッピング利用者は10%程度でアジアパシフィック地域で14位にある。インドネシアの女性は49%が衣服アクセサリーの購入を考えており、次いで書籍43%、家電品は19%となっている。
インドネシアのネットショッピングでは書籍・CD・アクセサリーが購入商品のメインを占めており、購入商品の配達は宅配サービスが使われるが、支払方法は同一銀行での口座振替、指定口座へのキャッシュ入金、クレジットカード、ペイパル、デビットカードが使われている。過去3ヶ月間のそれらの方法の使用比率は44%・40%・35%・34%・20%という順位で、支払者の好みは逆にペイパル、デビットカード、口座振替、クレジットカードという順番になっている。


「液体洗剤購入はモダン小売店で」(2010年8月26日)
消費者の液体洗剤購入場所はミニマーケットがトップを占めていることをニールセンインドネシアが報告した。ニールセンインドネシアが最近首都圏・バンドン・スラバヤ・メダン・マカッサルの消費者1,781人から集めた回答によると、一番多かったのはミニマーケットで35%。二位はスーパーの33%、そしてハイパー18%、ワルン・キオスは14%となっている。つまりモダン小売店で買う消費者が86%にのぼっているということだ。


「中古車市場が新車に食われている」(2010年9月2日)
空前の好景気に沸く四輪自動車メーカーの盛況とは裏腹に、中古車販売業界は活力を欠いている。2010年初から販売量は増えているにはいるのだが、去年のような活気がない。年間最大のルバラン需要期を前にして、今年の伸びは小さいものになりそうだ、と業界者は言う。
今年の新車販売は各メーカーのきわめてアグレッシブな販売戦略が奏功して、中古車購買層をも吸収しているようだ。魅力的な割引・分割払い頭金の引下げ・低いローン金利率・・・。おかげで新車が買いやすくなっていることから、中古車購買層が新車に引きつけられている。中古車センターMobil 88の取締役は、昨年までは毎月の販売が15%の伸びを示したのに、今年は10%がいいところだ、と語る。「ラマダン月は国民の自動車需要が急増するのだが、今年は7月販売が1千台とすると8月は10%伸ばして1,100台がいいところだろう。今年はこの需要期に値上げすら行なえない。中古車が値上がりすれば購買層はますます新車購入に向かうだろうから。新車のアグレッシブな販売攻勢に対して中古車が打てる手は限られている。顧客サービスとして慰安ギャザリング、あるいは品質保証サービスそして自動車保険をサービスするくらいだ。」
今年の記録破りの四輪車生産者販売は中古車市場まで総ざらえしているようだ。


「ポリトロンが輸出拡大」(2010年9月16日)
Polytronブランドの家電製品を製造販売しているPTハルトノイスタナテノロギーは2011年第1四半期に中国に進出する計画。進出すると言っても製造拠点を設けるのでなく、広州に支店を構えて中国でのマーケティングを展開する構想。
ポリトロンブランド製品は既に32ヶ国に輸出されたが、船積が継続しているのはフィリピン・タイ・ミャンマ・UAE・スリランカ・バーレイン・インド・パキスタンだけ。その中で同社はフィリピンとタイに支店を設けて国内を中心にその周辺諸国まで含めた販売振興を推し進めている。更に中国への販売網拡大が次のステップに置かれたわけだが、海外に生産拠点を置こうとしないのは膨大な投資が必要になるためで、本社方針は投資を抑制しながら販売力をつけていこうとしているため当面はマーケティング部門が先行する、と同社広報担当は述べている。
ポリトロンはエアコン・洗濯機・冷蔵庫・ショーケースなど白物の低エネルギー消費製品を今後さらに伸ばそうとしており、投資はその分野に集中させている。ポリトロン製品は90%が国内販売で輸出されているのは10%。製品カテゴリー別売上はオーディオ製品が52%のシェアを占めている。ローカルコンテンツは総合的に55%とのこと。


「世界最大の中古車センター」(2010年9月17日)
ジャカルタ北部アンチョルドリームパークからほど近いところにWTCマンガドゥアがある。ジャカルタ中心部スマンギ立体交差にほど近いスディルマン通り沿いにもWTCがある。このふたつ、同じWTCというアクロニムを使っていてややこしいが、World Trade Centerはスディルマン通りのビルであり、マンガドゥアはWholesale Trade Centerが正式名称。
グヌンサハリ通りからマンガドゥア一帯にかけては大型商業ビルが林立するようになり、過当競争のおかげで集客状況は明暗くっきり。加えてジャカルタは往時の卸売りセンターブームが峠を超えてしまい、今ではファミリーエンターテイメントに徹したモールに完全にお株を奪われて衰退の谷間に落ち込んでしまった。WTCマンガドゥアもその例外ではない。その苦境から脱するアイデアはいま面白い方向に進んでいる。
ジャルムグループの子会社PTマルガサディヤスワスティはWTCマンガドゥアで中古車展示場を運営している。ビルの5つのフロアーを使ったこの中古車展示場には4百社の中古車ディーラーが入ってひと月1千5百台前後を売り上げている。同社はこの10月にもう2フロアー増やして3・3A・5・6・7・8・9の7フロアーに広げ、2013年までにG・UG・1・2の4フロアーをも展示場にして世界最大の屋内中古車センターを設ける構想を打ち上げた。11フロアーだと床面積は22万5千平米となり、現在世界最大と見られている中国の屋内中古車展示場をしのぐものとなる。アメリカには40万平米近い中古車センターがあるが、それは屋外なので比較の対象にならない。これはギネスブックものだ、と同社シニアマネージャーは述べている。
今年10月に2フロアー増えればディーラー数は5百社、展示車両台数は2千1百台。2013年には2009年の総販売高7千2百億ルピアを1.08兆ルピアにアップさせようと同社は大きい構想を描いている。


「ボデタベッ地区の経済成長」(2010年9月22日)
ジャカルタ周辺部でショッピングセンターが急速に増えていることをプロパティ販売コンサルタントが指摘した。ボデタベッ(Bodetabek = BOgor, DEpok, TAngerang, BEKasi)と呼ばれている、ジャカルタを取り巻くベッドタウンは住民購買力の向上につれてショッピングセンターの建設ブームに突入しつつある。
「ジャカルタで働く勤労者の多くはそれらベッドタウンの住民で、かれらの購買力上昇がジャカルタ周辺部のショッピングセンター需要を引き上げている。周辺地区が地元に多数のショッピングセンターを擁するようになれば、地元民の消費支出が高まって地元地区が新たな経済地区に成長するのを促す。ここ数年、ジャイアント、ハイパーマート、カルフルなど大手小売店はボデタベッ地区への進出に力を入れており、新規オープンしたショッピングセンターやモールに入ってビジネス拡張に努めている。南タングランのパムラン・チルドゥッ・チプタッ・スルポン、ボゴールのチブブル、ブカシはメトロブカシなどという新興経済地区が互いに競い合う形で成長を続けている。かつては周辺部住民が買物のために都内のショッピングセンターにやってきていたが、地元にショッピングセンターができたことでジャカルタまで遠出する必要がなくなり、都内にやってくる自家用車が減少するという副次効果が期待できる。また地元で買物をする消費者の増加によってジャカルタ周辺部に形成された経済エリアの成長が一層促されるようになる。」同コンサルタントはこの経済効果についてそのように分析している。


「四輪輸入完成車が大割引?!」(2010年10月8日)
2010年中盤は記録破りの四輪自動車販売となったが、ルバラン間近になって5・6・7・8月と張り詰めていた需要がスッと減退した。完成車を輸入しているメーカー以外の一般輸入者はその盛んな需要に煽られて発注台数を増やしていたため、いきなり減退した需要のおかげで過剰在庫に苦しむ破目に陥った。なにしろ5月以降はそれ以前から需要が倍増したのだから、注文量も大きく増える。注文してすぐに商品が手元に入るわけではないから、数ヶ月のタイムラグができる。その途中で需要が半減したら経営負担の増加は間違いなし。
自動車一般輸入者はインドネシア自動車輸入者協会(AIKI)を作って15社が加盟しているが、ショールームとサービス工房を持って輸入完成車を販売している非メーカー系列の会社は40社ある。名の知れた大手はSimprug Motor, William Motor, Ivan Motor, Garansindoといったところ。それらの輸入者が軒並み大量の在庫を抱えることになったため、薄利で在庫を捌こうという方針に出た。ここしばらくは輸入完成車の大割引が続きそうだ。
四輪輸入完成車は2008年販売台数5,300台、2009年5,000台で2010年は乱高下したが当初予定の5,500台は達成するだろう、とAIKI会長は述べている。


「電子プリンターの低価格化が進む」(2010年10月29日)
2010年第4四半期の電子プリンター販売は活発なマーケットになるだろう、と業界者が表明した。単機能タイプから多機能タイプへのシフトは大幅に進み、また低価格商品が出されて市場は活況を呈するというのがその予測の根拠。 ファクシミリ・スキャン・フォトコピーなどのさまざまな機能をセットにしたプリンターで価格が100万ルピアを切るものが登場し、手が届かないために単機能プリンターを選んでいた購入層への浸透が強まっている。もちろん単機能プリンターもバランスが取られていまや50万ルピアを切る時代に入りつつある。 ところで肝心のプリンターとしてはインクジェット方式が総市場の9割を占めており、メーカーにとってはインクジェット多機能プリンターの市場競争は激化の一途というところ。
HP社は今年第2四半期の市場シェアがインクジェット方式は24%、レーザージェット方式は60%を獲得したとのこと。同社の販促はいまインクの低価格化に向かっており、これまで13万ルピアだったものが今は6万8千ルピアで買えるようになっている。HPブランドプリンターは中小企業と個人消費者への浸透が順調である由。
一方キャノンブランドの総代理店PTDatascripも単機能プリンターの販売が低下して多機能型にシフトしている、と市場の傾向を語っている。
リサーチ機関によれば、各社メーカーが多機能プリンターの低価格化を推し進めているため、多機能プリンターは昨年の50万台から今年は85万台に増加するだろうと予想されている。そのうちの15%はプリンタープラスファクシミリ型で占められる見込み。


「中国とマレーシアが輸入飲食品を牛耳る」(2010年11月12日)
2010年1−9月期食品輸入総額は258億ドルにのぼり、対前年同期比27%増となった。そのうちの17%がマレーシア、そして15%が中国産で占められており、国内食品市場でその二国が占める比率は大きい。この二国は2010年を通して一位二位の奪い合いにしのぎをけずってきた。1月2月は中国がトップを占めたが3月はマレーシアに奪われ、4月5月はふたたび中国が盛り返し、6月8月はマレーシアで9月は中国といった首位争い。
この極端な輸入増は国内消費の高さを物語る指標である、と全国飲食品事業者連盟会長はコメントしている。中でも飲食品12アイテムで輸入依存度がきわめて高い状況が出現している。その12アイテムとは、ソースとそのバリエーション、調味料混合品と香辛料混合品、粉末マスタードと粗引きマスタード、キャンディなど。


「水道事業は儲からない!?」(2010年11月13日)
上水道事業は各地元自治体が持つ公営会社(Perusahaan Daerah Air Minum略称PDAM)が行なっている。しかし時代の趨勢とともに民間活力の導入が期待されており、いくつかの都市ではPDAMと民間会社の事業提携が行なわれているが、それが実現しているのはほんのひとにぎりに過ぎない。マカッサル・メダン・タングラン・ジャンビでは民間が上水生産を担当し、PDAMが住民への配給事業を行っている。ジャカルタではPDAMが上水生産を受け持ち、チリウン川の東側をPT Aetra Air西側をPAM Lyonnaise Jayaが担当して住民への配給事業を行っている。最初東側はイギリス資本との合弁でPT Thames PAM Jayaが事業を行い、奇しくも英仏ビジネス合戦がジャカルタで展開されたのだが、その後Thames Water Plc,は持株をシンガポールのAcuatico Pte Ltdに売却して撤退した。アクアティコが作った合弁会社がアエトラだ。
全国で上水道事業を行なっている会社の業界団体である全国上水道会社ユニオン加盟394会社の中で民間と提携して事業を行っているところは10%に満たない。それは上水道事業が儲からないビジネスだというイメージを民間が強く抱いているからで、そのイメージを払拭しなければ民間活力導入は実現しないとユニオン会長が発言した。「人口100万人を超える規模の町では、上水道事業は大きい将来性が期待できる。水道事業は大型投資が必要であり、PDAMと民間の提携によって民間資本が活用できるなら、住民に対するサービスクオリティは大きく向上するだろう。上水道事業は儲からないという言葉の裏には経営がうまく行っていないPDAMがたくさんあることも、上水道事業の魅力が薄いという大きな要因を作っている。全394加盟会社の中で経営状態が健全だと評価されているのはわずか3割で、70%は不健全どころか赤字会社も稀ではない。まずそのような経営状態を改善することが先決問題であり、そうすることによって民間活力導入がスムースに実行されるようになる」。
会長はPDAMが儲かるようにならないかぎり、民間資本がそこへ入ってくることはないだろうとの感想を洩らしている。


「国産携帯電話器販売が好調」(2010年11月17日)
インドネシアのローカルブランド携帯電話器が顕著な伸びを示していることをインターナショナルデータコーポレーションが報告した。Nexianのように輸入コンテンツ100パーセントで国内での組立率すら低いがインドネシアでだけ販売されているローカルブランド品は、国際ブランド並みのフィーチャーをそろえておりしかも価格がロワーミドル層に手の届レベルにあるため、国内市場でのシェアが伸びているとのこと。Nexianのほかにも、HT Mobile, Tiphone, K-touch, Veneraその他全部で40ものブランドがあり、販売数量を合算すれば大きいシェアになる。
IDCデータによれば、インドネシア国内携帯電話器のブランド別シェアは1位がNokia、2位Nexian、3位Samsung、4位Huawei、5位HT Mobile、6位Sonny Ericsson、7位LGとなっている。Nexianは地元のPT Metrotech Jaya Komunika Indonesiaが生産しており、Huaweiは中国のHuawei社が設けたPT Huawei Tech Investmentがオーナーになっている。


「ヘローが新規店舗オープンに意欲」(2010年11月19日)
ヘローグループは2010年中にハイパーマーケット1店とスーパーマーケット7店をオープンする計画。ハイパーマーケットは2010年11月28日にタングランのチタラヤに、スーパーマーケットはジャボデタベッ・中部ジャワ・東ジャワ・バリッパパンに開設する。今年ジャイアントハイパーマーケットは既に3店オープンして37店になっており、今年年末時点では38店になる予定。一方スーパーマーケットは118店あり、ジャイアントが70店へローが48店という内訳。
ジャイアントの屋号はマレーシアのもので、ヘローはデーリーファームとの提携でジャイアントをインドネシアに取り込んでいる。マレーシアでジャイアントの強い分野は生鮮食品・雑貨・医薬品・ベーシックファッションなど。ヘローはまたゴールデントゥルーリーと利益分配契約による共同経営も行なっている。


「ハーベイニコルズ閉店」(2010年11月22日)
アッパーミドル層を対象にライフスタイル商品を幅広く輸入販売しているPTミトラアディプルカサがジャカルタの一等地グランドインドネシアショッピングモールにオープンしたイギリスの高級デパート「ハーベイ・ニコルズ」は2010年10月31日をもって閉店した。
わずか2年間でジャカルタから去って行った経緯についてミトラアディプルカサの企業秘書は、インドネシアに誘致した超高級デパートの業績が期待に即すものでなかったのが撤退の最大の原因だ、と語っている。「2008年のグローバル経済危機で開店への不安が高まったが、それまで長い期間をかけて在庫や人材の準備を進めてきた関係上、計画を取り止めることができなかった。一年後には価格政策の修正や商品品揃えの大幅な手直しを行なったが業績の改善にはつながらなかった。超高級品消費者層は国外に出かけて買物するためジャカルタの店での買物はフルに行なわないし、一方アッパーミドルクラスでそのレベルの商品を購入する層はあまり多くない。結局ハーベイニコルズのブランドはイギリスのオーナーに返却した。」
PTミトラアディプルカサはスターバクスコーヒー・バーガーキング・スポーツステーションそしてそごうや西武あるいは多種多様なファッションデザイナーなどの外国ブランド代理権を得て国内で商品を販売している。同社売上の59%はスペシャルティストアからのもので、百貨店事業は売上の27%を占めている。年間個人所得3千5百ドルを超えるアッパーミドル層は現在2千1百万人おり、5年後にはその数が二倍になると予測されていて、同社のビジネス戦略は今後ますます力強く推進されるにちがいない。
ハーベイニコルズの閉店とは裏腹に同社の東部インドネシア地方での拡張は計画通り進められており、今年は年末までに30を超える店舗開設を行なって3百人を雇用する予定。同社が全国に持っている店舗数はいま798店に達している。 ハーベイニコルズが去った後のグランドインドネシアショッピングモールスペースは改装が行われており、PTミトラアディプルカサは次のテナントとしてアメリカの履物専門チェーンであるペイレスシューズを開店させる予定。


「百貨店事業の魅力は色あせた」(2010年11月22日)
この先三年間はインドネシアに新しいデパートメントストアの誕生が見られないだろう、とインドネシア小売事業者協会会長が表明した。「デパートメントストア業界の事業競争が盛り上がらないのは新しい百貨店の出現が期待されないためで、今ある業界のラインナップは減ることこそあれ増えることは考えにくい。特に全国規模の百貨店チェーンが業界に新規参入する可能性はゼロに近い。それは投下資本と回収利益のバランスが魅力的でないためだ。小売業界に入ってくる外資は百貨店形態よりもスーパーマーケットやハイパーマーケットの方を選ぶだろう。ましてやそれだけの資本サイズを持たない地元資本は、巨大な資本金を必要とする百貨店ビジネスに入って行こうとはしない。インドネシアの百貨店事業は複雑な要素が多く、そのことも新しい百貨店ブランド誕生の足を引っ張る要因になっている。百貨店を一ヶ所設けるだけで400から500億ルピアの資金が必要になる。1〜2ヶ所開くだけではバクチだ。知名度のあるブランドがついてこそはじめて売上が期待できるが、知名度を確立させるのに長い年月が必要となる。ブランドイメージさえ確立できれば、百貨店顧客層のブランドロイヤルティは高い。」
小売事業者協会会長はデパートメントストア業界が抱えている自己矛盾についてそう説明している。


「セブンイレブンの急展開は間近?」(2010年11月22日)
フジフィルムの総代理権者PTモデルンプトラインドネシア(MPI)が引き受けたセブンイレブンは一年前南ジャカルタ市ブルガン(Bulungan)にオープンした一号店を皮切りに一年間で14店を開設するに至った。最新オープンは11月7日のスナヤン地区のもの。
今後の店舗開設方針についてMPIは、これまで全国各地に開いてきたフジデジタルイメージ店をセブンイレブンに転換して行く考えであることを明らかにした。MPIは全国にフジデジタルイメージショップを1千2百店持っており、それを転換すれば全国のセブンイレブンネットワークは急激に拡大する。もちろん立地条件やこれまでの業績を見たうえでの個別決定になるには違いないものの、政府が求めたフランチャイズ方式を蹴ったMPIの採りうる方針はその辺りに行き着くことになるようだ。
もちろんフジフィルム総代理権者として築いてきたビジネスを放棄する意図は毛頭なく、MPIはセブンイレブン店内にフジデジタルイメージカウンターを設置してこれまで通りそのビジネスを維持する意向。


「消費者の4割は輸入衣料品が好き」(2010年11月27日)
衣料品生産輸出国として世界に名を馳せているインドネシアだが、国内消費者が廉価で機能的な日用衣料品に国産品を選択しているのは言うまでもないにしても、おしゃれなファッション衣料品では舶来品に依然として人気があることをコンパス紙R&Dが明らかにした。
よそ行き衣装はTPOでバティックやイスラム様式のものも使われるにせよ、階級シンボルとしての衣装は欧米著名デザイナーブランド入りのものが選ばれるのが普通で、トレンドに敏感で且つまた高価な舶来品を身にまとうことによる自分自身の演出をかれらは熱心に励行している。輸入衣料品を毎月一着以上購入しているひとの大半は、品質が国産品より優れているからという理由を挙げている。ただし消費者が輸入品と思って購入しているものの中に、インドネシア産の舶来もどきや、あるいは国産輸出品の残りが混じっていないかどうか、はっきりしたことはわからない。
このサーベイは2010年11月10〜12日に全国都市部居住者640人に対して行なわれたもの。数字はすべてパーセント。
質問1) あなたは輸入衣料品を頻繁に購入しますか?
回答1)        女性 / 男性
ひと月2着以上:   7.3 / 3.2 
ひと月1着:     33   / 28.8
買わない:      59   / 67
不明・無回答:    0.7  / 1
質問2) (輸入衣料品を買うと答えた人に対し)輸入品を買う理由は何ですか?
回答2)        女性 / 男性 / 全体
手ごろな価格   17.1 / 17.8 / 17.4
あちこちで手に入りやすい7.2 / 3.4 / 5.6
トレンディ      15.1 / 17.8 / 16.3
品質が保証されている45.4 / 44.1 / 44.8
不明・無回答    15.1 / 16.9 / 15.9
質問3) 都市部の衣料品市場で輸入品と国産品のどちらが優勢だと思いますか?
回答3)
国産品46.8%、 輸入品44.6%、 不明・無回答8.6%


「上水の33%が水漏れ流失」(2010年12月4日)
公共事業省の下部機関である上水供給システム開発支援庁が、全国の上水供給事業における漏水率は33%で、そのうちの8割は盗水、2割は給水網破損による水漏れである、と報告した。国内にある上水供給会社(PDAM)182社は洩れなく水漏れを起こしており、ジャカルタ・スマラン・バンドンなどのように漏水率が50%を超えているところもある、とのこと。漏水率が高いところは盗水が活発であり、盗水が多いのは上水供給住民サービスが均等に行われていないためで、上水サービスを受けたい住民が盗水に走っているのだ、と同庁長官が表明した。 「漏水率の高い会社は給水パイプ網の監視とポンプを含めた上水供給設備の改善を意欲的に行なうことで率を低下させるように努めて欲しい。水道メーターの性能もよく監視とメンテナンスを行ない、実際消費量より低い請求が出されないようにしなければならない。」
インドネシアの盗水はたいへん大きな損失を社会コストに及ぼしている。上水生産の33%がコスト回収されていないということは、毎秒1万4千立米の水が失われていることであり、平均タリフの2千5百ルピアをかければ全国で毎秒立米当たり1,155万ルピアが流失していることになる。インドネシアの水道事業は儲からず、水道会社の多くが経営悪化状態に陥っているのを健全化させるには、まず漏水を減らすことだ、と同庁長官は示唆している。


「飲食品輸入が23%増加」(2010年12月8日)
2010年1−10月の飲食品輸入は1.69億ドルに達し、前年同期実績1.38億ドルから2割上昇した。特に輸入が激増したのは2010年ルバラン前の6月7月で、6月は2,080万ドル、7月は2,010万ドルという活況を呈したが、8月は1,890万ドル9月1,500万ドルと中だるみになったものの10月は1,820万ドルに回復している。
この輸入増の立役者はマレーシアがトップの17%、次いで中国15%、タイ14%というシェアになっており、その三カ国でインドネシア飲食品輸入のほぼ半分を占めている。輸入飲食品の81%はジャカルタのタンジュンプリウッ港を通り、スラバヤのタンジュンぺラッ港は13%、メダンのベラワン港は4.5%とその三港で全国の98%を超えている。
輸入されている飲食品の中ではソースとその加工品、スパイスミックスと調味料ミックス、粉末マスタードとその他加工品などがカテゴリーとして大きいものになっている。


「ジョクジャはプカロガンバティックの大市場」(2010年12月11日)
ムラピ(Merapi)山噴火でジョクジャを含むムラピ山周辺部の経済活動がほとんど停止状態になっており、その影響がプカロガン(Pekalongan)のバティック業界を襲っている。
2010年11月の一ヶ月間、プカロガンからジョクジャ市場へのバティック出荷が止まっているため、プカロガンのバティック販売は9割ダウンという惨憺たる状況になっている。プカロガン県ブアラン郡シンバンクロン村のバティック職人ズフリ26歳は、これまで毎週30コディのバティック衣料品をジョクジャのブリンハルジョにコンスタントに出荷しており、ルバラン前には週当たり40〜50コディに増えた、と語る。ところが噴火のためにオーダーがストップしてしまい、ズフリは仕方なく生産をストップしてしまった。残っていたストックはプカロガンで販売している。コディとは20枚単位のこと。
プカロガン市パシシランバティック職人連盟会長は、ムラピ山噴火でもう一ヶ月間ジョクジャ地方からの受注が途絶えている、と言う。連盟加入110社のうち30社がもろにその影響を蒙っている由。これまで生産品の8割に当たる900コディが毎週ジョクジャに出荷されていた。新規の注文を得て製品を納入することが出来なくなったということだけでなく、先に納入してあった製品の代金回収もおぼつかなくなっている。ジョクジャ経済が復興するまで、かれらはその逆境に耐えなければならない。バティック生産者たちは仕方なくバティック職人の解雇をはじめており、百人ほどが既に解雇されている。


「コカコーラは市場の4割シェア」(2010年12月15日)
インドネシアのコカコーラ生産は今オーストラリアのコカコーラ会社コカコーラアマティル(Coca-cola Amatil)が行なっている。アメリカのご本家コカコーラカンパニーの資本はわずかしか入っていない。コカコーラアマティルはオーストラリア・ニュージーランド・パプアニューギニア・フィージー・インドネシアでの販売権を持っている。
インドネシアでコカコーラアマティルは8ヶ所に工場を持っており、その半分はジャワ島内にあって、生産ラインは31ある。その生産能力30%増強をはかって、同社はインドネシアで年間1億ドルの投資を行なう計画であることを明らかにした。生産ラインを9〜10本増やして生産能力を30%引き上げ、また販売店に冷蔵庫を置いて販売増をはかることにしている。2009年インドネシアでの同社製品販売実績は600万ドルで、市場の40%シェアを獲得した。2011年は更に9%の販売増が目標とされている。インドネシアでの販売はコカコーラアマティルの総売上の10%に満たない。


「みんな即席麺が大好き」(2010年12月17日)
2010年10月29日付けコンパス紙への投書"Risiko Mengonsumsi Mi Instan"から
拝啓、編集部殿。2010年10月12日付けコンパス紙第12面に、インドネシアの即席麺はすべて安全であるという食品薬品監督庁の声明が掲載されました。単に安全であるということだけを言って即席麺を食べることでもたらされるリスクには一言も触れていないその声明はあまり賢明であるとは思えません。
同じ日、TVワンのイブニングニュースはインドネシア大学のブディアワン氏やマリウス氏を招いて「インスタント食品の賢明な食べ方」というトピックを取り上げていました。そこでの討論で、インスタント食品を安全に食べるための条件についての概略が紹介されました。一方グローバルTVは、毎日即席麺ばかり食べていた子供が腸内腐敗をおこして手術を受けることになった事件を報道していました。
大人にせよ子供にせよ、毎日三度三度即席麺を食べ続けるのは安全なのでしょうか?この質問は「いつでもいつも」即席麺を食べようという宣伝キャッチフレーズに関係するものです。そのCMは田舎に住む一家族がいつもいつでも即席麺を食べている姿を描いているのです。家族揃って朝食のとき、子供が学校に持っていくお弁当に、そして働き者の父親が昼食に、即席麺が常に出てきます。
確かにインドネシアの即席麺はすべておいしいので、もっと食べたいという気持ちが起こるのは当然です。おまけに実用的ですから。[ ジョクジャ在住、ジョコ・スナルト ]


「かつら」(2010年12月29日)
「かつら」というのは「かずら」に由来する言葉で、古語で「かずら」はつる草の総称であり、頭につる草や花などを着けて装飾に用いたことに由来しているそうだ。時代が下がって、髪の毛を束ねたものを自分の頭髪に添えて髪型を変えたりすることが行なわれるようになると、そのかぶりものにカヅラという名称が与えられ、現代語ではそれが「かつら」に変化したという説明になっている。
インドネシアでも昔からかつらが作られている。はるか昔は長い髪の抜け落ちたり切られたりしたものを買い集めて回る行商人が住宅地を回っていたらしい。長い髪をたくわえてそれを結うという習慣が普通だった時代に、ひとびとは抜け落ちた髪の毛を拾い集めて行商人が来るのを待っていたそうだ。今でもかつら産業は人間の長い髪を製品用素材として必要としており、今は住宅地を回るのでなくサロンと呼ばれる美容院を回って髪の毛を買い取るスタイルに変わっている。需要があるから長い髪の毛は売れる。売れる物は盗んででも、というのが日常生活の中に同居している文化では、髪の毛さえ盗まれる。いや、持主が気付かないうちに他人が取っていくのが盗むということであるなら、頭に生えている髪の毛はなかなか盗めない。畢竟、強盗強奪ということになる。ときどき混みあうバスや電車の中で、女性が長い髪をはさみで切られるような事件が起こっているのが、その髪の毛強盗なのである。
昔は日本でも髪を結うということが行なわれていた。インドネシアでも昔は髪を結っていた。サングル(sanggul)やコンデ(kondai)と呼ばれる結った髪は、今ではたいてい付け髪に変わっている。つまり「かつら」だ。インドネシア語でかつらをrambut palsu(偽髪)と言うのは、自分の髪の毛でないという定義を言い表しているに違いない。
東ジャワ州パスルアン県にはかつらを製造する小規模事業者がいる。グラガサリ村のサングルデウィスリ・ウイッグ製作所は最近、ひとつ100〜150万ルピアするトゥペー(ヘヤピース)の売行きがたいへん好調。トゥペーは部分的に禿げた頭部を覆って外見を整えるためのものであり、需要は大きい、と同製作所経営者は物語る。「市場にはシンガポールからの輸入品があるが、値段は高い。それに比べて当方の製品はひとつ100〜150万ルピアというお手ごろ価格だから売行きは好調だ。トゥペーはカバーする広さによって、価格が違っている。素材は合成品でなく人間の髪の毛を使っているから、2年間はもつ。うちは最初1975年にスラバヤの家内工業として事業を始め、1987年にデウィスリというブランド名を付けてパスルアンに移転した。従業員は70人おり、ウイッグやサングルのかつらを200種類のデザインで製作していたが、最近はそれにトゥペーが加わるようになった。」
製品はすべて人間の髪の毛だけを使っているわけでもない。使われる人造毛髪はキロ当たり5〜10万ルピアでジャカルタから取り寄せている。一方人間の髪の毛は長さによってキロ当たり5〜150万ルピアという広い価格差がある。サングルかつらの価格はひとつ1万から30万ルピアだ。サングルには天然にせよ人造にせよ、毛髪が10〜15グラム使われる。サングル製品は女性組織・美容院・ブライダルヘアメイク・商店などに出荷されている。この製作所に人間の髪の毛素材を供給するサプライヤーは東ジャワ州のあちこちの県にいるとのこと。


「火山岩の石像作り」(2010年12月29日)
ジョクジャ特別州と中部ジャワ州ではムラピ山の噴火と熱雲の被害を受けたあと、火山活動が少し鎮まったと思ったらこんどはラハールの災害が広範囲に発生している。マグラン〜スレマン〜クラテン〜ボヨラリ住民が物質的精神的に受けた被害は決して小さいものではない。
しかしバリ島カランガスム県住民は1963年に似たようなことを既に体験している。「決して悪いことばかりではない。50年近い時間が経過したいま、グヌンアグンの噴火は大きな恵みを周辺住民にもたらしているのだ。ムラピ山でも必ずや同じ恵みを享受できるようになる。」とかれらは被災者たちを励ましている。火山の噴火によって土壌は肥沃なものとなり、積もった砂は建設資材となり、そして火山岩から作られた石像はユニークなものとしてより大きな付加価値が期待できる。カランガスム県(Kabupaten Karangasem)マルガ郡(Kecamatan Marga)クウム村(Desa Kuwum)バンジャルトゥガリンガ(Banjar Tegallinggah)住民ワヤン・カマル57歳はグヌンアグンが吐き出した石から石像を彫る。最初はバリ建築のレリーフ彫りに力を入れていたカマルがあるとき火山岩で石像を作ることを思い立った。
バンジャルトゥガリンガにあるカマルのギャラリーでは、直方体に切り出された火山岩にふたりの弟子が粗彫りを行なっている。石を像に変える前にまず不要な部分をカットし、更に粗彫りを行い、最後に顔や手足、衣服のひだまで細かな彫りをいれていくのはカマルの仕事。カマルの手が石像をひとつ仕上げるまではおよそ5日間かかる。カマルの作った高さ80センチから150センチの石像は一体100万から300万ルピアで売られている。平均してひと月7体の像が売れる。オーダーはひっきりなしに入るので、弟子たちの収入はひと月300万ルピアにも達する。かつて、カマルの石像を輸出しようと考えた輸出者が大量のオーダーをカマルにくれたものの、火山岩仕入れの資金がないためにその話はお流れになった。カマルはいま、自分の資金力に応じてこつこつとグヌンアグンの火山岩を彫っている。もうしばらくすれば、ジョクジャ周辺でも石像が売り出されるかもしれない。


「レクレーションはお買い物」(2011年1月4日)
ショッピングセンターに『遊び』に行くひとは昔からいたように思う。昔の日本だとデパートやスーパーがそれに当たるにちがいない。屋上には遊園地やゲーム機があり、最上階は大衆食堂があって、買物という目的を持たないまま売場を周遊するひとたちもいたように思える。そのころわたしは子供だったから、親に連れられてそれこそ『遊び』に行っていたわけだ。
昨今のインドネシアでは、家族連れで遊びに行く場所としてのモールの地位が急上昇している。モール運営者も家族のみんなが楽しめる場所としての要素を完備するようになり、家族それぞれ自分の好きな場所へ行って『遊ぶ』というライフスタイルが優勢になってきた。モールの黄金時代が来る前は卸売り(トレード)センターの繁栄期だった。トレードセンターが没落してモールが威勢をふるうようになったのは、この家族連れで遊びに行く場所というコンセプトの成育と同期しているそうだ。そんな中で多分、諸外国とインドネシアの違っている点があることを小売業関係者が指摘している。いやそれはもはや常識と言ったほうが良いかもしれない。家族それぞれが自分の好きな場所へ行って遊ぶということの中に、主婦やお嬢さんがたの『レクレーションとしてのショッピング』が挙がっているのがそれである。つまり女性たちは買物のための場所へ来て買物をするのだが、何か目的のものを買いにくるのでなく、「何かいーもの、ないかなあ?」という感覚で買物をするのである。これこそ消費志向の最たるものだろうとわたしは思う。
「インドネシア人はモールへ行くのが好きだ。必ずそこで金を落とす。週末や休日にモールにやってくる家族連れに対する売上は飲食物が常に最大になる。今年、そんな傾向は一層強まっている。国民購買力が回復して来ていること、そしてわが国の将来性に対する一般大衆の信頼もレベルアップしている。」そう語るのは全国で20ヶ所のモールを運営しているプロパティマネージメント社社長。インドネシア人の50%以上が手持ちの金を買い物に使い果たすそうだ。そして家族連れで行なう行楽の中でモールに費やされる時間が占める比率はどんどんアップしている。これはつまりアンチョルやラグナン動物園の入場者がモールに取られていることを意味している。
ACニールセンは『レクレーションとしてのショッピング』を実践している国番付の上位にインドネシアを置いた。ニールセン国別調査で、週二回以上・週一回・月一回あるいは一回未満にアクティビティを求めてショッピングに行くと答えた回答者を合計した数字を根拠にしたその評価は、どの程度妥当性を持っているのだろうか?ともあれ、ニールセン報告では次のようになっている。
香港 93%
インドネシア 93%
シンガポール 90%
韓国 89%
フィリピン 88%
マレーシア 88%
タイ 86%
UAE 84%
中国 84%
台湾 83%


「年末バンドンに落ちた金は2千数百億ルピア」(2011年1月10日)
クリスマス〜新年の一週間の休日にバンドンを訪れた国内外観光客は5万2千人にのぼった。宿泊・食事・衣料品の買い物のために観光客は平均してひとり一日30万から100万ルピアを支出した。その前提をベースに計算するなら、その期間バンドンには2,366億ルピアの金が落ちたことになる。1万4千室あるバンドンのホテル業界は特に年越しの夜は一部屋の空きもないほどの大有卦に入ったようだ。観光客は市内見物と衣料品買い漁り、そして郊外のレンバンやチウィデイ観光に向かった。
バンドン市文化観光局長は2010年11月の観光税収について、ホテル業界から780億ルピア、レストラン業界から730億ルピア、慰安娯楽業界から250億ルピアの地元税収が上がっており、12月はそれを凌駕する税収が期待されている、と語っている。


「ジャカルタのトップモールのレストランにも泥棒」(2011年1月27日)
2010年11月19日付けコンパス紙への投書"Pencuri Beraksi di Grand Indonesia"から
拝啓、編集部殿。2010年10月20日、わたしと妻と知合いはジャカルタのグランドインドネシア西モールにあるファーストフード店のヨシノヤで食事しました。キャッシャーで注文してからテーブルに着き、ラップトップの入ったバッグを体のすぐそばに置いて食事を始めました。その間に窃盗が行なわれたのです。バッグと中味が姿を消しているのに気付いてから、わたしはすぐにリフト近くにいるモールの警備員に盗難を届け出ました。その警備員はハンディトーキーを持たされていなかったので、別の場所にいる同僚に連絡するため駆け出しました。
レストラン従業員はすぐに防犯カメラを再生してくれましたが、モールの警備係りは同じような即応をしてくれず、だらだらと時間が経過するばかりで、対応が遅いと感じました。その結果、盗難発生以後の対応は何の効果ももたらしませんでした。
18時ごろまでわたしどもは防犯カメラのチェックを要請しましたが、モール側の行動は始まらず、無駄に時間が経過するばかりです。泥棒はもうわたしのラップトップを手にしてモールからいなくなっているでしょうから、失われたものが回復される希望は既に失われていました。レストラン側はとても協力的で、レストラン内の防犯カメラに写ったラップトップ入りバッグを泥棒が盗むシーンをわたしどもに見せてくれたのです。事件が起こったのは17時10分で、わたしがモールの警備員に届け出たのはそれから10分後だったというのに。[ ジャカルタ在住、チャルレス・ユスフ ]


「出前強化が今年の目標」(2011年1月29日)
ケンタッキーフライドチキンのインドネシア代理権所有者であるPTファーストフードインドネシアが2011年のビジネス戦略を出前サービスアップに置いている。ケンタッキーフライドチキンは現在全国に380の販売拠点を持ち、そのうちの65%はジャボデタベッ地区にある。2011年は更に40店を増やす計画で、そのうちの10店は依然として首都圏での拡充にあてる意向。
その全国の販売網では出前オーダーがひと月30万件、つまり毎日1万件あり、同社はそれをひと月45万件に伸ばして来店客オーダー件数とフィフティフィフティに持って行くことを今年の目標に掲げた。
一店での月間売上は最低で1億ルピア、大きいところは15億ルピアあり、首都圏ではたいていが10億ルピアを超えているとのこと。


「シルバーラインオートレントが戦力増強」(2011年2月9日)
外国系企業の顧客をメインにしているシルバーラインオートレントとシルバーライントラッキングサービスは今年4千億ルピアを投資して業容拡大をはかる構え。顧客の7割が外国系企業で3年から4年のサービス供給契約にもとづいて車両のレンタルとメンテナンスのサービスを行っているシルバーラインは2010年末現在の四輪車1千台・二輪車7百台・トラック60台という戦力を2011年末には四輪車1千6百台、二輪車1千2百台、トラック100台に増強する方針を立ててその実行に乗り出した。
大手企業は交通機関の自家所有による事業コスト変動を避けて固定コスト化に向かう傾向を一層強めており、いきおい自動車レンタル市場は需要の伸び上がりが続いている。いまシルバーラインの車両レンタルサービスを利用している顧客セクターはファイナンシング・保険・銀行・医薬品・コンシューマーグッズなどがメインになっており、2011年は更に鉱業・農園・観光の諸産業ならびに銀行やコンシューマーグッズ産業の伸張が期待されるため需要の一層の膨張をいかに捕えようかという戦略とその準備が進められている。シルバーラインの本体であるPTプロスペクトランシンドウタマはレンタル用車両増強に4千億ルピアを投資する計画で、その資金集めにBCA・BRI・Panin・Rabobank・Bank Harda・Bank Index Selindo・Bank Jasa Jakarta・Bank Windu Kencana・Bank Kesawanなど10の国有と民間銀行がバックアップすることになっている。


「カップ入りアクアのストローは困りもの」(2011年2月9日)
2010年12月5日付けコンパス紙への投書"Sedotan Aqua Gelas Bermasalah"から
拝啓、編集部殿。わたしはダノンが生産しているアクア飲料水の消費者で、ガロン入り、ボトル入りそしてカップ入りのすべてを愛用しています。ガロンとボトルの容器入りは問題ありませんが、カップ容器入りの製品はストローに問題があります。最近の数ヶ月間わたしはそれを観察し、他社の製品と比較してみました。
アクア製品についているストローがもっともコシがなく、先端も鋭くありません。カップのふたに5回以上突き刺してみて、やっとストローをその中に差し込むことができます。そのため、ボールペンの先端を使ったり指の爪を使ってふたを破ってからストローを中に差し込むひとが少なくないのです。アクアがISOやSNIなどの製品規格を製品に適用していることをわたしは確信しています。だから些細なことですが、この問題を軽視しないでください。[ 中部ジャワ州バニュマス在住、アフマッ・サエフディン ]


「総市場の半分を7車種で分配」(2011年2月12日)
2010年の国内四輪自動車販売は未曾有の好況となり、年間の生産者販売台数764,710台という新記録を樹立してアセアン域内で宿敵マレーシアに大差をつけ、タイに次ぐナンバーツーにのし上がった。
しかしそのほぼ半分はわずか7モデルによって占められており、上位10車種を集めると総販売台数の60%になる。上位十傑車種別販売台数は次の通り。
1.トヨタアヴァンザ 141,799台
2.ダイハツゼニア  65,901台
3.トヨタキジャンイノヴァ 53,824台
4.三菱コルトディーゼル 45,968台
5.スズキキャリー  34,723台
6.ダイハツグランマックス 29,378台
7.日産グランドリヴィナ/ リヴィナ 25,950台
8.ホンダジャズ   22,758台
9.三菱L−300  20,596台
10.トヨタラッシュ  18,420台
トヨタアストラモトルがその十傑の中に送り込んだ三車種は合計214,043台で、総市場の28%を手中にした。特にアヴァンザは予想外の受注の伸びに直面し、急遽増産に努めたものの需要を全部刈り取ることができずに2010年の幕引きを迎えた。単一車種で第二位に着けたゼニアはトヨタアストラモトルとアストラダイハツモトルが共同開発したもので、この二モデルだけで総市場の27%シェアを奪い、ローMPVセグメントでは51%シェアを占めている。


「テレビの寿命は何年?」(2011年2月14日)
2010年12月18日付けコンパス紙への投書"Usia Pakai LCD TV Sony"から
拝啓、編集部殿。2008年8月、わたしはエレクトロニックソルーション店でソニーのLCDテレビ32インチを720万ルピアで購入しました。保証期間は一年間です。2010年8月、画面の画像の色がおかしくなり、LCDが壊れてしまいました。サービスセンターで尋ねたところ、修理はモジュールとパネルを交換しなければならず、部品の値段は250万ルピアだそうです。いまLCDの似たようなテレビは330万ルピア程度ですので、その費用はわたしにとって大きな負担です。その結果ソニーのテレビは粗大ゴミになってしまいました。ソニーのLCDって二年間しか使えないものなのですか?
技術者からも、LCDパネルの寿命はプロジェクターのライト程度の数千時間しかもたないという情報を得ています。そのようなことはスペックの中に記載されていません。ましてやテレビは一日7時間以上使っていないのですから、壊れるのが早すぎじゃありませんか?。もし公表されていないLCDの寿命に関する情報があるのなら、それは消費者に不利益をもたらす行為です。ソニーインドネシアに回答を求めます。またソニーLCDテレビ購入予定者はその製品の状態について詳細な情報を質問するよう奨めます。わたしの体験が繰り返されませんように。[ ジャカルタ在住、ペトルス・ユリアント ]
2011年1月6日付けコンパス紙に掲載されたソニーインドネシアからの回答
拝啓、編集部殿。2010年12月18日付けコンパス紙に掲載されたペトルス・ユリアントさんからの投書に関して、弊社の各公式サービスセンターに調査させましたが、ペトルスさんのLCDテレビ修理の記録はどこにも見つかりませんでした。当方はペトルスさんに、ソニー消費者情報センターcic.indonesia@ap.sony.comあるいは電話(021)29948800宛てに月曜から金曜の間午前9時から17時までの間に連絡していただけますようお願いします。[ PTソニーインドネシア販売広報部シニアマネージャー、リニ・ハスビ ]


「企業の広告宣伝費支出は23%増」(2011年2月22日)
2010年広告宣伝市場は60兆ルピアに達し、過去4年間で最高の23%という伸び率を示した。ニールセンが24テレビ局・95新聞・163雑誌タブロイドでの広告をモニターし、各メディアの標準料金をもとに算出したこの市場測定によると、2010年は2006年の実績から倍増した形になっており、昨年の広告宣伝が活況を呈したのは、6〜7月のワールドカップと12月のスズキAFFというふたつのイベントが大きく貢献したためであるとニールセンは説明している。
カテゴリー別では、通信関連が圧倒的に他を引き離して依然ナンバーワンの位置に着いている。
通信 5.55兆ルピア 43%増
政治 2.98兆    18%減
企業・社会サービス 2.4兆 23%増
タバコ 1.98兆   14%増
オートバイ 1.89兆 19%増
ファイナンシング 1.86兆 46%増
ヘアケア製品 1.84兆  20%増
フェーシャルケア製品 1.57兆 32%増
食品 1.38兆  31%増
メディア・プロダクションハウス 1.32兆 12%増
また一番利用されたメディアはテレビで、トータル市場の60%を担った。新聞は34%、雑誌タブロイドは微々たるものでしかない。テレビは対前年比が26%の増加となったが、新聞は19%増にとどまった。


「わたしはキレイ・・・のお値段は?」(2011年2月23日)
『お顔やお肌のお手入れ』はクレオパトラでなくとも、今や世界の常識。キレイになりたい女性・見目うるわしくなりたい男性はそのための施設を求めて街中をさまよう。みんなそのためにどのくらいお金をかけているのだろうか?
コンパス紙R&Dが2011年2月2〜3日に728人の回答者から集めた統計によると、『お手入れ』に熱中しているひとびとの姿が浮き上がってくる。もっとも熱心にそれを実践しているのは、民間会社勤務あるいは公務員の二十代女性たちだった。
問1)あなたはどのくらい頻繁に、顔・髪・体のお手入れを行なっていますか?
回答)女性: 毎週 15.2%、 毎月 24.7%、 ときどき 35.5%、 皆無 23.6%、 無回答 1.0%
男性: 毎週 9.1%、 毎月 25.1%、 ときどき 30.1%、 皆無 34.8%、 無回答 0.9%
問2)お手入れはどこで行なっていますか?
回答) 自宅 25.8%、 美容サロン 25.5%、 散髪屋 17.0%、 美容クリニック・専門医 4.1%、 皆無 27.6%
問3)そのための支出は月間いくらですか?
回答)5万ルピア未満 47.1%
5万〜10万ルピア 24.5%
10万〜20万ルピア 14.1%
20万〜50万ルピア 12.2%
50万〜100万ルピア 1.8%
100万ルピア超 0.3%
なお、問3)の回答者は433人、今回の調査におけるサンプリングエラーはプラスマイナス3.6%。


「商品期限はよく調べて買いましょう」(2011年2月23日)
2010年12月15日付けコンパス紙への投書"Makanan Kadaluwarsa Masih Saja Dujual di Pasar Swalayan"から
拝啓、編集部殿。2010年11月4日午前10時半ごろわたしは友人と一緒にジャカルタのブロッケムスクエア(Blok M Square)にあるカルフルで買い物しました。家に戻ってからそこで買ったburung terbang(飛鳥)印のクウェティアオ(平麺)二袋をよく見たところ、賞味期限はなんと2010年9月20日になっていたのです。
レジに並んでいたとき友人もクウェティアオを買うことにし、二袋を取ってきました。友人が家でそれを料理しようとしたとき、ひとつは賞味期限が2010年6月20日、もうひとつは期限が明示されていませんでした。
わたしは翌日カルフルをまた訪れて手荷物預かりカウンターの職員に尋ねました。
「昨日買ったクウェティアオを交換したいのだけど、買上票がないとダメかしら?」
そして返事は「無理ですね。」
そのクウェティアオは今もまだ家にあります。店頭販売商品の期限にもっと注意を払うようカルフルに要請します。これがはじめての経験ではないのです。わたしはかつて、期限の切れたパンに遭遇したことがあります。それが堂々と棚の上に乗っていたのですから。[ ジャカルタ在住、ヌル・アナ ]


「プカロガンからエイひれ輸出」(2011年2月25日)
国有水産会社PT Perikanan Nusantaraがエイのひれを輸出している。輸出先は韓国で、韓国ではふかひれの代替として使用されているそうだ。同社は2010年10月に船積を開始し、2011年2月には三度目の船積を行なった。契約は一回の船積が14.5トンとなっており、同社は中部ジャワ州プカロガン(Pekalongan)地区の一般漁民から捕獲されたエイを買い上げて蓄え、船積量に達すると輸出するというパターンを用いている。インドネシアからのエイひれ輸出は歴史始まって以来のことである由。
エイの皮はここ数年、財布や小物入れなど高級手芸製品の素材として人気を集めており、またエイの骨も粉末化して家畜飼料にされている。プカロガンの同社加工処理場はエイの皮と骨をキロ当たり400〜800ルピアでジャカルタの市場に売却している。


「サリナが中国にシンコンを輸出」(2011年2月25日)
「中国のキャッサバ需要は膨大で、月間13,500トンにのぼる。中国へのキャッサバ輸出を取り扱っている韓国の輸出者と当方は契約を結んだ。当面月間5千トンのキャッサバを輸出していく。輸出量を増やすために国内調達も鋭意広げていくつもりであり、ランプンが最初のターゲットだ。」PTサリナ代表取締役はそう語った。中国の需要はバイオ燃料と畜産飼料がメインを占めているとのこと。
シンコンをそのまま輸出したのでは単価が低い。多少とも加工されたものにして輸出するため、当初は乾燥させ細切れにした形で輸出を行う。将来的には加工度をさらに高める、という戦略が代表取締役の構想のようだ。


「保証期限が過ぎると死すのみ」(2011年2月28日)
2011年1月5日付けコンパス紙への投書"Usia Singkat Ponsel Sony Ericsson"から
拝啓、編集部殿。2009年9月9日、わたしの子供がスマランのスリウィジャヤ通りにあるソニーエリクソンショップで529万9千ルピアのソニーエリクソン携帯電話器X PERIA−X1を買ってくれました。保証期間は1年間です。保証期間が過ぎてひと月たってから、これといった心当たりがないのに電源が入らなくなりました。調べてもらうためにそれを買った店に持って行きましたが、アップグレードを行なっても電話器はまったく点きません。ボードが壊れているということで、修理不能との結論が下されました。
不思議でなりません。これがソニーエリクソンのやり口なのでしょうか?製品のクオリティにはがっかりしました。保証期間を一日でも過ぎたらもう使えないのです。この会社の哲学は「保証期間を終えたら死すのみ」みたいですね。わたしはこの携帯電話器を普通に使用しており、落としたり水につけたことは一度もありません。[ 中部ジャワ州パティ在住、トーマス・アキノ ]


「2010年家電品販売は好調」(2011年3月10日)
マーケットリサーチ機関GfKが行なった2010年家電品市場調査によれば、インドネシアの成長率は17%で、ベトナム・マレーシア・インドネシア・香港・タイ・シンガポール・台湾・韓国8カ国の平均である11.4%を大きく凌駕したことが報告されている。
GfKは家電品を6つのカテゴリーに区分した。オーディオビジュアル・テレビ・カムコーダーなどの家庭AV機器、炊飯器・アイロン・掃除機・ひげそり器などの小型家庭電化製品、冷蔵庫・エアコン・電子レンジ・洗濯機などの大型家庭電化製品、デジタルカメラなどの写真用品、コンピュータ・モニター・プリンター・ノート型やPCタブレットなどのモバイルコンピュータなどのIT製品、携帯電話やスマートフォンなどの通信機器がそれだ。
2010年のテクニカルコンシューマーグッズ市場成長率はベトナムが28%で最大、そしてマレーシアとインドネシアが17%、香港14%、タイ10%、シンガポールは4%、台湾2%、韓国2%という順位。小型家庭電化製品市場は8カ国の平均が24%という優秀な成長率で、中でもシンガポールとベトナムは40%もの成長を達成した。6カテゴリーのすべてに渡ってプラス成長だったのはベトナム・インドネシア・香港で、それ以外の国はいずれかのカテゴリーが頭打ちになっていた。
オールプラスの三カ国は40%を超えるカテゴリーが三つあり、ベトナムは家庭AV機器が42%、通信機器が41%成長している。カテゴリー面から見るなら、家庭AV機器、写真用品、小型家庭電化製品、IT製品が8カ国で軒並み順調な成長を示している。


「中古BMWはいかが?」(2011年3月11日)
BMWが下取り販売方式を拡売戦術のひとつに利用している。PT BMWインドネシア取締役社長の談によると、保険サービスと下取り販売方式は対顧客サービス充実の重要な手法になっているとのこと。下取りで買取った中古BMWはBMWビギナー顧客の裾野を広げるために重要な機能を果たしている。中古BMWの販売拠点は2006年ジャカルタのビンタロ地区にPT Bestindo Car Utama 社と提携してオープンした。BMWのブランドイメージに憧れを抱いているものの、経済的に新車の購入にまで進めない消費者に廉価な中古車をオファーして将来の顧客を養成しようというのが下取り方式のベースになっている。
なお保険サービスはアリアンツと組んでの保障サービスが新車購入時のパッケージに含められている。


「上流層向けハイパーマーケット」(2011年3月19日)
カルフルが2011年中に上流層に向けたプレミアムハイパーマーケット構想を世に問う意向。カルフルインドネシアはジャカルタのルバッブルス(Lebak Bulus)店とプルマタヒジャウ(Permata Hijau)店にこれまで国内のだれもトライしたことのないプレミアムハイパーマーケット構想を持ち込むことにした。それがこのコンセプトのパイロットプロジェクトで、その後スラバヤをはじめ国内諸都市に展開が進められることになる。同社はハイパーマーケット市場の10%がプレミアム化される可能性を持っていると見ている。
このコンセプトはショッピング・レジャー・エンターテイメントのワンストップデスティネーションということで、フードコートに代表される飲食エリアの増加、ATMセンター、サービスエリア、VIPラウンジ、プレイグラウンドなどが店内に併設される。取扱商品もプレミアム生鮮食品(フレッシュ)やその他のプレミアムアイテムが増やされ、プレミアムフレッシュは2年のうちに生鮮食品の半分を占めるようにする、とカルフル側は自信をこめて宣言している。それと並行してオーガニック食品の比率も高めていく方針。現在カルフル店内のオーガニック食品比率は5%前後であり、それが50%まで高められることをその方針は意味している。
この方針の実行は言うまでもなくサプライヤーとのコラボレーションが不可欠であり、従来からのサプライヤーに対する一層の教育指導が今後活発化することになる。サプライヤーの中にはカルフル自身が農家グループを糾合して生産の指導育成を行なっているものもあり、その育成と支援のために銀行からの融資を仲介することもカルフルは行なっている。


「サムソナイトの売上倍増」(2011年3月24日)
サムソナイトがインドネシア市場への攻勢を計画している。サムソナイトはミトラアディプルカサと組んで2年前に興したPTサムソナイトインドネシアを通してインドネシアでの販売強化を進める構え。
インドネシアはインド・中国に匹敵する巨大市場であり、インドネシアでのカバン市場のマーケットリーダーになっているサムソナイトは国内販売網の拡充をはかって業績倍増を達成することを目標としている。中でも高等教育を受けた上流経済層の若者をメインターゲットにしているサムソナイト商品は、インドネシアに潤沢な市場が成育していることから販売戦略如何で爆発的に売れるだろうとサムソナイト側は観測している。インド・中国では市場参入して15年の経歴を持っているが、インドネシアはまだ日が浅いために今後の伸びが大きく有望視されている。
2010年は初年度から120%成長して1千億ルピアを売り上げた。今年はさらに2千億ルピアに倍増させたい、とサムソナイトアジア太平洋中東社社長はその意気込みを述べている。ミトラアディプルカサ側は2011年売上を1千8百億ルピアまで保証する、と少々慎重な雰囲気。
国内販売網拡充計画は2018年までに5百店オープンを目標に掲げ、2011年はまず50店の新規開設予定で、ジャカルタに次いでスラバヤのアウトレット増に焦点を当てている。既に国内7都市に出店したのに加えてジャワ島外への進出も意欲的で、メダン・パレンバン・マカッサル・マナドに続いてアンボンも進出ターゲットのリストに上がっている。
サムソナイトは商品ラインの見通しをすばやく判断しており、新モデルを出すと2週間の売行きにもとづいてその商品を市場に残すか引き上げるかを決定している。売行きが思わしくなければ、地元消費者のテイストに合わないという判断が下されるようだ。第2ブランドのアメリカンツーリスターも加わったサムソナイトカバン製品のインドネシア市場での販売展開やいかに。


「バリで人気のポカリスエット」(2011年3月26日)
PTアムルタインダオーツカが生産販売しているポカリスエットは、数ある競合メーカーが類似のイオン飲料製品を多彩に発売している中で、安定した売上を確保している。ポカリスエットがよく売れている市場は首都圏とバリで、同社の販売中それぞれ14%を占めているとのこと。
2011年の販売目標は1.7兆ルピアで、2010年から2割増しが期待されている。ポカリスエットの生産は西ジャワのスカブミと東ジャワのパスルアンの工場で行なわれている。


「デジカメ普及率は5%」(2011年3月30日)
デジタルコンパクトカメラ国内市場はわずか80万台で、2011年はそれが90万台に成長するだろうと期待されている。このマーケットはきわめて将来性に富む有望市場である。なぜなら普及率はやっと5%しかないのだから、とカシオデジタルカメラのディストリビュータであるPTカシンドグラハクンチャナのGMが語っている。カシオに限らずデジタルカメラ市場として優勢なのはメダン・パレンバン・ジャカルタ・バンドン・ジョクジャ・スラバヤ・マカッサルなど。インターナショナルデータコーポレーションによれば、2010年国内市場のメーカー別シェアは次のようになっており、いささか乱戦模様の状況だ。
メーカー名: シェア(%)
Canon: 16.8
Sony: 15.8
Olympus: 11.4
Casio: 9.2
Kodak: 9.1
Nikon: 7.5
Samsung: 7.4
その他: 22.8


「運動が立ち回りに」(2011年3月30日)
2010年12月18日付けコンパス紙への投書"Karyawan Celebrity Fitness Mengeroyok Anggotanya"から
拝啓、編集部殿。ボゴールのボタニースクエアにあるセラブリティフィットネス会員としてわたしと妻は、840万ルピアという小さくない料金で一年間の会員契約にサインしました。ボゴールのセラブリティフィットネス従業員のごろつき行為が起こったのは2010年11月8日21時ごろで、そのためわたしどもはトラウマを抱き、とても不愉快で、そこを利用して運動を愉しもうという気持ちが二度と湧きません。
事件の発端は、わたしが運動で疲れてロッカーに戻ったところ、わたしの衣服がカスタマーサービスによってロッカーから4階に持ち去られていたことでした。不快が先に立ったので、わたしどもは引き下がって帰ろうとしましたが、アシスタントマネージャーと自称する者が決着をつけるために座るよう求めたのです。
ところが決着がつくどころか、わたしどもが苦情した態度の悪い別のカスタマーサービス職員が、自分が正しいと言い張ってわたしに殴りかかり、他の10人以上のオレンジ色制服を着た体の大きなセラブリティフィットネス従業員もその暴行に加わりました。不快な態度を示してわたしを殴ろうとした者のひとりはパーソナルトレーナーで、ISS派遣クリーニングサービス職員もわたしを後ろから攻撃しました。
その集団暴行でわたしは頭に打撲と出血、そして後から首を絞められ、はたまた脚の数ヶ所に傷を負いました。黒色の制服を着たマネージャー、アシスタントマネージャー、警備員らがその暴行をすぐに制止して従業員に規律を示さなかったのは実に残念です。かれらは顧客を維持する努力など少しも示しませんでした。[ ボゴール在住、ヨハネス・カルヤント ]
2010年12月27日付けコンパス紙に掲載されたセラブリティフィットネスからの回答
拝啓、編集部殿。セラブリティフィットネス従業員が会員に暴行を働いたというヨハネス・カルヤントさんからの投書についてお知らせします。
その投書の中に述べられていることがらについて、問題を明らかにする必要があると当方は考えます。実は、ヨハネスさんがロッカーに鍵をかけないまま自分の持ち物を置いて場所を離れたのがその事件の発端なのです。ロッカーに鍵をかけるのはセラブリティフィットネス会員の守らなければならない決まりです。弊社警備員はすぐにヨハネスさんが置いて行った持ち物をカスタマーサービスの部署に保護しました。それは無責任な者たちからの被害を避けるためになされた措置でした。
ヨハネスさんはそのとき、当方がヨハネスさんの持ち物を処置したことに対してたいへん不快感をあらわにされ、当方スタッフを殴ろうとしたのです。
当方が執った措置はヨハネスさんの持ち物の保護だけを目的にしたものだったことを説明しました。事件はセラブリティフィットネス会員ならびに当方スタッフの安全を目的にした防犯カメラに録画されています。[ PTエクサートンメントインドネシア販売広報マネージャー、アディティヤ・ザイヌディン ]


「アストラグループの市場シェアは55%」(2011年4月1日)
自動車産業界を支えるアストラグループは2011年2月の販売台数が38,001台で、競合他社合計の31,488台を引き離して圧倒的強みを示している。加えて、アストラグループの擁する諸ブランドの中のトヨタとダイハツが、これもブランド別番付の上位を奪っており、トヨタとダイハツだけでアストラグループ総販売の93%に達している。
2011年2月のブランド別販売台数は次の通り。
アストラグループ 38,001台
−トヨタ 25,563台
−ダイハツ 9,958台
−いすゞ 2,304台
−ニッサンディーゼル 175台
−プジョー 1台
非アストラ全部 31,488台
−三菱 10,480台
−スズキ 6,802台
−ホンダ 4,558台
−その他 9,648台
プジョーは1月に17台売れたが、2月は激減した。アストラグループの、中でもトヨタ・ダイハツの強みは、国内で最も需要の大きい普及型MPV市場に強い点にある。更に商業車市場での競争力強化を目的に子会社PTニッサンディーゼルインドネシアの社名をアストラマルチトラックスインドネシアと変更し、取扱いブランドをUDトラックスに変えることにしている。


「消費者動向に変化」(2011年4月6日)
2010年の一般消費者向け電子製品市場が2009年から17%成長したことをGFKインドネシアが報告した。この成長は家庭用電化製品と通信機器にプッシュされたもので、特にスマートフォンやフラットスクリーンパネルTVといったライフスタイルトレンド商品の拡売に見られるように消費者のトレンド追従が顕著に現れている。
この電子製品市場は40アイテムを対象に測定されており、2010年の市場規模は83兆ルピアに達した。17%成長は実にファンタスティックな成果だ、とGFKはコメントしている。消費者が購入した商品の単価は8割が200万ルピア以下で、単価500万ルピア超の商品を買った消費者は2%しかいない。この2%のひとびとが買った商品はノート型パソコンやスマートフォンがメインを占め、数量では2%しかなくとも金額は全体の16%を占めた。上のデータはインドネシア消費者の購買力を赤裸々に示すものだ。
総市場の4割はスマートフォンをメインにした通信機器、そしてパネルTVもそれに次ぐシェアを奪い、消費者の最新トレンドを追いかける買換え需要がきわめて高いことをその事実が示している。みんなが持っているものを持ちたいという憧れの充足と現実の購買力の兼ね合いに応じて従来顕著だった低価格商品への指向から買換え要求という、より高価でクオリティの高い商品への傾斜が強まるという現象が市場に現れてきており、一般消費者向け電子製品市場について言うなら、消費者の行動パターンは変化していると言うことができそうだ。


「約束とはその場のがれのこと?!」(2011年4月7日)
2011年1月18日付けコンパス紙への投書"Janji Palsu Index Puri"から
拝啓、編集部殿。2010年11月18日、わたしは西ジャカルタ市プリインダモール内のインデックスで買い物しました。品物は11月22日の配達になりましたが、当日受取った品物はキズモノでした。
配達してきた従業員は代品を11月24日に送ると約束し、メモをとりました。ところが一週間たっても代品はやってきません。
それでわたしはプリインダモールのインデックスに電話して問題を説明しました。カスタマーサービスは5分後に折り返し電話すると言ったきり、電話はありません。
ついにわたしは12月6日にプリインダのインデックスを再訪し、カスタマーサービスに苦情しました。わたしはまた最初から一部始終を話し、担当者はわたしの言ったことをチェックして検証したあと、12月10日に代品を送ると約束しました。
わたしがこの投書を書いている現在、インデックスはいまだに約束を果たしていません。代品はいつまでたっても届かないのです。わたしは今回はじめて、商売人の口約束に欺かれるという体験をしました。[ 西ジャカルタ市クンバガン在住、アンドリ・ウィジャヤ ]


「現物を自分でチェックしてから買うのが常識だったはず」(2011年4月26日)
2011年2月26日付けコンパス紙への投書"Belanja Via JamTanganku.com"から
拝啓、編集部殿。わたしは2011年1月5日にオンラインショッピングでJamTanganku.comからロレックスサークルフォーレディーズホワイトの腕時計を購入しました。注文番号は3379でした。
オーダーする前、わたしはJamTanganku.comに電話し、アフマッ・サフアンさんが応対しました。わたしがそのロレックス腕時計はホンモノで保証がついているのかどうかを尋ねると、ホンモノでなく、また保証もない、という返事でした。しかし販売されている時計はすべて新品で、状態も良好だと言うのです。
2011年1月6日夕方、ティキが品物を自宅に配達してきました。ところがボルトが折れているためチェーンを小さくすることが出来ません。もっと酷いことに、時計自体も壊れていました。
2011年1月8日、わたしはアフマッ・サフアンさんに電話して交換を求めましたが、かれは保証なしであることを理由にわたしの求めを拒みました。それどころか、どうしてそのモデルを選んだのか、とわたしが悪いようなことを言います。販売者の無責任さにわたしはたいへん不愉快な思いを抱きました。
せっかく買った腕時計が使えるようにと考え、わたしは腕時計修理屋にそれを持ち込みました。そこで時計の針の軸が動かないことが判明したのです。その修理に15万ルピアの出費を余儀なくされました。[ ブカシ在住、ニンシ ]


「カルフルのトローリーが車に衝突」(2011年5月2日)
2011年2月11日付けコンパス紙への投書"Troli Carrefour Meluncur, Merusak Mobil"から
拝啓、編集部殿。タングラン県スルポンのカルフルBSD店にあるトローリーが2010年12月27日14時ごろ突然メインロビー前を通過しつつあったわたしの運転する車に突進してきて、左前方扉にへこみと擦り傷を作りました。ロビー内には空のトローリーが3台以上散乱していました。
カルフルの入っているITC運営者側は、散乱したトローリーは百%カルフル側の責任だと断定しました。わたしはカルフルからトローリーの世話を委託されている会社の者だと自称するトローリー取扱い担当者と会い、待つように言われました。ところが一時間近く待っていたのに、カルフル側の人間はひとりも現れず、フォローも何ひとつなされません。わたしはたいへんがっかりしました。
わたしが声を荒げたところ、案内係のひとりが「カスタマーサービスマネージャーに連絡する」と言いました。15分ほど経ってから、マンダ夫人とマルリさんがわたしに会いました。ふたりは、トローリーの世話をする者の数は十分にいるのでカルフル側に責任はないと言い張ります。
トローリーの世話にミスを犯して第三者に損害を与えたというのに、カルフルは責任を放棄しています。今回はわたしの車が損傷を蒙りましたが、将来別の被害者が出るに違いありません、そしてもっと懸念されるのは、子供がトローリーの被害者になることです。カルフルはこの問題を些細なことと軽視しないでください。[ タングラン在住、エステラ・トゥグ ]


「中古車市場に空前の期待」(2011年5月10日)
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の影響がいよいよインドネシアの自動車産業界に及び始めた。日系自動車メーカーの独占代理権を持つインドネシアの四輪自動車生産者はほぼ一様に、4月から生産台数の低下をきたし始めている。
PTトヨタアストラモトルの2011年4月工場出荷台数は21,146台で、前月の32,275台から大きい低下となった。前年同月実績すら乗り越えていない。PTアストラインターナショナルが持つトヨタ自動車直販店オート2000の4月小売販売も17,373台で3月実績の2万6千台を下回った。
PTアストラダイハツモトルの工場出荷台数も2011年3月の10,186台から4月は8,160台にダウンし、こちらもやはり前年同月実績を割り込んでいる。三菱自動車の独占代理権を持つPTクラマユダティガブルリアンモトルの4月生産者販売は10,913台で、前月実績の13,074台に遠く及ばなかった。しかし同社の努力が功を奏したようで、前年同月実績の9,560台はクリヤーしている。
新車供給が落ち込み始めたとはいえ、自動車需要は少しも落ちていないどころか、国内経済好転を反映してかえって上昇の勢いを見せており、供給の穴を埋めるのは中古車だという思惑が中古自動車業界に広がっている。マルチファイナンス業界も、これからしばらくは中古車へのファイナンシングに力を注ぐ姿勢を示し始めており、今年は中古車市場が史上最大の規模に膨れ上がることを業界関係者は期待している。


「会話不成立」(2011年6月17日)
2011年2月7日付けコンパス紙への投書"Aetra Mengganti Meteran Sepihak"から
拝啓、編集部殿。わたしの親は2009年に北ジャカルタ市クラパガディンに家を買いました。その家はずっと空き家です。2010年8月、わたしは水道会社アエトラから4,173,540ルピアの請求書を受け取りました。しかし水道の家屋への流入弁は閉じている状態にあり、その家で水を使ったことはありません。それ以前の請求は毎月19,300ルピアの基本料金だけです。
わたしはシンダンのアエトラカスタマーサービス事務所を訪れ、バライプスタカ事務所に振られ、クレンデルのメーター交換所に回され、更にトンコルの事務所へ行かされました。そこで、2010年6月22日にメーター交換が行われたのが請求金額の膨れ上がった原因であったことが判明しました。サービスオーダーに記載されている担当者名はディディで、わたしのファミリーのだれひとりとしてその交換承認にサインした者はおらず、その書類にあるサインはニセモノでした。
わたしがその件について事務所職員に尋ねると、かれらはあくまでわたしに請求料金を支払うよう求めるのです。わたしはこの件について協議するため責任者との話し合いを要求しましたが、忙しいという理由でそれが実現したことはありません。アエトラ側は正しい業務プロセスをふまないくせに、水道供給契約をカットすると常に威嚇するばかりです。それどころか、アエトラ側はわたしのところにやってきて、サービスオーダーのオリジナル複写を受け取るよう強制する始末です。本来ならその紙は、契約者がメーター交換に同意し、その実施がなされた場で契約者に渡すべきものではありませんか。わたしはその受け取りを拒絶しました。今現在に至るも、アエトラ側からの誠意ある解決へのアプローチは何もありません。[ 北ジャカルタ市クラパガディン在住、アンドリ・エフェンディ ]
2011年2月25日付けコンパス紙に掲載された水道会社からの回答
拝啓、編集部殿。アンドリ・エフェンディさんからの2011年2月7日付けコンパス紙に掲載された投書に関して、次の通りお知らせします。
2011年8月、その家の水道メーターは重量物が置かれたために数値を読むことができませんでした。検針員はメーターが読めなかったために推測数値を記録しました。その推測数値を検証するため、弊社職員はその家に赴いて数値を調べ、メーターが示している数値を得ることができました。
普通、弊社は検針結果を再チェックし、請求書の使用水量がメーターのものと一致しているかどうかを判定します。もし一致していれば、弊社は請求書の訂正を行ないません。
お問い合わせはPTアエトラアイルジャカルタ24時間コンタクトセンター電話(021)5772010あるいはウエッブサイトwww.aetra.co.idへどうぞ。[ PTアエトラアイルジャカルタ企業広報マネージャー、リカ・アンジュリカ ]


「舶来志向」(2011年6月29日)
どの民族にも舶来志向はあるようだ。それが重症になれば舶来崇拝となり、反感に向かえば国粋主義となる。外国製品は何でも優れていると思うのか、あるいは異国文化への憧れのなせるわざか、自分が接するものごとはすべて外国出自のほうがよい、と考えるのが舶来志向ということだろう。そこには実際に存在するものごとのクオリティを個別に審査検証しようという姿勢が乏しく、舶来という言葉で括られたカテゴリーを選択するという、つまりはシンボルへの反応に過ぎないように思えるのだが、間違っているだろうか?個々のものごとのクオリティを評価できる能力があるひとは、そんなシンボル優先姿勢に陥らないにちがいない。
インドネシアには国際的評価を得ているブランドがない。だからブランド志向のひとは自動的に舶来志向にならざるを得ない。昔からインドネシアでは、外国製のものはなんでも優れていると一般に思われてきた。だから作られる製品には外国風な商品名をつけるし、外国産を詐称するものも数多い。もう何十年も前の体験だが、ローカル産の履物を買ってきて、家で箱から取り出してじっくり見てみたら、Mode in Japan と書かれたシールが底に貼られていたのを発見して大笑いになったことがある。
オルバ期の工業化政策によってたいていの工業製品は国内で作られるようになったから、日系ブランドであれ韓国ブランドであれヨーロッパブランドであれ、国内市場で流れているものはほとんど国産品だ。こうなると次のステップとして国民は外国ブランドか純インドネシアブランドかという選択に入っていくわけで、やっとクオリティ評価のベースが整ってきたと言うことができるにちがいない。しかし情緒優先の国民性だから、そんな消費者の購買心をくすぐるために純インドネシアブランドでもネーミングは外国語風になる傾向が強く、政治的なシーンで目にするナショナリズムあふれる姿勢とそれがどこで折り合うのか、という戸惑いにわれわれはとらわれてしまう。
2011年6月1〜2日、コンパス紙R&Dが全国683人に対して行った調査で、消費者のインドネシアブランドに対する意識が明らかにされた。質問の1.はあなたがよく買うインドネシアブランドの商品は何ですか?
回答1. 衣服42.0%、靴・バッグ・ベルト14.3%、家庭用品13.9%、家電品1.9%、その他7.3%、外国ブランドしか買わない11.7%、無回答8.9%
質問2. 日常品の購入に際して、選択の際に外国ブランドとインドネシアブランドを意識しますか。ジャワ島内とジャワ島外が分けられているのはどういうことだろうか?
回答2.ジャワ島内:意識する46.2%、しない49.4%、無回答4.4%
ジャワ島外:意識する48.4%、しない48.8%、無回答2.8%


「消費者の価格重視方針に変化」(2011年7月1日)
交通費支出を抑えたいのはやまやまなれど、廉ければよいというものではない。消費者の方針はいまや価格志向からクオリティ志向に移り変わりつつある。安全・快適・時間などの要素が重視されるようになった。そう、安全は金を注ぎ込まなければならないものなのだ。
2011年5月にマークプラスインサイトがスラバヤ・バンドン・スマラン・ジャカルタ・メダン・マカッサルで634人から集めた調査結果によれば、タクシーを選ぶ際に22.4%は安全を選択要因の筆頭にあげている。空の足に関しても、62.8%が同じ主旨を述べている。国民所得の上昇に伴って、消費者の選択はますます賢明になり、また要求も高度化しているようだ。経済成長は著しいがインフラ整備は遅れており、路上の交通渋滞は慢性化してコストアップが激しくなっている。首都圏住民の通勤に要する時間は156分で、タイの2時間を凌駕している。そんな中で陸運業界は生き残る方途を探らなければならない。そのときに犠牲になりがちなのは、安全と快適さだ。タクシー業界にとって時間の問題は既に自分の手を離れて統御不能の領域に入ってしまっているそうだ。
マークプラスインサイトはクオリティの優れた運輸各界の企業に表彰を与えた。選ばれたのはブルーバードタクシー・ガルーダ航空・チパガンティ・JNEティキなど。


「国産電話機が国内市場を牛耳るのも間近」(2011年7月4日)
携帯電話機市場で国際的ブランドのシェアが低下している。ノキアをはじめとする国際的ブランド携帯電話機は大都市部で強さを誇っているものの、人口の大半を擁する地方部でのシェアは国産ブランドに押されて逆転しつつある。最近進境著しいのが地方都市周辺で、ジャワ島ではトゥガル、スラウィ、クディリ、など中部東部ジャワの地方部での販売が進んでいる。
国産携帯電話機はHT Mobile、Ti Phoneなどいくつかのブランドがあり、全国販売は月間150万台で総市場の40%を占め、ノキア30%、サムスン12%、ブラックベリー12%、ソニーエリクソン2%など国際的ブランドと覇を競っている。市場が飽和しつつある都市部のアッパーミドル層に比べてまだ処女地といえる地方部に食い込んでいる国産携帯電話機はそのうちに国際的ブランドを圧倒するだろうと業界者は一様に見ている。インドネシアの携帯電話機利用者人口は1億6千万人で、アッパーミドル層はわずか20%しかおらず、ロワーミドル層が8割を占めている。このロワーミドル層にもひとりで複数の電話機を持ち、また頻繁に買い替えをするスタイルがファッションとして広がっている。そんな市場に向けて国産携帯電話機生産者は消費者の望むスペックと1台30万ルピア前後というお手ごろ価格を用意して売り込みに努めている。
おまけに廉価携帯電話機と地元コンテンツ制作業界が組んで市場にフィットするユニークなフィーチャーをオファーしているのも大きい強みになっている。そのひとつがMeChatで、このアプリケーションを持たせた電話機同士の間で廉価にチャットができる。このミーチャットは1日1千ルピア、アップグレードすれば一週間6千ルピアでチャットが楽しめるという寸法だ。このアプリケーションは国内既存の大手電話オペレータも興味を示しており、テルコムセル・3・XLが利用を開始している。


「買い物客を欺く手法?!」(2011年7月6日)
2011年4月21日付けコンパス紙への投書"Hati-hati Belanja di Carrefour Bintaro"から
拝啓、編集部殿。2011年3月16日、わたしはカルフルのビンタロ店で写真アルバムを2冊買いました。棚の価格表示は12,000ルピアでしたが、レジのレシートには16,000ルピアと打ち出されました。案内カウンターでそれを尋ねると、かれらは謝罪して差額を返してくれました。
ところが翌日同じ店でまた同じことが起こったのです。16時ごろ、わたしはミニッツメイドパルピーを買いました。価格表示は4,850ルピアだったのに、レジでは5,920ルピアになっています。子供の下着は15,000ルピアだったはずなのに、レジでは34,900ルピアでした。
カスタマーサービスにこの件を苦情すると、かれらはお詫びを口にしましたが、差額はどうにもしてくれませんでした。これがカルフルビンタロ店の消費者ごまかし手口なのです。消費者はこの店で買い物するとき、レジでの価格によくよく注意しなければなりません。[ タングラン在住、スリタ・サモロ ]
2011年5月6日付けコンパス紙に掲載されたカルフルからの回答
拝啓、編集部殿。スリタ・サモロさんからの2011年4月21日付けコンパス紙に掲載された投書について、当方はスリタさんの投書にある商品の価格をチェックし、スリタさんに直接コンタクトして当方の怠慢を謝罪し、スリタさんはそれを了承してくださいました。当方は常にお客様からのご指摘をお待ちしております。[ PTカルフルインドネシア企業責任広報長ヘンドリッ・アドリアント ]


「男性ショッパーが急増」(2011年7月8日)
自分が主体になって買い物を行う男性が増加している、とニールセンインドネシアが報告した。その男性ショッパーの構成比は2009年17%、2010年19%そして2011年は26%と大きくジャンプしている。この傾向は今後も継続すると見られており、小売店業界は男性ショッパーへの便宜を一層はかっていかなければ商戦に立ち遅れるのは間違いないとニールセンは業界者に警告している。「男性ショッパーの行動は女性とはだいぶ違っている。男性は店内に入ると買いたい品物の陳列場所に直行し、品物を手にしてそのままレジに進み、支払いして店を出る。女性が他の品物を見て回って時間を費やすようなことを男性はしない。」
今回のニールセン調査では、買い物は嫌いと答えた男性が15%、51%は家庭での義務と考え、28%は買い物が好きと答えており、6%が買い物大好きという構成だった。PTムスティカラトゥCEOはその調査結果に関連して、男性用ボディケア商品の伸びは大きく、年間70%の成長率になりそうだ、とコメントしている。
もうひとつニールセンが発見したのは消費者の衝動買い傾向の強まりで、計画性のあるショッピングを実践しているひとは全体の15%に過ぎず、計画はしても計画していなかった品物を買ったり、あるいはぜんぜん計画性がないというひとが大部分を占めた。
ショッピングの場所については、層の重厚なトラディショナルマーケットが消費者の支出の50%近くを吸い上げている。特に野菜・果実・食肉・魚などの生鮮食料品は圧倒的にウエットマーケットが利用されており、加えてベビー用品や身体ケアのための日用品もトラディショナルマーケットでの購入が多いとのこと。


「水道メーターレンタル会社?!」(2011年7月12日)
2011年4月5日付けコンパス紙への投書"PAM Lyonnaise Jual Angin"から
拝啓、編集部殿。我が家はもう何十年も上水道会社PAMリヨネーズDKI(パリジャ)の利用者で、顧客番号000003817です。水道は水がチョロチョロでまったく頼りにならないですが、我が家は利用契約を続けています。2009年12月、水がまったく出なくなりました。わたしは何十回もパリジャのカスタマーサービスに電話し、パリジャの作業員が十数回我が家を訪れましたが、まったく効果はありません。作業員はこの問題を経営者に伝えると約束しました。
2010年3〜4月にパリジャはラワバラッ町一帯で上水配管改装工事を行いました。しかし我が家の水道は依然として水が出ません。この一年間、水はまったく出ないというのに、最低料金と罰金の請求書が毎月届きます。督促はSMSで入り、利用契約を解除するという脅しがついてくるのです。わたしは南ジャカルタ市ダルマワンサ通りにあるパリジャのカスタマーサービス部門と請求部門を訪れました。そしてパリジャ職員のセリフにびっくりさせられました。「水が全然出なくても、水道メーターを借りているのだから請求への支払いを毎月行わなければならない」。
水道メーターの借り賃を払ったら水が出るようになるのですか?それに対するパリジャ職員の答えはもっと激しいオドロキをわたしに与えました。「われわれは何の約束もできません。しかしあなたは水道メーターを借りているのだから、水が一滴も出なくとも、毎月の請求を支払わなければならないのです。」[ 南ジャカルタ市在住、フィルマンシャ・バフティアル ]


「サリナがバンドンにホテルを開業」(2011年7月29日)
中央ジャカルタ市タムリン通りに面したサリナデパートはインドネシア最初の百貨店で、おまけにインドネシアで最初にエスカレータが設置されたビル。そのサリナデパートのオーナー国有事業体PTサリナがバンドンにホテルを建てる。
1962年8月17日に操業を開始したPTサリナのメイン事業は小売業で、ジャカルタのほかにジョクジャ・バンドン・バタム・マカッサルに店舗を開いている。しかしバティックや木彫りなど地元産品の販売促進を会社の使命のひとつに位置付けているサリナが小売業界で有力な地位に就いていたのは過去の話で、いまでは小売業界の中でとりたてて目立つ力を持っているわけではない。
やや衰退気味の小売事業とは別に、貿易事業や不動産事業も定款の中にうたわれており、規模は小さいながらも多角経営が行われている。バンドンのブラガ(Braga)通りに持っていた店舗は業績が伴わないため既に閉められ、そのあとをどうするかについて検討が行われていた。そして四星級のブティックホテルをそこに建設することが経営会議で決まったのである。
サリナはバンドンで二ヶ所にアウトレットを開いていたが、黒字にならないため閉鎖していた。マルガハユ住宅地区のものは賃貸に出し、ブラガ通りのほうは地の利に援けられて地下を含めた12階建て90室のホテルに変身する。サリナは今年中に建設を開始して、2012年の開業にこぎつけたい考え。


「みどり子は幸いなる哉」(2001年8月1〜4日)
赤児と幼児は世界中のどこへ行こうが、無条件で愛されている。自分の子供は言うに及ばず、知人の子供でもそうだし、赤の他人の子供でさえ自分の近くにやってきたら、自然と相好がくずれて手が出て行く。自分の子供に見知らぬ他人が手を触れるのを嫌がる親が多い国では、自然と相好がくずれてもなかなか手は出ないものだが、人間大好きの高依存性国民にはあまりそういう親がおらず、そのために赤の他人もすぐに手を出したがる。
世界的に少子化が進んで親は子供に手をかけるようになった。子供はどこの家庭でも大事にされている。いや、もちろん個人差と例外はつきものだが、それはここでは触れない。ともあれ、目に入れても痛くないほどのかわいがりようだから、そんなありさまを見て「子供のペット化」だと思うわたしは世間の顰蹙を買い非難を浴びるにちがいないが、そこまで甘やかされて育つかれらが将来作り出す社会がどんなものになりそうかは、想像がついているひとも少なくないのではあるまいか。
インドネシアではこれまでベタベタに甘かった親子関係が少子化でもっともっと甘くなり、甘やかさなければ親じゃないという感覚は深化の一途をたどっている。ましてや愛情とは甘やかすことであり、親は子供を幸せにしてやる務めがあると言って、成人した子供に結婚相手をあてがい、住む家まで建ててやるような社会では、湧き起こってきた赤ちゃん向けサービス業にすぐに乗っていく親が出るのは当然の成り行きだろう。スパやマッサージに美容サロン、赤ちゃんファッションブティック、フォトスタジオといった赤ちゃん向け業種が大都市に雨後のたけのこのごとく繁茂し始めている。親たちは、幸福で健康でファッショナブルな赤ちゃん人生を愛しいわが子に与えようと、積極的にそんなビジネスを利用している。
100x80センチの広さで深さ120センチの浴槽に生後5ヶ月の赤ちゃんがひとりで入っている。浮き輪の上に頭を出し、水が顔にかからないようにしてある赤ちゃんは、水の中で手足をばたつかせてご機嫌。周りにいる大人たちがみんなであやしているのだから、ご機嫌さはこの上なしというレベルにちがいない。時は2011年7月の朝、ところは南ジャカルタ市ダルマワンサスクエア(Darmawangsa Square)内にあるスパ・ベビー。言うまでもなく、ここは赤ちゃんスパ。ご機嫌だったラカちゃんは、そのうちにぐずつきはじめる。するとセラピストが水から出して抱き上げ、身体をやさしくなでさすり、もみほぐす。気持ちよくなったラカちゃんは、そのうち満足げに眠りに落ちる。「スパの後はぐっすり眠るんです。からだがリラックスするんじゃないかしら。」母親のニナさん30歳はそう語る。
毎週日曜日、この母子はスパ・ベビーにやってくる。会社の友人たちからそこを教えてもらったニナは、今ではスパ・ベビーの常連だ。6回分パッケージを150万ルピアで買った。わが子に優れたサービスを与えることができるなら、それは廉いものだとニナは言う。2009年に開業したスパ・ベビーでは、生後40日から1歳までの赤ちゃんには全身のお手入れと赤ちゃんマッサージ、1歳を超えた赤ちゃんにはマッサージ・散発・マニキュア・ペディキュアそしてフェイシャルのサービスを行っている。毎日十数人の赤ちゃんがスパ・ベビーにやってくる。
デポッ(Depok)市に住むヤングママのリサ27歳は、南ジャカルタ市スナヤン地区にある赤ちゃんスパにまだ1歳未満のわが子を連れて行くようになった。スパはひとコマ20分で赤児をプールに入れ、マッサージしてくれる。その20分のためにリサは時間と費用を惜しまない。しかしスナヤンへはあまりにも遠い。もっと手近なところはないかしらと探したら、タングラン市ビンタロジャヤに同じようなところが見つかった。二週間に一度、リサは今わが子を連れてそこに通っている。20分のために12万ルピアが飛んでいく。「普通のプールじゃ赤ちゃんを連れてけないじゃない。衛生的にも心配だし。だから高いには高いけど、ひと月に二回だけだもの、子供のためよ」。
南ジャカルタ市クマン9通りの写真スタジオ「アマデウス」。オーナーのナタル・アジは著名な写真家だ。親が連れてきた赤ちゃんはスタジオの清潔な床におろされ、好き勝手に振舞いはじめる。写真家はそんな赤ちゃんの自然な姿をさまざまなアングルから素敵な写真に仕上げていく。親はそのために数百万ルピアの金を惜しまない。「赤児・幼児写真が流行したのは2003年から2005年ごろまでだ。写真撮影の順番が来るのを、母親やベビーシッターが列を成して並んでいた。中には、順番を早くしてもらいたいひとがスタッフに贈賄するようなこともあったなあ。」
赤ちゃんケアの意識が高い親がジャカルタにだけいるわけではない。チレボンのナディア30歳は6ヶ月のわが子の発育に全霊を打ち込んでいる。「おなかの中にいる間はクラシック音楽、特にモーツアルトを毎日朝と夜に聞かせたのよ。クラシック音楽は母体と胎児をリラックスさせるだけでなく、ポジティブな影響を与えるんですから。赤ちゃん用玩具も心身の発育に欠かせないものだから、あぶない要素、ネガティブな要素のないものを選ばなきゃ。でもチレボンではなかなか手に入らないから、インターネットショップで注文するんです。高くつくけど、かんだりなめたりするので、安全なものが絶対必要なんです」。
赤ちゃんビジネスに名づけ業もある。昔は夫婦で相談し、親や舅に姑、親類縁者にまで生まれてくる赤ちゃんの名前を募集したりしたものだが、今では赤ちゃんに名前をつけるのを商売にするひとが現れた。ユニークで、エクスクルーシブで、そして祈りのこめられた特別な名前。親は候補として出された三つの名前の中から気に入ったものを選んでうなづくだけ。そして最低100万、最高は300万ルピアの金が飛んでいく。
リリとヌロヒムの夫婦は生まれてくる子供の名前をどうするかで悩みに悩んだ。大切なわが子にありきたりの名前をつけたくない。いろんな名前を考えたが、これぞというのに出会わない。ラテンアメリカ風な名前がいい、ということでこの夫婦は名前を買うことを決めた。でも生まれてこないと男の名前か女の名前かが確定しない。じゃあ両方買っとこう。ということで300万ルピアでカッコいい名前を買い取った。そして2011年5月、ヴェロクサ・アルケリア・ゾヤが産声を上げたのだった。一度誰かに売った名前は決してほかのひとに売らないという保証付きだそうだ。また、生まれたばかりの赤ちゃんの手形足形をとって額縁にいれ、名前と諸データを記載するベビーキャプチャービジネスもある。
そんな赤ちゃんビジネスに若い親たちはどこまでのめりこんでいるのだろうか?コンパス紙R&Dが2011年7月6〜8日に714人の回答者から集めたサーベイ結果によれば、ほぼ4人にひとりが赤ちゃんケアに関心を持っていることが明らかになった。「あなたは赤ちゃんや幼児を、専門のケアをしてくれるお店に連れていこうと思っていますか?」という質問に対する回答は次のようになった。
はい 23.4%
いいえ 62.5%
まだ子供がいない 9.8%
不明・無回答 4.3%


「ソロ市民に人気のブランドはこれ」(2001年8月3日)
中部ジャワ州ソロ市を中心とするソロラヤ地区で消費物品のブランド審査が行われ、2011年7月4日にベストブランド発表会が開催された。昨今、ソロ市ではさまざまなフェスティバル活動や観光面の充実などが積極的に行われており、いまインドネシアでホットな街のひとつになっている。
カテゴリーごとのベストブランドは次の通り。
即席麺 Mie Sedaap
茶葉 Gopek
ティーバッグ Sariwangi
シャンプー Pantene
大人用ハイCa粉乳 Anlene
幼児用粉乳 Dancow
即席コーヒー Indocafe
地元製パン Dika
地元食堂 Adem Ayam
バティック Danar Hadi
クレテッ煙草 Djarum 76
クレテッフィルター煙草 Djarum Super
紙巻き煙草 Marlboro
マイルド煙草 Sampoerna A Mild
マニュアル自動二輪車 Honda Supra
オートマ自動二輪車 Yamaha Mio
スポーツ用自動二輪車 Honda Mega Pro
乗用四輪車 Honda Civic
ハッチバック四輪車 Honda Jazz
MPV四輪車 Toyota Kijang
商業用四輪車 Suzuki Carry
二輪車用潤滑油 Top 1
四輪車用潤滑油 Mesran
LCD・プラズマTV LG
ブラウン管TV Sharp
エアコン LG
冷蔵庫 Sharp
洗濯機 LG
フィラメント電球 Philips
ラジオテレコ Polytron
コンクリート用ペンキ Catylax
セメント Gresik
組立て家具 Olympic
ハイパーマーケット Hypermart
スーパーマーケット Luwes
ミニマーケット Alfamart
私立病院 Dr Oen Surakarta
クレジットカード BCA Card
シャリア銀行 Mandiri Syariah
貯金口座 BRI
航空会社 Garuda Indonesia
GSMシムカード(前払い)IM3
  GSMシムカード(後払い)Kartu Halo
CDMAシムカード(前払い)Flexi Trendy
CDMAシムカード(後払い)Flexi Classy
自動車保険 Sinarmas
生命保険 AJB Bumiputera 1912
地元国民貸付銀行 Binsani
四輪車リース Adira Finance
二輪車リース Adira Finance
家電品ショップ Semeru Elektronik
星級ホテル Novotel Solo
咳止め Komix
胃薬 Promaag
頭痛薬 Paramex
薬草風邪薬 Antangin
国際級携帯電話機 Nokia
国産携帯電話機 Nexian
スマートフォン BlackBerry
プリンター Canon
ノートブック/ネットブック Acer
インターネットプロバイダー Speedy
デジタルカメラ Sony
カムコーダー Sony
テレビ放送局 RCTI


「自動車と無縁のひとは相手にしない?」(2001年8月13日)
2011年5月21日付けコンパス紙への投書"SIM dan Sepeda di Ancol"から。
拝啓、編集部殿。わたしども一家は2011年4月9〜10日、北ジャカルタ市アンチョルのホテルメルキュールに宿泊しました。4月10日(日)早朝、ホテルが貸し出している自転車を子供が借りようとしましたが、週末で客が混んでいたので借りることができません。するとホテル側は、アンチョルドリームパークでも自転車を貸し出しているので、そちらで借りてはどうかと勧めてくれました。アンチョルドリームパークの自転車はたしかにたくさんありましたが、それを借りるときSIM(運転免許証)もしくはSTNK(自動車番号証明書)を預けるのが条件になっていたのです。わたしはそのどちらも持っていません。
自転車貸し出し受付職員が、「お貸しできなくて済みません」と詫びを言ってくれましたが、ドリームランド訪問客としてわたしはその差別的な扱いにたいへん不愉快な思いをしました。SIMやSTNKはKTP(住民証明書)よりもランクが上だとでも言うのでしょうか?[ 中央ジャカルタ市在住、ムティア・サフィラ ]


「ジャカルタのバティックショッピングはここで」(2011年8月20日)
中央ジャカルタ市タムリン通りとマスマンシュル通りの間を結ぶクブンカチャンラヤ通りにタムリンシティがある。と言うより、プラザインドネシアとホテルインドネシアの間の道を西に進めば、アスコットの向こうにそびえる巨大なビルが目に入る。それがタムリンシティ。このモール内にはヌサンタラバティックセンターがあり、全国のバティック産地から特産品バティックが集まってくる。
タムリンシティ側はこのヌサンタラバティックセンターを一層充実させようと、全国のバティック産地で活動している生産者に対し、同センターへの出店を呼びかけた。テナントスペースは賃貸も買取もあり、他のモールよりも有利なコストになっているので販売商品の値付けは低く抑えることが可能になる。だから、そのジャカルタの一等地に商品を展示して国内外への販路を開拓することに利用してほしい、というのがセンター側の呼びかけ内容。バティックセンターによれば、国内だけでなくアメリカ・オーストラリア・ロシア・インド・日本・シンガポール・マレーシアなどの観光客も頻繁にやってくるとのこと。
同センターは既に、プカロガン、バタン、ジョクジャ、バントゥル、タシッマラヤ、ソロ、チレボン、ラスム、パムカサン、サンパン、スコハルジョ、スマラン、ジャンビなどの産地に出店を呼びかけている。


「奇妙な請求が来るのは、ビ・ア・サ」(2011年8月26日)
2011年5月21日付けコンパス紙への投書"Tagihan Air Justu Melonjak Ketika Rumah Toko Kosong"から
拝啓、編集部殿。わたしはタングラン市ビンタロジャヤのグラハラヤに店舗住宅を持っています。2008年から2010年12月まで、電気も水も毎月の支払いはちゃんと行い、滞納したことはありません。すべてが普通に進んでいました。ところが2011年1月に問題が起こったのです。
わたしの店舗住宅は2010年12月1日に閉業したというのに、水道料金の請求が3,320,400ルピアも来たのです。わたしはびっくりしました。店舗住宅の営業をしていたころは、水道料金請求は30万から50万ルピアの間だったのですから。わたしはグラハラヤ運営事務所を訪れてジョコさんにお会いしました。ジョコさんは、「水漏れがあったんでしょう」と言いましたが、わたしの店舗住宅で水漏れの跡などどこにも見当たりません。
正確な調査と解決を希望しています。もし水漏れがあるのなら、わたしの方で修理します。おかしいのは、わたしが修理も何もしていないというのに、2011年2月〜4月の請求がまた元通りの金額に戻ったことです。2月と3月の水道使用量はゼロと記載されていました。
わたしは再度運営事務所を訪れて、この出来事の決着を求めました。しかしかれらはアテンションを払ってくれません。その奇妙な請求を10%割り引いてくれるという話だけで終わってしまいました。デベロッパーのPTジャヤリアルプロパティは、消費者に負担を負わせて好き勝手に儲けを得ようとするだけではありませんか。情報を集めたところ、わたしだけがそんな奇妙なことを体験していたのではなかったのです。友人の中には、一ヶ月に6百万ルピアを超える請求をもらったケースもありました。[ タングラン在住、ファハリア・ガルティニ ]
2011年6月8日付けコンパス紙に掲載されたデベロッパーからの回答
拝啓、編集部殿。2011年5月21日付けコンパス紙に掲載されたファハリア・ガルティニさんからの投書について、まずお詫び申し上げます。
当方はファハリアさんにお会いして状況を説明申し上げようと努めていますが、まだご本人にお会いできていません。問題について調査したところ、その店舗住宅内に置かれている貯水タンクの給水ストッパーが完全に機能していない兆候を見出しております。
どうか、電話番号021−53123000あるいは081382448699(プラスティヨ宛て)あるいはファックス番号021−53124000までご連絡ください。[ PTジャヤリアルプロパティグラハラヤ運営マネージャー、イスディアント・プラスティヨトモ ]


「古銭を探すならパサルバル」(2011年8月29・30日)
中央ジャカルタ市サワブサール(Sawah Besar)のパサルバル(Pasar Baru)には古銭を求めるひともやってくる。古銭商人は商店の壁沿いに机を置き、古い紙幣やコインを並べる。古銭はしょっちゅうだれかが買いに来る品物ではないから、売れたり売れなかったりという波は激しい。「ルバランのあとは需要が上がるんだよ。結婚式が増えるから。」古銭商人のひとりナサル78歳は物語る。かれの話では、古銭が結納品の一部として使われるのだそうだ。たとえば、婚礼の日をシンボライズする。2011年という年号を示すのなら、1千ルピア札を2枚、10ルピア札と1ルピア札を各1枚使う。紙幣の額面はそうでも、古銭だから発行年が古いものほど値段は高い。
ナサルの商品ストックは豊富だ。10ルピア紙幣などは1958年のものがある。かれは値段を決めているわけではない。客とのタワルムナワルの成り行き次第という面は、かれらのような商人たちに避けようのないものだ。1986年発行の5千ルピアなどは、最初1万5千ルピアからタワルムナワルを始める。
客はジャカルタ在住者が多いが、ランプンやメダンなど遠方からもやってくる。商品の仕入れはどうやっているのだろうか?ジョクジャをはじめジャワ島の地方部を巡回して古銭を集めてくる男から買っているのだ。自分がまわれば仕入れは廉くできるだろうが、そこまで自力でやってはいられないようだ。他人を使うほうが楽に決まっているし、楽をするのだから支出が増えても当然で、おまけに他人に糧を分け与えるのだから言うことはない、とかれは言う。
パサルバルには古銭商人が十数人いる。商売敵とはいえ、かれらの横のつながりは強く、ビジネス競争よりは人のつながりを楽しもうとするのがかれらのホンネのようだ。客が来て、自分のストックにない古銭を尋ねられたとき、かれらの間で客を回しあうのは昔からの習慣になっている。
最近需要が高まっているのが、オランダ植民地時代のフルデン(Gulden)とリンギ銀貨(Ringgit perak)。市場に流れているものは数が減っており、価格はうなぎのぼり。1920〜30年代発行のものはウィルヘルミナ女王の横顔、1800年代のものはウィレム王の肖像が入っていることから、商人たちはそれらをウィルヘルミナあるいはウィレムと呼んでいる。リンギは額面2.5フルデンのコインだ。かれら自身もそうだが、客もホンモノかどうかを見分けるために、コインを床に落とす。甲高く長い余韻が残ればホンモノだ。
ナサルは5ヶ月前にリンギ銀貨を1個25万ルピアで売った。しかしジャワから古いコインはもうあまり入荷しなくなっている。古銭を売りに来る巡回商人の数も減少気味だ。
インドネシアの古銭コレクターは、ほかの品物コレクターと同じように、蒐集品を眺めなでさすってよろこぶようなひとびとではないようだ。ランプンに住むコレクターのひとりは、1960年発行の額面5百ルピアスカルノ紙幣を30万ルピアで購入し、それをほしいと言う友人に70万ルピアで売ったそうだ。趣味の世界も商売と背中合わせ。インドネシア人のチャリウアン(cari uang)精神は日本人にまねのできないものであるにちがいない。


「管理能力それとも詐欺能力?」(2011年9月2日)
2011年6月9日付けコンパス紙への投書"Palyja dan Rekening Ganda"から
拝啓、編集部殿。去る5月4日、水道会社Palyjaから2009年8月分の滞納通知が来ました。未払い金額92,700ルピアに罰金17,500ルピア、そして7日以内に支払われなければ給水停止という脅し付きです。水道顧客番号000088xxx名義人リー・ピーキオ住所カルティニI通り20Aの住居オーナーであるわたしには、水道料金の滞納はありません。
わたしは驚きと不思議の思いに満たされました。もし本当に滞納があるとしたら、どうして20ヶ月も過ぎてから請求してくるのでしょうか?好運にも、わたしは2009年8月の支払い証憑をまだ保管していました。請求金額は21,329ルピアで、2009年9月11日DKI銀行トリサクティ出納支所にて支払い済みでした。もしその証憑を保管していなければ、2009年8月の二重請求にまた応じなければならなかったわけです。
疑問が生じます。わたし宛に請求された92,700ルピアという未払いはいったいだれのものだったのでしょうか?これこそ、フランス系外国企業が経営しているPT PAMリヨネーズジャヤの管理業務がでたらめであることを証明するものではありませんか。[ 中央ジャカルタ市在住、ジェミー・ウィジャヤ ]


「液晶テレビの売れ行き絶好調」(2011年9月5日)
2011年上半期の液晶テレビ受像機販売は前年同期から200%のアップを示した。この激増は商品価格が35%低下したことが大きく寄与している。液晶テレビ受像機販売に大きいシェアを誇っているPT LGエレクトロニクスインドネシアのTVマーケティングヘッドは、ブラウン管テレビ消費者の液晶テレビへの移行は目覚しいものがある、と語る。「32インチ液晶テレビの価格は同サイズのブラウン管タイプと大差ないレベルに近付いている。2015年にはブラウン管タイプはフラットタイプに完全に駆逐されるのではないだろうか。当社製品は価格が27%も低下した。いま当社の液晶タイプは平均350万ルピアの価格で、テレビ部門総売り上げの半分を占めている。LGは国内テレビ総市場の33%シェアを持っており、今年上半期の実績は昨年から4割増になっている。」
マーケット全体で見るなら、液晶テレビは2010年の価格から既に35.5%もダウンしている。一方プラズマテレビは31.1%の値下がりだ。ブラウン管タイプの値下がりは8.1%しかなく、フラットテレビの価格ダウンのほうが大きいメリット感を与えている。
しかし家電品連盟会長は、ブラウン管テレビの需要のほうがフラット型よりはるかに大きく、そして需要もまだ伸びている、と語る。「伸び率はフラット型がはるかに顕著であるとはいえ、ブラウン管型は伸びも緩慢だし年々低下しているものの、量的には大違いだ。」
しかし市場では、液晶型が1台売れるごとにブラウン管型が2台売れているというのが実態だ。ではあっても、2011年上半期のパネルテレビ総売上高はブラウン管型を上回っている。


「やってきたのはお脳ブランクの作業者」(2011年9月6日)
2011年6月4日付けコンパス紙への投書"Teknisi Top TV Menggergaji Kusen"から
拝啓、編集部殿。2011年5月7日(土)、有料テレビTop TVの顧客になったわが家にテレビ会社から、設置作業のために技術者がふたり派遣されてきました。THという名前のテレビ会社技術者がその友人を助手にしてやってきたのです。しばらく話を交わしてから、技術者は作業を開始しました。パラボラやケーブルなどの設置については、わたしはかれらに任せることにしました。
およそ一時間して、応接間で作業しているふたりの様子を見にわたしは現場へ行き、そこで目にした光景に驚いて呆然となりました。なんとふたりは応接間の窓枠と窓に鋸をかけていたのですから。ケーブルを通すためだとかれらは説明しましたが、わたしは失望と怒りで顔色を変え、かれらの上司に連絡するよう命じました。ところがかれらが電話して呼び出したのは上司でなく同僚だったことが判明し、失望はますます深まります。最終的にHという名前のスーパーバイザーの電話番号をもらいました。
ところがHの反応もはっきりしていません。かれは週末の休みなので、自宅で休養中であるという言い訳をするだけで、わが家で起こっている問題に責任ある反応をしませんでした。おまけにあとで電話をかけなおしたところ、電話は切られていて応答なしでした。窓枠と窓を壊したTop TVにわたしは大いに失望しています。[ 東ジャカルタ市在住、アデ・アファンディ ]


「アブナイ中古車」(2011年9月13日)
2011年6月18日付けコンパス紙への投書"Mobil Bekas di Ruang Pamer"から
拝啓、編集部殿。しばらく前にわたしの兄はタングラン市スルポンのスンマレコンモール向かいにあるDS中古車展示場で2005年製メルセデスベンツC−240を一台購入しました。名義変更手続きのために南ジャカルタ市統合サービス事務所で現物チェックを行ったところ、エンジン番号がオリジナルのものと違っているのが判明しました。
中古車展示場にこの問題を苦情したところ、店主は横柄な言い方で、その車の前の持ち主は国軍上級将校であり、そんなことはありえないと強く否定するのです。ところがそれだけで終わったならまだしも、軍の不良退役将軍が兄に脅迫をかけてきました。その不良軍人と中古車展示場の店主がどんな関係にあるのかはよくわかりません。はっきりしているのは、兄が中古車展示場の店主のために経済的に大損害を受けたことと、不良退役将軍のためにトラウマを抱えるようになったことのふたつです。[ メダン在住、ロビー ]


「食材は伝統型パサルで」(2011年9月21日)
ハイパーマーケットとミニマーケットで客足が絶えず、大繁盛している姿を目の当たりにして、モダンマーケット隆盛は確固としており、トラディショナルマーケットはそのうちに駆逐されるかもしれない、という印象が消費者の間に拡大しているものの、それは単なる妄想にすぎない、とニールセンインドネシアが報告した。ニールセンショッパートレンド2010によれば、国民が日々購入している生鮮食材は伝統的パサルを利用する消費者が過半数を占めている。
ジャボデタベッ・バンドン・スラバヤ・マカッサル・メダンの5大都市でニールセンが行った調査結果は、伝統的パサルの利用比率が増大している現象を示している。
[生鮮野菜] 2008年⇒2009年⇒2010年
回答者数: 1,257⇒1,686⇒1,656
ハイパーマーケット(%): 9⇒5⇒5
スーパーマーケット(%): 9⇒10⇒9
ミニマーケット(%): 3⇒3⇒3
ワルン(%): 22⇒18⇒17
パサル(%): 37⇒46⇒53
巡回食材売り(%): 20⇒18⇒12
[ 鮮肉 ] 2008年⇒2009年⇒2010年
回答者数: 1,073⇒1,513⇒1,512
ハイパーマーケット(%): 10⇒6⇒3
スーパーマーケット(%): 5⇒8⇒7
ミニマーケット(%): 1⇒−⇒−
ワルン(%): 12⇒11⇒11
パサル(%): 62⇒66⇒70
巡回食材売り(%): 9⇒9⇒8
[ 鮮魚 ] 2008年⇒2009年⇒2010年
回答者数: 1,123⇒1,555⇒1,556
ハイパーマーケット(%): 6⇒3⇒2
スーパーマーケット(%): 3⇒5⇒2
ミニマーケット(%): −⇒1⇒0
ワルン(%): 16⇒14⇒14
パサル(%): 55⇒58⇒67
巡回食材売り(%): 20⇒18⇒13


「インドネシア人の衝動買い」(2011年9月23・24日)
インドネシア人の買い物狂いは世界的に有名だが、ショッパホリックの層がどんどん重厚さを増している状況をニールセンインドネシアが報告した。
2010年12月から2011年初めにかけて首都圏・バンドン・スラバヤ・メダン・マカッサルの5大都市で1,804人を対象に行われたこのサーベイでは、ショッピング行動に対する計画性が調査のターゲットにされている。回答者は大きく次の四つのグループに分けられ、各グループの全体に占める比率が2003年のサーベイ結果と比較された。
グループA: 計画なしにそのとき買いたいモノを買う
グループB: 計画して買うようにしているが、結局計画していなかったモノも買っている
グループC: 計画して買うようにしており、計画していなかったモノを買うことはあまりない
グループD: 計画したものだけを買い、計画外のモノは買わない
[ジャボデタベッ地区]
A:2003年11%⇒2010年24%
B:2003年16%⇒2010年30%
C:2003年50%⇒2010年32%
D:2003年15%⇒2010年5%
[バンドン]
A:7% ⇒ 11%
B:8% ⇒ 45%
C:50%⇒ 41%
D:17%⇒ 2%
[スラバヤ]
A:9% ⇒ 14%
B:9% ⇒ 34%
C:67%⇒ 45%
D:15%⇒ 7%
[5都市合算]
A:10%⇒ 21%
B:13%⇒ 39%
C:61%⇒ 35%
D:15%⇒ 5%
衝動買い型ショッパーの増加は、商店が来店客の衝動買いを誘導する営業方法に長けてきていることがらと裏表の関係にあると言えよう。展示商品に魅せられ、あるいはSPGの売り込みに乗せられ、そして割引セールの看板に誘惑されて、ついでにこれも・・・と手を伸ばす来店客の後ろでほくそ笑んでいるのがショップマネージャーという図式はもうおなじみのものだ。この小売販売戦線にはメーカーも乗り出し、小売店と手に手を組んで消費者が手に取る商品の開発に邁進している。
今回ニールセンが行ったサーベイの中で明らかになったトレンドのひとつに、男性のショッピング関与の目覚しい増加がある。男性の四人にひとりは家庭用ショッピングを行っており、前回調査時から19%も増加した。そしてショッピングの媚薬に魅了される男性は既に三分の一に達し、ショッピングは嫌いだと答えた男性は15%に減ってしまっている。
ジェイ・ベーカーの著作Men Buy, Women Shopに記されているように、女性は衣料品・アクセサリー・履物売場の商品のジャングルを徘徊し、香水売場で見本品をあれこれテストしまわり、中には陳列品を全部ひっくり返して掘り出し物を見つけようとまるで宝探しをしているようなひともいる。モノを買うのはその締めくくりの行為なのだ。
しかし多くの男性にとっての買い物はしなければならないことをするという、目的を持った行動に過ぎない。目的を果たしたら、もうその店に用はない。店に入り、目当てのモノをつかみ、レジで支払いしたら、ハイさようなら、というのが一般的の男性のショッピング行動なのだが、どうやら女性のようなショッピング行動が男性にも広がっているようだ。男性のショッピング行動でニールセンが発見したもうひとつの特徴は、リピーター行動が多いということ。あるモールやショッピングセンターが気に入ると、飽きるまでそこへ通い詰めるという特徴を男性ショッパーは持っているそうだ。この論は賛否に分かれるような気がわたしにはするのだが・・・・。


「日本にインドネシア産瓶詰め飲用水」(2011年10月4日)
インドネシアからはじめて、容器詰め飲用水が日本に輸出された。この生産者はインドネシア国有森林公社プルフタニで、同社が非木材関連事業として開発を進めている西ジャワ州の天然ミネラル水が日本の品質基準をクリヤーしたことから、プルフタニはPT Classic Indonesiaとの間に3年間の売買契約を結び、第一回目の出荷が2011年9月10日に行われた。契約の内容は3年間にわたって毎月1千万ボトルを供給するというもので、当初は8百万ボトルでスタートする。
東北地方太平洋沖地震・津波災害の後遺症で飲用水国内供給が減少したため国内に大きな需要が形成されつつあり、日本側はその需要を満たすために国外に供給源を積極的に求め始めている。日本に容器詰め飲用水を供給している国はカナダと韓国で、インドネシアはその三番手の位置に着いた。プルフタニ製飲用水はPH7で総溶解固形分もリッター当たり40mgしかなく、日本の規準である60mgを下回っている。
プルフタニは経営の多角化をはかって非木材分野の製品開発に力を入れており、すでに蜂蜜と飲用水事業に日が当たっている。


「サービスの本質とは店員のお愛想?!」(2011年10月4日)
2011年7月28日付けコンパス紙への投書"Hypermart Jebak Pembeli dengan Iklan Bohong"から
拝啓、編集部殿。去る6月24日、わたしは北ジャカルタ市クラパガディンにあるハイパーマートで買い物しました。買い物のひとつはミカンで、週末のミカン割引販売広告をコンパス紙で見て興味引かれたからです。家に帰って、びっくりしました。実際の価格はコンパス紙の広告の二倍近かったのです。
欺かれたように感じたわたしは翌25日にハイパーマートを訪れて、スーパーバイザーのRさんに苦情しました。買ったままの状態のミカンと支払いレシートも持参しました。苦情内容がチェックされ、重さも量りなおされ、最終的にわたしが昨日支払った金額はハイパーマート側の間違いだったことが明らかになりました。
わたしがきわめて不満に感じたのは、従業員の態度の悪さです。従業員は何の説明もせず、そのままわたしのそばから立ち去り、それまでの価格を新しいものに変更し、差額を返してきました。お愛想のひとつも言うこともせずに。このようなことが頻繁に起こっているためにそれを普通のことだと思うようになり、その処理さえ機械的に行うようになってしまったのですね?ハイパーマートのような会社に不似合いなサービスレベルは実に残念です。[ 北ジャカルタ市在住、ジョコ・スシロ ]


「コンピュータ市場は若年層にシフト」(2001年10月5日)
10年前のコンピュータ市場は25歳超の消費者が大半を占めていたが、5年ほど前からより若い年代層へと顕著なシフトを示し始めた。フェイスブックやツイッターなどの社会交際メディアの影響もあって、若年層の情報通信機器によるアクセスは増加の一途をたどっている。インドネシアはフェイスブック利用者3千5百万アカウント、ツイッター5百万アカウントと、世界のトップクラスに位置する大国だ。
2億3千万を超えるインドネシア国民人口のうちの1億8千万人が携帯電話機やノート型パソコンなどのモバイルデバイスを使い、そのうちの50%はモバイルインターネットを利用し、10%はブロードバンドにアクセスしている。そしてかれらの間に人気の高いサイトはファッション・テクノロジー・スポーツ・音楽で、若年層が構成しているこの分野のマーケットは年間20兆ルピアにのぼる。
コンピュータ市場については、一般消費者65%、企業20%、政府関係15%というシェアになっており、ハードウエアはデスクトップPCが30%でモバイルタイプは70%を占めている。
ブランド別にはASUS, ACER, Toshiba, HPなどの台湾勢が有力で、大手のグローバルブランドはほとんど顔色がない。


「インドネシア人はやはり商売人?!」(2001年10月6日)
アジア太平洋地域の旅行者を業種別に調べたサーベイがアジアパシフィックビジネストラベラーリサーチ2011として公表された。サーベイを行ったのは地域最大のホテル運営者アコー。
インドネシア人ビジネストラベラーは14%が小売セクター、11%製造セクター、11%金融セクター、8%サービスセクター、6%自営専門職となっており、小売セクターの旅行者が最大なのはオーストラリア・ニュージーランド・香港などと同じ。
一方、中国・インド・シンガポール・タイなどは製造セクターがトップを占めた。また過去6ヶ月間にビジネストリップに出た頻度のもっとも多かった階層は会社重役だった。


「国産廉価機種が大うけ」(2011年10月10日)
国内の携帯電話機市場は、中低所得層向けローエンド機種がますます魅力的なフィーチャーを増やしていることから、この数年先まで55%の市場シェアを下回ることはないだろう、と業界者は見ている。
スマートフレンCEOデピュティは、ローテクノロジー・ロープライスの携帯電話機は中低所得層が7割を占めているインドネシア市場にぴったりフィットしていると語る。しかし中低所得層消費者もフェイスブックやツイッターなどの社会交際メディアにアクセスしたい欲求を抱いており、その分野での発展は目覚しいものがある。現在インドネシア国内で販売されているローエンド商品はあふれんばかりの国内外ベンダーが多種多様なモデルをオファーしており、特に中国産品の勢いは凄まじく、インターネットや社会交際メディアにアクセスする機能を備えてわずか数十万ルピアという破格の価格帯を形成している。ローエンド商品の市場シェアは今55%あり、この先数年間はその線が維持されるだろう、とCEOデピュティは語っている。
ミトモバイル取締役は、ローエンド市場で現在100ブランド近くある国産品は今後も販売の伸びが著しく、シェアが50%を超えるのは時間の問題だろう、と言う。ローカル製品が隆盛なのは、インドネシア人が参加意欲を強く持っている社会交際メディアへのアクセス機能を備えており、価格は一台100万ルピアを切る値付けがなされている点に理由がある。更にキャンディバー、クワーティ、タッチスクリーンそしてこれからトレンドの目玉になると見込まれているアンドロイドを用いたものまで、世界水準に劣らない性能が備えられている。
HTモバイル取締役は、国産携帯電話機市場は現在月150万個で市場の40%を占めており、残る60%はノキアの30%、サムスン12%、ブラックベリー12%、ソニーエリクソン2%といった強豪のせめぎあいになっていると説明する。国産携帯電話機の売行きはジャワ島内と外島部とを問わず地方の小都市で勢いが強く、ジャワではトゥガル、スラウィ、クディリなどがその典型例にあたる。ジャカルタやバンドンのような大都市部では、依然として大型ブランドに人気が集まっている。
スマートフレンは社会交際メディアやインターネットアクセス機能を備えたZIP C380を中低所得層向けに発売する計画。販売価格は1台14万9千ルピアが予定されている。これは中国ベンダーとのバンドリング商品で中低所得層市場をターゲットにしたものであり、ネットアクセスは153.6Kbps、モデムとして使えば14.7Mbpsのスピードが得られる。この機種は20万個の限定発売で、11月には別の新型機種が多数発売されることになっている。それらのニューモデルも中低所得層をターゲットにしており、価格は40万ルピアが予定されている。


「ワコールがインドネシアを世界市場への供給基地に」(2011年10月18日)
公式にインドネシアにお目見えして三十年が経過したのを祝して、女性下着ブランドのワコールがジャカルタで記念式典を開催した。1981年10月にPTスンブルインダプルマイが操業を開始し、日本からワコール製品を輸入して国内市場での販売が開始された。そして十年後には日本・台湾・タイの各ワコール社が合弁で製造会社を興し、PTインドネシアワコールとして生産を開始した。インドネシア国内の広大な市場と国外への輸出というマーケティング拡張の結果、いまやインドネシア産ワコール製品は日本・シンガポール・マレーシア・フィリピン・香港・台湾・ベトナム・中国・アメリカの9カ国に輸出されている。ワコールにとって大きい市場はタイ・台湾・韓国で、台湾市場にインドネシア産は進出しているが、ほかの市場はまだこれからというところ。いまのところインドネシアワコールは中国市場向けの輸出増に切磋琢磨している。
スルヤディ・サスミタ、インドネシアワコール代表取締役は記念式典のスピーチの中で、この先10年間で同社は生産量増強と品質向上を進め、インドネシア産ワコール製品は世界中の国々に供給されるようになる、と語って将来の事業戦略を明らかにした。同社のローカルコンテンツはまだ40%で、6割は輸入材料に依存している。
この式典にはマリ・エルカ・パゲストゥ商業大臣、スリヤダルマ・アリ宗教大臣、前副大統領ユスフ・カラ現インドネシア赤十字総裁、ソフィヤン・ワナンディ事業者協会会長など政財界の大物が顔をそろえ、またミスユニバース2011とプトリインドネシア2011も列席して彩を添えた。商業大臣はスピーチの中で、自分はインドネシアワコール産の下着を着用するようになってから、身に着けている衣料品は中も外も国産ブランド品だと語り、満場の喝采を浴びていた。


「化粧品国内市場は売行き好調」(2011年10月19日)
国民購買力の上昇に伴って、国内の化粧品販売が増加している。2011年中盤での国内販売状況は対前年比で15.9%も伸びており、今年通年では2010年業界売上げ実績8.9兆ルピアを16.9%上回る10.4兆ルピアに達するのは確実だろうとインドネシア化粧品会社ユニオン総裁が発言した。
政府工業省データによれば、国内化粧品業界は744生産会社が登録されており、大規模会社28、中規模会社208、小規模会社508という内訳になっている。業界は7万5千人を直接雇用し、60万人の販売者に収入をもたらしているとのこと。
しかし今年はじめに適用が開始されたアセアン化粧品ハーモナイゼーションの結果、市場での競争は激化の一途をたどっており、輸入製品は国内市場に容易に参入できる一方、国内製品は煩瑣な認可プロセスと商品パッケージ及び広告宣伝用語の制限を受けて競争力にかげりが出ている、と化粧品協会事業者の会会長は言う。「アセアン化粧品ハーモナイゼーションが始まったために、域内メンバー国の化粧品生産者はインドネシア市場での販売を開始するにあたって、自国で認可を得ていることを食品薬品監督庁に通知するだけでよく、それにもとづいてインドネシア食品薬品監督庁が国内流通認可を与えるのに二週間もあれば手続きが終わってしまう。」
過去5カ年間でインドネシアの化粧品輸入は9.1%上昇し、一方輸出も10.7%増加した。今インドネシアはタイ・シンガポールに次ぐアセアン第三位の化粧品生産国で、製品はアメリカ・サウジアラビア・日本・フィリピン・イギリス・アラブ首長国連邦などに輸出されている。しかし製品を輸出しているのは業界のせいぜい15%未満の会社であり、反対に四社に一社は輸入化粧品の国内販売に携わっている。工業大臣はインドネシアの化粧品産業について、製品クオリティに関するインドネシア製品規格(SNI)をアセアン化粧品規格に同期させて品質基準の共通化をはかることを早急に行う意向を表明している。


「真珠産業を政府が強化」(2011年10月20〜22日)
インドネシアは世界最大の南洋真珠生産国であり、世界総生産の53%を占めている。ところがインドネシアの真珠輸出金額は1千9百万ドルで、世界貿易高15億ドルの10%すら満たせていない。だから香港・オーストラリア・中国・日本・タヒチ・スイス・アメリカの後塵を拝してやっと第8位にランクされているわけだ。どうしてこんなことになっているのか?「それは国内の真珠産業がまだ妥当に運営されていないためであり、たくさんの真珠が正式な輸出手続きを踏まずにビニール袋に入れて国外に持ち出されているからだ。ビニール袋なんかに入れるから値段が落ちてしまう。」ファデル・ムハンマッ海洋漁業大臣はそうコメントした。もうひとつは保安の問題があり、養殖真珠の収穫期が来てそろそろ採り入れ時と思っていると夜中に潜水服を着たドロボーがやってきて根こそぎ盗んでいくということも頻繁に起こっている。真珠生産事業はまだ十分な標準化や保護が行き届いておらず、そこに中国をはじめとするニセモノ真珠やイミテーションが流入してくるため、真珠産業は混迷の趣きが強い。真珠産業を監督している海洋漁業省水産物加工販売総局長もそう補足している。
そんな状況を改善するために、真珠養殖場の地区統制や市場での真珠売買の統制などを大臣は実行に移す考えでいる。2010年の真珠生産量は5.7トンあり、そのうちの5.5トンは香港・インド・フィリピン・日本などに輸出された。しかし養殖真珠生産者の集まりであるインドネシア真珠養殖協会通商Asbumiは、全国で活動している真珠養殖者60社のうちで協会加盟の28社の数字を取りまとめ、業界の数字として報告しているだけであり、実態はもっと大きい数字であることは想像に余りあるものの、詳細がよくわかっていない、とアスブミ会長が認めている。協会加盟28社のうち外資系は2社ある。一方真珠関連ビジネスを行っている事業者は全国に5千人をくだらないだろうと協会では見ている。
真珠産業にこれまであまり目を向けていなかった海洋漁業省は、産業規準の整備を行い、また生産および通商面の行政管理を充実させていく意向で、いくつかの規則を早急に制定するかまえ。真珠養殖場所をインドネシア東部地方にまとめていくことや、国内販売あるいは輸出の場における取引に関する統制がより強くなりそう。
真珠の製品規格は4月にSNI番号4989:2011として定められたが、海洋漁業省は現在任意になっているそのSNIを強制適用する考え。SNIでは真珠の品質によってA・B・Cというクラス分けが行われる。Aクラスは高い輝きを持つ最高級真珠で、表面の肌荒れは10%以下。Bクラスは高い輝きを持つ高級真珠で、表面の肌荒れは10〜30%。Cクラスは中程度の輝きを持つ優良真珠で、表面の肌荒れは30〜60%もしくはキズが30%未満のもの。国産の南洋真珠はほとんどが輸出されているため、輸出品の品質を高めることが売上高の向上に不可欠と海洋漁業省は考えている。もちろん品質規準の向上は海外市場だけでなく国内市場でも必要なことで、ここ5年ほど前から国内市場には中国からの輸入淡水真珠が大量に出回っており、価格だけ比較するなら中国産はインドネシア産真珠よりはるかに廉い。もちろん品質も劣っているのだが、国民消費者の中には品質の比較がよくわからず、価格が廉いという点だけを購入動機にしている階層が少なからずある。
海洋漁業省は今現在任意扱いになっているSNIを二週間のうちに新たな規則を出して強制適用に変えることにしており、それが実施された暁には、Cクラスに満たない低品質真珠は販売することも違法になる。海洋漁業相は中国産低品質真珠を将来どう扱うかについて商業相と協議したい意向で、もし特別扱いをする必要がなければ一律にSNIが適用されて国内市場から排除されることになる。
そんな海洋漁業省の動きは言うまでもなく業界団体の了承を踏まえて行われるものであり、アスブミは政府が今編成を進めている規則案がまとまり次第内容の検討を行うことにしている。基本的にアスブミはSNI強制適用に賛成であり、反対に強制適用規則が実施されたあとは厳しい市場の監督を行うよう政府に要望している。
インドネシア国内市場ではたくさんの品目にSNIが設けられ、特に国民生活の保護に必要なものは強制適用が義務付けられているにもかかわらず、実際にはあらゆる品目でSNIを無視した国内外産の商品が廉価に市場で流通しており、消費者もこれまでの習慣を変えようとせずに廉いものを買うという行為を続けている。だからSNIを定めただけでは意味がなく、必ず出現する違反者を取り締まる活動を持続的に行わなければ、消費者保護という名目は単なる絵に描いた餅に堕してしまう。
アスブミ会長は、SNI強制適用を開始したあと、真珠の輸入はストップさせ、輸出の残り分で国内需要に対応することを提案している。またアスブミに加盟していない国内生産者をすべて強制的に加盟させ、業界の生産販売状況がはっきりわかるようにすること、さらに外国系生産者から国内生産者への技術移転を活発にさせることを政府がバックアップするよう求めている。


「自動車販売もジャワ高外低」(2011年10月24日)
今年、空前の販売記録達成が確実視されている四輪自動車国内販売だが、地域別の販売は依然としてジャワ高外低が、それも圧倒的な格差で、継続している。ちなみに2010年販売実績の地方別シェアは次のようなものだった。
スマトラ 15.8%
ジャワ 68.6%
バリ 3.1%
西ヌサトゥンガラ 0.3%
東ヌサトゥンガラ 0.2%
カリマンタン 5.7%
スラウェシ 5.5%
北マルク 0.0%
マルク 0.2%
パプア 0.6%
ジャワ島内ではジャボデタベッが26.5%、西ジャワ17.4%、東ジャワ11.6%、中部ジャワ6.7%、バンテン5%、ジョクジャ1.4%というのがその明細。
2010年の販売台数764,710台に接近してきた2011年1〜9月の659,690台でもジャワ島での販売は7割前後のシェアを占めている。


「テレビショッピングの実像?!」(2011年12月7日)
2011年9月18日付けコンパス紙への投書"Kualitas Sandal Penyembuhan Kozuii"から
拝啓、編集部殿。さまざまな病気を治療できるとテレビで宣伝しているコズイイ(Kozuii)サンダルにわたしは興味を持ち、コズイイサンダルの流通代理店であるジャカルタのトコジャコでサンダルを一対買ったのです。使い始めてからおよそ一ヶ月後、磁石の入った出っ張りがどんどんはがれて行きましたので、わたしはトコジャコで購入したスペアを取り付けました。ところがその修理はほんの数日しかもちませんでした。出っ張りはまたどんどんはがれて行きました。トコジャコでまたそのスペアを購入しようとしたところ、在庫がなく、まずオーダーしなければならない、と言われました。
「5星(bintang lima)級の品質でカキリマ(kaki lima)のお値段」という宣伝文句とは正反対で、コズイイサンダルは「カキリマの品質でビンタンリマのお値段」でした。[ 中部ジャワ州トゥガル在住、スダルゴ・ハンドコ ]


「ミドルクラスのプロフィールは消費的」(2011年12月16日)
香港上海銀行グループの調査によれば、インドネシアのミドルクラスは資金運用がまだ素朴であるとのこと。この調査でのミドルクラスの定義は、5億ルピアを超える資金を持っていること。
自分が処分できる余剰資金を持っているこのひとたちの資金運用についての統計では、株式市場での運用10%、投資信託機関1%、貴金属5%、そしてマジョリティの84%は銀行の定期預金や積立貯金を利用していることが明らかになった。それも77%がルピア建ての銀行預貯金商品に頼っており、外貨建て利用者は7%だけ。これはインドネシアにおける資産運用に関する啓蒙や情報提供が他の諸国に比べて遅れていることを示している、と同グループの資産形成部門責任者は述べている。
ひとりあたりの運用資産高については平均が8億6,819万ルピアで、1米ドル9,350ルピアというレートを使うと92,855米ドルという計算結果になる。
この調査でのミドルクラスのプロフィールは、平均年齢38歳、81%が既婚で子供を持っており、6%は収入源泉が複数ある。そんなプロフィールから、インドネシアのミドルクラスは商品に対する消費志向がきわめて旺盛であることが感じられると同責任者はコメントしている。


「買い物は必ずレジのレシートチェックを」(2011年12月20日)
2011年9月8日付けコンパス紙への投書"Apotek Pasang Harga di Atas Harga Eceran Tertinggi"から
拝啓、編集部殿。去る8月1日、わたしはガーディアン薬局ビンタロCBD支店でカタフラム錠剤25mgの10錠入りを一帯、3万8千ルピアで購入しました。帰宅してからその包装に上限小売価格26,650ルピアという記載があることにわたしははじめて気付きました。11,350ルピアの差額が出ているのです。
つまりわたしは公定小売価格から40%も高い値段でそれを買わされたことになります。確認のために、わたしはレジのレシートを熟読しました。そこにプリントされていたのは、ヴォルタレン錠剤25mg価格3万8千ルピアです。わたしが知っているのは、カタフラムとヴォルタレンはどちらもディクロフェナックを含有する医薬品で、商品名が違うだけということです。わたしはそのことをガーディアン薬局ビンタロCBD支店に電話で問い合わせたところ、価格はガーディアン薬局本店が決めていることだ、という返事でした。
わたしの疑問は、商品の包装に上限小売価格が印刷されているのは、消費者に対して薬の小売価格に確定性をもたらすための行為ではないのかということです。公定の上限小売価格を超えて消費者に医薬品を販売した場合、どんな制裁が与えられるのでしょうか?上限小売価格制度の実施に関連して保健省はこのような事件にどう措置を取るのでしょうか?そしてカタフラムを購入した消費者へのレシートにヴォルタレンとプリントしたガーディアン薬局への罰則は何なのでしょうか?[ ボゴール市在住、アリフ・ラフマント ]
2011年9月13日付けコンパス紙に掲載されたガーディアン薬局からの回答
拝啓、編集部殿。アリフ・ラフマントさんからの2011年9月8日付けコンパス紙に掲載された投書について、次の通り説明いたします。その違いが起こったのは、お客様との取引時にレジ係が商品コードをミスタイプしたためでした。
当方はアリフ・ラフマントさんのお宅を訪問して問題の説明を行い、重々謝罪申し上げました。こうしてこの問題は解決しております。[ ガーディアン社マーケティング課長、アグン・ティアナラ ]


「測定機器の7割は嘘」(2011年12月29日)
寸法・容量・重量などを測定するツールが日常生活必需品の売買に使われている。油1リッター、牛肉600グラムと言ってそれ相当の金額を販売者は取るが、本当に言っている量を買い手に渡しているのだろうか?測定ツールは本当に正しい数値を示しているのだろうか?
昔は、たいていのガソリンスタンドで売り手がメーターを操作していたから、ガソリンを30リッター入れたつもりが実際には28リッターしか入っていないということは当たり前のように起こっていた。だから、ガソリンを買う時にいつも満タンにすることで燃費の計算ができるわけだが、リッター当たりの走行距離がやけに短いという印象をそこから得て、インドネシアの車の燃費は・・・云々と講義する方は、ガソリンスタンドに騙されていないかどうかをまず確認しなければならない。今ではプルタミナが正直スタンドにPasti Pas標識を掲げさせるシステムを開始しているので、車のガソリン購入は場所を選べるようになっている。
さて、インドネシアで商売の補助ツールとして使われている測定ツールは6千3百万個あり、それを毎年検査して正しい値が示されるようにする仕事のために政府は3千人の秤量検査員を必要としているのだが、現実には9百人しか頭数がそろっていない。必然的に、世の中にある秤量等の測定ツールの7割は正しい数値を示していないということになる。
どうやら潔癖なひとにはとてもいたたまれないのがこの国の特徴でもあるようだ。


「ブランドロイヤルティが崩壊」(2011年12月30日)
ニールセンの最新レポートによれば、インドネシアのミドルクラスは既に人口の69%に達したそうだ。そのミドルクラスの定義は、家や自動車などの分割返済を除いてひと月間の家庭支出が100万から200万ルピアの階層ということで、この階層の2011年支出は昨年から17%増加した。アッパークラスは7%、ロワークラスは5%の伸びだから、2011年の消費経済の主役を演じたのはかれらだと言うことができる。かれらの月間家庭支出の項目別割合は次のようになっている。
生鮮食品 37%
交通費 22%
日用生活品 19%
通信費 11%
電気代 7%
娯楽 4%
ニールセンが5大都市ミドル層2千8百人から集めた統計によると、かれらの間でブランドに固執する傾向は薄れており、88%は別ブランドを試用することにまったく抵抗を抱いていないことが判明した。自分が今使っているブランドの商品とは無関係に、別ブランドの魅力的なオファーが次回購入時に行われていれば、かれらはあっさりとそれに乗り換える。だからミドル層対象のマーケティングは広告宣伝だけではもはや消費者をつかむことができず、販売ポイントにおけるプロモーションが不可欠になっており、それはつまり商品を販売ポイントに納品しただけではだめで、販売ポイントで商品がどのように飾られ、どのように棚に置かれているかという点まで神経を使っていかなければ商戦に勝ち残れない時代に入っている、とニールセンインドネシア取締役はコメントしている。