インドネシア交通情報2006〜07年


「自家用車への排ガス検定義務付け」(2006年1月6日)
大気汚染抑制に関する2005年都条例第2号では、禁煙問題や焚き火問題とあわせて、大気汚染の本命たる自動車排気ガス規制や工場排煙規制がうたわれており、猶予期間を過ぎていよいよ今年2月から実施が開始される。自動車排ガス規制の中で最初に着手対象となるのは四輪自家用車。二輪車は排気ガス標準クオリティがまだ確定されておらず、そのために実施はその実現を待つことになっており、二輪車と公共運送機関は一足遅れる形となる。四輪車に対する排気ガス基準値はCOが3%以下、HCが700パーミル以下とされており、排気ガス検定を受けてそれをパスすれば、排ガス検定合格証(Surat Lulus Uji Emisi)とステッカーが発行される。パスしない場合は自動車修理業者に自動車の調整を依頼しなければならない。
都条例の中で自動車オーナーは少なくとも半年に一度排ガス検定を受けなければならないとされており、違反者には5千万ルピアの罰金が科される。自動車オーナーには毎年自動車税納税のために自動車番号証明書(STNK)の更新手続きが義務付けられているが、2006年2月以降は排ガス検定合格証がSTNK更新の要件にされるため、その合格証がなければSTNK更新ができず、期限切れのSTNKで路上検問に会えば、罰金が待ち構えていることは言うまでもない。都庁生活環境管理庁はその排ガス検定を行う業者の認定を進めているものの、都内で必要とされている2百ヶ所のうちやっと80ヶ所が認定されたところであり、2月からの全面実施はまだいささか心もとない状況。。都庁の資格規準をパスした自動車修理業者に対しては指定業者認定証が与えられ、排ガス検定費用は業者が決めて良いことになっている。東ジャカルタ市のとある修理業者は、車種によって料金は異なり、一番安い料金は乗用車の8万5千ルピア、もっとも高いのはトラック向けの16万ルピアだと述べている。


「自家用車排気ガス検定開始はあと半月」(2006年1月19日)
都条例で定められた自家用車排気ガス検定の実施は2月4日からとなっているが、一部オーナーたちは既にその検定を自主的に受けはじめている。都庁が既に指定した115の検定業者は基本的に自動車修理業者とラップしている。そして検定業者の中に、やはりいたずらを行う者がいた。
東ジャカルタ住民のひとりは、カリマランの指定業者で排ガス検定を受けたとき、料金は9万から10万ルピアだと言われた。「ところがあきれたことに、その料金はチューンナップ込みであり、検定費用だけだと3万ルピアしかかからないことがあとでわかった。みんながみんな、チューンナップをしたいわけじゃないのに、こんなやり方がまかり通ればこっちは大損だ。」と憤る。
都庁生活環境監督庁長官は、排ガス検定にチューンナップは義務付けられていない、と明らかにしている。排ガス検定費用は3万から5万ルピアの間だそうだ。「それより高い料金を言う業者は、チューンナップを同時に行おうとしているのではないか?チューンナップは排ガス検定の義務ではなく、カーオーナーにとって車のメンテナンス上の義務である。」長官はそう述べている。
ところで、インドネシアポリスウオッチが出したプレスリリースでは、自家用車への排気ガス検定義務付けは「陸上運送と交通に関する1992年法令第14号」に矛盾している、と述べられている。排気ガス検定義務は公共運送機関のみが対象であり、自家用車に義務付けし、ましてや検定を受けなければSTNKの延長ができない、と制裁を加えるあり方は、都庁行政の倣岸さを示す実例以外のなにものでもない、とそれはうたっている。


「新ロンボッ空港建設計画」(2006年2月10日)
ロンボッの新国際空港建設計画は、国有空港管理会社PTアンカサプラが今あるスラパラン空港を売却し、その収益に自己調達資金を加えて中部ロンボッ県プラヤに2,750mと3,500mの滑走路を持つ大型空港を建設するというもの。既に国内外から四社がスラパラン空港購入の意思表示をしており、アンカサプラ?は二ヶ月以内に入札を実施する構え。政府はスラパラン空港売却を4千億ルピアと見積もっており、新空港建設工費は6,250億ルピアと計画されているため、2千億ルピア以上の資金調達が必要と見られている。新ロンボッ空港には、バンコック、台湾、ソウル、東京、シドニー、ダーウィン、マニラ、ジェッダなどとの間の航路が開設される予定になっている。


「渡海フェリーの切符売り」(2006年2月13日)
2005年12月の暮れも押し迫ったころ、ムラッ〜バコフニ渡海フェリー切符が公的窓口で正価より高く販売された。渡海フェリーの切符料金は政府が定めており、それとは異なる金額で売買するとインドネシアでは汚職行為と判断され、理屈では単なる職業倫理問題を超えた刑事犯罪行為として裁かれることになるが、実際には画餅。乗客が増加すると、需要増という市場原理が働いて切符が高くなる、なんていうのはほら話。乗客が増加すると、市場原理が働けばこうなるはずだ、と切符販売者が勝手に想像して、自分で料金を引き上げている。これは市場原理でもなんでもなく、ただのダフ屋行為。
ランプン州民インドリヤティは12月25日20時半バコフニ発の渡海船に乗るため、切符を買った。エコノミークラス大人7,700ルピアと料金表には書かれている。インドリが1万ルピア紙幣を出すと、つり銭は2千ルピアしか戻ってこない。3百ルピアちょろまかしだ。ドゥタバンテン号に乗船したあと、インドリは船内の担当職員に3千ルピア渡して二等船室に入れてもらった。みんなやっていることだ。
バンテンでの用事が終わったので、インドリはランプンに戻るため、12月29日早朝ムラッ港に着いた。午前4時ムラッ発のトリブアナ?号に乗るつもりで切符を買いに窓口へ行くと、二等おとな1万ルピアと表示されている。インドリは1万ルピアを渡したが、つりはこない。乗船したあとでわかったのは、この船に二等がないこと。あるのは三等とレセハン室(椅子を置かず、床にそのまま座ったり横になったりできる広間)だけで、レセハン室に入るためには3千5百ルピアをまた払わなければならない。もうひとつ乗船してから気付いたのは、切符には7,700ルピアと記されていたこと。船内の職員にその話をすると、こいつもか、といった顔で職員は「あなたは騙されたんですよ。実際よく起こってることなんで。」と物語った。
ランプンからセランに工員として出稼ぎに来ているアリスも、12月29日午前9時半ごろ、帰郷するための切符をムラッ港切符売場で購入するとき、同じような目にあった。そのとき、ro-ro船と快速船用の売場窓口がひとつずつ開いていたが、懐具合の淋しいアリスは低料金のro-ro船に乗ろうとした。切符料金はおとな7,700ルピアであることをアリスは知っている。ところが二等切符売場窓口の表に1万ルピアと書かれた紙が貼ってあり、電光料金掲示も一万ルピアのランプが点灯している。アリスも、早く乗船しようと気があせっていたため、二人分の切符を買うために5万ルピア札一枚を出し、つり銭3万ルピアをもらって、たいした不審も抱かずに船に入った。そして船内で切符をよくよく見ると、7,700ルピアと記されているので、はじめて騙されたことに確信を持った。他の乗客もほとんどが騙されたことを船内で悟ったが、もうあとの祭り。


「チレゴン〜アニエル街道の破損状態が悪化」(2006年2月21日)
スンダ海峡に面したバンテン州トップクラスの観光地アニエルに向かう街道の破損状態がひどくなっている。チレゴンとアニエルを結ぶ街道には10ヶ所の破損場所があり、中でもチワンダン地区の状態がもっともひどい。アスファルト舗装ははがれおち、深さ15センチに達する大きい穴が随所に散らばり、雨が降ると水没するためにそこを通る自動車は徐行を余儀なくされて全線が大きく渋滞する。ひどい場所ではアスファルト層がなくなって砂利道に変わっており、そこにこの雨季で水がたまっているため、まるで川床さながら。似たような状況はチレゴン〜アニエル間のほぼ全線に渡っている。道路沿いの物売りの話では、そんな状態がもう三ヶ月以上も続いているとのこと。
バンテン州公共事業局長によれば、チレゴン〜アニエル42.4キロ区間は州道から国道にステータスが移されたので、今は中央政府の管理化に入っているとのこと。今年は17キロ区間の改修工事が予定されており、IBRDからの中央政府借り入れで実施されることになっている。ただし、道路拡張が同時に予定されているため、用地収容の関係で工事開始は今年4月以降となる見込み。


「カンチルは消え行くのみ」(2006年2月22日)
ユニークな車体デザインで都民を楽しませてくれたカンチル車が、成長することなく若死にする運命をたどりそう。2サイクルエンジンから排気ガス汚染と騒音を撒き散らし、路上を三輪でよたよた走るバジャイは交通渋滞の一因でもある、として公共運送機関としてのバジャイに取って代わるべく期待を一身に集めて登場したカンチル車だったが、バジャイオーナーのカンチル車への切り換えはうまく進まず、一方でカンチル車の生産がはかどらなかったことも手伝い、都庁はカンチルに見切りをつける、と表明した。 インドネシア人が設計し、部品の大部分もローカルコンテンツから成っているこのカンチルの製造を担当したのは、ジャカルタ東部地区でPT Kurnia Abadi Niaga Citra Indah Lestari、ジャカルタ西部地区ではPT Tri Jaya Union。だが進展はかばかしくないその切り替えに、今度はガス燃料を使うバジャイ案が登場して、生産のうまく行かないカンチルに頼る必要がなくなってきた、というのがその背景らしい。ファウジ・ボウォ副知事によれば、生産者は経営者間で対立が起こっているため、生産に影響がでているとのことで、副知事はカンチル製造許可を近々取り消す方針であると述べている。
スティヨソ都知事はバジャイに対する新規運行許可を凍結していた。2003年都条例第12号で、カンチルはバジャイに一対一で交代すると定められ、バジャイは消えて行くものと運命付けられたというのに、現実には力強く生き延びていて消え去る気配はさらさらない。そこにきて、都庁は最近になってまた、バジャイに対する運行許可を解禁しはじめた。ただし条件として環境に優しい燃料を使うことが定められており、ガス燃料バジャイへの転換を目論んでいる。ガス燃料バジャイは4サイクルエンジンを積んでいるが、外見は前輪がボディの中にほぼ埋もれるかっこうでフロントフェースが広がっているのが特徴的だが、構造自体はこれまでのバジャイとあまり変わらない。この新バジャイは独占ディストリビュータであるPT Abdi Raharja が250台を既に運行可能状態で用意しており、ガス燃料供給ステーションが需要を満たせるようになる2006年4月までは暫定的にガソリンで走ってよいことになっている。
ところでカンチル若死にの原因は、経済問題であったようだ。バジャイ運転手たちも、カンチルを運転する方がはるかに楽だと語っている。「バジャイより静かだし、運転席も広くて楽だ。それにバジャイは座席の下にエンジンがあるからすぐに暑くなる。カンチルはそうじゃない。」運転手たちのカンチル評だ。しかしカンチルの値段は4,990万ルピアと高い。オーナー運転手たちは、資本を持つ組合が買った車を運転して毎日の水揚げから定額を納めていき、何年か経てばその車が自分のものになるという仕組みを利用する者が大半を占める。毎日納める金をストランと言うが、カンチルの場合はストランが7万から8万ルピア、そして燃費もあまりよくないため、運転手たちにとっては経済的に楽でない状況に落ち込んでしまう。カンチルを朝7時から夕方18時まで走らせると、消費されるガソリンは14リッターになる。リッター当たり10から15キロ走れるが、バジャイの方が燃料消費ははるかに小さい。金を稼ぐために使うものだから、運転手たちにとってバジャイかカンチルかの選択は、答えがおのずと出ていたようだ。


「コンパス紙への投書から」(2006年3月3日)
拝啓、編集部殿。2005年12月19日、わたしの自動車が他の車にぶつけられたので、保険求償しました。車の損害サーベイはファディルさんが行いました。わたしはホンダ代理店に行ってエンジンフードとバンパーの状況を尋ねると、百%交換すればよいと奨めてくれました。トゥリパ保険会社の契約自動車修理場もそれと同じ意見でした。しかしファディルさんは、板金修理を契約修理場で行うと言い張るのです。わたしがホンダ代理店で百%交換するように頼んでも、代理店側が決めることではないと言います。
車の修理がそのまま放って置かれたので、わたしは12月27日にトゥリパにファックスを送り、電話もしましたが、技術担当マネージャーも重役もいないという返事でした。2006年1月2日にファックスでトゥリパの支店長から返事が来て、百%取り替えに同意するが、PPNとPPh23はわたしが負担するという条件を出しました。わたしがその理由を尋ねると、PPh23は免除してあげるが、PPNは免除できないと言います。ファディルさんからの口頭での説明によると、PPNは契約修理場が負担するけれども、ホンダ代理店は契約修理場でないため、客に負担してもらうのだというのです。クレーム見積もりは460万ルピアでしたのでPPNはたいした金額ではありませんし、1月18日にわたしが車を取りにホンダ代理店に行くと、個人客だということで割引してくれ、請求書は426万ルピアとなっていました。
しかし、わたしがホンダ代理店で修理しないようにトゥリパ側が努めていた印象をわたしは強く感じています。1月4日にはトゥリパのHSさんがPPNの負担を確認する電話をわたしにしてきています。それがトゥリパ保険会社のルールだからという理由だったので、わたしは、PPNはトゥリパの契約修理場が負担するというルールを書面にしてくれと頼んだところ、HSさんは、だったらPPNの負担も免除してあげるが、わたしの保険契約は取り消しにする、と言って一方的に証券を解約してしまいました。
消費者の立場はなんと弱いものなのでしょうか。批判的な顧客が当たり前のサービスを要求すれば、トゥリパは一方的に契約を解消できるのですから。ニアガ銀行のような大銀行が推薦したからといって、盲目的に信頼してはいけません。損害保険会社の選択には十分注意し、契約条件を熟読吟味して、消費者の権利が守られているかどうかを調べなければいけません。[ 北ジャカルタ在住、スリ・リアニ ]


「コンパス紙への投書から」(2006年3月14日)
拝啓、編集部殿。しばらく前、コンパス紙にVINつまりvehicle identification number の記事が掲載されましたので、わたしも徒然なるまま、その知識を実地応用してみました。わたしと数人の友人が寄り集まり、STNK(自動車番号証明書)を出してVIN番号(nomor rangka/NIK) をチェックしました。コンパス紙に書かれていた通り、それは17桁の文字と数字から成っており、その10桁目が製造年を表すコードなのです。ところがSTNK上に記されている製造年(Tahun Pembuatan) とそのコードが表す製造年に不一致があることがわかりました。たとえばポルシェボクスターのSTNK上のコードはWPOZZZ99Z2xxxxxxxと記されており、製造年コードは2002年を示しているというのに、STNKの製造年は2003と記入されています。つまり実際よりも1年新しくされているのです。別の例では、ポルシェカイエンヌのVINコードはWP1ZZZ9PZ3xxxxxxx で本当の製造年は2003年なのに、STNKには製造年2004と記されています。あるいはメルセデスベンツS320LのVINコードはWDB2201652xxxxxxxとなっていて2002年製造のはずなのに、STNKの製造年は2004と記されているのです。もっとひどいのはトヨタランクルで、VINコードJTEHT05J80xxxxxxx は2000年の製造なのに、STNKでは製造年2004年となっています。わたしはとてもその不整合が気になったので、ラップトップを開いてインターネットでVINに関するもっと詳細な情報を探しました。そこで判ったのは、VINは国際規格になっており、すべてのメーカーは同じロジックのコードを使うように義務付けられているということでした。
製造年というのは、自動車の中古価額に関係します。製造年が新しいほど、その自動車は高く売れるということなのです。STNKを発行するオーソリティが自動車の年齢を若くするという謀略を行っていることを、上の事例は意味しているのではありませんか?これはきっと自動車生産者あるいは自動車販売者がより高く販売できる環境を整えようとして、オーソリティを抱き込んで行っていることにちがいありません。それともこれは、賭博場の強制閉鎖で資金集めの源泉が狭くなった勢力が新たに始めたリカバリー手段なのでしょうか?もしそうなら、当局は自動車のアイデンティティ偽称という違反を行っていることになります。[ ブカシ在住、アント ]


「ジャカルタ〜バンドン往復はトラベル利用が便利」(2006年3月18日)
チプララン自動車専用道路の開通で、ジャカルタ〜バンドン間の人の動きが活発になった。中でもトラベル(travel) と呼ばれる乗合運送サービスは道路開通後、雨後のたけのこのように出現著しく、いまでは数十社が競合する活況を呈している。一般のトラベルは、予約した乗客の指定する場所まで迎えに来て、希望する目的地まで送ってくれる。しかしそれだと、ジャカルタにせよバンドンにせよ、市内をうろうろ回る車にずっと乗っていなければならず、昨今のジェットセット層にはまだるっこしい。ジャカルタ〜バンドンは二時間で踏破するのに、ジャカルタとバンドンの市内で二時間以上を費やされては、せっかくの時間がもったいない、と感じるひとが増えてきていることも確かなようだ。
今一番売れているトラベルのひとつ、Xtrans はポイントツーポイントシステムを開始した。これは予約した乗客に出発ポイントまで来てもらい、目的地も決まった場所で全員をおろすというスタイルで、乗客の送迎はしない。老舗のひとつ、Travel 4848 は、これまでの送迎システムからXtrans にならってポイントツーポイントにシステムを変更することにした。まだ競争相手が少なかった時代は、会社員や学生も大勢が利用していたが、最近は年寄りや宿泊込みで休日を楽しみに行く観光客が大半になってきて、時間の浪費を嫌がる会社員や学生の姿がほとんどなくなってしまった、とTravel 4848 の業務課長は語っている。ジャカルタにしろバンドンにしろ、渋滞が激しくなっているために市内をまわる時間は否応なく延びており、会社員や学生はトラベル離れを起こして長距離バスや鉄道に移って行ったらしい。 Xtrans は開業まだ一年未満なのに、開業時の運行車輌6台からいまはもう26台にも運送能力が増強されている。一方、Travel 4848 は往時の勢いを示す30台を運行させている。Xtrans 社が今掲げている目標は車輌を百台にすること。チプララン開通前はジャカルタ〜バンドン間の鉄道利用者が一日1万6千人いたのに、開通後はそれが8千人に減少している。鉄道から離れた乗客をどこまで拾っていけるのかがXtrans 社の営業戦略の基本のようだ。
Xtrans の広告によれば、運行スケジュールは下のようになっている。
ジャカルタのJl Blora からバンドンのJl Cihampelas まで。出発時間5時から22時まで30分ごと。逆行路は出発時間が4時から22時まで30分ごと。
ジャカルタのPondok Indah (SD Bakti Mulia 向かいのRest. Wellington) からバンドンのJl Cihampelas まで。出発時間6時から20時まで2時間ごと。逆行路も同じ。
ジャカルタのKelapa Gading/Pulo Mas (Jl Kayu Putih Raya No.1 にあるRest. Sederhana) からバンドンのJl Cihampelas まで。出発時間6時、9時、12時、15時、19時。逆行路5時、9時、12時、15時、19時。
ジャカルタのJl Blora からJl Cihampelas 経由で南バンドン(Jl Raya Pelajar Pejuang 114 にあるHotel Marala) まで。出発時間5時半、9時半、13時半、16時半、19時半。逆行路5時15分、9時15分、13時15分、16時15分、19時15分。
電話番号:ジャカルタJl Blora 315 0555、Kelapa Gading 7072 5552、Pondok Indah 7073 5553、バンドンJl Cihampelas 7079 0555、7081-2 0555、Bandung Selatan 7084 0555


「空港警備員がタクシーから罰金徴収」(2006年3月22日)
スカルノハッタ空港で、タクシー運転手の違反を理由に空港警備員が罰金を徴収していたことが明らかになった。ブルーバードタクシー運転手ワヒユディン45歳は、空港構内に入るたびに警備員が違反を理由にして2万5千ルピアの金を出すように命じるため、3月19日16時ごろ、思い余って空港警察に訴え出た。そのときワヒユディンが客待ちをしていると、空港警備を委託されているPT ABB社の警備員が来て、違反を犯したという理由でかれを警備員詰所に連行した。詰所でワヒユディンは取調べを受け、違反を犯したので2万5千ルピアの罰金を支払うよう、最終的に命じられた。空港管理会社アンカサプラ?の経営者決定書1998年第660/KK00/APII/98号に基づき、そこに定められた項目に違反するタクシーに対して警備員は罰金を徴収していたが、違反のメインは空港に未登録で空港タクシーのステッカーを貼っていないタクシーが乗客を乗せることを禁止する条項。ワヒユディンは、空港は公共スペースであるから、客を拾うタクシーを差別するのはおかしい、と主張してその規定に従っていなかった。警備員の罰金徴収は、1998年にその経営者決定書が出されてから始まり、それが依然として有効であるために徴収が今まで続けられていた。
ワヒユディンの訴えを受けたスカルノハッタ空港特別警察は、取調べを行ったあと、警察以外の者が交通違反の罰金を徴収するのは許されていない、との結論を出し、空港警備員のこれまでの行為が違反であると断定した。アンカサプラ?の広報官も、空港管理側がタクシー運転手から罰金を徴収することは禁止されているため、警備員が本当に罰金徴収を行っていたのかどうか、確信がない、と語っている。
ところが、空港タクシーステッカーの有無は交通違反なのか、という議論が起こった。上記経営者決定書1998年第660/KK00/APII/98号は空港構内におけるタクシーの統制に関するもので、交通に関連することがらも含まれている。更にその違反行為に対して個々に罰金までが設定されており、空港管理を委託された警備会社はその決定書を実施する責任を負わされている。スカルノハッタ空港には30社から1千5百台のタクシーが登録されており、AIRPORT TAXI のステッカーが貼られている。ブルーバードタクシーは250台がそのステッカーを帯びているが、ワヒユディンの車はそうなっていない。アンカサプラ?は、警備員が徴収していたのは正確にはオペレーションチャージで違反罰金でなく、2万5千ルピアは決定書に記された最低金額であり、また徴収された金は会社の収入になっていた、と表明しているが、今回の問題のために警備会社に対してオペレーションチャージの徴収をストップするよう指示を出した。


「保険会社の費用節減努力〜コンパス紙への投書から」(2006年3月23日)
拝啓、編集部殿。PT As Simas の保険に入っているわたしの車スズキバレノが2005年2月6日に事故に遭ったので、保険クレームをしました。エンジンが破裂して燃えたため、エンジン部分が大破したのです。PT As Simas は牽引車でわたしの車を契約修理場に持って行きました。ところがどこの修理場に持っていったのか,教えてくれません。それから数日して、同保険会社から修理費は1千万ルピアであるとの連絡が来ましたので、わたしは車を元通りにしてくれることを条件に、その1千万ルピアをすぐに支払うと言いましたが、その担当者はパーツ代金がまだ含まれていないことを理由にして、待つように言いました。2月28日、わたしは保険会社の牽引車でわたしの車をスズキの公認修理場であるPT Buana Indomobil Trada に運び、再度修理費の見積もりを行いました。その修理場が出した見積もりは、全損条件を満たしているというものでした。つまり最大保証額7千2百万ルピアの75%という結論です。その見積もりをわたしは2005年3月7日に保険会社に提出しました。4月に入って保険会社は、同社の契約修理場であるPT Fajar Kencana Mandiri (いすゞの修理場)とPT Sundynasty Motor (スズキの公認修理場)が出した見積もりを根拠に、全損条件を満たしていないという理由でわたしのクレームを却下しました。ところがわたしがPT Sundynasty Motor から直接得た文書では、この修理場はスズキの公認修理場でなく、どのメーカーをも扱う車体板金工房でしかありません。つまり保険会社はわたしを欺いたことになります。
とりわけ奇妙なのは、2006年1月20日付で同保険会社が出したクレーム却下の手紙では、PT Sundynasty Motor が出した見積もりとその手紙作成日から一週間以内に共同見積もりを行うことを要請した保険会社の手紙が根拠にされているのですが、1月20日の時点でわたしはそれらの文書を受け取ったことがなく、それらの文書がわたしの手に届いたのは、その1月20日付け手紙と同時でした。そしてもっと奇妙なのは、共同見積もりを一週間以内に行いたいというその文書には、日付も文書番号も記されていないという事実でした。そのことについてわたしは2006年2月3日に文書でPT As Simas に問い掛けていますが、いまだに返事がありません。[ 北ジャカルタ在住、エロン・ファジャル ]


「エコノミータクシーが首都圏に出現」(2006年3月24日)
首都圏に安いタクシー会社が登場した。消費者の大幅な購買力低下で、タクシー業界はいまや没落の危機に瀕しているところが数多い。多くの業界が行っているように、徹底的なコストダウンによる価格引き下げで低下した消費者の購買力に合わせていかなければ、事業継続はおぼつかない。そう考えたジャデタベッ中小規模タクシー業者フォーラムは、エコノミー料金タクシー案を打ち出した。現行都内タクシー料金である初乗り5,000ルピア、キロ当たり2,500ルピアというタリフに対して、エコノミー料金は初乗り4,000ルピア、キロ当たり1,800ルピアという価格を、3月16日に6タクシー会社が合意した。その6社の明細は下の通り。
社名 / 所属車輌台数 / 車体色 / 電話番号
Starqueen Taxi / 260 / ピンク / (021)65307171
Mitra Taxi / 300 / 緑 / (021)5545555
Golden Taxi / 460 / ゴールド / (021)65300333, 6514488
Biztro Taxi / 100 / 白 / (021)87754949
Bintang Taxi / 70 / 濃緑 / (021)7358000
Merlin Taxi / 60 / 青 / (021)9217762
この6社は更なる値下げをはかって努力しており、初乗り3,000から3,500ルピア、キロ当たり1,500から1,750ルピアを目標にしている。単に安かろう悪かろうではなく、安全性にも配慮しているとかれらは言う。使用される車種はヒュンダイ、KIAリオ、トヨタリモ、ソルナなどで、エコノミー料金は3月21日から適用が開始されたが、乗客の反応はたいへん良好だ、とのこと。格安料金を可能にする秘密は、経営の一体化だ、と理由を説明する。タクシープール運営に始まって、事務管理、業務監督、現場監視などを6社がひとつの組織に作り上げたことで、経費の合理化ができているとのこと。更に、従来からタクシーの大半が流しで客を拾っているため、実車はキロ当たり30〜40%しかなく、60〜70%は空車で走っているだけという実態がある。そのため、実車で10運行しているものが20運行になれば、実車のキロ当たりパーセンテージは倍増し、安いタリフでも十分やっていけるという計算が理論的には可能になる。実際にはやってみなければわからないが、ともかく客をタクシーに引き戻そうという意図で、その6社は消費者に魅力的な料金を打ち出した。問題はタクシーメーターで、都条例でタクシー料金が定められているため、かれらの車に付いているメーターをエコノミー料金に設定してくれる所がない。かれらは都知事にエコノミー料金を公認するよう求めたところスティヨソ都知事は、都条例は上限金額を決めてあるだけであり、それよりも廉価な料金はまったく問題ない、とのコメントを出したため、上記6社は鋭意営業に邁進している。


「タクシーは供給過剰」(2006年3月25日)
首都圏のタクシーは4万2千5百台あるが、稼動しているのは7割程度で、オペレータの中には半分しか稼動させていないところもある。昨年のタクシー料金値上げで乗客がタクシー離れを起こし、過剰サプライが起こっているために、その対応として稼動を間引いている結果の7割稼動だ、と陸運協会首都支部長が語った。協会のデータによれば、首都のタクシーは2万6千台、タングラン地区で9千台、デポッとブカシでそれぞれ7千5百台が登録されている。またタクシーオペレータは首都が40社、タングラン・デポッ・ブカシはそれぞれ35社前後。
ブルーバードグループのプルノモ・プラウィト取締役社長は、今年に入ってから乗客数が10%減少した、と語る。そして経費増大、賃金上昇などによって大幅なコストアップとなっているため、タクシー会社の中には、車輌を業務に就かせないようにしてコストセーブをはかっているところすらある。タクシー料金は過去一年で二倍になった。一方石油燃料大幅値上げのために消費者は購買力の低下をきたしている。さらに、かつてタクシーを使っていた消費者の中に、二輪車をメインに自家用車の使用に転換した層がある。自動車購入ローンの利用がいっとき、たいへん容易になった時期があり、その傾向に拍車がかかった。また昨年10月の第二次バリ爆弾テロ事件で、外国人観光客の足も遠のいた。それらの要因がタクシー乗客減をもたらしている。同社長はそう分析する。
もうひとつ、ブルーバードタクシーにとって、面白くない現象がある。他のタクシーが、色、シンボルマーク、デザインなどをブルーバードそっくりに作っている、と言うのだ。ブルーバードのデザイン模倣は昔から行われていたが、最近ではあからさまの度合いが増しており、またその問題に関する政府の関心も薄くなっている、と同社長は語る。
都内のタクシーは2万5千台で十分だそうだが、郊外からも都内にタクシーが入ってくるので、過剰サプライは期せずして起こる。都庁は既に飽和状態の現状に鑑み、新規のタクシー認可はおろさない方針にしている。


「情報公開や透明性はどこにある?〜コンパス紙への投書から」(2006年3月29日)
拝啓、編集部殿。2006年1月12日、わたしはマンダラ航空でパダンに飛びました。17時15分発のRI064便です。フライトそのものは安全快適だったのですが、それとは関係なくおかしなことに気付きました。そのフライトの機体はB737の200シリーズだったのですが、マンダラ職員たちはそれをひた隠しにしていた印象をわたしは受けたからです。その機体はなにしろ、あのメダンでの墜落事故と同一機種だったのですから。
スチュワーデスの機内アナウンスは、「ようこそご搭乗くださいました。機長はアジ・スティアワンです。」と言っただけで、いつもその後に続ける機種のことを一言も言いません。きっと乗客の大半が、自分の乗っている飛行機の機種には気が付かないままだったことでしょう。座席の前にあるポケットには、飛行中の緊急事態に備えるための安全説明が表示されたブローシュアが入っていなければなりませんが、機種名が大きく明示されているそのブローシュアも見当たりません。
時代遅れの飛行機を使っているマンダラ航空はこんなことまでするのか、とわたしは大きな不審を抱きました。いくつかの手続き違反が行われたことに、マンダラ航空経営陣も、そして航空会社を管理する政府も、注意を払うよう希望しています。[ 東ジャカルタ市在住、スルヤ・ウェディア・ラナスティ ]


「航空会社淘汰の年の幕開けか?」(2006年4月13日)
今年1月から、Bayu Air, Bouraq, Bali Air, Star Air の四定期旅客航空会社が運行を停止している。2000年に政府運通省が空運会社設立条件を緩めて以後、それまで5社だったインドネシアの航空会社に増加が始まり、911事件以後に起こった航空機レンタル市場大変革のおかげでその数は28社にまで膨らんだ。競争激化による航空運賃低下とそれに応えた中低所得層消費者の空の足選択で航空機乗客数は激増し、多くの航空会社が華々しい業績を謳歌していたが、原油値上がりがもたらした航空機用燃料価格高騰で航空会社の経営に赤ランプが点灯するようになってきた。こうして暫定的に事業をストップしようという航空会社がちらほらと出るようになってきたのである。
2003年にはリッター当たり2,310ルピアだった航空機用燃料は、2006年4月のいま5,335ルピアとなっていて二倍を超えている。総経費の40%を占めると言われる燃料費が経費を大きく押し上げていることが、ほとんどの新設航空会社に従来のビジネス方針を続けられなくしているのは明らかだ。もうひとつの問題は、乗客数の多い路線に新設航空会社が競って参入していたことで、乗客数増大による経済メリットを多くの会社があまり享受できないままビジネス環境悪化という時期に突入してしまったということがあげられる。
2005年の空運旅客総数は2,890万人で、2004年の2,370万人から22%の増加を示したが、多くの航空会社にとってパイの分け前が大きくなった印象はほとんど感じられていない。空運オペレータにとって、航空機用燃料購入と航空券販売の売上から納めるPPNの負担が、利益の減少によってますます重荷に感じられている昨今だ。


「トランスジャカルタバスはアブナイ〜コンパス紙への投書から」(2006年4月26日)
拝啓、編集部殿。わたしはブロッケム〜コタ間バスウエイ第一ルートが開設されて以来の利用者です。しかし最近、また自家用車利用に戻ろうかと考えはじめています。というのは、トランスジャカルタバスの最近の様子は、特に朝夕のラッシュ時に快適さが失われてむしろ危険になっていると思うからです。
バスに乗るのをバス停で待っている利用者たちの荒々しい秩序なさが目立ちます。老若男女が秩序や礼儀を守ろうとせず、エゴ丸出しにしてバスの中に乗り込もうと押し合いへしあい。前に老人・幼児・妊婦などがいてもお構いなし。扉の脇から割り込もうとする乗客もおり、列は大混乱です。そんな乗降時はとても危険であり、踏まれたりはさまれたりして怪我人が出るのは時間の問題だろうと思えるのです。
わたしは第二第三ルートに乗ったことがありませんが、ラッシュ時の混乱状況はきっと同じようなものだろうと思います。妙なのは、その混乱を秩序付けようとするトランスジャカルタ職員の努力が見られないことで、かれら自身もそれをどうしてよいのかわからず、困惑している雰囲気が感じられます。その対策にはきっと、整理員をふたりぐらい増やして聞く耳を持たない利用者に注意を呼びかけることをする程度なのでしょう。まだ犠牲者が出ておらず、混乱は朝夕のラッシュ時だけだから、トランスジャカルタ運営者はまだ深刻に考えていないのかもしれません。もし犠牲者が出たら、そのときに対策を考えればいい、と。
本当は簡単な解決方法があるのです。ブロッケムターミナルの切符売り場のような手すりを乗降扉の内側に作ればいいのです。もちろん乗車用と降車用に分けて。そうすれば乗客は仕方なくそこに並ぶはずです。小さいバス停では、中でその手すりをぐるぐる何回か回すようにしてスペースを有効に使えばよいでしょう。快適さと秩序があれば、乗客たちは列を作って並ぶことをいとわないはずです。このアイデアは、バスウエイ・ハルモニセントラルや今後作られるバスウエイ新ルートのバス停に必ず作るようにすればよいと思います。犠牲者が出てからではもう遅い。是非このアイデアを実施するよう、トランスジャカルタ社に要請したいと思います。[ 南ジャカルタ在住、サレ ]


「駐車場は利用者の車を保護しない〜コンパス紙への投書から」(2006年5月8日)
拝啓、編集部殿。プラネットハリウッドのロビーで待っているわたしたちを迎えに来るため、14時30分ごろ、南ジャカルタ市ガトッスブロト通りにあるホテルカルティカチャンドラ駐車場に車を取りに行った運転手は、車の中が荒らされているのを見つけました。運転席後ろ側の窓ガラスが粉々にされており、ニッサンセレナ用標準仕様のDVDプレーヤーとモニターがなくなっていました。セキュアパーキング責任者は14時ごろガトッスブロト通り一帯で激しい雨が降ったからだと言いましたが、激しい雨だと警備を解くのでしょうか?わたしはセキュアパーキングに責任を取るよう要請しました。しかしその責任者は、セキュアパーキング側は届出を受けた証明書を出すだけであり、駐車券の裏に記されているように自動車に対する紛失・破損・事故ならびに車内にある品物の紛失やセキュアパーキングの管理するエリア内で人間に対して起こった出来事は免責になっている、と主張するだけです。この問題に関してセキュアパーキングを運営しているPT Securindo Packatama Indonesia 経営者は、自分が与えているサービスとそのブランドネームが一致していると思っているのでしょうか?駐車券の裏にプリントされている免責条項は、2000年4月20日に施行された消費者保護に関する1999年第8号法令に違反するものです。その免責条項は単なる責任回避でしかありません。セキュアパーキングは責任を放棄して消費者にサービスを販売していると結論付けることができます。[ ジャカルタ在住、レオニ・シリトガ ]


「踊るお巡りさん」(2006年5月26日)
2006年5月16日午前8時半ごろ、メダンムルデカバラッ(Medan Merdeka Barat)通りのロータリー交差点で、奇妙な光景を目にした通勤途上の都民は少なくなかったに違いない。しつらえられた舞台の上で婦人警官がひとりダンドウッ(dangdut)音楽に合わせて踊っているのだ。音楽はその舞台の横に置かれた警察広報車から流れ出している。別の婦警がその近くで、そんな光景など我関せずといった風に交通整理を行っている。婦警の踊りはいささかぎこちなさが漂っていたとはいえ、通りかかる車の多くはわざわざサイドウインドウを下ろしてその光景を鑑賞しようとし、中には親指を立てて振りながら称賛を表現しているドライバーもいた。
西ジャカルタ市トマン交差点でも似たような光景が展開されていた。バスウエー開通以来渋滞がひどさを増したこの交差点で、ゼブラとあひるのぬいぐるみを着た交通警官がダンドウッに合わせて踊り、別の制服警官二名も踊りながら交通整理を行っている。最初は「なに、これは?」と唖然としたドライバーたちも窓を開いてつかの間の慰めを鑑賞し、おおむね好評のコメントを口にする。「結構おもしろかったよ。路上で目にする光景の中ではね。」バスの乗客のひとりはそう語った。
だがおおむね好評な警察のアイデアも、びっしり詰まってのろのろと動く車列に変化をおよぼす力はない。いや、運転者たちがその面白い光景をじっくり見ようとしたために、車列の流れはむしろ遅くなったようだ。交通整理をしていた警官のひとりは、普段より疲れたと語る。しかしこの方が運動になるし、都民の目を楽しませることができて一石二鳥だ、と付け加えた。西ジャカルタ市警交通警察ユニット長は、「運転者のストレスをやわらげ、交通整理の警官に飽きないよう刺激を与えるためのものだ」と説明する。踊るお巡りさんの姿を通して市民に親しまれる警察像を打ちたてようというのがこの企画の趣旨でもある。警察のシンボルであるゼブラとひょうきんなあひるのぬいぐるみも目的は同じ。要は午前6時から10時までの朝の出勤時間帯に発生する交通渋滞の中で、都民にストレスを忘れてもらおうというのがその趣旨であり、西ジャカルタではトマン交差点が対象地点に選ばれた。踊る交通整理は警官本人のセンスに任されていて、指導は受けていない。パターンを決めたりすればかえってぎこちなくなる。交通整理の12基本動作を混乱させないこと、無様なかっこうは駄目。あとは見た目に楽しいものであればよい。音楽も最新流行のヒット曲だ。デワやラジャあるいはピーターパンの曲が選ばれている。西ジャカルタ市警交通警察ユニット長は警察の新企画をそのように説明している。


「スエーデンから帆船が友好訪問」(2006年6月7日)
大航海時代の先駆けをなしたのはポルトガルそしてスペインだったが、その後加わったオランダ、イギリス、フランス、アメリカ、デンマークなどの中にスエーデンが混じっていたことはどれだけ知られているだろうか。18世紀、スエーデン王国は他の諸国にならって東インド会社を興し、大型帆船を建造して中国まで長途の航海を行わせた。帆船ヨテボリ号は1738年にテラノヴァの造船所で建造され、中国の広州に至る交易路を三度航海したが、1745年にヨテボリ港を目前にして沈没した。この船は全長40.9メートル、最大幅11メートルで10門の大砲を積んでいた。当時アジアから持ち帰ったさまざまな物資は王国の国家財政に匹敵したという。ヨテボリ号は航海の途上で当時のアジア域内交易最大の中心地だったバタビアに必ず立ち寄っている。
そのヨテボリ号復元モデルが建造され、往時の航海を再現しようと海原に乗り出したのが2005年10月2日。そのころヨーロッパからアジアに至る帆船のメイン航路をたどって広東に達するのが今回ヨテボリ号に与えられた任務であり、船は大西洋を南下してブラジルに寄港した後、更に南東に進んで喜望峰を回るとそのまま東進してオーストラリアのフリマントルに向かった。フリマントルには2006年5月22日に到着している。フリマントルを出るとかつてのバタビアだった今のジャカルタに向かう。フリマントル〜ジャカルタ間の友好航海にはインドネシアの海軍士官候補生四名が乗り組むようアレンジされており、ガルーダ航空がその企画に協力してパースまで四人を運んだ。
ヨテボリ号のジャカルタ到着予定は6月18日で、同船は10日間ジャカルタに滞在した後28日に広東に向けて出帆する予定。その間インドネシアとスエーデンの文化と友好の催しが行われる予定であり、奇しくもジャカルタ創設第479周年記念の一環を飾ることになる。ヨテボリ号は言うまでもなくタンジュンプリウッ港に入港するが、昔ヨテボリ号が来たのは今のスンダクラパ港。タンジュンプリウッ港がオープンしたのは1885年であり、帆船の時代はもう終わっていた。ヨテボリ号は中国から香港〜シンガポールを経て2007年8月に本国に戻る計画になっている。在インドネシアスエーデン大使はこの企画について、9百万スエーデン人口のうち2万5千人が2004年にインドネシアを観光とビジネスを問わず訪れており、今回のヨテボリ号寄港はジャカルタの最新状況をスエーデン国民に知らせ、スエーデンからの観光客誘致を促す良い機会だ、と述べている。


「ジャカルタでの安全な駐車方法」(2006年6月27日)
モールやショッピングセンター、ホテルなどへ自動車でお出かけの際には、かならずそれら施設が持っている有料駐車場に車を止めることになる。「預ける」と言いたいところだが、その有料駐車場管理会社は自分を地主から委託された場所の運用を行う単なる地所管理者と見なしているだけであって、車の保管を委託されたとは考えていない。ジャカルタでは路上駐車も都庁が管理しているが、それは課金である駐車料金を徴収する一種の徴税行為と社会一般に認識されており、置いた車の保全を請負ってもらえるという感覚はない。いやむしろ、徴税行為という認識すら薄まっていて、金を払って駐車番に自分の車を見守ってもらう、という感覚の方がいまでは強いようだ。言うまでもなく、駐車番に対して車の保管責任を追及しようとするひとなどまずいないのではあるまいか。要するに、路上駐車もオフストリート有料駐車場も、基本コンセプトはカーオーナーが金を払って好き勝手に車を置くということであるようだ。
だからジャカルタをはじめインドネシア全土では、自動車を駐車する際のリスクを背負うのは自動車オーナーであることを基本としなければならない。だから誰しも安全が気になるところである。路上駐車よりもオフストリート有料駐車場の方が安全度はより高いにちがいない。とはいえ、それは感覚が囁いているだけであって、何を保証してくれるわけでもないのは明らかだ。路上駐車で車体を傷つけられたことなど一度もないのに、有料駐車場に止めたらサイドミラーがなくなったという人も現実にいる。
社会一般の感覚は「自分の物は自分が守る」なのだが、有料駐車場で発生した車輌盗難に関して「インドネシアの消費者保護」(2006年6月26日)にあるように、駐車場側に賠償責任を持たせた判例がすでに作られた。さて、そのような有料駐車場での自動車盗難に備えてドライバーが注意しておくべきいくつかのティップスを下にご紹介しよう。ご自分では運転しないジャボデタベッ居住者の皆さんも、もしもの場合のために知っておいて損にはならないだろう。
1)駐車場入口ゲートで受け取る駐車券は、何分もさかのぼった打刻時間を見て腹を立てるだけでなく、プレートのナンバーと一致しているかどうかも見逃さないように。もし不一致であれば、その車が盗まれても駐車場管理者は、その車は入場していないと主張するだろうから。
2)暗い、寂しい、他に車がほとんど止められていない、といった場所での駐車は避けること。
3)盗難除けの保護ロックやアラームを装備しておくこと。ただし効果はあまり期待できないが。
4)自動車から離れるとき、すべての扉、窓、またリヤ扉やトランク扉などのロックを忘れずに。また密封状態で閉まっているのを確認すること。
5)自動車から離れるとき、自動車キー(エンジンキー)、駐車券、STNK(自動車番号証明書)はすべて自分の身に付け、車の中に残さないようにすること。また駐車している間はきちんと身に付けて保管し、絶対他人に渡さないこと。
6)自動車が盗難に遭ったときには、ただちに駐車場職員に届け出て自動車がなくなったことを表明する文書(surat laporan kehilangan)を作成してもらうこと。
7)自動車盗難の届出を警察にも行うこと。
8)損害賠償請求は駐車場管理会社と直接掛け合ってかまわないが、交渉がうまく進展しないなら消費者保護機関に援助を求めることもできる。
9)消費者係争調停庁(Badan Penyelesaian Sengketa Konsumen)に訴えることもできる。それでもまだ不満であれば、最後の手段は法廷への告訴。


「ジャカルタ〜バンドン往復にデラックスバスも便利」(2006年6月28日)
大型高級バスでのジャカルタ〜バンドン往復サービスをExploreabiz 社が2006年5月24日から開始した。バスは空調完備でTV、DVD付き、二人掛けソファーが車の両サイドに11から15並ぶ。そして車内にはスモーキングルームまであり、女性アテンダントが乗客のお世話をしてくれる。料金はひとり片道75,000ルピア。ジャカルタとバンドンの双方から一日5便を走らせており、出発時間と場所は下のようになっている。
ジャカルタ発
Jakarta : Jl. Timor 12, Menteng  Phone: (021) 314-3434
出発時間: 06:00 10:00 16:00 20:00 21:00
バンドン発
Bandung : JL. Sukajadi 207  Phone (022) 203-3434
出発時間: 05:00 09:00 13:00 18:00 20:00
オンラインリザベーションも可能 URLは http://www.exploreabiz.com


「マランへの航空路を充実させる計画」(2006年7月21日)
マラン〜ジャカルタ航路の運行にアダムエアーが参入することをマラン市長が明らかにした。その航路は現在スリウィジャヤエアーが10時55分と14時45分の二便運行させているが、アダムエアーには朝6時の便を飛ばせてもらって一日3便にするよう計画しているとのマラン市長談。ジャカルタからマランのアブドゥルサレ空港へのフライトは前日夕方になる。これまでこのルートは一社独占だったので、昨今のシドアルジョにおける熱泥噴出事故の影響で料金が56万ルピア〜70万ルピアというレベルにアップしており、別の会社を呼び込んで競争させることによってその高すぎる料金の低下も期待したいと市長は述べている。アブドゥル・サレ空港からはまた、デンパサル行き貨物便の計画も立てられている。こちらも一日二便が希望されており、そのポテンシャリティは十分にあるとのこと。また旅客もできればデンパサルからマランに誘致したい希望があり、特に日本人観光客をターゲットに据えて年間に9万人もデンパサルにやってくる日本人観光客の何割かをマランに呼ぶことを検討している。


「聞くたびに高くなる切符料金」(2006年7月25日)
2006年6月28日付コンパス紙への投書"Vaya Tour Mengecewakan"から
拝啓、編集部殿。わたしは2006年5月始め頃、西ジャカルタ市クブンジュルッ(Kebun Jeruk)のファヤトゥルにSQの切符を注文しました。ジャカルタ〜シンガポール6月1日、シンガポール〜LA6月4日、LA〜シンガポール6月18日、シンガポール〜ジャカルタ6月19日というスケジュールです。わたしの注文を受けた担当者のロシさんは料金が1,275ドルだと言いました。次に予約状況の問い合わせをすると、別の担当者のアニさんは、料金は1,280ドルだといいました。そのあとまた問い合わせるとシルリさんが出て、スケジュールが変わったことを教えてくれました。シンガポール〜LA6月5日、LA〜シンガポール6月19日、シンガポール〜ジャカルタ6月20日という内容です。料金は1,280ドルのままで変更ありません。5月22日に電話するとアンガさんが取り、予約コード番号を教えてくれました。電話するたびに前の担当者につないでもらおうとするのですが、席をはずしている、セミナーに出ている、有休を取っているなどといろんな理由で毎回別の人になるのは驚きです。5月23日にはまたロシさんに当たりましたが、かの女は5月26日までに切符を発行しなければならないと言いました。5月26日にわたしはまた電話して、電話に出たフェリーさんに切符を発行するように依頼し、切符は5月29日に取りに行くとも伝えました。そして料金を再確認したところ、なんと1,292ドルだと言うのです。最初にロシさんが言った料金は1,275ドルだったではありませんか!
5月29日になって、切符をピックアップするためにわたしはひとをファヤトゥルにやりました。するとファヤトゥルのレアさんから電話が来て、わたしの予約はキャンセルされていると言うのです。そして再予約するので結果は明日連絡するということでした。するとそのあとシルリさんから電話が入り、SQにまだ空席があったので抑えておいたと連絡してくれました。5月30日朝、わたしがファヤトゥルに電話するとフェリーさんが出て、切符料金は1,310ドルだと言います。いったいこれはどういうことなのでしょうか?最初は1,275ドルでそれが1,280ドルになり、1,292ドルになって最後は1,310ドルとは・・・?フェリーさんの説明では税金が上がり続けているからだそうです。わたしはファヤトゥルクブンジュルッ店のサービスにがっかりしました。切符の発行すら忘れて予約が取り消され、そして料金もどんどん高くなっていくのですから。[ 西ジャカルタ市在住、リラ・プスパ・アスリム ]


「対応を遅くすれば権利を諦める客もきっと出る」(2006年7月4日)
2006年6月3日付けコンパス紙への投書"Lama, Klaim Asuransi Panin"から
拝啓、編集部殿。わたしは中部ジャワ州スマランのパニン銀行でパニン保険の自動車保険総合プラス第三者補償に加入しています。2006年2月20日、わたしの車トヨタアバンザがスマランのバウェン地区で事故にあいました。車の損害状況がかなりひどいので、わたしはサラティガのディーラー兼修理場であるPT Nasmoco経由で保険求償しました。実地検分や写真撮影は事故の二日後にパニンの担当者がナスモコの技術者と一緒に行いました。その後わたしは進展を待ち続けましたが、二週間たっても何の連絡もありません。ひと月ほどしてスマランの保険会社事務所に問い合わせたところ、金額が大きいのでジャカルタの本社でプロセスしなければならないから待つようにと言われました。二ヵ月後にまた問い合わせると前回と同じ返事です。おまけに、待ち行列が長いから時間がかかるのだ、と言われました。今はもう三ヶ月もたちますが、問い合わせるたびに同じ返事です。ジャカルタで手続している人の名前と電話番号を教えてほしいと頼みましたが、対応してもらえません。
待ち行列が長いと言うのならそれがいったい何人分あり、そしてそれを何人が処理しているのでしょうか?パニンのような大会社が顧客に対するサービスクオリティを保証できないというのは本当のことなのでしょうか?少なくとも手続にどのくらいの時間がかかるのかを確定するのがあるべき姿ではありませんか?手続があまりにも遅いと損害はますますひどくなっていきます。クレームが承認されたとき、費用総額はもっと高くなるでしょう。外国と提携しているほどのパニン保険会社も国内サービスレベルのクオリティを当然としているのですか?「支払はすぐに行え、遅れたら罰金だ。」ところが顧客の側がサービスされる権利を要求すると、どうして自分の好き勝手なように対応するのでしょうか?パニン保険ジャカルタ本社の担当者は早急に処理を終わらせてください。わたしはその車を毎日の仕事のために必要としているのです。[ サラティガ在住、エコ・スディヨノ ]


「ジャカルタ近郊電車でも電子式チケット」(2006年8月1日)
首都圏近郊電車の乗車券をシンガポールやマレーシアで使われているような電子式チケットに変えていく、と運通省のスミノ・エコ・サプトラ鉄道総局長が表明した。「総局はいま切符を持たない者が駅構内に入れないように外部者の侵入を遮断する駅施設改装を行っているが、この工事は2007年からスタートを予定している近郊電車乗車券の電子化に備えてのものである。この電子化はシンガポールのMRTで使われているようなものか、もしくはタッチスクリーンが使われることになる。このシステム変更のために近郊電車区域内の全駅にそれに応じた設備を備える予定で、そのシステムが稼動すれば鉄道職員や車掌が大勢車内に乗務して乗客と接触しているいまのような状況が改善される。今のマニュアルによる乗車券販売収入は30%が水漏れを起こしていると推測されているが、電子式チケットは何も物言わず、すべてがオートメ化されて逸脱行為が行われる余地を一掃してくれる。」スミノ総局長はそう語って、電子式チケットが無賃乗客と鉄道職員との間のネゴをシャットアウトし、これまで盛んに行われていたかれらの間の贈収賄をなくしてくれることへの期待を表明している。
新システムのトライアルが2007年初にタナアバン〜スルポン線で開始されることを総局長は明らかにした。今行われている複線化工事の完了と共にタナアバン〜スルポン線にはエアコン付き新車両が投入され、乗車券システムも一新される。今現在複線化工事は2割方進展しており、完了は来年2月の予定。同線のプロジェクトには20のコントラクターが参加し、3千9百億ルピアの工費をかけて線路敷設から駅舎改装、そして駅を数ヶ所増設するといったことまで計画されている。この路線に投入されるエアコン付き新車両とは日本から輸入される160輌の中古車両のうち7月24日に揚陸された16輌のこと。


「混み具合に敏感な飛行機料金」(2006年8月9日)
2006年6月26日付コンパス紙への投書"Penumpang Banyak, Harga Tiket Naik"から
拝啓、編集部殿。2006年5月27日、わたしと息子はスリウィジャヤエアーでスラバヤへ行きました。料金は24万ルピアでした。その日の夜わたしはすぐに翌日ジャカルタに戻るための航空券を注文しました。息子が会社に出なければならないからです。16時スラバヤ発の予約はOKで、旅行代理店から予約番号ももらいました。しかしこのウイングスの航空券はなんと75万ルピアもするのです。ところがわたしが航空券を取りに行くと、その航空券は他のひとに売られた後でした。ピックアップが遅れたからだとその理由を言うのですが、ピックアップ締切時間など一言も言われた覚えはありません。仕方なく別のフライトを探し、22時30分発のウイングスの航空券を買いました。料金は61万5千ルピアです。いつもはそれよりずっと安いのに。 ジュアンダ空港はその日とても混雑していました。多分5月25〜28日の長い連休を楽しんだひとたちでしょう。またジョクジャ中部ジャワ大震災から避難するひとたちもたくさんいたようです。そのときジョクジャのアディスチプト空港はまだ閉鎖されていましたので。わたしが知りたいのは、航空会社はどうして消費者の迷惑もかえりみずにびっくりするような料金に暴騰させてひとを驚かせるのかということです。乗客が多ければ料金を値上げするという決まりでもあるのですか?カウンターで航空券が売り切れると、大勢のチャロ(周旋屋)がいろんな航空会社の航空券を売り回っていました。空港セキュリティはどうしてそんな行為を放っておくのでしょうか?気の毒なのは、その日ジャカルタに戻らなければならないのにお金をぎりぎりしか持っていなかったひとたちで、かれらは夜行列車に乗るためにスラバヤ駅に走って行きました。[ デポッ在住、ウラン・スクンダル ]


「ガルーダ航空も民有化される予定」(2006年8月9日)
国有事業体担当国務省が、139の国有事業体を整理統合して80から85にまとめる計画を明らかにした。スギハルト国務相はその内容について、37事業体はこれまで通りスタンドアローンとし、37事業体は統合して15程度に減らし、35事業体はこれから新設する6から8の持株会社の傘下に収め、また30事業体は政府持株を民間資本に移管する、と説明している。民有化される30事業体の中には下のような会社が含まれている。
PT Bank Niaga Indonesia Tbk
PT Bank Tabungan Negara
PT Timah Tbk
PT Aneka Tambang Tbk
PT INTI
PT Atmindo
PT Rekayasa Industri
PT Indra Karya
PT Virama Karya
PT Wijaya Karya
PT Bina karya
PT Indah Karya
PT Yodya Karya
PT SIER (minoritas)
PT Surveyor Indonesia
PT Sucofindo
PT Perusahaan Gas Negara
PT Semen Baturaja
PT Kertas Blabak
PT Kertas Padalarang
PT Kertas Basuki Rahmat
PT Krakatau Steel
PT Cambrics Prissima
PT KIW (minoritas)
PT Garuda Indonesia
PT Merpati
PT Jasa Marga
今回の企画に関して同国務省は国有事業体のそれぞれに5つのオプションを設定した。現状維持、合併、持株会社編成、民有化、閉鎖がそれで、事業体の条件に応じてそのオプションのひとつを適用するというもの。現状維持の条件は、資本が確固としており、市場に平衡をもたらす機能を持ち、セクター内で優良企業となる潜在性を持っていること。合併の条件は、効率性、同一業種で市場セグメントも共通、競合が激しい、事業体の存続に不安がある、他の事業体と合併できる。ホールディング会社編成は、ビジネスパースペクティブが認められ、業種と市場セグメントは異なるが同一セクター内にあることで、建設セクター・農園セクター・医薬品セクターの分野で持株会社を編成する。民有化は、株式会社になっており、テクノロジーが早く転変する事業セクターで競争力を持ち、治安国防分野に関与しておらず、また民間に閉鎖されている天然資源を取り扱わず、資本市場に定められている条件を満たすこと。閉鎖は、過去5年間連続して赤字であり、資本金がマイナスで事業競争が激しく、公共サービス義務を負わされていないこと。
民有化についてスギハルト国務相は、これまで民有化された国有事業体は経営状況が好転しており、今回の民有化も良い効果をもたらすことを確信している、と語った。売上高当期純利益率は民有化前9.2%だったものが24.7%にまで向上しており、事業効率は517%から713%にアップしている。また資本債務比率は413%から204%に低下している、と詳細を説明している。


「元東急電鉄車輌は8月28日から稼動」(2006年8月23日)
去る7月24日に日本から輸入された16輌の中古電車車両がいよいよ8月28日から首都圏近郊鉄道の線路上を走る。その16輌はイ_ア政府が今年東急電鉄から購入を予定している160輌の最初のロット。
首都圏にある電車鉄道網の運営に当たっている国有鉄道会社(PT KA)第一操車区は今年8月28日から冷房付きセミエクスプレス電車を運行させることにした。セミエクスプレスは16便が首都圏を走ることになる。これは今運行しているエクスプレス電車の停車駅が限定されているためにその駅以外での乗降客はエコノミー電車を利用せざるを得ず、それが通勤ラッシュ時間帯にエコノミー電車の屋根の上まで乗客で満ち溢れさせるほどの乗車率を形成する一要素ともなっていたことに対する対応策として企画されたもので、エクスプレス非停車駅の乗客の一部をセミエクスプレスに吸い上げてエコノミーの乗車率を低減させようというアイデア。セミエクスプレスの運行によって、ジャカルタ〜ボゴール線で6千4百人、ジャカルタ〜ブカシ線で4千人の運送能力増強が実現する。今首都圏近郊電車は一日50万人の乗客を運搬しており、従来からエコノミー電車に偏った乗客数への対応が懸案とされてきた。冷房付きのエクスプレス電車は108輌が使われ、ごく限られた駅にしか停車しない。ジャカルタ〜ボゴール線ではセミエクスプレス電車の停車駅は、ボゴール(Bogor)、チルブッ(Cilebut)、ボジョングデ(Bojong Gede)、チタヤム(Citayam)、デポッバル(Depok Baru)、インドネシア大学(Universitas Indonesia)、レンテンアグン(Lenteng Agung)、パサルミング(Pasar Minggu)、ドゥレンサウィッ(Duren Sawit)、カリバタ(Kalibata)、トゥベッ(Tebet)、チキニ(Cikini)、ゴンダンディア(Gondangdia)、ガンビル(Gambir)、ジュアンダ(Juanda)、マンガブサール(Mangga Besar)、ジャカルタコタ(Jakarta Kota)となる予定。乗車料金はエコノミーより多少高いが、経済的に余裕があるひとはより快適な乗車が楽しめるようになるだろうと国有鉄道会社第一操車区は期待している。たとえばボゴール〜ジャカルタは7千5百ルピアのところ割引料金の6千ルピアを適用する予定で、ブカシ〜パサルスネンも平常料金6千ルピアを5千ルピアに割り引く予定。
このセミエクスプレスに使われる車輌は従来ボゴール〜ジャカルタ間を走っていたパクアンエクスプレス車輌を転用することになっており、日本から輸入された東急電鉄の中古車両はその後釜となってエクスプレス列車として使われる予定。いま首都圏近郊電車鉄道網を日々走っている車輌は273輌で、エクスプレスが108輌、エコノミーが165輌ある。第一操車区が持っている車輌は4百輌近いが、他の電車は部品が入手できないといったトラブルから運行に使えない状態になっている。


「都庁がオートバイ取締り強化を計画」(2006年8月24日)
世間で悪評ふんぷんたる無法集団、都内の路上を闊歩するオートバイ乗りたちに対する取締りにやっと本腰が入る。ファウジ・ボウォ副都知事が増えすぎたオートバイに対する違法行為取締りを首都警察と協働して行うと表明した。この取締りは法確定と交通安全の側面をもカバーするものになるとのこと。首都の道路キャパシティに対して増えすぎたオートバイは巨大な団塊となって道路を占拠するため、道路交通秩序の乱れと事故多発、そして他の道路利用者や道路周辺住民の快適さを奪っている面が既に社会問題化している。いっときはオートバイ専用レーンの検討すら加えられたが、実現されないままこの案は立ち消えになった。副都知事は、二輪車の走行規制が理想だが、バスウエー、モノレール、サブウエーなどの公共交通機関がまだ完備されていない現状でその実施は難しい、とコメントする。「都民にとってオートバイはまだ第一チョイスの位置にある。そしてオートバイメーカーが手の届く価格で製品をオファーしているために、都民は実用性というポイントからオートバイを選んでいる。」
都庁運輸通信局のデータでは、首都の自動車は450万台でそのうち250万台が二輪車である由。副運通局長は二輪車の数と交通事故および交通渋滞には関連性があると言う。2004年には首都の二輪車台数が一日当たり1千2百から1千3百台増加した。首都警察交通局データによれば、2004年10月時点で二輪車登録台数は380万台あり、そのような増加ペースは年間で45〜46万という台数を首都の路上に増やしていることを意味している。
都議会第D委員会のサヨゴ・ヘンドロスブロト議長は、都内での交通渋滞の一因をなしているオートバイへの取り締まり強化に賛意を表明する。「オートバイ運転者の背景はさまざまで、個人用途からオジェッのような運送事業を行っている者までいろいろだ。しかし法の適用は同じようになされなければならず、差別は排除されるべきだ。交通秩序が正しく統制されるならば、オートバイの数が多いこと自体は問題にならない。しかし都庁はオートバイの交通秩序統制を行うだけで事足れりとしてはいけない。都民に妥当で快適な公共交通機関を提供する義務を忘れてはならない。」都議会側はそう都庁に注文をつけている。


「駐車時間のサバ読みはありません」(2006年8月26日)
2006年7月24日付コンパス紙への投書"Secure Parking Tipu Konsumen"から
拝啓、編集部殿。駐車場サービスを利用しているわたしたちの多くが駐車場に入ったときに渡される駐車券に記された時間にあまり注意を払っておらず、また駐車場を出るときの料金支払いでも同じようにしています。それは駐車場入り口と出口がオンラインで結ばれており、またシステム上で時間が同期していると考えられているからですが、チブブルジャンクションの屋内パーキングでわたしが体験したことは、わたしたちみんなは駐車券に記された時間をもっと注意深く見なければならないという教訓でした。
その駐車場運営者はセキュアーパーキングです。その日わたしが入り口で受け取った駐車券には15:54と記されましたが、わたしの車の時計も腕時計も16:04を指していました。つまり実際の時間より10分遅れているのです。そのときわたしは、コンピュータ上のセッティングでそうなっているだけだろうと思いました。ところが駐車場から出るときにレシートに記された時間を見たら、なんと自動車の時計の時間と同じなのです。つまり出口は10分遅れではなかったということなのです。わたしは不審を感じて一週間後にもう一度、チブブルジャンクションを訪れてみました。駐車場に入る時間と駐車券に記された時間をチェックし、そして駐車場から出るときにも同じようにしました。その結果は前回の体験とまったく同じものでした。
たった10分の損であり、たいした金額ではないと感じる消費者も多いでしょうが、そのような行為はたいへん不道徳で消費者にとって不公平なものです。たとえば実際に54分間しか駐車しなかった消費者も、駐車レシートには64分間の駐車時間と記されるために2千ルピアで済むところが4千ルピアの支払を強いられることになるのです。そしてわたしもそんな目にあわされたひとりでした。駐車場によっては入り口で時間を遅らせておき、出口で時間を進めて数十分もの時間を掠め取っているところもあると聞きます。もしセキュアパーキングが故意にそのような行為を行っているのであれば、消費者を騙す狡猾な行為を行っていると言うことができます。消費者が損害を受けないよう、関係当局がコンピュータシステムによる時間測定の精度を調査するべきではないでしょうか。[ ブカシ在住、ヌルヒダヤッ ]
2006年7月28日付コンパス紙へ投書されたセキュアパーキングからの回答
拝啓、編集部殿。7月28日付ヌルヒダヤッさんからの"Secure Parking Tipu Konsumen"と題する投書に関して説明いたします。わたしどもはヌルヒダヤッさんに直接当方の時間記録システムを説明するためコンタクトしようと努力しましたが、コンパス紙上では住所がよく分からないのでまだ御本人にお会いすることができません。
わたしどもセキュアパーキングが運営している駐車場はすべて単一サーバーによって統括されているシステムを使っており、そのために入り口と出口での時間打刻は必ず同期しており、違いが出ることはありえません。ヌルヒダヤッさんが体験した出来事の調査は御本人からデータをもらう必要があるので、当方カスタマーサービスホットライン(021)6246955またはSMSホットライン08176−Secure(732873)に就業時間内にコンタクトください。[ PT Securindo Packatamaカスタマーサービスセンター、フィトリ・ダマヤンティ ]


「公共交通機関運転者に資格認定義務付け」(2006年9月6日)
路上交通事故のうち死亡事故の17.4%は貨物乗客公共交通機関によるものであり、バスが8.3%トラックは9.1%という内訳になっている。この状況を改善するための対策のひとつとして、運転者に職業資格認定の義務付けを行うことを運通省が明らかにした。公共運送職業資格認定(sertifikat kompetensi profesi angkutan umum)は公共運送車輌を運転するすべての者にその証明書の所持が義務付けられる。その証明書はスマートカードタイプの形態を取り、運転免許証と二本立てで運転者は所持しなければならない。「運転者は単に自動車運転の技能を求められるだけでなく、運送事業という職業に求められているものも身に付けなければならなくなる。この制度は2007年から開始される。」陸上交通安全局長はそう述べている。
運通省はまた、四輪二輪自家用車車検記録のスマートカード化を同時に計画している。そのカードには当該自動車の履歴が最初から記録されることになり、そして今は証書方式になっているSTNK(自動車番号証明書)とそのカードを常にセットにして用いるという方向性が検討されている。自動車の路上通行の適合性をチェックする定期自動車検定は民間の自動車整備場で行われるが、政府はその民間整備場に対する政府指定の独立検証機関の設置も検討している。


「踏んだり蹴ったりの飛行機乗客」(2006年9月7日)
9月3日のジャカルタ発バタム行きアダムエアーKI296便が、ジャカルタを飛び立ってからおよそ30分後にスカルノハッタ空港に戻ってきた。この飛行機は飛行中に突然高度が維持できなくなって降下したため出発空港に戻ってきたもの。乗っていた150人の乗客は生きた心地がせず、おまけに着陸後に右側翼の下あたりから大きい爆発音が響いたために機内はパニック状態となった。乗客は自分の前の背もたれをしっかりとつかみ、悲鳴があちこちで呼号し、「アラフアクバル」の合唱が機内を包んだ。「隣に座っていた若者が小便をもらしていたよ。」と乗客のひとりは語っている。ところが、機体が止まってステップが横付けされ、扉が開かれたが、地上には乗客を出迎えて空港内に誘導する飛行機会社職員はひとりも見当たらず、事故の際には出動してくる消防車や救急車も一台も見られなかった。着陸後の爆発音はタイヤのパンクによるものだった。
空港管理会社アンカサプラ?は、アダムエアーの機長からテクニカルな問題でスカルノハッタ空港に戻る連絡があり、それに対して許可が出されたが、航空機の高度低下とタイヤのパンクに関する報告は出されていない、と表明している。4日朝に滑走路上で裂けたタイヤの一部が空港整備職員によって発見されているが、どの飛行機のものだったのかは不明。
その飛行機の乗客が切符代の払い戻しを空港第1Cターミナルの航空券販売所に要求したところ、係員が払い戻しを拒否したために大勢が怒って事務所内に闖入し、机の上に立ったり机を叩くなどして不満をぶちまけ、しばらく騒ぎが続いた。結局大半の乗客は諦めて帰ったが二組合計7人の乗客は執拗にねばり、夜がふけたためにアダムエアーが従業員寮を宿舎に提供したもののアダムエアー側からの夕食や朝食のふるまいは一切なかったとのこと。かれらは翌日、別会社の飛行機でバタムに出発した。


「首都圏鉄道網の要をマンガライに」(2006年9月8日)
現在首都近郊電車鉄道網の中央駅となっているガンビルからその機能をマンガライに移す計画を国有鉄道会社第一操車区が明らかにした。この計画は、実は1997年にマンガライ統合ターミナル建設メガプロジェクトとして企画されていたが、経済危機のおかげで先行きのめどが立たなくなり、その後は1999年作成の首都都市計画構想からさえ省かれてしまっていた。首都圏近郊電車鉄道網を環状・放射状のネットワークに開発整備していく際の要としては、ガンビルよりマンガライの方がはるかに適切な地理的位置を占めているのは明らかで、鉄道オペレーションの中で直面しているさまざまな問題のいくつかはこの移転によって解決が容易になる。
このマンガライ首都中央駅建設構想は、現在東向きの鉄道線路をコミューター用と長距離鉄道用に分離するマンガライ〜チカラン間複々線化工事が完了するのを待って着工が開始されるが、その複々線化工事の完了は2009年になる。将来的にマンガライ中央駅は高架線路方式が採用され、ここに首都圏電車鉄道網と他の道路交通機関が結び付けられる接点が置かれることになる。今のマンガライ駅舎は小さく、その周辺も比較的建て込んだ住宅地になっているが、南側には広大な車庫と整備場が隣接していて、そこにある全施設は今デポッに建設中のデポッ電車デポに移される予定。26Haの広さに224輌の電車を収容できる14本の引込み線を持つ東南アジア最大規模のデポッ電車デポは2007年8月の竣工が予定されている。
国鉄第一操車区は、スルポン〜タナアバン線の複線化工事完了が2007年2月、東向きコミューター路線のチカラン延長も2007年、屋根上乗客完全撤廃、乗車券電子化、駅内電車乗り場の完全隔離などといったさまざまな計画をクリヤーして、いまの乗客一日50万人を150〜200万人に引き上げるという目標に向かって邁進している。


「有料自動車道路利用者に掛け捨て保険」(2006年9月19日)
自動車専用道路管理会社PT Jasa Marga が道路利用者に交通事故保険をオファーしている。この保険はPT Asuransi Mega との提携で行われるもので、付保希望者はSMSに astol B8034XZ というように astol スペース 自分が運転している自動車のプレート番号をタイプして9121番に発信するだけ。この付保申し込みはすべての携帯電話オペレータで受け付けられ、SMS送信費用は一回2千ルピアだが、保険会社側はそこから保険料を得るしくみ。この保険は運転者、同乗者、乗っている自動車の損害をカバーするもので、自動車専用道路上で発生した事故に対して補償が与えられるが、限度は1億ルピア。また保険が有効なのは付保してから6時間以内となっており、6時間を過ぎても付保が必要な人はもう一度SMSを送らなければならない。


「スディルマン〜タムリン道路拡張工事」(2006年9月20日)
スディルマン〜タムリンの都内幹線道路拡張を都庁公共事業局が計画している。道路と自動車の増加比率が1対11というきわめてアンバランスな状況のために都内のあらゆる道路は渋滞が激しくなっており、ナンバーワン幹線道路も例外ではない。そのため、渋滞緩和をはかることを目的にスディルマン〜タムリンに車線をもうひとつ増やす計画を都庁公共事業局が組んだ。この計画は、実は2004年にバスウエイとの関連で一度実現間際まで迫ったが、車線を増やすために高速車線と低速車線の分離帯の高速車線側が削り取られるその計画は並木を減らすことにつながるという苦情や、車線を増やすことは自家用車族をバスウエイに移らなくさせることにつながるという強い反対が出されて一度挫折した経緯がある。限られた幅で車線を増やそうとしているために車線幅は通常の3メーターより狭い2.75メーターになるが、時速60キロ走行ができる道路幅だと公共事業局は説明している。
タムリン通りの車線拡張工事はドゥクアタス(Duku Atas)からモナス広場南西角の噴水ロータリーまでの2.4キロ区間で、タムリンとクブンシリ(Kebun Sirih)の交差点までは高速車線と低速車線の分離帯が削り取られる計画。その結果、高速と低速の車線が分離されない15メーター道路ができあがる。ジャヤビル(Gedung Jaya)東側は広告支柱を島にし、分離帯を1メートル幅に狭める。一方、ホテルサリパンパシフィック(Hotel Sari Pan Pacific)前は高速車線と低速車線の分離帯がなくなる。タムリン通りはジャヤビル前の広告支柱、マンダリンホテル脇の34本の溶樹の木、トサリ〜ドゥクアタス間のボトルネックの対策が難しい。スディルマン通りはスディルマン将軍像から青年の像までの4キロ区間で、ドゥクアタスのスディルマン将軍像からスマンギ(Semanggi)立体交差までは高速低速分離帯を2メートル削ってもう一車線増やす予定。スマンギからラトゥプラザ(Ratu Plaza)前までの区間も高速低速分離帯がわずかな幅を残して削られる。 都庁公共事業局はこの工事に必要な予算を2006年度追加予算から支出する予定で、タムリン通りの工事に155億ルピア、スディルマン通りは145億ルピアの工費を計上している。この工事は10月第一週から開始され、65日間昼夜兼行の工期で12月第二週に完了する日程が組まれている。


「空港電車でスカルノハッタまで20分」(2006年9月28日)
2008年にはマンガライ(Manggarai)とスカルノハッタ(Soekarno Hatta)空港を結ぶ空港エクスプレスが稼動し、都心と空港を20分で結ぶようになる、とハッタ・ラジャサ運通相が語った。この空港エクスプレス建設工事は百%国内資本でまかなわれ、そのための国有鉄道会社PT KAIと国有空港管理会社PT Angkasa Pura II が60対40の出資比率で設立する合弁会社が9月中に発足する。この鉄道建設工事はダアンモゴッ(Daan Mogot)地区の高架線路や数ヶ所の電車駅新設のために7千億ルピアの工費が見積もられている。
首都圏近郊電車鉄道路線網の中央駅をマンガライに置く構想にあわせて空港エクスプレス電車もマンガライまで走ることになる。空港エクスプレスは年間3千万人というスカルノハッタ空港入出国客の30%を運搬するという計画であり、実際には入出国客を送迎する乗客数が更に上乗せされる見込み。この空港エクスプレスはマンガライ〜ドゥクアタス(Dukuh Atas)〜タナアバン(Tanah Abang)〜ドゥリ(Duri)〜グロゴル(Grogol)〜プシン(Pesing)〜ラワブアヤ(Rawa Buaya)〜カリドレス(Kali Deres)〜スカルノハッタというルートを通り、両ターミナル間を直行で結ぶ便と各駅停車の二便を走らせる計画になっている。


「ボゴール街道でもバスウエー工事が始まる」(2006年10月2日)
カンプンランブタンとカンプンムラユを結ぶバスウエー第7ルート建設工事にあわせてボゴール街道の道路幅を拡張する予定であることを東ジャカルタ市長補佐が明らかにした。今は片側2車線のこの道路にバス専用レーンが建設されるため、普段でも渋滞の激しいこの道路の混雑緩和のために道路幅を今の20メートルから34メートルに拡張する計画。ただしどの場所をどのように広げるかという点についてはまだ結論が出されておらず、バス専用レーンを含む片側三車線道路をどのように作っていくかという具体的な計画が待たれている。バス専用レーン工事は既に始まっており、セメントでかさ上げした車線がひとつ作られている。


「飛行機と凧の不条理」(2006年10月3日)
スカルノハッタ空港に飛行機が近付く。低空飛行中の機体の窓の外に何かが浮かんでいるのが見える。数多い。凧だ。国際空港の航空機通過空域周辺にたくさんの凧が揚がっている。その瞬間、背筋をゾッと寒気が襲った。
タングラン市ネグラサリ郡クダウンウエタン町とスラパジャンジャヤ町はスカルノハッタ空港滑走路の先にある。町民の多くが日中、大人も子供も競って凧揚げに興じているのだ。周辺に高層建築物はなく、眺望も広大に開かれ、折々海風山風が凧の上昇に都合よく風圧を与えてくれる。素晴らしい凧揚げロケーションではないか。
空港管理会社PTアンカサプラ2スカルノハッタ支社長は、頭がいたい、と語る。公式抗議はまだないが、既に滑走路利用者から苦情が持ち込まれている。たいへんな惨事が起こる前に早く何とかせよ、と言われた。アンカサプラ側もただ手をこまねいて見ていたわけではない。タングラン市庁と空港特別警察に協力を要請し、この問題解決の一端を担うよう依頼した。空港特別警察署長はその話を裏書する。「その依頼は確かに受けており、当方はいつでも協力を図る態勢にある。当方はすぐにでも住民に説得を働きかける用意があるが、そのためのツールとして凧を揚げてはいけないという内容のパンフレットを用意してもらうことになっている。しかしそのパンフレットはいまだに当方の手元に届かない。」
今年は滑走路の先で凧が揚がっているが、昨年は滑走路の横で揚がっていた。そこはタングラン市ブンダ郡とタングラン県コサンビ郡に当たる。では凧揚げをしている住民たちは、ひとつ間違えばたいへんな惨事が発生するということが判っていないのだろうか?飛行機と凧の危険な関係についての啓蒙社会告知は十数年の間に何度も行われており、住民たちは十分それを承知しているのだ。タングラン市は2004年に市条例を制定し、スカルノハッタ空港とその周辺部における航空安全の障害となる行為の禁止を定めて住民に対する告知を実施した。その2004年第7号条例の本旨は航空機飛行の障害にならないよう、凧揚げ禁止を目的としたものだ。そこには、罰金最高5百万ルピア、禁固最長3ヶ月という罰則が定められているが、この刑を適用された住民はまだひとりもいない。昨年は町役場と空港の職員が共同でパトロールを行い、凧揚げで遊んでいる者を見つければ禁止規則を通知していた。しかしいま、そのパトロールは休眠状態だ。
では心ある飛行機乗客の心胆を寒からしめる空港周辺住民たちの凧揚げ行為はいったいどのような動機に基づいているのだろうか?スラパジャンジャヤ町住民の中に、あれは故意にやっていることだ、と明かす者がある。スカルノハッタ空港管理会社アンカサプラ2に対する不満の意思表示がそれだそうだ。空港側は周辺地区住民に対する社会援助を約束しているが、実際にはきわめて小額の援助金額しか出そうとせずしかもコミュニティセンタープログラムも停止したままであり、住民はアンカサプラに大きい不満を抱えている。他の住民もその意見に同意したが、アンカサプラ側は反論する。「住民への援助額は決して小さいものでない。モスクや学校の改築、あるいは住民への保健関連援助は継続されており、空港裏に道路を作るために3百億ルピアが支出されたこともある。」同支社長はそう語る。
係争する二勢力が相手を困らせるために第三者に矛先を向けるという仁義なき戦術がしばしば使われる。アンカサプラが管理する空港を通るだけという関係しか持たない飛行機乗客がある日大惨事に巻き込まれたら・・・・。これは自爆テロの被害者になるのと変わらない不条理ではないだろうか。


「チビトン〜チカラン区間道路拡張工事」(2006年10月5日)
チカンペッ(Cikampek)自動車専用道路KM24〜KM28区間の道路拡張工事が急ピッチで進められている。国有有料道路管理会社PT Jasa Marga によれば、チビトン(Cibitung)〜チカラン(Cikarang)3.8キロ区間で上下方向にそれぞれ1車線を増やす工事がいま進行中で、ルバランの1週間前に完成する日程になっている。今現在はジャカルタから片側4車線でチビトゥンゲートまで至るが、そこから先は二車線になってボトルネック現象が起こり、その区間は渋滞が発生するのが常態でありまた事故発生の可能性の高い区間だった。この区間の拡張工事は中央分離帯を削って行われることになるため、完成の暁には上下車線の分離はコンクリートの衝立で遮蔽されることになる。


「熱泥に埋没している自動車専用道路で泥排除作業」(2006年10月6日)
数回熱泥に埋まり、その後噴出量が激増したためにそのままになっているスラバヤ〜グンポル自動車専用道路ポロン地区KM37を政府は再び自動車通行路として確保することにした。その区間が閉鎖されている間、道路交通はJl Raya Porong(ポロン街道)のみに頼る形になっており、スラバヤからマラン、パスルアン、プロボリンゴ、バニュワギ方面への交通がすべてそこに集中するためにその道路は終日大渋滞に陥っている。今月中旬頃から始まるルバラン帰省の波に備えて自動車道路の閉鎖は解除されなければならず、そのために政府は早急に泥に埋まっている区間をクリヤーにして交通を確保する作業にかかる。一方噴出量が増加している熱泥は次の犠牲者を求めており、その地区を通過する鉄道とJl Raya Porong もその影響で交通が遮断される可能性を秘めている。ましてや雨季が間近に迫っており、熱泥の拡散を防ぐために急遽作られた堤防が雨で決壊すれば泥はさらに広範な領域を埋めるおそれが高い。
鉄道は熱泥噴出の結果地中構造が変化したのにつれて線路が歪むという事態が発生しており、国有鉄道会社PT KAIスラバヤ第8操車区は代替ルートの準備にかかっている。ポロン地区で鉄道線路が泥に埋まった場合、その地区を避けるルートとして同社は、Wonokromo-Sepanjang-Boharan-Krian-Kedindin-Tarik-Mojokerto-Curahmalang-Sumobito-Peterongan-Jombang-Sembung-Kertosono を指定しており、ブリタルやマランに向かう乗客にとっては遠回りになる。


「アンチョルで立体交差工事」(2006年10月17日)
渋滞が年中行事になっているマルタディナタ通りにグヌンサハリ通り北端が接する三叉路の立体交差化工事が今月始まる。これはマルタディナタ通りに5百メートルの高架道路を作って東のタンジュンプリウッ方面から西のプルイッ方面への車の流れをスムースにしようというもので、4百億ルピアの総工費が予定されている。この建設計画によると高架道路下の従来の道路が橋脚で狭くなるためアンチョル川に向かって7メートルほど道路を拡張することになっており、40メートル近い川幅を持つアンチョル川がそれだけ埋め立てられる予定。工事業者は高架道路の橋脚作りのためにその一帯の地盤調査を始めており、地下50メートルまでの地質構造調査と分析が実施される。
グヌンサハリとマルタディナタの三叉路にはアンチョルに入って行くための橋があるが、その橋とは別にトランスジャカルタバス専用の橋も建設される予定になっている。この橋は今グヌンサハリ通りで建設中のバスウエー専用車線の北端に接するもので、カンプンムラユから来たバスウエー第5ルートはそこを通って都内随一のアミューズメントパーク、アンチョル・ジャカルタベイシティに至ることになっている。


「航空機乗客名簿が提出されていない」(2006年10月27日)
スカルノハッタ空港管理者はすべての同空港利用航空会社に対し、秩序だった管理と航空安全のために出発前のマニフェスト(乗客名簿)提出励行を求めている。カスミン・カミル(Kasmin Kamil)PT Angkasa Pura II スカルノハッタ空港支社長は、マニフェスト提出に関するその規定は国際航空スタンダードになっている、と語った。しかしここ数年現場に見られる状況は、航空オペレータがその決まりに従わず、中には数日たってからやっと提出されることもある、とのこと。そのため空港管理者は各航空会社にコミットメントを求め、飛行機出発前には必ずマニフェストが提出されるように管理を厳しくする方針。乗客データが明らかになることで航空機運行の安全も高まる、と同支社長は述べている。空港利用者の監視は更に強化される必要があり、また空港利用状況もアップツーデートで把握されなければならないので、これまでのように数日遅れでデータが出るようでは正確な状況の把握に困難をきたすのは確実だ。2005年にスカルノハッタ空港を利用した航空旅客数は2千8百万人で、飛行機発着回数は一日平均630回にのぼる。


「大統領公用車のナンバープレートは[RI 1]」(2006年10月30日)
政府高官公用車のナンバープレートが変わった。これまでイ_ア共和国大統領公用車のナンバープレートは[B 1]、副大統領は[B 2]等々になっていたが、頭のBはジャカルタのエリアコードであるために紛らわしいので変更を国家警察が進言した。このため2006年10月18日付で番号変更が定められ、プレートが出来あがり次第取替えが行われている。新しく制定されたコードはRIで、大統領は[RI 1]、副大統領は[RI 2]、大統領夫人や内閣閣僚は全員が[RI x]というナンバープレートに変わる。中央政府高官公用車のナンバープレートは[RI 1]から[RI 67]まである。
それに合わせて首都高官の公用車もナンバープレートが変わる。これまで都知事は[B 1 DKI]、副都知事は[B 2 DKI]などとなっていたが、中央政府高官がBを使わなくなったために都庁高官は晴れて[B 1]というナンバープレートで走ることができるようになる。頭がBの都庁高官公用車は[B 1]から[B 11]まである。


「廉価航空会社も長距離バスもやることは同じ」(2006年11月1日)
2006年10月4日付コンパス紙への投書"Bus Rosalia Indah Mengecewakan"から
拝啓、編集部殿。2006年9月4日、わたしの友人は東ジャカルタ市ラワマグンバスターミナルにあるロサリアインダのエージェントでソロ行きの切符を買いました。切符には出発時間17時15分と記載されていました。友人はラワマグンバスターミナルに15時半ごろ到着し、窓口へ行ってバスに乗るための乗車手続をしました。16時55分、友人はバスが到着したかどうかを窓口職員に尋ねましたが、「まだ来ていない」という返事でした。17時45分になって友人はもう一度窓口職員にバスが到着したかどうかを尋ねましたが、「ルバッブルスで渋滞にかかっているのでまだ来ていない。」という返事をその窓口職員は返しました。その後18時30分になって友人はまた窓口職員にバスが到着したかどうかを尋ねました。この三度目の質問は、窓口職員が交替していたので別の人になされたことになります。そして友人は、驚きで開いた口がふさがらない返事を聞かされることになりました。「バスはもう出発しましたよ。」
どうしてこんなことになるのでしょう?バス会社が乗客に義務付けた、切符を窓口で買うこと、出発時刻の30分前に乗り場に来ていること、はふたつとも満たしていたではありませんか。それどころか友人は30分前ばかりでなく90分以上前に乗り場に来てバスに乗る手続を済ませていたのです。おまけにバスの到着状況を三回も窓口職員に確認しているのです。
友人は仕方なく、切符の払い戻しかもしくは少なくとも既に渡した切符を返してくれるようにその職員に頼みました。ところが相手は、乗車を取りやめたということになるので払い戻しも切符の返却もできない、と言うのです。ラワマグンバスターミナルにあるロサリアインダ長距離バス会社のエージェントは乗客の権利をないがしろにしています。ロサリアインダはもっと乗客へのサービスに配慮し、切符の販売ターゲットを追い求めるだけの姿勢を改善するよう要請します。「お客様の快適さとご満足がわたしどもの第一の目標です」という同社のモットーはいったい何なのですか?[ 東ジャカルタ市バレカンバン在住、フロリベルタ・ウィハスティ ]


「都内に交通秩序優先地区」(2006年11月4日)
首都警察は都内5市に各一ヶ所、交通秩序優先地区(Kawasan Tertib Lalu Lintas)を設けて住民のお手本に育てあげる計画を立てている。東ジャカルタ市はチャワン(Cawang)地区、北ジャカルタ市はスンプル(Semper)地区、中央ジャカルタ市はスネン交差点(Perempatan Senen)地区、西ジャカルタ市はスリピ〜グロゴル(Slipi-Grogol)地区、南ジャカルタ市はチプリル市場(Pasar Cipulir)地区がその指定エリア。それらはいずれも現在交通混雑の激しい地区で毎日渋滞が当たり前の場所。この企画は首都警察交通局と都庁が共同で推進するものであり、警官と行政警察ユニット職員が各地元の郡・町役場の支援を得て現場での交通秩序回復の任にあたる。中でも東ジャカルタ市チャワン地区のUKI前一帯は闇バスターミナルになっており、それが交通渋滞の激しさを煽っているため、首都警察はそこを交通秩序優先地区のパイロットプロジェクトに指定し、10月31日から行動を開始した。闇バスターミナル解消を目指して公共交通機関に対する取り締まりを行い、STNKと運転免許証を持っていない運転手や指定場所以外での客の乗降などを摘発し、187台に交通法規違反の措置を取った。それ以外にもその地区を通過する一般車輌の違反を摘発し、交通標識の無視や車線停止線オーバー、ヘルメット不着用、免許証等不携帯などに対して違反切符を切った。
首都では頻繁に交通秩序のための作戦が行われているが、違反者はいつも膨大な数にのぼる。今年9月2日から10月27日まで行われた作戦で警察に捕まった交通違反者は8,195人にのぼっている。期間を区切っての集中作戦よりも特定地域を指定して一年中取り締まりを行うほうが都民の遵法意識を高めるには効果的であるにちがいない。


「スカルノハッタ空港に第3ターミナル」(2006年11月22日)
スカルノハッタ空港第3ターミナル建設工事を2007年1月から開始する、と空港管理会社PT Angkasa Pura 2 の技術業務担当取締役が表明した。現在の第1第2ターミナルは旅客キャパシティが年間2千4百万人であるにもかかわらず現状は2千9百万人が利用しているため、ターミナル拡張は急を要する案件となっていた。計画によれば工期は1年間で、2008年初に第3ターミナルが完成すれば第1ターミナルの活動の一部が第3ターミナルに移されることになる。3万平米の床面積を持つ第3ターミナルの建設工事は当面、TKI(海外出稼ぎ者)ターミナルとハジ(メッカ巡礼)ターミナルの邪魔にならない形で行われる。3千億ルピアというこの建設工事予算は第二アンカサプラ社の内部資金でまかなわれることになっている。


「急行を各停に変えて賄賂稼ぎ」(2006年11月24日)
2006年9月12日付コンパス紙への投書"Kereta Ekspres Tidak Nyaman"から
拝啓、編集部殿。ジャカルタ〜スルポン線を運行するスディルマンエクスプレス利用者として、わたしは国有鉄道会社PT KAの業務内容にたいへん不満を感じています。中でも17:28、18:10、18:30スディルマン駅発の便に関して。
不満の第一はそれらの便が定刻に発車せず必ず10分から30分遅れで発車することです。更にスディルマンからスルポンまでの行程で列車はいつも各駅に停車するのです。パルメラとクバヨランラマは通過することになっているにも関わらず。それだとエクスプレスでなくエコノミー列車と同じではありませんか。おまけに機関士と検札担当車掌が共謀してそれらの駅でドアを開き、3千ルピアを払う乗客をその列車に乗せています。わたしは公式切符を8千ルピアで買っているというのに。かれら不正乗客は金を払うと車内に入り、正規の料金を払っている者と混じります。もしその二駅で30人が乗るとすれば、機関士と車掌は毎回の運行で18万ルピアを得ているわけで、PT KAがどれだけ潜在的な損失を蒙っているか明らかではありませんか。
わたしたちの目の前で行われている不法行為にわたしはたいへん不愉快で、また裏切られているように感じますが、不正乗客も鉄道職員もそして他の正規の乗客もその状態を見て見ぬふりをしているのです。鉄道会社マネージメントは定刻発車を励行し、乗客の快適さを維持してサービスの向上に努め、また切符を買わず職員への賄賂で乗車する不正乗客を防ぐために監視を厳しくするよう希望します。[ タングラン在住、アリス・クルニアティ ]


「二輪車は左側走行を義務付け」(2006年11月24日)
首都警察が首都圏でルバラン後に展開した交通安全取り締まり「2006年首都シンパティック作戦」で20日間に211件の事故が発生しており、死者51人負傷者92人が記録され、また物損は5億ルピアを超えている。違反切符発行枚数は6,647で警告件数も7,833に達している。このため首都警察は11月16日から「首都ゼブラ作戦」をスタートさせた。この作戦では国軍と都庁行政警察から支援を得て総勢7,107人が路上での交通違反に目を光らせることになる。特に今回重点が置かれるのは二輪車の左側走行。この作戦は先に定められた交通秩序優先地区を中心に展開されることになっており、その優先地区とは中央ジャカルタ市のJl Senen Raya、北ジャカルタ市はSimpang Lima Semper、西ジャカルタ市のTL Grogol周辺エリア、南ジャカルタ市はJl Raya CipulirとJl Sultan Iskandar Muda、東ジャカルタ市はJl Sutoyo、タングラン市Jl Sudirman、タングラン県Jl Raya Serpong、ブカシ市Jl Joyo Martono、ブカシ県Jl Raya RE Martadinata、デポッ市Jl Margonda Raya、タンジュンプリウッ港はJl Raya Pelabuhan となっている。


「続・首都の交通政策はどうなる?」(2006年11月26日)
ファウジ・ボウォ都知事は2007年11月19日ジャカルタで、都内を半周する全線高架の自動車専用道路建設計画について説明した。それによれば、西ジャカルタから中央ジャカルタを通って東ジャカルタまでのルートとカンプンムラユからタンジュンプリウッ(Tanjung Priok)へのルートで、総工費は21兆ルピアと見積もられているが首都の予算でそれをまかなうのは不可能であるため国家予算の援助を求めていると都知事は語っている。都知事はユスフ・カラ副大統領との会見でこのプロジェクトを説明して政府の支援を要請したところ、副大統領の反応はたいへんポジティブだったとのこと。
この高架道路建設は増え続ける自動車に対応するための解決策であり、地表での新規道路建設はきわめて困難で2007年の道路増は0.01%しかないというのに自動車台数は11%も増えている。そのために新たに道路を増やすためには高架道路を建設せざるを得ない。この道路建設工事と運営については都庁も直接関与することを期待しており、国有自動車道運営会社PTジャサマルガと提携して自動車道運営を行う都営会社を設立する予定にしている。
ところで運通省も首都の交通対策に関する提言を行った。これは陸運総局長が19日に発言したもので、全長96キロのバスウエーを高架化するようにという内容。バスウエー全ルートが完成したとき都内の交通渋滞は今よりずっと悪化していることが予想されるために、バス専用車線を空中に引き上げて地表の道路を一般車両に戻そうというアイデア。ルバッブルス(Lebak Bulus)〜ドゥクアタス(Dukuh Atas)間に建設される大量高速輸送鉄道は2014年の稼動開始予定であり、それまではバスウエーが唯一の頼みの綱となる。バスウエーは現在1ルート1時間あたりの運送能力が3千5百人で全ルートを合わせて一日21万人の能力となっている。目標は全ルートを合わせて1時間3万人という運送能力であり、現状はまだそれから遠いところにいる。都内の一般道路通行車両の走行スピードは時速23キロで、5年前の時速34.5キロから大幅に低下している。


「コタ駅地下道工事現場から遺物が出土」(2006年12月4日)
都内コタ鉄道駅と向かいのマンディリ銀行博物館を結ぶ歩行者用アンダーパス工事が依然として佳境の最中だが、工事作業者たちは掘っているトンネルの中からさまざまな遺物を発見し、状態のよいものを自宅に持ち帰っている。5メートル以上の深さで掘られているマンディリ銀行側横穴トンネルでは年代物の大きなチークブロックや基礎レンガ、積み上げられた120x50センチの石材などさまざまなものが発見されている。作業員たちはここ一週間ほど、さまざまな遺物が現場から出てきている、と語る。作業員のひとりは昔のコインを見つけた。1/2Senと表示のあるそのコインにはNederlansch Indieという文字が記され1859という年号が見られる。裏側はジャウィ文字が書かれている。別の作業員は陶器の破片や陶器製のタバコパイプを見つけて保管してある、と言う。破損していない陶器の椀や皿を見つけた者もいる。その工事現場からはさまざまな遺物が出土しており、状態の良いのはみんな持ち帰っている、と付近にいる駐車番は物語っている。
都庁文化博物館局長は、出土した遺物のリストアップを行っている、と語る。ただしどの地層から出てきたのかは判定できないとのこと。このエリアは何百年も昔から何度となく掘り返されてきているために地層がかき混ぜられており、見つかった遺物を分析することで年代を判定する以外に方法はなさそうだ。このエリアはかつてバタビアの町を取り巻く城壁がめぐらされていた所であり、大きなチーク材やレンガなどは湿地の地盤を補強するために使われたものではないかと推測されている。


「四輪車の左車線走行は禁止」(2006年12月5日)
都内路上での二輪車走行は、12月4日から左車線通行が義務付けられた。二輪車はすべて左側車線を通らなければならず、道路の中央を走ったり右側から四輪車を追い越すことは禁止される。また日中でもヘッドライトを点灯して走行しなければならない。この規則はジャカルタ首都特別区だけでなくタングラン、デポッ、ボゴール、ブカシでも同時に施行される。首都警察交通局長はこの規制について、これは新しいことがらでなく1993年第43号首都政令および2003年第12号条例で前から定められていたものであり、目的は事故防止にある、と説明している。今年1月から10月までで首都警察に記録された交通事故件数は4,206件あり、そのうち3,286件は二輪車が関わっている。二輪車登録台数は顕著な増加を見せており、ジャボデタベッ地域の車輌総数は7,840,671台でそのうち5,194,011台が二輪車であり、ジャカルタだけを取ってみても車輌総数は4,276,133台、二輪車はそのうちの2,718,864台となっている。
路上を走行する二輪車が膨大に膨れ上がったことで交通違反も激化しており、二輪車ドライバーは路肩走行や歩道走行、道路の右側車線や中央車線を平気で走行し、また対向車線を逆走することさえ好き勝手に行っている。それら二輪車ドライバーの無法行為が事故の増加という結果をもたらしており、二輪車がほかの車輌にとって思いがけない行動を取るために自己の存在を知らせる意味で点灯走行は事故を減らす効果を持っているが、事故と違反行為が同時に減少しなければ路上での秩序ある市民行動は生まれない。
左側車線は二輪車の走行に使われるようになるため、非二輪車は左側車線を明渡さなければならない。このため非二輪車が左側車線に入るのは停車あるいは左折のためにのみ認められることになる。都内いくつかの道路でこの新規則のトライアルと社会告知が二週間前から行われており、警察はこの新方式によって交通事故が減少するのはまちがいないと確信している。12月4日から全面的な実施が始まるが、標識やサインあるいは警察職員による指導などを全域で実施する余裕がないため、警察側は都民に理解と協力を求めている。12月4日からしばらくの間は社会告知期間として違反者への処罰はまだ行われないことになっている。


「道端法廷」(2006年12月7日)
首都警察が都内に設けた交通秩序優先地区は、東ジャカルタ市はチャワンに置かれている。ここは道路幅がたいへん広いことから、幸か不幸かいつ通ってもバスやアンコッが道路脇に溜まっていて闇ターミナルの様相を呈している。公共交通機関ルートが65本もここを通っており、人の往来が繁華であるためにカキリマ商人が屋台を並べて交通の混雑に拍車をかける。公共交通機関が好き勝手に道路を使って交通の流れが乱れるので、自家用車運転者も我勝ちに先を争うようになって道路交通は濁流と化す。おかげで交通違反件数は増大し、一日の違反切符発行枚数は6百枚。首都警察交通局が11月16日からゼブラ作戦を実施して交通違反摘発強化を行っていることもその数字の大きさに一役買っているようだ。
違反を摘発された者は運転免許証を取り上げられ、違反切符を渡される。そして定められた日に裁判所に出頭し、裁判を受けて罰金を納め、運転免許証を返してもらう。普通はそれで半日から一日拘束され、へたをするとその日は仕事にならない。毎日、日銭で食っている庶民が多いインドネシアでそれは過酷なシステムである、と考えたかどうかは別にして、裁判所をチャワンへ持っていこうというアイデアが出され、ゼブラ作戦実施期間中は毎週火曜日と水曜日に裁判所がチャワンに出張してくるようになった。これぞ道端法廷。
チャワン警察分署の隣にテントを張り、机と椅子を並べる。簡易裁判は判事がひとりで判決を下すため正装した判事が中央に座り、検察官もひとり正装して座り、ふたりの前に被告のための椅子が置かれ、その後ろには傍聴人用の椅子がふたつ。ガルーダの国章も国旗も置かれていない狭苦しい法廷に、道路上で警官に摘発された交通違反者が即その足でやってくる。たいして待たされることもなく順番が来て被告席に座ると、違反状況の説明があり判事が罰金いくらと判決を言い渡し、槌の音が鳴って一件落着。その場で罰金を納め、運転免許証を返してもらって「ハイさようなら」となる。これは国民に便宜を図る行政のサービスである、と判事は語っている。東ジャカルタ国家法廷だと、交通違反裁判は一日1千5百件にのぼるそうだ。罰金を納めたひとりは、交通違反の裁判をその場でやってもらえるのは大変便利でありがたい、と言う。ただ警官に金を渡して見逃してもらうよりも罰金の方が高いのが残念だ、というのがかれのコメント。


「コタ駅地下道工事は継続進行」(2006年12月8日)
「コタ駅地下道工事現場から遺物が出土」(2006年12月4日)で報道されているように都内コタ鉄道駅と向かいのマンディリ銀行博物館を結んで建設工事が進められている歩行者用アンダーパス現場からさまざまな遺物が出土しているが、この工事は周辺の歴史的建築物に危険や障害を及ぼすものでないため工事は続行される、と都庁運輸通信局が表明した。2005年から開始されたこの工事は既に50%まで進行しており、完成予定は2007年末となっている。工事現場から作業者が大きなチークブロックや基礎レンガ、積み上げられた120x50センチの石材などさまざまなものを掘り出したために一部考古学者や学術関係者の間から、工事を継続すると1650年に建造されたバタビア城外壁の基盤構造物が壊されるのではないかとの危惧が投げかけられており、それどころかその工事が都内コタ鉄道駅やマンディリ銀行博物館の地盤に影響を与えて建造物の基礎が割れたり地盤が陥没する恐れがある、との警告まで出されていた。しかし都庁博物館文化局が契約している専門家チームは、その工事が歴史的建造物に障害をもたらす恐れはないと表明した。1929年4月30日に完成したマンディリ銀行建物は1千2百本の柱で基礎が支えられており、建物の規模に応じて構造も優れたものになっているし、コタ駅の基礎もたいへん頑丈であるとのこと。実際にアンダーパス工事現場では地盤固めの振動で土地の陥没や基盤の割れが起こっているが、それは新しい建築物で起こっているものであり、歴史的建造物は影響を受けていない由。このアンダーパス工事開始時には歴史的建造物に対する影響の検討はなされておらず、工事開始の数ヶ月前にテストピット掘削が行われたときにも遺物は何ら発見されなかったとのこと。
この歩行者用アンダーパスは全長1百メートル、内部幅8.1メートル、外部幅10.1メートル、高さ4メートルのトンネルで、その中ほどにはアトリウムが作られ、その公園部分は上がドームで覆われるデザインになっている。


「決まりは破られるためにある」(2006年12月11日)
首都警察が実施している交通警戒作戦「首都ゼブラ作戦」は2週目に入った。一週間が過ぎた11月30日時点での交通違反摘発件数は15,755件で、そのうち4,977件は一般市民ドライバーが犯したもの。大学生・高校生はそのうち805件。自家用車運転手の違反は1,957件、公共輸送機関運転手の違反は3,156件で、文民公務員の違反件数が一番少ない。首都警察副交通局長はそれについて、「交通法規を知らないで犯した違反よりは知っていて犯した違反が圧倒的に多く、また知識層の違反が一番多い。知識層は違反する理由を探して違反しようとする傾向があり、法規を作るのは市民に遵守してもらうためだというのに市民はあえてそれを破ろうとする現象が見られる。これは間違ったビヘイビヤだ。」とコメントしている。違反内容で最大は交通標識違反が2,478件、ヘルメット不着用2,120件、停留所外での乗降1,675件、運転書類不携帯1,425件、道路標示違反1,243件、自動車備品不備938件、左側以外の通行831件、安全ベルト不着用585件、停止線オーバー581件、交通信号違反473件、スリーインワン違反159件となっている。
ところで二輪車のヘッドライト点灯走行と左側走行について首都警察は、2006年12月17日に「首都ゼブラ作戦」が完了した時点で成果をチェックし、その効果如何でそれ以後の方針を決定する計画であると表明した。それらの新方針によって交通事故発生が減少していれば効果があったとの判断が下される。しかし同様の規制は東ジャワ州警察が既に実施して顕著な効果をあげているため、首都警察のやっていることは遅い、との声もあがっている。
点灯走行は自車の発電・蓄電機能だけの問題であるため、走行中の周辺状況とは無関係に実施できるので比較的容易に行われているが、左側通行はこれまでも運転者が走りやすい場所を走ろうとする傾向が強いために中央車線右側車線が使われていた。道路上で二輪車を取り巻く周辺状況はこれまでと同じであるため、左側通行の成否は二輪車ドライバーが自己抑制できるかどうかにかかっている。その習慣が確立されるためには、警察の路上取締りが長期にわたって綿密に行われる必要があるのではないだろうか。


「クバヨランラマ地区で工事のため道路閉鎖」(2006年12月12日)
ポンドッキンダ(Pondok Indah)とシンプルッ(Simprug)を結ぶルートのクバヨランラマ(Kebayoran Lama)エリアで道路立体交差化工事が行われるため、都民は迂回路を通るようにと都庁が告知している。この工事は三ヶ所あり、まずスルタンイスカンダルムダ(Sultan Iskanrdar Muda)通りとマッムル(Makmur)通りの交差点にアンダーパスを作るもの。次に同じイスカンダルムダ通りとチルドゥッラヤ(Ciledug Raya)通りの高架橋立体交差の下にアンダーパスを設けるもの。もうひとつはもっと北のテウクニャッカリフ(Teuku Nyak Arif)通りとクラマッ(Kramat)1通り+ジャンブラン(Jamblang)通りの交差点にアンダーパスを作るもの。その工事期間中は、北のガトッスブロト(Gatot Subroto)通り方面からポンドッキンダに南下する車は、スナヤン(Senayan)のグロラ(Gelora)通り方面あるいはパタルスナヤン(Patal Senayan)通りからアジアアフリカ(Asia Afrika)通りもしくはシナブン(Sinabung)通りを経てパクブウォノ(Pakubuwono)通りに入り、さらにシシガマガラジャ(Sisingamangaraja)通りを南下するようにとのこと。
一方ポンドッキンダからプルマタヒジャウ(Permata Hijau)やクバヨランラマ方面に向かう車は、グドゥンヒジャウ(Gedung Hijau)通りからチプタッラヤ(Ciputat Raya)通りに向かい、あるいはマルガグナ(Marga Guna)(メトロポンドッキンダMetro Pondok Indah)通りからラディオダラム(Radio Dalam)通り、もしくはチュンドラワシ(Cendrawasih)通りからチプタッラヤ通りといったルートに迂回することになる。都庁運通局長は、常に交通渋滞の激しいエリアの交通円滑化工事であるので都民のご理解ご協力をお願いしたいと説明している。その迂回通行は12月8日から実施されている。


「自動車税算定システムに変更」(2006年12月13日)
自動車税は一般に、自動車が古くなればなるほど税金が高くなる、と思われている。しかし2006年4月からは異なる原理が用いられるようになった。ただ国民はそのことをあまり知らされていない。2006年内相令第2号で自動車税と自動車名義変更税のシステムが変更され、都庁はその実施のために2006年都知事令第30号を制定している。
自動車税は地方自治体地元収入になっており、中央政府の徴収するものではない。自動車税の税額は、課税のための自動車販売価額(NJKB)に1〜1.3というウエイトを掛け、それに1.5%の税率を掛けて算出される。NJKBは市場販売価格が使われ、これは機種と製造年のマトリクスで細かなリストが作られている。上記内相令にはそのリストが付表として添付されており、実際には全国一律価格になっていないにもかかわらず全国どの地方でも同じものが使われる。NJKBが市場販売価格であるなら、中古車でも人気の高い機種はおのずから価格が高くなるために税額も高くなる。ウエートはセダンが1でトラックは1.3というようになっている。従来は各地方自治体が課税対象金額としてのNJKBを定めていたが、今年から全国一律になったことによって昨年までの納税金額の変遷と今年の金額の間で不連続が発生しており、多くの納税者は金額の大幅ジャンプに目を白黒させている。またこれまで都庁は赤ナンバープレートの公用車に対して割引を与えていたが、割引率は個々のケースでばらばらだったために最高63%というディスカウントが行われてきた。今回の内相令では、公用車に対する割引は一律40%と定められたために、この部分でも納税金額が突然跳ね上がるケースが発生している。
自動車税の突然のアップに困惑している都民は多く、2000年製プジョー806のオーナーは、昨年230万ルピアの税金を納めたのに今年は370万ルピアになったと述べている。一方1981年製ホンダアコードのオーナーは、昨年のNJKB2千1百万ルピアが今年は1千8百万ルピアに下がったために納税額も下がり、よろこんでいる。新しい税額を知りたい人は所轄の交通局統合サービス事務所に来て自動車の番号を言えば、コンピュータモニターにNJKBと税額が表示されると首都警察交通局は表明している。人気の高い機種はミニバス、ファミリーカー、高級車なので、そうでない機種の場合は税金は高額にはならないだろう、と東ジャカルタ市警察統合自動車税管理ユニット長は述べている。なお内務省の作成するNJKBリストは今後毎年発行されることになっている。


「当事者でないのに矛先がこっちに?」(2006年12月13日)
2006年9月28日付けコンパス紙への投書"Pengalaman dengan Taksi Express"から
拝啓、編集部殿。2006年9月16日、わたしはエクスプレスタクシーを15時に家へ来るよう呼びました。ところが14時45分ごろタクシー会社のオペレータから電話があり、送れるタクシーが一台もないと知らせてきましたのでわたしはそのオーダーを取り消しました。そしてわが家から近い場所にタクシープールがある別のタクシー会社にタクシーを一台頼みました。わたしがエクスプレスタクシーを呼んだのは、そのタクシーが「旧料金」と表示してあるからです。
ところが15時15分ごろエクスプレスタクシーが家へやってきたではありませんか。わたしが運転手に事情を話しても、その運転手はオペレータから取り消し連絡は受けていないと言い張るのです。わたしは後から注文したタクシー会社に取り消せるかどうか尋ねましたが、そちらのタクシーは家へ向かっているところだということでした。わたしがエクスプレスタクシーの運転手に、もう30分も前に取り消したと言っても運転手は聞く耳を持たず、しまいに怒り出すしまつです。
わが家は新興住宅街の中にあり、わたしは移ってきてまだ日が浅いので、タクシー運転手と喧嘩して近所から変な目で見られるようになるのも気がひけましたので、自分が悪くないにもかかわらずわたしの方から運転手に詫びを入れましたが、運転手はドアを開いたまま突然車を動かしてわたしは危うくぶつけられそうになりました。もしそのタクシー会社の電話オペレータから運転手への連絡がなかったのなら、運転手はどうしてわたしに怒りをぶつけてくるのでしょう?ましてや運転手は取り消しの事実を自分の会社のオペレータに確認することさえできるはずなのに、それをどうしてしないのでしょうか?
タクシー会社経営者は通信設備の向上と運転手の礼儀作法のしつけを十分に行ってほしいと思います。料金は安くとも品質は安物ではないのだということを示してください。[ タングラン在住、フィトリヤンティ ]


「首都圏で自動点灯オートバイを販売せよ」(2006年12月14日)
首都警察が二輪車販売業界に対し、走行時にヘッドライトが自動点灯するオートバイの販売を要請した。各ブランドの販売代理権を持つ販売会社は、可能であるが生産者との打ち合わせが必要と返事した由。この自動点灯ヘッドライトはDaylight Running Lamps あるいはDaytime Running Lights と呼ばれているもので、1977年にスエーデンで実用化され、1987年にイギリス、1990年にカナダでも使用が始まっている。もともとは日中でも霧が降りることのよくある北の国で始まったアイデアが、自分の存在を視認させて事故を防止するために南国でも使われるようになるのは面白い。インドネシアの交通習慣の中で周囲の他車に自分の存在を示すビヘイビアは重要なポジションに置かれているため、この白昼の点灯走行はどうして今までなされなかったのかと思われるほど当を得た方針であると思われる。イ_アの交通習慣についての詳細は「ジャカルタドライバー考」をご参照ください。
首都警察は自動点灯オートバイが首都圏で販売されるよう要請したが、二輪車販売業界はマスプロ効果を考慮して全国一律に販売されるようにしてはどうかと逆提案している。


「都内バスウエイ第4〜7ルート工事は今年12月20日に完了予定」(2006年12月15日)
都内バスウエイ第4、5、6、7ルート建設が一斉に行われ、またあちこちでフライオーバーやアンダーパスが建設され、そしてまた路幅拡張や歩道建設などと、都内ではここ半年ほど道路工事だらけになっている。このためにただでさえ道路面積と車輌台数のアンバランスで交通渋滞が激しさを増している中、道路面積が工事のために減らされているのでそのアンバランスは一層ひどくなっている。都庁運通局長によれば、バスウエイ第4、5、6、7ルート建設工事は既に8〜9割方終わっているので、2006年12月20日にはすべての工事を完了させる予定であるとのこと。また建設工事のために資材を路上に置いてあったのが工事完了で取り除かれるため、12月20日を過ぎれば交通の流れは改善されるだろうと同局長は述べている。


「都内バスウエイ第4〜7ルートは来年1月15日に試運転」(2006年12月18日)
バスウエイ用シャーシ24台が韓国から北ジャカルタ市タンジュンプリウッ港に到着し、輸入通関手続が完了したためカロセリ業者に渡されて車体組立てが行われる予定。10台はマヤサリバクティ社、11台はステディセーフ社、3台がパハラクンチャナ社で組立てられるとのこと。この24台は2007年1月15日に完成納入が行われ、都内バスウエイ第2、3、4、5、6、7ルートを走ることになる。第2、3ルートのバス必要台数203台のうち稼動しているのは68台で、第4、5、6、7ルートでも203台が必要とされている。今回通関が完了した24台の次のロットは47台が既に韓国から積み出されており、タンジュンプリウッ港到着は2006年12月20日の予定。その次のロットは28台で、続々とインドネシアに輸入されることになっている。今工事たけなわで随所で交通渋滞の元凶になっているバスウエイ第4〜7ルートは2007年1月15日に試験運転が行われて1月20日から本稼動という日程が組まれており、バスの用意が遅れ気味になっているのが気にかかるところ。


「都内スリーインワンは来年6月までか?」(2006年12月19日)
都内幹線道路の自動車通行規制方式を現行のスリーインワンからERP(Electronic Road Pricing)に変更するべく都庁は検討を開始しているが、特定時間に特定区間を走行する自動車から料金を取るこのERP方式で都庁が見習おうとしているのはスエーデンのストックホルムで実施されているジオポジショニングシステム。シンガポールで使われている電子カード方式はシンガポール自身がジオポジショニングへの移行を検討しているため、ジャカルタでいまさらそれを、という意見が強い。ファウジ・ボウォ副知事はこのERP事業について、投資金額が大きいことから民間にオペレーションを委ねる考えであることを明らかにした。ただし実施システムがまだ最終結論に至っていないために民間にオファーする条件もまだ不明。ERPシステムは2007年6月にスリーインワン方式から変更される予定であり、またトライアル実施地区はブロッケム(Blok M)〜コタ(Kota)、ガトッスブロト(Gatot Subroto)通り、バスウエイルートのうち数ヶ所などが予定されている。
陸運協会首都支部長は、都庁の計画しているERP方式への変更を歓迎するがただし公共交通機関からはチャージしないように、と言う。タクシーにチャージすればタクシーはそれを乗客にチャージするだろうからそのようなことはやめて、自家用車から徴収することで通行規制の効果をあげるべきであるとのこと。


「ガルーダ航空のグループ割引」(2006年12月19日)
ガルーダ航空が小グループ割引料金を発表した。このプロモーションは2006年12月から2007年2月28日までの期間限定で、小グループとは最少5人が同一フライトに乗るのが条件。ジャカルタ発国際線の目的地別ひとり当たり料金は下のようになっている。
Kuala Lumpur USD125から
Bangkok USD155から
Saigon USD240から
Hongkong USD240から
Guangzhou USD190から
Shanghai USD390から
Beijing USD400から
Tokyo/Osaka USD480から
Perth/Darwin USD290から
Brisbane/Melbourne/Sydney USD390から
2〜11歳の子供に適用される子供料金は大人料金の75%。上の料金には税金と燃料サーチャージが含まれていない。
お問い合わせは24時間コールセンター電話0807 1 807807 または(021)2351-9999。詳しい情報はwww.garuda-indonesia.comで。


「ジャカルタのスクールバス」(2006年12月20日)
2007年2月からスクールバスの都内運行が復活する。ジャカルタのスクールバス(インドネシア語はBus Sekolah)は学校がその生徒の送迎のために運行させるものでなく、公共交通機関に近い。黄色いボディにBus Sekolah と書かれた中型バスは一定時間帯に一定区間を結んで運行され、中学と高校の生徒は無料でこのサービスを利用できる。これは都庁運通局が都民に提供する住民サービスのひとつ。
都内5つの住宅地区と5つの文教地区の間を結ぶバスの運行時間帯は朝が5時から6時半まで、昼が11時から13時まで、夕方は16時から19時までとなっており、住宅地区はクマヨラン、プロガドン、タマンミニ、パサルミング、カリドラス、文教地区はラパガンバンテン、タンジュンプリウッ、カンプンムラユ、クバヨランCSW、ハルモニとなっている。このバスは中学生高校生以外の者が乗るのは原則禁止であるために乗車してくる者の監視が必要で同時にまた高校生間のタウラン(集団喧嘩)を防止する必要性もあることから、各バスには監視員一名が同乗することになっている。都庁運通局はスクールバスを34台稼動させる計画であり、車体組立てが2007年1月末の予定で進められている。


「マレーシア航空もスペシャルオファー」(2006年12月20日)
マレーシア航空がジャカルタ発国際線のスペシャルオファーを行っている。ジャカルタ〜クアラルンプル一日5便運行が2006年12月1日から開始されたのを記念して出されたこのスペシャルオファーは販売期限が2007年1月31日までで使用期限は2007年3月31日まで。ただし2006年12月20日から31日までの期間は使用できない。この料金はエコノミークラスに限定され、また税金とサーチャージは含まれていない。目的地別往復料金は次の通り。
Kuala Lumpur USD88
Bangkok, Saigon, Cebu USD208
HongKong Kunming USD288
Beijing, Shanghai, Taipei, Kaohsiung, Seoul, Tokyo, Nagoya, Osaka, Karachi, Delhi, Mumbai, Hyderabad, Male, Chennai, Bangalore, Dhaka, Colombo USD388
London, Paris, Zurich, Rome, Stockholm USD588
お問い合わせと予約は最寄の旅行代理店あるいはwww.malaysiaairlines.com にとのこと。


「都内駐車料金がアップ」(2006年12月22日)
都庁は都心部の交通渋滞緩和を名目に2007年1月から一部エリアでの駐車料金引き上げを計画している。そのトライアルとして12月11日から、クラパガディンのBoulevard Barat、ブロッケム(Blok M)、マイェスティッ(Mayestik)など15ヶ所で新料金の徴収が開始された。都駐車管理庁は都下の163ヶ所を駐車抑制地区に指定している。駐車抑制地区は出入り口としてゲートがあり駐車料金徴収がコンピュータ化されているのが6ヶ所、路上の道路脇でゲートのないノンゲートというのが157ヶ所で、ゲート式は駐車基本料金が3千ルピア、ノンゲートは1千5百ルピアとなる。既にトライアルが始められた場所ではそれらの新駐車料金が徴収されている。ちなみに残る12ヶ所のトライアル地区はJl Barito, Jl Birah III, Jl Faletehan I, Jl Mahakam Raya, Jl Melawai Raya, Jl Panglima Polim, Jl Raden Patah I, Jl Sultan Hasanuddin, Jl Tabah Raya, Jl Wolter Monginsidi, Jl Cipete Raya, Jl Pondok Rabu となっている。


「点灯走行義務付けで二輪車事故が減少」(2006年12月26日)
首都警察がトライアルを12月4日から開始した二輪車の左側車線通行と走行時のヘッドライト点灯は交通事故防止にきわめて効果的であると首都警察交通局が評価している。12月14日までの10日間で発生した事故件数はそれ以前から30.8%も減少したことを警察はその根拠にあげている。首都警察が二輪車左側通行励行プロジェクトを実施しているのはガトッスブロト通り(Jl Gatot Subroro)(首都警察交通局担当)、Sパルマン通り(Jl S Parman)(西ジャカルタ市警担当)、ストヨ中将通り(Jl LetJen Sutoyo)・プラムカ通り(Jl Pramuka)・DIパンジャイタン通り(Jl DI Panjaitan)(東ジャカルタ市警担当)、プリンティスクムルデカアン通り(Jl Perintis Kemerdekaan)とヨッスダルソ通り(Jl Yos Sudarso)(北ジャカルタ市警担当)、ブカシのアフマディヤニ通り(Jl Ahmad Yani)(ブカシ市警担当)で、トライアル開始前は13件の事故が発生したが開始後は9件に低下したとのこと。
トライアル開始後の一週間に都下で発生した二輪車がらみの事故は前の週に比べて57%も低下している。首都警察管下で10月4日から10日までに発生した事故件数は11月27日から12月4日までの68件に対して57%の減少を記録した。その68件の事故は86人の事故被害者を生んでおり、死亡20人重傷33人軽傷33人という内訳になっている。しかし12月4日からの一週間で生じた事故被害者は49人で、死亡8人重傷23人軽傷18人という内訳とのこと。
今回公表されたのは初期データであり、首都警察は更に状況を注視してどれだけ効果があがるのかを見極めるとともにそれをこの規則の本格実施決定の根拠としたい意向。


「スカルノハッタ空港電車は2009年に開通」(2007年1月4日)
2009年にはスカルノハッタ空港と都内マンガライ鉄道駅の間を結んで空港電車が走るようになる。そのための施設建設と列車運行事業を目的にして国有空港管理会社PTアンカサプラ?と国有鉄道会社PT KAは合弁でPT Railinkを設立した。Airport Railinkと名付けられたこの鉄道事業は7千億ルピアをかけて27.8キロ区間の鉄道施設建設を行うところからスタートする。将来首都圏近郊電車網のセンターに位置付けられることになったマンガライ駅からスカルノハッタ空港までは、ドゥクアタス〜タナアバン〜グロゴル〜プシン〜ラワブアヤ〜カリドラスという既存の鉄道ルートに沿って走り、カリドラスからスカルノハッタ空港は新しいルートが造られる。ダアンモゴッ地区では高架橋を建設して運行の効率を高める計画も立てられている。エアポートレイリンクはマンガライを出るとスディルマン通りに接続する駅に停車し、そのあとはタナアバンからカリドラスまでの間に設けられた駅一ヶ所に停まり、それから一気に空港ターミナルまで走る予定。スカルノハッタ空港内ではターミナル1・2・3にそれぞれ駅が設けられる。いま立てられている運行計画によれば、列車はマンガライ駅から毎時間1本発車し、15〜30分で空港ターミナルに到着する。6両編成の列車は飛行機搭乗客用と空港あるいは沿線で働く人用の二種類に分けて運行されるとのこと。
スカルノハッタ空港利用者はいま年間4千5百万人で、空港アクセス手段はそのうちの31%が自家用車、19%がタクシー、残りがバスという内訳になっている。PT Railinkはマンガライ〜空港間の列車料金をタクシー料金の50%にする予定であり、4千5百万人の10%を鉄道利用者にするという目標を掲げている。


「有料自動車道料金所で罰金」(2007年1月4日)
2006年10月3日付けコンパス紙への投書"Denda Tol Jasa Marga"から
拝啓、編集部殿。2006年8月19日、わたしの一家はブカシからトゥガルへ自家用車で向かいました。ブカシのプカヨン方面からチカンペッ自動車専用道路に入るため、ブカシバラッ第二料金所にやってきました。ところがカードをもらったあとでブカシバラッ第二料金所はジャカルタ方面行き専用であることに気がついたのです。逆戻りできないのでわたしはそのまま前進し、合流路が混んでいなかったのでブカシバラッ第一料金所のほうにバックし、そして最終的にチカンペッ方面に乗り入れることができました。それがあとで大きな問題を引き起こすことになろうとは、そのときわたしは夢にも思いませんでした。チカンペッ料金所を出るまえ、わたしは規定の8千5百ルピアを用意しました。ところが料金所の職員は5万7千ルピアを支払えと言うのです。およそ50キロの距離でそんな料金なんて、世界最高金額ではありませんか?ジャカルタインターからパダラランまでの料金の2倍がその金額だとその職員は言うのです。自動車道から出るときにカードを提示できない場合、その道路の最長区間の2倍を支払わなければならないという規則になっているそうですが、わたしの場合であれば、ブカシバラッ2からジャカルタインターチェンジまでの2千5百ルピアとジャカルタインターからチカンペッまでの料金マイナスブカシバラッからチカンペッまでの料金の差額1千5百ルピアの合計4千ルピアが妥当な罰金ではないかと思います。もし5万7千ルピアも取られることがわかっていたら、わたしはブカシバラッ第二料金所でもらったカードを渡さなかったでしょう。いつの日かパダララン自動車道からジャカルタまで走ったとき、わたしはジャカルタの出口でそのカードを使い、28,500ルピアでなく2,500ルピアを払って安くあげたにちがいありません。道路管理会社ジャサマルガ殿、この罰則規定はおかしくないですか?[ ブカシ在住、アフマッ・フィルダウス ]


「二輪車左側通行本格実施」(2007年1月4日)
2007年1月から都内道路上での二輪車走行は左側車線を使うことが正式に義務付けられた。12月4日から開始された左側通行とヘッドライト点灯走行トライアルは12月26日で終了し、事故発生数に減少が見られたことからいよいよ正式に実施されるはこびとなった。この義務付けが正式なものとして定められたためにそれを破れば違反行為として逮捕され制裁措置が取られることになる。ただし首都警察交通局は、二輪車の左側通行義務は1993年第43号政令第51条1項がその法的根拠であるが、昼夜を問わない点灯走行は同政令第73条74条の演繹解釈であり文字通りの記述がなされていないために法的根拠が弱いとの理解のもとに、点灯走行義務に対する違反は制裁措置を取らないことにしている、と述べている。
ところで都内の道路利用に際して秩序統制がなかなか向上しないことを憂えているスティヨソ都知事は、無法駐停車車両を徹底的に取り締まり、本人に規律を植え付けるために制裁措置を取れと所轄部門に指令した。これまでは公共交通機関が集客を目的に路上で好き勝手に長時間駐停車して交通の流れにボトルネックを作ってきたが、いまでは自家用車も駐停車禁止場所で長時間止まってボトルネックを作り出している。都知事は警察に対し、これまで駐停車の違反検挙はあまり行われていなかったが今後はもっと頻繁に違反切符を切るよう求めている。また道路をふさいだまま駐車し運転者がどこかへ行ってしまったばあいは、その車の持ち主が高官職者であれ誰であれ、レッカー車で運び去るか、タイヤにロックをはめるか、もしくはタイヤの空気を抜いてしまえ、と都知事は檄を飛ばしている。ハッタ・ラジャサ運通相は都知事のその発言に関連して、交通ルールを守るのはみんなの共同責任だ、と語る。「政府や警察が道路のすべてを見張ることはできない。市民の交通規律は低下する一方で、交通標識はほとんど無視されている。駐停車標識もそうだ。道路と駐車のスペースには限りがあり、うまく使っていかなければならない。駐車料金引き上げと違反者への制裁は路上の自動車を減らす効果を持っているだろう。」大臣はそう述べている。


「国鉄が中距離列車の運行を削減」(2007年1月8日)
国有鉄道会社PT KAがジャカルタ〜ムラッ(Merak)線とジャカルタ〜バンドン(Bandung)線の合理化を計画している。PT KA第一操車区広報課長は、今年12月11日以来運行を停止しているジャカルタ〜ムラッ間ビジネス列車ムラッジャヤを廃止し、代わってエコノミー列車を運行させることを明らかにした。ジャカルタから西に向かう列車はエグゼキュティブもビジネスも1997年に運行を開始して以来黒字を記録したことがない。ムラッジャヤ号は当初エグゼキュティブクラス2両ビジネスクラス5両で運行を始めたが乗車率は平均して65%しかなく、エグゼキュティブ車両は乗客が入らないため全車両をビジネスクラスに変えた。それでも乗客が少ないためにビジネス2両エコノミー3両という編成に変更されたが今回ビジネスクラスは全廃して全車両をエコノミーにすることにした、と広報課長は説明している。ムラッジャヤ号はジャカルタ〜ムラッ間を3時間半かけて運行しており、2時間しかかからないバスと苦しい競争をしている。ビジネスクラス料金はひとり1万4千ルピアでその区間を走る交通機関の中では最低の料金だが、結局バスやオートバイに負けてしまっているのが実情とのこと。
ジャカルタ〜バンドン間も列車4本の運行を廃止する予定。こちらもチプララン自動車専用道路開通のあおりを受けて急行アルゴウィリス号やパラヒヤガン号の乗客が減っており、運行本数削減はそれへの対応措置。ジャカルタ〜バンドン間の乗車率は30%にまで落ちており、特にパラヒヤガン号の低下が一番激しいとの由。


「都庁がバスウエイ料金値上げを検討」(2007年1月11日)
2006年首都バスウエイ収入予算の2,150億ルピアが実際には1,280億ルピアの着地見込みにしかならないという実態から、都庁と都議会はバスウエイ乗車料金の値上げを検討している。大幅な予算ショートの原因の中に、バスウエイがどこまで乗っても一律料金であるということがらが含まれている。つまりバスウエイ第2第3ルートの運行が始まってから乗換え乗客は最初のひとり3千5百ルピアを払っただけで乗換えルートを無料で運搬されているという実態に今回焦点が当てられているわけで、2006年でその人数は20〜30%に達しており、2007年に運行ルートが第4〜第7まで増やされるとその現象は効果が増幅され、各ルートでの運搬乗客数は増加するものの収入は比例して増加しないのではないかと危惧されている。
トランスジャカルタバスの運行費用から乗車料金収入を差し引いたものを都庁は補助金として支給しており、都議会は2006年の実績に鑑みてひとりあたりのバスウエイ乗車料金を3千5百ルピアから5千ルピアに値上げして補助金削減を行うよう都庁に勧告していた。しかし2007年には運行ルートの増加と収入効率の大幅低下が懸念されるためにスティヨソ都知事は乗車料金値上げをより具体的に検討するよう担当部門に指示を出した。新料金案はまだ出されていないが、庶民が利用するものとして大幅な値上げは避けたいと都知事はコメントしている。


「言われるがままに金を払うとぼったくられる」(2007年1月12日)
2006年12月28日付けコンパス紙への投書"Hati-hati terhadap Secure Parking"から
拝啓、編集部殿。頻繁にオートバイでモールやショッピングセンターを訪れるわたしはセキュアパーキング職員の不正直な行為をよく体験しています。そのときわたしはITCチュンパカマスのオートバイ駐車場から出ようとしていました。わたしが駐車券を職員に渡すと、職員はすぐに「4千ルピア」と駐車料金を言いました。わたしが4千ルピアを渡してレジのプリントを要求すると、その職員はいきなり5百ルピアを返してきました。プリントをよく見ると3千5百ルピアと記載されており、職員の言った4千ルピアではありません。駐車場出口でお金を受け取るセキュアパーキング職員は、支払い者が要求しない限りまずレジのプリントを自分から出してきません。
類似のことはブカシのメトロポリタンモールでも起こっています。駐車場入口で駐車券をもらう際には入場時間がはっきりと記載されていますが、出口のほうはプリンターのインクが薄くて何が書かれてあるのかまるで読むことができません。わたしの友人たちも同じような体験をしており、これはセキュアパーキング職員のプロの手口ではないのかと思えるのです。駐車場利用者からひとりずつ5百あるいは1千ルピアを私的収入として手に入れれば、一日でどのくらいの金額になることでしょうか?セキュアパーキングの金儲け方法というのはこんなやり方なのですか?
2006年3月12日にITCチュンパカマスでこんなことがありました。駐車場から出た時間がなんと入場時間と同じものにされていたのです。その件をわたしはカスタマーサービスに届け出ました。セキュアパーキング経営者は現場で行われていることをチェックし、そんな不正行為を取り締まったらどうですか?世人を欺いて自分の懐を肥やそうとする不正行為は防止されなければなりません。[ 東ジャカルタ市在住、へニー ]


「二輪車取締りが始まる」(2007年1月12日)
首都圏の一般道路で二輪車交通規制に対する取締りが1月8日から開始された。交通規制の内容は道路の左側通行と走行時のヘッドライト点灯。実行の容易な点灯走行はあまり問題にされず、これまで縦横無尽の走行を行ってきた二輪車に道路の左側だけを走らせて違反者をどしどし取り締まろうというのがこの二輪車交通取締りの本旨。首都警察交通局は二輪車の左側車線走行重点推進地区として12の通りを指定した。首都警察交通局が担当するのはガトッスブロト(Gatot Subroto)通り、東ジャカルタ市警管区ではDIパンジャイタン(Panjaitan)通り、MTハルヨノ(Haryono)通り、ストヨ(Sutoyo)少将通り、プリンティスクムルデカアン(Perintis Kemerdekaan)通り、南ジャカルタ市警管区はワルンブンチッ(Warung Buncit)通り、西ジャカルタ市警管区はSパルマン(Parman)通り、ハヤムウルッ(Hayam Wuruk)通り、ガジャマダ(Gajah Mada)通り、タングラン市ではスディルマン(Sudirman)通り、ブカシ市はアフマディヤニ(Ahmad Yani)通り、デポッ市マルゴンダ(Margonda)通りが指定されている。首都警察は国家法廷の協力を仰ぎ、それらの指定地区に道端法廷を用意して違反者の便宜を図ることにしている。道端法廷関連記事は「道端法廷」(2006年12月7日)をご参照ください。
違反者は最低3万ルピア最高10万ルピアの間で判事が定める金額を納めなければならないが、実際はほとんどが2万から4万ルピアの間だそうだ。


「フリーシート1百万席をエアエイシアがプレゼント」(2007年1月12日)
インドネシアエアエイシア(Indonesia Air Asia)がフリーシート1百万席をオファーしている。マレーシア、インドネシア、タイのエアエイシアグループが行っているこのフリープロモは予約期間が2007年1月9日から19日までで、フライトは2007年4月1日から10月27日までのものに適用される。インドネシアエアエイシアが国内で運行しているQZ便、本家マレーシアのエアエイシアが運行しているAK便、タイエアエイシアのFD便など同グループが運行している全70航空路で無料の座席が用意されているが、複数便を飛ばしている航路ではこのオファーが適用されない便もあるので要注意。また無料といっても税金とその他のチャージは支払わなければならないので、無一文でも乗れるということにはならない。詳細情報とブッキングはwww: airasia.com でどうぞ。


「バスウエイ新ルート運行開始は1月27日から」(2007年1月15日)
都内バスウエイ第4〜7ルートの運行は遅れ遅れて1月27日から開始されることになった。ところが4本のルートで一斉に幕開けとなるバスウエイ運行に走らせることのできるバスは50台ほどしかない。最終目標はその4ルートで単体バス203台と連結バス30台となっているが、当面は単体バス114台連結バス17台に目標を引き下げて車輌の準備を進めると都庁運通局は表明している。
ところでバスウエイ新ルートの運行が始まると渋滞発生が懸念される場所がいくつかある。第4ルートはスルタンアグン(Sultan Agung)通り、第5ルートはスネン(Senen)高架陸橋とウリッスモハルジョ(Urip Sumoharjo)通り、第6ルートはマンパンプラパタン(Mampang Prapatan)通り、第7ルートはクラマッジャティ(Kramat Jati)市場周辺とUKI周辺。都庁運通局は運行開始初日からそれらの場所に職員を配置して交通整理にあたらせることにしている。
またバスウエイ専用車線設置のために道路幅が減少して交通渋滞が激しくなることが予想されている通りを都庁は拡張する計画。その候補に上がっているのはストヨ(Sutoyo)少将通り、スルタンアグン通り(パサルンプッPasar Rumput)、ボゴールラヤ(Bogor Raya)通り(パサルクラマッジャティ)、ブカシ街道(プロガドンPulogadungバスターミナル前)、ウリッスモハルジョ通り、マンパンプラパタン通り。それらの場所での道路拡張工事は歩道をもっと奥に移して今の歩道を削り取る方式が見込まれている。


「都内スディルマン〜タムリン通りで二輪車通行禁止」(2007年1月17日)
都庁はスディルマン〜タムリン通りから二輪車をシャットアウトすることを決めた。都庁運通局副局長は11日、その方針の実現に向けて警察・陸運総局・ジャカルタ交通評議会が更に検討を加えているところだ、と語った。都内の二輪車交通規制については今年1月から左側通行義務付けが始まっており、次のステップは都内スディルマン〜タムリン通りでの二輪車通行禁止で実施タイミングはバスウエイ第4〜7ルート運行が軌道に乗る6ヵ月後が予定されている。
首都の交通政策はマクロ交通パターンを踏まえたマス輸送機関の整備が優先されており、そのためにバスウエイ15ルート、モノレール2ルート、サブウエイ1ルート、ウオーターウエイ1ネットワークを実現させることが企画の柱になっている。次にウオーキング文化を地に着けるために歩道を整備し、更にスリーインワンやERPあるいは二輪車交通規制また四輪車駐車規制といった規制を設けるという方針を加えて首都交通政策の三本柱にしている。
国有交通保険会社ジャサラハルジャは2006年の交通事故による死亡者が3万6千人だったと公表しており、そのうち52%は二輪車に乗っていた者で、地区別ではジャカルタが最も多いとのこと。


「今年3月から電車切符が電子カード型になる」(2007年1月23日)
国有鉄道会社PT KAIは首都圏近郊電車の無賃乗車全廃を兼ねて電車の乗車券を電子カード方式に変更する方針。最初にこの変更が行われるのはスルポン〜タナアバン線で、そのトライアルが1月15日に行われて結果は良好だった。電子カード方式はシンガポールや日本で行われているようなカードを改札口のセンサーに当てると改札口が開く方式のもので、このカードは各駅で販売されることになる。カードは一回限りのもの、金額補充が可能なもの、定期券タイプなどが計画されている。小さい駅には改札口がふたつ、大きい駅は改札口が四つ設けられて乗客をスムースに流すようになる。今現在スルポン駅からタナアバン駅に向かう乗客は一日の切符販売枚数から見れば5千人だが実際は1万人が電車を使っている。国鉄は切符の電子カード方式導入にあわせて乗客が改札口を通らなければプラットフォームへ行けないよう駅構内の構造を改善し、同時に監視職員を増やして切符を買わずにプラットフォームへ向かう者を阻止する計画でいる。また切符販売もコンピュータで管理されるため、職員による売上代金着服も抑止できるだろうと期待されている。国鉄側で注意しなければならないのは電力問題で、この新方式には2千2百ワットの電力供給が必要であり、各駅での電力需要を開始前に満たしておかなければならない。スルポン〜タナアバン線の新方式開始は複線化が完了する2007年3月からが予定されており、更に都内近郊鉄道全線で段階的に実施されるが、ブカシ〜パサルスネン線だけは複々線化工事の関係でしばらく遅れることになりそう。


「続、言われるがままに金を払うとぼったくられる」(2007年1月25日)
2006年10月20日付けコンパス紙への投書"Parkir di Plaza Indonesia"から
拝啓、編集部殿。2006年9月23日、わたしはプラザインドネシアを訪れました。帰るとき、モール内に駐車料金支払いスタンドが設けられていて来店客はそこで駐車料金の清算ができるので、駐車場出口でいらいらする必要がありません。モール内で支払いを済ませてから駐車場へ行けばよいのです。わたしは顧客に便宜をはかるこのサービス高く評価しています。
そのサービスが始まって以来わたしはいつもそれを利用しており、駐車場から出るときは支払済みの証憑を示すだけで外へ出ています。ところがその日13時ごろ、わたしは買い物を終えてブレッドトーク近くのベーカーズインの表にある駐車料金支払いスタンドで清算を行いました。スタンドの担当者の名前はよくわかりませんが、レシートには名前582−ハンダヤニとプリントされています。
わたしは頻繁にこのサービスを利用して満足していたので、スタンドの職員が1万2千ルピアだと言うのを頭から信用してしまいました。ちょっと奇妙に感じたのは、いつもは駐車券とレシートをステープラーで止めるのにこの日はレシートの上に駐車券を重ねてわたしに戻してきたことです。わたしは駐車場出口まで車で来てからはじめてレシートを見ました。すると、どうでしょう。レシートには8千ルピアとプリントされているのです。支払いスタンドのセキュアパーキング職員は4千ルピアをわたしから詐取して着服したのです。
これは金額の問題ではありません。これは企業イメージへの信頼の問題です。わたしはプラザインドネシアがエクスクルーシブでハイクラスでプレステジアスなステータスイメージを築き上げるのに努めてきたと思います。それなのにセキュアパーキングの不正直な一職員が行った汚い行為でそのイメージは大きく傷つけられたのです。その職員が厚顔に行っている狡猾な行為を見れば、わたしに対するものが決してはじめてなのではないという気がします。[ ジャカルタ在住、サンティ ]
2006年10月28日付けコンパス紙に掲載されたセキュアパーキングからの回答
2006年10月20日付けコンパス紙へのサンティさんからの投書について説明いたします。2006年9月23日、担当者のシフト交替の際につり銭の払い間違いが発見されました。利用者の駐車料金払い過ぎがあり、その事実はスーパーバイザーに報告され、記録に残されました。今回の事件で故意に行われた要素は見当たりません。また担当者本人も規定に従って会社からの処置を受けました。弊社のカスタマーサービスホットライン(021)6246955あるいはSMSホットライン08176−secure(732873) は利用者からのご連絡あるいはご批判をうけたまわるために就業時間中は常にスタンバイしており、弊社は利用者へのサービス向上に努めております。[ PT Securindo Packatama Indonesia カスタマーサービスセンター、フィトリ・ダマヤンティ ]


「電車料金値上げ」(2007年2月19日)
首都圏近郊電車の料金値上げが近々実施される方針。運通相はいまの電車料金が安すぎるために利用者がありがたみを感じていないのではないかと見ており、国鉄が提案している45%値上げに対して大臣は支持の姿勢を表明している。新料金はいまだ検討中であることから金額に関する言及はまだ何もないが、値上げは必至だろうと見られている。ハッタ・ラジャサ運通相は、たとえばブカシ〜ジャカルタ間の乗車券料金はひとり1千5百ルピアであまりにも安すぎるために電車乗客が自分の乗っている電車に何の愛着も感じることがなく、そのせいで車内設備を傷つけたり、あるいは無賃乗車を誘発する要因になっていることもあるのではないか、と指摘している。
国有鉄道会社PT KAは旅客サービス内容の向上を条件にエコノミータリフ値上げを過去既に三回申請しているが、政府はまだ一度も承認したことがない。政府はサービス内容向上に関してエコノミー車輌にもエアコン装備を標準とするように求める方針でいる。また政府から支出される公共サービス義務の対価としての補助金も、料金値上げによって政府予算が削減される方向に向かうことから基本的に今回の電車料金値上げが実現する背景は整っている印象が強い。しかし政府は2006年度予算に計上されている3,750億ルピアの補助金を一部削減するが、それで捻出された予算は国鉄保有車輌や施設のメンテナンスに充当する方針にしている。国鉄側はエコノミー車輌のエアコン標準装備要請を受け入れる用意があり、また無賃乗車の撲滅推進にも鋭意注力する意向であり、首都圏近郊鉄道の最遠区間を5千ルピアとする国鉄の値上げ要請は、金額は別にしてスルポン〜タナアバン複線化工事および無賃乗車者排除のための電子切符システム導入が行われる今年3月がひとつのモメンタムであると思われる。


「JORR開通は2010年」(2007年2月20日)
首都圏を循環する外環状自動車有料道路アウターリングロードは通貨危機で工事が大幅に遅れ、工事再開後は区間によってさまざまな問題を抱えながらも進行を続けているが、政府は2010年を目途に未完了区間をすべて終了させて首都圏外郭を周遊できる状態にもっていくという目標を定めた。
プロジェクトを監督している公共事業省は、工事の滞っている区間の先行きが一応見えてきたとして再度目標を付け替え、2010年には全線を開通させると公表した。チクニルのE1区間は住民への立ち退き補償問題がこじれてここ数年間暗礁に乗り上げたかっこうになっていたが、住民との交渉もほとんど決着し、あとひとりとの立ち退き契約が結ばれればすべてが完了する状態にまでなっている。クブンジュルッ〜プンジャリガンというジャカルタ西部を北上してスカルノハッタ空港自動車道に至るW1区間も工事業者との契約が締結されて高架工事が始まっており、2008年には工事完了という日程が組まれている。しかしW1区間を担当する工事業者はW2区間の建設が完了することがW1区間の完成効果に大きい影響をもたらすとコメントしている。一方チクニルから北向きのチクニル〜チャクン区間は以前から開通しているが、その延長としてのチャクンウタラ〜KBNチャクンのE3区間工事は既に終わっており、トライアルとして今一般車輌の無料通行が行われている。この区間が更にタンジュンプリウッへと延長されれば、アウターリングロードは晴れてその名の通り環状道路として全線開通となる。


「インドネシアは交通安全最悪国」(2007年2月21日)
インドネシアはアジア太平洋地域で交通安全最悪国である、とアジア開発銀行が表明した。ア開銀の評価ポイントは人命にかかわる交通事故発生件数についてのもの。たとえばジャカルタ首都特別区での2005年の交通事故件数は4,156で死者1,118人、2006年は4,407件で死者1,128人という数字になっている。そんな状況のためにインドネシアはラオスやネパールよりも下に位置付けられており、それを改善するために都庁は首都警察と共同で交通安全対策を実施しなければならない、とア開銀は提案している。
スティヨソ都知事はそれに対し、2007年に交通安全のための13プログラムの実施を計画している。子供・学生・生徒に対する交通安全教育、インフラ改善、法執行の確立、交通パークの建設などといったものがその中に含まれている。交通パークは東ジャカルタ市チブブル地区に建設が予定されているがまだ完成していない。またマスメディア、ポスター、垂れ幕を使った交通安全意識啓発、安全運転指導プログラムやセミナー、キャンペーンなども計画されている。日中の二輪車点灯走行と左車線走行もその努力のひとつにあたる。首都警察交通局はまた、首都警察本部の中に交通マネージメントセンターを設立して監視カメラやGPSなど最新設備を用いた都内交通管制システムの拡充を行う予定にしている。


「ジャカルタMRT建設いよいよ着手」(2007年2月22日)
「最初の企画から既に21年が過ぎ、今やMRTの実現にとりかかるときが来た」とハッタ・ラジャサ運通相が語った。ジャカルタのMRT(大量高速輸送機関)は南ジャカルタ市ルバッブルスと中央ジャカルタ市ドゥクアタス間14.5キロを結ぶ鉄道路で、地下区間4キロ地上区間10.5キロという青写真になっている。MRT建設のための顧問委員会が2月13日ジャカルタで第一回会議を開催した。この顧問委員会はインドネシア側から5人、日本から4人の専門家が参加して編成されている。
MRT建設計画は9兆ルピアの工費で2014年の完成予定となっており、建設資金は日本国際協力銀行からの融資が使われることになっている。用地買収は都庁が1千億ルピアをかけてルバッブルスとファッマワティ通りの土地をMRTのために用意することになっている。


「今年8月に有料道路通行料金改定の見込み」(2007年2月23日)
全国にある自動車専用有料道路の通行料金が改定される見込み。全国自動車専用道路の大半を占める12路線の通行料金が現行のものになったのは2005年8月23日からで、道路法では料金改定が2年ごとに行われると定められているために2007年8月に料金改定が行われるのはほぼ確実と見られている。料金改定が予定されている12路線とは、タングラン(Tangerang)〜ムラッ(Merak)、パダララン(Padalarang)〜チルニ(Cileunyi)、スラバヤ(Surabaya)〜グンポル(Gempol)、スラバヤ(Surabaya)〜グルシッ(Gresik)、べラワン(Belawan)〜メダン(Medan)〜タンジュンモラワ(Tanjung Morawa)、スマラン(Semarang)A・B・Cセクター、ジャカルタ都内環状道路、パリマナン(Palimanan)〜カンチ(Kanci)、ウジュンパンダン(Ujung Pandang)第一フェーズ、ジャカルタ(Jakarta)〜タングラン(Tangerang)、ジャゴラウィ(Jagorawi)、ポンドッカレン(Pondok Aren)〜ウルジャミ(Ulujami)。
値上げ幅は過去二年間のインフレ率に合わせたもので、20%値上げが予定されている。新料金は2007年8月23日に公共事業相が決定し、2007年8月24日0時を期して実施されるという予定になっている。


「事故保険の補償金引き上げが提案される」(2007年2月23日)
交通事故強制保険を運営している国有事業体PT Asuransi Jasaraharja が事故補償金の倍増を提案している。同社経理担当取締役は、現行補償金レベルが世の中の実情にそぐわなくなっているので、100%もしくは150%の引き上げを提案する書状を大蔵大臣に提出した、と語った。2001年に大蔵大臣令第461/KMK.06/2001号で定められた現行補償金額は交通事故による死亡者に対して、陸上公共交通機関の場合ひとり5百万ルピア、海上公共交通機関でひとり1千万ルピア、航空公共交通機関ではひとり5千万ルピアとなっている。言うまでもなくその金額は乗客が納める保険料との関連性をもっている。現行補償金額がそれ以前のものから100%アップしたものであるという先例に鑑みて同取締役は今回も倍増が妥当ではないかと考えているが、一方運送オペレータが負担しなければならない保険料は倍増させなくてもよいだろうと見ている。同取締役によれば80%程度のアップでカバーできそうだとの読みだが、それは今後の検討を待たなければならない。ジャサラハルジャ社は2006年におよそ5千億ルピアの補償金を事故被害者に支給している。これは前年から3〜4%の上昇であるとのこと。


「スカルノハッタ空港の離着陸本数は一日750本」(2007年2月26日)
スカルノハッタ空港は午前7時から9時までと午後4時から7時までの最繁忙時間帯に現状の発着本数をこれ以上増やさない方針であることを公表した。その方針はしばらく前から既に実行に移されている。空港管理当局によれば、スカルノハッタ空港の航空機発着回数は既に一日750回に達しており、これは2年前の650回から10%増えている。中でも7時から9時と16時から19時の繁忙時間帯には80〜100回の発着が行われており、それは2分間隔で離着陸がなされていることを意味している。管理当局は設備能力などの諸要因からその間隔を2分未満にするには困難があると表明した。
まずチェックインカウンターの数が限界に達していること、駐機エプロンのスペースも限界であること、ナビゲーション機器の能力も2分間隔が妥当なところであること、二本ある滑走路の四端を使って同時に二機が離着陸を行う方式を採用しているがその方式で捌ける限界にあることなどがその要因である由。世界の空港の中には2分未満間隔で離着陸をさせているところもあるが、エプロンやタクシーウエイと滑走路との位置関係がスカルノハッタ空港とは異なる構造になっているからだとしてスカルノハッタは同じようにできない、と空港管理当局は述べている。


「バンドン〜ジャカルタ空港間直行バス」(2007年2月28日)
バンドン〜スカルノハッタ空港直行バスサービス開始で自家用車利用者の42%が公共交通機関にシフトしたことを運通省が明らかにした。2006年10月10日からバンドンスーパーモールとスカルノハッタ空港を結ぶ直行バスのサービスが開始され、10月のバンドンからの乗客数は6,313人、スカルノハッタからの乗客数は7,484人で利用者総数は13,797人平均一日657人というスタートだったが、11月は利用者総数30,888人、12月34,323人と増えて一日当たり利用者数は1千人を超えている。最先端情報技術機器を備えたエグゼキュティブクラスの快適なサービスを提供する公共バスはスカルノハッタ空港を通過するバンドン周辺在住西ジャワ州民のお気に召したようで、この直行バスは13%のマーケットシェアを獲得している、と陸運総局道路運送次局長がコメントした。この状況は年間に93億ルピアの燃料費節減をもたらすことが可能だとの弁。
直行バスの料金は片道6万ルピアでかなりの割安感があり、そのため鉄道旅客の29%、トラベルサービスと呼ばれる小型乗合サービスの27%、一般長距離バスの0.3%、航空機旅客の0.33%がこの直行バスにシフトしたとのこと。


「スカルノハッタ空港に第三ターミナル」(2007年3月2日)
スカルノハッタ空港第三ターミナル建設の入札プロセスが近々開始される。スカルノハッタ空港管理会社PT Angkasa Pura II は5つの旅客ターミナルブロックから成る第三ターミナルの最初のブロックを建設するための入札を早急に実施する予定であると公表した。通過旅客数年間1千8百万人の能力しかないスカルノハッタ空港第一第二ターミナルはすでに年間実績が2千9百万人に達しており、過飽和状態をきたしている。特に国内線用第1ターミナルは混雑が激しいために早急に第3ターミナルを建設して混雑を解消しなければならない。第3ターミナルの一部は2008年から利用が開始される計画になっている。その最初のブロック建設にあたっては、アンカサプラ社が自社資金1千億ルピア銀行借入れ1千5百億ルピアという総額2千5百億ルピアの工費を自前でまかなうことになっている。この2万5千平米の広さを持つ最初のブロックが完成すれば年間4百万人の旅客数が収容でき、第一ターミナルの混雑緩和が可能になる。第三ターミナル全体では年間2千万人の乗客がさばかれることになる。


「廉価空運ビジネスの戦略」(2007年3月6・7・8・9日)
多数の人命を奪う空の事故海の事故の続発に、政府は旅客運輸民間オペレータに対して運行許可取消しをはじめとする厳しい姿勢を取り始めた。2007年の年明け直後に消息を絶って世間一般どころか国際的に大きな波紋を巻き起こしたある民間航空会社機の事件は、本サイトで2007年2月23日に報道された事件や乗客の苦情投書の多さが示しているように、企業が行っている業務管理とその遂行のために敷いた体制、ひいては企業が持つ倫理姿勢にまでさかのぼることができるにちがいない。政府運通省は運輸オペレータの業務管理をあらためて問い直し、信賞必罰で臨むことを宣言した。同時に、国内運輸産業を監督する省内の総局長・局長を一部交替させるリフレッシュ人事を行っている。
残念なことに、この地におけるビジネスシーンで「安全第一」は単にのぼりや垂れ幕に書かれたスローガンでしかなく、社会の一般常識は自分にとっての損得が第一優先となっているのは工場でも道路上でも飛行場でもあまり変わらない。おまけに社会が抱えている大きな経済格差のゆえに政府が国営交通事故保険会社に設定させた人命補償金額が陸上事故でひとり5百万ルピア、海上事故でひとり1千万ルピア、航空事故ではひとり5千万ルピアというレベルでしかなく、経済原理が人命尊重を駆逐しがちになるのも当然と言えるだろう。そんな社会の一般常識の延長線上に、ビジネスを行う目的は金儲けのためだという観念が強固にそびえている。あらゆる事業はビジネスのために行われており、その目的は金儲けであって儲けの最大ポーションは巨利をつかむために資本を投下した者が自分のものにできるのだという考え方が依然として根強く、そのために公益性の高い事業でも金儲けが優先され、法規で高い料金設定が認められなくなると不法徴収金を取ってでも儲けようとする。インドネシアでは、金儲けのできる人間が優れた人間なのだ。
政府は2000年に航空産業自由化の方向性を決めた。その後航空会社は続々と名乗りをあげ、17社ほどが定期航路運行の認可を受けた。2001年はまだ6社しかなかったというのに。それらの新規参入航空会社は世界航空産業の当時の状況を色濃く反映する形でビジネスを始めた。ナインイレブンに続く安全運航対策強化と旅客の飛行機離れによって世界の有力航空会社が運行規模を縮小し、遊休機体がレンタルに出された。その一方で従来の航空機利用者だったアッパーミドルの飛行機離れが空運産業にもっと低所得層に対する顧客開発を促した。こうしてローコストキャリヤーと呼ばれる空運ビジネスのフォーマットが形成されて行った。インドネシアでも似たようなことが起こった。新たに誕生した国内線旅客運送航空会社は、安い機体保有コストをベースにできる限りのコスト節減を行って、従来鉄道を利用していた旅客をあまり差のない料金で機内に誘い込むのに成功したのだ。飛行機乗客数は爆発的に増加し、ロワーミドルの鉄道離れが引き起こされる結果となった。低料金によって突然膨らんだパイがこのビジネスへの新規参入者の出現を更に促し、競争激化の道を邁進する業界はますます低料金競争にのめりこんでいった。そのとき、「安全第一」「人命尊重」はどうなっていたのだろうか?
国民空運会社協会(INACA)のデータによると、ジェット旅客機の1座席1キロメートル当たりの平均運行コストは2004年が462ルピア、2005年は580ルピア、2006年で600ルピアと上昇を続けている一方、1座席1キロメートル当たりの平均販売料金(運賃)は2004年480ルピアだったものが2005年は460ルピア、2006年には400ルピアと逆カーブを描いて赤字に転落している。原油価格の高騰でいまやオペレーションコストの半分を占めるまでに膨らんだ燃料費は削減しようがないものの、コスト節減は各航空会社にとって必達の命題になってしまった。切符販売に関わるコストの削減、飛行中の機内サービスの削減、社内人件費の削減、機体の維持メンテナンス費用の削減・・・・・・。社内人件費を削減すれば人材クオリティの低下を誘発するのは目に見えている。ただ言われたことだけをして指示遂行の外側に配慮を抱かない人間の集合体に組織がなったとき、SOPだけで組織が有機的に動きうなずけるレベルの成果をあげてくれるものかどうか、それに不安を感じるのはわたしばかりではあるまい。人材の教育訓練費用削減のために即戦力を他社から引き抜くというインスタント方式もよく使われる手だ。そして機体の維持メンテナンスが経済性重視で計られるようになれば、フェールセーフコンセプトなど求めようもないにちがいない。ましてや多くの航空会社が使用している機体は20年以上使われているものが多いのである。ちなみに各航空会社の保有機台数と平均年齢は次のようになっている。
Garuda Indonesia 52機  平均年齢10.2年
Merpati Nusantara 32機  平均年齢23.9年
Metro Batavia 32機  平均年齢21.3年
Lion Mentari Airlines 30機  平均年齢17.5年
Adam Air 22機  平均年齢18.1年
Mandala Airlines 16機  平均年齢22.4年
Sriwijaya Air 15機  平均年齢24.5年
Wing Abadi Airlines 11機  平均年齢20.2年
Indonesia Air Asia 6機  平均年齢20.5年
年経れば経るだけメンテナンスやパーツ交換は頻繁に行われなければならず、時間と経費がかさんでいくのが普通だ。だから会社側はなるべく同一機種をそろえてメンテナンス効率やパイロット訓練の効率アップをはかる。機体の使用効率をできるだけ高めるために、各便での機体のやりくりを極限にまで高める。だからひとつ間違えば別の便の運行に大きい影響が出る。
ところがそうやってコストを徹底的に圧縮したからローコストキャリヤーだという定義に反論が出た。
ローコストキャリヤーコンセプトは単に空運オペレータだけで構成されるものではない。航空運送サービスを形成している諸要素がローコストを指向することによって生み出されているのがこの分野であり、機体調達、保険、空港、旅客取扱い、ケータリング、燃料販売等々の諸関連ビジネスによってサポートされるものである、と運通省空運総局長は語る。「インドネシアで該当しているのはその中の一部でしかなく、まだひとつのトータルビジネス分野に成長していない。たとえば空港での取扱いでは、通常料金の航空会社も廉価運賃航空会社も同じターミナルを使っており、空港はすべての航空機に対して単一チャージを課している。ローコストオペレータのためのターミナルはまだ実現していない。空港管理会社アンカサプラ?はスカルノハッタ空港でのローコストキャリヤ専用ターミナル建設構想を一度は提起したが、その後は状況の進展を見守る形となって待ちの構えに入っている。」
だからインドネシアで運航している廉価料金航空会社は、ローコストキャリヤと呼ぶよりもむしろローフェアキャリヤと言うほうがふさわしいのではないか、と総局長は言う。そのことは、廉価料金航空会社の料金ポリシーにも見ることができる。現実に行われている航空券販売では、低料金運賃で買った航空券はその特定フライトだけに有効となっているのだ。つまりたとえば15時発のXX便専用ということであり、18時発の別の便には使えない。次の便に変えようとすれば料金が違ってくる。翌日の同じ便に使うのも別料金になるし、一週間有効の切符が欲しければまた料金が異なってくる。だからチェックインの受付締切り時間を早く切り上げて追加料金を払わさせる状況にもっていくのも収入増のテクニックになりうるし、ハイシーズンになるとそれまでの低料金をさらりと打ち捨てて通常料金航空会社の料金レベルに近いところまでそれを引き上げている事実も、ローフェアが単なる集客手段に過ぎず本質は別のところにあるという印象を覆すことをむつかしくしている。各航空会社はそれぞれが独自の料金ポリシーを実行しているために、航空券エンドースメントを行うのはほとんど不可能に近い。国内で行われているそのような航空会社の料金政策に対して総局長は、現状は消費者欺瞞に近いものという印象をもらしている。
航空機事故が発生したとき、もっとも微妙な立場に置かれるのがパイロットであるのは言うまでもない。従来から運輸機関の事故が発生すればまず天候、次いで乗り物の技術的な側面がスケープゴートにされてきた。そもそも単一の要因が致命的な事故を発生させることはありえない。それは社会生活でもビジネスでも、国家行政でも外交でもあらゆることがらに渡って言えることで、発生したトラブルがより深くまたより広いものであればあるほどその発生を実現させた要因が複雑にからみあっているものだ。
少なくともパイロットは自分の生命をそこに委ねているために、自分が運航任務に就くかどうかを判断させる自由が与えられて当然だろう。しかしパイロット自身の判断がどうであろうと、航空会社の経営者が状況の斟酌なしに「飛べ」と命じたときジレンマがかれを襲うことになる。新参航空会社の各社パイロットたちの話によれば、航空機運航というテクニカルな問題に経営者があまりにも口をはさんでくるそうだ。着陸した機体のチェック中にマネージメントが客を搭乗させろと言う。パイロットが機体の調子に疑念を抱いても、マネージメントが出発させろと言う。それを拒んだとき社内で自分の処遇がどうなり、自分と家族がどのような境遇に落とされるかという不安に駆られない者はいない。そんな心理プレッシャーにさらされているパイロットに百人以上の人命が委ねられることになる。このシリーズの第一回で指摘したビジネス経営者の論理とパイロットの倫理の葛藤が不調な機体の状況や悪天候などの諸要因と相互干渉しあったとき、致命傷の種が芽をふくかもしれない。
航空会社の急激な増加によって、それまで民間航空パイロットをほぼ一手に抱えていたガルーダとムルパティから移籍するパイロットが続出した。2004年には26人がガルーダを離れた。翌年は65人、2006年には29人。それでもガルーダにはいまパイロットが584人いる。ガルーダを去ったパイロットの四分の一はライオンエアーやアダムエアーに移り、四分の三は外国の航空会社に職を得た。ガルーダ航空で大型機の操縦資格を持つパイロットの収入は、外国の航空会社で同じレベルのパイロットが得ている収入の四分の一でしかない、と当事者のひとりは語る。報酬と将来の地位、それが別会社への移籍を誘うファクターだ。やはり国営のムルパティ航空もパイロットが続々と会社を去って行くという状況を体験した。2002年には同社に576人いたパイロットは今では271人に減少している。ガルーダやムルパティを去ったパイロットの中で新参航空会社の上級ポジションを得た者もいるが、転職パイロットの全員が幸運を射止めたわけでもない。転職パイロットの中には従来の会社に対して退職手続きをとらないまま別会社に移って飛行機を飛ばしている者も少なくないという。今年1月に消息を絶ったアダムエアー機のパイロットもそんなひとりだったという噂だ。それとは別に、従来の会社では副操縦士のポジションからなかなか上がれなかった者が、新参航空会社が主操縦士のポジションを約束したためにすぐ転職したという話もある。
新参航空会社の急増でパイロット需要は大きく膨らんだ。ライオンエアーは今では3百人のパイロットを擁している。養成に時間がかかるパイロットを一から育てていてはビジネスが始まらないのも確かであり、新参航空会社はマンハントをしたわけでなくかれらに新たなキャリアの道を開いただけだと言うが報酬が今より小さくなるのであれば移籍してくる者は激減するだろう。ライオンエアーのパイロットはムルパティ航空の月給1千2百万〜1千5百万ルピアというレベルよりは高い収入を得ている。インドネシア国内で起こったこの航空機パイロット市場の大変動によって、いまは過渡期の大きなうねりが作り出されているにちがいない。安定とレベルの向上がきっとその先に待ち受けているはずだ。


「ジャカルタ空港自動車道」(2007年3月12日)
スディヤッモ(Prof. Sedyatmo)有料自動車道路で交通渋滞が慢性化しつつある。都内プルイッとスカルノハッタ空港を結ぶ自動車専用道路がそのスディヤッモ有料自動車道路だ。この道路でおりに触れて交通渋滞が発生する。渋滞は朝から夜まで、いつ起こるか予測もつかない。渋滞に巻き込まれたら、飛行機乗客は乗り遅れるのではないかと気が気でなくなるが、飛行機乗務員もその渋滞のどこかに巻き込まれているケースが多いので結局飛行機の出発に遅延が出る。ただし常にそうとも限らないので、飛行機に置き去りにされるケースがないとも言えない。
道路沿線の開発が道路のキャパシティをはるかに超える交通量をもたらしている、と道路管理会社ジャサマルガは解説している。その影響でかつて車輌の往来がほとんどなかったスルヤダルマ街道はいまや自動車であふれている。2005年にタングラン市が西ジャカルタ市ラワボコルとタングラン市ブンダを結ぶ1.7キロの迂回路を建設したのも渋滞軽減を狙ったものだ。ジャサマルガは今年、もっと強力な渋滞対策を行う予定にしている。まず、いま二ヶ所になっている料金所をひとつに統合すること、そして13.5キロに渡って道路拡張工事を行うこと。公共事業省の2007年自動車専用道路改修計画の中にもスディヤッモの名前は明記されている。
もうひとつ、スカルノハッタ空港と都内を結ぶ交通の流れとしてジャカルタ外環状道路がスディヤッモにつながることが期待されている。アウターリングロードのクブンジュルッ〜プンジャリガンというジャカルタ西部を北上してスカルノハッタ空港自動車道に至るW1区間は2008年に工事完了という日程が組まれている。更に第二外環状道路の一部としてスルポンとスカルノハッタ空港を結ぶ自動車専用道路の建設計画が進められており、いまやウルジャミで外環状道路とつながったブミスルポンダマイ自動車専用道路を経由してスカルノハッタ空港へ北上する25キロのルートも2008年から建設工事が開始される計画になっている。
ジャカルタ北部の湿地帯エリアに浮かぶスディヤッモ自動車専用道路は1983年に工事が開始されて1985年に開通した。いつの間にか空港自動車道路の立場から地域生活道路へと機能転換してしまったこの道路を補完するために空港と首都圏を結ぶ交通の流れが続々と計画されているのだが、それらが実現するまでのしばらくの間、空港利用者は渋滞に巻き込まれてやきもきする思いを味わわされることになりそうだ。


「バレットパーキングが車をぶつけた」(2007年3月15日)
2006年11月6日付けコンパス紙への投書"Layanan Parkir Warung Daun"から
拝啓、編集部殿。2006年10月17日、わたしは会社の全スタッフと一緒にブカプアサを行うために南ジャカルタ市パクブウォノ通りにあるレストラン「ワルンダウン」を訪れました。レストランの駐車場は狭く、整理員がバレットパーキングを勧めるのでわたしはそれに従いました。食事を済ませたわたしどもが店の表に出て車が来るのを待っていると、思いもよらないことが全員の目の前で起こったのです。バレットパーキング担当者がわたしの車をバックさせ、そして激しい勢いでぶつけたのです。おかげでわたしの車のリアバンパーは割れてしまいました。車の様子を調べた後、わたしは損害賠償を求めるためにレストランのマネージャーに会いました。ほどなく店のオーナーであるレディ夫人が現れて車の破損を補償すると言いましたので、客であるわたしとマネージャーのヘリさん、そしてオーナーのレディ夫人との間で覚書が交わされ、三人がサインしました。そしてわたしは地方に出張しなければならないために修理はわたしの親が行うことで合意しました。
わたしの親は翌日車を修理して1百万ルピアの修理代領収書をレストラン側にファックスしたところ18時ごろヘリさんから電話がかかり、負担を軽減してほしいとの申し出がありました。レストラン側が約束を守らないのはとても遺憾です。わたしはただ食事しただけで、それも会社の費用であるというのに、それなのに損害の負担をしなければならないのでは困ります。事故はレストラン側のミスであることが明らかなのにどうして客が費用を負担しなければならないのでしょうか。わたしはこの車を公認修理工場に持ち込まず、もっと安い一般修理屋を使って費用があまり高くならないようにという配慮まで行っています。レストランの責任はどうなっているのですか?その後、車の修理費用に関する約束は立ち消えになっています。[ 西ジャカルタ市在住、エリザベス・パメラ ]
2006年11月11日付けコンパス紙に掲載されたレストラン「ワルンダウン」からの回答 エリザベス・パメラさんからの11月6日付け投書に関して明らかにしておきたいと思います。ワルンダウンはバレットパーキングサービスを用意しておりません。単にお客様が必要とする場合に自動車を代わって駐車させているだけであり、強制でも何でもありません。1百万ルピアの修理費用はエリザベス・パメラさんの親御さんであるインドリアニ・スギアルト名義口座に送金してあります。ワルンダウンは11月7日、ご本人にすぐそのことを通知しました。これでこの問題は決着したと考えます。[ ワルンダウン取締役、ハリヤント・プライッノ ]


「都内の交通違反が8割増」(2007年3月19日)
首都警察が3月5日から開始した首都シンパティ作戦の11日までの状況が報告された。それによれば、シンパティ作戦最初の一週間に行われた違反検挙と警告は22,448件にのぼり、2月26日から3月4日までの一週間での実績である12,262件から80%近い上昇率を示している。都内道路利用者の遵法と交通安全を目的に行われているこの作戦で検挙された交通違反の総数は17,943件で違反者別には最大が民間会社員の8,936件、次いで学生の1,176件、文民公務員384件、農民漁民10件といった明細であり、文民公務員や民間従業員が犯した違反行為の大部分は就業時間内のもの。また乗り物別検挙件数の最大は二輪車が10,903件、そしてバス・ミクロレッなどの公共交通機関が1,945件となっている。しかし交通事故件数は43件で作戦開始前の90件からほぼ半減している。違反内容は標識やラインなどの違反5,201件、公共交通機関の指定場所以外での乗客の乗降2,272件、二輪車左側走行違反2,651件など。


「ジャカルタにウオーターウエイ」(2007年3月21日)
都庁が編成したマクロ交通パターンプログラム計画のひとつに上げられているウオーターウエイの準備が進められている。このウオーターウエイは西バンジルカナルの一部で水上交通を用意して都民に利用してもらおうというアイデアで、いま都庁公共事業局はハリムン、ドゥクアタス、カレッの三ヶ所に船着き場の建設工事を進めている。このウオーターウエイに関する都民への告知普及は2007年6月に開始されるスケジュールになっており、三つの船着き場を結んでのトライアルも行われる。トライアルでは25人乗りモーター船2隻が投入され、土日の朝と夕方に運行するという計画が立てられている。三ヶ所の船着き場建設工事はいまや最終段階に差し掛かっているが、最終的に都内のどの河川にどれだけ船着き場を建設するのかは現時点でまだ固まっていない。マンガライ地区からタナアバン地区までのこの4キロの水上交通路に都民がどのような反応を示すか興味津津たるところ。


「国内線に優良航空会社はない」(2007年3月27日)
運通省空運総局が運航許可を与えているすべての航空会社のランク付けを行い、その結果を公表した。空運総局が行った審査は、機体整備、航空機事故事件発生件数、乗組員の状況、人材、管理、航空機運航など20の項目をカバーし、そのそれぞれに対してゼロから10ポイントの評価を与えるという方式。ポイント合計が161〜200に入っていればカテゴリー1にランクされ、すべての安全条件は満たされていると評価される。その下の121〜160ポイントのレンジに合計点数が入ればカテゴリー2にランクされ、航空安全条件を最低線で満たしているに過ぎないと評価される。120ポイント未満の場合はカテゴリー3に位置付けられ、最低レベルの安全条件を満たしているものもあれば満たしていないものもあると評価される。公表された結果は次のようなものだった。まず乗客30人を超える運送能力を持つ航空機を運航させている定期不定期航空会社に関しては、民間航空法第121章にもとづいて20社が審査された。
カテゴリー1 : 該当航空会社なし
カテゴリー2 : Garuda Indonesia, Merpati, Lion Mentari Airlines, Sriwijaya Air, Wing Abadi Airlines, Indonesia AirAsia, Mandala Airlines, Pelita Air Service, Riau Airlines, Ekspres Transportasi Antarbenua, Trigana Air Service, Travel Express Aviation Service, Republic Express Airlines カテゴリー3 : Metro Batavia, Adam Sky Connection Airlines, Kartika Airlines, Trans Wisata Air, Tri MG Intra Asia Airlines, Manunggal Air Service, Jatayu Gelang Sejahtera
またそれより小さい航空機を運航させている定期不定期航空会社34社に関する民間航空法第135章にもとづく審査は下のような結果だった。
カテゴリー1 : 該当航空会社なし
カテゴリー2 : Air Pacific Utama, Airfast Indonesia, Aviastar Mandiri, Balai Kalibrasi Penerbangan, Deraya Air Taxi, Derazona Air Service, Eastindo, Ekspres Transportasi Antarbenua, Gatari Air Service, Indonesia Air Transport, Intan Angkasa Air Service, National Utility Helicopter, Pelita Air Service, Penerbangan Angkasa Semesta, Pura Wisata Baruna, Sampoerna Air Nusantara, SMAC, Transwisata Prima Aviation, Travira Utama, Trigana Air Service
カテゴリー3 : Air Transport Service, Alfa Trans Dirgantara, Asco Nusa Air, Asi Pudjiastuti, Atlas Deltasatya, Aviasi Upataraksa Ind., Dabi Air Nusantara, Dirgantara Air Service, Gemania Trisila Air, Helizona, Kura-kura Aviation, Prodexim, Sayap Garuda Indah, Survey Udara Penas
空運総局はカテゴリー3に位置付けられたすべての空運オペレータに対して警告書を送り、三ヶ月以内にランキングを改善するよう求めた。三ヶ月後にランキングの向上がない場合は運航許可を凍結し、それでも改善が見られない場合は航空運送事業許可を取り消すと表明している。
一方まな板にあげられた多くの航空会社は異口同音に困惑を表明している。ガルーダ航空は民間航空安全規定をその通り実行しているのにどうしてカテゴリー2に入っているのか、と疑問を呈しており、インドネシアエアトランスポートは、政府による施設の監査はいまだかつて行われたことがないのにどうやって審査ができたのか、と不審を表明している。プリタエアサービス代表取締役は、民間航空会社の運行業績がどうして安全面からだけで計られるようになるのか、業界者との合意がまだ何もないではないか、と政府の評価に不満を投げかけている。


「ふたたびバスウエイ工事が6月から」(2007年4月11日)
都庁は今年6月からバスウエイ第8〜10ルートの建設工事を開始する予定にしており、2008年には都内で10本のルートがすべて運行されるのを目標にしている。第8ルートはルバッブルス〜ハルモニ−、第9ルートはピナンランティ〜プルイッ、第10ルートはチリリタン〜タンジュンプリウッが終点となる。この3ルートの工事には都庁予算から3千5百億ルピアが割り当てられることになっている。第8ルートはルバッブルスバスターミナルからメトロポンドッキンダ通り〜スルタンイスカンダルムダ通り〜パンジャン通り〜ダアンモゴッ通り〜Sパルマン通りを経てハルモニーに達する全長26キロの路線に17ヶ所の停留所、第9ルートはピナンランティバスターミナルからボゴール街道〜MTハルヨノ通り〜ガトッスブロト通り〜Sパルマン通り〜ラトゥメテン通り〜ジュンバタンティガを経てプルイッに達する全長29.9キロに24ヶ所の停留所、第10ルートはチリリタンからストヨ中将通り〜DIパンジャイタン通り〜アフマディヤニ通り、ヨッスダルソ通り〜エンガノ通りを経てタンジュンプリウッバスターミナルに達する全長19キロに15ヶ所の停留所が設けられる予定。第8ルートが通るイスカンダルムダ通りでは三ヶ所でアンダーパス工事が行われているため激しい道路渋滞を引き起こしており、そこへさらにバスウエイ工事が加えられると一層渋滞を悪化させるとして都議会が工事日程の延期を求めていた。しかし都庁はそのふたつの工事がぶつからないように調整するという対策案を都議会に納得させたことで、今年6月から計画通りに工事が開始されることになっている。


「ジャカルタのスクールバス」(2007年4月12日)
ジャカルタにもまっ黄色に塗られたスクールバスがあった。しかしこのBus Sekolahと書かれたスクールバスはある特定の学校のものではなく、都庁が走らせていたものだ。2007年2月からの運行再開が予定されていた首都スクールバスは都庁予算の審議が遅れたためその実施がまだ始まっていない。都庁運通局は予算が決まらなければオペレータを指名することができないため、オペレータ指名を経て運行が開始されるのは5月に入ってからと予測されている。オペレータは都庁が用意した対面23シートと16人分吊り革が装備された中型バス34台の運行、燃料、車体メンテナンスなどを公費を得て行うことになっており、バスを増やすといった投資は必要とされていない。
このスクールバスは都内の中学生高校生が無料で利用できるもので、バスはスンテル〜クマヨラン〜タンジュンプリウッ、アンチョル〜パドゥマガン〜グロゴル、プロガドン〜チャクン〜ラパガンバンテン、プラムカ〜サレンバ〜CSWクバヨラン、クレンデル〜カンプンムラユという5ルートを往復する。運行時間帯は朝5時〜7時、10時〜13時、16時〜18時という三つに区分され、ルート内にある学校の近くに立ち寄ることになっている。高くなった交通費のために生徒たちはスクールバス運行再開を首を長くして待っており、一様に「たいへん期待している」と語っている。
今回下りる予定の都庁予算は2007年分で、2008年1月1日以降の分は来年度予算から出されることになっている。


「ライオンエアーが運賃2割引きを予告」(2007年4月13日)
新型機B737−900ERによる運行が開始されれば運賃は現状から20%下げることができる、とライオンエアーが公表した。B737−900ERは4月29日にインドネシアに到着し、5月から運行サービスに使われる予定。この値下げは新型機の投入によって得られるコストダウンと収益向上の結果であるとのこと。この新型機は今使われているボーイングの他の機種やマクドネルダグラス製のものより20〜30%も燃料消費が小さい。更に機内の座席数はそのサイズの機体が一般的に160シートほどであるのに比べて213シートを擁しているため、一回のフライトで得られる収益性にかなりの違いが出る。B737−900ER型機にとっては滑走路が1千6百メートルあれば十分であり、また24時間飛ばし続けることができる。ライオンエアーはこの飛行機を一日15〜18時間稼動させることにしている。
燃料消費の節減、収益性の向上、機体が新しいためにメンテナンス費用が小さくてすむといった好経済条件のために運賃を2割下げても十分ペイすると同社経営陣は考えている。ライオンエアーが操業を開始してから2年後の2002年に同社は空運業界に革命を起こした。それまで損益分岐点を40%としていた空運旅客業界はライオンエアーの廉価運賃戦略で空運旅客数が40%増加し、平均ロードファクター80%が達成されたことに関して同社PRマネージャーはそうコメントしている。同社は今回の新型機導入による運賃値下げがふたたび革命を誘発することを期待している。


「バスウエイの次はウオーターウエイ」(2007年05月07日)
都庁が計画している水上コミューターの運行が5月半ばから始まる。陸上での交通渋滞に対する解決策として都庁が進めているマクロトランスポート総合計画の中にバスウエイ・モノレール・サブウエイとともに位置付けられているのがこのウオーターウエイ。ウオーターウエイは河川を都民の移動のための足として利用しようというアイデアから出たもので、当初はマンガライとムアラアンケを結ぶ2キロを西バンジルカナルを通って結ぶという計画。このルートには24人乗りのボート4隻が就航し、午前7時から19時まで各船は30分ごとに一往復するという運行スケジュールになっている。


「国内空運業界再編」(2007年05月21日)
アセアン域内の空運市場開放は目前に迫っており、国内空運産業合理化を推進している政府運通省は国内旅客輸送体制にハブ&スポークコンセプトを持ち込む方針を打ち出している。このハブ&スポーク構想とは各航空会社のホームベースを国内の数拠点に分散してそのハブを中心にした航路を運行させるスタイルで、国内航空路ネットワークの効率的なカバーと特定航路におけるオペレータ間の過当競争を防いで健全経営を実現させるのを目的にしている。いま国内旅客空運は16航空会社が101の都市を結んで203ルートを運行している。運通省はハブ拠点として、メダン・ジャカルタ・スラバヤ・マカッサル・バリッパパン・クパン・ジャヤプラ・メラウケ・ソロン・マナドをその候補地に挙げている。
インドネシア政府は2008年から開始されるオープンエアー(空運自由化)を批准して7空港をそのオープンエアー適用対象空港に指定した。バタム、バリッパパン、ビアッ、マカッサル、マナド、パレンバン、ポンティアナッがそれであり、このオープンエアー条約ではアセアン加盟国間で指定空港への相互乗り入れが認められており、その航空機が第三国を通過して乗客や貨物を乗降させるのも自由になっている。このような市場開放に対して政府は国内航空会社のシステム強化を図らなければならず、ハブ&スポーク構想案を作成して業界に打ち出した。その内容は次のようなものだ。
ホームベース : 航空会社(案)
スカルノハッタ : Adam Air, Garuda Indonesia, Indonesia Air Asia, Lion Air, Metro Batavia, Sriwijaya Air
ハリムプルダナクスマ : Deraya
バリッパパン : DAS
メダン : Kartika, Sriwijaya Air
スラバヤ : Lion Air, Mandala, Metro Batavia, Wings Air
マカッサル : Merpati, Travel Express
クパン : Pelita Air Service
バタム : Riau Airlines
政府はこのハブ&スポーク構想に伴ってオペレータ間のコードシェアリングや業務提携が促進されることを期待しているが空運業界はその構想に関してINACA副会長が、「現在国内定期航空サービスを行っている16社のうち11社はジャカルタと地方都市間の直接フライトを運行させており、スカルノハッタをハブとする体制での営業を行っている。それを変えさせるには政府からのインセンティブと保護が不可欠だ。」とのコメントを出した。この空運業界再編の波がどのような進展を見せるかは今後を待たなければならない。


「ベンツタクシー」(2007年5月29日)
いよいよジャカルタにもベンツタクシーが登場する。お家元のドイツではベンツ車がタクシーに使われており、東南アジアでもタイやシンガポールでベンツ車がタクシーに使われるようになった。そしていま、インドネシアの大都市でもついにベンツ車がタクシーに使われる時代にさしかかっている。ベンツタクシーを登場させようとしているのはブルーバードグループで、PTダイムラークライスラーインドネシア社との協力下にベンツCクラスがプレミアムクラス乗客対象として使われることになる。ベンツタクシーは客待ちをするような場所に並ぶことはない、とダイムラークライスラー取締役デピュティは語っている。インドネシアでタクシーに使われている車種はほとんどが完成品輸入車であり、トヨタはLimo とCrown、ヒュンダイはAccent 、日産はSunny とCedric、キアはRio 、プロトンはProton Wira をタクシー用車種として輸入供給している。


「スンダクラパ港は閉鎖か?」(2007年5月29日)
スラウェシやカリマンタンから木材を積んでジャカルタにやってくるブギスのスクーナーが集まるスンダクラパ港が入港船難に陥っており、そのために港の貨物置場や倉庫が常に閑散たる状況になっていてこのままでは商業港として成り立たないことから閉鎖に向かう可能性が高まっている。
スンダクラパ港はジャカルタ発祥の地として何百年にもわたって歴史的な役割を果たしてきた。タンジュンプリウッ港が作られるまではバタビアの表玄関でもあった。そしてタンジュンプリウッ港誕生とともに首都圏の表玄関の地位を譲り渡したが、港湾事業活性化の中でスンダクラパ港にも再開発の波が押し寄せてジャカルタ湾に面する海岸に埠頭が設けられ、島嶼間航路を往来する貨物船の荷役も行われるようになっていた。
国有港湾管理会社ペリンド?のデータによれば、スンダクラパ港の荷役量は次のように変遷している。
年 / 木材(トン/M3) / 一般カーゴ(トン) / コンテナ(TEUS)
2000 / 876,695 / 740,042 / −
2001 /683,147 / 745,988 / −
2002 / 457,183 / 932,424 / −
2003 / 420,174 / 966,866 / 225
2004 / 524,877 / 1,189,937 / 244
2005 / 443,215 / 990,387 / 942
2006 / 148,072 / 813,156 / 643
2007(1〜4月) / 70,279 / 293,218 / 407
皮肉なことに、従来国内の木材を首都圏に集める表口として賑わってきたスンダクラパ港は、政府が不法伐採木材取り締まりの強化を開始して国内木材移動にも監視を厳しくするようになったためにこの港での木材取り扱い量が大幅に減少するようになった。これは家具業界や木製パネルあるいは木製手工芸品業界の原材料入手難と時を同じくしており、従来からインドネシアの木材産業木工産業を支えてきたのが政府の監視統制から免れた木材であったことを裏書している。


「ガルーダはEチケット推進優良会社」(2007年5月30日)
IATAがガルーダ航空をアジアパシフィックで第三位のEチケット優秀実施会社に位置付けた。一位二位はオーストラリアとニュージーランドの航空会社で占められている。いまガルーダ航空は国内26都市海外24都市を結んで旅客空運サービスを行っているが、国内26都市はすべてEチケットが使用されており、海外は24都市中20都市でEチケットが使われている。まだ実施されていない4都市とは、ジェッダ・サイゴン・ソウル・北京。それら4都市は今年6月からEチケットが導入され、10月には国内外全路線でEチケットの利用に塗り替えられることになる。IATAは2007年中にEチケットへの切り替えを261の全加盟航空会社に指示しており、ガルーダ航空はその迅速な対応のためにアジアパシフィック地区で第三位だと賞賛している。
ガルーダ航空2006年の輸送旅客総数は820万人、貨物は122,387トン。保有機体はB747−400が3機、エアバス330−300が6機、B737−800NGが2機、B737−400が18機、B737−300が14機、B737−500が5機の合計48機を運行させている。


「ゴンダンディアの奇妙な駅員」(2007年5月30日)
2007年4月14日付けコンパス紙への投書"Arogansi Petugas Stasiun Gondangdia"から
拝啓、編集部殿。2007年3月24日15時30分ごろ、わたしはゴンダンディア駅で駅員から不愉快な扱いをされました。その駅員は礼儀をわきまえず、とても乱暴な言い方をしたのです。
そのときわたしは16時15分発ボゴール行きパクアン急行の切符を買いました。手に買い物包みを提げていたわたしに駅員が突然話し掛けてきました。駅員が言うには、わたしの持っている荷物は20キロを超えておりまた車内の場所を取るので2万ルピアの罰金を払わなければならないそうです。わたしはその根拠を尋ね、もしそんな規則があるのなら書かれたものを見せてほしいと頼みました。またわたしの荷物も正確に測ってほしいと頼みました。ふだんからエコノミーやパクアンなど首都圏近郊電車を利用しているわたしはいまだかつてそのような規則を耳にしたことがありません。するとその駅員は激高した声で「秤はない」と言い、罰金を払えと言い張ります。わたしは規則もはっきり明示できないのに規則はあるのだと言い、罰金ばかり払えと強要する悪徳駅員の言うことには従えないと思いました。わたしはきわめて不愉快になり、ゴンダンディア駅長に会いたいと言うと、その駅員は自分が責任者だと言うのです。結局その駅員との口論のあげく、駅員はわたしに向かってこの駅から出て行けと怒鳴りつけてきました。その悪徳駅員の態度にわたしはますます腹が立ちました。駅利用者を好き勝手に追い出す駅員は、ゴンダンディア駅を自分個人のものだと思っているのでしょうか?わたしは切符を買っているのです。そのお金は払い戻しされるのでしょうけれど。
わたしはそこから電車に乗るのをやめることにし、切符を払い戻してくれるよう求めました。しかしその駅員は払い戻しを拒みます。結局わたしは2万ルピアの罰金を払うことにしてお金を差し出すと、駅員はそれすら拒んで5千ルピアでいいのだ、と言いました。なんとみっともないことでしょう。国鉄のイメージを市民の目に大きく傷つけるその駅員に対して国鉄経営者が厳しい措置を取るようお願いします。[ ボゴール在住、テティ・ヘルリヤンティ ]


「シルバーバードエグゼキュティブ」(2007年6月5日)
ダイムラークライスラーインドネシア社がブルーバードグループにメルセデスベンツCクラス車両3百台を販売した。この3百台はブルーバードタクシーの中のシルバーバードエグゼキュティブタクシーとして稼動することになる。ダイムラークライスラー社によれば販売された車両はCクラス230のバリエーションであるとのこと。ただし基本スペックは自家用車として販売されているものと変わらない。同社はプレミアムタクシーとして製品を供給した実績を数多く持っており、タクシーだからスペックを落とすというようなことをしてブランドイメージを崩す考えはまったくない、と語っている。
ブルーバード社は今回のタクシーラインナップ強化のために1千3百億ルピアの投資を行ったとのこと。シルバーバード車両としてはこれまで日産セドリックとトヨタクラウンが使われてきたが、ベンツはその一部若返りならびにラインナップ強化として導入される。同社は1万4千台のタクシーを稼動させており、シルバーバードはそのうちの7百台。


「ジャカルタの地下鉄路線」(2007年6月12日)
ジャカルタの地下鉄建設工事開始はいよいよ間近に迫っている。ところで現在計画されている首都MRTがルバッブルス〜コタ駅間17キロだけでは都内の交通渋滞軽減にたいした効果を期待するのは難しいとの批判の声に対し、MRT建設は当初計画だけで終わらせることはなく、将来的に首都周辺部の住宅地区まで延長させて都内の交通混雑緩和をはかっていく意向であるとファウジ・ボウォ副都知事が表明した。都庁はMRT運行をバスフィーダーと組み合わせた複合輸送体系で行う考えであり、また都内を走っているバスウエイならびに計画されているモノレールとの接点を設けて首都の統合交通体制を充実させるもののひとつの柱とする考え。将来的にMRTはタングランとの境界まで延長され、首都周辺部にある住宅地区との間でフィーダーバスの運行が開始されることになっている。今現在ジャカルタ周辺部から都内へは毎日65万台の自動車が流入してきており、この先その数字は更に膨張するものと見られているためコミューター政策は急を要するものになっている。ちなみにジャカルタMRTの計画は下のようなもの。
第一期工事
フェーズ1
Lebak Bulus
Fatmawati
Cipte Raya
H Nawi
Blok A
Blok M
Sisingamangaraja
Senayan
Istora
Bendungan Hilir
Setia Budi
Dukuh Atas
フェーズ2 (Dukuh Atas から延長)
Bundaran HI
Sarinah
Monas
第二期工事 (Monas から延長)
Swah Besar
Glodok
Kota
Lebak Bulus 駅からIstora 駅までは高架線で、Istora 駅を出たあと地下に入りKota 駅までは地下鉄となる。


「払った金は簡単に戻らない」(2007年6月15日)
2007年4月18日付けコンパス紙への投書"Refund Air Asia Tidak Jelas"から
拝啓、編集部殿。わたしはエアーエイシアのフライト利用者のひとりです。実用的であり、これまでわたしはそのサービスが十分に快適であると感じてきました。ところがその後、今日に至るもいまだに解決されない問題で悩まされることになったのです。2007年1月23日午前6時35分ジャカルタ発パダン行きのフライトを予約しOKの確認が取れていましたが、1月22日夜23時40分ごろわたしの携帯電話にエアーエイシアから連絡が入りました。翌朝のフライトは午前11時に出発遅れとなったので、そのフライトに時間変更するかそれとも払い戻しするかという問い合わせです。パダンへの業務出張のためわたしは23日の到着時間を遅らせることができなかったので、切符代449,150ルピアの払い戻しをすることに決めてほかの航空会社を探すことにしました。エアーエイシア側はわたしのリファンドを了承した後リファンド手続きはリクエストから30日以内に行われると言いましたので、2007年2月23日までにはわたしのクレジットカード口座に返金がなされるものと思っていました。ところがその後数回エアーエイシアのコールセンターに状況の問い合わせをかけて最後は3月29日にも電話していますが、返事はいつもプロセス中であるという言葉ばかりです。
実に傑作なのは、最後にコンタクトしたエアーエイシア担当者が「リファンドプロセスは最低で30日、最長は期限なし」と明言したことです。既に国際級であると言える航空会社がいまだにカキリマ級の管理を行っているのはお笑いではありませんか。同社に損させられたと感じている大勢の者のひとりとしてわたしは料金払い戻しの確定についてエアーエイシアに説明と実行を求めます。もう何ヶ月(いやひょっとしたら何年)待てばわたしのお金を返してもらえるのでしょうか?[ 南ジャカルタ市在住、アリフ・アディ・ウィバワ ]


「スカルノハッタ空港に大型商業施設建設計画」(2007年6月18日)
スカルノハッタ空港を管理しているPTアンカサプラ?はスカルノハッタ空港に大型商業建物を建設して第1ターミナルと第2ターミナルをつなぐ計画を立てている。スカルノハッタ空港ターミナルは最初航空オペレーション用スペース60%商業施設スペース40%という青写真だったが実際にはそれが80対20という比率で現在に至っており、諸外国の空港は商業施設がたいへん華やかな彩りを添えているのにスカルノハッタは見劣りして寂しいという姿になっている。 そのためアンカサプラ社はターミナル1と2をつなぐエリアに500メートルx100メートルの5Haという床面積を持つ建物を作って、ホテル・レストラン・ショッピングセンターや売店などを収容するための商業施設を設ける考え。この建設には12兆ルピアの費用が見込まれており、アンカサプラは民間投資を募る一方不足分だけを自己資金でまかなう意向。この建物建設は今年着工が予定されている第3ターミナルの最初のピアーが完成してから工事が開始されることになっている。
スカルノハッタ空港第3ターミナル建設計画はいま工事業者の指名入札プロセス段階にある。入札に参加したのは国有事業体5社と民間デベロッパー1社。第3ターミナル建設は既に飽和状態にある空運乗客混雑を緩和させるのが目的で、第1第2ターミナルの乗客収容能力は年間1千8百万人と設定されているが2006年の空港利用者総数は3千1百万人にのぼっており、新ターミナル建設は急務となっている。第3ターミナルは5つのピアー(サブターミナル)を持つよう設計され、各ピアーは年間4百万人の乗客収容能力が設定されているので第3ターミナルがフル稼働すれば2千万人分のキャパシティがスカルノハッタ空港に追加されることになる。ピアーひとつの工費は3千億ルピアが見込まれている。最初のピアーは1年後に完成し、2008年後半には稼動が開始される予定。第1第2ターミナルをつなぐ大型商業施設はその最初のピアー完成後に着工される計画。


「スカルノハッタ空港でオンプレガン合法化」(2007年6月19日)
インドネシアの自動車ナンバープレートは、赤地のものは官庁公用車、黒地のものは自家用車、黄色地のものは営業用車と色分けされている。そこから転じて国や地方政府の所有になる企業をplat merah と称しているがそれはともあれ、plat hitam で金を稼ぐことは禁止されているもののそれを合法化する手段も少なくない。インドネシアでレンタカーと呼ばれているものは車輌を借りて自分で運転するというようなものでなく、運転手つき貸切自動車に限りなく近い。レンタカーを呼べば(これではまるでタクシーだ)、やってくるのはまずすべてが黒地プレートの車。実際に自家用として乗用車を買ったひとびとの多くが自分の車をレンタカー業者に渡して収入を得ている。中にはレンタカー業者が委託された車を質入したり売り払ってしまい、知らぬは真のオーナーばかりということも起こって新聞に詐欺事件が報道される。どうやらレンタカー事業やチャーター運送事業の許可を得た会社が行えば自家用車で金を稼いでも許されるようで、それを車の所有者が個人で行うから監督諸方面の槍玉にあがるという仕組みになっているようだ。
plat hitam で個人タクシー運送事業やミニ路線バス事業あるいはチャーター運送事業を行うなど、日本で言えば白タク業を営んでいる市民も数多い。そのような運送サービスはジャカルタ近辺でomprengan と呼ばれている。オンプレガンはそのものが非合法なので行政の干渉がなく、百パーセント市場原理の中に投げ出されるために需給バランスの原則が如実に反映される。ひとが集まるところにオンプレガンはやってくる。鉄道駅、空港、公共輸送機関が走らない工業団地の中・・・・
ジャカルタの、ひいてはインドネシアの、表玄関にあたるスカルノハッタ空港でもオンプレガンがいないはずはない。いっときはまるで下町のパサルのような状況だったスカルノハッタ空港もここしばらくは管理が強められて到着ロビーの客引きの姿が減っている印象が強いが、トランクを引きずりながら駐車場に向かえば、いったい何人の客引きに声をかけられるかわからない。 スカルノハッタ空港管理会社アンカサプラ?は国の表玄関であるその空港の秩序立てを真剣に進めており、ここ一二年の変化は賞賛に値すると言える。ターミナル周辺の交通システム、タクシー客待ちシステム、ターミナル間移動などいくつかの変化がもたらされて状況は改善されているようにわたしには思える。しかし頭を叩いても叩いてもどこかの穴からまた頭を出してくるもぐら叩きに似てオンプレガン問題は対立的解決が労多くして功少なく、かれらが空港周辺から決して消えてなくなるものではない、ということに管理会社は気付いたようで、オンプレガンを締め出すよりもかれらを抱き込んで秩序付ける方が有効であるという方針転換を行ったらしい。そのためGaruda Biru, Silvera, コペラシ(協同組合)の三つの事業体を作って空港周辺に稼ぎを求めて集まって来ているオンプレガンたちはそのいずれかに糾合するということにした。コンセプトは運送チャーター事業を行うそれら事業体が登録されているオンプレガンに乗客を運ばせるというシナリオだそうだが、運通省はこれが前例となって各地に飛び火することを懸念して慎重な検討を加えている。plat hitam 車輌の営業用利用は上で見たようにチャーターやレンタル事業として認められており、空港周辺で同じことをして何が悪い、ということになるのだろうが、運通省陸運総局は黒ナンバープレート車の営業用利用合法化を空港管理会社が進めていることに良い顔をしていない。国際空港としてのスカルノハッタでタクシーの需給バランスを練り上げた上で行っている現在のポリシーが崩れてしまうことを運通省側は懸念しているがアンカサプラ?は、顧客セグメントがまったく違っていて必要以上の競合は起こらない、と運通省への説得を試みている。


「ライオンエアーのフルサービスフライト」(2007年6月20日)
ローコストキャリヤー業界大手の道を歩んできたライオンエアーがいよいよフルサービスフライトを売り出す。国際線への進出拡大とフルサービスビジネスをツーインワンで行う戦略を立てたライオンエアーは、新規購入予定のB737−900ER型60機のうちの6機をエコノミークラスのないビジネス・エグゼキュティブクラス専用機として改造し、フルサービス路線に就航させる。座席数213を備えたB737−900ER型から座席を大幅に減らし、90席だけにしてビジネスクラス専用としたその6機はこの年末から国際線はジャカルタ〜シンガポール線に、国内ではジャカルタ〜スラバヤ線に投入される予定。この路線選択については、その二路線でビジネス客エグゼキュティブ客のシェアが高いというサーベイ結果を参考にしており、より高品質のサービスを求めるそれらの階層にオファーされるべきサービスとしてふさわしいから、とルスディ・キラナ代表取締役は説明している。そうではあっても、ライオンエアーのエコノミークラスより高い料金になるのは疑いないものの、他のフルサービス航空会社の料金に比べればはるかに競争力は高い、とライオンエアー側は自信をのぞかせている。座席数を減らしてより快適なシートに変更したのは同社の顧客サービスクオリティに関するコミットメントの表れだ。他の路線にそのビジネス・エグゼキュティブフライトを投入するかどうかは市場性次第であり、他の路線ではそのサービスを味わえないということを意味しているのでは決してない、とライオンエアーのマネージメントは語っている。
ライオンエアーは将来的にマカッサルをインドネシア東部地域のハブとして利用する構想を立て、複数のハブを持ってより広範なエリアをカバーすることを計画している。ボーイング社に60機を発注した737−900ER型は1号機2号機が既にインドネシアに到着しており、インドネシア東部地域でのオペレーションに投入される。


「低料金は低サービス」(2007年6月26日)
2007年4月26日付けコンパス紙への投書"Pengalaman Buruk dengan Wings Air"から
拝啓、編集部殿。わたしは2007年4月9日午前11時25分ジャカルタ発ジョクジャ行きウイングス/ライオンエアーの航空券を持って当日空港へ行きました。待合室に入ると職員が出発は60分ほど遅れると言いましたが、わたしは毎回そのような目にあっているので取り立てておかしいとは思いませんでした。ところが14時になっても出発する気配がありません。数人の職員に尋ねたところ、実にさまざまな返事が返って来ました。「マナドからの飛行機が到着するのを待っている」「機体に故障がある」「いま飛行機を準備しているところだ」「パイロットが飛行を拒否しており、別のパイロットを探している」職員ごとにみんな返事が違うという、実に十人十色です。
あるのはただただ不確定だけで、この航空会社の管理システムが怖くなってきたので、乗客の中に何人か航空券の払い戻しを求めるひとが出ました。わたしもそのひとりです。ところが払い戻しのお金をもらうのに1時間以上かかりました。わたしがお金を返してもらったのは15時15分ごろで、それも職員の仕事のしかたがだらだらと時間を引き延ばしているように思えたので抗議した結果です。わたしはそれから慌てて別の航空会社の16時発の便に乗るために第2ターミナルへ急ぎました。わたしはウイングス/ライオンエアーに大損を掛けられましたがそれはもう決着がついたものと考え、今後は二度とその会社に関係を持たないことを決めました。
まるでカキリマ並みのその航空会社がガルーダと同じカテゴリーに入っているなんて、航空監査機関はいったいどうなっているんでしょうか?利用者を好きなように弄ばないよう航空会社をしっかり監督する機関はないのでしょうか?[ ジョクジャ在住、ヤヒヤ・ウィジャヤ ]


「ヘリムジン」(2007年6月27日)
ヘリコプターリムジン略してヘリムジン(helimousine)。地上の混雑を尻目に都内からスカルノハッタ空港にヘリで飛ぶ空のタクシーがいま好評。PT Air Pacific Utama が運行させているこのサービスはHelimousine Airport Transfer という名称。都内はJl Prapatan にあるHotel Aryaduta、Jl Gatot Subroto にあるCitra Graha ビル、Jl Jend. Sudirman にあるHotel Aston Semanggi にそれぞれ設けられたヘリパッドとスカルノハッタ空港を結んで飛んでいるこの空のタクシーはひとり片道3百万ルピアでふたり以上の乗客数が運行の条件となっている。使用されているヘリは2000年製ベル407型2機で、毎日午前6時から18時までが営業時間。もちろんタクシー以外のチャーターも可能であり、1時間あたり1,500ドルで借り切ることもできる。その場合は1時間未満でも1時間と計算される。客席数は5つでクルーがふたり乗務する。
1996年に設立されたエアパシフィック社は最初タングランにあるリッポカラワチの上級マネージメントたちを都内のリッポグループ本社に送り迎えする仕事から始まった。なにしろトップエグゼキュティブたちが交通渋滞に巻き込まれていつ到着するかわからないのでは事業の決断に差し障る。こうしてリッポカラワチ経営者たちの足として使われていたこのヘリ空運サービス会社も最近になって事業の間口を広げることにした。5月初から開始した空港ヘリムジンサービスはきわめて好評で、毎日8〜10回のフライトを行っているとのこと。上空1千フィートのジャカルタの空を散歩してみたい方にもよい機会かもしれない。連絡先は下のとおり。
住所 Heliport Lippo Karawaci
Boulevard Diponegoro, Lippo Karawaci Tangerang 15811
Tel: 021-546-9988 Fax: 021-546-9987
Reservation and marketing: 021-5577-7911


「払い戻しは時間がかかる」(2007年6月27日)
2007年4月26日付けコンパス紙への投書"Pelayanan Multiplus dan Adam Air"から
拝啓、編集部殿。2007年3月13日19時ごろ、わたしと友人は南ジャカルタ市チネレラヤのセゴン通りにあるマルチプラスでジョクジャ行きの航空券を2枚買いました。2007年3月15日9時半発アダムエアーのフライトで、金額は39万8千ルピアでした。2007年3月14日13時ごろアダムエアーからわたしに電話が入り、9時半発のフライトは機体修理のためにキャンセルになったので航空券の料金は購入場所で満額払い戻しされる、と連絡してきました。その電話のあとすぐにわたしはそれを確認するためにチネレのマルチプラスに電話しました。ところがマルチプラス担当者は、わたしが払ったお金をもうアダムエアーに納めたので返金できないと言うのです。
言うことがそれぞれ違っているためわたしがアダムエアーに電話してどうなっているのか確認したところ、チネレのマルチプラスが払い戻ししなければならないのだ、とアダムエアー側は譲りません。双方との電話の仲介で疲れてしまったので、わたしはその日の夜チネレのマルチプラスを訪れ、二週間以内に払い戻しをしてもらうという約束でマルチプラスに航空券を渡しました。ところが二週間を過ぎてもマルチプラスからの連絡はなく、4月2日にわたしはマルチプラスに電話して結果を尋ねました。しかしマルチプラスは確定的なことが何も言えず、その日16時ごろわたしに回答するということで電話を切りました。ところが待てど暮らせど電話は来ず、結局17時過ぎてからわたしがマルチプラスに電話する結果となりました。するとどうでしょう、わたしに約束したその職員はもうチネレのマルチプラスで働いておらず、わたしの航空券はアダムエアーでプロセス中なので払い戻しはまだできないという返事でした。またまたいつ払い戻ししてもらえるのかわからない、「待て」「待て」「待て」の話しです。チネレのマルチプラスとアダムエアーはちゃんと責任を果たしてください。[ デポッ在住、ワヒユ・ダマヤンティ ]
2007年5月9日付けコンパス紙に掲載されたマルチプラスからの回答
拝啓、編集部殿。ワヒユ・ダマヤンティさんからの2007年4月26日付けコンパス紙に掲載された投書に関して、マルチプラスのマネージメントは4月27日にご本人のお宅を訪問してその問題の解決を行いました。アダムエアー航空券の払い戻しを求めるクレームに対し、チネレのマルチプラスマネージメントはその消費者への返金を行いました。これにてその問題は良好に解決したことをお知らせします。[ MBCブランドマネージャー、カタリン・タノト ]


「ガルーダ航空が国内唯一の優良航空会社に浮上」(2007年6月29日)
2007年3月22日に運通省空運総局が公表した国内旅客航空会社のランク付けは三ヵ月後の再審査で各航空会社の命運が決まるという条件付のものだった。審査は、機体整備、航空機事故事件発生件数、乗組員の状況、人材、管理、航空機運航など20の項目をカバーし、そのそれぞれに対してゼロから10ポイントの評価を与えるという方式で、ポイント合計が161〜200に入っていればカテゴリー1にランクされ、その下の121〜160ポイントのレンジに合計点数が入ればカテゴリー2にランクされ、120ポイント未満の場合はカテゴリー3に位置付けられ、三ヵ月後の再審査でカテゴリー3から脱出できない空運オペレータに対しては運航許可を凍結しあるいは航空運送事業許可を取り消すと空運総局長は発言していた。詳細については「国内線に優良航空会社はない」(2007年3月27日)を参照ください。
乗客30人を超える運送能力を持つ航空機を運航させている定期不定期航空会社に対する民間航空法第121章にもとづく審査の対象となった21社については、前回最高ポイントの146を得ながらもカテゴリー2に入ってしまったガルーダ航空が今回も最高得点の168ポイントを得て単独カテゴリー1に入ったほかは大半がカテゴリー2と評価された。前回カテゴリー3だった6社はJatayu Gelang Sejahtera を除いてカテゴリー2に浮上し、空運事業凍結の危機を免れた。ジャタユ社は運行オペレーションをストップしており今回の審査結果も劣ったものであったことから、運通省は同社に対する空運事業許可を取り消した。
同時に行われた乗客30人未満の航空機を運航させている定期不定期航空会社に対する民間航空法第135章にもとづく審査結果からは、前回カテゴリー3だったProdexim, Alfa Trans Dirgantara, Aviasi Upataraksa Indonesia, Survei Udara Penas, Atlas Deltastya, Kura-Kura Aviation, SMAC, Germania Trisilia Air の8社は改善が見られずカテゴリー3から抜け出すことができなかったために航空運送事業許可凍結の措置がくだされた。またAir Transport Services, Sayap Garuda Indah, Helizonaの三社は審査の対象となる条件に欠けているとして三ヵ月後の再審査は実施されなかった。