インドネシア交通情報2013〜14年


「やることなすこと泥臭いスカルノハッタ空港」(2013年5月2日)
2013年2月2日付けコンパス紙への投書"Perbaikan Layanan Bandara Soekarno-Hatta Mendesak"から
拝啓、編集部殿。政府は外国からの事業投資者や観光客が首都ジャカルタにやってくることを期待しています。それをサポートするには、空港利用者が不満に思っていることをスカルノハッタ空港運営者のPTアンカサプラが敏感に反応して改善する能力を持たなければなりません。特にターミナル2Dと2Eについての改善は最優先です。
わたしが航空機乗客として観察し且つ体験したことのひとつは、バゲージが出てくるのに一時間も待たされることで、おまけに複数フライトのバゲージがひとつのコンベヤーに乗せられてくることです。
大勢の乗客が目を皿のようにしてコンベヤー上で自分のバゲージを探していると、突然誰かが「シンガポールからの○便はベルト番号Xに変わった」と大声で叫びます。すると○便の乗客たちは一斉にカートを押してベルト番号Xに向かって走ります。押し合いへし合い、カートをぶつけながら。どうしてもっとスマートな案内のし方ができないのでしょうか?大声で叫ばなくてもよいでしょうに。おまけにその叫び声の主が空港職員なのかあるいはいったい誰なのかがはっきりしないのですから。
どの国でも、荷物検査のグリーンレーンは申告貨物のない入国者が国内へ入る通路になっていますが、スカルノハッタ空港ではそんな乗客が持ってくる手荷物をひとつずつ検査器の中に入れなければなりません。おかげでそこに長蛇の列が作られます。これは入国者、特に外国人入国者に嫌気を起こさせるものです。嘘つき入国者が手荷物やラップトップの中に何かを隠しているのではないかという疑心暗鬼をどうやら官憲が抱いていることをまざまざと見せつけています。外国の空港では、グリーンレーン検査官はそこを通って出て行く入国者の様子を見守っているだけであり、特に疑惑が生じたときだけ荷物検査を行なっているのです。スカルノハッタ空港での業務改善は緊急事項です。[ 西ジャカルタ市在住、ロベルトゥス・ヘンダルト ]


「八つ当たりするタクシー運転手」(2013年5月3日)
2013年1月5日付けコンパス紙への投書"Sewa Mobil di Gerai Golden Bird Soekarno-Hatta"から
拝啓、編集部殿。わたしどもは2012年12月22日13時40分ごろ、スカルノハッタ空港1Cターミナルにあるゴールデンバードリムジン&カーレンタルのサービスを利用しました。わたしどもはブカシのジャティアシに向かうため、シルバー色のトヨタアヴァンザ、プレート番号B15xxSZJを一台チャーターしました。運転手の名前は「N」氏です。
トラブルはこういうことでした。乗客のわたしどもは安全を希望して、たたまれている一番後部のシートを開くよう求めましたが、N氏はあれこれ理屈をこねて難色を示しました。わたしどもがしつこく何度も依頼したのでN氏は怒り出しました。最終的にわたしどもの依頼に従うには従ったのですが、そのあとN氏は怒りを発散させ、とても荒っぽい運転をして八つ当たりしたのです。真ん中の座席に座っていた者は道中吐き気を催し続けでした。
運転手はまだそれにあきたらず、そんな八つ当たり運転の最中にいったい誰と話をしているのか、携帯電話で話し続け、乗客に事故の不安と不愉快さを与え続けたのです。わたしどもの連れていた小さい子供二人は運転手のそんな行為によって精神に抑圧を受けました。
それとは別にN氏は、ブカシバラッ料金所から一般道に出たいのなら自動車道料金を追加しろと言うのです。会社から出ている費用はジャティブニン料金所までの分しかないというのがかれの理由でしたが、わたしがスカルノハッタ空港1Cターミナルにあるゴールデンバードリムジン&カーレンタルカウンターでオーダーの際に職員にそのことは確かめてあります。料金の中にはブカシバラッまでの自動車道利用料金が含まれているのです。目的地に到着して運転手がわたしどもにサインを求めたオーダーフォームにはそのことが明記されていました。会社側は運転手にブカシバラッ料金所で一般道に出るための費用を渡してあるのです。
ブルーバードグループがこれまで築き上げた名声と評判に対してN氏の行為は、純白のミルク壺に落ちた一滴の藍汁に他なりません。[ ボゴール県グヌンプトリ在住、ノノ W ]
2013年2月9日付けコンパス紙に掲載されたブルーバードグループからの回答
拝啓、編集部殿。2013年1月5日付けコンパス紙に掲載されたノノさんからの投書についてお答えします。まずノノさんが不愉快さを体験されたことに対してお詫び申し上げます。この問題のフォローアップとして当方は、今後その運転手がゴールデンバードの標準サービスを顧客に提供できるよう、警告と指導を与えました。
ブルーバードグループのお客様は、苦情がありましたらカスタマーサービス部門電話番号(021)7971245あるいはeメールcustomercare@bluebirdgroup.comへお知らせください。苦情には、タクシー車体番号、問題発生日時、そして通行ルートに関するデータをお忘れなく。[ ブルーバードグループカスタマーサービス課長、バユ・クリスティアディ ]


「カード式乗車への移行が進む」(2013年5月8・9日)
首都圏近郊電車とトランスジャカルタバスで電子式カードによる料金支払いのトライアルが行なわれている。この措置は複合輸送の統合的開発に大きな可能性を開くものだ。
PT KAIコミュータージャボデタベッはジャカルタコタ〜デポッ間で電車料金の電子式支払いトライアルを開始した。トライアルは2013年6月まで続けられたあと、本格稼動に入ることになっている。その間、同社はシステム稼動・職員の業務適応・プラットフォームへの出入り厳格化などの確認を行い、また利用者に対する社会告知を活発化させることにしている。今使われているカード式乗車券は片道一回限りのもの。しかし6月からの本格稼動では、乗客はプリペイドカードを購入して乗車のたびに残高が引き落とされる方式に変更される。
ジャカルタコタからデポッへの区間がトライアル路線に選ばれたのは、カード法式を実施する設備とインフラがもっとも整っているからだ。カードは二種類用意され、赤色がコミューターライン乗車用、緑色はエコノミー電車乗客用。二種類の列車が運行され、カードが二種類あるため、検札員の車内チェックでは、検札員はカードリーダーを持ち歩いて乗客が持っているカードの有効期限と残高をチェックしている。しかしデポッからジャカルタへの逆方向の路線は、都内環状線の駅でまだカード方式の態勢が整っていないため、当面見送られている。
国鉄第1事業区は、乗車料金支払いの電子化つまり乗車券のカード化は、プラットフォームが乗客専用になり、プラットフォームへの出入りが完璧に管理された場所を通ってしかできないようにならなければ実施できない、と先に各駅で行なわれたプラットフォームでのカキリマ売場排除の理由を説明している。
一方、トランスジャカルタバスでは、2013年5月からすべてのルートでカードを使った乗車料金支払いのための設備を整える計画。4月末時点で既にその態勢に入っているのは、全11ルート中で第1,3,5,7ルートだけ。
このトランスジャカルタバス用プリペイドカードはBCA・マンディリ・BRI・BNI・DKI銀行の5銀行が取扱っており、上の4ルートではすべての停留所に各銀行の残高補充用マシーンが設置されている。このプリペイドカードを持っているトランスジャカルタバス利用者は停留所窓口へ行く必要がなく、持っているカードを検札機に接触させるだけでバス乗り場に入ることができる。料金はカードを接触させた時点で残高から引き落とされる。
2013年4月時点で、カードを使っている乗客はまだ全体の6%しかないが、トランスジャカルタバス運営者は利用者が雪だるま式に膨れ上がることを期待している。現在まだメインに行なわれている現金を使う方式では、バス運営者はつり銭用に5百ルピアと1千ルピアの小銭を毎日4千万ルピア分も用意しなければならず、この手のかかる仕事がなくなることを期待しているためだ。時につり銭が切れると、客はつりをもらえなくなり、苦情のタネになる。
トランスジャカルタバス運営者の計画では、5月中に全11ルート227停留所にプリペイドカード利用のための設備を完備することになっている。それが完了した暁には、すべての乗客にカードを利用してもらうために乗車券販売窓口は閉鎖され、カード利用者に対するサービス係りが窓口にいるだけという形に変更されることになっている。その場合、現金で乗車券を買うことはもうできなくなる。


「かみ合わない主張」(2013年5月11日)
2013年1月11日付けコンパス紙への投書"Waspadai SMS dari Citilink"から
拝啓、編集部殿。2012年11月22日、わたしはインターネットで11月27日スラバヤ発ジャカルタ行きシティリンクの航空券を二人分購入しました。購入プロセスはまったく順調でした。
11月27日当日の朝、わたしはトラヴェルを利用してスラバヤに向かいました。夕方の16時12分ごろ、わたしが乗るフライトの出発予定時間19時40分が20時50分に遅れるというSMSがシティリンクから届きました。
20時にわたしはスラバヤのジュアンダ空港に到着しており、すぐにチェックインカウンターに進みました。ところがわたしのチェックインは、機内の座席がもう一杯になっているという理由で拒否されたのです。20時にチェックイン手続きをしたというのに。
わたしが苦情すると、航空券販売窓口へ行くように言われました。窓口でわたしは、規定にしたがって19時にチェックインするべきだったと言われました。それはちょっとおかしいじゃありませんか?
何日も前に航空券を買ったというのに、自分が乗るべきフライトの機内に自分の座るべき座席が残されていないなんて、どうしてそんなことが起こり得るのでしょうか?シティリンクは座席の数よりたくさんの人間に航空券を販売しているように思われます。航空券を買った者がチェックインできなければ、その航空券は焦げ付き、どうしても乗りたい者は新しい航空券を買わざるをえなくなるわけです。
そのとき、わたしのほかにも数人チェックインを拒まれたひとがいました。わたしは翌朝のフライトに乗るために仕方なく新しい航空券を買いました。なぜなら、親が検診を受けるためにどうしてもジャカルタへ行かなければならなかったからです。[ 東ジャワ州マディウン市在住、ユリアン・アナント ]
2013年1月26日付けコンパス紙に掲載されたシティリンクからの回答
拝啓、編集部殿。ユリアン・アナントさんからの2013年1月11日付けコンパス紙に掲載された投書についてお答えいたします。ユリアンさんのご不快について、まずお詫び申し上げます。2012年11月27日のQG808便フライトスケジュールは20時50分に変更されました。その変更はシティリンクコールセンターからSMSで全乗客に通知されています。
チェックインプロセスは順調に行なわれ、おまけにチェックインがクローズされたのは出発予定時刻の20分前でした。つまり20時30分にクローズされており、搭乗予定者には平常よりも10分余計にチェックイン手続き時間が与えられたことをそれは意味しています。
もしチェックイン時間に遅れた乗客があれば、チェックイン係員は航空券の控えにその時間を記録するという対応をスラバヤでは行なっています。ユリアンさんの苦情については、当方の継続的な評価と改善の努力のために、将来航空券の控えを添えて苦情を届け出ていただくようお願い申し上げます。
乗客の快適さと満足を確保するために、空港情報・スケジュール・バゲージなどの規定に常に関心を持ってください。航空券に対する条件や決まりも同様です。それらの内容についてはwww.citilink.co.idにアクセスいただくか、シティリンクコールセンターダイヤル0804 1 080808にコンタクトください。[ PTシティリンクインドネシア販売広報担当副社長、アリスト・クリスタンディヨ ]


「デポッ〜空港間アクセス」(2013年5月20日)
2013年1月10日付けコンパス紙への投書"Depok-Bandara Kian Mahal"から
拝啓、編集部殿。わたしは業務でいくつかの地方都市に移り住んだあと、15年ぶりに西ジャワ州デポッ市に戻ってきました。またデポッに住もうと考えた大きな理由は、首都圏内の移動に近郊電車網が便利だということでした。ところが利便性が低下している面がありました。その筆頭はスカルノハッタ空港へのアクセスです。
公共運送機関を使ってスカルノハッタ空港へアクセスする場合、下限タリフのタクシーだと19万ルピア前後かかります。デポッから空港行きダムリバスはもう運行していません。きっと、ますます激化している交通渋滞のためなのでしょう。しかし現在はチジャゴ(Cijago)経由で自動車専用道がつながっているので、ダムリバスの運行を再開できるのではありませんか?
首都圏近郊電車を使って、ガンビル駅からダムリバスで空港へ行くという代替方法がデポッ市民に利用されていましたが、いまや近郊電車はガンビル駅に停まらなくなってしまいました。おかげでガンビルにもっとも近い駅で下車し、他の交通機関を利用してガンビル駅に行かなければならず、デポッ市民にとっては踏んだり蹴ったりの状況です。利用する交通機関が増えるために出費が増加するだけでなく、時間も余分にかかるのですから。
その結果、デポッ市民がスカルノハッタ空港へ公共運送機関で行こうとする場合、タクシーに頼るしかなくなってしまいました。一番廉いタクシーを使ってさえ、けっこう高い出費になります。反対にスカルノハッタ空港からデポッへ行く場合、一番廉いタクシー料金でも23万ルピア前後になります。ダムリバスや首都圏近郊電車で行くことができるなら、デポッからスカルノハッタ空港へはどんなに高くても片道2万9千ルピア程度だというのに。[ デポッ在住、ダニエル・クリスタント ]


「迎車時間が守れないブルーバード」(2013年5月21日)
2013年1月15日付けコンパス紙への投書"Blue Bird Dilanda Jam Karet"から
拝啓、編集部殿。わたしはブルーバードタクシーの常連利用者です。最近ブルーバードのサービスに繰り返し不満を覚えています。一〜二回30分程度の遅れがあったくらいなら、わたしは苦情を言いません。ところが、サービスのクオリティがどんどん低下しているのです。 わたしはcustomercare@bluebird.comにe-メールで下の苦情を訴えています。2012年6月12日、わたしはブルーバードタクシーで家から出ようと考え、その前日に注文しました。しかしタクシーは合意した時間から20分遅れてやってきました。おまけに運転手は道を知らず、あちこちをうろうろと走り続けてうんざりでした。
しかしブルーバード側からわたしの苦情への反応がありません。似たようなことは2012年11月28日にも繰り返されました。タクシーの迎えが15分遅れたのです。
しかし次の二度のできごとで、わたしの忍耐心は砕かれました。2012年12月9日、わたしは翌10日午前6時20分の迎えを依頼しました。ところが6時25分まで待ってもタクシーが現われません。わたしはブルーバードサービス79171234番に電話して、タクシーがどこにいるのかを尋ねました。返事は、わたしを迎えに来るタクシーがまだなくて、迎えに行けるタクシーを探しているところだと言うのです。ひどいことに、わたしにはその連絡がまったくありませんでした。プロフェッショナルで信頼できるタクシーサービスを自認するブルーバードがどうして似たような失敗を繰り返しているのでしょう。
次のできごとは2012年12月12日に起こりました。前夜、午前7時半の迎えをわたしは依頼しました。ところが7時半にタクシーはやってきていません。今回は7時半ちょうどに、迎えに来れるタクシーがまだなく、探しているところだという連絡がありました。そして、最終的にタクシーが来たのは8時でした。30分も遅延したのです。[ 西ジャカルタ市クブンジュルッ在住、レギナ・インドリアナ ]
2013年2月14日付けコンパス紙に掲載されたブルーバードタクシーからの回答
拝啓、編集部殿。レギナ・インドリアナさんからの2013年1月15日付けコンパス紙に掲載された投書について、お詫び申し上げるとともに次の通り説明いたします。
繁忙時間帯にはタクシーがすべて利用中になり、加えて道路渋滞が激しくなるために、タクシーの迎えが遅れがちになるという事情をまず申し上げたいと存じます。
そうではあっても、当方はサービス上の至らぬ点を改善するべく努力を重ねる所存でございます。サービスに関するご不満は直接弊社カスタマーサービス、電話(021)797−1245あるいはe−メールcustomercara@bluebirdgroup.comにご連絡ください。苦情については、日付、発生時間、タクシー番号および通行ルートのデータをお忘れなく。[ ブルーバードカスタマーサービス課長、バユ・クリスティアディ ]


「首都圏近郊電車に6月1日から変化」(2013年5月22日)
国鉄の首都圏近郊電車コミュータージャボデタベッは2013年6月1日から乗車券の電子化と乗車料金の区間制を導入する。
国鉄側は改札口の自動化を進めており、当面、電車を利用したいひとは目的地までの料金でカードを購入し、降車駅でそのカードは国鉄側に回収されるという方式を採るが、将来的には料金引き落としタイプのカードに変更されてカードは利用者が残高を管理しつつ常に持ち歩くスタイルに変わる。
料金も、これまではエコノミーやエグゼキュティブなど列車の種類に応じて料金が異なるだけで、一度乗ればどこで降りようが同一料金だったものが、どこで乗りどこで降りたかで異なる料金が適用されるようになる。新料金は乗車駅から5駅の範囲内であれば一律3千ルピア、その区間を越えると3駅ごとに1千ルピアアップするというシステムが使われる。
ただし交錯する路線で乗り換えが行なわれる場合、国鉄の料金システムは最短の駅数が使われたものとして計算するため、上の原則とは合わないことも起こる。たとえばボゴール駅からジャティヌガラ駅へ行く乗客は23駅を通過することになるが、国鉄のシステムはボゴール⇒マンガライ⇒ジャティヌガラというルート計算を行なうため、その間にある駅数は17駅として勘定され、料金は9千ルピアでなく7千ルピアになる。
コミュータージャボデタベッはまた電車内に持ち込める荷物に関する規定をも改めた。乗客が車内に手続き不要で持ち込める荷物は最大40x30x100センチメーターの大きさが限度になる。原則は手で携えることのできるものに限られ、且つ車内に備えられている網棚に載せられるものでなければならない。巨大な荷物を持ち込んでほかの乗客のためのスペースを減らすことは認められないということで、従来はそのような場合切符をもうひとり分買えば荷物の持ち込みを認められたが、そのような代案は廃止されて、持ち込みは完全禁止となる。またここ数年の自転車ブームに沿って、折畳み自転車は電車内持込が許される。
国鉄は長距離列車に貨物専用車両を連結して大型荷物を運びたい乗客に便宜をはかっているが、首都圏近郊電車はそのようなことを行なっていないし、行なったこともない。今はコミュータージャボデタベックが子会社として分離されており、管理運営が別系統になっているが、かつては同じ国鉄の中で別部門として運営されていた経緯があり、大型荷物の持込については混同が乗客にも従業員にもあった。今回の規定でそれを明白に区別する管理体制が整えられたわけで、あとは近郊電車の利用者に社会告知を励行していくことが残された課題だ。


「ベンツ車のメンテナンスサービス」
2013年1月10日付けコンパス紙への投書"Purnajual Mercedes Mengecewakan"から
拝啓、編集部殿。2010年にジャカルタのモールで開催されたメルセデスベンツの展示会でわたしの気に入った車が見つかったので、ベンツディーラーのひとつから購入しました。わたしはカリマンタンに住んでいますが、ベンツ側の説明によれば、公認ディーラーのビンタンバリトがわたしの住んでいる町にあり、メルセデスベンツ車の標準サービスができるということでした。
2011年に総合サービスパッケージ番号MHL204.048-AJ-002-753で購入してから、最初のサービスではオイル交換だけで全体のチェックはなされませんでした。2012年に二回目のサービスを行なう前にジャカルタのディーラーたまたま話したとき、パワーステアリングのチェックをするよう勧められました。二回目のサービスでは、ハンドルが左に重いとメカニックが指摘しましたが、サービスはできないとのことでした。そして再びオイル交換だけが行なわれ、どこか余所の修理工房でホイールバランス調整を行なうよう勧められました。そしてメカニックはパワーステアリングのチェックが行なわれたという書類を持ってきてわたしにサインするよう要求しました。
それからおよそひと月後、わたしは車をまたその修理工房に持ち込みました。ステアリングオイルがほとんど無くなっており、ハンドルが左に重くなったからです。わたしの買った車種はすべてそれが普通なのだとメカニックは説明しました。そして新しいステアリングオイルはバリッパパンからオーダーするため二週間待たなければならないが、もしわたしがそこの在庫品を買うならすぐに修理できると言うのです。他のいくつかの問題も含めて、わたしはeメールでジャカルタのメルセデスベンツに苦情を送りました。
三年間無料サービスが受けられると宣伝しているメルセデスベンツの購入者に対するサービス内容はこんなものなのですか?メルセデスベンツは公認ディーラーのメンテナンスサービスに規準を設けていないのですか?わたしが買ったベンツ車に対するサービスはいったいどうなるのですか?メルセデスベンツ車のアフターサービスにはたいへんがっかりしました。[ 南カリマンタン州東バンジャルマシン在住、サムエル・トビン ]
2013年2月4日付けコンパス紙に掲載されたメルセデスベンツインドネシアからの回答
拝啓、編集部殿。サムエル・トビンさんからの2013年1月10日付けコンパス紙に掲載された投書についてお知らせします。PTビンタンバリトモトルを代表してデディ・プトラ氏が1月16日にサムエルさんにお会いし、メンテナンスサービス全体のメカニズムとアフターサービスの標準プロセスを説明申し上げました。サムエルさんはその説明を了承くださいました。サムエルさんのお車の修理も完了しており、車は購入当初のように完全に機能が回復されています。ご不快を与えたことをお詫び申し上げます。[ PTメルセデスベンツインドネシア企業広報担当取締役デピュティ、ヴェラ・マッキ ]


「ロンボッの快適道路はいつまでもつか?」(2013年5月28日)
開業して1年半が経ったロンボッ国際空港のおかげで、ロンボッ島内には素晴らしい道路ができた。破損のないスムースなアスファルト道路は国際空港とマタラム市内を結び、更にスンギギビーチ、そしてスンバワ島に渡るフェリーの出るカヤガン(Kayangan)港へと伸びている。道路を利用する地元民は、これまで滅多に与えられなかったその高品質の道路インフラを享受する一方で、それがいつジャワ・スマトラで当たり前の光景になっている穴だらけの歪んだ街道になるかもしれないとの不安に心を痛めている。
ジャワ・スマトラの街道をえぐって大きな爪あとをこしらえている元凶は、ひっきりなしに街道を通過している大型トラックたちだ。大型トラックは荷台をまるで大きな一軒の家のようにしつらえ、各道路がその構造上耐えることのできる荷重の規定を無視し、おまけに道路交通安全を考慮して定められているトラックの車軸荷重さえも無視し、自分と周囲をボロボロにしながら荷主が求める経済効率の実現に邁進している。大型トラックはたいていが荷台を改造してより大きなものにしており、そこに生活基幹物資を山のように積んで街道を時速20キロ以下でノロノロ走るため、後ろに長い車列ができるのが普通であり、おかげでジャワ島を走る自家用車は交通繁華な対向二車線道路での追い越し技術に熟達する。
西ヌサトゥンガラ州運輸情報通信局長は、ロンボッ島を通るトラックの7〜8割は貨物重量制限違反車だと語る。もちろん、ジャワ・スマトラと同様に、貨物運送車両の重量違反を取締るための計量ポイントがロンボッ島内にもあって定められた機能を果たしているのだが、現場の状況はそう単純ではないそうだ。「多くのトラックを取締っているが、違反トラックは運転免許証(SIM)も自動車番号登録証(STNK)も持っていない。かれらはロンボッに来るまでに、既に取締りを受けているのだ。取り上げることのできる公的書類を持っていないのだから、運転手や車両を拘禁するしかない。ところが計量所には違反車を拘置する場所も、荷物を保管する施設も用意されていない。腐りやすい荷物などを取り上げたら、今度はその腐敗物の投棄処理がたいへんになる。そう考えたら、計量所職員は手も足も出なくなる。道路インフラを破損させる貨物運搬車両の違反行為は、もっと上流のところで厳しく取締らなければだめだ。罰則にしても、この違反は軽犯罪にしか当たらないため、最高50万ルピアの罰金あるいは拘留2ヶ月になっている。罰金を払ってでも違反を犯したほうが、経済的に得をすることになる。工業省もこの状況の改善にひと役買うことができる。トラックの運搬能力に応じた車軸数の規定を製造業界に対して定めることだ。世界中で道路の耐荷重能力は10トンというのが常識になっている。しかしテクノロジーの進歩でトラック製造業界は車軸耐荷重が20トンのものでも30トンでも自在に作ることができるようになっている。道路を壊さないものを作らせるという統制が行なわれなければならない。」州運輸情報通信局長は、今のままではせっかく島内に作られた素晴らしい道路がボロボロにされる日が何年か先には訪れるだろうとの危惧を抱いている。


「勘違いのかたまり?!」(2013年5月29日)
2013年1月18日付けコンパス紙への投書"Waspadai Palang Pintu Kereta di Lempuyangan, Yogyakarta"から
拝啓、編集部殿。これはヨグヤカルタでのできごとです。2012年11月16日(金)夕方4時ごろ、わたしと夫と末っ子の三人はドゥタワチャナキリスト教大学方面からバチロに向かって車を走らせていました。ルンプヤガン立体交差下の鉄道線路の踏み切りを渡るとき、その10メートルほど手前で遮断機が上がるのが見えましたので、わたしどもは前の車の後について踏み切りに入りました。
車がまだ鉄道線路の上にあるとき、遮断機が突然降りてきて車の屋根の左側に当たったのです。でも遮断機を下ろす際の警報音や警告ランプ点滅はまったくありませんでした。右側のルンプヤガン駅のほうを見ると、列車がヘッドランプを点けて今まさに発車しようとしているではありませんか。わたしどもがパニックに陥らないはずがありません。
幸いなことに遮断機がまた上にあがったので、わたしどもは即座に車を線路の上から動かしました。しばらくして列車はわたしどもの後ろを通り過ぎて行きました。子供の話では、前日14時ごろもルンプヤガン駅西側のトゥカガン踏み切りで同じようなできごとがあったそうです。
踏み切り遮断機操作員にお願いします。どうか安全のために鉄道踏み切りにある全設備を正しく操作してください。わたしどもが体験したできごとは生命に関わることがらです。それでも、わたしどもは死から免れ得たことをありがたく思っています。[ 中部ジャワ州スマラン在住、ユリア・アストゥティ ]
2013年1月30日付けコンパス紙に掲載された国鉄からの回答
拝啓、編集部殿。2013年1月18日付けコンパス紙に掲載されたユリア・アストゥティさんからの投書に関して、次の通り説明申し上げます。まず、鉄道線路踏み切りの遮断機操作員は、列車がその踏み切りを安全に通過できるようにするのがその使命です。ユリア・アストゥティさんが通過されたヨグヤカルタのルンプヤガン踏み切りでは特にそうなのです。その横には線路と道路の平面交差を無くすために設けられた立体交差橋があるではありませんか。立体交差をもっと利用していただければどんなによいことでしょう。
遮断機は列車の踏み切り通過の安全を確保するために作られていますが、それでも踏み切り進入前に設けられている警告線や警報その他の標識を守ろうとしない公道利用者があとを絶ちません。遮断機の動きとは関係なく、公道利用者はそれらの標識を順守し、踏み切り進入前の一旦停止を励行して交通安全を図らなければなりません。
遮断機を通過するより、すでに建設されている立体交差を利用するほうがはるかによいではありませんか。以上が当方からの回答です。[ 国鉄ヨグヤ第6事業区広報課長、スリ・ウィナルト ]


「橙から青に、バジャイの世代交代」(2013年6月10・11日)
インド人はバジャジュと発音しているBajajがインドネシアに普及するうち、その発音がバジャイに変化した。これも、地元言語の音韻体系にない音がローカル化した例のひとつだろう。母音を伴わない語尾の[j]の音はインドネシア語にない。その結果、会社名でロゴまでついているBajajのスペルはいじくられないまま、発音はバジャイという音で定着してしまった。インドネシア人の中にも「なんでソ〜なるの?」という疑問を抱くひとたちがたくさんいて、[j]の音が[y]に変化するんだったら「どうしてバヤイと読まないのか?」という更なる疑問の展開を招いている。
これまでインドネシアではガソリンで走るオレンジ色バジャイが普通だったが、数年前から起こっているガソリン消費をガスに転換する政府方針の一環で、ガスを燃料とする青色バジャイへの世代交代が進められている。どうやら青色バジャイのビジネス性はオレンジ色のものに比べて傑出しているらしく、バジャイビジネス関係者の間ではとても儲かるという評判だ。オレンジバジャイ40台を資産にしてタクシー業運転手に賃貸していた南ジャカルタ市のアリフ氏は、青バジャイだと事業効率はとても向上する、と語る。かれは青バジャイに世代交代させるため、ディストリビュータから1台5,850万ルピアで青バジャイを買った。世間ではオレンジバジャイの12時間当たり賃貸料相場が12万5千ルピアだというのに、かれは青バジャイを賃貸料7万5千ルピアにした。青色バジャイは燃料をCNGガスとしているものの、スペアとしてガソリンでも走れるように作られており、自動車用ガス燃料スタンドがガソリンほど普及していないインドネシアでそれは必須の措置であるにちがいない。
青バジャイのビジネス効率のよさは、まず燃費から始まる。タクシー業を行なっているバジャイの一日当たり平均ガソリン消費量は、オレンジバジャイがプレミウムガソリン10リッターに対して青バジャイは5.6リッターだ。一日の運行コストはその燃料費プラス潤滑油0.5リッター。更に青バジャイ運転手の一日の水揚げは6〜8万ルピアで、オレンジバジャイの場合の4〜5万ルピアの二倍近い。売上激増でコスト半減、おまけにオーナーへのストランも6割程度ダウンするとあっては、運転手たちが青バジャイに執心するのも当然の話になる。
ジャカルタにおけるバジャイの世代交代は都庁の政策であり、都庁が煽りをつけたこの政策はまず順調に推移していると見てよいだろう。都庁はこれまで三輪タクシー業界に対してバジャイ一本での監督行政を行なってきたが、昨年末から市場価格4千9百万ルピアの中国産ワンホーブランド三輪車も三輪タクシー事業用使用機種として認められるようになっている。ジャカルタに登録されているバジャイは1万4千台を超えており、世代交代はやっと2,755台が切り換わったばかりだ。
青バジャイの事業効率がたいへん優秀であるとはいえ、バジャイオーナーにとっては青バジャイの価格があまりにも高いことが世代交代のネックになっていると業界者は語る。2005年ごろにオレンジバジャイの保有が進んだときは、一台1千7百万から2千万ルピアでオレンジバジャイが購入できた。それに比べて青バジャイの価格が最高で一台5,940万ルピアというのはあまりにも激しい落差だと見られている。この世代交代という都庁の方針は、既存のオレンジバジャイを青バジャイに取り替えることが原則になっており、そこでは古いオレンジバジャイの下取りが義務付けられている。その下取り分を除く代金の上限が5,940万ルピアということなのだ。政府はその金額引下げのために青バジャイの輸入関税減免の検討を行なっている。


「そこのけ、そこのけ、オレ様が通る」(2013年6月20日)
2013年3月6日付けコンパス紙への投書"Ditlantas Metro Tak Berdaya Menghalau Sirene Pribadi"から
拝啓、編集部殿。最近、公道走行時にサイレンや警光灯を使う違反車両が増えています。その使用は警察・消防車・救急車など特定車両に限定されているというのに、今やジャカルタではたくさんの自家用車がそれを使っているのです。
去る1月6日(日)16時半ごろ北ジャカルタ市クラパガディンの北ブルヴァル通りを通行中だったわたしは、大きなボリュームでサイレンをいつまでも鳴らしている車を目撃しました。車を低速車線に寄せてその音の源を見たところ、最初警察の車と思っていたわたしは、その大音量で警告音を鳴らし続けている車が黒塗り自家用車ホンダシビックB35GBxであることを知りました。
首都警察交通局の現場担当者は、緊急サインのための装備を自家用車が使用するのを抑制できないようですね。自動車の緊急警光灯の使用は法令で規制されているというのに。[ 北ジャカルタ市在住、シギッ・ハルディヤント ]


「収入の三分の一が交通費」(2013年6月28日)
国鉄ジャボデタベッコミューター電車が料金システムの変更を決め、その実施も間近に迫っているが、新料金は国民利用者の購買力に大きい負担をもたらすものである、という調査結果を運輸省が表明した。
運輸省陸運鉄道中級調査官はエコノミー電車利用者230人を対象に行なった調査の結果を公表した。それによれば、回答者の一ヶ月平均収入は225.5万ルピアで、交通費支出はその33.3%にあたる76.1万ルピアであるとのこと。通勤の際に鉄道駅まで行くための支払い能力は6,078ルピア、鉄道乗車券購入のための支払い能力3,196ルピア、降車駅から職場までの交通費支払い能力は5,948ルピアであり、一日の片道通勤費は15,222ルピアとなっている。
国鉄が計画していた新料金システムは通過駅数を規準にした区間制で、ブカシ⇒ジャカルタコタ7,000ルピア、ボゴール⇒ジャカルタコタ9,000ルピア、パルンパンジャン⇒タナアバン5,000ルピア、タングラン⇒ドゥリ4,000ルピアといった利用者の支払い能力を超えるものであったため、中央政府は2013年7月からジャボデタベッコミューターライン乗車券に補助金を適用することを決め、乗車料金は最初の5駅間が2千ルピア、その先は3駅ごとに5百ルピアアップという内容に変更された。


「歩道にベンチを」(2013年7月3日)
都庁は諸方面から得た寄付金で都内主要道路の歩道にベンチを設置しはじめた。第一ステップではスディルマン〜タムリン通りとモナス広場周辺道路に340のベンチが置かれることになっている。その次のステップでは、クブンシリ〜チキニラヤ通りやプラザインドネシア地区に拡大される。それらの場所は歩行者が多いため、優先対象地区とされているのである。
鉄鋳物フレームにチークの板を載せた三人掛けベンチは中部ジャワ州クラテンに発注されたもので、重さは80キロを超える。ベンチは歩道の敷石にボルトで固定され、勝手に移動されないように工夫されている。移動が可能ということは盗まれる可能性が高いことを意味しており、公共設備盗難は日常茶飯事になっていることから、その対策への配慮は不可欠にちがいない。
また意味もなく公共器物を破損するバンダリズムも日常茶飯事であることから、都知事は公園課長に対し、それらのベンチの監視を忘れずに行ない、破損させたり盗もうとする者には厳しい制裁を与えるようにとオーダーした。
現在都内に設けられている歩道は平均して幅4メートルに満たず、一番幅広い歩道は日本大使館前とホテルプルマン前であると公園課長は語っている。


「理想的なバス停モデル?!」(2013年7月15日)
2013年3月18日付けコンパス紙への投書"Halte Bus Diubah Menjadi ATM Perbankan"から
拝啓、編集部殿。数年前に南ジャカルタ市庁舎が南ジャカルタ市プラパンチャ通りに建てられたとき、その表にバス停も作られました。コパジャやメトロミニのバスを利用するひとは、表通りから少し中に入ったそのバス停でバスが来るのを待てばよいのです。それどころか、そのバス停の位置がプラパンチャ通りの繁華は交通の流れからちょっと外れた位置にあるため、バスが客待ち停車しても通りの交通の流れを阻害することはありません。そのとき、わたしはこれが理想的なバス停のモデルだと思いました。
ところがその後、いったいどういう事情によったのか、そのバス停は銀行ATMブースになってしまったのです。そして別のバス停が通りの道路脇に作られました。結果は言うまでもなく、そのバス停でひとが乗降すると、バスの後ろに車が数珠繋ぎになって止まり渋滞が発生します。その変更は普段から交通量の多いプラパンチャ通りの交通渋滞をますます悪化させているのです。
最初に作られたバス停に担当高官がどうして銀行ATM設置を許可したのか、わたしには理解できません。一方、そこをATMブースに使い始めた銀行も、公共スペースをそのよう用途に使うことに躊躇しなかったのは、いったいどういうことなのでしょうか?これは権限を持つ高官と金を持つ者が癒着して行なう公共施設の私物化ではありませんか?[ 南ジャカルタ市在住、アデ・サプトラ ]


「ジャカルタ交通渋滞の原因はこれ!」(2013年7月17日)
2013年3月11日付けコンパス紙への投書"Ganjil-Genap Solusi Ganjil Atasi Macet di Jakarta"から
拝啓、編集部殿。都庁が交通渋滞対策として計画しているナンバープレートの数字の奇数=偶数方針は単なるショートカットに過ぎず、問題の根から離れた安易なやり方です。
ジャカルタの交通渋滞の原因を単に四輪二輪自動車の数が多すぎるためと思っているのでしょうか?もしそうであるなら、どうしていつまでも自動車販売を自由なままにさせておくのですか?政府は税金が欲しいだけであり、働く意志がないのです。
撲滅可能な渋滞原因のひとつは、交通道徳の低劣さです。大量の二輪車が好き勝手に道路を使い、ひどいのは道路を逆走しています。自家用車・バス・オプレッは好きな場所ですきなときに進み、止まり、停車します。
交通信号は点灯しなくなっても長期間ほったらかし。朝昼、点灯走行しない二輪車の取締りで簡単な金稼ぎを実行している不良分子がいっぱいいるため、交通警察の活動は徹底しません。
道路が破損しても、修理されるのはずっとあとのこと。さまざまな役所が入れ替わり立ち代り道路を掘って工事を行い、掘ったあとをきちんと元通りに修復しようとしません。トラックは頻?にエンストし、特に自動車道ではそれが目立ちます。公道でのデモは頻?で、鉄道線路の踏み切りもたくさんあります。
それらすべての責任は政府にあるのです。その責任を果たさず民衆の苦難を放置するのは、適切な行いではありません。
奇数=偶数方針が行なわれるなら、金持ちがジャカルタの道路を占領するでしょう。かれらはプレート番号が奇数と偶数の自動車を何台でも買い揃えればいいのですから。[ 中央ジャカルタ市在住、ダフィッ・ハディ ]


「タクシー料金値上げ」(2013年7月22日)
プレミウムガソリン市場小売価格値上げが陸上公共運送料金値上げに波及した。ジャカルタのタクシー料金にも都庁は公定料金変更を実施し、2013年7月12日以降、次のような料金が適用される。インドネシアの公定運送料金は監督行政機関が上限料金と下限料金を決める形を採り、業者はその範囲内で好きな料金を決めることができる。上限は業界が消費者搾取に走らないための歯止め、下限は業界内で過当競争が起こって業者が不健全事業にのめりこまないための歯止めという意味合いを持っている。(旧料金⇒新料金、単位はルピア)
<上限料金>
初乗り 6,000⇒7,000
走行km当たり 3,000⇒3,600
待ち料金 30,000/時間⇒42,000/時間
<下限料金>
初乗り 5,000⇒6,000
走行km当たり 2,500⇒3,000
待ち料金 25,000/時間⇒未詳
上限料金を採用する会社 Blue Bird Group, Diamond Taxi, White Horse
下限料金を採用する会社 Express, Taxiku, Gamya, Silvera, Kosti Jaya, Link, Primajasa, Taksi Putra, Pratama, Cipaganti
<Premium Cab (White Horse)>
初乗り 7,500
走行km当たり 4,400
<Silver Bird (Blue Bird Group)>
初乗り 15,000
走行km当たり 6,000
待ち料金 60,000/時間
スカルノハッタ空港公認タクシーは行先によって異なるサーチャージが徴収される。公認タクシーは次の会社のものでAirPortTaxiと車体に表示されている。Blue Bird, Taxi Cab, Celebrity, Express, Borobudur, Jakarta Metro, Sri Medali, Gading Taxi, Gamya, Royal City, Diamond, Taxiku, Prima Jasa
=ゾーン?= Rp7,500
Tangerang, Kalideres, Teluk Naga, Cipondoh, Pantai Indah Kapuk, Cengkareng, Grogol, Kebon Jeruk.
=ゾーン?= Rp9,000
Penjaringan, Pademangan, Tanjung Priok, Kemayoran, Cempaka Putih, Tambora, Tanah Abang, Jatinegara, Tebet, Mampang, Kebayoran Baru, Kebayoran Lama, Ciledug, Pondok Aren, Bumi Serpong Damai.
=ゾーン?= Rp10,500
Koja, Kelapa Gading, Cilincing, Pulogadung, Cakung, Duren Sawit, Pondok Gede, Kampung Makasar, Kodya Bekasi, Kramat Jati, Pasar Minggu, Pasar Rebo, Ciracas, Cipayung, Limo, Jati Sampurna, Cilandak, Jagakarsa, Ciputat, Pamulang, Sawangan, Kodya Bogor, Kab. Bogor, Kodya Depok.


「好評の会社にも不肖の社員」(2013年7月24日)
2013年3月22日付けコンパス紙への投書"Sopir Ugal-ugalan Kebal Komplain"から
拝啓、編集部殿。去る3月3日(日)夕方6時ごろ、わたしは西ジャカルタ市モールタマンアングレッから中央ジャカルタ市パサルバルへ行くためにブルーバードタクシーに乗りました。アイデンティティがPT69xというそのタクシーの運転手は、まったく慎重さを欠く乱暴な運転を行なったのです。わたしは本人に二度も注意しましたが、まったく馬耳東風でした。
わたしはこの体験に関する批判をブルーバードグループに告げるため、コールセンター79171234番に電話しました。コールセンター担当者はクレーム専用電話番号7971245番に電話するよう言いました。ところが、その番号に5回以上電話しましたが、だれも出ません。それで再び79171234に電話してクレーム専用電話には誰も出ないと告げたところ、そのコールセンターの担当者はいとも軽やかに「そこへ電話できないということは、クレームができないということです。」と言ったではありませんか。
かねてからわたしは、ブルーバードグループは優れた評判を持つ会社だと思っていましたが、今は・・・?[ 中央ジャカルタ市在住、パウルス・ヌグラハ ]
2013年4月8日付けコンパス紙に掲載されたブルーバードグループからの回答
拝啓、編集部殿。2013年3月22日付けコンパス紙に投書を掲載されたパウルス・ヌグラハさんにまずお礼申し上げるとともに、当方の至らぬサービスについて当方経営陣からのお詫びを申し上げます。
お知らせいただいた苦情は、当方がお客様に提供するサービスを改善するための貴重なインプットです。お知らせくださる苦情には必ず、車体番号・問題の発生日時・そして走行ルートに関するデータをお忘れなく。もし電話番号7971245や79171234での苦情連絡が難しければ、eメールをcustomercara@bluebirdgroup.comにお送りいただくことも可能です。[ ブルーバードグループカスタマーサービスマネージャー、バユ・クリスティアディ ]


「人災も天災も、被害者が損するだけ?」(2013年7月29日)
2013年4月1日付けコンパス紙への投書"Keamanan Area Parkir Inap Bandara Soekarno-Hatta"から
拝啓、編集部殿。2013年1月19日(土)午前9時42分に、わたしはスカルノハッタ国際空港第2ターミナルの新しいオーバーナイト駐車場に車を入れました。駐車場係りはわたしの車を大きな木のそばに誘導しました。もちろんその周辺に駐車禁止標識などありません。
翌日20時に車を取りに戻ったとき、わたしの車はその大木の直撃を受けて、天井から後部にかけて大破していました。わたしへの連絡などまったくありません。それで、即座に空港管理会社のPTアンカサプラ?に届出を出しました。駐車場運営者は責任を取るということだったので、わたしは車をそのまま置いておきました。ところが一週間たっても、駐車場運営者から何の連絡もありません。しかたなく、1月26日にわたしは車を引き取りました。
すると駐車場側は、1月19日から26日までの駐車料金34万8千ルピアを支払うよう強要しました。支払わなければわたしのクレームは処理しないと威嚇したのです。
その後一ヵ月間、わたしの車は南ジャカルタの修理工房で修理中でしたが、アンカサプラからも駐車場運営者からも一切なしのつぶてです。スカルノハッタ空港運営者であるPTアンカサプラ?は今後駐車場運営者に対し、もっとプロフェッショナルな事業姿勢を持つよう指導するべきでしょう。駐車場運営者は潜在的なリスクをもっとよく分析し、リスクをなくしていって消費者に損害を与えないようにしなければなりません。[ ボゴール県在住、パラブ・サプタ・リスキ ]


「ちぐはぐの道路交通行政」(2013年7月31日)
首都ジャカルタの異常な交通渋滞は政府自身が生み出したものだ、と首都警察交通局長が発言した。いまジャカルタで道路交通の流れを円滑に流そうとする努力の足を引っ張っているものに、道路インフラの問題がある。車両の増加に追いつかないと言って新規に道路建設を行なっているが、その工事のために既存の道路がフルに利用できない状況があちこちに発生している。加えて既存道路では破損が起こるため、その修繕のための工事でフルに利用できない場所ができる。
このラマダン月の特殊事情ではあるにせよ、ブカプアサを行なうために特定時間帯になると都内各所にあるモールやショッピングセンターに向かう自家用車が激しい渋滞を引き起こしている。また輸出入活動が活発化していることから、都内周辺部を通る大型貨物トラックも増加し、交通渋滞に拍車をかけている。タンジュンプリウッ港からジャカルタの南部や西部に向かう貨物車両がオフィス街や商業センターに踏み込んでくることはないにせよ、ジャカルタ周辺部のベッドタウンと都内を結ぶ道路では、その影響が顕著に現われている。
更に、道路交通管制は旧来型の部分的なマニュアル方式がいまだに続けられており、統合的包括的なコントロールに不可欠な最新テクノロジーの導入が遅れている。それらの諸要因の中で、行政の意志を導入すれば状況がもっと改善されるものはひとつやふたつではあるまい。同時に、上のような現在行なわれていることの中にも、交通渋滞緩和のためにこうしたほうがよい、ということが無視されているものも見受けられる。たとえば道路工事が行なわれている場所の中で、歩道がまったく計画されていなかったり、レイアウトが妥当でない個所も少なくない。
もっと言うなら、交通というのは生活の大動脈であり、社会文化を映し出す鏡だ。ところが一部市民の中に、違反行為を行なうことで自分が偉くなったように錯覚し、そのことを自慢する者が少なくない。かれらが交通秩序を守るのは、警官がいて違反切符を切られるのを怖れるときだけだ。交通局長はそのように現状批判を行なった。
付け加えるなら、都内で催行されている民間バス公共運送はクオリティが低劣で、利用者は他に手段がないから仕方なく使っているという趣が強い。それが自家用二輪四輪車の激増を招いており、おまけにバス運行クルーの高い自己中心性が道路交通秩序を混乱させて交通が整然と流れにくい状況の出現にひと役買っているというありさまだ。
一方、交通政策オブザーバーは、中央政府が採っている政策からは国内大都市に起こっている交通渋滞を本気で軽減させようとする姿勢が感じられない、と政府の政策がちぐはぐであることを指摘した。各地方政府が地元の交通渋滞緩和策を計画し推進しているのに反して、中央政府は環境に優しい廉価四輪車(Low Cost Green Car = LCGC)開発を業界に進めさせている。それに関して自動車生産者に与えられる予定の補助金は、むしろ交通政策を積極的に行なっている地方政府に与えるほうがよい。つまり、道路交通行政が高いレベルで定着したあとでLCGCに向かうべきであり、道路交通が今のような状況であるのをそのままにして自動車を増やせば、国民生活へのメリットはますます薄弱なものになっていく。国民の交通手段として自動二輪車を廉くそして買いやすくした政策は、結局のところ交通事故の激増を招き、そして交通渋滞を一層悪化させる原因ともなっている。
政府はマス公共運送が予算を蝕むものという先入観でそれのためのインフラ建設を後手後手に回しているが、LCGC政策は交通渋滞をさらに悪化させて国民福祉を空洞化させてしまう。渋滞悪化は交通事故の多発を招き、事故のために若死にしあるいは恒久障害を負う国民が増加するのなら、政府は国民のための政治を行なっていないということになる。


「路上の裸のキングたち」(2013年8月16日)
2013年6月29日付けコンパス紙への投書"Sepeda Motor Melawan Arah"から
拝啓、編集部殿。ジャカルタのオートバイ運転者の振る舞いはたいへん人を不安にさせます。小さい生活道路ばかりか、今では大通りにもその状況が拡大しているのです。それは西ジャカルタ市と北ジャカルタ市の境界にあるジュンバタンティガ(Jembatan Tiga)やバンデガン(Bandengan)で顕著に見ることができます。トゥルッゴン(Teluk Gong)のジュンバタンティガ交差点は中でも最悪でしょう。交通信号機が赤を示していても、何の意味もありません。アンコッとオートバイは完全にそれを無視しています。赤信号なのに、かれらはアクセルをふかして突っ込んで行くのです。交通警官はもはや、かれらを統御する力を完璧に喪失しているようです。
わたしも普段からオートバイを使用していますが、正面から逆走してくるオートバイたちのために、頻?に停止や脇に寄ることを強いられています。是非かれらに厳しい措置を採るよう、関係当局にお願いします。必要なら、道路を逆走する運転者は運転免許証を失効させてください。道路逆走は重大交通違反ですから。[ 北ジャカルタ市在住、アントン・スアルディ ]


「ガルーダ航空のスケジュール変更」(2013年09月18日)
2013年10月6日から9日まで、バリでAPEC会議が開催される。この会議に出席する各国要人の便宜をはかるために時間を限ってグラライ空港が閉鎖される予定。閉鎖スケジュールは下の通り。
10月6日(日) 10時から20時まで
10月8日(火) 10時から20時まで
10月9日(水) 7時から14時まで
ガルーダ航空はその閉鎖日時に対応して、デンパサル発成田・大阪・羽田・シンガポール・スラバヤ・ヨグヤカルタ・バンドゥン・ロンボッ・マカッサル・ジャカルタ行きなどを含む139便の運航を取りやめ、またデンパサル発オーストラリア・韓国・シンガポールや国内各地向けの91便の運航時間を変更する。更に国内線の12便に運航ルート変更を行なう予定で、たとえばジャカルタ⇒デンパサル⇒クパン便がジャカルタ⇒スラバヤ⇒クパンに、ジャカルタ⇒デンパサル⇒ジャヤプラ⇒ティミカ便がジャカルタ⇒マカッサル⇒ジャヤプラ⇒ティミカといった具合に変更される。
ガルーダ航空は、上記閉鎖予定日時から外れているフライトは変更なしと言明していますが、フライトの予約が上の三日間に該当している方は再確認されるようお勧めします。


「サービス業従事者の自覚」(2013年09月19日)
2013年6月14日付けコンパス紙への投書"Perilaku Sopir Taksi Eksekutif"から
拝啓、編集部殿。エクセクティフタクシー車体番号PO56xの運転手の振舞いにわたしはとても不愉快な思いを抱いています。妻に対して威圧的な言辞を弄しただけでなく、乱暴な運転によってまだ二歳の子供がシートから転げ落ちたのですから。
それは2013年5月21日午後の出来事でした。西ジャカルタ市チュンカレンのタマンパレムレスタリから妻と子供は公共事業省へ行くためにタクシーに乗りました。ダアンモゴッ通りは渋滞です。乗客の安全など無関心でまったく礼儀知らずのその運転手の本性は、渋滞を超えたときに明らかになりました。
妻はその運転手に注意しましたが、そんなものに聞く耳を持つどころか、反対に妻に向かって怒り出す始末です。運転は荒っぽく乱暴そのもので、子供は前シートの背もたれに頭をぶつけて泣き出しました。するとどうでしょう、運転手はますます荒れ狂い、子供を怒鳴りつけたのです。そして道路の真ん中にいるというのに、妻と子供に向かって車から降りろと言い出しました。妻は運転手をなだめて、なんとか公共事業省の近くまで行きましたが、道路を回って公共事業省に入ろうとせず、道路の反対側で妻と子供を下ろしたのです。
その運転手は最期までアイデンティティカードを隠したままでした。そのタクシー会社にわたしは苦情を申し入れましたが、フォローはなされていません。[ 西ジャカルタ市在住、アンリ・ダニアリ ]


「エコノミークラスの最前列」(2013年9月27日)
2013年6月8日付けコンパス紙への投書"Bayi Usia Dua Bulan di Kursi Belakang Pesawat"から
拝啓、編集部殿。よく飛行機を利用するわたしは、エコノミークラスの一番前の席をチェックインのときによく頼むのですが、なかなか応じてもらえません。そんなときカウンターの受付担当者は、そこは妊婦や赤ちゃん連れの母親など特別な状態の乗客のために取っておかなければならないのですと説明し、わたしもそれを納得します。
最前列の前の壁に赤ちゃん用バスケットなどが取り付けられるようになっているのはそのためです。だから最前列の座席を普通の乗客に割り当てるのが最後になるのは、わたしも知っています。
ところが2013年5月15日15時20分シンガポール発ジャカルタ行きGA831便の混みあっている機内で、27Aの座席に生後二ヶ月くらいの赤ちゃんが母親に抱きかかえられているのを見て、わたしはびっくりしました。その座席は機体最後尾からほんの数列のところなのですから。
ちょうどその母子の後ろに座っていたわたしは、かの女に尋ねました。「どうして最前列の席を頼まなかったのですか?」かの女は飾らない態度で答えました。「くれなかったんです。」多分チェックインカウンターでかの女の頼みが拒否されたのでしょう。
このような事実は航空会社にとって悪宣伝以外のなにものでもありません。航空会社は乗客をもっとヒューマニズムで遇するべきです。たとえ生まれたばかりの赤ちゃんであっても、ヒューマニズムを忘れてはなりません。このようなことが再発しないように願っています。[ 東ジャカルタ市ジャティヌガラ在住、ゼン・ウマル・プルバ ]


「疫病のように広がる道路逆走」(2013年10月03日)
2013年6月19日付けコンパス紙への投書"Wabah Periaku Berkendara Melawan Arus"から
拝啓、編集部殿。自動車で路上を逆送する行為は、まるで伝染病のように広まっています。住宅地内の道路をひとりふたりの二輪車ライダーが逆送するのにはじまり、今では首都の路上のあちらこちらで大勢が自動車を逆送させているのです。
警官がそれを放置しているため、道路交通秩序の向上キャンペーンや違反者に対する法的措置は一時的で散発的なものにしかなっていません。ますます盛んになって社会的に不安をもたらしはじめているその行為はどこででも行なわれています。それどころか、二輪車だけでなく四輪車にもこの疫病は伝染しはじめているのです。
明白なサンプルは、中央ジャカルタ市プロクラマシ通りで見ることができます。毎日夕方になると、二輪車から都バスまでのさまざまな車が一緒になって、逆送しながら道路を横切っています。そんな道路利用者への警告は何ひとつなく、ましてや違反者を逮捕することなどまったくありません。
それらの逆走者たちは厳しく取り締まらなければなりません。必要なら、運転免許証を取消すのです。なぜならかれらは十分に意識して法を無視し且つ犯し、他人の身命に危険をもたらし、警察の権威を侮蔑しているからです。かれらはジャカルタを法規・公徳心・文明の欠如した町にしようとしているのです。
警察が行なっている交通キャンペーンがこの問題を解決できないことはもはや周知の事実です。必要なのは警察と全関係官庁が共同で当たるシステマチックな対策です。対策は持続的一貫的に行なわれなければなりません。そのためには、全関係者の意志と真剣さがあれば十分だとわたしは確信しています。[ デポッ市在住、イラワン・プラスティヨ ]


「有料自動車道料金値上げ」(2013年10月09日)
公共事業省自動車専用道路統制庁が2013年10月11日0時を期して全国11の有料自動車道路通行料金の値上げを行なうことを発表した。値上げを行なわないことを確定させた道路も2本ある。明細は次の通り。数字はルピアで、旧料金⇒新料金。
Jakarta-Bogor-Ciawi 59.00km 7,000⇒8,000
Jakarta-Tangerang 33.00km 4,500⇒5,000
Lingkar Luar Jakarta 45.37km 7,500⇒8,500
Padalarang-Cileunyi 64.40km 7,000⇒8,000
Surabaya-Gempol(Waru-Porong) 49.00km 3,500⇒4,000
Palimanan-Kanci 26.30km 9,000⇒10,000
Cikampek-Purwakarta-Padalarang 58.50km 29,500⇒34,000
Belawan-Medan-Tg Morawa 42.70km 5,500⇒6,500
Serpong-Pondok Aren 7.25km 4,500⇒5,000
Tangerang-Merak 73.00km 31,000⇒36,000
Ujung Pandang Tahap I & II 6.05km 2,500⇒3,000
据え置きの確定した道路は:
Semarang Seksi A B C 24.75km 2,000⇒2,000
Pondok Aren-Ulujami 5.55km 2,500⇒2,500
また、同庁が行なったサービスクオリティ検査で改善を指摘された道路は、その改善が終わるまで料金改定検討がなされない。今回その対象になった道路は都内環状自動車道でスマンギ〜チャワン間の照明に不備があるとされたため、道路管理会社はその改善を今行なっているところ。再検査で合格すれば、都内環状自動車道も料金値上げが行われる模様。


「死ぬときは一緒なんだから・・・?」(2013年10月22日)
2013年7月28日付けコンパス紙への投書"Perketat Larangan Telepon dalam Pesawat"から
拝啓、編集部殿。2013年6月13日(木)、わたしは東南スラウェシ州クンダリからマカッサルへライオン航空JT0721便で飛びました。わたしは空運業界、中でもライオン航空に対して、乗客の快適さをもっと高める努力をしてほしいと要望します。
わたしが不快に感じたのは、航空安全に関することがらです。クンダリのハルオレオ空港からマカッサルのスルタンハサヌディン空港までの道中で、わたしは乗客の振舞いに驚いてしまいました。たとえば、機体が離陸のために滑走路を走り始めたというのに、わたしの左隣の乗客は一心不乱に携帯電話で話しているではありませんか。通路をはさんで向こう側の座席の紳士も、同じことをしています。わたしが携帯電話を消すように頼んだので、やっと電話をオフにしました。もっと驚いたのは、飛行機がまだ上空を飛んでいるときに、わたしの後ろの座席の乗客が出迎え人に電話をかけたのです。わたしは感情的になってそのひとに苦情しました。
スルタンハサヌディン空港では天候があまりよくありませんでしたが、安全に着陸しました。すべての航空会社は、決まりを守らずに航空機運航の安全を脅かす行為をする乗客にもっと厳しく注意を与えるようにしてください。われわれのだれひとりとして望まないできごとの発生につながるようなことは、たとえ髪の毛一筋でも避けなければなりません。多数の人命に関わることがらに対しては、厳格な姿勢が要求されているのです。[ 東南スラウェシ州コナウェ在住、ルッマヌル・ハキム・ガモロ ]


「車道の下を走るガスパイプ」(2013年10月23日)
国有ガス会社Perusahaan Gas Negara(略称PGN)はジャカルタに都市ガス網を持っている。都内には13,832軒の都市ガス利用者がおり、製造事業者・ホテルやレストランなどの商業施設や商店・一般家庭・病院などで占められている。PGNはそれらの利用者に毎日平均で9,585万立方フィートの燃料用ガスを供給しており、その供給パイプ網は都内の道路下に埋められて全長536キロの距離を走っている。ガス供給網に使われているパイプは直系4〜6インチで、パイプメンテナンスは2ヶ月ごとに行なわれ、25〜30年経過すると新品に取り替えられなければならない。この措置はガスの送付を確実にしてサービスクオリティが低下することを防ぐためのものだ。またガスの漏出による事故にも十分な予防措置を取らなければならない。
ところが、最初の埋設時には歩道や路肩の地面から最低でも1.5メートル下に埋められたものが、長い時の流れの中で道路幅の拡張が行なわれた結果、歩道や路肩が移動させられ、車道の下になってしまったところが増加した。車道の下になってしまうとガスパイプのメンテナンスが困難になり、サービスクオリティの低下や爆発火災事故リスクの増大をもたらすことになる。その対策としてPGNはもう何年も前から車道の下になったパイプを歩道や路肩に移す工事を行なっており、今や残すところ134キロとなっている。その中にはスディルマン通り・タムリン通り・メダンムルデカバラッ通りなど都内のメイン道路が含まれているが、その道路作業許可を都庁は毎日22時から4時までと時間を区切って出した。その6時間という作業時間の中で、工事用建機を現場に出し、またそれを引き上げる作業に3時間が必要とされるため、実質の作業時間は3時間しかなく、作業がスムースに進展しない状況になっている。
ガスだけでなく電気や水道あるいは通信の供給ラインについても事情は同じであり、それらのユーティリティを一緒にしてメンテナンスの便宜をはかるためにユーティリティラインを設けてはどうかという案が出されているが、この議論は端緒についたばかりなので、もうすこし煮詰められるまで時間が必要だろう。それまでは、各関係者が道路の同じ場所を交代で掘り返す昔ながらの光景が継続するにちがいない。


「西ジャワで空港建設がバッティング」(2013年11月21日)
スカルノハッタ国際空港が将来的にオーバーフローすることになるため、その補完空港を西ジャワ州カラワン県に設ける計画が進められている。その一方で西ジャワ州庁は、州が持っている国際空港であるバンドン近郊のフセイン・サストラヌガラ空港をマジャレンカに移転させる計画を進めている。中央政府のプロジェクトであるカラワン国際空港建設も、西ジャワ州にプロジェクトの一旦を担いでもらわなければ、建設工事は始まらない。西ジャワ州庁はどうするか?答えは決まっている。マジャレンカ空港建設が優先である、と。
「マジャレンカのクルタジャティ(Kertajati)空港建設が終わらなければ、カラワン県の国際空港建設は始められない。この優先順序は変えようがない。」2013年11月10日バンドン市内で、西ジャワ州知事はそう語った。それに関連して西ジャワ州地方開発企画庁長官は、西ジャワ州知事と運輸大臣がその方針に関して合意をおさめたことを明らかにした。「カラワン空港はまだスタディ段階にあり、更には地域レイアウト計画の修正も行われなければならない。クルタジャティ空港のほうはもう準備万端整っており、予算もそろっている。」そう語る長官の説明によれば、クルタジャティ空港建設工事は2014年に開始されるが、滑走路用地の収用はこの11月から開始されているとのこと。クルタジャティ空港稼動開始は2016年8月の予定であり、カラワン空港に関する検討はクルタジャティ空港が動き出してから開始されることになるだろう、と長官は気を持たせる発言をしている。


「一律一斉のないインドネシア社会」(2013年12月04日)
首都ジャカルタでは2013年11月29日から、都庁と首都警察が既に予告していたトランスジャカルタバス専用車線への進入違反車に対する最高罰金刑適用が開始された。インドネシアでも交通違反者に対する措置は、現場で交通警官が違反切符を切り、違反者の運転免許証を取り上げ、違反現場から近い最寄の裁判所へその免許証を送り、違反者は指定された裁判所に出頭して簡易裁判を受け、下された判決に従って罰金を納めて免許証を返してもらうというプロセスになっている。ただしインドネシアでは、交通違反の実績は累積管理されておらず、一回一回の処理で終わっているから、どれほど反社会的な人間であっても累犯記録によって制裁を受けることはない。
29日から適用が開始されたということは、現場警官が違反切符に最高罰金刑適用対象であることを示す記載をし、裁判所ではその通り余計な斟酌なしに最高罰金刑を言い渡すということを意味しているわけだが、なかなかそうはいかないのがインドネシアだ。
初日はどうやら、その申し合わせ通りの対応を始めたのは東ジャカルタ地裁だけで、他の裁判所は様子見を決め込んだらしい。というのも、違反者が露骨な抗議と抵抗を示したからだ。世間のみんなが避けるようになったことを敢えて行なう人間の本性がそこに見えてくる。
東ジャカルタ地裁では、チルンシ住民の16歳の少年が、自分が捕まったときは最高罰金刑適用以前だったことを理由にして判決を拒んだ。出頭してきた者たちの中で四輪車100万二輪車50万ルピアという罰金額を用意してきた者は数えるほどしかおらず、大半の者は抵抗してネゴればなんとかなると考えていたようだ。
南ジャカルタ地裁では、この日トランスジャカルタバス専用車線進入違反者として簡易裁判を受けた者が696人いた。同地裁はその罰金額について、通常違反罰金額の3倍を科すと公表しており、二輪車は15〜25万ルピア、四輪車は30〜40万ルピアのレンジで罰金が言い渡されていた。
中央ジャカルタ地裁では、二輪の違反者が50人を数え、25〜30万ルピアが罰金額として言い渡されていた。四輪の違反者は10人あったが、ひとりも出頭しなかった。


「バリからヌサトゥンガラへの航空路が充実」(2013年12月09日)
東部インドネシア地域の諸都市に向かう新航路開設をガルーダ航空がいよいよ開始した。西部インドネシア地域に設けられた既存の航路とは対照的に、東部地域向け航空路というのは線が細く、これまではパイオニア航空路開発に特化した小規模航空会社による小型機の運航がメインを占め、近年になってLCCが参入を強めはじめた将来性の高い市場だ。
ガルーダ航空は2013年12月2日、新規に購入したATR72−600型機のトライアルフライトをデンパサル〜ラブアンバジョ(Labuan Bajo)〜ビマ(Bima)航路で実施し、政府要人やフランス大使あるいはATR社CEOなどの招待客を楽しませた。ATR72−600型機は双発プロペラタイプの小型旅客機で、ガルーダ航空が組んだ国内線近距離航路網拡張政策を担う最適機種として白羽の矢が立てられた。
ガルーダ航空が2013年12月3日から商業フライトを開始するのは、バリ州デンパサル〜東ヌサトゥンガラ州ラブアンバジョ〜エンデ(Ende)とデンパサル〜西ヌサトゥンガラ州ビマ〜マタラム(Mataram)の二航路。更に12月20日から、デンパサル〜ラブアンバジョ〜東ヌサトゥンガラ州タンボラカ(Tambolaka)とデンパサル〜マタラム〜ビマの二航路が加わる。これで東西ヌサトゥンガラ州への空の便、中でもバリを経由してコモド島を訪れる旅程の快適さが大いに高まることだろう。
ガルーダ航空はATR社にこの機種を25機確定注文しており、既に到着した2機が早速新航路に就航した。残りは2017年までに続々と到着する予定で、それにあわせて全国の近距離航路網が動き始めることになりそう。


「憧れの専制君主」(2013年12月26日)
2013年12月21日朝、東ヌサトゥンガラ州クパンからガダ(Ngada)県ソア(Soa)空港に飛来したムルパティ航空旅客機が着陸しようとしたところ、滑走路を人間がうろつきまわっているため、管制塔から着陸許可が出ない。56人の乗客を乗せた同機は、仕方なくクパン空港に引き返した。
ムルパティ航空はそのあと、56人の乗客をクパンからエンデ(Ende)のアルブスマン(Aroeboesman)空港に運び、エンデから124キロ離れたガダ県の県庁所在地バジャワ(Bajawa)まで車をしたてて陸送した。またソア空港からクパンにその日飛ぶ予定だった50人の乗客も、急遽車でエンデまで運ばれてエンデからクパンへ飛んだ。それらの費用はすべてムルパティ航空が負担した。
航空機が着陸段階に入ったときに空港滑走路をうろついていた数人の人間の行動は言うまでもなく空港活動の妨害に該当するものであり、2009年法律第1号航空法421条第1・2項に定められているように、空港オーソリティの許可なく空港内の特定エリアに侵入し、空港活動の妨害や危険を惹起せしめる行為を行なった者は、三年以下の入獄と10億ルピア以下の罰金刑に処せられることになっている。ところがその犯人たちは逮捕されないまま放免されてしまった。これはどういうことなのか?
滑走路をうろついてムルパティ航空の着陸を妨害したのは制服を着たガダ県庁所属の行政警官たちであり、かれらは上から指示された任務を遂行しただけだったのである。ならば、だれが何のためにそれを指示したのか?
「それはわたしだ」とガダ県令が認めた。クパンに来ていた県令は21日に開かれる県議会に出席しなければならないために、ムルパティ航空に21日朝のソア空港行きフライトの座席を用意するよう求めたが、ムルパティ職員は満席を理由にその要求を拒んだというのである。県のナンバーワンである県令が県行政の公務を行なうために移動しなければならないというのに、その公務遂行をサポートしないムルパティ航空に対して目に物見せてやろうと県令は意気込んだにちがいない。自分が乗っていなければならないフライトが自分を乗せないままソア空港に着陸するのは許せない。こうして行政警官に滑走路をうろつくように、という指令が出されたのである。県令はそのことを正直に認めた。
ムルパティ航空側は前日に県令のクレームを耳にして夜に県令のための座席を確保し、平謝りに詫びたものの、県令はトランスヌサ航空の昼の便を既に手配済みだったために、「あんたの飛行機はもういい」ということになったようだ。
しかし、県令の腹立ちがそれで癒えたわけではない。県行政の重要性を理解しようとしないムルパティ航空に一泡吹かせてやろう、と考えた県令は権力を持つ者が行える特権を行使することにした。もちろん、県令は自分にその権利があると思ったわけだが、これがインドネシアに特徴的な政治権力というものの実態なのである。インドネシア人が権力というものに強い憧れを抱いているのは、そういう専制君主のようなことが行なえると考えているからだ。県令は21日朝、県庁の行政警察に指令を出してムルパティ航空機の着陸をブロックさせたというのが、この事件の顛末だ。
運輸省スポークスマンは県令の行為が法律違反であることを指摘する声明を出したが、どのような法執行がなされるのかについてはまだ方針が定まっていないようで、多分この事件も時の流れ去るまま忘却のかなたに埋没して行くのかも知れない。


「全国的に交通渋滞が蔓延」(2014年1月6〜10日)
ジャカルタは慢性的な重度の交通渋滞のために、世界的に有名な交通渋滞都市になった。しかし、ジャカルタに続く国内の諸都市がそのような交通渋滞禍から免れているわけでは決してない。良きにつけ悪しきにつけ、首都ジャカルタに追随する精神は第二位以下の諸都市にあふれかえっている。いずこの都市もジャカルタの先例に近付こうとする姿は顕著であり、悪例すら意欲的に追い求めているように見受けられる。
インドネシアの都市交通における道路交通渋滞の原因について、コンパス紙は次のように説明している。
1.道路要因
=国内の土地利用状況に阻害されている道路インフラの限界
=(ジャカルタで)トランスジャカルタバス専用車線が道路の一部を占有している
=交通信号機のない/あるいは故障している十字路
=Uターン個所が不適切な位置に設けられている
2.自動車の要因
=道路キャパシティを超える車両台数の通過
=道路面積拡張が自動車台数の増加に追いつかない
=公共運送機関の運送能力拡張が伴っていない
=自家用車購入の上昇とそれを支えるローンの便宜性向上
3.道路利用者の人的要因
=中流層の増大(2010年の36%から2013年は57%に)
=道路端で商売するカキリマ商人
=道路脇あるいは路上での駐車
=交通標識に対する運転者の規律(法規順守)が弱い
4.その他の要因
=土砂降りと洪水あるいは路上にできる水溜り
=交通事故
=デモ隊が道路を占拠する
=鉄道踏み切りの存在
=大通りの脇にモールやパサルの入口がある
それでは国内各都市の状況を見てみることにしよう。

[バンドン]
昔から、週末になるとバンドン市内は首都圏からやってくる行楽客で一大交通渋滞が発生すると言われてきた。特に、チカンペッ(Cikampek)自動車道からパダララン(Padalarang)まで下ってくる自動車専用道が開通してからは、それが一段と激しくなった。しかし昨今のバンドンでは、そんな時代はとっくに終わりを告げ、朝夕の通勤時間帯になると曜日を問わず各所で渋滞が発生するようになっている。午前6〜8時と午後の15〜19時には、ブアバトゥ(Buah Batu)、スカルノハッタ、ムルデカ(Merdeka)などの通りで激しい渋滞が発生する。特に顕著なのはチアンプラス(Cihampelas)通り、アジアアフリカ(Asia Afrika)通り、パスツール(Pasteur)地区、キアラチョンドン(Kiara Condong)地区などで、それらの場所における道路混雑度(VCR)は1.0を超えている。VCRが0.75を超えると道路混雑が激しい印象を与えるわけだが、チアンプラスでは1.52に達しており、車両はいざるような進み方が普通になっている。
車両の数と道路の広さのアンバランスを、路上駐車がさらに悪化させている。ある月曜日の朝には、バンドン市庁舎が面しているムルデカ通りに50台の四輪車が路上駐車していた。さまざまな要素がからみあいながら交通渋滞という現象を顕著なものにしており、包括的な対策が求められているゆえんになっている。

[ヨグヤカルタ]
ヨグヤカルタ市内とその周辺地区は、かつては自動車を使ってやってくる観光客が道路混雑を激しくしていたが、いまや地元民の自家用車購入が容易になっているため、観光客が交通渋滞の原因という時代は既に過ぎ去っている。トランスジャカルタの向こうを張ったトランスジョグジャ(Transjogja)の運行で公共バス輸送は命脈を保っているが、サービス性がいまひとつであるために市民の自家用車離れはなかなか進まない。運行しているのは54台しかなく、ヨグヤ周辺からスレマン(Sleman)〜バントゥル(Bantul)にかけての一帯をカバーするにはまったく足りない。一方、近郊鉄道もクトアルジョ(Kutoarjo)〜ヨグヤカルタ〜ソロを結ぶプラメクス(Pramex)の便数が削減されており、公共運送は一層影を薄めている。

[スマラン]
スマラン市内で慢性的な交通渋滞個所といえば、カタムソ准将(Brigjen Katamso)通り、シリワギ(Siliwangi)通り、ワリソゴ(Walisongo)通り、スティアブディ(Setia Budi)通り、プリンティスクムルデカアン(Printis Kemerdekaan)通り、カリガウェ(Kaligawe)通りなど。渋滞のひどい場所では、自動車の走行速度は平均20キロ/時に落ちている。
スマランでもトランスジャカルタの向こうを張ったBRT(Bus Rapid Transit)を運行させているが、現在のところはまだプンガロン(Penggaron)〜マンカン(Mangkang)線のみで、路線の拡張はバス15台の運行だけで7億ルピアの資金が必要とされるため思うに任せないのが実情。ヨグヤカルタでも従来からあった民間市内バス運行業者がトランスジョグジャを敵視するように、スマランでも類似の状況が発生しており、民間バス業者がBRTの運行を妨害する態度が目立っているため、状況改善を要求する声が高まっている。ジャカルタではトランスジャカルタと民間バス会社の協調が進められているが、地方都市ではなかなか実現させにくいものであるようだ。

[スラバヤ市と周辺部]
スラバヤ、シドアルジョ(Sidoarjo)、グルシッ(Gresik)、モジョクルト(Mojokerto)、マラン(Malang)など東ジャワ州の主要経済地区では道路混雑がほぼピークに達しており、特定時間帯に主要道路で交通渋滞が発生するほか、代替路や郊外部にまで渋滞が広がっている。スラバヤ市の自動車登録台数は二輪車が200万台、四輪車が25万台にのぼっており、2012年の増加率は7.1%だった。スラバヤ市の道路総延長は1,160キロで、25万台の四輪車に車長の4〜5メートルをかければ1,250キロになり、全車両が路上に出れば道路は車で埋めつくされてしまう。更にシドアルジョやグルシッなど隣接地域から毎日大量の車がスラバヤに通勤してきており、市内道路がパンクするのは時間の問題と見られている。
トリ・リスマハリニ市長は2013年12月にスラバヤ市のMRT構想を打ち上げた。四輪二輪の自家用車を使っている市民の多くに公共運送機関を利用してもらうためには、定時運行を筆頭にする利用者サービスの充実をはかるのがキーファクターであり、その幹線と細かい区域ネットワークを連結することも重要なターゲットになると市長は述べている。

[デンパサル市と周辺部]
クタ海岸やサヌール海岸地区での道路混雑に加えて、デンパサル市内の道路混雑振りも激しさを増している。デワルチ(Dewa Ruci)交差点の立体交差化と海上自動車専用道の開通でグラライ(Ngurah Rai)バイパスの交通渋滞は多少とも軽減された印象があるものの、時と場合によっては依然として渋滞が散発している。その状況への対応としてマデ・マンク・パスティカ州知事が、バリ州での新規車両登録を3〜5年間閉鎖するアイデアを出した。これは州内での新車登録および州外からの登録移転を禁止するという内容のもので、州内登録車両の増加はそれで抑止できる。しかし州民をはじめ州内居住者が州外で購入し、そのまま州内に持ち込んで使用するのを止めることはできない。その対策として考えられているのが水際での撃退作戦で、東と西のフェリー港で州外ナンバープレートの車両にバリ島内の滞在許可期限を示すステッカーを貼らせ、その期限を超えて州内にとどまっている車両に対する取締りを行おうというものだ。

[メダン]
北スマトラ州警察は、自動車登録台数が524万台に達したことを報告した。三年前の400万台、2007年の289万台からたいへん顕著な増加になっている。いまや州内では平均してひと月2万5千台の新規登録があり、車両の増加は急ピッチだが、道路の新規増設はほとんど行なわれていない。
メダン市では、2011年から同一名義人が所有する複数の自動車に対して累進課税方式を開始したが、思い切った税率差が付けられなかったことからあまり効果が上がっていない。2013年は12月はじめまでの自動車税収入1.2兆ルピアの中で、累進課税による税収は35億しかなく、評価はあまり高くない。北スマトラ州の地方税収入は自動車税が67%を占めて大きな柱になっており、州政府は税源の多様化をはかりたいために自動車税ばかりを膨らませるわけにはいかないという思惑がそこにからんでいるかのようだ。
メダン市内の交通混雑は秩序に配慮しない運転者の態度がもたらしている部分があり、中でもアンコッやオートバイベチャの無免許運転手が路上で繰り広げている身勝手なふるまいが路上での渋滞を引き起こすことも稀でない。市内の交通渋滞がテンブン、デリトゥア、タンジュンモラワなどの郊外部まで波及することも頻?になっており、市運輸局は2015年にBRT(bus rapid transit)の運行をメダン市内ばかりか、メダン〜ビンジャイ〜デリスルダンとビンジャイ〜メダン〜ルブッパカム線に走らせることを計画している。

[パレンバン]
新規登録車両増加は年間4〜6千台で、昨今ではパレンバン市内の交通渋滞個所が増えている。

[マカッサル]
5年前の南スラウェシ州内自動車登録台数は85万台だったが、いまや230万台に達している。一方、道路総延長は1千5百キロしかない。
ここ三年間、市内の路上の混雑はますます顕著になっており、市内道路での平均走行速度は35キロ/時まで低下した。このまま推移すれば、5年後には時速10キロまで低下するだろうと推測されている。「そうなると、自動車に乗るよりも歩くほうが速い。マカッサル市内の交通状況を悪化させている要因の中に、マロス、ゴワ、タカラルなど周辺諸県から流れ込んでくる自動車の多さがその一翼を担っている。」マカッサル副市長はそう語る。周辺諸県からやってくる自動車とは、マカッサルの海港であるスカルノハッタ港との間を往復している大型トラックを指している。
周辺諸県とマカッサル市の間の道路網を整備することが緊急要件になっており、市内と市外にリングロードを建設することが計画されている。更に、マカッサル市内のプリンティスクムルデカアン通り〜スタミ工学士通りの5キロ区間を道路幅42メートルに拡張し、またプリンティスクムルデカアン通り〜スルタンアラウディン通りの7キロ区間も拡張計画が立てられている。それらの道路はマロスとゴワからマカッサル市内に入ってくるための通過ルートなのだ。その工事によって、プリンティスクムルデカアン通り・ウリップスモハルジョ通り・グヌンバワカラエン通り・スルタンアラウディン通り・APペタラニ通り・アンディトンロ通り・ラトゥラギ通りなど現在道路混雑と交通渋滞の中心になっている諸道路に円滑な交通が戻ってくることが期待されている。
しかし市内で発生する渋滞の原因のひとつに、路上駐車問題がある。商店街や店舗住宅の並びが十分な駐車スペースを備えていない場合、買物客は必然的に道路脇に駐車して一帯の道幅を狭くする。ブルヴァル通り・プガヨマン通り・スガイサダン通り・トドプリ通り・タマラテ?通り・ラトゥラギ通りなどでの交通渋滞の原因はその要因が大きく、市当局に対応を求める声も高まっている。

[マナド]
登録されている四輪二輪自動車は776,163台で、一方市内道路の総延長キロは518.97キロしかないため、単純に割り算すると一台の車両に割り当てられる道路長は66センチになってしまう。2013年にマナド市ではひと月平均400台の二輪車と120台の四輪車が増加した。それで市内に交通渋滞が起こらないほうがおかしいというのが大半の市民の意見だ。


「スラバヤの公共輸送システム建設計画」(2014年1月9日)
スラバヤ市は市内の交通渋滞対策としてモノレールとトラム(市内電車)を使った公共運送網の建設を計画しており、2015年の稼動開始が目標にされている。スラバヤ市開発企画庁によれば、市内の南北をトラムが結び、東側をクンジュラン(Kenjeran)をターミナルとするモノレールが走るというもので、南北を結ぶトラムは北側のタンジュンぺラッ(Tanjung Perak)港ウジュン(Ujung)地区からラジャワリ(Rajawali)〜フェテラン(Veteran)〜パフラワン(Pahlawan)〜クラマッガントゥン(Kramat Gantung)〜グンブロン(Gemblong)〜トゥンジュガン(Tunjungan)〜バスキラフマッ(Basuki Rahmat)〜グブルヌルスルヨ(Gubernur Suryo)〜パンリマスディルマン(Panglima Sudirman)〜ウリップスモハルジョ(Urip Sumoharjo)〜ラヤダルモ(Raya Darmo)〜ウォノクロモ(Wonokromo)というルートを経るが、南側からの戻りはウリップスモハルジョから分岐してバスキラフマット(Basuki Rahmat)〜ンボンマラン(Embong Malang)〜ブラウラン(Blauran)〜ブブタン(Bubutan)〜クボンロジョ(Kebon rojo)〜インドラプラ(Indrapura)というルートを経てタンジュンぺラッに至る。
この公共マス輸送システムは現在行なわれている民間市バスのルートを効果的に統合して市民に最大の移動の便宜を与える必要があり、また市民に自家用車をやめて公共運送機関を利用してもらうように導く必要もあることから、市内の駐車料金値上げや、指定エリアへの進入を有料化するERPシステム導入も検討されなければならない、とスラバヤの学術界は市庁に提言している。


「こういうブルーバードタクシーもある」(2014年1月16日)
2013年9月19日付けコンパス紙への投書"Stres dan Merokok di dalam Taksi"から
拝啓、編集部殿。2013年9月11日23時45分ごろ、わたしと妹はスカルノハッタ空港からスルポンへブルーバードタクシーで向かいました。
タクシーの車内に入ったとき、普通は運転手からフレンドリーに歓迎されるものなのに、ステパヌスという名の運転手は違っていました。かれは、行き先が遠すぎると言って不平を鳴らしたのです。
道中でかれはスルポンへの道がわからないと言い出しました。自分はボゴール支所に勤めており、タングランの地元ではないからと言うのです。そしてしまいには、別のブルーバードタクシーとすれ違ったら、向こうに移ってもらう、と言いました。
ほかに選択の余地がないため、わたしはずっと我慢しました。車はますます寂しげな場所へ進んで行きます。そんな場所でタクシーから降りるわけには行きません。その運転手は道中、愚痴を言い続け、カウンター係員と他の運転手がつるんでやっていることだ、などと他人の非難を口にしました。そして怒りを爆発させ、車を暴走させたのです。そしてなんと、最後には最悪の事態に陥りました。ストレスに耐えられないからと言って、タバコを吸い始めたのです。[ ボゴール在住、インダ・プラティウィ ]
2013年9月21日付けコンパス紙に掲載されたブルーバード社からの回答
拝啓、編集部殿。インダ・プラティウィさんからの2013年9月19日付けコンパス紙に掲載された投書について、次の通り回答いたします。まずインダさんとそのご家族からの当社に対する日ごろのご愛顧にお礼申し上げるとともに、2013年9月11日に当社のタクシーをご利用いただいた際の不愉快なできごとに関してお詫び申し上げます。
お申し出くださった苦情は当方のサービス向上にきわめて有意義な情報です。そのフォローアップの中で当社はその運転手に対し、今後はブルーバードグループのスタンダードに即した顧客サービスを提供するよう警告と指導を与えました。ありがとうございました。[ ブルーバードグループCSマネージャー、バユ・クリスティアディ ]


「道路標識無視の二輪車」(2014年1月17日)
北ジャカルタ市警が2013年に検挙した交通違反件数は47,347件で、平均一日当たり130件にのぼる。そのうちの最大シェアは道路標識や路面表示に従わない違反で、35.7%を占めた。その他の主な違反は、車両を運転する際に義務付けられている書類の不携帯、道路逆走、公共運送機関が乗降禁止場所で乗客を乗り降りさせるといったもの。2012年の総件数は50,362件だったので、減少していると言うことはできる。
また、47,347件中28,267件は二輪車の違反、9,786件は四輪自家用車、9,272件はトラック・バスの違反という内訳だった。
北ジャカルタ市運輸課長によれば、交通渋滞軽減対策としてトランスジャカルタバス専用車線への侵入違反、路上違法駐車車両のタイヤ空気抜き処分や罰金適用、公共運送機関が路上で行なう客待ち停車処罰などの重点対策は年が変っても継続して実施されているとのこと。
一般自家用車が路上駐車するためにボトルネックが作られて交通渋滞の原因になっている。その常習地区はマルタディナタ通りやチャクンチリンチン通り、マルンダアクセス路など。またヨッスダルソ通りとプルンパンラヤ通りの交差点やスンプル五叉路、エニム通り、エンガノ通り、マルタディナタ通りなどでも都バスだけでなく州間長距離バスまでが道路脇で客待ちをするために交通渋滞を引き起こしている。
それらの違反者に警察は交通違反切符を切っているが、法定罰金の最高金額を科そうという申し合わせにもかかわらず、都下の各地裁の方針は一律になっておらず、最高罰金額50万ルピアが科される判決もあるが、30万しか科されないようなケースも混じっている。


「空港鉄道はハリムとスカルノハッタを結ぶ」(2014年1月20日)
スカルノハッタ空港と都内マンガライ鉄道駅を結ぶ空港エクスプレス電車プロジェクトは、ついに工事業者指名入札の段階に差し掛かった。政府は2014年第一四半期に入札参加者の審査を行い、4月には入札を実施したい意向。
ところで、当初は上記のようなルートが想定されていたが、東ジャカルタ市ハリムプルダナクスマ空港で商業定期飛行が開始されたこともあり、政府は空港エクスプレスをマンガライからさらに東まで運行させることを決めた。残念ながらハリム空港に乗入れることはせず、ハリム空港の北側を通っているチカンペッ自動車専用道の近くに終点を置く予定で、ハリム空港からはおよそ1キロ離れた場所になる。政府の計画は現在のところ、次のようになっている。
終点のハリム駅は地下に作られ、次のチャワン駅の手前まで地下を通る。チャワンで地上に出るとそのまま高架に上がり、マンガライ〜タナアバン〜スディルマン〜プルイッの各駅を高架のまま経由してスカルノハッタ空港に近付き、再び地下にもぐって第3ターミナル〜第2ターミナル(終点)まで地下のまま、という構想だ。
2013年12月に出された運輸大臣規則第1264号で上のルートは既に決定事項になっており、この空港エクスプレスが完成した暁には空港自動車道と並行して高架鉄道が走ることになりそう。


「無法社会に殺される」(2014年2月6日)
国鉄ジャボデタベッ事業区のデータによれば、管区内に踏切は506ヶ所あるとのこと。ところが公的に設けられているものは309ヶ所で番人が付いているところはそのうちの186ヶ所、無人踏切は123ヶ所であるそうだ。ならば、残る197ヶ所はいったい何なのか?公的な管理の手から外れている非合法踏切がそれなのである。
そういう非合法踏切は、鉄道線路域内への一般人の侵入が容易で、且つそのエリアを通行する者にとってそこを横断できればたいへん便利な位置にあることがその誘引になっているのは言を待たない。こういうシチュエーションでインドネシア人は、法を第一優先するのでなく、個人の便宜を最優先しているわけだ。そういう踏切を横断する人間がみんな注意力抜群で敏捷性も高く、列車が近付いてきたら早々に踏切から外に出るという人間ばかりでは決してない。どうしたわけか、鈍重なくせにそういう危険の中の便宜を追い求める人間もここには少なくないのである。そんな非合法踏切のひとつで例によって鉄道事故が起こり、縁もゆかりもない人間の命がひとつ消えた。
2014年1月24日午前6時ごろ、タングラン市タナティンギにある非合法踏切のひとつで、そこを通りかかった乗用車トヨタラッシュにやってきた電車が接触した。その乗用車は運よく電車に巻き込まれず、後部をはじかれたため、そこから近い住宅に飛び込んだ。しかし運悪く、その家の住人イイン・イブラヒムさん31歳が朝食後、家の表に座ってのんびりしていたのである。イインさんは飛び込んできた車を避けることができずに圧死した。皮肉なことに、トヨタラッシュを運転していたタングラン刑務所で歯科医師の仕事をしているSさん34歳は、かすり傷だけで終わっている。
警察はこの事件を純然たる交通事故ではないと位置付け、捜査を開始した。タングラン市には11ヶ所の非合法踏切があって頻?に事故が発生しており、今回の事故現場も近隣住民が勝手に踏切を開いて通る車両から1〜2千ルピアの稼ぎを得ていた。


「オートバイは命知らずが持つ凶器」(2014年2月10日)
都内カンプンムラユとタナアバンを結ぶ一般高架道路が2013年12月30日にオープンした。交通渋滞の激しいサトリオ通り〜カサブランカ通りの上を通るこの道路はもともと有料自動車道として計画されたが、最終的に一般道としてオープンされた。しかしこの道路への二輪車の進入は禁止された。有料道路としてオープンされていれば必然的にそうなっていたわけだし、また二輪車交通事故が飛び抜けて多いインドネシアで高架道路から転落すれば死に至る確率はいやがおうでも上昇する。
ところが、道路標識や垂れ幕が掲示されているにも関わらず、そういうものを一切無視する二輪車ライダーたちは、オープンして交通警官がいなくなったとたんに続々とそこへ進入し始めた。別の日に、警察が入口で交通整理をせず、やってくる二輪車を出口で捕まえるショック療法を始めると、出口に警官が待ち伏せていることを知った二輪車ドライバーたちはまた続々とその道路を逆走して入口へ戻っていく。
捕まった二輪車ライダーたちは口々に「自分ははじめてここを通ったのであり、ここが二輪車進入禁止になっていることは知らなかった」と言い、入口に掲示されている大きな垂れ幕についても「見なかった」「気がつかなかった」と臆面もなく白を切る。そして2014年1月27日夜、懸念されていた事故が発生し、不運な二輪車ライダーは同乗させていた妻と胎児を一瞬にして失ってしまったのである。
ウィンダワティ27歳(愛称ウィウィン)はモールコタカサブランカに入っている薬局ワトソンにスーパーバイザーとして三日前から勤め始めた。そして二月から産休に入る予定にしていたのである。その夜22時に勤めを終えたウィウィンを夫のファイサル・ブスタミン28歳がオートバイで迎えに来た。そして妻を後ろに乗せると帰途に着いたが、ファイサルはカサブランカ側からタナアバンに向かう高架道路にそのまま進入したのだ。かれはきっと、そこを一度は通ってみたいと念願していたのだろう。その夜、かれはついにそこに乗入れたのである。高い位置から見下ろすジャカルタの夜景はきっとふたりに感動をもたらしたはずだ。そこは二輪車進入禁止だと言われているが、自分以外にもちらほらと二輪車の姿が見えるではないか。とそのときファイサルの目に、前方の道路脇で二輪車の検問を行なっているパトカーと警官の姿が映った。
ファイサルはとっさに急ブレーキをかけ、検問から急いで逃れようとしてUターンし、アクセルをふかした。そのとき前方からホンダシティがやってきたのだ。ホンダシティの運転者は高速で逆送してくる二輪車に驚いたにちがいない。衝突は避けようもなく、二輪車は道路脇に横転し、後ろに乗っていたウィウィンが投げ出されて15メートル下の一般道に墜落した。ファイサルは重傷を負ったが高架道路下への転落は免れた。
妻と胎児をこうして失ったファイサルはそのとき無免許運転をしていたのである。南ジャカルタ市警交通課長は、無免許運転の罰は最高100万ルピアの罰金・5年の入獄となっているが、この事故では二輪運転者が進入禁止違反と道路逆走を行い、更に加えて他の人間を死に至らしめたことから、罰則はもっと重いものになると語っている。
そんな事件を知ってか知らずか、ジャカルタの二輪ライダーたちは進入禁止の高架道路に今日も平気な顔で乗入れてくる。


「ロボット化を拒否していれば、文明化は進まない」(2014年2月27日)
2013年9月18日付けコンパス紙への投書"Transjakarta Tidak Punya Prosedur Standar Operasi"から
拝啓、編集部殿。トランスジャカルタの利用者がますます増加していることは疑いありません。たまたまわたしも、トランスジャカルタ第1ルートの常連客です。バスに乗っているとき、乗客へのサービスについていろいろと観察しました。トランスジャカルタにはSOP(標準作業手順)がないみたいだ、というのがわたしのコメントです。
どうしてそうなるのか?次の停留所の名前をアナウンスする際に、すべての運転手がスピーカーをオンにしているわけではないのです。乗客はみんな、停留所の順番を知っていると思っているのでしょうか?車掌がアナウンスしてくれる場合もありますが、みんな声が大きいわけでもないし、乗客はあまり聞いていません。
スティアブディ、グローラブンカルノ、マスジッダグンなどの停留所名を全乗客が知っているなんて思わないでください。それらの停留所では扉がひとつしか開かないので、そこで降りたい乗客は急いで中央扉に走らなければなりません。スピーカーでアナウンスされる場合でも、「バスから降りるひとは右側の扉を使ってください」とポイントのずれたアナウンスがなされているだけです。
トランスジャカルタの機能は公共サービスなのですから、トランスジャカルタマネージメントはSOPを作り、その実行をランダム監視させ、車内アナウンスするときにスピーカーを使わなかったバスの車両番号を記録し、運転手に警告や厳格な罰則を与えるようにしなければなりません。不服従な者はその職務から外し、会社の規則を守る人間に交代させなければなりません。SOPというのはその会社の規則なのです。[ タングラン在住、バンバン・スティア・ウタマ ]


「コタ駅前の渋滞が軽減」(2014年2月28日)
Beosという別名でも呼ばれているジャカルタコタ駅前交差点は激しい交通渋滞の名所でもある。その渋滞解消をはかって都庁交通局が交通の流れを大規模に変更した。2014年2月26日に開始されたこの変更はその交差点の交通量を大幅に軽減したと翌日のマスメディアは報道している。交通の流れは下のように変更された。
ガジャマダ通りから北行き:ピントゥブサールスラタン北端のアセムカ交差点で右折禁止。マンガドゥア〜グヌンサハリ方面に行きたい車は;Pintu Besar Utara⇒Bank⇒Kali Besar Barat⇒Kali Besar Timur ?⇒Kemukus⇒Ketumbar⇒Lada⇒Stasiun⇒Jembatan Batu⇒Mangga Dua (Jl.を省略)
またジャヤカルタ通りが北端でジュンバタンバトゥ通りと合流する三叉路の交差点ではジュンバタンバトゥ通りを西から来た車は右折してジャヤカルタ通りに入ることが禁止され、そのまま直進してマンガドゥア通りに入り、Uターンして戻ってこなければならない。
同じようにジャヤカルタ通りからマンガドゥア方面への右折も禁止され、右に行きたい車は一旦左に折れてアセムカ交差点に進み、Kali Besar Timur ⇒Kopi⇒Lada⇒Kemukusと回る。
この変更と同時に別の場所でも交通の流れの変更が行なわれた。ジュンバタンティガ交差点では、ラトゥメテン通りからプルイッに向かうための右折が禁止され、一旦左に曲がってタンボラ郡役所の前でUターンし、プルイッ方面に向かうか、あるいはラトゥメテン通りからそのまま高架橋に上がるかの選択になる。また、トゥバグスアンケ通りからアセムカ方面への右折もできなくなる。
報道によれば、べオス前の渋滞は大きく軽減されたものの、ラトゥメテン通りとトゥバグスアンケ通りの交差点およびジャヤカルタ通りのシオン教会前の渋滞が激しくなっているとのこと。


「メダン空港電車運行時刻表」(2014年2月28日)
北スマトラ州メダンのポロニア空港に代るクアラナム空港(IATAコードKNO)は市内と空港を結ぶ自動車専用道の建設が遅れているが、鉄道は既に運行している。その時刻表は次の通り。
便名   メダン発 ⇒ 空港着
U62  04.00⇒04.37
U2A  04.50⇒05.27
U4A  06.15⇒06.52
U6A  07.16⇒07.53
U8A  08.20⇒08.57
U10A 09.10⇒09.47
U12A 10.40⇒11.17
U14A 11.10⇒11.47
U16A 12.10⇒12.47
U18A 13.45⇒14.22
U20A 14.15⇒14.52
U22A 15.15⇒15.52
U24A 16.45⇒17.22
U26A 17.15⇒17.52
U66  18.15⇒18.52
U68  19.17⇒19.54
U70  20.01⇒20.38
U72  21.10⇒21.57
便名    空港発 ⇒ メダン着
U61  05.05⇒05.50
U65  07.33⇒08.15
U1A  08.00⇒08.46
U3A  09.05⇒09.49
U5A  09.25⇒10.10
U7A  10.20⇒11.07
U9A  11.50⇒12.37
U11A 12.25⇒13.09
U13A 13.25⇒14.12
U15A 14.55⇒15.42
U17A 15.30⇒16.14
U19A 16.25⇒17.12
U21A 17.55⇒18.42
U23A 18.30⇒19.14
U25A 19.56⇒20.40
U67  20.40⇒21.17
U69  21.15⇒21.59
U71  23.30⇒00.07

なお、U72便とU71便は金土日休日のみ運行


「交通秩序回復には、免許証に穴」(2014年3月4日)
2013年10月7日付けコンパス紙への投書"Tilang Tak Membawa Jera, Ganti Lubangi SIM"から
拝啓、編集部殿。これまで交通警察は何度も繰り返し道路交通の取り締まりキャンペーンを行なっていますが、その結果は交通法規に違反した運転者に対して何千枚もの違反切符を発行しただけではありませんか?切符を切られた運転者たちは、懲りて法規を守るようになりましたか?
今や運転者、特に二輪運転者、の法規に対する不服従は目に余るものになっています。交通標識無視、道路逆走、夜間の無灯火運転、ナンバープレートなし、点滅ランプやブレーキランプが点かない、バックミラーなし・・・
同じように、他の車両の安全などまったく気にかけずに自動車専用道の路肩を高速で突っ走る高級車の狂気のふるまい。お抱え運転手に道路標識を無視するよう命じる雇い主にとって、5万から100万ルピアという罰金など痛くも痒くもないでしょう。
現在のような罰金制度はやめて、運転免許証に穴をあけるシステムに変えるべきです。違反の度合いに応じて、穴の種類を変えればよいのです。穴をあけられた運転免許証の持ち主は、同じことが繰り返されるのを避けようとするでしょう。ましてや、職探しに運転免許証を提示しなければならないケースでは致命傷になるにちがいありませんから。[ 東ジャカルタ市在住、マルヤント ]


「バティックエアーの国際線進出計画」(2014年3月6日)
心身の心地よさに対する強い心的傾斜を持っているインドネシア人は、経済的な能力が高まれば必ず贅沢なクオリティや他人からかしずかれるようなサービスを求めるにちがいない。そして今や、国内ではミドルクラスと呼ばれる経済的に余裕のある階層が大きく膨れ上がって来ているではないか。
ローコストキャリヤー(LCC)事業で国内最大級のエアラインにのし上がったライオンエアーがそんなロジックのもとにスタートさせたバティックエアーが、2014年11月あるいは12月にいよいよ国際線に乗り出す予定。国際線の取り掛かりはご多聞にもれずジャカルタ〜シンガポール線になる。近いからというだけでなく、需要のきわめて大きい幹線ルートでもあることから、インドネシアとシンガポールを往復する飛行機のロードファクターはどの会社もあまり心配していないようだ。
バティックエアーは2013年5月3日に空運事業を開始し、2014年までに100万人を超える乗客を運んだ。バティックエアーはフルサービスフライトを行なっており、親会社のライオンエアーより料金は高いがまるで比較にならない機内サービスを行っている。インドネシア人は貧しいから、乗り合いバスのような何のサービスもないが料金は廉いLCCしか使わないということでは決してない。もちろんLCC時代の幕開けはそんな状況であり、おかげで航空機乗客数が年々倍々ゲームを繰り広げて鉄道と客船が大勢の乗客を失った。しかしそれはもう過去の話であり、ミドルクラスの増加に伴ってフルサービスフライトの需要も増加傾向にあるとバティックエアーCEOは主張する。
ライオンエアーが乗客の声を集めたところ、もっと機内サービスを付け加えるよう求める声が大きく、そのために料金が高くなるのはやむをえないという意見が多数を占めた。そのためにライオンエアーはフルサービスを行う子会社を興してその声に応えることにし、こうしてバティックエアーの誕生となったのだが、経済的に優勢なスマトラ〜ジャワ〜バリの路線だけロードファクターが良いということではない。マナド、アンボン、クパン、ジャヤプラなどの路線でもビジネスクラスは満席の便が多く、一日三便が飛んでいるアンボンなどは、もっと便数を増やしてほしいという声が届いている。
バティックエアーは2014年に国際線進出をはたしたあと、2015年にマレーシア線と香港線に乗り出す計画。ユニークなのは香港線をジャカルタ〜香港とせず、バタム〜香港としていること。もちろん、ジャカルタ〜香港間をバティックエアーで飛びたい乗客は、途中バタムで乗り換えということになる。


「205系電車が稼動を開始」(2014年3月10日)
全10両編成の車両がすべて日本から購入された205系電車で構成されている便の運行が2014年3月5日から開始された。走るルートはボゴール〜ジャカルタコタ線で、一日十回稼動する。各便の発車時刻は次の通り。
ボゴール発ジャカルタコタ行き 06:36、10:00、15:16、18:41
ボゴール発デポッ行き 21:50
ジャカルタコタ発ボゴール行き 08:12、11:32、16:51、20:26
デポッ発ボゴール行き 06:05
国鉄は205系180両購入の主目的として首都圏コミューター電車のサービス向上を挙げており、一日の稼動便増加を行なってラッシュ時間帯のすし詰め状態緩和を図ることを最大の狙いにしている。しかし今回の稼動開始は増便でなく、運行適性が悪くなったためこれまで運行していた列車と交代したというのが実態。
その10両の中の2両は全席折畳み式になっており、ラッシュ時のすし詰めに対する効果が期待されているのだが、妊婦・老人あるいは椅子を必要としている乗客のことを慮って、当面はラッシュ時でも座席を折畳まない方針であることを国鉄は明らかにしている。それがインドネシアメンタリティというものだろう。
購入した180両のうち150両は2013年中にインドネシアに到着して型式承認と走行適性検査のプロセスが行なわれている。また10両編成の列車を走らせるためにプラットフォームの短い駅はそれを延長しなければならず、そんな事情に関連してボゴール〜ジャカルタコタ線の各駅は必要に応じてプラットフォーム延長工事を行なっている。現在のところ、205系列車をブカシ線に走らせる計画はなく、もしそうなればブカシ線でも諸駅でプラットフォーム延長工事が開始されることになる。


「泥棒バスの手口」(2014年3月11日)
2013年10月20日付けコンパス紙への投書"Bus Antarkota Rawan Kejahatan"から
拝啓、編集部殿。わたしはバス会社シナールジャヤの長距離乗合いバスをもう10年くらい利用しています。2013年9月30日17時半にわたしは夫とともに南ジャカルタのルバッブルスターミナルから中部ジャワ州ウォノソボ行きの夜行バスに乗りました。プルウォクルト、プルバリンガ、バンジャルヌガラで乗客がたくさん降りたとき、わたしは奇妙な感じを抱きました。車掌はただじっとしていて、車内灯を点けようともしませんでした。これまでのわたしの経験では、夜行バスの乗客が降りるとき、車内灯は必ず点けるし、到着をアナウンスするのが普通なのです。
ウォノソボのサワガン地区に着いたとき、はじめて車内灯が点灯しました。降りるときに、荷物を置いた場所へ行くと、わたしどもの荷物がなくなっているではありませんか。驚いて、わたしどもは運転手と車掌にそのことを尋ねましたが、「知らない」という返事しか返ってきませんでした。他の乗客の中に、その荷物はバンジャルヌガラで降りた二人連れが持って行った、と教えてくれたひとがいました。ウォノソボターミナルの職員にその事件を届けたところ、わたしと夫が乗ったそのバスはウォノソボのバスでなくバンジャルヌガラのバスだったそうです。[ 南ジャカルタ市在住、アンバル ]


「4月1日から鉄道料金を一部引き下げ」(2014年3月17日)
年間総額1.2兆ルピアの補助金を与えることで全国の近距離鉄道利用者に対する乗車料金の軽減を求める2014年度公共サービスオブリゲーション契約を政府は国鉄との間に結んだ。この契約は昔から行なわれてきているが、年によっては政府の補助金削減対象となって実施されなかったこともある。
1.2兆ルピアの過半数を占める6,410億ルピアが年間3億人の利用を想定して国鉄最大の利用者数を誇る首都圏近郊電車網のために国鉄の子会社である国鉄コミュータージャボデタベッ社に与えられる。昨年同社は乗車料金を5駅間ひとり2千5百ルピア、その先は3駅ごとに1千ルピア上乗せという料金システムにしたが、2013年半ばにオブリゲーション契約が開始されたため最初の5駅間は2千ルピアで上乗せの3駅は5百ルピアに引き下げられた。今回締結された新規契約は2014年4月から開始される。現行料金が採算線を下回っているため更なる料金値下げは無理だが、乗客に対するサービス向上に努めることを国鉄コミュータージャボデタベッ社代表取締役は言明している。
また首都圏コミューター電車だけでなく一般鉄道網の利用者もこの補助金の対象になることから、国鉄は2014年4月1日から各地の列車に対する料金引下げを実施する。首都圏近隣地方部を走る列車の中では、プルワカルタとジャカルタコタ駅を結ぶチラマヤエクスプレス(Cilamaya Ekspres)とワラハルエクスプレス(Walahar Ekspres)が3千ルピアに、チカンペッ〜ジャカルタコタのエコノミー列車は2千5百ルピアに料金が下がる。スマラン〜ジャカルタ間を走るタワンジャヤ(Tawang Jaya)号は8万ルピアから4万5千ルピアに、トゥガラルム(Tegalarum)号は5万ルピアから2万5千ルピアに、また、それら以外にも走行距離が7百キロを超える長距離列車での料金値下げも行なわれる。クルタジャヤ(Kerta Jaya)号(タンジュンプリウッ〜スラバヤ)、マタルマジャ(Matarmaja)号(パサルスネン〜マラン)、ブランタス(Brantas)号(クディリ〜タンジュンプリウッ)、あるいはルバラン交通期におけるパスンダン(Pasundan)号、クトジャヤウタラ(Kutojaya Utara)号、クトジャヤスラタン(Kutojaya Selatan)号、マンタブ(Mantab)号なども対象にあがっている。その一方で、ランカスビトゥン〜パルンパンジャン線は現在のひとり1千5百ルピアから2千ルピアに引き上げられるものもある。
国鉄側は、料金が下がったからサービスも低下するということは決してない、と念を押した。車内冷房・全乗客への座席割当・無許可車内物売りの完全排除をエコノミー列車まで徹底する方針は今後も継続される由。
なお、4月1日から料金が下がる列車の前売り券を既に購入し、もしくは3月31日までに購入する消費者は、4月1日以降乗車前に乗車駅の発券窓口で差額を払い戻してもらえるとのこと。


「シティリンクが国際線進出」(2014年3月21日)
ガルーダ航空のLCC子会社シティリンクが2014年3月15日から国際線進出を開始した。同社の戦略は一風変ったスラバヤ〜ジョホールバル線が第一歩。東ジャワ州都のスラバヤをフランチャイズに選択したのは、進歩を好む活気ある都市だからだ、とシティリンク代表取締役は説明した。その夜、スラバヤ空港を飛びたったシティリンクのイニシャルフライトには、マレーシア南部で働く東ジャワ出身者をメインに105人の乗客が乗っていた。
シティリンクはこのスラバヤ〜ジョホールバル線を手始めに、クアラルンプル、シンガポール、香港、台湾、パースと国際航路ネットワークを2014年中に拡大させたい意向で、そのために機体を増やす予定にしており、既存の24機を32機に増やすことが計画されている。


「地方都市に飛行場開設」(2014年3月25日)
政府は2014年に12飛行場を地方部にオープンする予定。これは先に立案されていた2013〜15年の運輸省全国空港/飛行場新設計画の進捗状況を勘案した年度計画修正版で、その大枠の計画はこれまで航空ルートを持っていなかった地方の経済振興が優先目標であり、物流配送の便宜向上、空運へのアクセスの扉を開く、全国地方部の開発レベル是正などを目的としており、同時に観光事業開発の促進が強く地元に求められることになる。
2014年3月6日には、西スラウェシ州ママサ(Mamasa)で全長9百メートルの滑走路を持つ新飛行場のオープニング式典が行なわれた。この飛行場は西スラウェシ州にとってふたつ目の飛行場で、三ヶ月前にマムジュ(Mamuju)にタンパパダン(Tampa Padang)飛行場がオープンしている。航空機利用者が増加すれば、使用される機体も大きくなり、滑走路もより長いものに延長していかなければならない。1千2百メートルの滑走路にすれば、30人乗りの航空機が発着できるようになる。そのような変化は今後の推移を見守りながら行なわれることになる。
2014年に計画されている12飛行場は次の通り。
西スラウェシ州ママサのスマロロン(Sumarorong)飛行場
ジャンビ州ブゴ(Bungo)のムアラブゴ(Muara Bungo)飛行場
ランプン州西ランプンのプコンスライ(Pekon Serai)飛行場
東ジャワ州グルシッ(Gresk)のバウェアン(Bawean)飛行場
南スラウェシ州ボネ(Bone)のボネ飛行場
南スマトラ州ラハッ(Lahat)のパガララム(Pagar Alam)飛行場
パプア州ラジャアンパッ(Raja Ampat)のワイサイ(Waisai)飛行場
パプア州ヤペン(Yapen)のカマナップ(Kamanap)飛行場
マルク州東セラム(Seram)のクファル(Kuffar)飛行場
マルク州のトゥアルバル(Tual Baru)飛行場
マルク州のサウムラキバル(Saumlaki Baru)飛行場
パニアイ(Paniai)のワグヘテ(Waghete)飛行場
このような新設飛行場に対しては、空運を利用する習慣が地元民に根付くまで政府が補助金を交付して料金を低く抑えるパイオニア航路政策が行なわれてきた。この政策では、商業運航のための一人当たり料金の三分の二を政府が負担し、乗客は三分の一を支払って飛行機に乗ることができる。ママサのスマロロン飛行場からマカッサル空港へのアヴィアスター航空の料金は24万3千ルピアで、これはすでに標準料金の三分の一になっている。ママサ〜マカッサル間の運航はアヴィアスターだけでなくボソワ航空も実施する計画で、スマロロン飛行場には両社の飛行機の姿が見える。
これまでママサからスラウェシ島南部の経済中心都市マカッサルへ出るためには、340キロの陸路をバスで移動するしかなかった。移動時間は8時間でバス料金はひとり20万ルピア。それが空の足を使えば、料金が24万ルピアかかるとはいえ、1時間でマカッサル空港に到着できる。ママサ住民のひとりは、この空の便の新設を喜びの声で迎えている。


「エアポートタックス大幅値上げ」(2014年4月3日)
空港運営国有事業体PT第一アンカサプラが管掌する全国13空港のうちの5空港でパッセンジャーサービスチャージ(通称エアポートタックス)が引き上げられた。この料金改定については、PT第一アンカサプラ経営陣から諸方面に対する一連の検討申請プロセスを経た上でなされたものだ、と東カリマンタン州スピンガン空港支所GMは述べているので、準備が進められた上での抜き打ち的な一般公表という印象が強い。
2014年4月1日から次の4空港で新料金の適用が開始された。
東カリマンタン州バリッパパンのスピンガン(Sepinggan)空港
国際線 20万ルピア
国内線 7万5千ルピア
東ジャワ州スラバヤのジュアンダ(Juanda)空港
国際線 20万ルピア
国内線 7万5千ルピア
南スラウェシ州マカッサルのスルタン・ハサヌディン(Sultan Hasanuddin)空港
  国際線 15万ルピア
国内線 5万ルピア
西ヌサトゥンガラ州ロンボッのプラヤ(Praya)空港
国際線 15万ルピア
国内線 4万5千ルピア
ニュピ祝祭日の関連で2014年4月2日から適用開始のバリ空港。
バリ州デンパサルのイ・グステイ・グラ・ライ(I Gusti Ngurah Rai)空港
国際線 20万ルピア
国内線 7万5千ルピア
100%という大きな値上がり率が数多く見られ、消費者からの批判を誘っている。


「マナド〜ダヴァオ、航空路開設」(2014年4月10日)
ガルーダ航空が北スラウェシ州マナドとフィリピンのダヴァオ(Davao)〜セブ(Cebu)を結ぶ航路をオープンする。これは在マナドのフィリピン総領事館が強く推進した企画で、ガルーダ航空とフィリピン政府の間で契約書のサインを済ませてから、2014年4月末に週二便で運航が開始される予定。ガルーダはこの航路に座席数97のボンバルディア機を投入する計画。採算線はロードファクターが8割で、採算線を割るときはフィリピン政府が赤字分を補填する契約になる。
北スラウェシ州政府はこの企画を大いに歓迎し、ガルーダ航空に対して同州サギヘ(Sangihe)諸島のタフナ(Tahuna)とタラウッ(Talaud)諸島のメログアネ(Melonguane)を経由させるよう要請したが、ガルーダ側はビジネス上のメリットがないとして断っている。サギヘ〜タラウッ諸島住民はかつてフィリピン南部に移住した者が多く、空の便ができれば双方からの往き来に関する便宜は大幅に向上する。
その希望は叶わなくとも、州政府としてはフィリピン南部とマナドが直結されることで経済上・観光上のメリットは大きいことから、双方の農産物を主体にした貿易や観光促進などのプロモーションをこれから積極的に推進したいとの意向を表明している。


「国内線航路網を各社が再編」(2014年4月18日)
政府から定期旅客空運事業ライセンスを受けているエアラインは17ある。Garuda Indonesia, Merpati, Mandala, Batavia Air, Indonesia AirAsia, Lion Air, Wings Air, Sriwijaya Air, KAL Star, Xpress Air, Citilink, Trans Nusa, Batik Air, Susi Air, Aviastar, Sky Aviation, Tri MG がそれで、このうちガルーダとバティックエアーがフルサービス、他はすべてローコストキャリアー(LCC)だ。ただし、バタヴィアエアーは2013年1月31日に倒産してエアエイシアに買収されてから、事業活動はストップしている。
政府は定期旅客空運事業における航空券料金を上限タリフの形で定めており、各航路ではその上限タリフを超えない範囲で自由競争が行なわれるよう指導している。LCCは政府が定めたその上限タリフの85%を超えてはならないことになっている。
ところが、航空機燃料の高値継続、ルピア安、1〜4月というローシーズンの最中といった逆風に吹かれて、LCC航空会社の中に航路によって運航休止を行なうところが増加している。特に顕著なのはリアウ州プカンバル空港で、野焼きの煙害に見舞われたため、スリウィジャヤ航空は3月から同空港発着便の運航を停止した。スリウィジャヤ航空側の理由はそうなっているが、プカンバル空港運営者はそれについて、既に16エアラインが同空港を利用しており、激しい事業競争に耐えられなくなったことが真因ではないか、との推測をもらしている。たとえば、プカンバル〜メダン航路は最初スリウィジャヤとライオンの二社での競争だったが、今ではガルーダとエアエイシアがその路線に参入しており、スリウィジャヤにとっては強豪の参入でたいへん苦しい立場に追いやられている。
タイガーエアーマンダラ航空は2014年2月10日から11航路の運航を休止している。エアエイシアはジャカルタ〜マカッサル航路で運航を休止した。スカイアヴィエーションはジャカルタ、スラバヤ、バニュワギ、デンパサル、マウメレ、ラブアンバジョ、ランプン、バタム、ポンティアナッなど20の国内及びマレーシアの空港を結んで定期便を飛ばしているが、ポンティアナッとバタムおよびナトゥナを結ぶ航路をひと月近く前から止めてしまっている。
当初に挙げたような経済状況が空運事業をサポートする方向に変化せず、経費負担の重荷がローシーズンのためにいよいよ耐えかねる状況に陥ったために、いくつかの航空会社が航路再編に取り掛かっているというのが今起こっている異変の真相のようだ。ルピア安は近隣諸国に出かける消費者の旅行意欲に冷水を浴びせかけているらしく、国際航路を持っている国内LCCにとってはその重荷も小さくない。
LCC業界の過当競争を乗り越えるために、いっそのことフルサービス空運事業に切り替えてはどうかというアイデアも聞こえているが、はたしてバティックエアーに追随するエアラインが登場するのかどうか?バティックエアーは金を余分に払ってでも贅沢なサービスを受けたいというインドネシア人の文化傾向を期待してライオン航空が興した戦略エアラインであり、LCCがサバイバルをかけて選択する道のひとつという意味合いを持っているのは間違いない。
このような運航休止や果ては航路網再編に伴う便数の縮小について航空券販売の一翼を担っている旅行代理店業界の反応は、あまり危機感の感じられないものだった。2012年に航空券オンライン販売が開始されてから、旅行代理店の航空券販売売上は三割も低下した。業界の理解はかつて旅行代理店で航空券を買っていた消費者の10人に三人がインターネット経由での購入に移行したというものになっていて、業界者の不安はむしろその面に集中しているとのこと。


「スラバヤ〜バニュワギ間で鉄道増便」(2014年4月21日)
国鉄はジャワ島東端のバニュワギ県とスラバヤを結ぶ鉄道便を強化するため、2014年4月15日からスラバヤ〜プロボリンゴ(Probolinggo)〜ジュンブル(Jember)〜バニュワギ(Banyuwangi)を運行するプロボワギ(Probowangi)号の運転を開始した。街道を通る自動車をできるだけ減らして石油燃料消費を低下させようという国策に即しての動きでもある。
スラバヤとバニュワギを結ぶ街道はスラバヤからパスルアン(Pasuruan)〜プロボリンゴを経たあと、ジャワ島北岸をそのまま東進してシトゥボンド(Situbondo)に入り、ジャワ島東北端のバルラン(Baluran)国立公園を山越えしてから南下してクタパン(Ketapang)〜バニュワギの町に至る。一方鉄路のほうはプロブリンゴから南下してジュンブルに向かい、その後更に東進して中央高原を抜けバニュワギに達する。この鉄路に沿った街道もあるのだが、道路クオリティや路幅あるいは高原部を通ることによる起伏の激しさなどの要因が相まって、大きい町をたくさん通過する北岸街道のほうがはるかに交通量が多い。スラバヤ〜バニュワギ間の距離は、北岸街道で291キロ、高原部を抜ける鉄道は308キロとなっている。国鉄スラバヤ第8事業区広報マネージャーは、プロボワギ号のスラバヤ〜バニュワギ所要時間は8時間半であり、自動車でも8時間かかるのだから時間効率はあまり違わず、鉄道のほうが安定していて且つ安全でもある、と鉄路を利用することのメリットを強調している。
これまでのスラバヤ〜バニュワギ間を結ぶ鉄道便はムティアラティムール(Mutiara Timur)号、スリタンジュン(Sri Tanjung)号、ロガワ(Logawa)号が運行しているが、スリタンジュン号はヨグヤカルタとバニュワギを結ぶ便、ロガワ号はプルウォクルト〜ジュンブルを結ぶ便であり、スラバヤまで来る間に座席はほぼ一杯になっていることが多いため、スラバヤからそれらの便を使う利用者の数は少なかった。
一方、ムティアラティムール号はスラバヤとバニュワギをダイレクトに結んでいるのだが、この便はエグゼキュティブクラスであるために乗車料金がひとり15万ルピアもすることから、一般庶民の利用はあまり多くなかった。おまけに、それらの列車はすべてスラバヤからの発車時間が午前9時以降であるというビジネス階層にとって利用しづらい条件が重なっていたため、街道利用者を増加させる条件がさらに上乗せされていた。そのためプロボワギ号はスラバヤ発が午前4時32分、スラバヤへ戻るバニュワギ発時間は14時30分というダイヤになっている。
プロボワギ号はエコノミー列車だがエアコン付き車両が使われ、また各客席には電気コンセントが備え付けられていて、乗客が電気製品を使用するための便宜がはかられている。さらに、エコノミー列車に通例になっている物売りや物乞いも車内から排除されている。乗車料金はひとり3万8千ルピアとのこと。


「管理クオリティ低下は泥棒のせい」(2014年4月25日)
自動車専用道路の監督を行なっている公共事業省管下の自動車専用道路統制庁が2013年下半期末に行なったクオリティ審査で、全国29路線のうち9路線はミニマムサービス規準を満たしており、即合格が与えられた。他の3路線は条件付合格で、指摘されたマイナーファクターを7日以内に改善するよう命じられている。他の10路線は一次チェックで指摘された改善ポイントを満たしたために合格が与えられたが、残る7路線はいまだに合格が得られないでいる。その7路線とは次の通り。
1.スカルノハッタ空港自動車道であるIr.Sediyatmo-Cengkareng:道路照明の不足
2.都内環状自動車道Cawang-Tomang-Grogol-Pluit:照明の不足
3.バンドンに向かうCikampek-Purwakarta-Padalarang:路面に穴
4.バンドン市外バイパスのPadalarang-Cileunyi:路面に穴
5.ジャカルタ外環状自動車道:照明の不足
6.スラバヤ〜マドゥラ渡海自動車道:照明の不足
7.バリ海上自動車道Bali Mandara:道路情報告知システムがない
その7路線に対して統制庁は2014年4月16日、一週間の猶予を与えるので指摘された不備を改善するようにと通告した。
その7路線の運営者である国有事業体PTジャサマルガの業務担当取締役は、きわめて厳格な審査を行う統制庁の指摘を当方は尊重すると語った。「道路運営の質的向上のために、不備を改善するのにやぶさかでないが、それが容易にできない理由もある。たとえば、空港自動車道の照明はすべて対応を取ってある。にもかかわらず、毎日、どこかの照明が点灯しない。点灯しないのは、その電柱からケーブルや電池が消え失せるからだ。このような公共設備からケーブルや電池を盗もうとする泥棒への対策を当方は現在強化しつつある。一方、都内環状自動車道は省エネ対策として一本置きに点灯するようにしてあるが、統制庁がすべてを点灯せよと言っているので、今後はそれにあわせるようにする。」
自動車専用道路統制庁がスカルノハッタ空港自動車道改善状況の審査を行う日には、自動車道パトロールカーがひっきりなしに路肩を走っているかもしれない。


「交通規制エリアに入るのに一回2万ルピア」(2014年5月6日)
都心部の特定地域に進入した車両から自動的に料金を徴収するERP(Electronic Road Pricing)システムのトライアルを都庁は2014年7月に実施する。これは規制地域の境界に監視機器を設置し、通行する車両に設置された子機との間で通信が交わされて通行料金が口座から自動的に引き落とされるという、日本の高速道路にあるETCシステムと類似のもの。
ERPシステムでの車両に搭載される子機はOBU(On Board Unit)と呼ばれ、この7月のトライアルで使われるOBUはスエーデン製のもの。シンガポールでもこの同じ子機に変更するための検討が行なわれている最中であり、ジャカルタでは最初から最先端機器によるシステムが開始されることになる、とバスキ・チャハヤ・プルナマ副都知事は語っている。監視機器はスエーデンからジャカルタ向けて既に船積されており、到着次第スディルマン通りにゲートが組まれで設置され、6月末には稼動可能な状態になる予定。
この監視機の下を通る自動車にOBUが設置されていない場合、ゲートに設置されているカメラがナンバープレートを撮影して記録を残す。違反車両に対しては、そのオーナーに違反切符とナンバープレートの写真、そしていつそこを通過したかのデータが送られて罰金請求がなされる。それに応じない車両オーナーに対しては、毎年なされなければならない車両税支払い手続きの際にその問題が追及されることになる。
このトライアルに際して、監視機がその通りの機能を発揮するかどうかのテストが最優先事項になる。そのためOBU搭載車両と非搭載車両の双方に監視機の下を走らせて、監視機の動きをチェックしなければならない。都庁運輸局は頻?にゲート設置ポイントを通行する自動車に協力を仰ぎ、ボランティアとしてそのトライアルに参加してもらう計画。そのために30〜50個のOBUをボランティアに貸与する意向。監視機の通信システムは首都警察電子登録検出システムにも連結されるが、当初は全データが都庁運輸局に集積される。
トライアル期間についてはまだ決まっていないが、トライアル中は毎日状況のチェックが行なわれる。このスエーデン製の機器で行なわれたトライアルの次に、ノルウエー製機器でのトライアルが行なわれるとのことで、機器の選定が終われば国内業者による納入のための入札が開始される。2ヶ月以内に入札を終えて監視機器の設置が行なわれたら、可及的速やかにERPシステムが開始される。都庁はこのERPシステムは百%民営で行なわせる意向であり、収益も含めて都庁予算は一切関与しないことにしている。都庁と首都警察の監督下に、民間企業が一切を運営する形を採る、と副都知事は説明している。
ERPシステムは自家用車の通行を減らすことが目的であるため、一回の通行料金は2万ルピアを予定しているが、もしも1時間の通行台数が1千5百台を超える場合は料金がさらに引き上げられる予定。ジャカルタに登録されていない車両もこのシステムの対象になる。対象から除外されるのは公共運送車両・救急車・消防車に限られる。
都庁はこのERPシステムに加えて、規制エリア内での駐車料金を大幅に引き上げて交通規制を確実なものにしようと考えている。


「堂々と機内に座る密航者」(2014年5月19日)
2013年11月15日付けコンパス紙への投書"Penumpang Gelap Masuk Pesawat di Bandara Sentani"から
拝啓、編集部殿。2013年10月14日、わたしはジャヤプラのスンタニ空港からメラウケ行きスリウィジャヤ航空SJ600便に乗りました。乗客が全員機内で着席したとき、出発の延期が起こりました。
乗客名簿の人数と機内にいる人数が違うというのが延期の原因でした。乗客名簿の人数は102人なのに、キャビン乗務員が機内の乗客数を数えたら103人いたのです。何度か数えなおしを行ないましたが、結果は変わらずです。つまり乗客名簿に名前の無い人間が機内に混じっているのです。
結局、キャビン乗務員と地上スタッフが全乗客のボーディングパスをひとりずつチェックすることになりました。そんなことをすれば、時間がかかるに決まっています。努力の結果、航空券もボーディングパスも持っていない者がひとり見つかりました。ボーディングパスを持っていない人間が機内まで入ってこれるとは、いったいどういうことなのでしょうか?
スンタニ空港のセキュリティはいったいどうなっているのでしょう?空港職員は飛行機に搭乗しようとする乗客のチェックをいい加減にしているのでしょうか?このようなできごとは空港内で勤務している全職員に対して警備と監視のレベル向上をはかるための教訓と位置付け、国内の全空港オーソリティが二度とこのようなことを繰り返さないよう決意を新たにしてほしいと希望します。[ パプア在住、エコ・アリ・プラボウォ ]


「205系電車の稼動はやっと6列車」(2014年5月20日)
インドネシア国鉄が2013年にJR東日本から購入した205系電車180両はすべてインドネシアに到着し、整備と運行適性承認手続き段階に入っている。この購入ロットは国鉄子会社のPT KAIコミュータージャボデタベックが10両編成の18列車にしてボゴール〜ジャカルタコタ線に投入することを目的にしていたが、運行適性を満たせない部品があちこちで見つかっており、特定の車体から状態の良い部品を抜いて交換するため、国鉄は現実に路線運行に投入できるのは17列車になるものと見ている。
2014年5月9日までに運輸省が運行適性承認を与えたのは60両で、つまり6列車が既に運行を開始しており、同線の一日の運行便数は10便が増加した。6列車の運行便数はそれよりはるかに多いわけだが、これまで国鉄は手持ち列車をフル稼働させていたためにメンテナンスの余裕がなく、長期にわたって整備が不十分だった列車をどんどん再整備に回していることから、便数増加が小さいものになっている。国鉄は今回の18列車購入で予備列車の保有を理想的な形にすることを狙っており、便数の大々的な増加はまだ実現しない。しかしこれまでの、予備車両がないために一度故障が起これば便数が大きく減少したようなことはもうなくなり、一日の計画便数は確実に維持されるという健全な状態に改善されることが期待されている。ちなみに、運行中の走行機能に支障をきたした破損事故発生件数は、2014年4月126件、3月99件、2月88件、1月84件で、修理のために間引き運行が増加して乗客がプラットフォームにあふれる状況が頻発している。
205系列車がボゴール線に投入され始めたことで、ボゴール線で使われていた8両編成の列車が一部ブカシ線に回されており、ブカシ線では一日の運行便数が9便増加している。
国鉄は引き続き、2014年購入ロットとしてJR東日本から205系176両を輸入する予定。


「夢のラグジュアリーフライト」(2014年5月21日)
インドネシアの航空会社は1998年クライシスに直面してファーストクラスサービスを廃止し、ビジネスクラスとエコノミークラスのサービスだけを行っていた。ところがしばらく前からガルーダ航空が、ジェッダ線・東京線・上海線でファーストクラスサービスを復活させた。機内には余裕を持ったプライバシーのあるスペースが8席確保され、平らな寝床で手足を伸ばして眠れるようになっている。おまけに食事も機内シェフが作った料理がひっきりなしにオファーされる。作られる料理も、インドネシア料理、目的地の料理、一般的な西洋料理と豊富なメニューが取り揃えられている。機内エンターテイメントもたっぷりと用意されていて退屈することがない。こうして、乗客は大いに甘やかされることになる。読者もご存知の通り、インドネシアの価値観では愛情の表現が甘やかすこととイコールにされており、どれほど本人のためを思っていようが厳しい態度を採ると愛情が不足しているという判定を下される。「甘やかす」のインドネシア語はmemanjakanであり、インドネシアの広告宣伝コピーにどれほどその単語が使われているかは、きっと先刻ご承知であるにちがいない。サービス業者が消費者に与える最高のサービスが、心のこもったmemanjakanなのである。
上の三路線の中の一番廉いファーストクラス料金は4千5百米ドル、最高は8千米ドルで、その料金にはなんと指定場所と空港間の送迎までが含まれているのだ。空港に着けば優待ラウンジでくつろぐことができ、目的地の空港からもその都市内の希望の場所まで送ってもらえる。
ガルーダ航空によれば、その三路線のファーストクラスシートが空の状態で飛行したことはまだないとのこと。「常にだれかが乗っている。8席が満員になったこともある。」ファーストクラスデューティマネージャーはそう述べている。
そういう夢のような甘やかしを体験しようというひととは、いったい何者なのか?大企業役員、羽振りの良い実業家、外国人といったひとたちがそのようなエリート体験をしているそうだ。石炭事業のビッグボスのひとりが、自分の家族7人と一緒にファーストクラスエリアを独占したことがあったらしい。ある国有事業体の庶務担当で航空券の手配をしている職員の話では、その会社の役員の業務出張ではファーストクラスのチケットを手配してよいことになっているそうだ。過去数年前に起こった農園物産と鉱業物資のブームでは、たくさんの新興成金が誕生した。そのブームは去ったものの、贅沢をし、他人にかしづかれて甘やかされるのを好む国民性は、ガルーダのファーストクラスサービスに顧客を送り込み続けるかもしれない。


「ルバラン後に空運料金値上げ」(2014年5月23日)
政府は公共性の高い運輸料金に関して、不健全な価格競争が起こるのを防ぐために庶民向けレベルの料金に上限制度を適用しており、長距離バスや市内バス、鉄道、タクシー、フェリーや公共客船、そしてエコノミークラス航空料金もその対象になっている。たとえば、ブルーバードタクシーの料金はその規制対象だが、シルバーバードはプレミアムタクシーという高級サービスカテゴリーに入るため規制対象外になっているというようなことだ。もちろんタクシーや市内バスは県市単位で料金が定められ、鉄道や航空機などは運輸省が定めている。
国内空運業界は、これまでも空運上限料金の引上げを政府運輸省に求めていたが、政府がなかなか重い腰を上げようとしないために、要請の声が強さを増している。運輸省側としても、空運事業の経費支出が従来のパターンから変化していることに気付いており、上限料金算出公式を改善しなければならないためにその検討を続けているのが実情だ。
空運業界の経費支出に重圧を加えているものが基本的に三つある、とインドネシア全国空運会社協会会長は語る。「空港インフラが空運事業の実態をサポートするものになっておらず、地上と上空の双方にたいへんな混雑が起こっており、航空機の円滑な発着がむつかしくなっている。着陸もテイクオフも長時間待たされるケースが多い。滑走路に入るまでタクシーウエーで20分も待たされたら、A320やB737など小さめの機体ですら燃料消費に1千米ドルのロスが生じる。それが1時間にもなったらいくらになるか?それが一ヶ月間たまったらいくらになるか?燃料費だけで数十億ルピアのロスが発生している。地上だけでそんな状況であり、上空で延々と時間待ちのために旋回しなければならなくなったら、燃料費支出は大幅に膨れ上がる。空運会社のオペレーションコストは50%が航空機燃料の費用だ。航空機燃料価格も下がることなく高値が継続しており、空運オペレータにとってはダブルパンチになっている。小さめの機体ですら、航空機運航に際して空運会社は一時間あたり6千米ドルの費用を負担しており、運航の遅延はコストを膨らませる結果になる。もうひとつの要素はルピアの対米ドル交換レートが暴落したまま安値を続けていることで、米ドル建て支払いを抱えている空運会社にとっては為替差損のロスも小さくない。それらの三要素のおかげで、2013年の空運会社オペレーション採算は軒並み赤字になっている。」
空運オブザーバーのひとりは業界からのその要請について、政府は早急に上限料金を引き上げて空運会社の状況を緩和させてやらなければならない、と説く。現在の上限料金は2010年の運輸大臣規則第26号で定められたもので、時期的にも改定されてしかるべきタイミングになっている。「空運料金は支払い能力に沿ったものになるべきであり、政府が支払いさせたいレベルの枠をはめるべきではない。上限料金がアップし、販売料金もそれに連れて上がったとしても、消費者に購買能力がなければ消費者は飛行機をやめて他の移動手段を使うだろう。その結果、需給双方の折り合いがつく料金レベルが市場で決まる。」
一方運輸省空運総局は、上限料金算出公式の諸要素の見直しを行なって新たな料金算出を行なうことになるが、ルバランが近付いているため変更実施はルバラン帰省が終わるまで行なえないとの見解を表明している。


「スマラン市でも交通渋滞」(2014年5月30日)
中部ジャワ州スマラン市でも交通渋滞が慢性化している。ジャカルタが東南アジア有数の交通渋滞都市になったあと、交通渋滞禍は地方都市に波及し、さらに地方部の中都市にまで顔を覗かせるようになった。
スマラン市はもちろん中部ジャワ州の州都であり、州内の筆頭都市だ。いずこの町も同じように、道路を増やすのはそう簡単にできることではない。その一方で、国民が持っている豊かな生活のシンボルはまず住居そして二番目に四輪乗用車が位置付けられているため、国民所得の上昇、ミドルクラスの膨張、国家経済の自動車産業への依存、消費向けローン、中でも自動車購入ローンの優遇政策など、さまざまな要因が集中した結果、国民の四輪車購入は年々うなぎのぼりの成長を示している。
ステータスシンボルとして車を持ったミドルクラスが、快適さのない、サービスの悪い、お粗末な公共運送機関を利用するはずもなく、朝夕の通勤時間帯に一斉にそれらの車が路上にひしめきあうため、交通渋滞が起こらないほうがおかしいという姿が、今や地方部にまで広がってきている。
スマラン市警交通ユニット課長は、市内で慢性的な交通渋滞発生エリアが三つあると語る。「スマラン市南部地区ではスロンドル(Srondol)〜ジャティガレ(Jatingaleh)通り、市西部地区はブンダランカリバンテン(Bundaran Kalibanteng)〜シリワギ(Siliwangi)通り、東部地区はマジャパヒッ(Majapahit)通り〜シンパンリマ(Simpang Lima)地区で、それらの通りは交通渋滞だけでなく交通事故の発生率も高い。自動車専用道クラパヤッ(Krapayak)ゲートから一般道に出てくるルートも渋滞が頻?で、下り坂になっているため貨物トラックがブレーキトラブルを起こしてハノマン三叉路交差点の車列に突っ込んでいく事故も多発している。」
ジャティガレの交通渋滞はもはや限度を超えており、その対策はゴンベル(Gombel)〜ジャティガレに集まってくる交通量を、別の道路を作って二分するしか方法はない、とスマラン市運輸通信情報局陸運課長は述べている。2012年のスマラン市自動車登録台数は120万台に達しており、そのうちの75%は二輪車が占めている。陸運課長は道路を増やすことを考えているが、市開発評議会メンバーのひとりは「公共運送機関を充実させることをまず考えるべきだ」と異なる意見を述べている。


「トラック代わりの三輪バジャイ」(2014年6月9・10日)
西ジャカルタ市タンボラ(Tambora)のモッ・マンシュル(KH Moch Mansyur)通りはプラスチック家具問屋街になっている。プラスチック製のタンスや棚あるいはかごなどの家具がカプッチュンカレン、ジュランバル、グロゴルプタンブランやタングランのジャティウウンなどにある大中小の工場からそこに集まってくる。1990年代、ここはジャカルタでそれらの品物が一番廉い場所として名を挙げた。だから都内随所にあるプラスチック家具を扱っている商店がそこに仕入れに訪れる。ところが、買い付けたひとびとは商品をトラックで運ばないという奇妙な習慣が行なわれている。軽いがかさばるプラスチック家具をいったいどうやって運んでいるのだろうか?
その問屋街にたむろしている三輪タクシーのバジャイがその運び屋になっているのだ。バジャイたちはジャカルタ北部のその問屋街からボゴールにまで託された品物を届けに走る。もちろんバジャイたちは貨物運びに特化しているわけではなく、単にそのような仕事をもらう率が多いというだけの話だから、誤解してはいけない。普通の四輪タクシーに荷物だけを運んでもらうのと同じことなのだ。
ボゴールまで運ぶ場合は運送料金30万ルピア、一時間半のトリップだ。ブカシのタンブンなら22万ルピア、デポッだと15〜25万ルピア、スルポン12万ルピア、チャクン17万ルピア、ワラカス10万ルピア、プロガドンやジャティヌガラは8〜10万ルピア。あのバジャイの車体に積めるだけ積んで、バジャイは届け先に向かう。大量に貨物があった場合は数台がキャラバンを組んで走る。
一番大きなリスクはタイヤ周りの故障。車輪がはずれてバジャイがひっくり返れば、大量の商品はキズモノになってしまう。たいていのバジャイはジャッキとスペアタイヤを積んでいるから、バジャイはまた走り出すことができるが、商品に傷をつけたらせっかく築いた信頼が崩壊することになりかねない。ましてや、購入者が保険をかけているかどうかもはっきりしないのだ。
しかし、たとえそんな不運なことになっても、購入者がバジャイ運転手に目を引きつらせて損害賠償を要求するようなことは滅多に起こらない。食っていくだけでかつかつのバジャイ運転手たちが全額返済するには何年もの期間がかかるし、ひたすら弱者を鞭打つのはかれらのスタイルではない。そこはひとつ大きな度量を示し、その恩を売ってバジャイ運転手を自分の手下にしておくほうが、インドネシアの渡世でははるかにメリットが大きいことをみんな知っている。インドネシアはパトロン=クライアント社会なのである。もたれ合う人間関係が社会生活のスタイルを形作っている社会では、好き嫌いや合う合わないで対人関係を狭めてしまう社会と比べ物にならないほどルーズで許容度の幅広い様相が展開されることになる。
2014年4月のある日14時ごろ、クバヨランラマに店を持っている商店主が買付けに来た。その商店主は顔なじみのバジャイ運転手に声をかける。「今日は四台分になるだろう。頼むぜ。」それが発注の印だ。言われたバジャイ運転手は他の三台のバジャイに声をかけて、スタンバイしておけと言う。およそ一時間してから、問屋の並びから台車にプラスチック家具を山積みにした店員が客待ちバジャイのほうにやってきて、スタンバイしているバジャイの中にどんどんと貨物を積み込んでいく。
ちょっと遅れて足早にやってきた商店主は、4台のバジャイに積み込まれた貨物を点検すると、自分のオートバイに乗って走り去った。4台のバジャイキャラバンと一緒になって走るようなことはしない。「たいていみんなこんなやり方だよ。この荷主は月に二回やってくる。荷主の中には乗合いバスで帰るひともいる。もうなじみになっていて、信頼が通っているから、品物の警備をするようなことはだれもしない。」「向こうに着いたらひとり15万ルピアだ」と言いながらバジャイ運転手は他の三台に出発の合図をした。
この地区でバジャイ運転手をしながら出世したOBのひとりは、今やダイハツグランマックスを一台持ち、遠距離の運送オーダーを受けている。バンドンまで85万ルピア、カラワン45万ルピア、東ブカシ地区だと35万ルピア。チカンペッ自動車道に入れないバジャイがそんな遠距離の運送オーダーを受けるはずがない。だが、他の荷主がバジャイで運んでいる地区に四輪車で運んで欲しいというオーダーがあると、かれはまず「荷物を減らしてバジャイにしたらどうですか?」と注文を受ける前に勧めているそうだ。


「ハリムはまるでシティリンク専用空港」(2014年6月13日)
スカルノハッタ空港の航空機発着が超過密状態になったことから、政府は東ジャカルタ市のハリムプルダナクスマ空軍基地を商業旅客定期便にも使わせることにし、スタート当初はいくつかの航空会社が利用の意思を表明したものの、結局はまだシティリンク一社しかハリム空港を利用していない状況だ。
ハリムの利用を考えたのはガルーダ航空、ライオンエアー、エアエイシアなどで、ガルーダは効率が悪いという理由で当初の意思を撤回したし、他の航空会社も正式な利用申請を出さないまま、ずるずると時間が経過しているありさまになっている。
一方、シティリンクはあたかも水を得た魚のごとく、ハリム空港をまるで専用空港のように利用しており、日中のスロットとして空港管理会社が用意した32離発着はシティリンクのスマラン・パレンバン・ヨグヤカルタ往復便でほとんど埋め尽くされている。シティリンクは更にクアラナムとバリの往復便をハリムに増やしたい意向で、それを実現させるためには空港側が用意している22時以降の42スロットを割り当ててもらうしかない。
シティリンク経営者はハリム空港の利用を運航航路網拡充にからめて実現させる方針であり、これからの学校休み期間中に発生する旅行ハイシーズンをカバーするための増便もハリムを使うことを計画している。2014年1〜4月にハリム空港で乗り降りした航空機乗客数は39万人にのぼり、平均ロードファクターも週日で76%、休日は90%に達しているとのこと。
6月中のハイシーズン増便にデンパサル・バリッパパン・ソロ往復便をハリムで行なうシティリンクの計画はもう固まっており、チェックインカウンターは一ヶ所から三ヶ所に増やし、また使用機種もエアバスを増やしていくことにしている由。


「グラライ空港に津波のリスク」(2014年6月23日)
ヨグヤカルタのアディスチプト空港に代る大型空港建設が計画されているクロンブロゴ県テモン郡グラガ海岸が津波のリスクを抱えていることを海岸動態研究庁=技術応用研究庁長官が指摘したのに関連して、これまであまり公式な話題に載らなかったその問題を同じ視点から観察した報告結果が出された。災害科学国際調査研究院研究者は既存国内空港の中の16ヶ所にそのリスクがあることを報告している。16空港の詳細は次の通り。(空港名: 海岸からの距離)
1.バリ州グラライ空港 0メートル
2.西スマトラ州ミナンカバウ空港: 500m
3.北スマトラ州ビナカグヌンシトリ空港: 800m
4.東カリマンタン州バリッパパン空港: 250m
5.中部スラウェシ州ルウッ空港: 200m
6.西スラウェシ州マムジュ空港: 250m
7.北スラウェシ州メロングアネ空港: 200m
8.東ヌサトゥンガラ州エンデ空港: 0m
9.東ヌサトゥンガラ州マウメレ空港: 200m
10.北マルク州スルタンバブラ空港: 0m
11.北マルク州ウェダ空港: 150m
12.北マルク州ブリ空港: 150m
13.マルク州パティムラ空港: 50m
14.西パプア州マノクワリ空港: 50m
15.西パプア州ジェフマン空港: 50m
16.パプア州フランスカイシエポ空港: 100m
その対策として防波壁の建設が提案されているが、専門家の中には効果がないだろうとの意見を述べている者もいる。空港が津波やその他の災害を蒙った場合、空港機能が麻痺するだけでなく、空港に関連している地域経済も麻痺することになる。空港ができればその周囲2.5キロの広さにわたって、ホテルができ住宅地ができ、そしてマーケットができるというように経済地区が生まれる。たとえ防波壁によって空港の被害が小さく抑えられたとしても、空港周辺の社会機能が麻痺してしまうなら空港機能に影響が生じないわけがない、というのがその意見だ。空港が津波の被害を蒙らない場所に移転できないのであれば、日本の仙台空港のように空港をまったくのスタンドアローン施設にし、その周辺には住民の生活エリアを設けないようにしてはどうか、と災害科学国際調査研究院研究者は提案している。


「ERP交通規制トライアル間近」(2014年7月4日)
都内中心部の交通混雑緩和対策として、これまでのスリーインワンに代るERP(Electronic Road Pricing)を実施するに当たって、都庁は2014年7月初からそのトライアルを開始する予定にしていたが、スタートが遅れている。「交通規制エリアに入るのに一回2万ルピア」(2014年5月6日)の記事をご参照ください。
このトライアルはスディルマン通りの南端にある青年の像ロータリー近くのパニン銀行前に道路をまたぐゲートを設け、そこに監視機を取り付けて実際のメカニズムをテストするという内容。監視機に通過する車両を認識させ、子機のOBU(On Board Unit)を搭載しているものは即座に銀行口座への請求と引き落としを行なう。搭載していない違反車両についてはゲートに設置されているカメラがナンバープレートを撮影して記録を残し、更にそのオーナーに違反切符とナンバープレートの写真、そしていつそこを通過したかのデータが送られて罰金請求がなされる。ゲート設置のための基礎工事はすでに終わっており、あとはゲートを建てる作業を待つばかり。
このトライアルはスエーデンのカプシュ社製のものを使って行なわれることになっており、ゲートや他の設備はタンジュンプリウッ港に到着していたが通関手続きに時間がかかったために7月2日にやっと倉庫に入った由。ゲートの組立と現場での設置はそれほど時間がかからない見込み。
このトライアルに参加する自動車にはOBUが無料配布され、また通行料金の引き落としもなされない。トライアルでは、監視機が能書き通りに通過車両を認識し、OBU搭載の有無を判断し、搭載していない車両についてはナンバープレートの写真を正確に撮影できるのか、といったことが細かくチェックされる。また都庁はOBUの子機本体をカプシュ社の独占にせず、市場で自由競争を行なわせる意向であり、監視機とOBUの相性の問題も将来的には出現する見込み。このトライアルは3ヶ月から6ヶ月という期間で実施される。
しかし、このスエーデン製のシステムが使われると決まったわけではなく、都庁には既に他の会社からのオファーが入っており、ノルウエーのQフリー社とシンガポールのウオッチデータ社がそれぞれトライアル実施を希望している。ノルウエー製は9月ごろにラスナサイッ通りで実施の予定であり、シンガポール製は現在トライアル場所を選択中。
バスキ・チャハヤ・プルナマ都知事代行はノルウエー製について、GPSを使ったシステムであり、まだそのシステムを使っている都市が世界のどこにもないことから、ノルウエー製が選ばれる可能性は低いと語っている。「GPSを使ったOBUの価格は一個2百万ルピアする。他のシステムでは一個20万ルピア程度だから、見込み薄だ。おまけにまだ世界のどこにも採用された実績がない。ジャカルタがそのテストケースになるのはごめん蒙りたい。」
ERP方式の開始は2015年に予定されている。


「金で買える運転免許証」(2014年7月29日)
2014年4月1日付けコンパス紙への投書"SIM Tanpa Ujian Praktik di Satpas SIM Daan Mogot"から
拝啓、編集部殿。わたしの長男はもう長い間四輪車と二輪車を運転しています。西ジャカルタ市ダアンモゴッの首都警察交通局運転免許証実施管理ユニットでもう何度もテストを受けましたが、C種とA種の運転免許証がいつまでも取得できませんでした。
テストのたびに試験官が何かを問題にし、長男はもううんざりして疲れ果ててしまい、代行サービス業者を使うことにしました。その代行サービス業者は、C種とA種の免許証一括取得の料金として150万ルピアを要求してきました。その金額で確実に免許証が取れるやり方は、テストを受ける者の個人データ(KTPのフォトコピー)をテスト日の二日前にダアンモゴッの運転免許証実施管理ユニットに入れておき、テストは土曜日に受けるというものです。
代行サービス業者職員の話によれば、C種とA種の免許証を取得したい者は100万ルピアを運転免許試験担当職員に納めなければならないとのことでした。そうすれば、運転実技試験を受けなくてよいのだそうです。実技試験部門とはそういう形で調整ができていると言うのです。そしてわたしの長男はC種とA種の免許証を1時間で取得することができました。[ 西ジャカルタ市在住、スプリヤント ]


「ガルーダ航空が路線拡張計画を手直し」(2014年8月1日)
2014年上半期の業績が2.4兆ルピアの赤字を記録したことから、ガルーダ航空は航路拡張計画の見直しを行う意向。必然的に利益率の高い路線へのシフトと、低い路線の閉鎖という対応策に向かう可能性が高い。
今年ガルーダ航空が計画していた国際線の新航路開設は四件あり、ジャカルタ〜アムステルダム、ジャカルタ〜ロンドン、ジャカルタ〜マニラ、ジャカルタ〜ムンバイのうちマニラとムンバイ線の開設は先延ばしされることになった。またジャカルタ〜台北線は2014年8月10日から運航を停止する意向。しかし中華航空との提携は継続される由。ジャカルタ〜ロンドン線は9月8日から運行開始が予定されており、当面そのスタート準備に同社は注力するかまえ。
一方、国内線は近距離航路網を積極的に増やす計画で、メダン〜マカッサルとメダン〜スラバヤは既に運航が開始され、次いでロンボッ〜スンバワ、ソロン〜ティミカ、メダン〜グヌンシトリ、メダン〜サバン、メダン〜ロスマウェ、アンボン〜テルナーテと、その計画リストは長い。ロンボッ〜スンバワは2014年9月から運航が開始される予定。
また2014年7月1日から全面的に運航停止したタイガーエアーマンダラ航空が持っていたプカンバル〜ヨグヤカルタ、ヨグヤカルタ〜スラバヤ、スラバヤ〜バタムの三航路をガルーダが引き継ぐことになっている。
2014年上半期の業績悪化の原因については、操業コストの75%を米ドル建てコストが占めており、ルピア安のためにコストが膨らんでいること、また航空機燃料が値上がりしているために一日6百便を飛ばしている同社の燃料需要は年間18億リッターに達し、利益が圧迫されていることによる、とガルーダ航空代表取締役は説明した。
現在同社の保有機体は140機で、2014年にはさらにB777−300が2機、B737−800NG12機、A330が4機、ボンバルディアCRJ1000NextGen3機、ATR72−600は6機が追加されることになっている。


「スカルノハッタ空港エアエイシア国際線で波乱」(2014年8月15日)
マンダラタイガーエアーがすべての運航業務を停止したためにスカルノハッタ空港の第3ターミナル国際線はエアエイシアが一社だけ利用することになり、入出国審査手続きの効率が悪化することを理由にしてイミグレーションはその手続きを2014年8月10日から同空港第2ターミナルに集結させることを発表していた。ところがその移転が急遽とりやめになり、エアエイシアは国際線乗客へのサービスをこれまで通りできるようになった。もしその移転が実施された場合、エアエイシア側は国際線搭乗客へのサービスを次のように行う計画を立てていた。
出国便搭乗客は出発予定時間の4時間前に第3ターミナルでチェックインし、チェックイン締切り後バスで第2ターミナルへ乗客を運んでイミグレーション手続きを済ませ、再び第3ターミナルにバスで戻り、そしてやっと搭乗というステップを踏む。反対に入国便は乗客を第2ターミナルでおろしてイミグレーション手続きを受けさせ、そのあとバスで第3ターミナルに乗客を運んでバゲージチェックというプロセスになる。エアエイシア国際線乗客は一日およそ4千人おり、その影響は決して小さいものではない。
乗客の不便もさることながら、そのような業務が追加されればエアエイシアの費用負担は厖大なものに膨れ上がるのは確実で、LCCとしての料金維持はたいへん困難になるにちがいない。エアエイシアインドネシアの代表取締役は、イミグレーションの移転計画はあまり時間的な余裕のないタイミングで伝えられたために消費者顧客への広報もあまりできておらず、また対応準備も進んでいなかったが、それが取りやめになったことにたいへん感謝している、とのコメントを出した。もし第3ターミナルからイミグレーションがいなくなればエアエイシアの国際線は第2ターミナルに移転せざるを得ず、その移転にはチェックインシステムの一切を移転させる作業が伴うために大きい費用が発生する。それでも長期的なコストを考えれば第2ターミナルへの移転は避けられず、2009年から国内線、2011年から国際線を第3ターミナルで最初に使い始めたエアエイシアがそのような対応を受ければ、第3ターミナルで国際線を使おうという航空会社はなくなるかもしれない。
ところで、2002年以来アメリカ線の運航をストップしていたガルーダ航空が2014年6月15日からふたたびアメリカへの乗り入れを再開した。フライトスケジュールは次のようになっている。
[ジャカルタ〜ロサンジェルス線]
ジャカルタ 13.05発
羽田 22.35着  00.10発
ロサンジェルス 19.02着
ロサンジェルス 18.45発
羽田 22.30着 00.30発
ジャカルタ 06.00着
[ジャカルタ〜シアトル線]
ジャカルタ 13.05発
羽田 22.35着  00.30発
シアトル 17.55着
シアトル 20.00発
羽田 22.20着 00.30発
ジャカルタ 06.00着
運賃はUSD1,199−から、とのこと。


「首都圏電車利用者が大幅増」(2014年9月3日)
ジャボデタベッコミューター電車が2013年7月1日から電子式乗車券と区間制運賃を導入して一年が経過し、利用乗客数は56.6%増加した。2013年6月の月間乗客数は1,180万人で、一日当たり平均は393,884人だったが、2014年6月の月間乗客数は1,850万人で、一日平均は617,014人に上昇している。
電子式乗車券は一回ごとに使用されるkartu harian berlangganan利用者が月間970万人と最大で全乗客数の52.5%を占めているが、乗車するたびに金額が引き落とされていくkartu multitrip利用者も810万人いてそれに拮抗する勢い。それら以外の多目的電子マネーカード利用者は66万人いて3.5%のシェア。
政府通貨オーソリティは国民の電子マネー利用を高めるために、国民への啓蒙を国内金融機関を通して開始したが、現状の電子マネー利用は交通セクターが最大のシェアを占めている。BCA銀行シニアGMは、鉄道乗車券、トランスジャカルタバス乗車券、駐車料金、スラバヤとマカッサルの自動車専用道料金などの交通セクターが74%を占めており、地域別では首都圏が50%だと語っている。2013年には1,380万回の取引があり、金額は4千5百億ルピアに達したが、2014年は半年間で1,390万回5千5百億ルピアの取引があり、国民の電子マネー化が急速に進展していることをうかがわせている。
一方、マンディリ銀行も似たような状況だ。eバンキンググループヘッドの談によれば、今や月間取引件数は1,150万回で1千8百億ルピアの取引高に上っている由。eマネーカード発行枚数は4百万枚にのぼり、2014年中に5百万枚まで増やすのが差し迫った目標とのこと。
BNI銀行はeマネーカード発行枚数が35万枚で、2014年中に5万枚増やすことを目標にしているとのこと。


「鉄道乗車券は代理店で購入を」(2014年9月5日)
国鉄は駅構内の乗車券販売窓口の人ごみ混雑を軽減させることを目的にして、乗車券販売代理店を大幅に増加させる方針を進めている。乗車券販売の7割が代理店、駅の販売窓口が3割というのが、その方針の目標だが、今現在はまだ50%を切っているありさま。目標目指して大々的なキャンペーンが行われることになるが、一般消費者の間に、代理店を通すと料金が高くなるという誤解が流れているようで、それが代理店制度の進展の脚を引っ張っている、と国鉄副社長が表明した。実際に代理店は、切符販売一回あたり7千5百ルピアのコミッションを上乗せしている。そのため国鉄側は代理店への卸し価格を7千5百ルピア引きにしており、消費者は駅の窓口と同じ料金で買うことができるようになっている。もしひとりが二枚の切符を買うと、コミッションは一回だけかけられるから、二枚目の切符は定価より7千5百ルピア廉く購入できる。だから駅の窓口でなく、代理店をもっと利用して欲しい、と副社長は述べている。
ミニマーケットのインドマルッも国鉄切符販売代理店になっており、切符販売は右肩上がりになっているとのこと。ちなみに、アルファマート、ローソン、7-Eleven なども切符販売を行っている。詳しい情報はインドネシア国鉄会社ホームページ https://tiket.kereta-api.co.id/index.php?_it8tnz=MTQ=#channel を参照ください。


「ホテルシャングリラ前にジャカルタ空港鉄道ハブ?」(2014年9月5日)
スカルノハッタ空港への鉄道乗り入れに関して、国鉄側の計画はほとんど本決まりになっているが、日程面での確定と国鉄の計画で問題ないかどうかという確認会議が国鉄と都庁の間で持たれた。ジャボデタベッコミューター電車のスカルノハッタ空港線はマンガライ駅からドゥクアタス駅を経由して北上していくが、都庁が計画しているドゥクアタス駅周辺地域開発の細部が決まらなければ国鉄は空港線ドゥクアタス駅の最終青写真が描けない。
イグナシウス・ジョナン国鉄代表取締役は、西バンジルカナルの北側を通っているトゥルッブトゥン(Teluk Betung)通りの道路延長と路幅拡張を都庁は計画しており、国鉄側はトゥルッブトゥン通りのホテルシャングリラ前に駅を設ける計画になっているため、都庁の道路工事が終わるまでそこで駅を建設することは延期せざるを得ない、と語った。少なくとも日程に関しては、2015年に道路工事と駅建設工事を完了させることが代表取締役とバスキ副都知事の間で合意された。その駅にはトランスジャカルタバスが乗り入れて複合モード輸送を実現させることになっている。
都庁都市計画局長は別の場で、国鉄の駅建設計画が現状の道路にかかっており、現状の道路は現在のドゥクアタス駅とマスマンシュル通りを結んで交通キャパシティを高めることが計画されていたため、今回の打ち合わせ会議に至った、とその経緯を説明した。現在ドゥクアタス駅から西に向かってマスマンシュル通りまで行こうとすると、クブンムラティ池南側の狭い道を通らなければならず、交通の便はきわめて悪い。そこに路幅18メートルの道路が建設される計画になっており、国鉄がホテルシャングリラ前に駅を建設するのであれば高架の駅にせざるを得ず、どうしても地面の上ということになるなら駅の位置を移してもらうしかない、と都市計画局長はコメントしている。


「鉄道複線化が国鉄の体質を変えるか?」(2014年9月8日)
インドネシアで今、鉄道貨物輸送も客車運送も勢いの波に乗り始めているのは、ジャカルタ〜スラバヤ間の複線化が実現してまともなレベルのインフラを獲得したからだ。これまでの非効率な鉄道運営を過去のものにしなければならないという目標をイグナシウス・ジョナン代表取締役以下のインドネシア国鉄経営陣が目を輝かして取り組んでいる姿は、昔の国鉄の姿を着実に変えつつあるように思える。これはガルーダ航空を昔のルーズな体質から見違えるようなものに鍛え上げたエミルシャ・サタル代表取締役とかれを支えてきた経営陣が見せた快挙に続くものとなるにちがいない。
ジャワ島北岸ルートで複線化の影響を受け始めた各地の行政首長は、これを地元経済にどのように結びつけようかとの思案を開始している。東ジャワ州ボジョヌゴロ県令は、地元産品のジャカルタとスラバヤおよびその周辺市場向け販売促進に打って出る意志を固めた。何が市場で求められているのかを探り、地元から出せるものがあれば売り込んで行く。輸送がスピードアップされたことによって、これまで送れなかった物産にもそのチャンスが出てくる、とかれは語る。一方チレボン副市長は、ジャカルタからの泊り込み観光旅行者の増加によって市内30軒のホテルは活況を呈していると言う。「15軒もの新規ホテル建設がはじまっている。複線化によって観光産業の状況が一変しており、ホテル建設投資は目だって意欲的だ。」
プカロガン市もホテルが増加している。ホテルチェーンが7社も新規オープンする予定で、4社は既に開業し、残る3社も工事が進捗中。グルシッ県令はグルシッ港まで線路を引いてほしい、と国鉄に要望した。すぐ近くにスラバヤ港があるとはいえ、地元から船で積み出すほうがコスト低減は間違いがない。似たようなことはバニュワギ県令も主張しており、複線化をスラバヤからさらにバニュワギまで延長してほしいと要請した。国鉄がそれらの要請をこれからどう受け止めて行くのかは未定だが、スラウェシやカリマンタンに鉄道網を広げていく計画は進展中であり、インドネシアの鉄道事業がこれからまだまだ発展の余地を大きく持っていることは間違いがない。


「シティリンクのパッケージプロモ」(2014年9月17日)
ガルーダ航空の子会社シティリンクがフライトと宿泊のパッケージプロモを行っている。宿泊は2泊3日で国内全土にあるベストウエスタンホテルに限定され、またホテル予約も本人が行うことになるが、その料金はシティリンク航空券料金に含まれる。シティリンクが提供しているこのプロモのメリットは次のようになっている。
‐無料バゲージ15キロまで
‐空港施設使用料金が航空券料金に含まれている
‐12歳未満の場合は25%割引
‐3ヶ月/6ヶ月分割支払いは金利負担なし
この条件でのパッケージプロモ料金はひとり49万9千ルピアで、シティリンクが飛んでいてその目的地にベストウエスタンホテルがあれば、全国均一料金が適用される。
ホテル予約は直接ベストウエスタンホテルに。
電話(021)57932030 週日09.00−18.00、週末09.00−14.00 もしくはwww.bestwestern.com をクリック
シティリンクの航空券発注はコールセンター0804 1 080806あるいは旅行代理店に。


「205系電車の稼動数が増加」(2014年9月23日)
日本から輸入された205系電車の10両編成一本が、2014年9月11日から首都圏コミューター鉄道であらたに稼動を開始した。この投入によって一日の運行便数は9便増加し、運行している205系列車は13本になる。
首都圏コミューター鉄道が運営している諸線の中でボゴール〜ジャカルタ線が運行便数も乗客数も最大であり、ボゴール〜ジャカルタコタ間の一日の運行は200便、ボゴール〜ジャティヌガラ間は106便となっている。首都圏コミューター電車利用者は全体で一日平均60万人おり、そのうち72%がボゴール〜ジャカルタ線のシェアだ。
2013年に国鉄が日本から購入した205系電車は10両編成で18本あり、運輸省から既に運行適性承認を得たものは15本で、そのうち12本はボゴール〜ジャカルタ線、1本はブカシ〜ジャカルタ線で稼動し、さらに2本はスタンバイ用として管理されている。残る3本は運輸省による承認検査が続けられている。
首都圏で運営されているジャボデタベッコミューター電車網がこれまで抱えていた弱点は、まず運行車両が旧式であることで、利用者の快適度が低く故障が多いことの原因になっていたが、205系電車に置き換えられることでその問題は解決の端緒に着いている。次の問題は、電車に故障が起こると別の列車と交替させるためにスタンバイ列車がなければならないのだが、現実にはスタンバイが用意されておらず、そのために運行便数が減少して列車内もホームも乗客であふれかえるということが起こっていた。この解決も既に手が打たれている。普段でさえ通勤時間帯には利用者であふれかえるものが、便数が減ることによって利用者の快適度は大幅に低下し、おまけに運行時刻が当てにならなくなるために、故障が起これば利用者の中には他の交通手段に移るひともたくさん出ていた。
そのような乗客数と便数のバランスを国鉄側は改善しようとしており、205系をさらに多数投入して旧式電車と入れ替えつつ運行便数を増加させて混雑軽減をはかるのが現在の方針となっている。運行便数を増やせば、必然的に短い待ち時間で続々と列車がやってくることになり、一列車に乗る乗客数は今より減少して乗客の不快度は低下する。ボゴール〜マンガライ間にある駅では現在5〜10分おきに列車が入ってくるという状況になっているのだが、それがもっと短い時間に短縮されることになる。しかし、ラッシュ時の混雑が軽減され、利用客の快適度が上昇する一方で、平面交差踏切は開かずの踏切と化していく傾向が高まり、都内の道路交通渋滞がさらに悪化するという別の問題を生み出すことになる。国鉄側は事故防止も併せたダブルメリットのために既存踏切の立体交差化を更に推進する構え。


「ガルーダもPSCを乗客払いに」(2014年9月29日)
空港施設使用料あるいはパッセンジャーサービスチャージ(PSC)、俗語ではエアポートタックスとも言う、が航空券料金の中に含まれているのは、今や国際常識になっている。インドネシアではガルーダ航空だけが二年前からそのシステムを行っていた。ところが、インドネシア国内でそれに追随する航空会社がひとつも現れない。そしてガルーダ航空もついにさじを投げた。
2014年9月24日にガルーダ航空が発表したところによれば、2014年10月1日から販売される航空券料金にはPSCが含まれないため、乗客は各自個別に空港でPSCをお支払ください、というもの。これは航空券の販売日についてのものであり、搭乗日ではない。つまり9月30日以前に買った航空券で10月1日以降に搭乗するひとは、PSCを払わないでも良いということを意味している。このようなケースでは往々にして空港の不良職員がごまかしを行う傾向が高まるため、警戒を強めるようお勧めします。
ガルーダ航空はそれを廃止する理由として、二年間そのシステムを行うことによって毎月22億ルピアの赤字が発生していたためだと述べている。赤字が発生していたのは、国外で販売した航空券が国内線への接続を含んでいる場合、たとえばアムステルダム⇒ジャカルタ⇒マカッサルというルートで、国際線のPSCは徴収するものの国内線PSCは徴収しておらず、ところが国内空港運営会社は各便のマニフェストに従って国内線のPSCをガルーダに請求してくるため、ガルーダ航空がその差を負担していたのが原因である由。ガルーダ航空はIATAのスタンダードオペレーションを行っているのだが、空港側がスタンダードに即していないオペレーションをしているため、これ以上続けていくことはできないとの判断を下したようだ。
ガルーダ航空の発表に関連して空港運営会社アンカサプラ2代表取締役は、空港当局としてIATAスタンダードが実施できないのは、航空会社の中に徴収したPSCを空港側に支払わない航空会社があったためで、空港側としてはその悪体験を教訓に現在の姿勢を続けており、PSCを乗客に直接支払ってもらうのが安全確実であればこそだ、とその立場を表明している。
この国際常識からの後退劇を批判する声は強い。運輸省空運総局長代行は、他の民間航空会社をガルーダに追随させるよう努めていた矢先のこの変更はきわめて遺憾である、と語っている。PSCを航空券の中に含めることを空運業界に指示する規則が9月9日に作成されていたことに代行は言及している。


「スマラン周辺地区で鉄道便」(2014年10月2日)
中部ジャワ州スマラン市を中心にして西はクンダル(Kendal)、東はグロボガン(Grobogan)をターミナルにするコミューター鉄道が2014年9月28日にスマラン市内ポンチョル(Poncol)駅を発車した。ジーゼル電気機関車に引かれた客車4両のこの列車は乗客運搬能力2百人で、毎日運行し、乗車料金はひとり1万5千ルピア。運行はジャワ島北岸沿いにクンダル〜スマラン〜ドゥマッ(Demak)〜グロボガンの間を往復する。この列車の愛称をガンジャル・プラノウォ中部ジャワ州知事が運行開始式典の中で紹介した。名称はクドウンスプール(Kedung Sepur)というもので、これはKEndal-Demak-UNGaran-SEmarang-PURwodadiの大文字部分を集めたもの。
スマラン周辺地区でのモビリティは激しい上昇を示しており、ジャワ島北岸街道のスマランからクンダル方面行きとスマランからドゥマッ・グロボガン方面行きは頻?に交通渋滞が発生しているため、コミューター鉄道による道路交通負荷の軽減と地域住民の移動性に対するサービス向上が大いに期待されている。
ジャカルタ北岸鉄道路線のジャカルタ〜スラバヤ間複線化が実現して一日の運行可能便数は2百便に増加しているものの、今現在はまだ112便しか利用できていない。そのため、スマラン鉄道管区を経営する国鉄第四事業区が中部ジャワ州行政に提案したのが、このコミューター鉄道。国鉄は中部ジャワ州内に総延長8千キロの鉄道線路を擁しているが、現在運行に使われているのは5千キロしかない。


「交通機関で情報化推進」(2014年10月21日)
首都圏近郊コミューター電車は次のサービス向上に着手した。車内にTVモニターを設置して、車内の乗客にタイムリーな運行情報を提供するのがそれ。乗客情報システム(SIP)と名付けられたこのシステムでは、乗客の乗った列車がどこ行きで、次の停車駅はどこなのかといった情報や、列車内で妊婦・老人・幼児に座席を譲るよう呼びかけるエチケット告知などのほかに、コミューターライン全線のどこかを走っているひとつの列車で起こった何らかの事故の影響で他の列車の運行に影響が出る場合の情報告知を国鉄側は重要ポイントにしている。
これまでその種のトラブルは多々発生しており、乗客への情報がないために混乱が拡大するということも起こっていた。運行途中で停止した列車の乗客が、自分が置かれている状況が不明なために、扉をこじ開けて勝手に外に下りるようなことも頻繁に発生し、多くの列車から大量の人間が線路上を次の駅に向かって歩き始めれば、列車運行トラブル原因が解決して全列車の運行を平常に戻そうとしても、線路上の人間の存在を収拾する仕事が先になる。
車両内に設置される38インチTVモニターはこの用途のために作られたもので、一両あたり4つが車両中心線の天井に掲げられる。現在全線で運行している車両は790両前後あり、その中で2013年に日本から購入した205系電車を優先してモニター設置を行なっている。この年末までに240両にSIPが設置運営される予定であるとのこと。
SIPシステムは駅のプラットホームでも設置されることになっており、次の列車は何分後にやってくるのかという情報が掲載される予定。SIPシステムの運営はメディア業者に委託され、告知情報の内容が国鉄からメディア業者に連絡されて、駅と列車内にいる利用者に通知されることになる。
トランスジャカルタバスも同じようなシステムを開始する計画で、コタとブロッケムを結ぶ第1ルートでは、各停留所に設置されたTVモニターに、次に来るバスの車体番号は何番で、今どこにおり、何分後にやってくるかという情報が表示される。バスの現在地情報はGPSで把握されるが、渋滞時の時間予測が困難であり、グーグルマップとの協力でなるべく正確な情報を乗客に提供できるよう、話し合いが行なわれている由。


「ボゴール市が全国一の渋滞都市」(2014年10月29日)
運輸省が全国交通渋滞都市番付を作成した。国内最大の渋滞都市はボゴールで、ジャボデタベッの5都市が軒並みトップ10中の5つを占めた。
1.ボゴール: 自動車走行速度は時速15.3キロ、VC比(volume per capacity rario) は0.86
2.ジャカルタ:時速10〜20キロでVC比0.85
5.デポッ: 時速21.4キロ、VC比0.83
6.ブカシ: 時速21.86キロ、VC比0.83
7.タングラン: 時速22キロ、VC比0.85
トップ10に入った他の諸都市は次のようになっている。
3.バンドン
4.スラバヤ
8.メダン
9.マカッサル
10.スマラン
その結果を見てボゴール市長が仰天した。確かに、年々交通状態の悪化はひしひした感じているものの、二位のジャカルタとの違いを織り込んだものにしないまま、ある特定のパラメータだけで評価することはミスリーディングになる、と市長は主張する。たとえばジャカルタの面積は661,520Ha、人口9百万人というサイズであるのに比べて、ボゴール市の面積は11,850Haで人口100万人という規模でしかない。登録自家用車台数は35万台で道路総延長キロは752〜755キロメートルだ。「だから上のような順位をつけたことの根拠になったパラメータを詳細に説明してほしい。わたしはトップに置かれたことを否定しているのでなく、メソッドとパラメータが適正なものなのかどうかを知りたいのだ。」と市長は述べている。
このような公表がなされると、インターネットソーシャルメディアで喧々囂々の非難がボゴールの市行政に降りかかってくる。建設的なものならいいが、ただ感情的に他人を非難するだけのものも多く、それが感情的な対立を呼んでいく。ボゴール市は交通状況改善のために更に努力を重ねる所存であり、自家用車の使用削減と公共交通機関のレベルアップに取り組むことは確約すると語って、市長は余計なことをしてくれた運輸省におカンムリの態だ。


「首都圏電車内でパニック」(2014年10月30日)
2014年10月27日午前7時半ごろ、国鉄ジャボデタベッコミュータラインのマジャ〜タナアバン線で騒動が起こった。そのときポンドッランジ駅とクバヨラン駅の間を進行中だった電車の運転士が、パンタグラフにトラブルがあるのを知ってすぐに電車を停止させた。そのとき列車内の中で、金属の焼ける匂いを嗅いだ乗客がいたらしい。走っていた電車がいきなり停止し、何も情報が与えられない中でそんなことになれば、人間はどんな行動を起こすだろうか?扉を押し開いて線路上に出るに決まっている。
その列車に乗務していた職員の話によれば、最後尾左扉が開かれて中から乗客が外に飛び出していったそうだ。パニック心理でそういうことを乗客が行なったため、1メートルくらいの高さから飛び降りた乗客の中には、足をくじいたり傷を負ったひとたちが何人か出た。国鉄側のチェックで、扉は緊急弁を操作して開かれたことが判明しており、破壊には至らなかったようだ。
「走っていた電車が駅についていないのに突然停止し、わけもわからないうちに『臭い』とか『燃えている』とか言う声があがりはじめたので、車内にパニックが広がった。まわりに職員の姿はなく、みんな戸惑っている中で扉が開いたので、われさきに飛び降りた。」と乗客のひとりは語っている。一方国鉄側は、列車乗務員は車内アナウンスで停止の理由と最新状況を繰り返し放送し、乗客は車内から出ないように呼びかけていたのに、収拾がつかなくなってしまった、と述べている。「乗客に対して、緊急弁を操作して扉を開けという指示はまったく出されていない。故障の状況はそんな内容のものでなく、即時退避を乗客に指示するような緊急事態ではないのだ。ましてや駅に着いていないのだ。線路上に乗客が降りるのは危険きわまりないのが明らかなのだから。」
だれかが自分に直接語りかけて来ないかぎり、路上の随所に掲示されている交通標識にまったく見向きもせず、工場の掲示板の告知を読もうともせず、公共の場でエンドレステープが放送し続けている言葉を耳に入れようとしないひとびとがどれほど世の中にたくさんいるのか、ということを実証するような事件のひとつがそれだったのかもしれない。国鉄は、乗客に対する安全教育を更に広げていくとの意向を表明している。


「改善が進むジャカルタの交通」(2014年10月31日)
首都ジャカルタの道路交通状況は依然として厳しい渋滞と混雑の中にある。都内の地価上昇が居住コストを引き上げてきたために、都内に職場を持つ大勢の勤労者が郊外部に住むようになり、ボデタベッと呼ばれるジャカルタを取巻く周辺都市と都内を往復する交通量が大きく膨れ上がった。
毎朝ブカシ方面から都内に入ってくる交通量は250万トリップを超え、ボゴールとデポッからは220万トリップ、タングランからは210万トリップという交通量が都内に押し寄せて、都内で発生する1,870万トリップの大きな部分をなしている。
自動車専用道では、都内環状道路を利用する車両は一日に50万台、外環状は一日40万台に達している。都内環状のメインストリームをなしているチャワン〜スマンギ区間には33万台が押寄せ、外環状の開通でもたらされた緩和はわずか11%しかなく、そのルートは今も30万台が通行している。
インドネシア交通ソサエティ専門家は、都民に公共運送機関の利用を高めさせるには、首都行政が都民にそうせよと呼びかけるのでなく、公共運送機関のクオリティを高めることを優先させるほうが重要であり、それが実現すれば行政がそんなことを言わないでも都民は自家用車の使用をやめるはずだ、と語る。そのためには、個人経営が主体をなしているミクロレッやメトロミニなどの運送機関を共同組合化させ、現在ばらばらに競争しているその業界を統合して最適効率を実現させ、消費者の需要を的確に受け止めながら健全なビジネスの育成をはかるようにすることが肝要であり、そこに手が入らないかぎり、都民の自家用車使用は低下しない、との弁。それを証明する事例として、かれは首都圏コミューター電車に言及する。「電車運行サービスが大きく改善されて利用者が激増しているのは、都民がそれを現在ある中で最善のものと見ているからだ。走っている電車のほとんどが乗客で一杯になっているのは、車両の数が少ないからでなく、利用者が急増しているためだ。一方、鉄道環状線がまだ充実していないために、輸送能力が追いつかないでいる。」
国鉄首都圏コミュータ電車利用者のひとり、東ジャカルタ市在住の28歳の女性は、電車の利用がたいへん快適になった、と絶賛している。「昔は駅構内にカキリマ商人がいっぱいいて混雑し、安全さに不安がありました。今は乗客しか駅構内に入れなくなっていて、犯罪者がもぐりこんでくることも大幅に排除されています。以前は中に入ると、いつひったくられるかわからないので、携帯電話を出して使うことができませんでした。今は心置きなく電話しています。」
電車が改善されたのを受けて、他の道路交通公共機関もレベルを高めていかなければ都民が求めている複合輸送全体のレベルアップは覚束ない。そのテーマは1985年から既に提起されていることだ、と交通ソサエティ専門家は強調している。
東ジャカルタ市チャワン地区のUKI大学キャンパス脇にある空地が駐車場として利用されている。デポッから都内に出勤してくるひとびと、反対に都内からブカシ方面に出勤するひとびとが、ここまで自家用車でやってきて、公共運送機関に乗り換えるのだ。二輪車3百台、四輪車とバス20台、のスペース能力を持つこの駐車場に、月曜日は午前3時ごろから四輪車が続々とやってくる。かれらはジャゴラウィ自動車道の混雑を避けるためにそんな時間に移動し、駐車場に入ってしばらく車内で眠り、バスに乗って職場に向かう。金曜日から日曜日にかけて、そこはがら空きになる。一貫的複合輸送モードが実現されないなら、この種の駐車場が消費者に与える便宜は大きなものとなるにちがいない。


「現金で乗車できなくなるバスウエー」(2014年11月3日)
トランスジャカルタバスウエーを運営しているPTトランスポルタシジャカルタが、eチケットシステム完全実施スケジュールを発表した。完全実施とは、eチケットカード以外による乗車料金支払いが一切認められなくなることで、つまりカードを持たない乗客はバスに乗れないことを意味している。第1ルート(ブロッケム〜コタ)では2014年8月18日からeチケットシステムが開始されたが、現金との併用が続けられてきたが、この11月1日にeチケットシステムに一本化された。
第1ルート(ブロッケム〜コタ) 2014年11月1日
第2ルート(コタハラパンインダ〜ハルモニー) 2014年11月22日
第3ルート(カリドゥルス〜パサルバル) 2014年11月22日
第5ルート(カンプンムラユ〜アンチョル) 2014年11月29日
第7ルート(カンプンランブタン〜カンプンムラユ) 2014年11月29日
第8ルート(ルバッブルス〜ハルモニー) 2014年11月1日
第9ルート(ピナンランティ〜プルイッ) 2014年11月1日
第10ルート(タンジュンプリウッ〜チリリタン) 2014年12月13日
第11ルート(カンプンムラユ〜プログバン) 2014年12月13日
第12ルート(プルイッ〜タンジュンプリウッ) 2014年12月13日
トランスジャカルタバス乗車料金支払いに使えるeチケットカードとは、JakCard, e-Money, Flazz, Tapcash,Brizzi, Megacash で、トランスジャカルタバス停、鉄道駅、銀行などで購入できる。カードは2万ルピアで購入することができ、残高が少なくなれば金額を追加することができる。
上のeチケットシステムが開始される各ルートは、これまで現金だったものが即eチケットシステムに切り替えられ、第1ルートのときのような併用期間は設けられない。
PTトランスポルタシジャカルタ代表取締役によれば、現在トランスジャカルタバス利用者は一日30万人いて、そのうちの56%は既にeチケットカードを持っているそうだ。


「鉄道も運行遅延補償制度」(2014年11月7日)
国内線フライトの定時運行率を高めるために運輸省空運総局は、航空会社が運行遅延を起こした場合に乗客への補償を与えることを義務付けた。運輸省鉄道総局も、それと同じ趣旨のことを行なう計画。
運行遅延の乗客補償は、公共運送機関が満たさなければならない最低サービス基準の中で定められる。2011年運輸大臣規則第9号で鉄道の最低サービス基準は定められていたが、改定するべき内容が多かったために2014年運輸大臣規則第47号でそれが改定された。その中で特筆されるべき改定がその運行遅延補償であると総局長は述べている。他にも安全対策問題、中でも緊急事態に乗客を避難させる活動のレベルアップが新規則の中で取り上げられた。車両の中にいる乗客および駅にいる乗客のそれぞれに対して適切な避難活動が指示されなければならず、各場所を管理する長は個別にそのための詳細なマニュアルを持たなければならないことになる。
運行遅延補償の内容については、次のようになっている。
1)30分〜1時間の遅延が起こった場合、運行オペレータは乗客の求める遅延証明書を発行しなければならない。たとえば勤労者の場合は、その日の出勤が遅れたことに対する雇用主からの罰則がその遅延証明書で免除されるというような、公的な証明書として用いられることが期待されている。
2)1時間を超える遅延の場合、乗車券購入者がそれを取消す場合は、全額返金しなければならない。
3)遅延が3時間に及んだ場合、乗客にはスナックと飲み物が配布されなければならない。
4)遅延が5時間に渡った際には、乗客に食事を供しなければならない。
それらの補償は、これから乗ろうとしている乗客に対してのみならず、運行途中で発生したときに車内にいる乗客に対しても適用される。
現在、インドネシア国内の鉄道オペレータは国鉄とその子会社だけという独占状態になっているが、今後民間オペレータが参入してくる可能性は小さくない。ともあれ、空運産業とは大幅に異なる乗客運送サービスの形態になっていることから、鉄道運行オペレータがそれらの規則を踏まえて顧客サービスをどのようにグレードアップしていくのか、期待されるところだ。


「鉄道乗車券予約、一部の便に売切れ」(2014年11月27日)
毎年、クリスマスから新年までの9日間は長期休暇となり、大勢のひとびとがルバラン時のような帰省を行なう。これはキリスト教徒だから、というような宗教性のあるものでなく、ムスリムをはじめ他の非キリスト教徒たちも行なうのだが、ルバラン時のムスリムが国をあげて行なうほどの規模にはならず、その帰省はもっと軽いものになるのが普通だ。それでも、帰省列車や帰省バスは満員になる。
2014年12月24〜25日ジャカルタ発プルウォクルト・ヨグヤカルタ・ソロ方面行き列車の前売り券は既に売り切れていることを、国鉄プルウォクルト第5事業地区広報マネージャーが公表した。12月23日発のものは、ガンピル駅発のビマ(Bima)号が40席、ジャカルタコタ駅発のスラユパギ(Serayu Pagi)号410席、スラユマラム(Serayu Malam)号80席が残っているだけとのこと。(2014年11月23日現在)
12月26日のジャカルタ発もプルウォクルト・ヨグヤカルタ・ソロ・マラン方面行き列車ビマ号・ガジャヤナ(Gajayana)号・アルゴラウ(Argo Lawu)号・スラユパギ号・スラユマラム号の残り券はあと260枚しかない。ところが、ジャワ島中部の主要都市発ジャカルタ行きの乗車券予約も2014年12月28日以降増加しており、帰省者の帰省は短期間で、ジャカルタに戻って年越しをするひとが多いようにも見える。12月28日プルウォクルト発ジャカルタ行きはビマ号が90席を残すばかりで、他の列車は売り切れになっている。しかし、ジャワ島中部諸都市とバンドンを結ぶ列車の予約はまだまだ余裕があるとのこと。
レールチケットシステム(RTS)と呼ばれている国鉄の乗車券予約販売システムで乗車券予約状況をリアルタイムに知ることができる。今年のクリスマス〜新年休暇の予約がひと月前に急速に埋まっていく事態は、消費者が帰省の計画を組むにあたって鉄道が交通機関として高い優先度で取り上げられていることを意味するものだ、と広報マネージャーは語っている。ジャカルタ〜プルウォクルト間が5時間で移動できるというのは、道路交通状況いかんに左右される自動車での移動よりはるかに大きな便宜を消費者に提供するものだとかれは強調し、鉄道に対する国民からの人気の高まりを喜んでいるようだ。


「無人交通違反取締りシステム」(2014年12月2日)
交通警官による交通違反取締りを機械化することが計画されている。国家警察は近々、都内の三ヶ所に違反取締り用カメラを据付てそのトライアルを開始する意向。ETLE(Electronic Traffic Law Enforcement)と呼ばれるこのシステムは、自動車の交通違反を機械的に発見してそのナンバープレートを自動的に写真撮影し、登録されているナンバープレートの名義人宛に交通違反切符が送られて罰金支払いが命ぜられるというメカニズムになっている。このシステムは最終的に全国で実施される予定で、まずはジャカルタがそのパイロットプロジェクト地区に指定されており、国家警察交通部と首都警察がジャカルタの三ヶ所でトライアルを行なう。トライアル実施箇所は次の通り。
1.クニガン地区ラスナサイッ通りからマンパン地区に向かう車両で赤信号での停止違反
2.パンチョラン地区MTハルヨノ通りのバスウエー専用車線で、進入禁止車線に入る違反
3.マンパン交差点からDrサハルジョ通りに向かう車両で、停止禁止に対する違反
トライアルの重点ポイントは、ナンバープレート読み取り機の機能の安定と信頼性、違反切符を送付する郵便局側の体制、となっており、このトライアル期間に網にかかった違反車両は実際に罰金支払いが命じられない。インドネシア交通ソサエティは国家警察の今回の方針について、何年も前から実施できる状態になっていたことが、やっと実施の運びとなったようだ、とコメントしている。
ところでERP実施に関連して都庁は、首都中心部への二輪車進入禁止の計画を公表している。つまり二輪車は、金を払うから規制エリアに入るということが頭から禁止されるというわけだ。タムリン通り〜メダンムルデカバラッ通りは、二輪車の通行が全面禁止となる。この計画では、その二本の道路沿いにあるビルは二輪車駐車場として使われる方針で、二輪車運転者はそこに二輪車を置いて公共運送機関に乗らなければならない。
首都警察データによれば、管下で発生する交通事故の6割は二輪車が関わっており、おまけに事故死亡率が高くて死者の6割が二輪ライダーで占められている。都庁は二輪車規制の理由をそこに求め、事故件数の低下と死亡率引下げのためにそれを行なうのである、と説明している。しかしインドネシア交通ソサエティ政策分析員は、現実問題としてその政策は交通混雑と渋滞の緩和が第一義的な効果であり、事故防止を目的にするのであれば自動車運転免許証の発行をもっと厳しくするに限る、とコメントした。交通事故発生は道路上の混雑と自動車運転者の無秩序な振舞いが引き起こしている要素が大きく、運転者の振舞いをもっと統制できるようにすることで事故発生は顕著に低下するはずだ、と分析員は述べている。


「ライオン航空が百機を発注」(2014年12月8日)
ライオン航空がフランスの航空機製造会社ATR社にATR72−600型機百機の購入注文を出した。最初60機がオーダーされていたが、さらに40機が追加されて総数が百機となったもので、1981年に創業したATR社はこれまでに1千4百機を生産しているが、一度に百機という大型注文は開闢以来のこと。
ライオン航空がATR機を大量購入するのは、同社の近距離航路網充実戦略を支える機種として燃費効率の良いATR72−600型機に白羽の矢を立てたのが原因。ライオン航空グループでは既にATR72−600型機を、子会社のウイングスエアーが32機、マリンドエアーが10機、タイライオンエアーが1機運行させており、十分な実感を持っての判断。
1999年に創立して2000年に運航を開始したライオンエアーは、今や国内36都市と近隣諸国数ヶ国に航路網を広げており、またマレーシアとタイに子会社を持っている。現在は自前の飛行機整備工場をバタムに建設中で、同時にパイロットや客室乗務員および技術者を養成するためのセンターも設けることになっている。2016年には持ち株の30%を一般公開する計画を立てており、10兆ルピアのパブリック資金を集めることが目標に置かれている。


「都民へのガソリン値上げの影響」(2014年12月16日)
2014年11月18日に補助金付き石油燃料価格がリッター当たり2千ルピア引き上げられた。それからおよそ一週間後の11月26〜28日、都民の日常支出にどのような影響が出ているのかについて、コンパス紙R&Dがジャカルタの電話帳からランダム抽出した17歳以上のジャカルタ居住者308人からアンケートを集めた。回答者たちの交通機関利用状況は次の通り。
自家用四輪二輪車 58.7%
公共路上運送機関 32.8%
首都圏コミュータ電車 5.2%
オジェッ 2.3%
自転車 1.0%
まず石油燃料値上げ直後に都内公共路上運送機関が値上げを行なったため、自家用四輪二輪を使っていない者まで、石油燃料値上げの影響を蒙らなかった者はいないと考えてよいだろう。唯一影響を蒙らなかったのは、以前から補助金の付かない石油燃料を使用していた者だけであり、プルタマックス等の補助金なし石油燃料はシンガポールの石油市場価格に連動して上下するため、むしろ下降気味の状況をエンジョイしているかもしれない。
アンケートに答えた回答者の一日当たり交通費平均支出高は4万5千ルピアだったが、値上がり後はそれが6万6千ルピアになったことが明らかにされている。一日に支出する交通費の金額ブラケットごとに、そこに当てはまる人数のパーセンテージを表すと次のようになる。つまり、たとえば補助金付き石油燃料値上げ前には一日の交通費が1万ルピア未満で済んでいたひとは29%いたが、値上げ後は13.5%に減ってしまったというのがここの内容だ。
1万ルピア未満 29.0%⇒13.5%
1万から2万ルピア 35.0%⇒27.4%
2万から3万ルピア 9.2%⇒23.1%
3万から4万ルピア 1.7%⇒5.9%
4万から5万ルピア 7.9%⇒5.3%
5万から6万ルピア 1.0%⇒2.6%
6万ルピア超 16.2%⇒22.1%
ガソリンも乗合いバスも値上がりしたわけだが、自費ガソリン購入者にとって今回の値上げが経済的に与える影響は、そこだけ取り出してみれば公共運送機関の利用に転換するための理由に十分なる。ところが自家用車を使っている回答者のほとんどが、公共運送機関への転換はしないと答えた。38歳の回答者のひとりは、毎日ガソリン代に5万ルピアを支出しても、二輪車の使用はやめないと表明している。自分の行きたいところへ直行できる効率のよさ、渋滞を縫って進めるスピード、そしてサービスや保安の面で劣っているために快適さが感じられない乗合いバスに比べたらはるかに快適な行動性を捨ててまで乗り合いバスに移る気はない、とかれは述べている。しかしオジェッ利用者の中には、料金が5千ルピアも上乗せになったために、乗合い自動車に移ったと語るひともある。
これまで乗合いバスを使っていたひとたちの93%は、たとえ値上がりしようともそれがもっとも経済的な交通機関であるという視点を変えることなく、乗合いバスの利用を継続することを表明している。大勢のひとびとは目的地に至るまで、乗合いバスを乗り継いでいるのが普通だが、その不便さを呑み込んだ上での結論だ。18歳の大学生は自宅からキャンパスまで、乗合いバスとアンコッを四回乗り継ぐ。一回乗るごとに4千ルピアの支払いになるから、往復で毎日3万2千ルピアの交通費が出て行くことになるが、それより廉価な方法があるとは思えない、とかれは述べている。
値上がり前に利用していた運送機関ごとに、他の運送モードへの転換の意志をもったかどうかについての統計が次に示されている。それを見るかぎり、依然として現状維持が過半数を占めているように見受けられる。
1)公共路上運送機関利用者が今後は何を利用するかについては
公共路上運送機関93%、自家用車3%、友人知人に相乗り2%、自転車徒歩2%
2)首都圏コミューター電車利用者
電車62.5%、自家用車31.3%、二輪車6.3%
3)自家用車利用者
公共運送機関6.1%、自家用車88.4%、友人知人に相乗り3.9%、四輪から二輪へ0.6%、自転車徒歩1.1%


「トランスジャカルタバスにも神話がある」(2014年12月16日)
2014年11月のとある日の夜更け、中央ジャカルタ市のトランスジャカルタバススリピ停留所には数人の乗客がバスを待っていた。時計は22時13分を指している。しばらくして、トマン方面からスマンギ方面に向かう連結バスが一台、交差点の向こうに姿を現した。赤信号のためバスは交差点の向こうで止まる。停留所にいたひとびとはすぐにバス乗降扉の手前に集まった。交差点の信号が緑に変わり、バスは動き出した。そしてスリピ停留所に近付いてくる。ところがそのバスはスピードを少しもゆるめず、そのまま高速で停留所前を通過して行った。バスの中に乗客はひとりも乗っていなかった。
それからおよそ20分後、単体バスが一台、また交差点の向こうに姿を現した。停留所にいるひとびとはまた扉の前に集まってくる。グロゴル〜ピナンランティ間バスは停留所の手前でスピードをゆるめた。バスが止まり、停留所のバス乗降扉が開かれる。バスの中はかなりひとで埋まっていた。全員が今日一日働いて疲れきった表情をしている。
停留所からひとが乗り込み、車掌が扉を閉めると、運転手はアクセルを踏み込んだ。車が急発進し、車内に立っていた大勢の乗客がよろけて、慌てて手すりや吊革につかまる。バスが右へ左へと揺れるたびに、乗客は一斉に右へ左へとなびく。うっかり手を放そうものなら、もたれかかられた周囲の乗客の目から放射される冷たい視線を浴びなければならない。みんな疲れているのだ。バスの中は蒸し暑く、エアコンから冷気が放出されていないことがすぐにわかる。送風に切り替えられているにちがいない。バスが専用車線でない区間を通るとき、スピードをまったく緩めないバスは一層激しく動揺する。
スマンギ停留所が見えてきたというのに、バスはスピードを落とさない。そして25メートルほど手前まで来てからやっとブレーキが踏まれた。案の定の急停車だ。乗客の身体が一斉に前方に向かって倒れかかった。スマンギ停留所でも運転手の振る舞いは全く変化なし。停留所ごとに急発進と急停止を繰り返し、停留所間は高速で走りぬける。バスの中に乗っているのが乗客だという意識が消えているのか、あるいは乗客というものはカボチャと同じだと思っているのだろうか?そのときガトッスブロト通りの路上に安全快適な公共運送機関は完全に姿を消していた。一般の都内バスはそうであっても、トランスジャカルタバスは違う、という評判は、夜になると神話と化すにちがいない。運転手はただただ仕事を早く切り上げようとして、バスを走らせている。バスが最後のピナンランティ停留所に接近したとき、運転手はやっとそれまでの荒々しい運転をまともなものに切り替えた。時計は23時を指していた。


「ホリデーシーズン幕開け」(2014年12月23日)
クリスマス〜新年のホリデーシーズンがやってきた。今年のシーズンは2014年12月20日(土)からスタートした。全国の陸海空交通機関利用者が顕著に増加したのだ。このシーズンの国民大移動に加わる人数は1,404万人と見込まれており、前年実績の1,339万人からほぼ5%の増加になりそう。
最大の増加が起こると見られる交通モードは河川湖沼渡海海運、いわゆるフェリー航路で、昨年の利用者230万人は今年290万人に増加すると予想されている。渡海航路の多い東ヌサトゥンガラ州では、フェリー港が利用者であふれ、定員オーバーで乗船を拒否される利用者が数十人出ていた。昔は定員規定に目をつぶって利用者の便宜を優先していた体質が、政権交代と共に変化しつつあるように見受けられる。
渡海フェリー利用者が増加するということは、道路交通機関の利用者が増えるということでもある。別の島へ自家用車で移動することが渡海フェリーの利用者増を起こしていると言って間違いはあるまい。目的地で自分の車で移動できる便利さと、目的地まで時間とエネルギーはかかるが飛行機よりは廉価だという要素が、この種の交通モード利用者膨張の根底にあるようだ。運輸省が組んだ今年のホリデーシーズンの交通管制計画では、道路交通機関利用者は290万人で、2013年の270万人からほぼ6%の上昇となっている。長距離バスは36,937台準備され、全国43のバスターミナルから網の目のようにあちこちの町へと出発する。民間バス会社が運行させるそれらの長距離バスは、昨日今日はまだそれほど乗車率が高まっているようには見えないが、乗車料金は既に平常から1万〜1.5万ルピア値上がりしている。
陸上輸送機関として人気が高いのは鉄道で、このホリデーシーズンの利用者トータルは380万人と見込まれ、昨年から1%強のアップ。国鉄は鉄道利用者数のピークが12月28日になりそうだと述べている。国鉄は12月20日から2015年1月5日まで輸送力増強体制を敷いており、その間国内鉄道網を機関車411台客車1,364台が駆け巡る。また故障車両代替用に152両が要所要所でスタンバイする。
国鉄ヨグヤカルタ第6事業区は、ヨグヤカルタ〜ソロ間を走るコミュータ列車ジョグロ号の運行を2014年12月22日から開始した。ホリデーシーズンのその二都市間の乗客数は平常期より14%増加するものと国鉄側は予想しており、総座席数608のジョグロ号が投入されることで人の輸送に大きい混乱は避けることができるだろうとの国鉄側の腹積もり。
一方、空の足はと言えば、このホリデーシーズンに空運業界は32空港を結んで430機が大空を飛び交う予定。利用者数は昨年の350万人からほぼ6%上昇して370万人になると見込まれている。航空機利用者は12月20日から段々と上昇をはじめ、22日で利用者数はピークを過ぎるだろうと業界では見ている。しかし人のラッシュは1月4日ごろまで持続的に起こり、スカルノハッタ空港はその二週間に250万人がそこを通過することになりそう。


「歩行者地獄」(2014年12月24日)
2014年10月28日付けコンパス紙への投書"Maut Mengintai Pejalan Kaki di Bekasi"から
拝啓、編集部殿。西ジャワ州ブカシ市HMジョヨマルトノ通り、特にブカシトレードセンターからカリマラン交通信号交差点までの間を歩く歩行者は毎日間断なく続く事故のリスクに直面しなければなりません。中でも早朝の通勤時間帯から市民の活動が盛んになっていく間に、歩行者に対する交通事故のリスクは高まるのです。それは歩道、というよりは踏み分け道と呼ぶほうが妥当です、が低いこと、そして二輪車ライダーが全く罪悪感なしに歩行者の権利を奪ってそのスペースに侵入してくることが原因です。
更に、大型バスや大型トラックが脇を通るとき、不安は高まります。関係当局はこの問題に関心を払い、歩道をもっと高くするなどして歩行者が安心して通行できるような対策を講じるようお願いします。
モールの建設にばかり便宜をはかり、選挙キャンペーンで甘い口約束ばかりばら撒く一方で、このような些事には目も耳も閉じるようなことはやめてください。[ ブカシ市在住、マルティヌス・スティアブディ ]