インドネシア詐欺ニセモノ情報2004〜06年

「市場で販売されている蜂蜜は、ニセモノのほうが多い」(2004年5月5日)
市場で販売されている蜂蜜の中で、混ぜ物のなされていない天然蜂蜜は4割しかない、と業界者が語った。クドゥスで蜂蜜製造販売を行っているPTマリンドチトラタマブアナ社のシュクリ・アハディ取締役は「インドネシアの蜂蜜年産能力は5百トンしかなく、国内総需要30万トンを充たすために残りはオーストラリア、タイ、中国などから輸入している。ところが国内市場で販売されている60%は混ぜ物がなされており、純粋のものではない。混入作業が行われているのはジャカルタのタナアバン地区だ。そんな不正行為のために、養蜂農家はいたく迷惑を蒙っている。」と述べている。ジャワ島のクドゥスやパティにあるおよそ3百世帯の養蜂農家は5月から12月までの収穫期になると、3〜4週間ごとに蜜箱から蜂蜜を集めて出荷する。一箱当たり平均4.5キロの収穫があり、キロ当たり1万4千ルピアで仲買人に引き取られている。ピュアハニーは含水率が18〜20%と商工省の規準で決められているが、ジャワ島では土質の関係から22%程度にしかならず、それを含めた製品の品質改善には1億ルピア前後の巨額な設備投資が必要とされるために養蜂農家にとってはむつかしい問題となっている。


「贋ブランドインクがバタムで摘発される」(2004年5月18日)
キャノン、ヒューレットパッカード、エプソンの名を騙る贋ブランド品の根拠地はバタムだ、との狙いを定めて三社が国家警察に届け出たために、国家警察本部は4月5日6日の二日間バタムの要所に手入れを行い、商店4箇所、輸入業者2社からおよそ8千個のプリンター用インク、インクリボン、トナーなど贋ブランド品を押収した。各メーカーがアジア地区で行った調査によれば、マレーシアとシンガポールで流通している贋ブランド品はバタムを経由してインドネシア国内に流されているとのこと。そのため国家警察本部は4月13日14日に首都ジャカルタでも手入れを行ったが、あまり顕著な成果は出なかった。


「国内で贋札流通が激増」(2004年6月11日)
総選挙があると贋札が増加する。イ_ア銀行の統計では、総選挙のあった1997年の発見贋札総額は44億ルピア、翌1998年は62億、ふたたび総選挙が行われた1999年は67億、そしてその翌年に発見された贋札はなんと148億ルピア。2001年は激減して39億、2002年は贋札作りが多数摘発されて99億、2003年は11億という数字。さてこの2004年は総選挙の真っ最中だが、今年4月までに発見された贋札は既に12億ルピア相当。金種で一番多いのは5万ルピア紙幣で、今年4月までに発見されたのは10,149枚。2003年は年間で11,171枚だった。次に多いのがプラスチックの10万ルピア紙幣で、今年の発見分は6,782枚。昨年年間ではわずか743枚だった。
贋札増加は首都圏だけでない。流通通貨量がはるかに少ない地方部では、はるかに高率の増加となって表れる。国家警察とイ_ア銀行から得られたデータによれば、贋札発見量トップの首都を中部ジャワ州が追っている。中でもソロとスマランでの発見が多い。
イ_ア銀行スマラン支店は、今年第一四半期に中部ジャワ州で発見された贋札量は、総通貨量が前四半期から数%下降したにもかかわらず、金額ベースで65%も増加した、と報告している。同州内の流通通貨量はM1が13.8兆ルピア、M2が51.1兆ルピアで、2003年第四四半期に比べてM1で4%、M2で2%ダウンしたが、この期間の経済成長は向上しており、通貨の回転は3倍増に達している。問題の発見贋札枚数は2,828枚1.6億ルピア相当であり、金種では1999年発行5万ルピア券が1,929枚、同じ1999年発行10万券が641枚と、その二種類でほぼ9割を占めている。
そのような状況に対して贋札経済犯罪撲滅機構はイ_ア銀行に対し、5万ルピア紙幣、10万ルピア紙幣を早急に市場から回収し、より安全度を高めた新券に代えるよう要請しているが、既に2005年での切り換え予定を発表しているイ_ア銀行にその計画をスピードアップすることは可能なのだろうか。


「詐欺事件とおおらかな人々」(2004年7月2日)
詐欺事件はインドネシアで少なくない、というよりむしろ多いと言えるだろう。上は知事や軍地方行政管理司令官の名を騙って企業や実業界人に寄付を要求するものから、就職を斡旋すると言って金を取るがいつまでたっても職にありつけないものや、果てはヒプノシス(催眠術)やら景品詐欺まで、その手口は百八手では終わりそうにない。つい最近も、SMSで餌食を釣ろうとする景品籤詐欺が世間を騒がせたばかり。
タングラン県ラジュッ郡ルバッサリに住むラスッ34歳はしばらく以前に、ジャティサリに住むユリウスと知り合いになった。ある日ユリウスはラスッに相談を持ちかけた。「オレの金がいくつかの銀行に入ってるんだが、いま金がいるのにおろせないで困ってる。BCA銀行バンドン支店とスリピ支店、BRI銀行とイ_ア銀行に定期預金してて、総額は1,760億ルピアだ。金を引き出したいが期限がまだしばらくあって手に入らない。どうかね、その期間ちょっと用立ててくれればもっと大きい金額にして返してあげるよ。少なくともいま1千5百万ルピアは必要なんだが……」そう言われて数枚の定期預金証書を見せられたラスッは、ころりとそれを信じてしまった。おまけにユリウスは、「銀行に口座を開きに行こう。そうしとけば金を返すのはいつでもできるから。」とラスッを誘って銀行まで行ったから、それがとどめとなった。
ところがユリウスが言った定期解約期限を過ぎても、待てど暮らせどラスッの口座に用立てた元本1千5百万ルピアの入金すらない。思い余ってラスッは、メトロタングラン警察に「おそれながら…」と訴え出たという次第。警察が調べると、ラスッ以外にもマウクの住民ハナフィ30歳、ルバッサリのママッ35歳など何人もの被害者がいることが明らかになった。
6月30日に警察はユリウスを捕らえて取調べを行っているが、警察は「ユリウスは1千万ルピアを借りて1億ルピアを返すなどと約束し、大勢の被害者が出ているようだ。」と洩らしている。


「海賊版ソフトウエアは1億5千7百万ドル相当」(2004年7月9日)
2003年にインドネシアでコンピュータにインストールされたソフトウエアの88%は海賊版であり、それは1億5千7百万ドル相当だ、とグローバル・パイレシー・スタディ調査で明らかにされた。世界全体を見れば海賊版は32%で290億ドルに相当するとのこと。昨年全世界でコンピュータ用に使われたソフトウエアは8百億ドル相当だが、合法的に売買されたのは5百億ドルしかないとの調査結果だ。
世界第四位、アジアパシフィックで第三位の海賊版王国インドネシアのその状況に対し、テレマティックソフトウエア協会著作権担当理事ディアナ・スディアルディは、2001年の7千9百万ドルが2003年に1億5千7百万ドルになったのは、2003年の集計にオープンソースが増加しているため当然だ、とコメントする。だからその数字だけを見て、政府の著作権保護の対応が良くないと考えるのは正しくない、と言う。2003年の調査はオペレーションシステム、利用者のアプリケーション、パーソナルファイナンシングやリファレンスをカバーしているが、2001年の調査ではオフィスやユーティリティなどビジネスアプリケーションだけが調査された。政府の著作権保護措置が向上したのは著作権に関する2002年度第12号法令が2003年6月から施行されたためで、この法令のフォローとして政府は著作権違反対策チームを編成して活動を進めている。
2003年にマイクロソフトはコンピュータ組み立て業界に合法的ソフトウエア使用を推進させるため、全国コンピュータ事業者協会会員を再販者に指定した。調査機関IDCは2003年のインドネシアにおけるソフトウエア市場は1億2百万ドル、2004年は1億1千万ドル、2005年には3億9千1百万ドルになるだろうと想定している。


「クレジットカード犯罪は地方部に広がる傾向」(2004年7月13日)
これまでクレジットカードの不正使用はジャカルタ、バリ、スラバヤなどの大都市で発生していたが、今年大都市ではほとんど増加が感じられず、反対に地方都市での発生が増加傾向にある、とクレジットカード協会のブディ・スティアワン会長が語った。大都市におけるこの種の犯罪捜査はあまり熱心に行われず、また逮捕されても経済犯罪は一般的に刑が軽い。ところが地方都市のほうが法執行は堅実に行われており、犯罪が露見すれば関係機関がより統制の取れた動きを見せる。同会長はジョクジャとバリッパパンでの事件を例にとり、被害者の届出から関係機関が迅速に動いて、協力的に犯人逮捕が行われた、と語る。「願わくば、かれらにもっと重い刑罰が与えられて、懲りるようにしてもらいたいものだ。」と同会長は述べている。
同協会は全20会員のうち17会員クレジット会社を巻き込んでの、ネガティブリスト・シェアリングをこの7月から開始した。これは要注意顧客情報の共有化をはかるもので、これまであるブランドで不払いを起しても他のカード会社の顧客になることは容易だったが、この制度開始でそれは困難になる。最新のクレジットカード業界の統計では、潜在市場は1千7百万人に対して2004年3月期の新カード発行は480万枚。カード保有者は3百万人で、平均ひとり1.5から2枚のカードを財布にしのばせている。2003年の利用総額は10から15兆ルピアで不正使用による損失は3百から5百億ルピア。また回収不良率は5から10パーセントとなっている。


「合法録音媒体販売が激減」(2004年8月5日)
インドネシアンポップスやダンドゥッは、経済の好不況で響きを変えることはないものの、ライブはともあれ録音媒体ビジネスでは影響が避けられない。経済好況期には合法ビジネスが優勢だったのに、経済危機以降不法ビジネスが圧倒的に幅を利かせるようになったという現象は、この業界も例外ではなかった。
レコーディング産業協会調べによるとカセットやCDなどの録音媒体販売は、1996年には合法品が7,755万部、不法コピー版が2,307万部という比率だったが、1997年には合法品6,736万部、不法コピー1億1,284万部と逆転し、合法品は多少の上下はあっても右肩下がりの傾向は避けられず、一方の不法コピーは年々猛烈な勢いで増加し、2003年には合法品3,584万部、不法コピー3億5,625部という大差がついてしまった。
このような状況に関連して、著作権が確立されている他国にくらべて割を食っているのがインドネシアの作曲家たちで、Apmindo(音楽パブリッシャー協会)によれば1万1千人と言われる作曲家たちの収入は減少の一途。作曲者が受け取るロイヤルティは販売された録音媒体の市場小売価格の5.4%とされており、2003年に徴収されたロイヤルティ総額は4百億ルピア。現在アプミンドは携帯電話用リングトーンに対するロイヤルティの標準化を進めており、リングトーン制作者は料金の10%をロイヤルティとして納めるという合意が既に15社と結ばれている。2003年のリングトーン市場は6百億ルピアマーケットと推測されており、作曲家の収入向上に向けて努力が続けられている。
ところで、録音録画媒体はカセットや光学ディスクが主体になっているが、多いように見えてもCD,VCD,DVDなどの光学ディスクは媒体総数の10%に過ぎない。そんなカセットも光学ディスクも、合法品と不法コピー品の価格差が大きいために合法品が蝕まれているのが実情だ。ちなみに合法品1部の価格はカセットが1万5千ルピア、CD3万ルピア、VCD2万5千ルピアだが、不法コピー品だとせいぜいが5千ルピアで手に入る。
そんな状況の中で、消費者が合法品VCDを利用することにプライドを持ってもらおう、と全国に百店のレンタルVCDショップを持つVideo Ezyが顧客に景品を用意した。景品はダイハツゼニア1台、20インチTV20台、VCDプレーヤー2百台、フレンの携帯電話イニシャルカード2百部。この抽籤は第一回が7月30日に行われ、スラバヤ在住の顧客がゼニアを手に入れた。抽籤は第二回が今年11月30日、そしてもう一度2005年3月31日にも行われる。


「単純詐欺でも数撃ちゃ当たる」(2004年8月24日)
北ジャカルタ市長が作成したように見せかけた寄付要請書を持ってタンジュンプリオク港イミグレーション事務所にやってきたふたりの男が警察に逮捕された。このふたりは、北ジャカルタスポーツセンターで170人の幼稚園生の絵の展示会を行う計画があり、その催しに寄付を募っているというプロポーザルが記され、北ジャカルタ市長エフェンディ・アナスがサインした市庁のレターヘッドを持っており、イミグレーション事務所に寄付を求めた。イミグレーション事務所は20万ルピアと領収書を渡したが、事務所から北ジャカルタ市庁に念のために確認を入れたところ、そのような事実はないことがわかったので、急遽警察を呼んだというストーリー。このふたりは使い走りで、かれらの裏に首謀者がいることが明らかになったため、警察は22日夕方首謀者のふたりを逮捕した。
犯人の供述によれば、かれらはその偽造文書を持って3百軒以上の役所や会社を回らせ、プルタミナの船積・通信・港湾ユニットとPTアディラサの二ヶ所からそれぞれ1百万ルピアの寄付金を手に入れている。エフェンディ・アナス北ジャカルタ市長はこのニュースについて、警察に大なる謝意を表明し、更にこの詐欺事件は4ヶ月前にボゴールのある会社が偽造文書を受け取って問い合わせてきたから知っている、と語った。「その会社は金を渡す前に当方に問い合わせをかけ、詐欺であることを知ったために被害に遭わなかった。詐欺の手口は他にもあり、エフェンディの代理だと名乗って電話をかけ、寄付を要求するというやり方だ。不審に思った方は当方にどうぞお問い合わせを。」と市長は述べている。


「レコード会社の6割は事業を止めている」(2004年8月27日)
Asiriレコード産業協会の117会員会社のうち60%は録音製品制作販売事業から撤退した、とアルネル・アファンディ同協会専務理事が語った。
同専務理事によれば、合法的製品は市場の10%を占めているだけで90%は違法コピー品であり、つまり協会は市場の9割を失っている、とのこと。平均ひと月1千2百万本という市場規模の中で今活動している会員会社はせいぜい3百万本を売っているだけだそうだ。1996年にある会社は録音製品を月3千万本販売する実績をあげた。事業を撤退した会社はまだ会費の納入を続けているが、何のビジネスを行っているのか詳しいことがわかっていない。専務理事は、多分家電品販売を行っているのだろう、と推測している。この業界を救うためには、違法コピー品撲滅のための政府の意志とアクションが不可欠だ、と協会は考えている。2003年の統計では合法VCD、CD、カセット3,583万本に対して違法コピー品は3億5,624万本だったが、その中で一番数が多いのがVCDで、違法コピー品3億2,860万本に対し合法のオリジナルVCDは113万本しかなかった。CDは合法品251万本に対して違法品166万本、カセットは合法品3,219万本にたいして違法品は1,748万本となっている。
「政府はいまこの業界をまず瀕死の床から救い出すのが先決のはずなのに、違法コピー品撲滅に力を注ぐどころか、合法品に特定品目物品税(チュカイ)をかけようとしている。このような状況では、2008年に国内レコーディング業界は死滅してしまうだろう。」と同専務理事は語っている。


「贋物王国は不滅」(2004年9月23日) 昔から贋物王国として国際社会で名高いインドネシアは、まだまだその地位が維持されている。国内で生産される有名ブランドの贋物ばかりか、他の国から輸入されるものさえある。中国から流れ込んでくるものが量的には主流を占めているが、韓国からは皮革製品やアクセサリー類、マレーシアからはCD/VCD/DVDの海賊版。知的財産権を犯しているこのような状況は、国際社会でのインドネシアのイメージをひどく傷付けるものであり、制裁の対象にされてもおかしくない。現実にアメリカは今年、インドネシアをプライオリティ・ウオッチリストに入れて、インドネシア政府に真剣な対応を取るよう迫っている。
中国からの贋物は、中国政府が知的財産権違反物品の輸出規制を行うようになってから減少しているが、依然としてその網をくぐってインドネシア国内に入ってくるものもある。もっと状況がひどいのは韓国産の皮革製品で、これは堂々とスカルノハッタ空港を経由して輸入されているとのこと。それらを水際で摘発することが税関に期待されており、税関にとっては1995年第10号法令「通関法」をその法的根拠として持っているものの、業績はまだ十分とはいえない。また2001年第15号法令「商標法」も制定されて、法制度的には十分に統制されているにもかかわらず、市場に贋物があふれている実態は政府のポリティカルウイルが不足しているためだ、と知的財産権関連法律家たちはコメントしている。


「贋ブランド靴に要注意」(2004年12月9日)
インドネシア履物協会のハリヤント会長が、ルバラン前から贋ブランド運動靴が国内市場に出回っており、政府はその取締りを早急に行うべきだ、と要請している。同会長によれば、Puma, Adidas, Nikeなど有名ブランド品が7万5千から15万ルピアという異様な廉価で市場に出回っており、包装は本物そっくりだが多少雑な感じがあり、小売店はそれを中国製のもの、と称して販売している、とのこと。何人かの輸入者が中国から直接贋ブランド品を輸入し、ほかの卸商はその輸入者から仕入れて流通網に流しているが、それを贋ブランド品と言う関係者は誰もいないそうだ。その贋ブランド商品はジャワ全島をはじめ、マカッサル、マナド、メダンにまで広がっており、消費者には有名ブランドで安いということから人気があり、販売店も100%の利益を取れるために贋ブランド品の販売に熱を入れている。それら贋ブランド品が市場に現れ始めてから、Piero, Specs, Eagleなどの地元ブランド品の売れ行きが大きく低下しており、「政府は国内産業保護という見地以上に、商標権侵犯を放置しているという印象を諸外国に与えることに配慮すべきだ。」と同会長は訴えている。


「贋ブランド品はパナソニックにも」(2004年12月10日)
パナソニック井戸ポンプやラジカセも贋ブランド品の標的になっている。贋ブランド品は本物と同じ形をしているが異なるもので、PTパナソニックマニュファクチャリングインドネシア社の調査によると、そのほとんどが中国から輸入されている、とのこと。インドネシア市場は廉価なものを志向する強い傾向があり、それが不法輸入品や贋ブランド品の流通を盛んにする要因となっており、同社も贋ブランド品のために市場価格を10%程度の値引きを余儀なくされているそうだ。同社は国内産業が国内市場で正常に事業が行えるよう、税関が輸入通関をもっと厳しくコントロールするよう訴えている。


「詐欺師一味が警察に捕まる」(2004年12月24日)
「ProXLから百万ルピア相当のバウチャーと現金1千万ルピアの賞品が好運なあなたに当たりました。」というSMSがだれかれ構わず飛び込んでくる。射幸心豊かで、景品大好きな人たちは、それをもらうにはどうするのか?という疑問を解くために、メッセージ内にある電話番号に連絡する。すると「まず決められた手続き費用を口座番号XXXにお振込みください。それが確認されたら、あなたの口座に賞金が振り込まれます。」という返事をもらう。そして心が花園になっているかれやかの女が振込みをすると、いつまで待ってもなしのつぶてで、詐欺にかかったことを悟るという寸法。
この詐欺行為を行っていた6人のグループが警察に捕まった。警察にとっては「ひょうたんからこま」のこの逮捕劇は、まったくの偶然。北ジャカルタ市クラパガディンのウィスマ・ガディンプルマイで自動車盗難事件を捜査していた北ジャカルタ市警職員は14日、当該アパートBタワー12階の10号に携帯電話を14個も持って何かをしている怪しい男たちがいるのを目にして踏み込んだ。室内を捜索したところ、メモや新聞の切り抜きなどさまざまな詐欺行為のための資料が見つかったので、その6人を警察に連行し、キジャン、ランサー、タルナの三台の車とブコピン銀行、リッポ銀行の通帳および現金1千7百万ルピアを押収した。新聞の切り抜きはさまざまな事件を報道したもので、容疑者や事件を担当している高官の名前などの情報を得るための資料。それらの情報に基づいて、一味は高官の名前を騙って容疑者から金を詐取していた。
シャフルル・マンマ北ジャカルタ市警長官は、「かれらの詐欺にかかったのはジャワ島外の人たちが多く、一味の口座を調べたところ外島からの送金がたくさん見られた。ジャワや特にジャカルタの者はそんな詐欺の手口を十分知っているので、あまり被害に会わなかったようだ。この一味はもう昔から詐欺で稼いでおり、電話番号を調べる者、口座を開く者、獲物とコンタクトする者、金を下ろしてくる者など役割を分業にしており、全くプロの犯罪組織だ。かれらが稼いだ金は10億ルピアにのぼる。」と説明している。但しこの一味には首領格の男がおり、警察が踏み込んだときたまたま外出中だったためにまだ警察の網を潜り抜けている。捕まった6人の取調べからその男は仕事が終わると20%を自分の取り分とし、残りを役割に応じて他の仲間に分配していた。


「贋ブランドインクは16.4%の市場シェア」(2005年1月4日)
国内のコンピュータプリンター用スペアインクカートリッジ市場では、なんと贋ブランド品が16.4%のシェアを占めている。ブランド名を騙られているキャノン、エプソン、HPの大手三社は数年前から共同戦線を張り、贋造品摘発大作戦をインドネシアだけでなく、アジアと中南米の諸国でも展開している。2004年、インドネシアでは国家警察の協力下にジャボタベッ、バタム、バンドンで贋ブランド品の流通販売を行っている小売・卸売り業者40店から1万2千個の違法インクカートリッジとインクリボンを押収し、12月29日に廃棄処分を行った。
三社が法的処理を委託しているジャカルタのスマルディプラジャ&タヘル・アドボケートは、2001年度第15号法令90・91・92・93・94条に違反する行為を犯した40店からは違反行為を繰り返さないという誓約書を取っており、また近日中に有力メディア上に謝罪広告を出すようかれらに要求している、と説明している。商標権違反は親告罪であるため、侵害を受けた三社はとりあえずその40店との穏やかな決着を求め、いくつかの条件を満たせば告訴を取り下げるという姿勢を示している。
世界的には贋ブランド品は総マーケットの5.2%を占めていると見られており、贋造品の80%は中国産で、残りはアジアのほかの国あるいは地元産だと言われている。しかしインドネシア国内ではこれまでの調査結果から、商業生産ベースに乗るほどの規模で贋造品を作っている生産者はいないようだと考えられている。


「偽アチェ救援募金集め人始末記」(2005年1月5日)
普段ボゴール街道のタマンミニ方面との交差点でプガメン稼ぎをしているグナワン、バユ、アデ、アブドゥル・シュクルの四人組は、最近ショバに「アチェ地震津波被災者救援募金」と書いた箱を持つ学生たちが侵入してきたため、毎日の上がりが激減しており、対策をどうしようかと集まって知恵を絞った。かれらはHekと呼ばれるその交差点で、また時にはそこからカンプンランブタン・バスターミナルに入るバスに乗り込んで、ギターや打楽器を抱えて歌い、乗客から小銭をもらっているのだが、そこに募金箱を手にした学生が割り込んできて、乗客の小銭はいきおい救援募金の方へと流れていく。
「じゃあオレたちもそうすれば良いじゃん。」ということで衆議一決、かれらも同じような箱を用意した。1月3日、プガメンから募金集め人に変身した四人は朝から交差点を通るバスやミクロレッの乗客に浄財を要請する。そして陽が高くなったころには2万2千ルピアが集まった。喉の渇きを癒そうと、かれらは街道沿いのワルンに向かう。ワルン周辺にいる群衆にも「浄財をお願いしま〜す」と箱を差し出す一方で、仲間のひとりが瓶入りドリンクをくすね始めた。あまり学生風には見えない怪しげな四人組は、付近の群衆から不審の目で見られていたようだ。すぐに「マリン(泥棒)!」という声があがる。待ってましたとばかり、群衆が四人に襲い掛かって殴る蹴るのリンチ。お仕置きもこの辺でよかろう、と群衆はぼろぼろになった四人を警察に突き出した。
「ほんの出来心で、ちょっとやってみただけだよ。プガメンやっても金にならない。みんな募金の方に金を入れるんだから。そのうちオレたちゃ稼ぎがなくなって、飢え死にだ。」アブドゥル・シュクルはそう弁解する。「集めた金はどうやって被災者に渡すんだ?ハリム空港へ持ってくのか?」と尋ねる記者に、四人は揃って口をつぐんだ。


「偽造医薬品は、服用薬ばかりか注射液まで」(2005年2月8日)
偽造医薬品の流通が盛んになっているが、こんどは偽造の抗生物質注射液がパレンバンで発見された。捕まった関係者の自供によれば、その注射液は東ジャカルタ市プラムカ通りのパサルプラムカで入手されたもので、偽造注射液の広範な流通が懸念される一方、患者には注射液の真贋を知る術もないことから、偽造医薬品が医療界をきわめて危険な状況に向けておし進めていることが憂慮されている。
サンプルノ食品薬品監督庁長官はそのような状況について、違法不法薬品が薬局で見つかれば営業許可取り消し、無許可で医薬品を販売している中小売店は強制閉鎖措置を取るなどといった対応の一方で、偽造医薬品の情報は全国各州知事宛てに通知をするなど、積極的な対策を行っているが、違法不法薬品闇シンジケートにはいまだに手が届かないのが実態だ、と説明した。薬局にせよ、パサル内の薬品売店にせよ、営業許可を与えるのは地元行政府であり、同庁が直接手をくだすことはできない。今やパサルプラムカが偽造医薬品センターとして浮上してきており、同庁は医療関係者に、安くても偽造品のおそれがあるものは決して購入しないように呼びかけている。


「2004年の発見贋札は2003年から倍増」(2005年2月17日)
イ_ア銀行が副大統領府での報告のあと行なった記者会見で、2004年に発見された贋造紙幣は2万4千枚200億ルピア弱相当にのぼり、2003年の1万2千枚82億ルピア相当から倍増したことが明らかにされた。
イ_ア銀行のルキ・ファトゥル貨幣流通局長の説明によれば、2003年発見贋札の金種は2万と5万がメインだったが、2004年にはそれが5万と10万に移行しており、被害額は増大傾向にあるとのこと。イ_ア銀行は昨年末に10万と2万の新札発行を行なって対応を取り、今年は更に5万と1万紙幣を新規発行する予定にしている。インドネシアの贋札は統計上百万枚中7枚という比率であり、これはアメリカの110枚、ユーロの56枚に対しては比べ物にならないような数字だが、レベルはどうあれ、国家経済に悪影響を及ぼすことは疑いもなく、イ_ア銀行は中央銀行としてその対策を鋭意実行していく、とルキ局長は語っている。イ_ア銀行はもう何年も前から国家警察と協力体制を敷いて贋造紙幣摘発活動を進めており、既に117回の共同オペレーションが実施されている。しかし犯行が暴かれ、犯人が逮捕されても、かれらに対する処罰は平均して2年未満の入獄という軽いものであり、刑法で規定されている最高15年とあまりにもかけ離れている運用は見直されなければならない、ともコメントしている。


「都内目抜き通りのガソリンスタンドが不法混合油を販売」(2005年3月2日)
都内パンチョラン地区のガトッスブロト通りで営業しているガソリンスタンドが無許可でノーマルガソリンのプレミウムとハイオクタンガソリンのプルタマックス並びにプルタマックスプラスを混合させて販売していたことを首都警察がつきとめ、28日早朝そのガソリンスタンドが混合作業を行なっている場に踏み込んで関係者を現行犯逮捕し、そのガソリンスタンドを差し押さえた。
そのガソリンスタンドには容量1万5千リッターのタンク5基が地中に埋められ、第一、第二、第四タンクはプレミウムガソリン貯蔵、第三タンクにはプルタマックス、第五タンクにはプルタマックスプラスが納められていたが、その第三と第五タンクの油種が販売されて減ってくると、そのスタンドは第一・第二・第四タンクからプレミウムガソリンをそこへ補充して水増しするという作業を行なっていた。混合比は2対1程度に抑えて極端な不審を招かないような配慮もなされていた。
このガソリンスタンドは地中にパイプを設置してタンクを互いに連結させ、ポンプを使って異なる油種のタンクにプレミウムが流れ込むようにしてあり、混合作業の実施タイミングはハイオクタン種ガソリンの売れ行き次第ながら、作業は客の少ない早朝に担当者がポンプのスイッチを入れると誰にも見えない地下でひとりでに進行するように設定されていた。
ラフな計算をすれば、プレミウムはリッター当たり1,800ルピア(値上げ前)、プルタマックス4,000ルピア、プルタマックスプラス4,200ルピアが販売価格であり、8千リッターのプルタマックスと4千リッターのプレミウムを混ぜてプルタマックスとして販売すればタンク1基分で880万の利益、プルタマックスプラスの場合は960万ルピアの利益が濡れ手に粟となる。この犯行は2002年5月から続けられていたと見られ、この不法混合油販売で2百億近い利益をあげていたのではないかとの憶測を呼んでいる。
首都警察特殊犯罪刑事局係員が踏み込んだとき現場にいて逮捕されたのは4人。1992年から営業を始めたそのスタンドのオーナーは中部ジャワのソロにおり、既に逮捕された四人の中の一人に2002年からそのスタンドの経営を請け負わせて直接のオペレーションにはタッチしていなかったとのことだが、警察は必要に応じてそのオーナーにも召喚状を出す予定にしている。


「海賊版はCDやカセットだけじゃない」(2005年3月14日)
「外国の出版社や著述家の多くがインドネシアでの出版を拒否する。」インドネシア出版社会法制著作権部会アウォッ・サイド議長はそう語る。インドネシアでの知的財産権侵害があまりにもひどい状況であることをかれらが知っているからだ、と同議長は説明する。
知的財産権侵害はコンピュータソフトや音楽・映画の世界だけではないのだ。昨今のように警察が不法コピー取り締まりを励行するようになるずっと昔、もう何十年も前から書籍の海賊版作製行為は行われてきた。その伝統はテクノロジーの進歩とともにカセットやディスクなど新種の媒体が世に出現するごとに引き継がれ、海賊版作製者たちがそれらを蝕むことをやめるどころか量的には年を追って増加し、より簡単に金が稼げるテクノロジーの進歩をかれらも大いに喜んだと言う方があたっているだろう。今でこそ諸外国からのコンピュータソフトや音楽・映像の知的財産権保護に関する厳しい追及のせいで政府は法執行推進を余儀なくされているが、書籍の世界で海賊版の被害を受けているのは国内出版社とインドネシア人著述家であり、ここはあまり外圧の風が吹き付けない分野になっている。
都内のあちこちにカキリマ書店が店を出す。中でもそのメッカは中央ジャカルタ市スネン地区のクウィタンだろう。古本、新刊本、そして海賊版。それらのすべてが渾然一体。「まだ新しいのに半額くらいの値を付けていれば、それはまず海賊版だ。」とインドネシア出版社会のイワン・スティアワン副会長は語る。ベストセラー、大学生向け辞典類や教本など持続的に売れるもの、会計、医学、経営に関するもの、辞書などが海賊版のターゲットになる。ここ数年はイスラム関連書籍の販売が増加しており、その中でのベストセラーはやはり海賊版が出回っている。
出版社グマインサニプレスによれば、同社の海賊版被害の25%はイスラム関連書籍であり、残りは一般書籍と大学生向け出版物だそうだ。出版社アルカウツァルは同社のベストセラー「フィキ・ワニタ」が海賊版のために販売数が激減し、6億ルピア以上の損害だと述べている。出版社ヤヤサンビナプスタカは年間3千部の売上を誇るエバーグリーンのベストセラーだった「イルムカンドゥガン」がいまや海賊版のおかげで年間売上は5百部にまで落ち込んでいる。
海賊版が盛んなのは首都だけかといえばそうではなく、多くがジャカルタに集中しているとはいえ、ジャワ島の地方都市にも類似の状況は明白に見られる。いやそれどころか、スマトラ、カリマンタン、スラウェシに至るまで、海賊版書籍が顔をのぞかせない場所はない。地方部へ書籍をおろす流通業者が、50冊の注文に対してオリジナル5冊海賊版45冊を混ぜて発送しているのが普通なのだそうだ。インドネシア出版社会は警察や法務省に協力を仰いで徹底的に海賊版撲滅をはかることにしている。


「また詐欺集団が捕まる」(2005年3月23日)
内務大臣、首都警察長官、西ジャワ州知事、バンドン市長など許認可権限を持つ現職行政高官や係争・犯罪などの事件に関連してキーポジションにある人物の名前を騙って詐欺を働いていたグループが首都警察に摘発され、21歳、22歳、27歳の三人のメンバーが3月18日に東ジャカルタで逮捕された。警察はかれらの他にもメンバーがおり、特にシナリオを仕組んで他のメンバーに芝居を打たせる詐欺グループの頭脳格がまだ捕まっていないため、このグループの関係者を追っている。 行政高官が実業界に寄付を要求する習慣はインドネシアに古く、詐欺師がそれを付け目にすることは昔から起こっていたが、このグループは新聞などのマスメディア、あるいはなりすまそうとする高官の職場である官公庁でその周辺にいる者から情報を集め、そのとき官公庁で起こっている状況の中で利用できるポイントを暗示して組織の下にいる者や外部関係者などにその高官名義の銀行口座に金を振り込ませることを行っていた。公共建設プロジェクトに関連して経費を渡すとか、難しい許認可を許可するなどといったその権限内で鍵を握っている高官の名を騙って見返りの金を要求するケースや、係争当事者あるいは服役者の家族に警察長官の名を騙って金を要求するといったものがそれに当たる。社会自体がそのような下地を持っているため、詐欺のターゲットになる者は強い不審を抱くこともなく、また下位者が上位者に向かって金の受領を確認するような習慣もないことから、この詐欺グループの餌食になったという認識すら持てない被害者も多数いるのではないかと見られている。名を騙られた当人のフィルマン・ガニ首都警察長官は、この詐欺団とは関係なく最近起こった事件について、長官の名前を騙ってある刑務所に服役中の囚人を解放する命令が出されたり、2百万ルピアの交通費を託すようにという電話が長官の妻に入ったこともある、と洩らしている。
既に逮捕された3人からは、高官名の偽造家族登録書14枚、偽造住民証明書54枚、銀行預金通帳110冊、ATMカード114枚、現金5千万ルピア、Pepsodent、SilverQueen、IndoMilkなどの懸賞応募券多数が押収された。偽造の身分証明のための書類は行政高官名義の銀行口座を開設するために使われたもので、かれらは9つの銀行でそれら高官名義の口座を開いていた。偽造KTPは誕生年が1977年頃にされており、銀行側は現職高官の同名者としか思わず、疑惑を感じなかったに違いない。口座が作られた銀行はBCA, BNI, BRI, Mandiri, Niaga, Bukopin, Permata, BIIなどで、BCAはかれらに通帳31冊、カード36枚を、BNIは通帳50冊、カード59枚を渡していた。銀行預金通帳からは、このグループの犯行歴が2002年から始まっていることがわかる。
また多量に見つかった有名メーカーの懸賞応募券については、各メーカーが抽籤を行なって当選者を確定したあと、それらの応募券は廃棄されなければならないのに、このグループはそれを関係者から手に入れて応募者にアプローチし、「あなたは当選したので、規定によって口座番号xxxに振り込まなければ、景品・賞金がお送りできない。」と騙して金を詐取する行為を行っていたもの。


「アスパルKTPビジネスは盛ん」(2005年4月4日)
犯罪現場に偽造KTP(住民証明書)の影を見ることが激増している。それだけ偽造KTPビジネスが活発化しているということをそれは意味している。そしてほとんどの偽造KTP作成に正規のKTP発行者がからんでいるフシがある。これすなわちアスパル(asli tapi palsu)の典型例と言えるだろう。厳重なアイデンティティ調査を経ないで新KTPが発行されている事実は、ジャカルタ、デポッ、ブカシ、タングランの各所に見られる。
タングランのチココルに住むリナ23歳は、前の居所からの住所変更書類やその他の身分証明書類など何もなしに、紙に名前や住所、その他KTPに記載されるべきデータを書き、写真一葉を添えただけで、知り合いに5万ルピア渡したら新KTPができてきた、と語る。西ジャカルタ市クブンジュルッでは、新KTPを作るのに面倒なことは必要ない。15万から20万ルピアの金さえあれば新KTPができ、そして自宅まで届けてくれる。「ここじゃKTPを作るのは難しくない。KTPはRT(隣組長)のビジネスになってるんだ。」ジョクジャのグヌンキドゥル出身男性はそう語る。


「就職詐欺犯が捕まる」(2005年4月8日)
有名メーカーの支店に仕事を世話してやると持ちかけて数百人から金を詐取していた男が警察に逮捕された。
容疑者デデン・スドラジャッは、PTインドフードのボゴール支店に仕事を世話してやることができ、ひとり50万から100万ルピアの金を渡せば採用プロセスが早く終わるからと言って数百人の就職希望者からその金を取っていた。デデンは就職希望者を信用させるために、自分で用意した身上データフォームを渡して記入させ、フォームの費用として35万ルピアを徴収していた。そのフォームにはPT Indofood Cabang Bogorの文字が記されている。
ところが金を渡した就職希望者がデデンにせっついても、もう少し、もう少しと時間稼ぎをされたので、業を煮やした希望者のひとりが警察に訴え出て、デデンの詐欺行為が明らかになったもの。
デデンは同支店のセールス部門で4年間働いた履歴を持っており、1986年にその仕事をやめている。2005年初からその詐欺行為をデデンは始め、数百人の希望者から合計数億ルピアの金を手に入れていた。その詐欺のためにかれはまた、インドフードの採用申し込みフォームとインドフードのスーパーバイザー身分証を偽造している。
デデンを警察に訴えたのはラスリニという女性で、かの女はもともとボゴールのカルヤバクティ病院のラボで決して安くない給与で働いていたが、デデンの口車に乗って言われるがままに金を用意し、もっと良い未来が自分を待っていると思い込んで今の勤め先を辞めてしまった。デデンはかの女に、自分はスーパーバイザーの権限でかの女をインドフード社員にすることができ、初任給150万ルピアで4ヵ月後には給料が300万になるのだが、そのポジションに就けるためには自分の上司に賄賂を渡さなければならず、その金を用意してくれと言って金を詐取した。そのあとは何やかやと言い訳を並べては時間を稼いでいたが、待てなくなったラスリニが警察に訴えたというストーリー。


「寄付詐欺に中央銀行総裁のサインが偽造される」(2005年4月16日)
イ_ア銀行総裁のサインが偽造された寄付依頼書が、首都の多数の著名銀行に送られている。
14日20時ごろ、イ_ア銀行職員ラ・オデ・マルハエニスがイ_ア銀行から委託されて、同銀行総裁のサイン偽造が行われたことを首都警察本部に届け出た。それによれば、4月8日、「インドネシアは祈る」と題した慈善プログラムを行うために寄付を募るという内容の文書が都内の多くの市中銀行に送られ、市中銀行側がその事実確認をイ_ア銀行に行ってきたため、イ_ア銀行で総裁サインが偽造された事実が判明した、というもの。イ_ア銀行に問い合わせてきた銀行数は7軒にのぼり、そのいずれもが寄付を行う前だったため、金を詐取されたところはない。ブルハヌディン・アブドゥラ、イ_ア銀行総裁は「インドネシアは祈る」実行委員会との関係は何もない、と否定しており、同文書に見える本人の名前とサインは偽りのものだ、と表明している。イ_ア銀行は、銀行界以外でもそのような文書を受け取ったところは、イ_ア銀行広報局に電話(021)381-7317, 731-7187、ファックス350-1867、またはEメールhumasbi@bi.go.idでまず確認を取るようアドバイスしている。また首都警察は、今回の詐欺行為を行ったのはイニシャルRn、Yt,Ssという三人の女性である、と公表し、その三人を追跡している。


「コンパス紙への投書から」(2005年4月27日)
拝啓、編集部殿。およそ1年間HSBCクレジットカードを使ったあと、支払いを忘れたために遅延が発生し、ペナルティが課されました。たまたま一年の期限が来たため、電話でカスタマーサービスに使用を打ち切る旨連絡しました。しばらくして新しいカードが自宅に届きましたが、わたしはそれをアクティブにしていません。請求書が来たので、アニュアルフィーの30万ルピアを差し引いた請求分を支払いましたが、翌月になってまた請求書が送りつけられ、そこにアニュアルフィーがまた請求されているのに驚きました。そしてまた41万なにがしの請求があったので調べたところ、二つのマーチャントがHSBCへの請求遅れを起こしたための請求でした。わたしはまたカスタマーサービスに電話し、事情説明を求め、請求書のリバイズを要請しました。カスタマーサービス担当者は調べて後で連絡すると言ったきりで、わたしはそのフォローアップを求めて三回もHSBCにファックスを入れました。電話をしても担当者が入れ替わるばかりで埒があきません。翌月になると新たなペナルティのついた請求者がまた送られてきます。そうしてついに去る1月4日、デットコレクターがわたしにコンタクトしてきました。わたしはかれに事情を説明し、HSBCにそれを伝えて問題の仲介をしてほしいと頼みましたが、それっきりになりました。そして3月9日には別のエージェントのデットコレクターがまたわたしのところにやってきました。
請求間違いを犯しているのはHSBC側であり、毎月ペナルティを課して請求してくるのはあまりにも一方的です。このような一方的で強硬な対応をされるのは、きわめて人を不安にさせるものです。国際的に名声を博しているHSBCが、カスタマーサービスとデットコレクターの仕事の仕方で評判を傷つけられるのは、とても残念なことではないでしょうか?[ジャカルタ在住者、アンディ・チャヒヤ]


「海賊版CD生産者もインドネシアにリロケ」(2005年4月28日)
アセアン諸国に散らばっていた海賊版CD製作工場が50以上、密かにインドネシアに移ってきている、と人権法務省アブドゥル・バリ・アセッ知的財産権総局長が語った。「不法コピーを作る光学式ディスクダビング工場が外国から移ってきている徴候をつかんでいる。著作権管理と違反者への法執行が自国で厳しくなり、仕事がやりにくくなったかれらはインドネシアへ移転してきており、その数は50を超えている。インドネシアは海賊版製作の監視や取締りが弱いとかれらは見ているようだ。しかしCD・VCD・DVDの海賊版を作ったという証拠が手に入っていないため、当面はかれらを泳がさざるをえない。違法行為が行われれば、当局は即座に措置を取る。光学式ディスクに関する政令と大臣令も4月半ばに施行がはじまっているから。」との同総局長の談。
政府は昨年末に2004年度政令第29号を制定してオプティカルディスクの製造設備、製造プロセスなどの管理を定めた。これはブランクディスクと記録済みディスクの両方をカバーしている。


「タングランで贋札製造者が捕まる」(2005年5月2日)
タングラン警察ティガラクサ署は4月27日、贋札を作って流通させていた三人を逮捕し、2億5千万ルピア相当の贋造紙幣を押収した。金種は5万ルピアだけだが、贋札はかなり精巧に作られており、相当数の紙幣がバンテン州内に既にばらまかれているのではないかと警察は見ている。
警察がその贋札の存在を知ったのはスルポン在住市民からの届出が発端で、その婦人は買物の際に自分の持っている紙幣が贋札であることを知り、すぐ警察に届け出た。警察はただちに捜査活動を開始し、チクパ郡にあるワルテルで取引中の贋札団のひとりを27日に逮捕した。そして一味の贋札流通係であるその男の供述からティガラクサ署はすぐに贋札製造所の手入れに出動して、容疑者ふたりを検挙し、さまざまな証拠物品を押収した。容疑者のひとりは主犯格と見られるコンピュータ専門家で、一味はかれの借家でより精巧な贋札製造の研究とその製造を行っていた。 警察が押収したのは既にカット済みの5万ルピア札3千5百万ルピア相当と未カット紙幣1,460枚。またプリンターをはじめとするコンピュータ1セット、スクリーン印刷機、ホログラム紙、化学薬品類、赤外線ランプなど。赤外線ランプは自分たちの作った贋札が赤外線チェックを通るかどうかを調べるためのもので、一味は完璧な贋札を作ろうとして熱心に研究と実験を繰り返していた。かれらの製品は、形、紙厚、ホログラムなどについてはほぼ完璧な仕上がりで、紙幣番号が全部同じであること、ホログラムが本物より小さめであること、紙はリサイクル紙を使っていることなどに違いが見られる。かれらが既に作ったのは2億5千万ルピア分で、そのうち1千5百万ルピア分を流通させた、と容疑者は供述している。通常贋札製造者は贋札流通者にその額面金額の半額で売却する。5百万ルピア相当の贋札で一味は250万ルピアを手に入れるということだ。贋札流通者は言うまでもなく、贋札があればそれを買い上げて流通させる活動を普段から行っている。
主犯の供述では、半年ほど前に贋札製造ビジネスを思いつき、研究と実験を重ねながら3ヶ月前くらいから製品を作り始め、市場に卸し始めたのはここ1ヶ月とのことで、ホログラムはまずスクリーン印刷を行ってからコンピュータでプロセスし、そのあとプリントしたとのこと。しかし贋札製造のプロセスについてどこから知識を手に入れたのかについては口を閉ざしている。


「スラバヤで脱税事件」(2005年5月4日)
また偽造タックスインボイスを使った脱税行為が今度はスラバヤで摘発された。この事件はスラバヤ第2税務調査事務所が3月に発見した偽造タックスインボイスの調査を進めているうちに明らかになってきたもので、その引き金となったスラバヤ在住の事業家W45歳の犯した違法行為よりもはるかに大きな脱税を別の4人が犯していることが判明した。国税総局はスラバヤ市警察と共同でその4人を逮捕し、警察ではその4人を拘留して取調べを進めている。この4人はMSP(印華人男性事業家40歳)、JE(税務コンサルタント45歳)、DN(スラバヤ在住事業家)、HW(モジョクルト在住男性事業家45歳)で、かれらは偽造タックスインボイスを作成して14軒の相手に渡し、総額38億ルピア弱の金額を脱税していた。国税総局は偽造タックスインボイスが広い地域に出されており、複数の税務調査事務所の管轄区に至っているため、今後新たに発見されるものが出る可能性もあるとしている。
プルン、スラバヤ第2税務調査事務所長によれば、今回の事件調査にあたっては、国税総局本部と連絡を取り合って諜報活動を主体に調べを進めた、とのこと。ハディ・プルノモ国税総局長は今回の事件に関して、「脱税額の大小で物事を見るのでなく、総局の法規遵守の厳格なる遂行という姿勢を評価していただきたい。納税者がごまかそうとしたり、公正でない書類を使ったりすれば、遅かれ早かれそれは白日のもとにさらされることになる。」とコメントした。タックスインボイス偽造による脱税行為が昔から行われ、そしていつまでも後を絶たないのは、犯罪者に対する刑罰が軽すぎるからだと総局は見ている。法規では最高20年の入獄とされているが実際には、タングランの例だと5ヶ月の入獄刑、バンドンの例では犯人側が上告して無罪となっている。


「不正コンピュータソフト使用の通報は130件」(2005年5月6日)
去る3月22日からビジネスソフトウエアアライアンス(BSA)が開始した不法ソフト使用タレコミキャンペーンは効果を見せている。これは事業所がソフトウエアの不正使用を行っていることが疑われるケースを通報した個人に最高5千万ルピアの報奨金を与えるというもので、通報者はBSAが発表した着信者払い電話番号へ電話するか、指定のEメール先にメッセージを送付すればよい。通報者の身元守秘はBSAが保証するとのこと。このキャンペーンはシンガポールとマレーシアでも行われている。
BSAの公表によれば、既に130件の通報があり、通報者の多くは事業所と直接的な関係を持っていることから、通報は概して信憑性が高い、とBSA側はコメントしている。通報された企業は民族系もマルチナショナルも混在し、さらに名前の売れた大手企業がそこに混じっているため、BSA側は驚いているとのこと。違法ソフト使用という定義の中には、不正ライセンス使用あるいはライセンスがあっても規定以上の端末に使用するといったことも含まれている。
一方ワルネット業界の死活問題にまで発展した不法ソフト使用撲滅キャンペーンでは、行政側の編成した著作権確立検問班が中小企業を含めた事業所へのチェックの際にワルネットもそのターゲットに含めるケースが多く、ほとんどのワルネットが高価な本物ソフトウエアを使っていないため、検問班役人の搾取刈り取りの場と化しているのが実態だ、とインドネシアワルネット協会のジュディツ・ルビス最高幹部会議長が明らかにした。ワルネットオーナーは検問に直面して、すべてのコンピュータを押収されて翌日から店を開けなくなるよりは、と5百万から5千万ルピアの現金を検問班に渡しているとのこと。2千5百会員を全国に擁する同協会が会員から受け取るその種の報告は増加傾向にある。同協会にとっては、アンビバレンツな状況下にこの問題に火をつけるのは決して得策ではないと見ており、早急に法人を設立して対応を取ろうとしている。この問題の解決策はマイクロソフト社との間で特別にワルネットを対象にしたエンドユーザーライセンス契約が用意されており、ワルネット業界の現状を一刻も早く合法状態にしていくことでの解決が期待されている。


「アスパルクレジットカード事件」(2005年5月7日)
南ジャカルタ市にあるチランダッタウンスクエア通称チトスでアスパルクレジットカード使用未遂事件があった。6日夕方、チトスのマタハリスーパーマーケットで粉ミルク12缶、2キロの洗剤2袋、防虫剤、食用油その他さまざまな生活用品総額172万ルピアを買い物し、クレジットカードで支払いをしようとした男が、キャッシャーに疑われたためにそこから逃げようとして警備員におさえられ、警察に引き渡された。
首都警察チプトノ広報部長の発表によると、その男ラフマッWは、トニ−と名乗る男からマンディリ銀行ビザカードと偽造KTPを150万ルピアで買ったとのこと。西ジャカルタ市にあるディスコ、ラジャマスで取引が行われ、いずれも名前がラフマッWで署名欄がブランクのクレジットカードとKTPを渡され、その場でサインした由。アスパル(aspal)というのはasli tapi palsuの略語で、素材はすべて本物が使われているが発行者の台帳には記録されず、当然ながらその発行で得た金は発行機関に納められず、その悪徳職員のポケットに入るというもの。
ラフマッは二人の仲間とトライアルのためにチトスへ来て、仲間二人がタクシーで待っている間に犯行をこころみた。レジでキャッシャーがそのカードでの支払い処理をしようとしたところ、マンディリ銀行に該当番号がないという結果がでたのでキャッシャーが疑い、ラフマッはばれたと思って逃走をはかり、駐車場まで逃げたが捕まったというストーリー。仲間の二人はタクシーでそのまま逃走している。 類似のものとしては、先に都内の電気店で家電品の購入をしようとして犯人が捕まった事件があり、警察ではクレジットカード発行機関内部者を巻き込んだ大掛かりな犯罪が進行していると見て捜査を続けている。


「インドネシア作曲家のロイヤルティ収入は微々たるもの」(2005年5月10日)
インドネシア作曲家が年間に得るロイヤルティはきわめて小額でしかない、とインドネシアの著作権協会にあたるカルヤチプタインドネシア(KCI)のダフリ部長が明らかにした。KCIに著作権使用料徴収委託をしているインドネシア作曲家2,250人の中で、年間数百万ルピアレベルのロイヤルティを得ているのは10%しかおらず、80%の人は年間に17万5千ルピア程度しか得ていないと同部長は言う。トップレベルで5千万ルピア程度だそうだ。KCIは外国の作曲家およそ2百万人のインドネシアにおけるロイヤルティ徴収活動も行っており、その活動に関連して世界110カ国にある著作権集合マネージメント団体180のうち34団体と相互アグリーメントを結んでいる。著作権徴収委託でKCIが得るコミッションは、徴収金額の最高30%までとのこと。インドネシアではまだまだ著作権保護の理解と認識が薄く、誰かの作品をコンサートで使用しても、興行者からロイヤルティを徴収するのはたいへん困難な状況が続いている。2004年にKCIが集めたロイヤルティ総額は125億ルピア(135万米ドル相当)で、隣国のシンガポールは650万ドル、マレーシアは500万ドルと数倍も違っている。著作権使用料を納めているのはレストラン、パブ、ディスコ、ホテル、空港、そしてテレビ局だそうだ。


「コンパス紙への投書から」(2005年5月13日)
拝啓、編集部殿。わたしは2004年11月14日、バリューエアーで友人たちとシンガポールへ行きました。バリューエアーはコンピュータプリントのチケットを使い、独自のチケットを発行しません。それに書かれた出発時間より早目に空港へ行ったら、なんと通知もなしに出発時間が一時間早められているではありませんか。
シンガポールから11月20日にVF0202便で戻るとき、チャンギ空港でゆっくりしようと考えて、暗いうちに早目にホテルをチェックアウトしました。チェックインカウンターに着くと係員が、出発時間が一時間早まったと言うではありませんか。これも事前の通知はありません。わたしたちはあたふたと荷物を預けることになり、係員はバゲージタグをチケットに貼付してくれました。そこには乗客名、フライト日、フライトナンバー、そしてBAG 07/0087というコードが記されています。最初はそのコードが何を意味しているのかわかりませんでした。
スカルノハッタ空港に着いたら、7個預けた荷物がひとつ足りません。わたしたちはすぐに空港のPT Jasa Angkasa Semesta(JAS)に届け出ました。そのあと、別の係員が来て6個の荷物を確認すると重さを量りはじめたのです。6個の荷物の合計は86キログラムになり、その数字がクレームフォームに記入されました。最初の係員には、なくなった荷物がトラベルバッグであり、中に入っていたのは衣類やシンガポールで買ったさまざまな品物であることは説明しました。その係員の求めに応じて、わたしはクレームレポートにサインしました。それはバリューエアーに対するクレーム補償の根拠となるものだそうです。
そしてわたしたちは、シンガポールとジャカルタの間で交わされたクレーム処理に大きな失望をふたたび味わうことになりました。結局、わたしは2005年2月7日、バリューエアーの事務所にクレームの賠償として20米ドルを受け取るために出向いたのです。規定によると損害の賠償は1キログラムにつき20米ドルであり、わたしたちが失ったバッグの重さは1キロだったというのです。バリューエアーはJASが提出したクレームから、6個の荷物の重量は86キロだと主張しました。そして荷物7個の合計は87キロだから、なくなった1個の重さは1キロだと計算するのです。クレームタグに書かれたBAG 07/0087というのはそういう意味だったのです。しかし衣類や買い物がいっぱい詰まったバッグが1キロですって?空っぽの状態でも1キロ以上の重さがあるはずです。わたしはそんな決着が納得できず、バリューエアーの職員に抗議しましたが、バリューエアー側はすべての資料がそう示しているとして、聞き入れてくれませんでした。
わたしたちはバリューエアーにも、JASにもたいへん失望しています。特に空港当局側としてのJASが、乗客が荷物を持ってターミナルから出るときに、それが本人のものかどうかの確認さえしないのですから。
[ ジャカルタ在住者、ナタリスB ]


「プラスチック10万紙幣贋造犯人は贋札撲滅機関職員」(2005年5月20日)
イ_ア造幣公社でさえ製造能力を持たない額面10万ルピアのプラスチック紙幣贋造犯に対する公判が中央ジャカルタ国家法廷で開始された。被告7人のうちの5人は国家諜報庁贋造紙幣撲滅統括庁の元職員。
かれらは、国内で造ることができないためにオーストラリアで作られていた10万ルピアプラスチック紙幣の贋物を作って国内に流通させた罪に問われている。証拠品として警察が押収した、まだ流通される前だった2,267枚の紙幣と、タバコのチュカイ納税証紙2束も法廷に提出されている。贋造紙幣撲滅統括庁の元職員5人は、当時の同庁常勤職務長だったジヤエリ准将以下四人の部下から成っている。


「コンパス紙への投書から」(2005年5月30日)
拝啓、編集部殿。わたしどもは妻の名義でリッポユニオル保険に、AIGリッポ保険代理店経由で加入しました。毎月の掛け金は口座からの自動引き落としです。ところが三月目に入って、一月12万ルピアが余分に引き落とされたではありませんか。当該代理店に問い合わせたところ、それはメディセーブ医療保険の掛け金だと言うのです。わたしどもは既に別の医療保険に入っており、またメディセーブに加入申し込みをした覚えもないので、それはできない、とその代理店に言いましたが、代理店側の説明は「12回掛け金を納めれば全額払い戻しできて、すべて戻ってくるから」と言われ、他愛なくそれを信じてしまいました。
12回掛け金を納めたあと、メディセーブ保険の解約と返金を求めるため、わたしどもはソロのAIGリッポ支店に出かけました。驚いたことに、カスタマーサービスの女性は「返金は不可能で、解約すれば全額焦げ付く」と説明するのです。わたしどもはその申し込みをしたことがない、と言い張り、申込書を見せるよう要求しました。書類を調べたところ、そこにはなんと、妻のサインが偽造されているのです。妻はそれが自分のものでないことを主張し、リッポユニオル保険のサインと突き比べて、明らかに同一人のサインでないことを示しましたが、そのカスタマーサービスの女性は、メディセーブ保険の申し込みは正式のものであり、妻がサインしたことを忘れているのだと逆に非難するのです。
AIGリッポのそんな劣悪なサービスのありさまに、わたしどもはつくづく嫌気がさしてリッポユニオル保険も解約してしまいましたが、メディセーブで引き落とされたわたしの金はどうなるのでしょうか?AIGリッポは自分だけが正しく、自分だけが常に勝つという姿勢です。わたしどもは同社の仕事のやり方に本当に無念をかみしめています。[ スラゲン在住者、トリヨノ・アグン ]


「行政が使っているパソコンソフトの9割が海賊版」(2005年6月23日)
今年130万台になると見られているパソコン市場の6割を占める需要を持っている行政機関で使われているソフトウエアの90%が海賊版だ、と技術適用調査庁電子情報技術適用調査センター長官が語った。情報通信省のデータでは5万台しかないことになっている政府機関のパソコンは、インドネシアコンピュータ業者協会によれば今年の総需要で60%のシェアを占めるだろうと見込まれている。ビジネスソフトウエアアライアンスの調査は、インドネシアの不法コピーソフトが昨年10億ドル近い損失を生んでおり、アジアパシフィック地域の被害総額75億ドルの13%を占めていると報告している。
この6月半ばに、政府情報通信省はマイクロソフト社と組んで中央地方行政機関に対する実態調査を始めており、4ヵ月後には全貌が判明するものと期待されている。政府機関の9割が海賊版ソフトを使っていると言われている実態が示すように、インドネシアはいまソフトウエア著作権合法執行の正念場に立たされている。公的職務内で行われている不法行為をなくすための方策は不可欠であり、そのために技術適用調査庁は四つのオープンソースアプリケーションを用意した。Komura, Kantaya, Kasipena, Kutahuというソフトがそれで、それぞれの内容は下の通り。
KomuraとはKomputer Murahの意味で、リナックスWinBIとハードディスクを持たない複数の廉価ターミナルで構成するネットワークシステムを意味し、データ処理、作表、プレゼンからインターネットエクスプローリングまでのソフトを持っている。
Kantayaは行政や中小企業向け管理ソフトで、スケジュール管理、アドレス帳、ファシリティオーダー、プロジェクト管理、URLリンク、Eメールなどがカバーされている。
KutahuとKasipenaは教育セグメントで活用されるものであり、試験のデータベースや教育情報データベースが備えられている。


「コンパス紙への投書から」(2005年6月28日)
拝啓、編集部殿。2005年3月28日、わたしの自動車はオフィスの表でロックを破られました。保険証券に記載されているテレビとサウンドシステムが無くなっていました。それでわたしは必要とされるすべての書類をそろえてPT Asuransi Sinar Masに保険クレームを提出しました。「サーベイを行うから書類は置いていってくれ」と保険会社が言うので、その通りにし、三日以内にサーベイの連絡をするということでその日は帰りましたが、その期限を過ぎても何の音沙汰もありません。
4月21日、損害額が大きいので十日間の二次サーベイを行っているといった内容が記されているファックスをわたしは保険会社から受け取りました。こんな様子なら、自動車が盗まれたらサーベイだけで一年を要するでしょう。わたしはもう何回か保険会社にコンタクトを取りましたが、先方はいつも先延ばししようとします。同社の経営者宛てに手紙を出してみましたが、やはり結果はなしのつぶてでした。 被害にあった2004年製の車は窓ガラスがないまま道端に放置されたままで、中の電線はぐしゃぐしゃになっており、何度も雨に濡れたためにあちこちショートしており、突然ライトが点灯したり、クラクションが鳴ったり、パネルのライトがついたり消えたりしています。保険に入ろうと考えている人は、その保険会社には注意したほうが良いでしょう。[ 西ジャカルタ市グリーンガーデン在住、スヘロ ]


「偽造」(2005年6月30日)
貨幣の偽造ほど悪いことではないだろう、という感覚なのだろう。世の中で作られ,販売されている商品を真似た偽造品はあとからあとから出現する。家電品、飲食品、医薬品、化粧品、・・・。ありとあらゆる物が偽造される。もっとも簡単なのは有名ブランド商品のブランド名やロゴをつけるというもので、こうやればほっといても客が買いに来る。中身は品質保証も何も必要なく、安物原材料で済ませればいいから、単位当たり利益は膨大なものになる。だから大安売りをしてもまだ儲かるという寸法。
家電品メーカーPTフィリップスは知的財産部が偽造品対応を行っている。市場のモニターとディーラー教育が対応の柱だ。2002年から2004年まで、ほとんどすべてのフィリップス製品に偽造品があったが、2005年は大変クリーンだ、と同部門長はコメントしている。偽造品は特に蛍光ランプがもっともひどかったとのこと。
容器詰飲料水の世界では、容器にブランドシールが貼付され、あるいはプリントされているため、問題はビンの口にニセモノ蓋とシールをすれば悪事完了という簡便さがある。日々3千2百万本のビン・カップが売れ、75万本のガロンビンが動いている巨大市場だから、定評あるブランドのニセモノを店に並べておけば飛ぶように売れる。業界者はニセモノ製造マフィアが存在する、と言う。中身詰め替えビジネスがあって、そこにニセモノが詰め替えられる機会が生じる。空き瓶を集めて詰め替え業者に渡し、安い水を詰めて再販するケースや、詰め替え業者自身が空き瓶を集めてニセモノを作り、小売ルートに流すものもある。
インドネシアでは貨幣と知的財産権関連以外の偽造品は基本的に親告罪となっており、被害者が偽造者を告訴しなければ公的法執行が行われることはない。関係者が互いの利益を求めて争う民事問題との考え方が強いので、社会正義や公観念の希薄な社会では偽造が大手をふってまかり通る。CDなどの記録媒体不法コピーから自動車部品にいたるまで、インドネシアほど偽造の行いやすい国はない、と各偽造者は言っているらしい。なにしろ近隣諸国の不法VCDコピー生産者が、年々強まる自国内での捜査にネをあげて工場をインドネシアに移転してくるぐらいだから。


「病院の名を騙る新手の詐欺」(2005年7月8日)
平和な暮らしを営んでいる週日の昼日中に、突然電話のベルが鳴る。おとうさんは勤めに、子供たちも勤めや学校に、と一家の大部分が出払っているそんなときに、電話の向こう側から切迫した声が聞こえてくる。
「こちらはチプトマグンクスモ病院緊急処置施設ですが、おたくのxxxさんが事故にあって、大至急処置を受けなければなりませんので、X千万ルピアを今すぐにxx銀行の口座番号xxxxxに振り込んでください。」
留守を守っていた家族は動転する。さあ早く送金しなきゃあ。だれかが銀行へ走る。送金は終わった。さあうちのxxxの具合はどうだろうか?とりあえず病院に電話して様子を聞き、送金したことを伝えて処置をしてもらおう・・・・・・
最近ほとんど毎日、家族の様子を調べに問い合わせが入ったり、人が来たりしていますが、当方にその尋ね人は影も形もない、というケースが発生しています、とチプトマグンクスモ病院広報担当は語る。中には、相手の言いなりになって金を振り込んでしまった人も少なくない、とのこと。もしそんな電話が入れば、チプトマグンクスモ病院緊急処置施設の電話番号は021-3918301 Ext 6112なので、まず確認をしてみてください、と病院側は都民にアドバイスしている。


「著作権侵害」(2005年7月14日)
3万タイトルにのぼる世界各国のヒット曲BGMが収められた韓国製マルチDVDプレーヤーが1台3百万ルピアで販売されている。その中には1945年から2005年までの間に創作されたインドネシア曲も多数含まれている。そしてインドネシアにその著作権使用料が支払われている様子がない。
それを知った自主団体「インドネシアアーチスト闘争の声」が罠をしかけた。同団体の会長と事務局長が、インドネシアで製造販売を行なっているPT Daihan D&Mに製品購入の話を持ちかけたのだ。カラオケビジネスを始める予定であり、ダイハン社の扱っているミディスーパーカラオケを106台購入したいから、それのプレゼンをしてくれ、と都内トゥベッダラム1通りの家にPTダイハン社の責任者を呼んだ。インドネシア曲を逐一試奏させるが、テレビ画面に作曲者名はまったく現れてこない。演奏は韓国の楽団が使われている。話では、既に1万8千台が韓国、台湾、アメリカ、日本で販売されており、インドネシアでも2千台が売れているとのこと。在庫はあと1千台あり、ジャカルタ、スラバヤ、スマラン、バタムには代理店がある。一渡り情報を仕入れた団体側は、ダイハン社の責任者チャ・ジョンクッをつるしあげにかかった。そして、法的措置を受けたいか、それとも著作権侵害の被害を受けた各曲の作曲者に1億ルピアの示談金を払うか、と迫ったのである。チャは、示談で決着をつけよう、と返事し、そうして韓国大使館に連絡した。しばらくして、大使館員がトゥベッ警察署員を同行して現場に現れ、全員が首都警察本部に向かった。
団体側は事情をすべて明らかにし、警察の取り調べ調書作成に応じたが、その間にチャはどうやら警察が釈放したらしい。団体側は首都警察本部でチャに、警察を介入させずに示談で決着をつけようと話を出したが、今度はチャが拒否したとのこと。調書作成が終わって、チャはどこにいるかと尋ねたが、警察側は誰もが知らないと答えており、拘留されている形跡はない。犯人を自分の手で捕らえてもこのザマだ、と同団体は苦りきっている。


「政界著名人の名前はこう利用する」(2005年7月14日)
あの手この手の詐欺は絶え間がない。国会上部の議員の名前まで好きなように騙られており、知らぬは本人ばかりなり。しばらく前には大使候補者から金を搾取するために国会第1委員会副議長エフェンディ・ホイリの名前が騙られた。大使になるには大統領が指名し、国会がそれを承認しなければならない仕組みになっているので、国会でその審査に関わっている者から「認めてほしければ金を・・・・」と言われれば、拒否しづらいことは間違いない。
今回発覚したのは金の搾取ではないが、国会第1委員会議長テオ・サンブアガの名前が騙られた。パスポート番号A271717保有者アパンディ・ウィルヤと同番号A271716保有者デディ・スワルマンが在ジャカルタカナダ大使館に出したビザ申請にテオ・サンブアガの保証書が添えられていたという事件。テオのレターヘッドが使われ、内容はあたかもその二人が国会議員であって、カナダ大使館からかれらへのビザ発給に障害がないよう要請する文面になっている。カナダ大使館からテオに対して、その手紙を確認する連絡が来たためにその虚偽が発覚した。そのふたりは果たして、パスポートを取りにカナダ大使館に現れるだろうか?


「インドネシアはパラダイス」(2005年7月26日)
不法コピーや偽造品があまねく行き渡り、小売市場でオリジナルや真正品と丁丁発止の激戦が展開されているインドネシア。ここ数年、外圧のおかげで知的財産権保護のための不法コピー取締りが盛んになってきているが、政府機関で使われているコンピュータソフトの90%が不法コピーだという話や、Warnetと呼ばれるインターネットレンタルショップが当局の取り調べターゲットにされ、低コストの不法コピーを使うのがビジネス常識になっているレンタルショップに入れ替わり立ち代りやってくる官憲職員は「不法コピー使用コンピュータをすべて没収する」という脅し文句に目配せを混ぜて分厚い封筒をお土産に持ち帰っているという話など、いったいどこまでが本筋なのかと人を戸惑わせている。ビジネスソフトウエアアライアンスは企業従業員に対し、自分の会社で不法コピーソフトが使われていればタレこめ、と5千万ルピアの懸賞金つきキャンペーンを行い、大企業を含めてそうとうなタレ込み情報が集まったという。社員の会社忠誠心に関する実態を垣間見せてくれる話でもある。
偽造品の世界でも、プリンターインクの偽造品をHP、キャノン、エプソンが協働して製造者を洗い出し、法廷に引き出して損害賠償と新聞への謝罪広告を打たせた。アストラダイハツ社も偽造部品製造者を捕まえて損害賠償と偽造品の破棄を行わせている。しかしそれらはほんの一角。グロドッをはじめ都内のCD・VCD販売センターで不法コピーの手入れが行なわれ、数万枚のCD・VCDが没収されて燃やされたりしているが、まだまだ大量の不法コピー品、ブランド偽造品が国内を横行しており、違反者が懲りて「もう止めよう」と思うような状況になるのは夢のまた夢。
法令や監督機構は屋の上に屋を重ねるほど作られているのに、汚職で世界のトップ級、知的財産権侵害でも世界のトップ級、そして麻薬製造も規模が膨らんで輸出国へ転換したというインドネシアは、犯罪者のパラダイスか?!


「続インドネシアはパラダイス」(2005年7月27日)
「都内のモールやプラザでオリジナルDVDを買えば10万ルピアは下らないが、グロドッへ行ってごらん、3枚買って1万ルピアだ。これが海賊版の真髄だよ。インドネシアであればこそだ。」ある海賊版ファンはそう語る。
グロドッ陸橋に近いその店は、ありとあらゆる映画の海賊版VCD,DVDであふれかえっている。「一種類で百枚以上買えば、ひとつ3千ルピアにするよ。不良品は交換保証付きだよ。」店番の中年女性が売りモーションをかけてくる。近くには警察署があるというのに、このエリアからガジャマダ通りやハヤムウルッ通り道路沿い、反対側はパンチョラン市場一帯にかけて、不法コピーディスクの大氾濫。
ハルコビルの三階にある店は小売がメインだが、卸もする。地方部からここへ買い付けに人がくる。カリマンタンからもインドネシア東部地方からも。ファックスでの注文も受け付けるそうだ。送料は買い手負担。百枚以上買えば一枚3千ルピア、数十枚だと一枚4千、数枚であれば一枚5千ルピア以下には下がらない。一枚入れケースも売られていて、10枚で1万ルピア。
このエリアの店は午前8時開店で、18時に閉まる。その後も道路脇やパサル通路脇に棚を置いている商人はまだ商売を続ける。夜がふけてくるとポルノもちらほらと棚の上に乗る。そんな商人たちは店よりも少し割高の値付けをする。それでも1枚8千ルピア。10枚以上まとめ買いをすれば、タワルムナワルで一枚6千ルピア程度まで落とすこともできる。
ジャカルタは広い。ハルコをはじめグロドッ界隈のいくつかのビルがそのメッカだとすれば、都内のいくつかの場所にも二次センターができている。プラザスナヤンに近いあるプラザ、ITCアンバサドル近くのあるモールなども品揃えはたっぷりだ。
ガジャマダ通りにある国立文書館寄りの道路脇で棚を広げて不法コピーDVD販売をしている商人の話によると、ここ一ヶ月間、警察の取締りが急に厳しくなったそうだ。エリアを管轄する警察とは何の問題もなくうまくやっていたのに、突然警察機動旅団本部が6月始めに装甲車まで持ち出してグロドッ一帯の知的財産権侵害ディスク一斉検挙を行ない、百人ほどの商人を逮捕した。結局不法ディスク流通元締めたちが、捕まった商人たちをひとり3百万ルピアでうけだした、という。こうして大山鳴動し、権力者が違法行為者を捕まえたが、そのあとたいまいの金が動いただけですべてがまた元の状態に戻った。海賊版ファンにとって、インドネシアは依然としてパラダイスだ。


「インドネシアは非パラダイス」(2005年7月28日)
インドネシアで音楽著作権を管掌しているのはカルヤチプタインドネシア財団(KCI)。公共の場で商業目的に楽曲が使われると、ロイヤルティ支払い義務が生じる。2004年、KCIは110億ルピアのロイヤルティを集めた。その7割は全国に散在する2,240人の登録者へのもの。残りは外国ミュージシャンへのもの。売れっ子作曲家の何人かは、ひとりで5千万ルピア台のロイヤルティを得た。しかし隣国シンガポールのCompassやマレーシアのMACPがあげている実績に比べると数分の一。コンパスの2004年実績はルピアになおして650億、MACPだと500億。
1990年に設立され、1991年から活動を開始したKCIは登録国内ミュージシャン2,240人、外国ミュージシャン2百万人のために、カラオケ、ステージ、テレビ、ラジオなどで使用された楽曲に対するロイヤルティ徴収を行なっている。2002年には60億ルピア、2003年は80億ルピアと年々その実績は向上している。KCIの啓蒙努力のおかげで、首都ジャカルタ、スラバヤ、バンドンでのロイヤルティ支払いは急上昇しているが、それでもロイヤルティを納めようとしない楽曲商業用途使用者はその数倍にのぼるだろうし、ましてやその三都市以外ではいったいどれだけの事業者が支払い義務を怠っていることか?
隣国と比べてインドネシアの音楽著作権料徴収が非常に小さいのは、そんな利用者の遵法意識のせいだ、と関係者は指摘する。権力を持つ側が「法規を遂行せよ」と本人に迫ってくるまでは、しても得にならないことはしない、というのがかれらの精神構造であり、そこに流れている社会通念なのである。1993年のアジアバグースで、インドネシアのクリスダヤンティが優勝し、マレーシアのシティ・ヌルハリザは5位だった。あれから10年以上過ぎて、KDはインドネシアのトップシンガーの座に就いてはいるものの、域内音楽シーンで見ればシティの方が輝いて見える。シティのギャラがKDの10倍以上だという事実からもそれは窺える。
アルバムを出しても片っ端から無断コピーされ、海賊版の方が大量に売れる市場は、アーティストの録音出版活動に対して真綿で首絞めという環境にちがいない。アーティストたちにとってインドネシアはパラダイスから程遠い環境なのだ。


「コンパス紙への投書から」(2005年7月29日)
拝啓、編集部殿。2005年6月7日、わたしは西ジャカルタ市クドヤプルマイのBCA銀行ATMで金を引き出しました。ところが、そこで引き出した現金の中に贋札が一枚混じっていました。5万ルピア札です。それですぐに同銀行クドヤプルマイ店にクレームをし、銀行側の要請に応じてクレームフォームに書き込みました。銀行側は遅くとも二週間以内に解決すると言ってくれました。
6月27日、わたしはクドヤプルマイ店を再び訪れてクレームの件を尋ねました。ところが同店は明確な返事ができません。わたしの出したクレーム番号ID2242は6月23日に回答されているはずだ、と言うだけで、ハローBCAが出した回答の中味はわからない、とのことでした。
7月3日、わたしが示した贋札はBCAのATMから出たものではない、と表明する手紙がBCAからわたしに届きました。その理由として、ATMに納められる紙幣はすべて検査されたものだから、と言うのです。わたしはもう、BCAのATMから大量の現金を引き出すことがこわくてできません。顧客に損をかけないようにアテンションしていただけるよう、わたしはBCA銀行経営者に要求します。[ ボゴール在住、ウイリアム・アンワル ]


「運転免許証手続きにISO9001」(2005年7月30日)
2003年度行政機構効用改善担当国務相令第63/Kep/M/Pan/7/2003号で、公共サービスに関する6つの規準条件が定められている。サービス手続き、サービス開始時に合意した完了期限、サービス費用とその明細の確定、定められた規定に応じたサービスプロダクト、適正な施設設備の完備、職員のサービス能力、がそれだ。首都警察は運転免許証に関する手続きにそれらの要素を盛り込ませてISO9001の認定を受ける計画を立てた。この準備は7月から既に始められており、コンサルタント会社と相談しながら今年11月にその認定のための検証を受ける日程が既に立てられている。
タングラン市ダアンモゴッ通りにある首都警察運転免許証サービスユニット(Satpas SIM)では、もう一年がかりでさまざまな改善が行なわれてきた。ワンゲートシステム、総合コンピュータ化、先入先出原則などが実施された結果、チャロの入り込む余地がなくなってかれらは姿を消したとのこと。免許証新規取得はレベルがコンピュータ化されており、実地試験も点数が合否の重要な要素になっている。1992年の道路交通法第14号法令によれば、運転能力のない者に免許証が発行された場合、発行者が違反に問われることになるので、警察は「免許証を持っているのに運転できない者は免許証を取り消すので、そのような者がいたら警察に通報してほしい。」と要請している。同サービスユニットのテディ・ミナハサ課長は、「統制の取れた業務への障害となっているのは、規律に欠ける職員の振る舞い、近道志向の市民の早抜け精神、そして『XXXの世話をよろしく』というメモを持たせる高位者たちの習慣だ。」と語る。2004年には32人の職員が職務規定違反で措置を受けた。ISO9001による管理運用で業務の統制がさらに向上することを同課長は期待している。


「携帯電話ブラックマーケット」(2005年8月1日)
7月20日、携帯電話を運搬中のボックストラックが警察の検問を受けた。運搬貨物に関する必要書類が何も提示できないために、警察は運転手を拘留して取り調べ、トラックと積荷も警察に押収された。その取り調べから得られた情報によると、積荷は西ジャカルタ市ジュンバタン?のある民家から出荷されたもので、送り先は東カリマンタン州タラカンとなっている。警察はさっそくその民家をターゲットにして捜査を開始した。そして重要関係者と思しき男ひとりを拘留して取り調べたところ、その民家は携帯電話組立て作業場として使われており、捕まった男はその組立て作業を管理するコーディネータであることが明らかになった。そこで組み立てられた携帯電話はITCロキシーマスの販売店に卸されているとのこと。捜査の網は携帯電話卸商のひとりに伸びた。更に材料部品のシンガポールから国内への密輸をアレンジしている男にも捜査の手が伸びた。材料部品はシンガポールからリアウ諸島に送られ、漁船がタンジュンピナン港で国内に持ち込む。その後は国内旅客航路を走る国有客船会社ぺルニの客船を使ってタンジュンプリウッ港までやってくる、という仕掛け。警察は3人を逮捕し、その民家から173台のノキアブランド携帯電話完成品および部品を押収した。その中にはノキア3220、3230、6600などのモデルが含まれている。


「また贋札事件」(2005年8月3日)
中部ジャワ州警察バニュマス警察署犯罪捜査チームは1日、バンジャルヌガラ県シガル郡プリギ村の民家を急襲し、そこで製造されていた贋札3億1千4百万ルピア相当を押収した。最近贋札の流通量が急増しているというイ_ア銀行プルウォクルト支店からの報告に従って捜査を進めていたバニュマス警察署は、流通者の線からルートをたどり、贋札製造所を発見するとともに関係者4人を逮捕した。押収されたのは10万ルピア紙幣3億ルピア相当、5万ルピア紙幣が1千4百万ルピア相当、そして製造に使用されていた印刷機、フィルム、紙、薬品等。主犯格のブディ30歳は、その製造技術を知り合いから教わったと供述している。贋札しようとする紙幣はまずコンピュータでセットし、それをもとにフィルムに焼くが、その作業は知り合いの印刷業者に頼んでいたとのこと。
この贋札製造者はルピア紙幣だけでなくブラジル紙幣の贋札も作っており、4〜5百枚を束にしたものが関係者の家から7パックも見つかっている。印刷クオリティはお粗末だが、ブラジル紙幣などは一見かなり本物に見える、とイ_ア銀行職員はコメントしている。
この一味は贋札を額面の半額で売り捌いており、たとえば本物の金1百万ルピアを持ってくれば、贋札2百万ルピア相当が手に入った。贋札はすでに3億ルピア相当以上が売却済みであり、警察は贋札を購入した数人の足取りを追っている。


「コンパス紙への投書から」(2005年8月3日)
拝啓、編集部殿。2005年7月8日朝、わたしはカリフォルニアにいる息子にすぐに1千ドルを送ってくれるよう頼みました。息子はすぐにマネーグラム経由で送金してくれました。息子が言うには、送金してから10分後には、国内どこのリッポ銀行でもその金が受け取れるとのことです。
マネーグラムの送金番号を受け取ったわたしは、すぐに南ジャカルタ市ポンドッキンダのリッポ銀行を訪れました。到着したのは12時ごろです。申請の手続きが終わると、銀行職員は口座を開いたらどうかと奨めました。わたしは最初ドル現金を要求しましたが、出してくれませんし、自分も老齢者ですので、その方が安全だろうと思い、賛成しました。その口座にルピアを入れるにあたって、その日の米ドル買いレートは9,750ルピアだと言われましたが、わたしに異論はありません。ところがいざ通帳をもらってみると、入金されたのは9,625,420ルピアしかないのです。これでは交換レートが1ドル9,625ルピアだったということになります。その日のセンターレートは9,805ルピアだったというのに。
銀行側と押し問答したあげく、かれらは交換レートはマネーグラム側が決定権を持っていると説明しました。しかしマネーグラム側はこの送金からフィーを徴収しているではありませんか。もし外国側が一方的に交換レートを決めてよいのなら、イ_ア銀行の外貨交換レートはいったい何のためにあるのでしょうか?そしてリッポ銀行はどうして顧客である口座保有者の利益を保護しようとしないのでしょうか?その銀行の対応にわたしはたいへん不満を持っていますが、この問題をどこに訴えたらよいのでしょう。[ ボゴール在住、アンワル・ファウジ ]


「学歴詐称にご用心」(2005年8月12日)
S1からS3までのアカデミックタイトルを、学業などなしに金で与えていた違法教育機関運営者が国家警察に逮捕された。今回摘発を受けたのは南ジャカルタ市ラスナサイッ通りセンチュリータワー2階に本部を構えるInstitut Manajemen Global Indonesiaで、タマンミニに近いラワスガランチェゲルの住居店舗にある支部にも捜査の手が入った。
かれらの贋卒業証書販売の手口は顧客対象者にDMを送る方法で、アメリカのノーザンカリフォルニアグローバル大学が認定する証書が苦労なく入手できると宣伝し、S1(学士号)150万ルピア、S2(修士号)250万、S3(博士号)350万ルピアの入学金?をまず納めたあと、およそ一ヵ月後には卒業式が高級ホテルで催され、そこで証書を受け取る前にS1は1千万ルピア、S2は1千5百万、S3は2千5百万の金を納めるというプロセスを紹介していた。卒業証書にはノーザンカリフォルニアグローバル大学の名称が刷り込まれ、アメリカ人とオーストラリア人のサインが実際に付されているが、サイン者は教育関係者でもないジャカルタに長く滞在しているアメリカ人とオーストラリア人だったことが明らかになっている。
警察の捜査によれば、この違法大学は2000年からすでに5千人もの卒業生を送り出しており、警察は顔写真の添えられた生徒管理台帳から卒業生の完璧な名簿を手に入れている。警察側はそれら卒業生に対し、すぐ自主的に贋学歴を破棄するか、さもなくば国民教育システムに関する2003年度第20号法令違反で法的措置を取る、と呼びかけている。
この事件の捜査を担当した国家警察犯罪捜査庁は、初期情報に従ってリッポチカランに居住するマルディアナを取り調べのために連行し、次いでラスナサイッ通りの本部事務所を捜索した結果、かれらの違法行為が白日の下にさらされることになった。続いてもうひとりの関係者リリッ・プルワティを捕らえたあと、タマンミニ近在の支部にも捜査のメスが入れられた。翌朝にはその機関の取締役でもある卒業証書サイン者のアメリカ人HRをファッマワティ通りのウィスマスフッで逮捕し、その他関係者あわせて総勢8人を容疑者として拘留した。オーストラリア人サイン者LCは逃走中で、警察はその足取りを追っている。
国家警察は今回の事件とは別に、国民教育省高等教育総局からの違法教育機関14軒の報告を受けており、一気に高等教育機関に対する摘発作戦を全国展開するかまえ。
それとは別にインドネシアでS2,S3の資格条件とされているTOEFLの点数操作売買や証明書の便宜を図っている高等教育機関に関する問題について国家警察は、専門家からの見解を求める必要がある、としている。


「コンパス紙への投書から」(2005年8月25日)
拝啓、編集部殿。携帯電話の度数が消失するというのは奇妙なことです。度数残高にあまり注意していなければ、自分が使ったんだと思って、不審を抱くことはないでしょう。しかしXLべバスの利用者であるわたしはその事実を体験しました。2005年6月22日、わたしの携帯電話は度数残高が7,791ルピアになったので、10万ルピア分をレフィルしました。その翌日にはボーナスとして2万5千ルピア分が加えられ、残高は132,791ルピアとなりました。それから何度か電話を使い、2005年7月8日に残高をチェックしたところ、114,894ルピアでした。そして7月18日にまた残高をチェックしたところ15,194ルピアとなっているので驚きました。その間わたしは電話を使っていないのです。妻にわたしの電話を使ったかどうか尋ねましたが、妻は自分の電話しか使っていないと言います。それで818番に問い合わせしたところ、その電話を受けたエファさんは、わたしが使ったのだと言います。しかしわたしは使った覚えがないことを説明すると、7月12日午前1時31分28秒に9万9千ルピア分が使用されているということを調べてくれました。わたしがあくまで使った覚えはないと言い張るとエファさんは、コンピュータの間違いかどうかチェックするので、XL側から連絡するから待つように、と言って切れました。7月26日、XLのダエンさんから電話が入り、XL側に落ち度はなく、度数が他人に盗まれることはありえない、と言うのです。そして電話をかけた先が知りたいなら、XLセンターに来てください、と言われたので、わたしは28日にチデンのXLセンターを訪れ、たいへんな苦労の末に発信先の電話番号をプリントしてもらいました。わたしが9万9千ルピア分の度数を使った相手というのは、ベンヒルのエアコン修理職人で、その人にわたしはコンタクトを持ったことすらありません。
XLはわたしの苦情に真摯な対応を示さず、満足できる解決を行うこともできません。XLの利用者はどうぞご注意を。このような出来事は、ひとに大きい損失を与えるものですから。[ ブカシ在住 ネディ・ダルサミン ]


「病院の名を騙る詐欺」(2005年8月26日)
「もしもし、ワスキトさん?こちらは警察です。あなたの電話番号が犯罪者に使われているので、今から一時間、切ったままにしておいてください。」ワスキトはその言葉通り、自分の携帯電話を切った。その数分後、ワスキトの自宅に電話がかかった。「もしもし、ワスキトさんのお宅ですか?あなたは、奥さん?こちらはチプトマグンクスモ病院です。ご主人が事故に遭われて、大至急手術しなければなりません。その費用は今すぐ払っていただかなければなりません。今から担当医に替わりますので、詳しい状況を聞いてください。」
この手の詐欺(「病院の名を騙る新手の詐欺」(2005年7月8日)を参照)が多発していることを知っていた奥さんは、すぐにご主人の携帯電話に連絡するが、通じない。ひょっとしたら夫の両親が何か知っているかも。そう思った奥さんは、すぐに姑に電話をいれた。「えっ?キトが事故に遭った?そんな馬鹿な。ここでピンピンしてるわよ、ほら。」「ああ、おまえ、どうしたの?なにっ、おれが入院したって?そいつらは詐欺だぞ!」
こうしてワスキト家は事なきを得たが、誰もがこううまく難を逃れられるかどうかわからない。本人の携帯に電話して電話を切らせ、その間に家族に電話して詐欺を信じさせようとする巧みな手口は、スラバヤとジャカルタで既に何度か使われている。電話のチェックを行っているとか、番号が勝手に使われているとかといった理由で電話を切れという指示に従う必要はない。それはともあれ、詐欺団は狙った獲物に関して実に細かいところまで調べ上げてからおもむろに仕掛けてくる。さる家庭でもこの手の詐欺の餌食になりかかったが、その際には本人(父親)と息子(就職している)が教えなければわからないようなことを、詐欺師が電話の向こうで家にいる奥さんに話して聞かせ、ほとんど信じそうになったということだ。そしてもうひとつ念が入っているのは、家にいる奥さんが慌てて病院や銀行に走った隙を狙って空き巣が入るという二重三重の筋書きが組まれていること。本人たちがまったく知らないところで、自分たちと縁もゆかりもない人間が自分たちの日常生活をかぎまわっている、ということ自体の方が、はるかにわれわれに戦慄をもたらしてくれる。


「コンパス紙への投書から」(2005年9月10日)
拝啓、編集部殿。2005年7月17日、わたしと子供二人はとてもいやな体験をしました。そのときわたしたちは、ジャカルタからジョクジャへ17時30分発のアダムエアー126便で帰ろうとしていました。15時15分に空港に着き、しばらく待ってから時間通り16時にチェックインしました。そして出発ゲートB3に入りましたが、実に大勢の人が疲れた表情で待合室手前の通路の床に座り込んでいるのです。待合室の中も混雑と喧騒が渦巻いていました。待合室には16時30分に入り、搭乗案内を待ちました。時間は過ぎていき、人の山になっている案内カウンターの前にわたしたちも近付きました。そのときはもう17時45分になっていました。みんなは出発が遅れているのかと口々に尋ねているのです。ところが案内カウンター内のアダムエアー職員が「ジョクジャ行きのフライトはもう出発しました。」と言うのを耳にして、わたしたちの驚きはいかばかりだったことでしょう。そして「搭乗案内をなんでよく聞かなかったのですか?」と乗客を悪者にするのです。でも、待っていたわたしたちが聞いたのは、他の目的地への搭乗案内だけであり、ジョクジャ行きのアナウンスは聞いていません。16時に待合室に入って待っていたほかの三人の乗客は抗議し、「この搭乗券はどうなるのか?補償せよ。」と迫りますが、アダムエアー職員は、その搭乗券は焦げ付き(無効になったということ)であり、補償は何もない、ときっぱり言明するのです。その職員は最後には、ジョクジャ行きの他の便を捜してくれましたが、相場より高い金額を払わさせられ、おまけに空港内にずっといるというのに、再びエアポートタックスを徴収されました。適切なサウンドシステムを用意せず、待合室に多すぎる乗客を入れるくせに、エアコン容量も実態にそぐわず、トイレも不足しているという扱いをする空港管理会社にはとても失望しています。[ スレマン在住 ラハユ ]


「コンパス紙への投書から」(2005年9月13日)
拝啓、編集部殿。わたしは5年程前から、インドサットのムンタリカードで携帯電話を利用しているユーザーです。二ヶ月ほど前インドサットから、無料ディズニーランド旅行が当たるチャンスがあるので2626番にSMSを送るよう勧誘するSMSが入りました。無料だというので、わたしはそこへSMSを送ってみました。すると返事が来ましたがそれは問題で、その答えをまた2626番にSMSで送れというのです。これは面倒だと思ってわたしはその返事をしませんでした。するとその後毎日、わたしあてに2626番からディズニーランド旅行に関するメッセージが届くのです。最初わたしは、向こうから勝手に送ってくるSMSは自分の度数には関係ないと思って、放置していました。ところがその2626番からのSMSは、送られてくるたびにわたしの度数から1千ルピアを減らしていくのです。
それでしばらくたってからわたしは、SMSを送ってきても無駄だというメッセージを2626番に送りましたが、一向にやむ様子がありません。結局わたしはまた2626番に「ディズニーランドSMSを止めないと、わたしの携帯電話度数の強奪を当局に訴えるぞ」と威嚇しましたが、何の変化もありません。毎日1千ルピアの度数を削り取る2626番からのSMSは今日にいたるまで続いているのです。 8月14日、わたしの度数残高が305ルピアになったので、わざと補充しないままにしておきました。翌日SMSは送られて来ませんでした。それで15日の夜に買い足しをしたところ、16日17日とまたまたSMSが届くではありませんか。いったいわたしの度数強奪をインドサットの手先である2626番はいつまで続けるのでしょうか?わたしと同じ運命を歩んだ数百人のひとから、何百万ルピアの度数を強奪したのでしょうか?インドサットからの無料景品のSMSが届いたら、わたしのような運命をたどらないように気をつけてください。[ ジャカルタ在住 カマルサマン ]


「カード偽造シンジケートが仕事納め?!」(2005年9月19日)
2006年1月からの世界的なEMVコンプライアンス適用開始に備えて、クレジットカード業界は従来型のマグネットストライプ方式からIC方式への転換を余儀なくされており、カード一枚あたりのコスト7万5千ルピアに青息吐息の態。変更されてしまえば当然ながらクレジットカード不正使用は困難になるため、これまでそれで稼いでいたシンジケートが最後の荒稼ぎをしかけてくるだろうと業界者は懸念している。
インドネシアクレジットカード協会のムイン・フィクリ西ジャワ支部コーディネータは、残すところあと三ヶ月という期間に、カード犯罪集団はせっかく今持っている偽造カードの使い納めを精力的に行うにちがいないため、カード保有者、銀行、マーチャントに対して警戒を強めるよう呼びかけている。またその対策として同協会は警察および検察当局とも協力体制を密にし、事件発生に対して迅速な対応が取られるように必要な手段を講じている。
ビザインターナショナルのインドネシアカントリーマネージャーは、「インターネット商品販売を行っている海外有力サイトでは、インドネシアのクレジットカード犯罪が旺盛なために、インドネシアのカードは受け付けてもらえない。カード犯罪を顕著に減少させる対応が取られなければ、インドネシアのクレジットカードは海外でいつまでもものの役に立たない。」と述べている。しかし国内でのクレジットカード発行枚数は今後も継続して年間20%程度の大きい伸びを示すだろう、ともコメントしている。


「新10万・2万紙幣の贋札が早くも出現」(2005年9月21日)
今年1月から8月までにイ_ア銀行が集計した贋札発見届出データによると、今年の発見贋札総数は64,325枚で前年同期実績の42,498枚から5割以上の増加となっている。これは市民の贋札に対する意識の向上を証明するものだとイ_ア銀は評価している。
イ_ア銀行ルキ・ファトゥル貨幣流通局長は19日、総流通貨幣の中で贋札はわずか0.0019%しか含まれておらず、これは市中にある百万枚中に19枚しか贋札がないということを意味していると説明した。発見された64,325枚の贋札内容は、半分以上の36,563枚が5万ルピア紙幣で、この傾向はもう何年も前から続いている。次に多いのが10万ルピア紙幣で20,329枚にのぼる。地域別に見れば、発見枚数最大はジャカルタ。ところで同局長は、昨年末に発行された新10万紙幣と2万紙幣の贋札が早くも発見されていると語った。しかし向上したセキュリティ対応のおかげで贋札の発見が容易になっているため、通貨流通システムの循環サイクルには入りにくくなっている、とのこと。これから向かうルバラン、クリスマス、年末などの諸行事で市中の通貨需要が高騰するため、イ_ア銀は現状の124兆という流通通貨量に10〜12%の上乗せを行う予定にしている。


「コンパス紙への投書から」(2005年9月21日)
拝啓、編集部殿。国営テレビ局TVRIのコマーシャルで、SMS9500オペレータが祈りの言葉を携帯電話に送ってくれるということを知りました。その方法は、On スペース doaとタイプしたSMSを9500番に送れ、というのです。その指示に従うと、もちろんすぐに祈りの言葉が届きました。ところが、祈りの言葉を受け取るたびに、1千ルピアが携帯電話の度数から削られていくのです。
わたしはTVRIのコマーシャルにあった説明を最後まで読んでいません。長い説明のTVCMを最後まで読める人はめったにいないと思います。わたしは一月前にSMSを9500番に送り、祈りが届けられました。ところがその後、SMSを9500番に送ってもいないというのに、毎朝祈りがわたしの携帯電話に届けられ、その代償として1千ルピアが自動的に減っていくのです。どうにも我慢できず、わたしは9500番に祈りを送らないでくれとSMSしましたが、成果はありませんでした。それで電話してみたところ、電話は通じないことがわかりました。
この問題はきっと多くの人を困らせているのではないでしょうか。わたしのように続ける意思のない人間が辞めることのできる方法がなければなりません。わたしはこの運営者に、行っていることをすぐに見直すようお願いしたいと思います。特に、要請もしていないのに継続的に祈りを送ってきて、そのたびに自動的に度数を削っていくという方法を。少なくとも携帯電話番号0812694・・・・を9500番の記録から抹消してください。[ アチェ州大アチェ在住 バルダン ]


「マネーチェンジャーで詐欺未遂!」(2005年10月3日)
南ジャカルタ市ムラワイラヤ通りで24時間営業のマネーチェンジャー『ドラリンド』に9月30日、問い合わせが入った。「20億ルピア分の米ドルを買いたいが、レートはいくらかね?」「・・・・・なんでまたそんなにたくさん?」「いやあ、持ち主がシンガポールに遊びに行くんだよ。今晩24時にそっちに行くけど、交換できるかな?」「もちろん、できますよ。」
と約束はしたが、どうも不審だ。従業員はすぐに店のオーナーに報告を入れた。オーナーも不審に思った。そんな大金を真夜中に交換なんて、怪しい・・・・。 24時前に車が2台やってきて、店の前に止まった。5人の男たちが店内に入ってくる。緊張がピークに達した。
「電話した者だが、20億持ってきたよ。金を調べるかね?これがまず1億だ。残りはこのトランクの中にある。」金包みとトランクを受け取ったあと、さらっと金包みの中身を調べると、それはどうやら本物。店側はさっさと金を調べにかかる。トランクを開け、中の札束を手に取って見ると、それは白紙。男たちにおかしな動きを始める隙を与えない店側の迅速な動きに、男たちはタイミングを失したようだ。従業員がすかさず叫んだ。「詐欺だぞ!」
待機していた警備員は、ひとりだったが、男たちを取り押さえようとする。従業員たちがそれに加勢しそうな勢いを見て取った5人組は逃走を企てる。二人は逃げ出し、外で待っていた車に乗って逃げ去った。三人はくんずほぐれつのさなかに、通報でやってきた警官に逮捕された。逃走した共犯者三人は、警察が追跡中。


「コンパス紙への投書から」(2005年10月13日)
拝啓、編集部殿。2005年9月8日、わたしは朝から、たくさんの友人からのSMSを受け取りました。そのメッセージとは、「SBY大統領が9月7日〜17日の間、クリスチャンにチャンスを与えてくれた。番号9949へのSMS3百万通が要求されている。メッセージ内容は「われわれは2大臣の共同大臣令取り消しを求める。みんなにフォワードして。」友人の何人かは、9949番からの返事を自慢気に見せてくれました。「あなたの参加に感謝します。あなたのメッセージは確かに受け取りました。署名。インドネシア共和国大統領」
わたしも9949番へのSMSに参加することにしました。ところが9949番からの返事を見て驚きました。「残念ですが、あなたの度数残高はこのサービスを受けられません。」
わたしの残高はまだ3百ルピア以上あったはずですので、SMS一通を送るのは可能なはずです。ということは、9949番は3百ルピア以上のプレミアムレートを徴収しているということなのです。もし3百万人のクリスチャンからひとり2千ルピアを徴収すれば、計算上60億ルピアになります。
9949番殿へ。もし本当にインドネシア共和国大統領に対するものであるなら、その神聖なる職務が成功しますように。しかしもし単に詐欺を企てているのなら、3百万クリスチャンの思いがこもっているのですぞ。[ チレボン在住、ディディ・ムハルディ ]


「セールスマンはブローカー」(2005年10月14日)
南ジャカルタ市パサルミングラヤ通りにあるホンダ自動車販売代理店PT MGで今年6月9日、インドラ・フシンは1億3千7百万ルピアのホンダジャズを一台買った。販売店のBCA銀行口座に、かれは手付として3千5百万ルピアを振り込んだ。自動車注文書にサインがなされた。ところが、アデ・スメルと名乗る販売店のセールスマンは、残高の振込みをBCA銀行の口座番号XXXXリアニ夫人宛にしてくれれば、2百万ルピアをディスカウントしますよ、とフシンにささやいた。「ホントにそんなうまい話があるのか?」フシンは不審に思ったが、強く興味を引かれたことも確かだ。「いえ、これは社内の裏の事情なんで、まあともかく、お客さんには全額払ったという領収書を出しますから、迷惑は絶対かかりません。」セールスマンはそう言う。よし決まった、とフシンは翌日残高から2百万ルピア差し引いてリアニ夫人の口座宛に振り込んだ。そして店側は、車と一緒に総額の記載された領収書を渡してくれた。販売店のロゴ付領収書でオリジナルサインもある。仮ナンバーが付けられたその車を、その日からインドラは自由に使ってよいのだ。だってもうかれの物になったのだから。
セールスマンのアデ・スメルは始終にこやかな態度でインドラに手続きを説明した。21日間は仮ナンバーで通行でき、そのための警察の許可証も用意されている。「それが過ぎたら、またここへ車を持ってきてください。プレートを最終のものに変えますから。STNK(自動車番号証明書)もそのときには原本をお渡しできますよ。ただしお客さん名義のBPKB(自動車所有者謄本)はニ三ヶ月かかります。そちらの手続きをやってるのはフィトリさんとイェニーさんです。ご紹介しておきましょう。・・・・」6月28日にアデ・スメルの説明した手続きはBPKBを除いて完了した。インドラのホンダジャズはもう仮ナンバーではない。
ところが7月16日、インドラにその販売店から思いも寄らない電話が来たため、インドラはびっくりしてしまった。アデ・スメルの上司であるアディ・グナワンと名乗る男に「未払いの1億2百万ルピアを支払え。」と言われて耳を疑ったのである。そんな馬鹿なことが、と怒るインドラは「満額支払い済み領収書がある。」と反論した。7月18日、南ジャカルタ市パンチョラン警察署から出頭命令書がインドラに届き、取調べを受けたが、インドラを容疑者として拘留する決め手が見あたらないため、すぐに釈放された。PT MGは、セールスマンのアデ・スメルと共謀してフシンが新車を掠め取ったと訴えていたのだ。セールスマンのアデ・スメルに関してPT MGは、7月14日以降その者は同社の社員でないことをマスメディアで広報している。
法的ルートではうまくいかないと判断したその販売店は、なんと一挙に6人のデットコレクターを送り込んで、インドラのホンダジャズを取り上げようとした、とフシンはPT MGを非難した。8月8日、PT MG社の副社長に命じられて来たという、髪を刈り上げた屈強な体つきの男たちが車を渡せとインドラに迫ったというのである。その日はなんとか事なきを得たものの、インドラはいつどこでかれらの実力行使が自分を襲うか、と毎日不安の中で暮らしている、と語っているが、PT MG社はそれを事実ではない、と否定している。
ともあれ、セールスマンが会社の人間であると思っては、危ない橋をわたることになりかねない。どうやらインドネシアのセールスマンはブローカーと見るのが正しいようだ。


「コンパス紙への投書から」(2005年10月22日)
拝啓、編集部殿。プルマタ銀行クレジットカード保有者のわたしは今年6月、自分が行っていない買い物に関する請求をもらいました。すぐにプルマタ銀行に連絡すると、その請求に対する不服書を出すように言われたので、そうしました。翌日わたしは、クレジット限度を超えたという電話をプルマタ銀行からもらいました。事情を説明すると、クレーム処理は120稼働日かかるので、その間分割でもいいから返済して行くようにと担当者がアドバイスしてくれました。請求ミスがあってもどうせ払い戻ししてもらえるのだから、と。
7月15日、プルマタ銀行のヤンティさんから連絡があり、サインが違っていることを知らせてくれました。わたしは自分がその買い物をしていないのは確信していたので、その通りであることにほっとしました。その後、ヤンティさんに問い合わせることができたので電話したところ、話中だと言ってヘルリンさんが応対してくれましたが、わたしの問題の一部始終を尋ねたあと、警察に紛失届けを出すようわたしにアドバイスするのです。しかしカードはずっとわたしが所有しており、人に貸したことも、また無くしたこともありません。警察に嘘をつくのはとてもできません。ともかく、誰かがわたしのデータを勝手に使ったのだというでした。でもわたしのデータはプルマタ銀行にあるだけじゃありませんか。
翌月になって、わたしが行っていない買い物分の請求金額は払い戻しされました。プルマタ銀行は顧客を信じたのです。ところがほっとしたのも束の間、またまた銀行からクレジット限度を超過したという電話をもらいました。返済をすぐに行えと言うのです。もっと驚いたことに、なんと一度払い戻しされた買い物分がふたたび請求の中に入れられていました。銀行側に問い合わせると、カードを無くしたと称して自分で偽サインをするのはいくらでもできる、と言うのです。本人が行っていない買い物で、サインも違うというのに、無理やりそれを支払わせようとする銀行の姿勢はわけがわかりません。警察に嘘をついて、カードを無くしたことにするのが一番の解決方法なのでしょうか?[ 東ジャカルタ在住、チー・シアンイン ]


「じゃぱ行きさん事件がまた」(2005年10月26日)
日本で舞踊を演じたり客をもてなす芸能使節の仕事だと称して若い女性をリクルートし、舞踊や日本語の訓練を与えた上で日本に送り出していたが、現実にかの女たちは日本のパブやカラオケで売春がらみの接客業に就かされていたという事件にインドネシア政府が色めきたっている。この事件は東京のNGO「ソリダリタスプルンプアン」から女性活性化担当国務省への報告で明らかになったもので、ムティア・ファリダ・ハッタ同相は首都警察との調整会議に内務省、法務省、社会省、外務省、情報通信担当国務省、最高裁、労働省からの職員を交えて、状況把握と今後の対応を協議した。同NGO側はすでに18人を保護しており、それ以外にも40人ほどの被害者がいることを明らかにしているが、現在かの女たちがどうなっているのかはよくわからない。
女性たちを送り出していたのは東ジャカルタ市ブンダジャヤ地区ドゥレンサウィッ通りにあるPT Mediaseni Indonesiaという興行会社で、同社は大手の全国紙に広告を掲載し、20から25歳の心身ともに健康な女性で未婚既婚は問わず、学歴は高卒程度、性格は魅力的で身長150センチ以上、プロポーショナルな体形を持っていることなどをリクルートの条件にし、2〜3ヶ月の日本語・伝統舞踊・歌唱・業務知識などの訓練を与えた後女性たちを二年間の契約で日本に送り出していた。送り出されるにあたって女性たちは250万ルピアの保証金を同社に渡さなければならず、契約が満了すれば保証金は返却されるが、契約期間途中での破棄は没収されることになっていた。一方給与は月収4万5千から7万円が与えられ、それ以外にも客からのチップやインセンティブがもらえるという条件が提示されていた。
マナド、インドラマユ、あるいは西・中・東部ジャワの諸都市など国内各地からリクルートに応じた女性たちは、日本に送り込まれると日本各地のナイトスポットに配置され、まずナイトスポットのオーナーへの夜伽を命じられるという。それを断ればインドネシアに送り返され、渡航費用1千8百万ルピアを弁償しなければならなくなるため、たいていは諦めてその命に応じ、更に店では客のテーブルに着くと値段のはる飲食品を取って客に払わせ、また時には店からの売春の命令にも応じていたとの由。
そのような被害者女性ふたりが店から逃走して同NGOに助けを求め、NGOはインドネシア政府に通報するとともに被害者の保護にあたり、その連絡を受けた政府は首都警察に指示して女性たちを送り出したPTメディアスニを捜査させ、責任者ら二人を9月29日に拘留している。1999年から操業を開始したメディアスニは2004年ごろからこの種の女性送り出しビジネスに手を染めたようで、一説ではかれらの毒牙にかかった若い女性は数百人ではきかないとも述べられている。 国家警察は日本警察庁との協力態勢は整っており、この事件の処理のために外交ルートもしくはインターポールルートで職員を派遣することになるだろう、と述べている。


「免許証偽造団が摘発される」(2005年10月27日)
スカルノハッタ空港警察が運転免許証偽造団を摘発した。今年8月に行われたスカルノハッタ空港内を通る大型トラック対象の検問で、警察側は偽造品と見られる多数のB1種およびB2種免許証を発見した。警察が不審を抱いた免許証は、外見は合法免許証にしか見えないものの、よく見ると紙厚が薄い。この偽造運転免許証の捜査を開始した空港警察は、10月に入ってついに偽造団一味5人を逮捕した。
この一味は東ジャカルタ市プラムカ地区の印刷所を拠点にして、B1種免許証をステンシルからコンピュータスキャニングまで駆使してB2種に作り変える行為を行っていた。かれらは周旋屋を使って首都警察運転免許管理ユニットをはじめ、バスターミナルなどで客を求めていた。


「音楽カセット・CD販売が大幅減」(2005年10月31日)
媒体形式による音楽販売が大きく減少している。インドネシア録音産業協会(Asiri)のデータによると、今年1〜9月のカセットテープとCDの販売は1千6百万コピーで、前年同期の2千2百万コピーから3割近く減少している。総販売コピー数の92%はカセットでCDは8%しかない。ともあれ、この現象は、音楽販売がこれまでの媒体形式からダウンロードスタイルに変化していることを示すものだ、とAsiri副会長が述べている。
Asiriは25日、音楽出版社協会とモバイルオンラインコンテントプロバイダー協会を交えて、ロイヤルティ分配パターンに関する合意覚書の調印を果たしたところだ。「海賊版が合法商品のシェアを蝕んでいる要素がないわけではないにせよ、ダウンロード方式の音楽販売はリングトーンとリングバックトーンをメインに急増しており、音楽愛好者が従来の媒体を買うスタイルからシフトしていることを如実に示すものと見ることができる。今後3G電話機が普及するに伴って、その傾向はいっそう顕著になることが予想される。」との副会長の談。
いまダウンロード方式の音楽販売は7割がリングトーン・リングバックトーンで占められている。EMI Musicはその分野で月間8億ルピアの収益を得ている。ある携帯電話オペレータは3百万人のリングトーン顧客を抱えていると豪語しているが、それは270億ルピアのビジネスがそこにあることを意味しており、音楽パブリッシャーはそこから105億のシェアを得ていると計算することができる。


「コンパス紙への投書から」(2005年11月8日)
拝啓、編集部殿。今ガソリン価格はリッター当たり4,500ルピアとなりました。自動車の使用者としてガソリンはとても必要なものです。わたしはいつもガソリンスタンドでガソリンを買います。というのは道端の小売商人から買う方が高いからです。つまりリッターあたり5,000ルピアするからなのです。10月3日午前11時半ごろ、わたしは中央ジャカルタ市メンテン地区チョクロアミノト通りガソリンスタンド34.10305番でオートバイのためにガソリンを1万ルピア買いました。
ところがガソリンスタンドの係員はメーターの数字通りに販売せず、ずるいことをするのです。メーターが9,880ルピアを指すと、係員は急いで給油を止め、1万ルピアにならないようにします。わたしが観察したところでは、係員はどの客にもそのようにしているのです。メーターの数字は客の払う金額と一致していません。「なんでそんなことになるのか?」とわたしが係員に尋ねると、「給油機のハンドルが壊れているんだ。」と無視するように答えます。わたしが注意して見た限りでは、その給油機のハンドルはふつうで、別に壊れているように見えません。わたしはそのスタンドでよく給油しますが、いつも同じようにされます。つまり係員にずるをされるのです。もしそのスタンドが一日百人、いや千人の客に販売した場合、そのいかさま行為でどれだけの不当利益が得られるか、想像がつこうというものです。わたしがそこのスタンドで給油するときは、いつも客で賑わっていますので。[ 南ジャカルタ市在住、イワン・アサパ ]


「一流ブランド品のニセモノがいっぱい」(2005年12月2日)
予定されていた一斉摘発を首都警察特殊犯罪捜査局通商産業ユニットが延期したのはこれで三度目。11月30日のオペレーションでは、同ユニット捜査員がすでに出動していたというのに、突然の延期指令が飛んだ。オペレーションターゲットはマンガドゥアのショッピングセンターで売られている有名ブランド商品の偽造品。この度重なる延期にルイ・ビトンの法律代理人は、信用に関わる問題だ、と不満を述べている。
去る8月、ルイ・ビトン側は、ジャカルタの、中でもマンガドゥア、タマンアングレッ、ブロッケム、プラザスマンギなどに偽造品があふれている、と警察に届け出た。ルイ・ビトンが売られているのはプラザスナヤンとポンドッキンダモール1と2の三ヶ所しかないはずなのに、それ以外の場所で公然と大量に販売されており、価格も真正品は5百米ドルから数千ドルに対して、他の場所では7万5千からせいぜい50万ルピア程度の値付けになっている。偽造されているのはルイ・ビトンばかりか、プラダ、グッチ、トッズなどほかの一流ブランド品にまで及んでおり、それらの偽造品は中国からインドネシアに船積みされ、タンジュンプリウッ港から都内のショッピングサイトに流されている、と言われている。特殊犯罪捜査局長は、フォローアップは必ずなされる、と語っている。


「コンパス紙への投書から」(2005年12月10日)
拝啓、編集部殿。ジョクジャへ行こうとしていたわたしの車、トヨタアバンザが2005年7月4日、マジュナン〜チラチャッ間で事故に遭いました。その事故では、車の右前方が壊れ、オートバイ運転者ひとりが入院する事態となりました。
この車にはジャシンドの保険をかけていたので、7月6日にジョクジャのジャシンド事務所に出向き、保険請求の手続きを取りました。ところが、請求手続きの条件をわたしはすべて満たしたというのに、保険クレームの手続きがいつまでたっても終わらないのです。わたしはもう何回も、ジャカルタとジョクジャのジャシンドにその件の進展を問い合わせました。
第三者補償のための請求金額は270万ルピアで、1千万ルピアという限度金額からはるかに小さいものであり、また自動車損害補償も55万5千ルピアの請求なのです。わたしはジョクジャに何回も長距離電話をかけ、多くの時間と費用を無駄にしており、そしてジャシンドの担当者がその都度口にする口実にたいへん失望しています。
ジャシンドいう会社は、保険料を手に入れたら客のことはほったらかしにする会社であるという印象をわたしは受けています。どうですか、ジャシンド?[ タングラン在住、ヨセフィヌ・アンダダリ ]


「新1万ルピア札の肖像画で著作権争い」(2005年12月16日)
今年10月20日に発行された新1万ルピア紙幣に描かれている国民英雄スルタン・マフムッ・バダルディン二世の肖像画が物議をかもしている。この新券発行がなされたのは、前のデザインのものが1998年発行であることから、切り替え時期として妥当と判断されたから。同時に発行された新5万ルピア紙幣も、前のものは1999年に発行されている。
問題は何かと言えば、そのスルタン・マフムッ・バダルディン二世の肖像画制作者が、自分の著作物が無断で使用されたとして関係当局を告発したこと。作者エデン・アリフィンが、この1万ルピア紙幣発行と流通に関与した者に対して、著作権料として1枚50ルピアを支払えとの要求を出した。イ_ア銀行はこの紙幣を2億枚用意したと言われており、制作者の要求が通れば一躍かれは百億ルピアを手に入れることになる。
もともとその肖像画は、1980年代に南スマトラ州が地元英雄の肖像画コンテストを行った結果生まれたもの。そのコンテストには5人の画家が参加し、エデンの作品が優勝した。かれの作品は1982年の南スマトラ州知事令でスルタンの公式肖像画に指定され、1984年にはスハルト大統領の認証も得ている。コンテスト実行委員会はそれが国家レベルの肖像画となることを考慮して、参加者名は非公開とし、作品は政府が所有権を持ち、優勝者のみ名前が公表され、優勝しなかった作品はすべて廃却されるという条件がつけられた。しかし参加者全員に対しては、それなりの報酬が与えられた、と当時の国民福祉担当州知事顧問は証言する。多分そんなことのために、その肖像画制作者として名前の知られたエデンは著作品登録をしていなかったようだ。エデンが自分のデザイン権を届け出たのは新1万ルピア紙幣にそれが使用されることを知ってからで、2005年10月10日にかれは法務省からパテントを得ている。
イ_ア銀行はその肖像画を社会省から入手し、スルタンの遺産相続者からの許可を得た上で新券のデザイン作成に入った。ビジネス的配慮はまったくしなかった、とイ_ア銀行戦略企画局長は述べている。法廷がこの争いの答えを出すのだろうが、この1万ルピア紙幣の贋札が世に出てくれば、今後はそこに著作権侵犯問題までからむようになるのだろうか?


「コンパス紙への投書から」(2005年12月20日)
拝啓、編集部殿。わたしは2003年9月からBCA銀行のクレジットカード(No.1002 6005 6856 1917)をひとつ持っていますが、いまだかつて一度も使ったことがありません。ところが、何と不思議なことに、2005年2月3日にカード番号1002 6005 6856 1925で行われた決済に対する4,887,651ルピアの請求がわたし宛に来たのです。しかし住所はタングラン県チクパのもので、わたしには縁もゆかりもありません。BCA側はわたしの親にわたしの住所を問い合わせ、その請求書をわたしの正しい住所に送ってきました。それが発端で、ついにはわたしのクレジットカードに問題があることが明らかになったのです。
ハローBCAに記録されているデータによると、末尾四桁1917のクレジットカードに紛失届が出され、新カードの請求への対応が行われ、そして請求書送付先の住所変更が2004年10月8日にあったことが判明しました。BCA側は末尾四桁番号1925のクレジットカードをPT パナタジャヤマンディリに送り、サンティという名前で10月18日に受取がなされています。その後10月23日に所有者から、まだ受け取っていないとの連絡があり、請求書送付先住所変更が10月28日にあり、2005年2月2日に再度請求書送付住所変更がなされています。しかしそれらの何一つとして、わたしが行ったものはありません。わたしのまったく関知しないところで、わたしの持っているクレジットカードと同じ番号のものが、それだけの履歴を重ねているのです。
わたしは、わたし宛に送られてきたすべての請求に対して拒否を表明する手紙をBCAに送りました。苦情もBCAのクレジットコントロールユニット、コレクションユニット、カスタマーサービスに対して訴えてあります。BCAはどうしてカード紛失届を証明・証拠もなく受け入れ、住所変更が依頼されればそのサーベイすら行わないで、言われるがままに対応しているのでしょうか?BCAのような大銀行がクレジットカードの二重発行を行い、おまけにわたしの苦情処理すら、8ヶ月もかかってまだ決着していないことに、わたしは大きい失望を感じています。[ タングランBSD在住、アグス・シャハブディン ]


「国会議事堂を舞台に、口入詐欺」(2005年12月22日)
12月9日、国会議事堂西隣のマンガラワナバクティ・ビルに350人ほどの人々が集まってきた。多目的ホールで説明会があるはずだ、とみんなは言う。しかしホールはいつまでたっても開かれない。不審に思った何人かが、ホール管理事務所を訪れた。「今日はホールの予約は入っていません。国民評議会組織職員局からのホール使用注文なんて、来ていませんよ。」そのやり取りは、やってきた全員に伝わり、人々を沈鬱な空気が包んだ。大勢が三々五々その場所を後にしたが、中には半ば茫然としながら夜9時になってもそこを動こうとしない人も何人かいた。かれらの全員が、地方代表議会事務所にテストなしで雇用され、国家公務員になれるから、と言われてひとり2千5百万ルピアの一部を仲介人に既に渡してしまっていたのだ。条件は2千5百万ルピアを二回分割で支払うこと。一回目は候補者登録時、二回目は仕事に就いてから。一回目に納めた金額は人さまざまだが、かれらは自分にできる範囲でたくさん納めようとした。だから2千4百万の人もいれば、1千2百万の人もいる。第一回分が多ければ多いほど、優先順位の上に入れる、と誰しも思うものだ。わずか数百万ルピアでは、相手にしてもらえないのではないか、と・・・・。
かれらの数人は、ボゴール県チパユンにある国民評議会寮に問い合わせをかけた。12月12日の国家公務員予定者へのオリエンテーションは予定通り行われるのか、という質問の答えを得るために。そして得られた答えは、ふたたびかれらを失望させるものだった。オリエンテーションの予定など組まれていない。こうして、かれらが受け取ったインビテーションが二通とも、虚偽のものであることが明らかになった。
タングラン県でこの運命をたどった者およそ89名。ボゴール県や他の地区の被害者明細は不詳。タングラン県チュルッ郡に住むアフマッ28歳は去る10月、テストなしで国会に勤められるという話を耳にし、金を工面して仲介屋に2千4百万ルピア渡した。二日後その男は、12月9日と12月12日のインビテーション各一通と、国民評議会官房総局が出した国家公務員予定者採用に関する決定書第582/XXIV/RK/XI/2005号のコピーをアフマッに渡した。決定書に添付された名簿には、国民評議会官房総局管下で勤務する予定の89人の名前がリストアップされており、言うまでもなくアフマッの名前もその中にあった。ズフリ・ヌルディンという名のその仲介屋もタングラン県内に住んでいるが、その自宅に行っても妻が出てくるだけで、本人の姿は影も形も無い。
その報道に接して、国民評議会官房総局は声明を出した。「国民評議会での職員採用予定は、今はありません。もしそれが行われる場合は、マスメディアやインターネットで広報し、採用テストは必ず行われ、透明で公平なプロセスが踏まれるので、チャロに金を渡せば採用されるということは絶対にありません。金を渡せばテストなしで採用されるという話は詐欺です。」国民評議会官房総局が出した国家公務員予定者採用に関する決定書第582/XXIV/RK/XI/2005号のコピーも贋物であると断定された。国民評議会組織職員局などという部門は存在せず、実際にあるのは管理局である。サイン者マルフ・サントソという名の役職者は官房総局にいない。決定書番号の取り方も、ハンコの形も実際に使われているものとは異なっている。


「コンパス紙への投書から」(2005年12月22日)
拝啓、編集部殿。わたしはタングラン県スルポンのビンタロジャヤに住んでいます。2004年末に、新しく電話をつなぐよう、テルコムに注文しました。そのときは、2005年初めまで待つように言われました。局番の頭が7から5に変更されるから、というのです。2005年1月に、わたしのカスタマー番号、電話サービス番号、注文番号の連絡がありました。テルコムのカスタマーサービス担当者によれば、新規設置費用は162,250ルピアで、屋内接続費用は104,500ルピアとのことでした。全額払い込めば、2週間後にサーベイが行われると言われ、わたしは全費用266,750ルピアを一度に払いました。そしてテルコム現場担当者は確かに2週間後に家へやってきました。
電話機から屋外の配線までは作業してくれましたが、家屋と電話架線との接続はまだです。現場担当者が言うには、その作業はコントラクターが行うので、タングラン県チルドゥッのテルコム事務所にコンタクトしてくれ、とのこと。そこへ電話すると、コントラクターの電話番号を教えられ、コントラクターへ電話したところ、接続用電話線のストックが切れているのでしばらく待ってくれ、と言われました。こうしてまだ外部電話線とつながっていない状態であるというのに、テルコムから月々の請求が届くのです。固定費分だけとはいえ、まだ使える状態になっていないのに、毎月請求されるのです。わたしがテルコムのカスタマーサービスに苦情すると、先方は、コントラクターに電話しなさいというばかりです。テルコムのモットーであるCommitted to You はいったいどうなっているのでしょうか?電話が使える状態になってから固定費を請求するのがフェアなやり方ではありませんか?[ タングラン在住、アグス・ユダ ]


「コンパス紙への投書から」(2005年12月24日)
拝啓、編集部殿。コンパス紙のミニアドに掲載されている英語プライベート教師に注意しましょう。これはわたしの体験をみなさんの参考になるようご紹介するだけのものです。住所スンテルアグンポドモロ、電話番号65305XXXとミニアドに載せているその英語教師は、夫婦で詐欺や盗みを行っています。本当の住所もスンテル地区内ですが、広告に記されているものではありません。その夫婦の夫はインド人でアメリカ風の話し方をし、妻はインドネシア人です。電話するとかれらではない別の女性が取り、コーディネータが外出中なので戻ってきたら電話させるからと言って番号を聞き出します。間もなくコーディネータ、つまりそのインド人ですが、が電話してきます。名前はその都度変わり、エイブラハム、ブライアン、ダグラス etc. etc.。かれは先生が生徒と直に知り合うことを望んでいるから、と言って住所を聞き出します。そして家庭教師がやってきますが、その家庭教師も同一インド人で、教師のときはインドネシア語がわからないふりをします。
それから授業料を請求し、生徒を騙せると思えばニ三回レッスンしたあとで姿をくらまします。おまけに家の中の品物を持って帰ったり、生徒がまだ年若ければイングリッシュプラクティスと称して外へ連れ出し、生徒の携帯電話やお金を騙し取るのです。この詐欺師の本名はバグワンで、特徴は短躯、色黒、出っ歯といったところです。世間で被害者が増えないことを祈ります。[ 西ジャカルタ市在住、アティ ]


「コンパス紙への投書から」(2005年12月27日)
拝啓、編集部殿。2004年1月16日、わたしはリッポ銀行ソロ支店に自分の名前で7百万ルピアを貯金しました。そのときファイナンシャルアドバイザーのインドリさんがAIGリッポの保険に加入するよう勧めたのです。わたしは貯金するだけのつもりでしたから、断りました。しかしインドリさんは無理強いをし、1年後には今より大きい金額を受け取ることができると約束したのです。結局わたしは保険に入ることにし、ひと月30万ルピアの保険料で保険証券を受け取りました。インドリさんはボヨラリのわたしの家まで訪れてくれました。
2005年11月17日、わたしは貯金を引き出そうとして、ジャカルタでリッポ銀行を訪れました。ところがあまりにも大きい驚きと後悔がわたしを襲ったのです。なんとわたしの貯金はゼロになっていたのです。銀行の人に尋ねると、保険会社から毎月二件の保険料請求がなされ、月68万ルピアが引き落とされている、と説明してくれました。わたしはリッポ銀行ソロ支店に電話し、カスタマーサービスのリナさんにこの件を問い合わせました。何回も長距離電話をかけてどうなったかを尋ねても、返事をもらえません。インドリさんを探してもつかまらず、携帯電話番号に電話しても反応なく、SMSに返事もくれません。この問題が起こる前は、携帯電話でよく会話していたというのに。わたしが困り果てていたとき、リナさんから電話があり、わたしはふたつの保険に入っていた、と教えてくれました。でもわたしが受け取った保険証券はひとつだけで、それも無理強いされたものだったのです。
わたしはリッポ銀行に配慮をお願いしたいと思います。本人がまったく知らないというのに保険に入れられ、掛け金が勝手に引き落とされていたということがどうして起こりうるのでしょうか?あの7百万ルピアは今のわたしにとってかけがえのないお金なのに、それを取り戻すすべは見当たりません。わたしはリッポ銀行ソロ支店に貯金し、AIGリッポ保険に加入したことを心から悔やんでいます。[ 西ジャカルタ市在住、トリ・ムリヤニンシ ]


「偽造書類でアメリカへ」(2005年12月28日)
アメリカへの入国を目的にしたビザとパスポートの偽造が増加している、と外務省スポークスマンが公表した。今年アメリカから、あるいはアメリカ入国前のトランジット国から偽造書類保有者が強制送還された事件は20件にのぼる。トランジット国としてはフィリピンのマニラが大部分を占めている。この種の事件の増加によってアメリカ政府は、従来からの出入国管理上の違反という見方から犯罪行為へと見解を変えており、今年4月19日にアメリカ合衆国ロサンゼルスで入国時に捕らえられたアグン・トリ・クンチョロはカリフォルニア州サンバナディノ刑務所に依然拘留されている。
この種の事件の増加に対して政府外務省は、パスポートとビザの偽造シンジケートの口車に乗って、偽造書類でアメリカに入国しようという考えは持たないように、と国民に呼びかけている。情報によれば、そのようなシンジケートは一件当たり3千万から3千5百万ルピアの報酬で、希望者に偽造書類を作ってくれる。かれらはアメリカ大使館でビザを得た他人のパスポートを手に入れ、写真をその希望者のものとすりかえる。アメリカ政府はこのようなアイデンティティ操作に厳罰で臨む方針を取っており、懲役4年、罰金2万5千ドルなどといったかなり重い刑罰が与えられるため、インドネシア国民はそのことを肝に銘じるように、と外務省は警告している。
インドネシアの経済状況を見るかぎり、より良い生活をアメリカに求めてこの種のリスクを冒す国民が後を絶たないであろうことが予想されるため、外務省はその対策に頭を痛めている。


「贋造医薬品がたくさん」(2005年12月28日)
食品薬品監督庁が市場で発見した贋造医薬品リストを今年も公表した。それらの医薬品は正式メーカーでない者が類似の名称や包装を用いて製造し、闇市場で販売しているもので、中には正規の薬品構成要素を薄めたり減らしたりしたものから、まったく薬効のない粉末だけが使われているもの、更にはかえって人体に有毒な成分が混入されているものまで、さまざまな内容になっている。
それらの贋造医薬品がいつまでたっても根絶されないのは、消費者がそのリスクを省みずに価格が安いという理由だけで購入するためであり、流通網を摘発することと併せて消費者への啓蒙をはかることが同庁の今後注力するべき対応とされている。しかし、一般消費者に医薬品が本物か贋造品かを見分けさせるのは至難の業とも言えるため同庁は、医薬品購入はいくら安くても闇市場で買わないようにし、常に出所の明らかな医薬品を扱っている薬局で購入するよう、消費者に呼びかけている。贋造される医薬品は、鎮痛剤、糖尿病薬、抗生物質などがメインを占め、糖尿病薬は単なるでんぷん粉末で作られ、抗生物質や鎮痛剤はきわめて低い効果しかもたらさない、といったものが多い。食品薬品監督庁が公表した贋造医薬品リストは下の通り。
2005年
Amoksanカプセル、Broadced、Cefat500カプセル、Clacef注射液、Daonil錠剤、Dextamin錠剤、EngerixBワクチン、Fansidar錠剤、Infanrixワクチン、Kailfoxin注射液、Mata Alami目薬、Ponstanカプレット、Taxegram注射液、 Triacef注射液
2004年
Cialis 20mg錠剤、Codein 10mg錠剤、Fenocin 125mg錠剤、Ponstanカプレット、Taxegram注射液、Viagra


「コンパス紙への投書から」(2005年12月28日)
拝啓、編集部殿。売り物をオファーする時だけ「あれをあげる、これをあげる」という甘い約束をし、それを売ったあといつまでたっても約束を果たさないニアガ銀行の不誠実なやり方にわたしはたいへん失望しています。2005年2月、西ジャカルタ市モールタマンアングレッで行われていたフェアでニアガ銀行のセールスマンが、いま教育貯金に3年間毎月20万ルピアを普通口座から振り替える契約をすれば、チンタポイントが5百点もらえます、とわたしにオファーしてきました。そのおまけポイントがとても大きかったので、わたしはその場で二人の子供の名前で教育貯金の加入契約をしました。4月にチンタポイントをチェックしたところ、なんと全然増えていないのです。
銀行に電話して問い合わせるとカスタマーサービス担当者は、データがないのでファックスしてくれと言います。ファックスしたあとまた電話して受け取ったかどうかを確認すると、確かに受け取ったので5月に処理します、という返事でした。5月、わたしは再びポイントのチェックをしました。ポイントを使って手に入れたい品物があったのです。ところが結果は失望だけ。こんどは別の担当者で、チェックするから一週間後に電話してくれと言われました。6月にもまだポイントは加算されていません。一体何が問題なのか、とカスタマーサービスに尋ねると、センターに連絡してあるのだけれど、まだ処理されておらず、プロセス中です、との返事。その後も毎月同じことが繰り返され、同じ返事を聞かされました。最後に問い合わせたのは11月18日で、また別の担当者が出て「今日処理します。終わったら電話しますから」と言ったきり、何の連絡もしてきません。
今現在、9ヶ月もたっていまだに処理が終わらないチンタポイントというのは、ニアガ銀行にとってどれほど難しい作業なのでしょうか?それともニアガ銀行は、商品を売るために、守る意思のない約束を大安売りしているのでしょうか?[ 中央ジャカルタ市在住、カルティナ・ジュナイディ ]


「コンパス紙への投書から」(2006年1月20日)
拝啓、編集部殿。わたしは2004年5月15日に南ジャカルタ市ガトッスブロト通りのムナラムリアにあるグラパリでハローカードを購入しました。わたしの個人データが求められたので、ジャカルタ住民を証明するKTPや、請求書送り先もジャカルタの会社宛てにするようすべて手続きしました。そのとき、ノモルチャンティッ(ビューティフルナンバー)を買わないかと勧められたので、わたしは疑念もなくそのひとつ0812 1111 XXXXを取りました。2005年11月になってわたしの友人が、わたしへの電話代がかさむことに不審を抱いた挙句、わたしの番号はボゴール地区のものだということを教えてくれました。そして他の友人たちも同じことをわたしに教えてくれました。
2005年12月2日、わたしは南ジャカルタ市ウィスマムリアのグラパリにこの問題を提起しました。するとカスタマーサービス担当者はいかにもあっさりと、番号を変えたらいいじゃないですか、と言うのです。そんなことが目的なら、わたしはわざわざテルコムセルの店まで来る必要はありません。テルコムセルは利用者に対して責任感を持つべきではありませんか?わたしの提出した個人データはすべてジャカルタ住民であることを示しているというのに、ボゴールの番号を使わせるようなことがどうして行われるのでしょうか?いったい、わたしにその事実を教えもしないで、どのくらいの金額をわたしとわたしの友人たちから吸い上げたのでしょう?7時から22時59分までの料金差は平均で148%になっています。損をさせられた利用者にちゃんとした対応すらしないテルコムセルのやり方にわたしはたいへん失望しています。
ノモルチャンティッを持っているテルコムセル利用者のみなさん、すぐにワルテルに行って番号の所在地を確認されるようお奨めします。オーナーに内緒で高めの電話料金を吸い上げる巨大企業の餌食になりませんように。[ 東ジャカルタ市在住、アフマッ ]


「コンパス紙への投書から」(2006年1月25日)
拝啓、編集部殿。わたしの夫はカルフルショッピングカードを3年程前から所有しています。カルフルはファイナンシング会社としてGEと提携しています。2005年3月19日、わたしはサムスンの29インチTVを買いました。5月にわたしは二度もカルフルに行って、請求金額を確認しました。そのときカルフルの担当者は、請求金額は12,660,000ルピアと436,669ルピア6回分だと言いました。同じ内容を二回言われたので、わたしは5月に12,660,000ルピアを支払いました。ところが9月にいきなりサムスン29インチTVの349,916ルピア11回分の請求書が来ました。それでわたしはカルフルに二度も行きましたが、満足の行く説明が得られません。
カルフルの説明がはっきりしないので、わたしはGEにコンタクトし、証憑をそろえて説明しました。GE側はわたしがサムスンTVを9月に買ったと理解しているのです。GE側はわたしの証憑のコピーを取りましたが、ミスがカルフル側にあるので、GEに対応が取れません。その間、今に至るも延滞罰金を含んだ請求書がどんどん当方に送られてきます。カルフル職員からも電話の督促が来ましたが、わたしの問題について何も知らないのです。実際カルフルはミスを犯しています。3月の支払いを9月になって請求したのですから。その間の6ヶ月、カルフルの担当者は何をしていたのでしょう。わたしが残高を尋ねたとき、正しい答えをはっきり言うべきではありませんか。
6ヶ月もしてからいきなりそんな大きい金額を請求されたら、わたしはたいへん困ります。わたしの夫はサラリーマンで事業家ではありませんので。そしてカルフル側はその前に、請求はないと言ったのですから。[ ブカシ在住、カダルティアシ ]


「出版社に受難の海賊版」(2006年1月25日)
書店や道端で販売されているベストセラー出版物の二冊に一冊は海賊版であることを業界者が明らかにした。インドネシア出版社会(IKAPI)のマクフッ・ウィルヤ・アトマジャ会長はジャカルタで開かれている著作権に関するセミナーで、出版物の不法複製行為について報告した。インドネシアでは年間1万タイトルの書籍が出版されており、そのうち5〜10%がベストセラーになる。すると類似の装丁が施された不法複製ものが市場に出てくる。オリジナルのものより安い価格で卸されるために、道端の商人や地方部の書店などにも海賊版が流される。地方部へ書籍を発送する流通業者にも海賊版が入り込み、オリジナルと海賊版が混ぜられて発送される。仕入れ値の安い海賊版をオリジナル価格で売れば、中間業者の利益は大きくなる。
テキストに使われる外国書籍も、不法複製行為のおいしいターゲットだ。テキストのオリジナルが市場に出てからおよそ一週間後には、海賊版も市場に出回る。このようなことが続けば、優秀な作品を著述する者の出版に対する熱意が封殺されてしまい、インドネシアの書籍文化は成育しない。IKAPIはありとあらゆる手を使って不法複製書籍の撲滅を図っているが、成功のきざしは少しも見られない。都内で海賊版書籍が多いのはパサルスネンやパサルミングーなどだが、パサルスネンで手入れを行う都度10〜20タイトルの海賊版が見つかる。同会長はそのように状況を説明している。


「携帯電話バウチャービジネス詐欺」(2006年1月27日)
アンチ資本主義の最右翼にいるイスラム。篤信なる宗教社会を標榜しているこの世界最大のイスラム人口を擁するインドネシアの民の素顔は、意外なほど資本主義者。汗水たらして働くことより、自分は働かないで自分の財を働かせ、そこから得られる収入を享受するのがインドネシア風理想的人生。だから儲かることへの投資にはきわめてアグレッシブで、大きく儲かるという話にはすぐ乗ってくる。必要な金は借金してでもかき集めてくるという積極性には目を瞠るものがある。だがハイリスクハイリターンは世の常で、いつも、誰にでも、必ず、大きく儲かる話はたいてい眉唾であり、よくても投機、下手をすれば詐欺ということに相場が決まっている。おかげで投機に失敗し、詐欺で騙される人が後を絶たない。権力者がたとえそんな目にあっても、たいていパワーを使って元を取り返すから、そのしわ寄せまでが小市民である庶民にかぶせられ、泣きの涙で泣き寝入りするのがかれらという図式はもう何十年も変化なし。
だからインドネシアでねずみ講ビジネスは大隆盛だし、巨額のリターンを約束してアグロビジネスだの、中国のマンション投資だのの金集めをすると、瞬く間に大金が転がり込んでくる。そんな中で、携帯電話度数買い足しバウチャービジネスに50億ルピア以上の金を注ぎ込んですっからかんになった人がいる。金をせしめた側は、もともと実体のない詐欺まがいの架空ビジネスにハイリターンをうたって投資を誘っただけのことだったが、それは欲に駆られる人間の姿が露わに映し出された事件でもあった。
リー・ハンポウ、33歳。別名パパウ。ロキシーの3階に店を張り、開店日には国家警察犯罪捜査庁、バクリブラザーズ、ビマンタラなどの名前が入った花輪が店の表を飾った。かれは資金力有る携帯電話ビジネスマンとしての顔をそこに誇示し、周辺の店主たちからの借金に応じていた。このパパウが口コミでバウチャービジネスへの投資を誘っていることを耳にしたウィウィッが、話を聞きにやってきた。パパウが話した条件はこうだった。
1億5百万ルピアの投資をすると、それは15万ルピア相当バウチャー700枚に相当する。それをバウチャーの形で在庫を持ち、売り歩く必要はない。現金の形で利益を回収するだけでよい。パパウがウィウィッにオファーした利益は、バウチャー一枚につき800ルピア。知り合いやコネがからんでくると、パパウは一枚1,500から2,000ルピアの利益を与えたそうだが、ウィウィッに与えられた利益額は一般レベル。契約は一ヶ月と三ヶ月の二種類あり、三ヶ月契約を選んだウィウィッは、2005年1月1日に1億5百万ルピアを投資し、2月2日に利益として1,344万ルピアを手に入れた。3月2日、4月2日と利益を手に入れたが、契約期限切れの4月2日に投資金額をもう一回転させないかとオファーされ、投資金額をもっと増やしたらどうか、とささやかれた。希望者がいっぱいいて競争が激しくなっており、利益の食い合いになっている、と言うのだ。「資金集めは、あんたの知り合い友人を誘えばいい。あんたの受け取る利益の一部を回してやって、チェーン式に金を集めればいい。」パパウにそう言われた投資家たちは競って子や孫投資家を募り、資金を集めてパパウに提出した。投資額はウィウィッのような50億ルピアから、多いのは百数十億に上った人もいる。
投資リターンの算出方式は700X24X800というもの。バウチャー700枚に24稼働日を掛け、そして1枚800ルピアの利益がそれに掛けられている。ところが実際にバウチャービジネスなどどこにも存在せず、投資家がもらった投資利益とは自分の投資元本の一部だったことが明らかになった。そのため、自分の元本をさっさと引き上げた人は元利が取れて得をしたが、後になった人は元本すら回収できなくなり、恨み骨髄に達して警察の出番となる。パパウは取調べに対して総額で7百億ルピアを集めたと自供したが、2千億以上は絶対にある、とウィウィッは確信している。かの女が把握している投資家たちの投資金額はひとり50億から150億の間なので、人数から言って7百億は小さすぎるということらしい。パパウによれば、この事件のからくりを作って動かせた舞台裏の人間がおり、自分もそいつに踊らされたと語っている。パパウがそのからくりを投資家たちに洗いざらいぶちまけたのは、どうやらその黒幕との仲たがいのせいだったようだ。その黒幕はまだ逃走中で、警察に逮捕されていない。


「コンパス紙への投書から」(2006年1月27日)
拝啓、編集部殿。2005年8月末、わたしはバンドンのリンカルスラタン・モールへ行きました。マトリクスのスタンドがあり、そこのセールスがわたしに無料イニシャルカードを勧めます。そしてわたしがKK(家族登録書)のフォトコピーをインドサットギャラリーへ持って行けば、すぐアクティブになると言いました。でもわたしはその後一度もKKをインドサットギャラリーに提出していません。ところが9月中旬にインドサットの人がわたしの家にやってきて、わたしがもらったカードをアクティブにしたいか、と尋ねます。わたしが、したくないと答えると、その返事をメモして帰って行きました。9月末にわたし宛にインドサットから請求書が来ました。内容はマトリクスの請求で、すぐに支払うよう要求しています。わたしはすぐにマトリクスのカスタマーサービスに電話し、翌日インドサットギャラリーを訪れで苦情しました。担当者は数日中にわたしにコンタクトすると言いました。ところがもう何ヶ月もたつのに、いまだにインドサットのだれもわたしにコンタクトしてきません。11月はじめにはまたインドサットから請求書が送られてきました。インドサットは受けた苦情を無視するようですね。[ バンドン在住、シンティヤ・デフィ ]


「コンパス紙への投書から」(2006年1月30日)
拝啓、編集部殿。2006年1月2日、シティバンククレジットカードからわたし宛に2,431,743ルピアの請求が来ました。これは大晦日の夜、ジャカルタのリッツカールトンホテルに宿泊した料金とのことですが、わたしが宿泊した事実はありません。2005年12月13日、わたしが秘書に大晦日の一泊を予約するよう頼んだのは本当です。そのとき支払保証としてわたしの秘書がわたしのクレジットカード番号をホテル側に告げたのも事実です。しかしホテル側はわたしに、大晦日だからという理由で現金を前払いするよう命じました。支払期限は12月15日で、それを超えると罰金を科すというようなことは何一つ言いませんでした。結局わたしはそのホテルに宿泊しないことにし、それを伝えるために電話を何度か入れましたが、通話中ばかりでつながりません。それで、それ以上の努力はやめてしまいました。ところがなんと、わたしのクレジットカードから、宿泊してもいない宿泊料金が引き落とされたのです。わたしはその件についてホテル側に電話しました。すると「お客様は当方に連絡されなかったので、当方はすぐにチェックインを行い、お客様のクレジットカードから引き落としました。」と言ってくれます。
クレジットカードのオーナーの同意もなしに、そのようなことが行えるのでしょうか?そしてもし本当にその夜、わたしのために部屋が用意されていたのであれば、どうしてホテル側はわたしに何の連絡もしてこなかったのでしょうか。わたしの電話番号は携帯電話もオフィスの電話もホテル側に通知してあったというのに。[ 西ジャカルタ市在住、アンドレ・ウィダルト ]


「コンパス紙への投書から」(2006年2月2日)
拝啓、編集部殿。2005年12月10日、わたしはタングランのカラワチリッポスーパーモールにあるエレクトロニックシティでキャノンのデジタルカメラを買いました。決して安い買い物ではありませんでしたが、時間ももう夜遅くなっており、子供がむずかって泣き通しだったために、買ったものの状態や保証書の内容をあまりよく確かめることができませんでした。
エレクトロニックシティでは、陳列品(サンプル)を品定めしてからキャッシャーで先にお金を払い、そのあとで倉庫から出してきた商品を渡される仕組みになっています。そのときわたしは商品を受け取るのに長い時間待たされました。他のお客の中には、いつまでたっても商品を持ってこないために怒り出した人もいました。家に帰ってから買った商品を調べて驚きました。わたしの名前なぞどこにも書かなかったというのに、保証書には名前が書き込まれており、しかもその名前はわたしのまったく知らない人の名前です。カメラの製造番号は正しい番号が記載されていて、購入日は2005年11月7日となっています。わたしは欺かれた思いでがっかりしました。翌日わたしは、そこに記された名前の人に電話してみました。その人は、そのカメラのLCDがかすれていたので別のカメラと交換したことを話してくれました。それでわたしは、善処してもらうよう依頼するために再びエレクトロニックシティを訪れましたが、その売り場のスーパーバイザーは、そのカメラが新品であり、封印もされているとあれこれ言い立てて、わたしに何の問題も無いことを確信させようとするのです。封印されていた商品の保証書にどうやって誰かの名前が書き込めるのでしょうか。おまけに封印はエレクトロニックシティのものであり、キャノンの封印ではありません。わたしは、他人が交換した不良品ではなく、新品を渡すよう言い張り、もしそれができないならこの購入はキャンセルするよう言いました。
結局、ややこしい手続きをさせられ、長い時間待たされて、やっとのことで購入キャンセルができました。ところがお金は、その日から14日後に、わたしのBCAカードの口座に振り込まれるというのです。買い物をしたら、買ったものをその場で徹底的に調べないと、とんでもない目に会いかねません。[ タングラン在住、ヤンナ・グナワン ]


「コンパス紙への投書から」(2006年2月7日)
拝啓、編集部殿。2005年5月23日、いったいどこからわたしの携帯電話番号を入手したのか知りませんが、Vツアー&トラベルがわたしにコンタクトしてきました。そこの会員になると、国内航空券の購入に特別割引が与えられ、またどの航空会社でも必ず席が取れるというので、わたしは99万4千ルピアを払って会員番号841番になりました。その恩典は、わたしの家族や友人にも使えると言うのです。
2005年8月2日、わたしはメダンに翌日行かなければならなくなり、Vツアー&トラベルにコンタクトしました。電話はかけてもかけても話中で、たいへんな時間とエネルギーを浪費しながらわたしはやっとのことでコンタクトすることができました。ところがメダン行きのフライトはすべての便で満席だからという理由で、切符は手に入りません。ところが他の旅行代理店に聞いてみたら、簡単に切符が買えたのです。8月10日にわたしはファックスでVツアー&トラベルに苦情を入れました。すると電話が来て、次回はフルアテンションでお手伝いすると担当者が言うのです。ところが9月1日にわたしの兄弟のために翌日のフライトを注文しましたが、結果は不首尾。
2005年10月5日にわたしと四人のチームがマノクワリに出張することになったので、一週間前にVツアー&トラベルに切符を注文しました。席が取れない、とさんざん気をもまされたあげく、最終的にムルパティの切符がひとり182万7千ルピアで手に入りました。Vツアー&トラベル担当者は、その価格は特別な大幅割引の結果だと言いました。10月22日、わたしとチーム一行はマノクワリからジャカルタへ戻るために現地で航空券を買ったところ、価格はなんと182万7千ルピアでした。Vツアー&トラベルが言った大幅割引とはいったい何だったのでしょうか?結局Vツアー&トラベルの会員になっても、何の役にもたたなかったどころか、失望ばかり味わわされました。皆さんも、この種の勧誘には気をつけたほうがいいですよ。[ 東ジャカルタ市在住、スラメッ・シララヒ ]


「コンパス紙への投書から」(2006年2月8日)
拝啓、編集部殿。2005年10月4日午前10時ごろ、それは起こりました。そのときPLNの電力利用取締り職員(P2TL)が当方の住居を訪れ、客としての礼儀も示さずにいきなり電力メーターを開いたのです。そして、メーターの中にジャンパーケーブルが見つかったので、当方はこれまで不正利用をしていた、とその職員は難じました。そのときたまたま在宅していた母に対し、報告書に証人として無理やりサインさせました。その事件で当方は7百万ルピアの罰金を科され、電力メーターを交換するとして送電を止められ、クバヨランのPLNで必要な手続きを完了させるようせかされました。
当方の疑問はまず、PLN職員は利用者の住居に入るときの礼儀を無用としているのでしょうか?そして利用者が立ち会っていない電力メーターの検査が、検査手続きとして正当化されるのでしょうか?クバヨランPLN事務所での手続きで、わたしはその場で罰金請求書を与えられましたが、電力メーターは証拠品としてPLN職員が持って行ってしまったので、反証明の機会はまったくありません。
当方の隣人宅でも、PLN職員が電力メーターの検査を行ったあと、封印をしないで帰りました。これは後日やってきた職員が不正利用を行ったと難じるための伏線かもしれません。封印を壊したり開いたりしたら違反になるのではなかったでしょうか?PLN職員が封印をそのようにした場合はどうなるのでしょうか?利用者に自己弁護の機会が与えられるのでしょうか?
PLNのP2TL職員は、電力メーターを交換したあとは絶対にこれまでの請求よりも金額が跳ね上がる、と言いましたが、11月分の請求(12月支払い)もこれまでの請求金額と似たり寄ったりです。つまり、PLN職員のジャンパー使用摘発が本当だったと証明されなかったわけです。しかし当方はすでにPLNに罰金を払ってしまっており、いまさらどうにもなりません。この事件はPLN(P2TL)職員がわたしから罰金をまきあげるためのでっち上げ行為だったということをそれは意味しているのです。
わたしはPLN利用者に忠告します。PLN職員が家にやってきたら、その者の行動を逐一見張るようにすることです。嘘の罠に陥れられ、罰金を食らわせられて搾取されることのないように。利用者は必ず弱い立場に置かれます。検査報告書に証人としてサインを強要され、すぐに送電を止められてしまうのですから。赤字だと言うPLNが収入をかき集めるやり方がこれなのですか?どんなやり方でも正当化して?PLN経営者の注意を求めます。[ 南ジャカルタ在住、サッ・スパルマデイ ]


「また口入詐欺」(2006年2月9日)
中部ジャワ州トゥマングン警察が、北スラウェシ州マナドでオフショー石油採掘をしているPT Unocal に仕事を世話してやると言ってひとりあたり100万ルピアを手に入れていた35歳の男を逮捕した。
この詐欺師トゥグ・サントソはチラチャッ出身で、犯行は2006年1月から開始し、およそ3百人がその被害者になっていた。犯行が明らかになったのは、トゥグがトゥマングンの職業訓練センター所長にアプローチして広範に犯行を行う計画の中にかれを巻き込もうとしたさい、所長はそれに不審を抱いて話しに乗るのをやめ、またPT ウノカルはシェヴロン社とのジョイントオペレーションに切り替えたので、ウノカルの採掘事業は行われていないという情報がそこに加わったため、警察にこの話が伝えられ、警察の捜査が始まったもの。トゥグは希望者から登録費とマナドの宿泊費だとしてひとり100万ルピアを払わせていた。またジョクジャ発マナド行きの航空券とマナドの宿泊施設の予約を3百人分注文していたが、支払いは1ルピアもなされていない。
2005年にマスコミ沙汰になった口入詐欺としては、12月に国会議事堂で働く公務員になれるとして89人からひとり数百から数千万ルピアを集めていた事件、「国会議事堂を舞台に、口入詐欺」(2005年12月22日)参照。
4月にボゴールでPTインドフード工場で働けると言って、30人から金を集めた事件、2月には日本で働けるとして87人からひとり5百万ルピアを集めていた事件、またタングランで8千人からひとり10万ルピアを集めていた事件などが報道されている。
金あるいは縁故が従業員採用の決定要因となっているのが常識のインドネシアであるがゆえに、口入詐欺犯罪はこれからもまだまだ続けられるに違いない。


「コンパス紙への投書から」(2006年2月9日)
拝啓、編集部殿。わたしはサテリンドのマトリクス利用者です。月次の請求書に2,194,145ルピアと記されているのを見て、わたしはショックを受けました。そのうちの1,937,328ルピアは国際ローマ−・グループ3ゾーン7の請求になっています。わたしはその時期、東アジアに行っており、確かに何度もジャカルタから電話を受けていますが、自分からは一度も電話をかけていません。受けた電話も早く切るようにしていましたので、長話はひとつもありません。なのに、自分の登録エリアの外で電話を受けただけで、かけた者よりも高いチャージが請求されるのはいったいどういうことなのでしょうか?わたしはもちろんその請求に対し、満額の支払いをしましたが、だからといってわたしがそれを納得して行ったということにはなりません。低コスト国際ローミングの宣伝を頻繁に行っているマトリクスに対して、利用者が増加するよう、この問題への関心を要請します。[ 西ジャカルタ市在住、ヨン・チュイガン ]


「コンパス紙への投書から」(2006年2月20日)
拝啓、編集部殿。わたしはリンタスツアーズ・エグゼキュティブクラブのメンバーです。電話による同クラブのセールスチームに騙されたと感じています。説明によれば、同クラブのメンバーは最初に89万ルピアを払えば、10年間有効な会員カードをもらえ、その間の追加チャージは何もないということでした。わたしがその金額を払ってメンバーになり、会員カードをもらったとき、そのカードの有効期限は一年間と記されていたのです。わたしがその点を問い合わせると、カードには一年間としか書かれていないが、延長するとき新しいカードが届き、それは無料で行われると説明されました。それから一年たち、カードの期限が来た時、わたしは再びかれらの説明を聞かされました。5年間の延長が69万ルピアでできると言うのです。
リンタスツアーズの会員カード販売が希望者を欺いて行われていることにわたしは大変失望しました。10年間89万ルピアだと言いながら、実際には1年しか有効ではないのですから。クレジットカードを持っている人は、いつの日かリンタスツアーズあるいは同種の会社から勧誘を電話で受けると思いますが、騙されないように十分注意してください。電話だけを使って行われるマーケティングなので、かれらがどのような説明をしたのかという証拠は何も残りません。もしメンバーになろうと思う人は後日のために黒白のはっきりした証拠を残しておくよう、お奨めします。[ ボゴール在住、エリ・ヘラワティ ]


「コンパス紙への投書から」(2006年2月24日)
拝啓、編集部殿。2005年12月23日、わたしはオティスタ3地区にテルコムスピーディ用の回線が通っているかどうか尋ねるために、プルンプンにあるテルコム東ジャカルタ支店に行きました。カスタマーサービス担当者は、あると言いました。それでわたしはその場で、その担当者の言う条件に従って申し込みを行い、150万ルピアを払い込みました。4ポートモデムの購入が140万ルピア、そして特急接続料金10万ルピアという内訳です。ところがわたしは、テルコムにダブルで騙されたのです。
2005年12月26日、モデムを取り付けにきた下請けの職員がモデム購入インボイスをくれましたが、そこに書かれているのは130万ルピアであり、テルコムに支払った140万ルピアではありません。おまけにモデムを取り付けて以来今日まで、わたしのスピーディ番号は何一つインターネットサイトにアクセスできません。それが、わたしが騙された二つ目なのです。全然使えないのなら、わたしの番号は取り消してください。[ 東ジャカルタ在住、シンタ・デウィ ]


「海賊医薬品の流通は隆盛の一途」(2006年2月28日)
ジャカルタで海賊医薬品がますます横行している。正しい原料を用いて正しい工程で作られ、正しい監督機関のお墨付きをもらって、まだ有効期限内にあるものを正規医薬品とすれば、正しくない原料を用いて作られたもの、あるいは正しい原料だが薄められているもの、工程で手抜きをされたもの、監督機関のお墨付きをもらっていないもの、あるいはお墨付きをもらったものを偽称するもの、有効期限を過ぎたのにその表示を書き換えて期限内のように偽装しているもの、そしてそれらのありとあらゆる組み合わせが、大量の海賊医薬品の中味をなしている。
都内東ジャカルタ市のプラムカ市場や南ジャカルタ市のブロッケム市場へ行けば、そんな海賊医薬品が廉価で手に入る。インドネシアでは、そんな偽薬を十把一からげにせず、品質に応じて一級から三級まで等級をつけている。飲んでも利かないか、あるいは身体に危険を及ぼすようなものはきっと三級品なのだろう。そのようなものですら需要があり、売れているからこそ、等級が付けられているにちがいない。作られる時点で品質が正当でないものとは別に、正しく作られ、監督機関の検査をパスしているのに流通段階で有効期限を過ぎてしまったものは、そこにプリントされた日付がこすり落とされ、その上に別の日付がプリントされる。偽薬の世界ではそれをketok magic と呼んでいる。ketok magic とはオカルト自動車板金修理屋の一般名称だ。
海賊対象となる医薬品は錠剤から注射液にまで渡り、G群(劇薬)にいたるまで例外ではない。一番多く出回っている海賊医薬品は世の中で需要が大きい薬であり、それは何かといえば、糖尿病、喘息、高血圧の薬だ。プラムカ市場を監督している食品薬品監督院担当者によれば、2〜8℃で保管されるべきワクチンを市場の商人は冷蔵庫で保管している、とのこと。パキスタン製喘息薬をオーストラリア製だと客に嘘をついて販売し、有効期限のスタンプを消してしまっている。価格は正常なものに比べてはるかに安い。市場内に売り場を持っているある商人は、劇薬を誰にでも販売している。「客がどうしても売ってくれと言うので仕方なく売っているが、それを禁止されれば店はつぶれてしまう。」かれはそう言う。劇薬でなくとも、一般販売が禁止されている医薬品が、それらの場所へ行けば自由に手に入るのだ。そのような薬の売買のさい、売り手はこう言う。「あなたがこの薬のことをよくわかっているなら、売ってあげる。そのかわり、なにかが起こってもこっちに責任はないからね。」
プラムカ市場内で医薬品を扱っている売り場はおよそ5百ヶ所あり、その70%は正規の医薬品販売許可を持っていない。かれらはもう15年以上もそんな状態のまま、その商売を続けてきた。そんな商人のところに、医者の処方箋を持って客が薬を求めに来る。監督院担当者は、薬剤師のいる薬局で薬を買わず、安いからというだけでそのような市場で処方箋の薬を調達するのはきわめて危険であり、もし何か事故が起こっても責任を取れる者がだれもいない、と警鐘を鳴らしている。監督院担当者がひとりで市場を回って違反を発見しても、その場で違反者に何かできるというものではない。ひとつ間違えば、その担当者の身の方が危なくなってくる。手入れを行う場合には、警察や市場管理者などを巻き込んで、大勢で実施しなければならないが、そんな手入れを実施しょうとしても、その日は商人たちがそろって店を休みにしてしまうため、効果があがらないのが実態だ。


「巧妙なクレジットカード犯罪」(2006年3月3日)
ジャカルタに住む20歳の青年リド・クルニアワン・グスタムが、四つの銀行を手玉にとって4千6百万ルピア相当の金品を横領した。香港上海銀行(HSBC)のクレジットカード利用者募集を下請けしている会社PTビナジャサスンベルサラナで働いたことが、リドに犯罪のヒントを与えたようだ。かれはそこでマーケティングの仕事を与えられ、そのときにクレジットカード申請手続きのプロセスをマスターした。そしてまた、どうやればマーケティングの業績が上がるかということも。つまりかれはプロスペクト顧客にアプローチすると、今カード利用者になれば維持費が一年間免除されると吹聴して多数の申し込みを集めたのだ。だが実際に、そんな恩典を与えるような話は、会社のどこからも出ていなかった。要するにかれは客を騙して申込書にサインさせていたということであり、「コンパス紙への投書から」を読んでも、そんな方法で自分の業績を上げるセールスマンは少数派ではないような印象を受ける。
ビジネステクニックを習得したかれは、ダナモン銀行のクレジットカードマーケティング下請け会社にもパートタイムで加わるようになった。HSBCの申し込みをした客のデータを使ってかれは、ダナモン銀行クレジットカードのブロッケムプラザマーケティングスタンドやモールアンバサドルのマーケティングスタンドに申込書を提出して自分の業績をあげた。そんな中から適当に申し込みをピックアップすると、かれは住所と電話番号を自分のものに書き換えてカードの作成を申請した。作られたクレジットカードはかれの住所に送られてくる。かれはそのクレジットカードを使って、ポンドッキンダモールやITCロキシーマス、あるいはカルフルなどで買い物し、またキャッシュを手に入れた。サインは客が申請書に書いたものを偽造している。その申請者本人は、銀行側が自分の申請を却下したのだろうと思って、その後どうなったかをあまり深く追究していない。またリドは適当なタイミングで引越しを繰り返し、転居先などは何も残していないために、銀行も未払いのクレジットを回収するのに苦慮していた。
リドはそのようなやり方で、HSBC、メガ銀行、GEファイナンス、ANZ銀行の四ヶ所に他人名義のクレジット口座を作り、総額4千6百万ルピアを手に入れていた。かれはまた、手に入れた金を使ってバリ島クタ海岸で豪遊していた。


「コンパス紙への投書から」(2006年3月6日)
拝啓、編集部殿。2006年1月23日、身分証明書を持ち、PLN職員だと名乗る人がわが家に来ました。その人は黄色いカードを示し、わが家の電力メーターを調べると言うのです。そのときわが家には小学生と中学生の子供とプンバントゥしかいませんでした。わたしたち夫婦は働いているのです。その職員はずいずいと家の中に入り込み、一階と二階の部屋を全部開けさせて家の中にある電気器具を数えました。そのあとその職員は子供たちとプンバントゥに、家の表にある電力メーターを見ているように言い、電気がショートしている場所があるかもしれないからチェックすると言って、自分はまた家の中に入り、二階の寝室に向かいました。プンバントゥがその行動に苦情すると、一体何なのかよくわからない黄色いカードを示して、プンバントゥに怒るのです。 その人が立ち去ったあと、二階の寝室に置いてあった携帯電話が紛失しており、その人は偽PLN職員だったことが判明しました。立ち去る時、その人はホンダスプラフィットを運転して慌しくわが家を後にしました。服装はブルーの制服で、上にジャケットを着ていました。読者のみなさん、PLN、テルコム、水道会社など公共サービス職員だと名乗る人間には警戒しなければなりません。地元隣組役員の付き添いなしに家の中に入れるようなことをしては絶対いけません。電力メーターや水道メーターの検針は、数字を書いて家の表の目に付く場所に掲示し、職員が家の敷地内に入らないようにするのです。それでもチェックしたいからと言ってどうしても家の中に入ろうとするなら、地元隣組長の家に行って付き添ってもらうよう依頼させるのです。[ 東ジャカルタ在住、ロシダ・ロスマンシャ ]


「コンパス紙への投書から」(2006年3月8日)
拝啓、編集部殿。2005年11月、わたしと家族はバリでの休日を計画しました。エアーエイシアのゴーホリデイが安いパッケージをオファーしているので、インターネット決済を行いました。このパッケージのオーダーはインターネット経由でなければ受け付けられないのです。2005年11月3日と4日、わたしはインターネットでアクセスし、ビザもしくはマスターカードでの支払いという条件なので、わたしのHSBC銀行ビザカードの番号を入力しました。ところがそのとき、ゴーホリデイ側のネットワークが故障してheavy traffic and system errorと表示され、決済ができなくなりました。先方からは、決済がなされなかったためにわたしのビザカードへのチャージは何もないとのコメントが来ました。ところがなんと驚いたことに、わたしのビザカード11月請求分のビリングステートメントを見ると、ゴーホリデイからの請求が二件も入っているのです。パッケージツアーの料金は2,643,220ルピアだったので、5,284,440ルピアがわたしにチャージされているのです。
わたしはエアーエイシアとゴーホリデイにEメールでコンタクトし、先方は一ヶ月以内にHSBCのわたしの口座にリファンドすると約束してくれましたが、ゴーホリデイからのリファンドはいまだに実行されていません。ゴーホリデイあるいはエアーエイシアが早急にこの問題を解決するよう要請します。[ ブカシ在住、ナタリア・ミア・メイラニ ]


「コンパス紙への投書から」(2006年3月9日)
拝啓、編集部殿。わたしは15年前からシティバンククレジットカードの利用者で、いつも期限までにきちんきちんと決済を行っています。2004年2月、わたしのカードが偽造され、ジャワでたくさん使われました。シティバンクが調査した結果、金利や諸チャージを含む340万ルピアというクレジット残高が残りました。クレジット残高は小さくなりましたが、それはあくまでわたしが使ったものではありません。にもかかわらず、シティバンク側はわたしにその支払いを強要したのです。 わたしはこの問題を解決するために、シティバンクに何度も電話しました。わたしは被害を受けた側なのです。しかし銀行のカスタマーサービスや他の部門の担当者は、わたしの苦情を聞いてくれるだけなのです。銀行としては、忠実な顧客であるわたしの権利を一顧だにしません。プロフェッショナルで大規模な外国銀行であるシティバンクは、わたしのアカウント履歴を分析できるはずです。未払いを起こしたようなことが一度たりともあったでしょうか?ただの一度もありはしません。おまけにシティバンクは、わたしに支払えと言っている金額のセールススリップをわたしに提示できないのです。証拠もないのにわたしに支払うよう何度も命じるのは、侮蔑以外の何ものでもありません。
わたしはこの問題を早急に解決するよう、シティバンクにお願いします。わたしはこれまでの対応にたいへん失望しており、またとても迷惑に感じています。[ ジャカルタ在住、エフィ・ムリヤ ]


「コンパス紙への投書から」(2006年3月10日)
拝啓、編集部殿。わたしはBNI銀行のクレジットカード利用者です。カードを作るとき、BNIの担当者が「プリサイプラスに加入しませんか?」と尋ね、それの加入者に与えられる特典を事細かに説明しました。その説明の中で、病院で治療を受けた際にその医療補償が与えられるということにわたしは興味を引かれました。プリサイブラス保険側(つまりBNI銀行)がその領収書の金額を払い戻してくれるというのです。
2005年4月、わたしは交通事故にあい、病院で治療を受けることになりました。そうしてその後、理解しがたい奇妙な展開となるのです。病院で入院中も、2005年11月に退院してからも、BNI銀行は未払いクレジット残高3,070,964ルピアおよびプリサイプラス掛け金9,185ルピアの支払いをリマインドするために、何度もわたしに電話をかけてきました。わたしは全快した後、プリサイプラスの保険求償を行う前に、BNI銀行に問い合わせました。するとジャカルタの(021)369xxx番に直接問い合わせるようにとの返事です。そしてジャカルタのBNIに電話すると、わたしのプリサイプラスはもう無効になっていると言うのです。求償クレームをするときには無効だというのであれば、どうしてその掛け金を徴収するのでしょうか?これはBNI銀行が金儲けをするための手段なのでしょうか?
もしBNI銀行のクレジットカード顧客が百万人いて、みんながプリサイプラスに加入し、平均ひとりひと月5千ルピアを納めていたら、BNIの金庫に毎月50億ルピアの収入が出費なしに入るということです。顧客として損害を蒙らず、公明正大に解決プロセスが行われるようにするためには、この問題をいったいどこに訴えたらいいのでしょうか?[ パダン在住、ヌルバフリ・ジョンリ ]


「コンパス紙への投書から」(2006年3月13日)
拝啓、編集部殿。わたしは故人ヨハネスTHの妻で、クレジットエカライフ生命保険の証券を持っています。夫は2005年2月26日にガンで死去しました。その一週間後、わたしはジャカルタのエカライフ・マンガドゥア店に保険金請求クレームを起こしました。担当者は必要な条件が満たされるかどうか次第で、早くて一ヶ月、遅くて二ヵ月後にはプロセスが終わると言いました。2005年3月17日、保険会社が要求する条件をわたしはすべて満たしました。ところがクレーム手続きが終わったのは2005年9月18日で、その間301万5千ルピアというとても高い掛け金が毎月請求されたのです。わたしは、中学生と高校生の三人の子供を抱えたただの家庭の主婦です。クレーム処理の間、保険会社の人は9人ものスタッフや重役がこの件を取り扱いました。そのうち4人はわたしのクレーム審査を担当しているとき休暇を取っていました。その後、別の担当に取り扱いが移ったとき、その担当者は重役のひとりがサインすれば処理は終わるが、休暇中なので、という話をしてくれました。ところがその後、別のスタッフから、わたしのクレームが却下されたと知らされました。
しかし証券の裏側には、被保険者が有効期間中に死亡した場合、保険会社はその相続人宛ての保険金支払いを保証する旨記されているのです。故人は保険金を満額支払い済みでした。結局保険会社はわたしに交渉をしかけ、保険金の50%で諒承するよう求めました。ところがクレーム却下の書類には重役のサインはなく、また50%支払いを諒承する手紙もいまだに送られてきません。国際レベルの生命保険会社エカライフの保険金求償クレーム手続きは、このようなものなのでしょうか?クレーム審査に6ヶ月もかけ、人をピンポン玉のように扱って?!
わたしにはもうその巨額な掛け金を納める能力がありません。関係当局は、わたしのクレーム請求と保険金50%支払いの合意を矯正するよう、見直しを行ってほしいと思います。[ デポッ在住、エンダン・ウィダルシ ]


「ふたたび自動車レンタル詐欺」(2006年3月14日)
マイカーのオーナーに儲け話を吹き込み、かれらから委託された自動車を質入したり売り払っていた会社を被害者たちが警察に訴えた。訴えられたのは南ジャカルタ市チランダッのピナンラヤ通りを住所とするPT Mandiri Muda Indonesia の代表取締役ダフィッ・ヨハネス・ランベル、監査役ウントゥン・プルビアント、その他関係者十人。
ダフィッは2000年から自動車レンタルビジネスを始め、設立した会社に自動車を委託させてそれをレンタルし、オーナーには投資リターンとしてレンタル料を支払っていた。オーナーが受け取る金額は車種と年式によって異なっている。今、カーレンタルはたいへん儲かるビジネスになっており、頭金さえあれば新車購入ローンを組んで、手に入れた自動車を即レンタルする。毎月入ってくるレンタル料でローン返済ができ、三年経てばその車が自分のものになる。だからいまレンタカー投資は、庶民にたいそう人気のある金儲けになっている。
PT MMIのレンタルビジネスは2003年から急激な伸びを示し、15の子会社が委託された自動車8百台のレンタルビジネスを行うという繁盛となった。だがそれは、自動車を委託したオーナーたちの目に映っていたPT MMIの姿であり、実体と異なる虚像でしかなかったのである。PT MMIは大手の新聞に広告を載せてレンタカービジネスへの自動車委託者を募り、また口コミで個人オーナーや客のあまりついていない同業者に働きかけて自動車を委託させるように仕向けていた。ひとりで1台だけ委託した投資家もいれば、最高はひとり60台を委託した投資家もいる。
ある投資家はキジャンLGX2台、アバンザ2台、バレノ2台を委託した。2004年製キジャンのレンタル料は月450万ルピア、2003年製キジャンは月430万ルピア、アバンザとバレノは340万ルピアという約束だったが、MMI社は、その金をある国有事業体へのレンタルに新車買い替えが必要だったのでその資金に回したと説明し、投資家にはそのローン返済が終わるまで待つようにと説得した。別の投資家はキジャンLGX1台を月レンタル料380万ルピアという約束で委託した。2006年1月に最初の支払いが約束通りなされたが、2月から支払い滞納が始まった。
ところでMMI社はいったい何をしていたのかというと、委託された車を1台3〜5千万ルピアで無期限レンタルし、あるいは質入を行っっていたのだ。各投資家には数回約束通り支払いを行い、その後はさまざまな理由をつけてレンタル料を滞納している。そのようにして350人から8百台の自動車を集め、まとまった金をもらって無期限レンタルしたりあるいは質入するというビジネスを行っていたため、MMI社や子会社の従業員あるいは自動車レンタルを受けた側の目には、MMI社は抵当品処分サービス会社と映っていたのだ。ころあい良しと見て社長のダフィッをはじめキーパースンたちが姿をくらましたことから、被害者たちが警察に訴え出たもの。
この種の詐欺は携帯電話度数買い足しバウチャービジネスでもよく行われており、いずれも一般庶民に大儲けする夢を吹き込み、投資をさせて最初は話し通りのリターンを与え、その後はうやむやにして集めた金を持ってドロンするという手口が瓜二つ。金儲けを夢見て大枚をはたき、結局騙されて庶民が大損をするという詐欺事件が後を絶たないのは、毎年天災に襲われて何百人もの犠牲者を出すインドネシアの年中行事と根を同じくするこの国の体質かもしれない。


「偽PLN職員が逮捕される」(2006年3月16日)
東ジャカルタ市警ドゥレンサウィッ署が、PLN職員のふりをして住宅の敷地内に入り、金目の品物を盗んで逃走するという犯行を積み重ねていた7人を逮捕した。この7人はその出身地からインドラマユグループと闇の世界で呼ばれており、7人のうちのひとりは盗品の故買屋だった。かれらの犯行手口は、たいていふたり一組でオートバイに乗り、民家を訪れて家の敷地内に入り、ひとりは電力メーターの数字を書き写すふりをし、もうひとりは家人にメーターボックスを買うように話し掛け、家人の気がつかないうちに庭などにある金目の品物を盗むとオートバイで逃走するというもの。メーターボックスはひとつ3万5千から5万5千ルピアで販売していた。メンバーの多くはPLNの偽身分証明書を持ち、この仕事で毎月50〜100万ルピアの収入を得ていた。


「コンパス紙への投書から」(2006年3月16日)
拝啓、編集部殿。2005年12月25日、わたしはバケーションツアー&トラベルが指定するホテルにバウチャーを使って一泊するため、予約を入れました。中央ジャカルタ市ワヒッ・ハシム通りにあるホテルでの宿泊を弟の結婚祝にプレゼントしようとしたのです。2006年1月14日の宿泊を予約するため、わたしはその旅行社にオーダーし、旅行社の担当者は一週間前に返事をすると約束しました。2006年1月9日、わたしが確認のためにその旅行社に電話すると、予約をしようとした日は満室だと言うのです。そして1月21日にチキニの別のホテルに宿泊してはどうか、と逆オファーされました。できるだけ早く確認の電話をわたし宛にするとその担当者は約束しました。わたしは1月16日まで待ちましたが、電話はまったく来ないので、17日にこちらから電話を入れました。するとその担当者は、21日は団体客が入っているので申し訳ないが無理だと言い、1月28日なら絶対OKだから、明日予約の返事をしますと約束しました。ところが翌日は一度も電話などありません。ふたたびわたしが1月25日にバケーションツアー&トラベルに電話を入れると、その担当者は不在で、電話オペレータに予約のことを尋ねましたが埒があきません。
最初バウチャーをオファーするときは何度も何度も電話してきたというのに、いざその宿泊バウチャーを使おうとすると、その困難なことったらありません。これでは詐欺です。[ 南ジャカルタ在住、リディア・エカ・リニ ]


「コンパス紙への投書から」(2006年3月20日)
拝啓、編集部殿。わたしはXplor利用者で、顧客番号は4003626xxxxxです。2006年2月6日、わたしは818番で月中の利用金額をチェックしたところ、なんと57万1千ルピアになっているのです。2月1日時点では27万1千ルピアでしたから、すぐに818番に苦情するとカスタマーサービスは、2月1日から6日まで、Eメールがわたし宛に繰り返し発信されているが、すべてフェールなので内容のチェックも不可能であることを教えてくれました。
確かにわたしは2006年1月25日から2月6日までの間、リングトーンのダウンロードができないことをEメールでデータサービス宛てに連日クレームしていますが、いまだに反応がありません。それよりもわたしにとって疑問なのは30万ルピアという膨れ上がった使用料についてであり、2006年2月1日から6日まで毎回フェールのEメール使用でそうなったということは、わたしがフェールし通しのEメールを300回チェックしたことを意味しています。そんなことって、ありえますか?[ デポッ市在住、ユディ・アヌグラハ ]


「中古部品を使った新品廉価TVにご用心」(2006年3月23日)
ハイパーマーケットをはじめ、国内市場に出回っている格安テレビは消費者を害する危険なものである、と家電品連盟が告発した。21日に同連盟が行った記者発表の場で、連盟は市場から調達したばかりの格安テレビを記者団に示した。それらのテレビは、正規のメーカー品価格の半額程度の値段が付けられており、たとえば14インチTVは40万ルピア、17インチは60万ルピア、21インチでも90万ルピアといった破格の値段になっている。業界はあまりの価格差に不審を抱いてそれらの商品を調査したところ、ケーシングは輸入品だが、通常のテレビコストの70%を占めるブラウン管や電極は中古品から抜き取った部品が使われており、PCBだけが新品だった。また内部の組立て配置も電線の位置や処理がIEC規準を満たしておらず、熱を持つ部品と接触したり、磁界を発生させたりするために、長時間通電したままだと発火したり、またブラウン管が破裂するといった危険があることも指摘された。それらの中古部品は、電気製品販売店やハイパーマーケットで下取りした中古テレビから抜き取られた部品が使われている、と家電品業界では見ている。同連盟が示したサンプルには、テレビ用ではなくコンピュータモニター用のブラウン管が使われていた。
製造責任についても、保証書にはタングラン地区の住所が生産者として記されており、商工省が認定してあるような文章が記載されているが、その電話番号に電話しても応答がなかった。別の商品の取扱い説明書に記されたサービスセンターに問い合わせたところ、生産者の住所はわからず、ただ商品はスマランで作られていることだけが判明した。家電品修理業協会によれば、中古部品を使ったテレビはおよそ一年前から市場に出てきていたとのこと。
ラフマッ・ゴーベル家電品連盟会長は政府に対し、早急に家電品製造業界にインドネシア品質規格(SNI)の適用を開始するよう要請した。SNI義務付けは国内市場を保護するためのものであり、業界にとってフェアな市場を創出するだけでなく、低品質な商品から消費者を保護するためのものでもある。ただ安いだけで品質の粗悪な商品は国内産業の競争力を蝕むもので、最近の極度の販売低下はこのような商品の市場進出が原因のひとつになっていると考えられる、と発言した。
エレクトロニクスマーケタークラブのスポークスマン、ハンドコ・スティオノは、消費者の購買力が低下し、生産者間の競合がますます厳しくなっているこの時期に、一部の者が徹底的に廉価な商品を創造してその隙間を利用しているという現象であり、かれらのターゲット顧客は最低価格の商品を求める層だが、この生産者は製品の安全システムに配慮していない、とコメントした。「皮肉なことに、ハイパーマーケット等は価格競争の中でがんじがらめにされており、オファーされた商品の品質を十分吟味することに欠けている。監督官庁は、消費者を害する商品を製造販売する生産者に対し、事業許可を取り消すなどの厳格な監督を行うよう求められている。訴えがあってはじめて動くようなことでなく、政府はより積極的に市場を監督し、問題のある商品に対応措置を取らなければならない。消費者もまた、価格が安いということで飛びつかないようにしなければならない。相応な価格には相応なクオリティが伴っているということを理解しなければならない。」とかれは述べている。


「詐欺まがいの顧客勧誘〜コンパス紙への投書から」(2006年3月27日)
拝啓、編集部殿。わたしはシティバンクのクレジットシールド保険サービスに失望しました。最初シティバンク側は、シティバンクのクレジットカード所有者が死亡した場合、クレジットシールドに加入していればそのクレジット残高をシティバンクが負担し、残高を帳消しにできると約束したのです。そのクレジットシールドに加入しておよそ1年後、わたしは妻が心臓麻痺で死亡するという災厄に見舞われました。その後わたしは妻の死をシティバンクカスタマーサービスに連絡しました。
ところが、どうでしょう。シティバンクは、妻のクレジット残高を30%ほどカットしただけで、わたし宛の請求に振り替えたのです。その理由として、クレジットカード所有者の死亡は小さい頃から患っていた心臓の障害によるものであり、自殺でないから、というのです。わたしはわけがわからず、残念で、また腹が立ちました。クレジットシールドが負担するのは自殺による死亡だけだという説明は、最初に加入するときから一度も聞かされていなかったからです。保険の勧誘には、皆さん、よくよく注意するようにしましょう。中でもシティバンクのクレジットシールドは、カード所有者が死亡しても残高は遺族に請求がくるので、何の補償にもならないからです。[ 北ジャカルタ市在住、モッ・シクリ ]


「再び詐欺事件」(2006年3月29日)
PTジャムソステッの元社員が3億4千万ルピアを騙し取られる、という事件が起こった。被害者エルミは、ブカシ市カリマランにある商店スペリンドで買い物中に、ひとりの男性と知り合った。「わたしはニザルマン別名アブドゥル・アジズという名で、ブルネイから来ました。」と名乗る年配の男を、エルミは信用してしまった。男はエルミにおいしい話しを持ちかけたのだ。「わたしはアメリカドルを持っているが、銀行やマネーチェンジャーを使いたくない。わたしの金を両替してもらえないだろうか?あなたはわたしに3億4千万ルピアをくれなければならない。」エルミが暗算してみたところ、交換レートは今のルピア高よりももっと良い。『ひょっとして、これは大儲けかな?』そこに、ニザルマンの仲間だというジョコとクルニアが登場した。ニザルマンがエルミに出した話をふたりに語って聞かせると、ふたりはエルミに、これはすごい得をする話しだから、断る手はない、と説得し始めた。エルミは完全にその気になった。
ニザルマンの運転するダイハツゼニアに乗ってエルミはクバヨランバルのマンディリ銀行ファラテハン支店へ行って1億9千万ルピアをおろし、更にマンディリ銀行ガトッスブロト支店へ行って1億5千万ルピアを引き出して、総額3億4千万ルピアを用意した。エルミはその現金をニザルマンに渡す。ニザルマンは一塊の紙幣を取り出して、エルミの目の前で封筒に入れた。「じゃあ、エルミさん、これをどうぞ。でも今封筒を開けないでくださいね。家へ帰ってからゆっくりと調べるように。」
家に入って、エルミは封筒の中味を取り出し、驚愕のあまり絶句した。中にあったのはなんと1千ルピア札が32枚だけ。『詐欺にやられた!!』そう確信したエルミはクバヨランバル警察署に訴え出た。それが3月21日のできごと。警察はさっそく捜査を開始し、3月24日午前6時半ごろ、三人の詐欺師をそれぞれの自宅で逮捕した。主犯のニザルマンは中央ジャカルタ市チュンパカプティに住む52歳の鉄材売買商、ジョコは南ジャカルタ市チランダッの住民、クルニアは中央ジャカルタ市クラマッスンティオンに住むミクロレッ運転手。この一味は、エルミのときと同じ手口で四回詐欺行為を行ったことを自供した。


「客に損させる銀行の勝手な処理〜コンパス紙への投書から」(2006年3月31日)
拝啓、編集部殿。わたしはANZパニン銀行のビザカード保有者です。2005年11月にホリデーを楽しもうとしてわたしはクレジットリミットを3百万ルピアから5百万ルピアに引き上げるよう依頼し、銀行側は了承しました。ところが驚いたことに、2006年2月のビリングステートメントを見ると、わたしはオーバーリミットしたことになっており、何の連絡もなくリミットが5百万から3百万に戻されていたのです。2006年2月16日、わたしはクレジットコントロール部に電話しましたが、だれも出ません。結局わたしはカスタマーサービス部に電話して苦情し、相手は明日連絡すると約束してくれましたけれど、翌日はなしのつぶて。しかたなくわたしの方から電話すると、解決を示してくれるどころか、わたしを避けるような態度が感じられ、わたしにクレジットコントロール部に電話するように言いました。あのだれも取ろうとしない電話にまたかけろというのは、こちらをまったくがっかりさせるような対応です。銀行はわたしに、オーバーリミット分の197万なにがしをすぐに支払うよう命じます。それはオーバーリミットであり、クレジットコントロール部門の取り扱いに入れられたので、すぐに支払わなければならないと言うのです。ANZパニン銀行のサービスは本当にがっかりです。この銀行のクレジットカードを持っていることを誇りにしていたのに、今ではおかげで経済的に損をしているのですから。ルールはいったいどうなっているのですか?正義はどこにあるのですか?クレジットリミットを下げるなら、どうして本人に何の連絡もしないのですか?[ ジャカルタ在住、エルガリザ・アングン ]


「クレジットカードはアブナイ〜コンパス紙への投書から」(2006年4月1日)
拝啓、編集部殿。この問題は2005年6月以来のもので、もう長い時間がたっています。わたしはHSBCクレジットカードの保有者ですが、6月末の請求書に、携帯電話購入代金3,656,500ルピアとアニュアルフィー150,000ルピアが記載されていました。請求書には東ジャカルタ市モール・チジャントゥンのグローバルテレショップでの買い物と記されていますが、わたしはそんな買い物をしていません。それでわたしは2005年7月24日にその店を訪れて見ました。店員の女性は、わたしのカードがそのとき使われたカードと違っている、と言いました。そのとき使われたカードには写真がなかったし、サインがあったと言うのです。わたしのカードには写真があり、しかしサインはまだしていません。明らかにわたしのカードが偽造されていることをそれは示しています。そしてその店員は、2005年6月22日のお昼頃、その店で買い物した人はわたしではなかった、とも言いました。その日わたしは一日中オフィスにおり、会社を出たのは19時ごろなのです。それはタイムカードから証明できます。その店員にそれらの内容の文書を作ってもらい、他のすべての証拠を添えて、わたしはHSBCに届け出ましたが、HSBCは3ヵ月後にその調査結果として、その買い物は正当に行われたものであるため、わたしはその金額を支払わなければならない、と言ってきました。わたしは放置しましたが、毎月の請求の中にそれが必ず含まれており、そして聞くに堪えないデットコレクターの罵詈雑言の電話がかかってくるようになったのです。2006年1月9日、この問題を直接訴えるためにわたしはHSBC第?ビルへ赴きましたが、ムナラムリアのHSBCへ行けと言われましたのでそちらへ回りました。ふたりの担当者にわたしのこの問題を訴えたところ、HSBC銀行側は頑なに、その買い物は正しく行われたものであるためわたしに支払いの責任がある、の一点張りです。かれらはわたしのカードが偽造され、何者かがそれを悪用しているということを認めようとしません。この銀行のカードはアブナイです。[ デポッ在住、ワギマン ]


「故意?処理しないで客に損させる銀行〜コンパス紙への投書から」(2006年4月5日)
拝啓、編集部殿。わたしはダナモン銀行Fix'nFast カードの保有者です。2005年9月、わたしはダナモンコールセンターにコンタクトし、そのカードメンバーをやめることを伝えました。そのためには863,479ルピアを支払わなければならないというので、わたしは90万ルピアを支払い、その支払い証憑と脱会通知の手紙ならびにそのカードのアカウントを閉じる依頼書をダナモン銀行担当者宛てにファックスしました。10月になって、ダナモン銀行からわたし宛にまた請求書が届き、そこには15万ルピアという次の年のアニュアルフィーが請求されていました。前のカードは既にはさみを入れてあり、一方新しいカードはまだ届いていません。そんな状態で請求書がもう送り付けられてくるのです。それから数ヶ月たった今も、新しいカードはまったく姿をあらわしませんが、請求書だけは毎月届き、しかも利息に利息が乗って、いまでは477,662ルピアに膨れ上がっています。コールセンターに電話したところ、わたしのアカウント閉鎖はまだ行われておらず、「後でまた問い合わせてください」(もう何十回も行った)とか、「閉鎖の依頼書をまた送ってください」(三回同じ物をファックスした)とか、銀行側担当者が求めることをすべて行いましたがまったく埒があきません。コールセンター担当者は電話するたびに名前が違っており、頻繁にピンポン球にされてしまいます。先週はエドウィン、ジェニー、ユリ、その前はルル、ウルファ、昨日はダラで今日はエステルといったありさまです。閉鎖するときに払った90万ルピアについて、銀行側はコンピュータ化されているので、不法なあるいは架空のアイテムが混ざることはありえない、と言っていますが、このようないつまでも終わらせようとしないだらだらした処理を行い、fix care, retail interest, late charges, interest, annual member fee などといった請求項目を作り上げ、でっちあげ請求をしてわたしに477,662ルピアを払わせようとしているのです。大銀行なのに、こんな些細なアカウント閉鎖の処理をする能力すらダナモン銀行は持っていないようです。わたしはダナモン銀行の詐欺にあっているようなものです。[ 西ジャカルタ市在住、スギアント ]


「ATMで損する人はあと絶たず〜コンパス紙への投書から」(2006年4月8日)
拝啓、編集部殿。わたしはシティバンクの利用者で、2006年1月12日に南ジャカルタのチランダッタウンスクエア(CITOS)にあるシティバンクのATMマシンから1百万ルピアを引き出しました。機械に入っていたのは5万ルピア紙幣です。出した後、紙幣をよく調べないで近くのレストランに入り、食事の後さっきおろしたお金で支払おうとしたところ、なんと昔の1万ルピア紙幣が混ざっているではありませんか。昔の1万ルピア紙幣は新5万ルピア紙幣とサイズが似ているのです。翌1月13日、わたしはシティバンクのシティフォンバンキングに電話してこの損害を届け出ました。その担当者はわたしの訴えを誠意をもって聞いてくれ、すぐに調査するからと約束してくれましたが、その後の音沙汰はぶっつりです。シティバンク利用者はチトスのATMを警戒するよう勧めます。[ ジャカルタ在住、ブギス・ラフィアニ ]


「金を搾り取る手練手管は限りなし〜コンパス紙への投書から」(2006年4月11日)
拝啓、編集部殿。BCAカード保有者のわたしは、BCAカードプロモでオファーされている6ヶ月分割払い金利ゼロ%の携帯電話機を買いました。請求書が届いたとき、分割払いの第一回と第二回が同時に記載されているのにわたしは驚きました。その問題をBCAカードセンターに苦情すると、担当者は無視してください、と言います。その言葉に従って第一回分の支払いだけを済ませました。翌月になって届いた請求書を見ると、そこにはなんと支払い延滞金利がつけられているのです。わたしは再びBCAカードセンターにクレームし、担当者は了解しましたと言うのですが、請求書には相変わらず二回分の分割払いと支払い遅れの金利がのってくるのです。カードセンターへのクレームを繰り返すのは、わたしには特に苦になりませんが、あの金利ゼロパーセントのプロモーションというのは引っ掛けだったようです。[ ジャカルタ在住、ペレ・プリヤッナ ]


「金儲けは狡猾に〜コンパス紙への投書から」(2006年4月12日)
拝啓、編集部殿。わたしはフレクシ携帯電話を家で使っています。およそ一月前、家の使用人がよくわからないままSMS733702番の星占いに登録してしまいました。電話代がかさんで負担になるので、147番に連絡して登録を打ち切ろうと考え、何度も147内線1番に連絡しましたが星占いSMSは送り続けられてきます。フレクシ側からの情報で、そのSMSビジネスを行っているのはPT Misi Media Citra Komunika とPT Iguana Enterprise だということがわかりました。ところがそこへの連絡は、自分で108番で電話番号を調べ、自分で話をしてください、と言うのです。フレクシはそれらの会社の住所等を持っていないと言います。わたしが108番(テルコム電話番号案内)で調べたところ、それらの会社は登録されていないとの返事でした。これは奇妙な話です。なぜならそれらのSMS代金もフレクシに支払っているのですから。顧客から搾り取るために、フレクシとそれらの会社が共同謀議をしているのでしょうか?
電話によるそのようなSMSサービス申込をすると、一度のオーケーは一生のものになってしまいますので、消費者のみなさんはよくよく考えるようお勧めします。SMSサービスオペレータはいったいどこにいるのかわからないので、取り消しのしようがないからです。金を搾り取ることにかけては、本当に狡猾な会社です。[ ジャカルタ在住、カリヤティ・クスワンディ ]


「会社にとっては、誰が払っても同じこと〜コンパス紙への投書から」(2006年4月14日)
拝啓、編集部殿。この三月、いつもは10万ルピア程度の携帯電話請求金額が150万ルピアになっているのにわたしは驚きました。その携帯電話は学校への送迎の際に家族と連絡を取らせるために、中学1年生の娘に持たせているものです。娘が友人たちに電話をかけ過ぎていると思って、わたしは感情的に娘を叱りました。ところが請求内容をじっくり見てみると、GPRSの請求が130万ルピアもチャージされています。2005年12月7日から2006年1月5日までのAPNテルコムセルへの通信で、日によって16時から18時、7時から24時そして翌朝3時まで、5時から21時、10時から24時などといった使用時間明細も記されていました。奇妙なのは、授業時間中や深夜に眠っている時間など携帯電話を使うはずもない時間帯の使用になっていることです。娘も通話とSMSの他にはその電話機を使っていない、と言います。10分間で1,140〜1,500ルピアという請求がこの先も続くにちがいない、と直感したわたしは、1月19日にその番号の使用をやめました。そしてすぐにテルコムセルに電話し、そのサービスをブロックするよう依頼しました。翌日わたしは、ガトッスブロト通りのウィスマムリヤにあるテルコムセルのグラパリに赴いて、この問題を苦情しました。ところが驚いたことにテルコムセル側はその不審な請求に関する解決を何も提示せず、請求された金額を支払うように言うのです。もし自分が本当に使ったならわたしはよろこんで支払いますが、請求書に記されたものは決して起こりえないものであることをわたしは証明することができます。テルコムセルがハイテクサービスを提供してくれるのは結構ですが、テクニカルな問題から利用者を守るという義務も怠ってはなりません。[ ボゴール在住、リダ・ジュルフィア ]


「必殺!一度請求されたら逃れようなし〜コンパス紙への投書から」(2006年4月17日)
拝啓、編集部殿。わたしはBCAサイドカード保有者です。2006年1月にBCAが不審な決済についてわたしに問い合わせしてきました。その1百万ルピアの決済はまったくわたしの身に覚えがなく、その買い物が行われたときわたしは別のところに行っていたことが証明できるので、その旨をBCAに伝えました。するとそのBCA担当者はその請求を帳消しにすると約束し、わたしのカードにはさみを入れるようアドバイスしましたので、わたしはすぐにはさみを入れ、翌日近くのBCA支店にそのカードを返却しました。
ところが2月になって、BCAは再びわたしにその1百万ルピアの請求を送りつけてきました。ハローBCAに問い合わせると、調査は4月までかかるという返事ですが、その請求が取り消されるかどうかは調査結果次第だと言います。そしてBCA側はその請求をまず払って置くようにわたしに言うのです。もし調査結果がわたしに払わなくて良い結論だと、それはどうなるのでしょうか?
これではわたしが行っていない買い物をわたしが負担しなければなりません。金利についても尚更のことです。BCAはいったいどのような調査を行っているのでしょうか?その買い物がクレジットカード偽造犯罪であることは明らかではありませんか。BCAクレジットカードサービスの安全性と問題解決のスローさにわたしはたいへん失望しています。[ ジャカルタ在住、サリタ・ニンディヤ ]


「分業的犯罪者ワールド」(2006年4月26日)
偽造住民証明書(KTP)を使って数ヶ所の銀行に開いた空口座を10万から20万ルピアで売っていた三人を首都警察が逮捕した。その三人から空口座を買った男が景品詐欺にその口座を使っていたことから、詐欺犯一味5人が逮捕されてその捜査線上に現れた空口座売りの逮捕にいたったものだ、と首都警察特殊犯罪捜査局サイバークライム第4ユニット長は説明した。空口座売り容疑者は銀行口座に関連する違法行為と偽造KTPの出所に関する取調べを受けている。一方景品詐欺一味は、自動車の景品が当たったのでまず景品税を払うようにと被害者を騙し、買った空口座をその入金のために使っていた。この景品詐欺の被害者はジャヤプラ、ソロン、アンボン、テルナーテ、アチェなど広範な地域に渡っており、全部で3百人近くに上るのではないかと警察では見ている。また詐欺犯から押収した証拠品の中に携帯電話イニシャルカード183枚が混じっていたが、そのうち170枚は期限が切れたものだった。


「倒産の後始末は夜逃げが常道〜コンパス紙への投書から」(2006年4月29日)
拝啓、編集部殿。2005年12月26日、わたしはADNヘルス健康保険に妻と子供の治療費に関するクレーム請求を出しました。妻は出産費用、子供は病気のための入院費用です。クレームフォームと添付書類はPT ADNの従業員が受け取り、ただの白紙に手書きで受取証を書いてくれました。ところが保険証書には「第7条 ジャボタベッ地区に住んでいる加入者は、14稼働日以内にクレームの処理がなされる」と書かれているにもかかわらず、もう何ヶ月もたつというのに何の進展もありません。南ジャカルタ市ムラワイにあるPT ADNに何度か電話をかけてみましたが、その電話番号はもうテルコムが切ってしまっているのです。代表取締役や経理担当などの携帯電話にも何度か電話してみましたが、どれもつながったことがありません。
同社にいる従業員たちの話では、かれらはもう何ヶ月も給料を受け取っておらず、その会社は資金繰りがどうにもならずに倒産寸前だということでした。わたしの保険証書は2006年6月24日まで有効なのに、わたしのクレームはどうなるのか、そしてこの保険契約はどうなるのかさえ何の連絡もしてこないのです。PT ADNの法的責任はどうなっているのですか?どうしてこれほど簡単に責任を放棄してしまうのですか?
インドネシア保険評議会は、保険会社が倒産して国民が損害を蒙ってもその保護のために何かをしようとはしないのですか?PT ADN経営者たちはそんなに簡単に損失を反故にし、何も知らない保険加入者の前から姿を消すというのですか?[ タングラン在住、ヘルマン・ヨセフ ]


「コンフィデンシャル不在社会〜コンパス紙への投書から」(2006年5月2日)
拝啓、編集部殿。わたしの個人データが悪用された事件で、メガ銀行の問題解決姿勢がとても非協力的であることを、わたしはとても残念に感じています。2006年3月17日、わたしはジャカルタのメガ銀行テンデアン支店職員でイェ二ーと名乗る女性からの電話を受けました。それはメガ銀行クレジットカード申請に関する個人データの確認でした。でもわたしはメガ銀行のクレジットカードを作ろうと思ったこともなく、またメガ銀行にわたしの個人データを提出したこともありません。わたしがイェ二ーさんにそのデータはどこから入手したのか尋ねると、かの女は、メガ銀行コールセンターにコンタクトしてください、と言いました。コールセンターに問い合わせると、住所、電話番号、母親の名前、KTP番号などのデータが一致しているわたし名義のクレジットカード申請書があがっているのです。違っているのは勤務先住所だけでした。
コールセンター職員はわたしに文書で表明書を提出するようアドバイスしてくれましたが、わたしはもっと早い問題解決を望んでマネージャーに面会したい、と頼みました。これは単なる取り消し事務手続きの問題でなく、個人のコンフィデンシャルデータ漏洩問題なのですから。いったいだれが何の目的でわたしの個人データを無関係な諸方面に広く漏らしたのかを知る権利がわたしにはあると考えます。わたしはメガ銀行コールセンターに何度も電話し、マネージメントのだれかとこの問題を話したいと要請しましたが、担当者たちはこの問題を上に隠そうとし、「自分と話せば十分で、自分から上に報告するから。」という理由を言い立ててわたしの要請を満たしてくれません。コールセンター職員のひとりが、銀行のマーケティング担当者たちは他の銀行の同じマーケティング担当者との間で顧客個人データの交換を頻繁に行っているという事実を明かしてくれました。本人の諒承もなく無責任な者たちの間で個人データが公開されるなら、他人のデータがだれにでも手に入ることになり、プライバシーは消滅します。個人データが悪用されることも不可能ではありません。[ ジャカルタ在住、エルニ・オクタフィアナ ]


「セールスマンの架空業務成果〜コンパス紙への投書から」(2006年5月4日)
拝啓、編集部殿。わたし宛に何度もGEファイナンスから請求書が届き、わたしはGEファイナンスの利用者でもないし、利用者になる気もないことを伝えようとして何度もGEファイナンスに電話でコンタクトしましたが、いつも聞こえてくるのは録音テープからの声です。わたしはGEファイナンスを利用していないのに毎月請求書がわたし宛に届き、最終金額は359,583ルピアになっています。これは買い物で使用された金額でなく、GEファイナンスが勝手に請求しているアニュアルフィーなのです。多分GEファイナンスのマーケティング担当者が誰かに狙いをつけて行った顧客勧誘結果なのでしょうが、会社経営者はどうかこの問題を解決してくれるように願います。わたしはかつてカルフルの窓口でGEファイナンスの住所を尋ねたことがありますが、GEファイナンスのマーケティング担当者に会ったことはありません。わたしはGEファイナンス利用申請書にサインをしたこともないというのに、GEファイナンスはわたしにカードを送りつけてきたのです。しかしわたしはそのカードをこれまで一度も使ったことがありません。わたし宛の請求書が二度と送られてこないよう、お願いしたいと思います。[ 東ジャカルタ市在住、ヘンドラ・タヌクスマ ]


「顧客を手玉に取る銀行〜コンパス紙への投書から」(2006年5月5日)
拝啓、編集部殿。わたしはHSBC銀行のサービスに失望しているカード保有者です。2005年7月から10月まで、銀行はわたしに請求書を送ってきませんでしたので支払い遅れが発生しました。その金利とチャージがわたしに課されていますが、わたしが悪いわけではありませんからそれを負担するのはいやです。この件をわたしはもう何回もカスタマーサービスに連絡し、2006年1月13日付け手紙まで出していますが、銀行からの返事はいつも「請求書配達者を調査中」と言うだけなのです。そしてこれまで溜りに溜まった金利と滞納チャージを理由にして2006年3月14日、銀行はついにわたしのカードをブロックしてしまいました。わたしは苦情を2005年8月以来ずっと銀行に届け出ているというのに。
調査中と言っている問題にHSBC銀行は6ヶ月以上もの時間を必要としているのですか?その間、金利はかさみ続けているのです。この先わたしはこの問題をどの部門に届け出ればいいのですか?国際ネットワークを持つHSBC銀行の顧客クレームを処理するプロフェッショナリズムはどこを探せば見つかるのですか?[ 北ジャカルタ在住、フェニー ]


「パイロットライセンス取得コース詐欺」(2006年5月9日)
パイロットライセンス取得訓練に大金を注ぎ込んだのに、相手がドロンしたので受講者だった外国人が警察に訴え出た。訴え出たのはオランダ人アンドレ・マンボオと韓国人チョイ・ジャエウォン、キム・クワンシックの三人。かれら以外にもまだ何人か同じパイロットトレーニングに通っていた被害者がいるが、警察への届出を行ったのはいまのところかれらだけ。
このパイロット訓練コースはジャカルタのハリムプルダナクスマ空港ターミナルビル2階No.266−267に事務所を開いたPT WPIが開催していたものだが、理論コースは11回講座が開かれて、かれら三人はすべてを受講済み。ところがパイロットライセンスを得るために必要なシミュレーション訓練をWPI側が約束していたのに、それは一度も実施されないままWPI社がドロンを決め込んだ。
WPI社のパイロットライセンス取得コース受講をこの三人が申し込んだのは2005年7月。8月初めに韓国人ふたりはそれぞれ2万5千ドルを支払い、オランダ人は8月末に4万5千ドルを支払った。アンドレはもう5千ドルをシミュレーション訓練が始まる際に支払おうと思っていた由。最初トレーニングは2005年9月9日から開始となっていたが、2005年は何も始まらず、2006年1月にやっと理論講座が開始され、3月までに11回講座が開かれた。コース参加者はPT WPI代表取締役アフィアント・ヘルランバンに苦情し、アフィアントはシミュレーショントレーニングをマレーシアのクアラルンプルで行うとして受講者を派遣したが、B737−400を使って行うとされていたその訓練は実現しなかった。インドネシアに戻った三人は再びアフィアントに実現を迫ったが反応なし。業を煮やした三人は今年4月12日に告発状をアフィアントに突きつけたが、それでも反応なし。そうこうしているうちにアフィアントがあまり事務所に出てこなくなり、受講者がコンタクトしてもほとんど電話に出ないというようになっていった。そうして二週間ほど前、受講者がハリムの事務所を訪れたところ、事務所は空家になっていた、というのがこの事件の顛末。


「イ_アに来ればイ_ア式業務スタイル〜コンパス紙への投書から」(2006年5月9日)
拝啓、編集部殿。わたしは1995年からアメリカンエクスプレスチャージカードを利用しています。わたしは2005年9月まで有効のアニュアルチャージ150米ドルを納めているのに、9月が来る前にそのカードは使えなくなってしまいました。わたしのカードが閉鎖されたことの説明が文書にしろ口頭にしろまったくないために、わたしはわけがわかりません。使えなくなったのが閉鎖によることすら、アメックスカードに電話してはじめてわかったくらいですし、そのときですら担当者は理由を一言も言いませんでした。わたしは三回電話して、その都度解決にならない同じ返事をもらいました。「説明できる人間が席をはずしています。」とただそればかり繰り返し、それに続けて言う「あとでこちらからコンタクトします。」という言葉はいまだに実行されたことがありません。そのためわたしはアメックスの専務取締役に手紙を書きましたが、文書でも口頭でもまったく反応がありません。多国籍大企業であるアメックスの仕事のやり方はこんなものなのですか?
わたしがいままで貯めた40万近いリワードポイントはもう使えませんと言われました。このリワードポイントのためにわたしは別建てで25ドルの掛け金まで納めていたというのに。閉鎖の後にも先にも一度たりとも本人に連絡してこないで、一方的にこのようなことを行われてはまったく良識を疑います。この問題に対する関心を監督当局にお願いしたいと思います。アメックスカードにはがっかりです。[ 西ジャカルタ在住、ブディマン・ウィジャヤ ]


「景品詐欺の手口を洗う」(2006年5月16日)
カルフルが行った懸賞キャンペーンの景品ホンダジャズがあなたに当たりました。当選通知書には本人が住所氏名を書いて応募したクーポンが貼り付けられている。「やったぞ!」とたいていの人は有頂天になる。しかし文面を読んでいくと景品税の支払いは明日までとなっている。さあ、急いで支払いをしなければ。通知書に記された電話番号に電話すると、相手はおめでとうを言ってくれる。そしてできるだけ早くXX銀行の口座番号XXXXに税金3千5百万ルピアを振り込んでください、と言う。期限を過ぎると景品は競売にかけられますので。このチャンスを逃したくない当選者はあわてて銀行へ走る。そして振り込んだあと、もう一度その電話番号にかけると、入金を確認した後でこちらから受け渡しの連絡をしますからと電話が切られ、そして頼みの綱が永遠にぷっつりと途絶えてしまう。
昔から手を変え品を変えて行われてきた景品詐欺がこれだ。景品税25%の課税を政府が決めたおかげで、詐欺師たちは仕事がやりやすくなったにちがいない。景品をもらうためになんで相手に金を渡す必要があるのかを被害者に納得させなくてもよくなったのだから。カルフルの名前を使ったホンダジャズ景品詐欺の話はあれだけマスメディアに報道されて市井に知れ渡っているというのに、いまだに引っ掛かる人がいる。報道に登場した人は被害者のほんの一部でしかないだろう。黙って密かに涙をこらえている人はもっとたくさんいるのではあるまいか。
南ジャカルタ市トゥベッに住むある家庭の主婦がそんな当選通知を受取ったのは5月の初め。思いがけない好運に人生がばら色になったこの婦人は、さっそく通知書に書かれたホットラインに電話し、そして振込先を指定された。かの女はさっそく銀行へ急ぐ。当選通知書を手にして銀行へやってきたかの女を見た銀行警備員はそれが詐欺であることを知っていた。
「奥さん、奥さん。その手紙は詐欺だよ。送金しちゃいけない。」
「いえいえ、大丈夫よ。わたしはもう先方と話したんだから。」
『話をしたら詐欺でない証明になるのかね?』とは言わず、警備員は諦める。かの女は蓄えてきた貯金をほとんどはたいて、指定された口座にそそくさと送金してしまった。かの女は数日間、ばら色の心でウキウキしていた。そして相手とのコンタクトがまったく途絶えてしまったとき、はじめて詐欺の被害者になったことを自覚して三日間口がきけなくなってしまった。最初かの女は夫や三人の子供たちに当選した話を一言もしなかった。みんなを驚かせてあげようと思ったそうだが、結局かの女が愛する家族に与えたサプライズはハッピーなものでなく、絶望の驚きになってしまった。なぜなら、三人の子供の教育費にと夫と一緒に何年もかけて貯えてきた虎の子が闇の中に吸い込まれてしまったのだから。かの女はホットラインに電話したとき、先方が言う言葉に何一つ疑念を覚えず、相手の言うがままに振舞おうとした。かの女は今でも、そのとき自分は電話を通して催眠術にかけられたのだと思っている。
5月8日には別の被害者が現れた。タングランに住む49歳の主婦も同じ当選通知書を信用してしまった。税金支払いの締切日はとっくに過ぎている。だって、その締切日の何日も後にやっと通知書が届いたのだから。かの女は急いで書かれているホットラインに電話した。すると相手は言う。「締切日までに税金が支払われなかったので、その景品は競売手続きに入っています。競売を延期するのは可能ですが、そのためには最低1千万ルピアをいますぐに納めてもらわなければなりません。最終的には、競売取消し費用も含めて3千9百万ルピアが必要になります。」そう言われてその主婦はまず1千万ルピアを振り込み、そして西ジャカルタ市プリクンバガンのカルフルにコンタクトした。そしてたいへんがっかりする返事を聞かされることになった。「あなたのお名前で当選した懸賞は何もありません。」
この詐欺事件の手口は人間心理の奥底に入り込んで人間の行動を操る心理操作の集大成という趣を持っている。通知者として使われているレターヘッドは何種類かあり、カルフルのもの、PT Citra Media Nusantara, PT Alfindo Pratama などさまざまで、一グループがそれらを使い分けているのか、それとも複数の詐欺集団がカルフルをテーマに詐欺選手権大会を行っているのかよくわからない。通知書には例外なく本人が書いた懸賞応募クーポンが貼られており、1億4千万ルピアのホンダジャズ1台を景品としてもらうに当たり、課税額の25%として3千5百万ルピアを景品税として納めなければならないことを表明する国税総局の手紙や書類が添付され、中には公正な抽選の結果当選者だれそれを表明する公証人の表明書やら、社会省が出した抽選実施を証明する手紙などさまざまな添付書類もつけられて受取人を信用させようとの努力が垣間見られる。ところがそれらの添付書類はすべてでっちあげの贋物。
次いで、景品税納税期限が国税総局の手紙の中にうたわれており、当選通知書が被害者の手に届けられるのはその前日で、届けに来るのは宅配便や郵便配達でなくオートバイに乗った青年。通知書の作成日から10日以上たっていることになり、この状況は不審を呼ぶ。ともあれ、明日が締め切りという余裕のない状況に被害者をまず落とし込めば、切迫感が理性を骨抜きにするだろうという詐欺師たちの人間理解には鋭いものがある。ところが当選通知書にも添付書類にも、肝心の3千5百万ルピアの振込先に関する情報がどこを探しても見つからない。その一方で当選通知者のホットライン電話番号が記載されており、そこに電話しなければアクションが何も取れないようになっている。電話すると当選通知者の名前と「おめでとう」を聞かされるため、通知書に記載されているのは事実だという印象を潜在心理に刻み込まれてしまう。被害者が言う催眠術云々は別にして、文字を読んで自分の行動に反映させるのが不得意で、他人の言うこと(指示)に従って行動する性向の強いインドネシア人には、電話の相手から早く振り込むように言われる方がアクセルがかかるにちがいない。ましてや、期限を過ぎたタイミングで当選通知をもらい、ホットラインに電話すると「競売を止めてあげるが、その代わりに今すぐお金を・・・」とますます余裕のない状況に被害者を巧みに落とし込んでいくシナリオは大向こうをうならせるに十分。
どうやら外国人もカルフルの懸賞キャンペーンにはたくさん応募したらしく、imagined rich man である外国人宛にも当選通知書が届いているらしいので、どうぞご用心を。


「請求書に書かれたのが運の尽き〜コンパス紙への投書から」(2006年5月18日)
拝啓、編集部殿。わたしはカルフルショッピングカード(KBC)の保有者です。2005年12月16日、そのショッピングカードをわたしは紛失してしまいました。それをKBCカードセンターに届け出たところ、285万ルピアの現金引出しが既に行われていたのです。わたしはすぐにカードセンターに不服を訴え、文書を作って提出しました。カードセンター側がわたしにコンタクトしてきて、すぐに調査を開始すると言い、また調査中はそのカードをブロックすると約束してくれました。しかし翌月の請求書にはその285万ルピアが記載されており、わたしは支払いを命じられているのです。再度カードセンターに連絡すると、次の月の請求書からそれを消去するという返事でしたが、その担当者はわたしの質問に丁寧に答えようとせず、すぐに「スダ」と言って電話を切ろうとするのです。
翌月の請求書はその担当者の言葉に反してまた285万ルピアが記載され、ご丁寧に延滞金利までが請求されていました。結局わたしは自分が引き出してもいない金を負担することにし、延滞金利を含めた請求書の全額を支払いました。しかしそれ以上にKBCからの消費者保護の姿勢がまったく感じられないことに対して、わたしは心底がっかりしました。それは何かというと、カルフルがわたしに請求した不服決済一件あたりの2万5千ルピアという取り消しチャージです。KBCはこんなやり方で顧客を扱うのですか?わたしは自分が行っていない決済を負担して損したというのに、その不服を申し立てたことまでチャージされるのです。甘い言葉でKBC職員にカードを作るよう誘われても、消費者のみなさんは十二分に警戒されるよう警告します。なぜならカード保有者への保護は何一つないのですから。[ ジャカルタ在住、へスティ・ノフィアンティ ]


「ホモホミニルプス社会〜コンパス紙への投書から」(2006年5月19日)
拝啓、編集部殿。2006年3月13日15時30分ごろ、わたしは自動車事故のクレームのためにジャカルタ市アブドゥルムイス通りにあるラクサプラティカラ保険会社を訪れました。カスタマーサービス担当者に言われて、わたしはデータ、事故状況、自動車の損害状況をフォームに記入しました。その後サーベイ担当者がわたしの車をチェックするために事故状況と損害内容を尋ねました。トラックに接触されて車の両側にへこみと擦り傷ができたという事故の経緯をわたしはかいつまんで話すと、サーベイ担当者はわたしの車を調べた後、わたしが提出したクレームは5件の修理しか受けられない、と言うのです。他の損傷は別の事故と見なされ、別のクレームとして対応するとのことでした。わたしのケースは8回の事故と計算するのだそうです。わたしは承服できずに抗議しました。わたしはこれまで一度もクレーム請求を起こしたことがないし、今回のクレームは一回の事故で起こったものだ、と。その担当者は言いました。「車の事故が起こったら、それがひとつの同じ事故であろうとも、本人が負担する自己負担リスクは一回でなく数回分と計算することができる。納得できないなら、わたしの上司と話してください。」
わたしにできたのは、自分だけの原則や理屈を主張し押し付けてくるかれらと実りのない議論をすることだけでした。わたしはこの会社で自動車損害保険の延長を決してしないでしょう。[ ジャカルタ在住、ヨハネスW ]


「安い自動車には裏がある」(2006年5月22日)
首都警察自動車盗難捜査ユニットが自動車詐欺事件を摘発した。容疑者逮捕が行われたのは5月2日だったが、首都警察は17日になってその事件を公表している。警察が南ジャカルタ市チトスの駐車場で逮捕したクス・プラマワティはCV Triprama Mandiri 社の責任者を自称しており、この会社は使い捨ておむつの卸販売を行っていた。クスは新車小売価格からおよそ3千万ルピアほど安く値付けして自動車の買い手を求め、安売り新車の買い手がつくと金を受け取ってから新車購入ローンを組み、そうやって手に入れた車を買い手に渡していた。たとえば小売価格2億5千万ルピアのホンダCRVを2億2千万と値付けし、購入者が支払うと5千万ルピアをローンに充て、残った金は自分のものにしていた。購入者に対しては、その車が政府高官の得た取り分であり、その高官は自分の名前が車の所有者として登録されるのを嫌がっているため破格の価格ですぐに売却しようとしているのだと架空の話をでっちあげ、自動車のオーナー登録のために購入者のアイデンティティを入手してそれを登録とローン申込の両方に使っていた。この詐欺の被害者は25人にのぼっており、ローン返済請求が購入者に届くようになって被害者がはじめて詐欺に気付いた模様。
警察の取調べに対しクスは、詐欺で得た金は会社のおむつ仕入れ資金に使ったと供述している。普通、詐欺の被害者は恥ずかしがって警察に届け出ないケースが多く、被害の届けを出したのはタングランに住むふたりだけ。警察は他の被害者も訴え出るように呼びかけている。


「また贋札作りが摘発される」(2006年5月23日)
首都警察特殊犯罪捜査ユニットがブカシのティティアンクンチャナ住宅地区にある民家を捜索し、額面10万ルピア、5万ルピア、2万ルピアの贋札34億ルピア相当と相当数の印刷機器を押収した。この事件に関連して警察は容疑者6人をジャカルタ、ブカシ、デポッ、ジョクジャで逮捕している。この贋札製作アジト急襲は、5月16日に都内のプラザアトリウムで贋の5万ルピア紙幣を使おうとした男が捕まったことに端を発する。逮捕者の自供から警察は捜査を進展させ、翌日その仲間ひとりをデポック市チタヤムで逮捕した。その男の自供から贋札卸人の所在を知った警察は、囮捜査で卸人に話を持ちかけ、ブカシのハイパーマーケット、ジャイアントの駐車場で卸人を逮捕した。この卸人を取り調べた結果、その者が住んでいる借家が贋札生産基地になっていることが明らかになったため、19日夜、警察がその家を家宅捜索したもの。その家で発見された贋札は額面5万と10万ルピアの新紙幣4億ルピア分がすぐに使用可能な状態になっており、また旧デザインの5万と10万紙幣も30億ルピア相当が隠されていた。製造者でもあるその卸人は、どのくらい作って流したかはっきり記憶していないと警察に供述している。贋札販売は売り切りを原則にしており、見知らぬ誰が買いに来ようと現金決済を一回行うだけでそれ以後のコンタクトはしない、とその卸人は述べている。作成した贋札の量は10万ルピア紙幣なら一日に4束作ったそうで、贋札製作は6ヶ月前から始めたとの自供だ。この贋札の品質がそれほど高くないため、全国ネットワークには流れておらず首都圏周辺でのみ流通しているのではないかと警察は推測しているが、広く国民に情報を寄せるよう要請している。首都警察はまた、この贋札作りに造幣公社と大蔵省の職員が関与している心証を受けており、事件捜査を継続してその真偽を糾明する方針でいる。


「銀行ATMの中に贋札が〜コンパス紙への投書から」(2006年5月23日)
拝啓、編集部殿。2006年3月25日、わたしは東ジャカルタ市ラワマグンにあるBNI銀行のATMで預金を引き出しました。出てきた5万ルピア紙幣の枚数をすぐに数えた後、細かく一枚一枚を調べることはしないでATMブースから出ました。そのあと近くのお店で買い物をし、支払いのために出したお金がなんとその店に拒否されたのです。そしてついさっきATMから引き出したお金が贋札であることが明らかになりました。政府の銀行のATMから引き出したお金が贋札なんて、わたしにはまったく信じられません。
BNI銀行ATMマシンの中にいったいどうやって贋札が混じるようなことが起こりうるのでしょうか?ATM機の中に現金を入れる担当者はそれなりに経営者から信頼を得ている人ではないのでしょうか?わたしは預金者としてとても深い失望を味わいました。なぜならその日は土曜日だったので銀行は閉店しており、真札と交換してもらうことができなかったからです。もし市場で贋札がわたしの手に入ったのなら、まだありえることと納得するでしょう。でもそれがATMからとなると、これはたいへん重大な問題です。それは銀行の不注意であることが明らかなのですから。[ ジャカルタ在住、モナ・タンジュン ]


「安物テレビでたいへんな目に」(2006年5月29日)
西ジャカルタ市に住むイワンがカルフルのプルマタヒジャウ(Permata Hijau)店でファウンダー(Founder)ブランドの14インチテレビを買ったのは昨年12月。使っているうちに右スピーカーの調子がおかしくなってきた。ボリュームを上げると音が割れて言葉が聞き取りづらい。それでディストリビュータであるPT ISA社に電話し、修理に人を寄越してくれと頼んだが、品物を持ってきてくれと反対に頼まれた。
今年2月、イワンはマンガドゥアモール(Mangga Dua Mall)にあるファウンダーの支店にそのテレビを持ち込んだ。一週間後に取りに来てくれと言われたので、ちょうど一週間後にかれはピックアップに行った。すると担当者は「お客様に満足していただくために、新品と交換しました。」と言う。じゃあ中味のチェックを、ということで箱から出し、電気をつけてチェックを行った。機能的には問題ない。イワンが外装をじっくりチェックすると、スクリーンガラス面には長く深い引っかき傷があり、裏側にもぶつけた跡がある。「こんなものと換えてもらっても受け取れないよ。わたしが買ったのはまったくの新品なのに、これは中古品じゃないか。絶対これは新品じゃないぞ。」そう言うイワンにファウンダー担当者は何も言わずただ沈黙。
イワンはISA社カスタマーサービスに電話して苦情を伝えた。スンテル(Sunter)倉庫にある本当の新品と取り替えますから、と電話を受けた担当者はイワンに約束したが、しばらくしてからその担当者の上司と名乗る者から電話が来て、「ISA社は新品交換をしない」と担当者の前言を取り消した。交換する場合は状態の良い中古品とだけだとのこと。ともあれ自分が買ったテレビが戻ってこない以上、新品を一台もらうしかないわけで、相手は不承不承それを了承した。
翌週イワンはISA社のスンテル倉庫を訪れて新品の商品を一台持ち帰った。家に帰って箱から出し、電気を通してみたがスクリーンは暗闇のまま。イワンは再びカスタマーサービスの責任者に電話で苦情し、イワンが倉庫で受け取ったテレビは不良品だったことがわかった。イワンは堪忍袋の緒を切らした。「なんだ、おまえらの仕事のやり方は?まるで詐欺集団じゃないか。」イワンはISA本社に電話し、ジェネラルマネージャーに話をしたい、と交換手に要請したが、何度かけても取り次ごうとしない。そのうち同社の技術責任者だという者がイワンにコンタクトしてきた。「本当に状態の良い新品テレビ5台をお宅に持って行って、お客様の一番気に入るものを選んでいただきたい。」
「ああ、もういい、もういい。あんたたちと関わり合いになるのはもう金輪際ごめんだよ。」イワンは憤然として、携帯電話をふかふかベッドの一番やわらかそうな部分に叩きつけた。


「一度請求されたらもうアウト〜コンパス紙への投書から」(2006年6月2日)
拝啓、編集部殿。わたしはプルマタ銀行クレジットカード保有者で、カード偽造の被害者です。2005年7月のビリングステートメントに、チュンパカマス(Cempaka Mas)のカルフルで7月4日と13日にそれぞれ884,900ルピアと940,000ルピアの買い物が記載されていましたが、その日その時間にわたしは会社内におり、それはわたしが行った買い物ではありません。その事実は会社のログレポートで証明でき、またカルフルの伝票に書かれたサインもわたしのものとは違っています。この苦情をわたしはプルマタ銀行クレジットカードコールセンターに何回も連絡しましたが、対応らしい対応がありません。わたしは解決を求めているのに、先方はカスタマーサービスとコレクションの担当者間でピンポンをしているのです。そうこうしているうちに、プルマタ銀行の違法対策回収部門から来たと言ってふたりの男がわたしの会社を訪れました。わたしがかれらにそれらの証拠を示すと、かれらもサインが異なっていることを認めましたが、わたしが第三者に自分のカードを貸したのだと非難するのです。それから三週間後に銀行から手紙が来て、そのクレジットはわたしに返済の全責任があると断定し、早急に滞納分をクリヤーするようにとわたしに命じました。この件を放っておけばおくほど、延滞金利が嵩んでわたしの負担が大きくなるので、わたしは解決を求めて同銀行違法対策回収部門の事務所を訪れました。2006年2月28日にビンタロ地区にあるその事務所へ行くと、最初は穏やかに話をしていたところ相手方数人は最後に怒り出し、わたしに怒鳴りつけて事務所から追い払ったのです。わたしは警察で作ってもらった証明書まで添えてすべての証拠を提出しましたが、先方は未返済金額をすぐに支払えの一点張りで取り付くしまがありません。この問題の解決に力添えをしてくれるよう、いったいだれに頼めばよいのでしょうか?[ 東ジャカルタ在住、オクリム・グルニン ]


「みんな自分の職務だけが大事〜コンパス紙への投書から」(2006年6月3日)
拝啓、編集部殿。わたしは2005年9月17日からマトリクスのGPRSフラットレートパッケージを利用し、2005年12月17日に利用を打ち切りました。だからこのパッケージを使ったのは正味三ヶ月間です。わたしがカスタマーサービスからもらった規定によると、一ヶ月とは登録日から翌月の同じ日付けまでを意味していると記されています。ところがわたしは、ひと月20万ルピアの月次固定費を四か月分支払わされたのです。
わたしは利用を止める前にインドサットのカスタマーサービスに二度も電話してその件を確かめました。12月17日に利用を止めたら、固定費はもう一か月分取られるのか、と。答えはノーでした。そして17日当日もう一回電話して確認すると、相手はちょっと調べてから次の請求に固定費は含まれないと返事しました。ところが次の請求書に固定費がまたチャージされていたので、わたしはメガモールのインドサットカスタマーサービスを訪れて苦情したところ、そこにいた担当者は「当然チャージされます」と言うのです。それどころかその担当者は、11月25日に打ち切ったとしてもその最後の固定費は請求されると言いました。これは実に奇妙な話です。11月25日に打ち切ったら、正味利用期間は2.5ヶ月なのに固定費は4か月分がチャージされるということなのですから。これは本当のことなのか、それともその担当者が規定を知らないで勝手に言っていることなのでしょうか?もし本当だとすれば、わたしが最初に聞いた説明は正しくなかったことになります。こんなおかしなからくりで、いったい何人の利用者が20万ルピアを余分に払わせられているのでしょうか?マトリクスからの責任ある説明を伺いたいと思います。[ 北ジャカルタ在住、アン・ルディ ]


「口八丁のサービスセンター」(2006年6月5日)
北ジャカルタ市ムアラカラン(Muara Karang)に住むアントンは、Esiaの広告に引かれて2006年4月8日、携帯電話付きパッケージを買った。電話機はネクシアンNX350。この電話機が曲者だった。頻繁に電池がドロップするし、通話してもいないのに電話機が熱くなる。それでアントンがパッケージを買った店にクレームすると、ネクシアンのサービスセンターに電話するように言われた。4月13日、アントンがサービスセンターを訪問して担当者に状況を話すと、その担当者は購入後15日以内に問題があった場合は新品と交換できると言う。その日、サービス担当者はその電話機を預かって奥に入り、しばらくしてから出てきた。電話機をチェックして中味を修理し、電池も交換したと担当者は説明する。治ったのならいいや、と思ってアントンは新品交換まで要求せずに帰宅した。ところがその電話機の使用を再開すると、前とまったく同じ症状が現れる。アントンは17日に再びサービスセンターを訪れて新品交換を要求した。それから数日後、サービスセンターから電話があり、電話機をピックアップできると連絡してきた。26日にアントンはまたサービスセンターを訪れてかれの目の前に出された電話機を受け取った。アントンがそれを調べたところ、それはかれが交換を要求している不良品ではないか。「なんだ、新品じゃないじゃないか。これはいらないよ。」そう言うアントンに担当者が答える。「新品との交換は三日後になりますから。」
5月3日、アントンはまたまたサービスセンターへ。きょうこそ新品に換えてもらえると期待したアントンの目の前に出てきたのは、また同じ電話機。鼻白むアントンに担当者は言った。「新品と言っても中味だけです。ケーシングは変わりません。この中味はもう交換済みですから。」
本当に換えてくれたのか半信半疑のアントン。今日もアントンのポケットにある電話機はスタンバイ状態なのに熱い。


「しないぞ、金にならないことは〜コンパス紙への投書から」(2006年6月7日)
拝啓、編集部殿。2006年3月22日、わたしはモトローラの携帯電話モデルE398をジャカルタのITCロキシーマスにあるモトローラサービスセンターに持ち込みました。まだ保証期間内であるわたしの電話機はオン状態であっても画面が暗くて読み辛いのです。
技術者がチェックし分析した結果、原因は電話機にあるとのことで、三日後に取りに来るように言われました。言われた通りのタイミングでそこを再訪すると、なんとまだ治っていないのです。わたしは出直すことにし、一週間後にもう一度そこを訪れました。ところがやはりまだ修理は終わっていません。かれらが言うにはセンターに出してあるそうなのですが、そのセンターっていったいどこのことなのでしょうか?わたしは愚弄されているように感じてたいへん不愉快になったので、このサービスの依頼を取りやめるから、と言いました。するとなんということでしょう。かれらがセンターに出してあって修理中だと言っていたわたしの携帯電話がいきなりわたしの目の前に出てきたではありませんか。わたしはこの修理のために、いったい何回モトローラのカスタマーサービスに電話したか知れません。返事はいつも、まだ修理が終わっていないという言葉ばかり聞かされました。保証期間内の商品で修理ができないというのであれば、新品と交換してくれても当然ではありませんか?
まさかわたしが無料のサービスを要求したために消費者の権利が無視されたということなのでしょうか?思うに、わたしだけがこのような目にあっているのでなく、公的保証期間内にある商品に生じた不都合に関してどうやらはるかに多くの消費者が同じ目にあっているように感じます。何週間ものあいだ、確実なことは何も知らされないで。もうひとつわたしが気付いたのは、モトローラのサービスセンターに持ち込まれる電話機の多くがわたしのものと同じモデルだということです。市場に出すには早すぎたものなのか、それともあまりに最先端であまりに高価なものだから?[ 西ジャカルタ在住、ヌルアニサ ]


「まるで仕組まれたような話〜コンパス紙への投書から」(2006年6月8日)
拝啓、編集部殿。2005年9月、わたしは北ジャカルタ市アルタガディンモールにあるエースハードウエアの店でBII銀行のマーケティング担当者からリミット3千万ルピアのプラチナクレジットカードをオファーされました。他行のクレジットカードからのアップグレードということで、条件はKTPのフォトコピーと今持っている他行カードの取引明細を添えて申請書を提出するというものでした。2005年10月19日、わたしはBIIプラチナクレジットカードを受取りましたが、リミットは2千万ルピアになっています。オファーされたときの話と違っており、アニュアルフィーも高いので、わたしはそのカードをアクティブにせず、BIIに何回も苦情を表明しました。
2006年1月20日、BIIからわたしにコンタクトがあり、そのカードのリミットのアップグレードをオファーされましたが、わたしはそれを拒絶し、アクティブにしないままにしておきました。1月24日にふたたびBIIからコンタクトがあり、別の担当者がリミット2千万ルピアのプラチナカードから3千5百万ルピアのゴールドカードにアップグレードするようオファーされましたので、わたしは了承しました。
BIIはすぐにプラチナカードをブロックし、配達人を派遣してそのカードをわたしから返却させました。配達人にそのカードを渡したのは2006年1月26日13時で、その最後の瞬間までわたしはカードをアクティブにしていません。カードはもうわたしの手元になく、BIIだけがそのカードの所在とわたしのデータを知っている状況のはずなのですが、1月26日20時ごろ、BIIからわたし宛に確認の電話が入りました。1月25日と26日の二日間にわたしが合計額ほとんど2千万ルピアにのぼる買い物をしたか、という問合せです。わたしはすぐにそれを否定する表明書を作ってBII銀行にファックスしました。
2006年2月15日になって、BIIはわたしに14,225,065ルピアの合計金額だけが記された請求書を送ってきました。2千万ルピア近い総額からボゴールで行われた買い物が削られた結果だそうです。わたしはすぐにBIIに連絡しましたが、真剣に取りあってもらえません。2月16日になってBIIは、わたしの不服声明に対する拒否通知をわたしに送ってきました。拒否理由についてBIIは、わたしからクレジットカードを公式に返してもらっていない、と書いているのです。2月23日、BII銀行の別の担当者がわたしに対し、そのカードをわたしがまだ持っていてBIIにはそのカードが返却されていないことを表明する手紙にサインさせようとしてわたしに働きかけてきました。更に送られてきた3月6日付BIIの手紙をわたしは3月13日に受取りましたが、それにはわたしがそのカードを2006年1月25日にアクティブにした、と書かれています。でも1月27日にわたしが会話したBIIの担当者はコンピュータを見ながら、そのカードはコンピュータに登録されているがまだアクティブになっていない、と述べているのです。[ ブカシ在住、ナニ・ルスメニ ]


「騙し取る手口は限りなし」(2006年6月12日)
2006年4月のある日曜日、ヌルは朝から南ジャカルタ市カリバタ地区の貸しホールにいた。ファミリーの結婚式なのだ。午前10時前に婚姻の誓いが終わり、次の披露宴にそなえて着替えのためにみんなは階上に上がって行った。新郎新婦はもとより、招待客を迎えるパガルアユやパガルバグスの役を務めるためにパーティ開始時間前に整列しなければならない者も何人かいる。着替え室の扉に「知らない人に携帯電話や品物などを貸さないよう、ご注意ください」という張り紙が目に付いた。階上に上がってきた者はそれが何を意味しているのかを十分理解し、警戒した。
しかし階下では、実にその張り紙通りのことが展開されていたのである。階下ではパーティの準備のために大勢が働いていた。ファミリーの子供たちは着替えが必要でないため、階上には行かずに会場の片隅でパーティ準備が完了するのを待っていた。階下で所在無さげに待っていたヌルの15歳の息子バフリにひとりの中年の男が近寄ってきた。この瘠せた男は二階への階段を何回か上下していたのをバフリは見ている。
「ねえ、携帯電話持ってるか?パーティのためのアイスクリームがちょっと足りないから、取りに戻らなきゃならん。一緒に来てくれるかな?」バフリは、その男が母親のヌルに言われて自分に声をかけた、と思い込んでしまった。バフリは自分の携帯電話を男に渡す。男は外へ出て駐車場にあったスズキキャリーに乗り込む。バフリもその助手席に座った。キャリーは発進してスナヤンに向かう。ショッピングセンターに入って車を止め、ふたりはビル内にあるパーティ用品店に入った。男はバフリに言う。「ちょっとここで待っててくれないか?台所に行ってアイスクリームを取ってくるから。」男は店の奥のほうに姿を消した。そうしてかなりの時間がたったが、その瘠せ男はいつまで待っても戻ってこない。店の中を回ってみたが姿が見当たらないため駐車場に戻ると、さっき駐車した場所にスズキキャリーの姿もない。詐欺にやられた、と泣きそうになる気持ちを鎮めながら、バフリは半ば茫然と自宅まで戻った。「財布まで取り上げられなかっただけラッキーだった。」バフリはそう思った。
パーティが始まってしばらく忙しくしていたヌルは、落ち着いてきたので息子を探したが会場の中を気を付けて見回しても姿が見えない。どうしたんだろうと思って夫に言うと、夫も気になっていたらしく息子を探しに動いた。自宅に戻っていたことが数時間後にわかって事件の一部始終を知ったヌルは貸しホール運営者にその事件を届け出たが、ホール側もどうしようもない。ホール側は警備を強化すると約束したが、果たしてどんな方法で詐欺師の侵入を防ごうというのだろうか?


「勧誘員には、どうやって客を加入させるかだけが問題〜コンパス紙への投書から」(2006年6月12日)
拝啓、編集部殿。CMG-Astra Health in Safe の勧誘には警戒しなければなりません。わたしは2004年4月27日に保険加入契約をしました。毎月の保険料は15万ルピアで、わたしはそれをシティバンク経由で納めました。
2006年2月20日にわたしが保険会社に出したクレームはわたしの理解に反した対応しかもらえませんでしたので、この苦い体験を読者の皆さんにお伝えしたいと思います。読者の皆さんは、いつかかってくるかもしれない保険代理店からの甘い勧誘の言葉に騙されてはなりません。「おめでとうございます。あなたは選ばれました。・・・・」で始まるその電話は保険への加入を勧誘するものです。わたし自身もCMG-Astra の社員からその保険のメリットの説明を受け、結局加入することにしました。そのときわたしが聞いた話では、一日でも入院すれば本人の医療費用は払い戻されるということでした。わたしは2006年2月15日から17日まで病院に入院したので、保険会社の規定に従ってM1とM2申請用紙に記入し、本人の身分証明、病院からの診断書、支払い済みの請求書や支払い明細、ラボ検査結果、レントゲン写真、保険証券、最新の保険料支払い証憑、口座番号までありとあらゆる証憑を添えてクレームを2月20日に提出しました。わたしの入院治療に要した総費用は1,585,500ルピアです。続いて退院後の通院治療費用を2月23日に再びあらゆる証憑を添えて提出しましたが、入院期間中のものでないという理由で受け付けてもらえませんでした。
ともあれ、入院中の費用はすべてが払い戻されると説明されていたのでわたしは158万なにがしの金額が受取れると考えていましたが、わたしのクレームが承認されたあと保険会社が払ってくれたのは二日分のベッド料である50万ルピアだけでした。もしそれが最初からの条件であるなら、どうしてそう説明してくれなかったのでしょうか?「入院すればそのベッド料を保険会社が負担します。」これはたいへん簡潔明瞭で30秒で理解できるせりふです。保険契約加入者が入院する前に、相手にそれを知らせておくべきではありませんか?
CMG-Astra の勧誘員は、その保険に入れば保護され、安心感が得られ、いざ入院となれば保険会社がすぐにクレームを支払ってくれるようなイメージを相手に植え付けようと千言万語を駆使して、客の正しい理解には斟酌なしに契約を取ろうと努めたのです。わたしがこのクレームのために何度かCMG-Astra の事務所を訪れた際、怒りをぶちまけている他の保険加入者を目にしています。かれらはその場で保険契約をやめると宣言していました。言うまでもなく、わたしもそれにならいました。[ デポッ在住、スギヤント ]


「株券がただの紙切れに〜コンパス紙への投書から」(2006年6月13日)
拝啓、編集部殿。わたしはダナモン銀行の個人株主で、株券を3千枚持っています。2000年から2005年までの間、わたしは一度もダナモン銀行から配当金をもらったことがありません。それでわたしは結局、都内スディルマン通りのセントラルプラザにあるPTラヤサハムレギストラを訪れました。なんと驚いたことにダナモン銀行は、株主への案内も通知もなしに一方的に決めた規定を実施していたのです。もっと驚いたことには、わたしへの通知など一切ないままにわたしの持っている株券の合計金額が減らされており、もっと口惜しいことに、これも一方的な規定で売却最低金額に満たない(減額されたために)ことを理由にわたしはそれを売却することができなくなってしまっているのです。事実は小説よりも奇なりです。
わたしはこの出来事にたいへん失望しています。偉大な権威を失墜させて自らを泥にまみれさせるようなことをこの大きな銀行が行うなどとは思っても見ませんでした。わたしはこの事件をどこに訴え出ればいいのか、茫然自失です。[ ジャカルタ在住、シャムシ・ムリヤ ]


「1億7百万ルピアで日本へ出稼ぎ」(2006年6月14日)
東ジャカルタ市チラチャスに住むハンスは自宅で海外出稼ぎ斡旋サービス業を営んでいる。そのハンスが、1億7百万ルピアを納めれば日本で働ける、と何人かに声をかけ、東ジャワ州クディリに住むユスティアル・アリス男性22歳とやはり東ジャワ州シドアルジョを住所とするムハンマッ・ワフィッ・ヒダヤッ男性35歳がその勧誘に応じた。このふたりはそれぞれ地元でビジネスを行っており、1億7百万ルピアの資金を用意するために所有する地所を売却している。ハンスは金を納めたら2ヵ月後に日本に出発すると約束していた。ワフィッ自身はハンスを以前から知っており、ハンスが海外出稼ぎ者を送り出している事実を目にしているが、それが合法なのか非合法なのかは知らない、と警察に証言している。
ハンスは自宅を事務所兼出稼ぎ者用宿舎にしていて、金を納めたアリスとワフィッは2ヶ月間その宿舎に入って待機していた。ところが期限を過ぎても日本行きが実現されないところから、ふたりはハンスを東ジャカルタ市警チラチャス署に訴えた。警察はこの事件を取調べているものの、まだ詐欺行為であるかどうかが確定できないためにハンスは容疑者に指名されていない。


「買い物は必ず価格を比較してから」(2006年6月16日)
2006年6月3日付コンパス紙への投書 "Harga di Agis"から
拝啓、編集部殿。確実な価格と品質の保証を期待して2006年4月23日、わたしは南ジャカルタ市ポンドッキンダ(Pondok Indah)にあるAgis Electronic Superstore を訪れました。その日アギスではリノベーションセールが行われていました。わたしは499万9千ルピアで売られているパナソニックのデジタルビデオカメラを買うことにしました。セールススーパーバイザーが言うには、850万ルピアもの割引になっているそうです。そしてかれはわたしが頼みもしないのに、小型バッグ、カセット、予備電池など多分30万ルピアはすると思われるものをサービスしてくれるのです。わたしは大きい店で安い買い物ができたことに満足と誇りをおぼえて家へ帰りました。ところがその歓びは4月26日付コンパス紙22ページの広告を目にして深い失望と後悔に塗り替えられたのです。そこには南ジャカルタ市ブロッケム(Blok M)にあるアギスパサラヤ(Pasaraya)店でのリノベーションセール広告が掲載されており、三日前にわたしがポンドッキンダ店で買ったのとまったく同一モデルのビデオカメラに、なんと標準価格329万9千ルピアの45%引きである179万9千ルピアの値段が付けられているのです。わたしはアギスポンドッキンダ店に電話し、あのときのセールススーパーバイザーに説明を求めました。するとまったく唖然とするような返事が返ってきました。そのスーパーバイザー氏が言うには、コンパス紙に掲載されたブロッケム店の広告にあるデジタルカメラは壊れているために特別に安く売られており、わたしがポンドッキンダ店で買ったものとは全然違うものだそうなのです。わたしは唖然とし、その言葉を理解するのに苦しみました。アギスが壊れた電気製品を売るなんてどうやってできると言うのでしょうか。そして壊れた品物をマスメディア広告に掲載するなんて。読者のみなさんは、店が大きいということを規準に置いてはいけません。値段のごまかしはどこにでもありますので警戒しましょう。グロドッ(Glodok)やカキリマ市場の専売特許ではありません。[ ブカシ在住、スマルガニ・スベクティ ]


「虚偽や詐称はお手のもの」
2006年6月13日付コンパス紙への投書"Manipulasi Tahun Perakitan Kendaraan"から
拝啓、編集部殿。わたしの夫は中央ジャカルタ市プチェノガン(Pecenongan)地区で新車を買いました。購入時、その車の製造年が2004年ということについて詳しい説明がありませんでした。車がわが家に届けられ、数週間後にSTNK(自動車番号証明書)が発行されて、問題は何もなくすべてが順調に進んでいました。その車の製造年はSTNKに2006と記されていました。ところが数ヵ月後、BPKB(自動車所有証書)や自動車製造会社からの証明書などその車に関する他の書類を受け取って、夫の驚きはいかばかりだったことでしょう。製造会社の証明書には、その車の製造年が2004と記されていたのですから。夫とわたしがその車を購入したディーラーに問い合わせると、ビルトアップ車の製造年は首都警察交通局が思うままに操作するのだと説明してくれました。普通は製造年を超えて売れ残った車が売れた場合、より若い年をその製造年としてSTNKやBPKBに登録できるのだということらしいです。だから夫が買った2004年製の車は、2006年に販売されたために当局が公的書類に2006年製造と記載したというのです。
これはつまり、公的機関がデータ詐称を行ったということであり、癒着が行われた結果であることは明らかです。STNKやBPKBを発行する当局に正しいデータがわからなかったはずがありません。製造年の古い車に今年の価格を払わせられた消費者は損させられたわけです。そして将来この車を売却するとき、メーカーが表明する製造年と公的機関が表明する製造年に不一致があるため、購入希望者はそれを問題視するに決まっています。このようなことが繰り返されないよう、監督当局からの説明を伺いたいと希望します。[ ジャカルタ在住、リサ ]


「プロモで釣った客の料理はお手のもの」(2006年6月22日)
2006年4月30日付けコンパス紙への投書"Waspadai Promosi Bank Mega"から
拝啓、編集部殿。2005年11月にわたしはメガ銀行で口座を開設しました。そのときメガ銀行はプロモーションを行っており、もれなくインスタントラーメンの景品がついていたのです。ミニマム残高は1万ルピアとなっており、負担にならないことも動機のひとつでした。ところが2006年2月28日にわたしは、1万ルピアが残高として残るように預金を引き出そうとしました。ところが銀行側が言うには、規定が変更されてミニマム残高は10万ルピアになっていると言うのです。そのためわたしのお金は10万ルピアが引き出せないままになってしまいました。銀行に一方的に有利なこの規定変更について、預金者は手紙にしろ電話にしろ、事前の通知をもらっていないのです。銀行側は完璧な預金者のデータを持っているし、いつも住民証明書やその他のアイデンティティ証明書を要求するというのに、いったいどんな理由があって預金者に通知してこないのでしょうか?預金者に負担を課すような規定の変更は銀行側にそれを通知する義務があるはずです。銀行の玄関に表示したなどというのは、預金者への通知とは言えません。なぜならすべての預金者が毎日銀行に来て張り紙を読むとは限らないからです。多くの預金者がこの規定変更に欺かれて苦情を述べています。メガ銀行のプロモーションには要注意です。[ ジャカルタ在住、ダニエル・タング ]


「また口入詐欺」(2006年6月30日)
口入詐欺を行ったPT Telkom元従業員を被害者が警察に訴えた。北ジャカルタ市警チリンチン署に訴えられたエミル・ビン・マフユディンはかつてテルコム本社に勤めていたが1994年に南ジャカルタ支社への転勤命令を受けた。ところが本人に出された転勤命令とは裏腹に南ジャカルタ支社への連絡が不備だったために支社側はかれを受け入れることができず、結局かれは本社に戻された。しかしかれが前いた職場の担当業務はすでに別の従業員に引き継がれていたため、エミルは定常業務を与えられないまま社内失業者になってしまった。それでも毎日会社に出て出勤簿にサインしていたが、後に業務をサボっていると誤解されて給与停止処分が与えられた、とエミルは警察の取調べの中で物語っている。どうやらかれはそんな会社の仕打ちに深い恨みを抱いたようで、リイスとタゴールというふたりの仲間と組んでテルコムへの就職希望者に対して口入詐欺を働いていた。かれらの詐欺の被害者になったと警察に届け出たのはボゴール住民7人、北ジャカルタ・ビンタロ・デポッ住民それぞれひとり、合計10人に上っている。被害額はひとによって異なり、6百万ルピアから4千5百万ルピアという幅広いレンジに渡っている。一味は金を受け取るたびに、律義に領収書を被害者に渡していた。仲間のリイスとタゴールは逃亡したため警察が捜索中。エミルは警察の調べに対し、自分はだれも騙しておらず、被害者たちにコンタクトしていたのはリイスであり、またテルコム側に対して採用を働きかけていたのはタゴールだ、と供述しているが、「そのふたりをコーディネートしていたのはおまえだろう?」という取調官の言葉を否定していない。
エミルをチリンチン署に訴えたのはスナルヨで、最初エミルは2千万ルピアを振り込むように要求した、とスナルヨは物語る。2005年2月に開始されたスナルヨの息子のためのテルコム就職運動は、その後エミルが必要な書類の手続をするためという理由で振込みを要求し続け、結局総額は4千5百万ルピアに達した。しかし一年たってもテルコム社からスナルヨの息子宛に採用の話が来ないことから、スナルヨはエミルに対して金を返すよう要求し、1千5百万ルピアは受け取ったとのこと。ところが残りの金の返却をスナルヨが要求しても、エミルは言を左右にして時間を引き延ばすばかりだったために、怒り心頭に発してスナルヨが警察に訴え出たというのが詐欺事件のストーリー。
記者がスナルヨに「どうしてエミルをそこまで信用したのか?」と問うとスナルヨは、「子供がまだ就職できていないということなんだ。親としてどうやって子供に職を与えてやれるか・・・・。それだけだよ。」と低い声で答えた。


「使ってないのに請求が来る」(2006年6月30日)
2006年6月3日付けコンパス紙への投書"Indosat dengan Tagihan Fiktif"から
拝啓、編集部殿。2006年2月13日、わたしは都内アルタグラハビルにあるインドサット事務所で電話利用をクローズしました。クローズしたのは、電話番号081590677XX、顧客番号0146569のジェシカ・アナスタシア名義の携帯電話です。その場でわたしは314,600ルピアを支払い、SIMカードを窓口職員に返却しました。それからかなり時間がたったあと、2006年4月13日付の請求書がわたし宛に届いたことにわたしはびっくりしました。カードをクローズしてから2ヶ月も経つというのに395,198ルピアが請求されているのです。使用をやめSIMカードも返却したのに、いったいどのようにしてそんな請求が起こるようなことをわたしができたと言うのでしょうか?もっと煩わしいことに、デットコレクターがわたしに何回も電話してきて、その請求を早く支払うように迫るのです。
インドサットが成長を実現できたのは、架空の請求をでっちあげて消費者を欺き、デットコレクターの恫喝で消費者から金を巻き上げるという汚いやり方のおかげなのですか?インドサット利用者の8割は勤労者で、そんな汚いやり方にかまける時間を持っていないひとが大半です。かれらの多くは面倒なことを早く片付けようとして詳しいチェックもしないで支払い、後になって架空請求だったことを知って腹立たしい思いをかみしめている人たちです。インドサットは今すぐにでたらめの社内管理システムを正しいものに変え、直接利用者に接するカスタマーサービス職員全員に妥当な訓練を施すようにしてください。それが終わるまで、かつての利用者で義務を忠実に果たしていたひとにデットコレクターを送って脅かしたりすることをしないように。インドサット利用者はもっと警戒し、必要とあらば時間を割いてでもチェックを行って、詐欺の被害者にならないようにしてください。[ ジャカルタ在住、ジェシカ ]