インドネシア詐欺ニセモノ情報2006〜07年


「デットコレクターが警官と共に出現」(2006年7月3日)
2006年5月30日15時半ごろ、中央ジャカルタ市パサルバルのジュアンダ?通りにあるシティ・サフロ夫人の自宅に二人の男が現われた。ひとりはチャンドラと名乗り、自分はシティバンクのデットコレクターだと紹介した。もうひとりはブディで、首都警察スネン署の者だと名乗り、ふたりは夫人にアフダル・アフマッのクレジットカード未払い金1千7百万ルピアの回収に来たと言った。
「ああ、あのひとはもうここにはいやしませんよ。どこかへ雲隠れしちゃって。娘に三人も子を産ませた上に、あちこち不義理を作って雲隠れですよ。あんな男を夫に持った娘が不憫でねえ。今も娘は働きに行ってるんです。あたしも孫たちに時々はミルクを買ってやりたいから、家でできる仕事をもらっちゃあ何かしてるんですがねえ。」
「じゃあ、アフダルの居所を知らないのか?隠すとためにならないぞ!」
「だれが隠すもんですか。こっちのほうでお断りですよ。もう二度と顔も見たくない。」
「だったら家族に責任を取ってもらおう。家族なんだから、親族が犯した不始末はその親族が責任を負わなければならない。」
男たちは高圧的な口調と態度で夫人に迫った。あたしゃ関係ないを繰り返す夫人に、あんたに責任がある、と繰り返す男たち。そして怒りの感情が燃え上がり、暴言を吐いて怒鳴り散らす男たちに、夫人は身の危険を感じ始めた。ブディが言う。
「この犯罪はスネン警察署が捜査しており、法的手続きに従った対応が取られることになっている。2006年6月5日までに返済がなされない場合は、この家屋と家財一切が没収される。・・・・しかしそんな面倒なことはお互いに好まない。もし全額返済が難しいのであれば、とりあえず3百万ルピアで返済がなされたことにしてやるが、どうか?」
ふたりの男に交互に脅かされ、圧迫された上、返済の頭金百万ルピアを今すぐ出せと言われて夫人は手持ちのすべてである30万ルピアをふたりに渡した。夫人は領収書を求める。チャンドラが市販の領収書にその場で記載して夫人に渡した。チャンドラのサインだけで、シティバンクの会社印はない。不審を抱いた夫人がチャンドラに業務命令書を見せてくれと言うと、今持ってきていない、という返事。ブディに対しても警官の身分証明書を見せてくれと頼んだが、ブディも秘密捜査だから見せるわけにいかない、と言う。そしてふたりの男は夫人に対し、6月5日には最低1百万ルピアは用意しておくように、と捨て台詞を残してその家から去った。
そのふたりは自称した通りの者なのかどうか、いまだに不明。


「舌先三寸のマーケティング」(2006年7月6日)
2006年5月22日付コンパス紙への投書"Hadiah Kartu Kredit HSBC"から
拝啓、編集部殿。2006年1月、わたしはHSBC銀行にクレジットカードを申し込み、マーケティング担当者はその申し込みが承認されたら旅行バッグをプレゼントされる、と写真を見せて約束しました。翌月、申し込みが承認され、シルバーカードが送られて来ましたが、プレゼントはついていません。その二日後にアニュアルフィーの請求書が届きました。わたしがHSBCに電話して約束のプレゼントのことを尋ねると、相手はデータを調べてから「いまプロセス中で、4月に受け取ることができる。」と返事しました。2006年5月11日、わたしは再度HSBCに電話しました。カスタマーサービスがデータを調べたところ、わたしはプレゼントをもらえないと言うのです。プレゼントをもらえるのはゴールドカードを申請して承認された者だけだそうです。でもあのときマーケティング担当者が、ゴールドもシルバーも区別なくすべてのカードが承認されたらプレゼントをもらえるのだと説明したのはまちがいありません。HSBCはとても好い銀行なのに、マーケティング担当者は消費者を騙すのですね。[ 北ジャカルタ在住、テレシアN ]


「学生デモまで金で雇える」(2006年7月11日)
雇われデモオルグが、詐称しているトリサクティ大学に捕まった。トリサクティ大学職員、弁護士、警察官らのチームが、自らトリサクティ大学生だと詐称しているイニシャルAFとその仲間で日刊ヌサンタラの新聞記者を自称しているイニシャルIjを7月5日夜、中央ジャカルタ市タマンイスマイルマルズキ内のカフェにおびき出した上で捕らえた。AFはトリサクティ大学学生ジャケットを着用していた。この二人は注文主から金をもらって学生デモを組織し、7日にデモ隊を大統領宮前で行動させたあと自らアジ演説を打つ予定にしていたもので、捕まったときAFはアジ演説の原稿を持っており、それによればスカルノハッタ空港用地買収汚職の糾明をSBY大統領に訴え、また空港管理会社アンカサプラ?の社長を退任させて逮捕せよと迫る予定にしていた。
トリサクティ大学側は、贋学生に煽動されてデモに参加する大学生たちが、自分たちの義憤が実は何者かの謀略に踊らされていただけだったことを知れば口惜しいだろうし、そんなことになっては教え子たちが可哀想だ、とコメントしている。またアンカサプラ?も、次代を担う大学生たちのデモはクリーンな正義感から出たものと誰しも思うが、何者かが金でそれを演出したのであればもはや学生たちの気持ちとは無関係だ、との意見を述べている。


「いつの間にやら条件が変わる」(2006年7月11日)
2006年6月15日付けコンパス紙への投書"Asuransi Tabungan Bumi Putera"から
拝啓、編集部殿。2004年初、南ジャカルタ市クマンラヤ通りにブミプトラ銀行が支店をオープンして一ヵ月後にわたしと妻は顧客になりました。そのとき、銀行のカスタマーサービス担当者はわたしに、預金残高がひと月平均750万ルピアあれば一日当たり30万ルピア入院費用が補償される保険プログラムに入るよう奨めましたので、わたしと妻がそれぞれ口座を持ち、その保険に加入しました。2006年3月、妻が5日間入院しました。わたしはブミプトラ銀行の保険付き預金を思い出し、前にもらっていた保険求償の書類に記入して銀行に提出し、担当者は二週間くらいで150万ルピアが口座に入金されると約束してくれました。
ところが二週間経って口座をチェックしてもお金は入っていません。わたしが担当者に電話すると、驚くべき答えが返って来ました。残高の条件は月中の平均ではなく毎日の残高だと担当者は言うのです。この条件はクマン支店として言っているのでなく、ブミプトラ銀行本社からのものなのだそうです。その担当者自身も、残高条件はこれまでひと月の平均だと理解していたのに今回はじめてその変更を知ったとわたしに打ち明けました。毎日の残高が750万ルピア以上でないといけないなら、こちらの口座残高はそれを下回っている日があるために保険の適用条件を満たしません。
社員にも知らせないで、ブミプトラ銀行はどうしてそのように好き勝手に条件を変更できるのでしょうか?そのせいで顧客は損をするのです。ブミプトラ銀行の保険付き預金口座が本物なのかそれともただのほら話なのかを顧客は判断できるのですぞ。[ 北ジャカルタ在住、エディ・ハンダヤ ]


「再び投資詐欺事件」(2006年7月12日)
投資詐欺のための商品は、手を変え品を変えて後から後から続々と登場する。アグロビジネスから外国にあるコンドミニアム、携帯電話バウチャーから自動車レンタルまで、商品はどうやら何でも良いようだ。「こうやれば絶対儲かる。わたしがそれをやるから、あなたはわたしに投資しなさい。額に汗水たらして働く必要はありません。わたしを信じて金を預けてくれたら、あなたの手元にはそのリターンが山のように・・・」
詐欺にやられたという話があっちにもこっちにもあり、それを聞き知っていながら自分の目の前で同じような話がなされ、桜かもしれないだれかが「オレが一口乗った」と言えばあひるの行列のようにみんながわれもわれもと追従する。ただ金を渡しておけば、その金が後から後から子供を生んで膨らんでくれる。噂に聞くコングロマリットたちが巨額の金を右から左に動かすだけで資本主義メカニズムの中で大もうけをしているのなら、自分も同じようにして儲からないはずがない。そりゃあ動かす金額が桁違いだから、儲けも桁違いは仕方ないとしても・・・
東ジャカルタ市マトラマンのピサガンバル通り一帯で、ミルクビジネスへの投資は儲かるという噂が声高に語られるようになったのはもう一年くらい前からのこと。同じ町内に住むドディ32歳とフェリー35歳が他の住民にひっきりなしに投資を勧誘してまわっている。Pediasureというミルクに投資するだけで良い。25缶入りカートンが一箱170万ルピアする。投資家はカートン単位で投資する。商品を売りさばくのはドディとフェリーだ。商品が売れると利益は商品オーナーと販売者が折半する。1カートンに投資すればひと月20〜30万ルピアのリターンが投資者の手に戻される。こんな楽で儲かる話はない。ドディとフェリーのふたりは、儲かる姿を町内の住民たちの目の前に示して見せた。金を詰め込んだ大きなバッグを持ってきて、投資額の大小に応じて住民たちにその現金をバギバギするということを行って見せたのである。みんなが見ている目の前でだ。今まで半信半疑でいた住民たちも、続々と投資の話に乗ってきた。ふたりは町内の名士にもアプローチした。名士の家に出入りしているかれらを目にして、住民たちの信頼も高まった。フェリーはまた住民たちに対して、自分はペディアシュアの会社のマネージャーと親しいという話しを洩らしていた。
メッカ巡礼のために6千8百万ルピアを貯えていたナニ夫人66歳も、それまで抑えていた欲望を解き放って貯えを全額投資に回してしまった。フェリーの友人である勤め人のブディ35歳も一年前から投資をはじめ、年間でミルク513箱に8.7億ルピアを投資した。その金はブディが勤め先の仲間たちを口説いて集めた金だった。ファディラ40歳は投資資金を作るために家を売った。その売却金から1千3百万ルピアを投資に回した。かれらが金を渡してもフェリーは領収書すら発行しなかったが、みんながフェリーを信用していた。フェリーの共同事業者であるドディはなんてったって同じ町の住民なんだから。
やはり東ジャカルタ市チャクンのピサガン村でも同じような詐欺事件があった。こちらはミルクでなくレンタルオートバイで、オートバイ購入の金を投資させ、そのオートバイをひと月70〜100万ルピアでレンタルして上がった収入を出資者と山分けするというシナリオだ。ところが実態は、買ったオートバイをジャカルタから離れた町に持って行って質入したり安く売却して、詐欺師は1台当たり2〜3百万ルピアを手にしていた。最初の数ヶ月はその金を投資リターンとして出資者に渡して信用させ、話が広がって投資者が増えたところで集まった金と売り払った金を持ってドロンを決め込んだ。被害者たちは騙されたことを知ってオートバイの回収にまわったが、所有者名義が他の者の名前に切り換わっているため、もはやどうしようもなく泣き寝入りすることになった。
ミルク投資にも終わりの日がやって来た。今年5月ごろから、それまで潤沢に入ってきたリターンがもらえなくなった。「どうしたんだ?」と鬼面を向ける住民にふたりは、「売れ行きが落ちたので・・・」と言い訳を繰り返す。これは詐欺だということを確信した住民たちが警察にふたりを訴え出た。警察はドディをその町内で逮捕し、フェリーをおびき出させるようドディに連絡を取らせた。投資をしたい新しい客があるという話をドディから聞いて、フェリーが罠に入ってきた。6月15日にふたりを逮捕した首都警察は、届け出たピサガンバル通り住民数百人から被害総額169億ルピアという情報をまとめたが、まだ届け出ていない被害者がいるものと見て住民への呼びかけを続けている。
警察はふたりの家から被害者の金で購入したと見られる物品や資産を押収した。テレビ、冷蔵庫、洗濯機、四輪車、オートバイ、テレコ、タンス、エアコン、スプリングベッド、土地売買証書、銀行通帳などだ。警察の調べでは、ドディはとある医薬品栄養食品会社の従業員だったらしい。そこでの業務はペディアシュアのマーケティングだったが、2004年にかれはその会社から解雇されている。ドディはその後も往時の仕事をして稼ごうと考えたが仕入れの資金がない。そのとき閃いたアイデアは、一般から資金を募ることだった。こうしてドディはフェリーを巻き込んで事業を開始するが、仕入れたミルクを薄利で売り捌いたために、投資者が増えるとそれまでのリターンを維持していては赤字になるという状況に陥ってしまったらしい。


「みんなやってる言行不一致」(2006年7月12日)
2006年6月9日付けコンパス紙への投書"Bunga Kartu Kredit BNI"から
拝啓、編集部殿。BNIゴールドクレジットカード保有者としてわたしは、2006年6月のわたし宛て請求書の中の金利計算方法についてBNI銀行に説明を求めたいと思います。BNI銀行内でのクレジットカード金利計算がおかしいという話を何度も耳にしたので、わたしはその状況を確かめたいと思い、5月請求分からちょうど1百万ルピア減らして返済をしました。延滞金利率は2.55%なので6月に請求される金利額は25,500ルピアだろうとわたしは考え、それを証明してみようとしたのです。
ところがなんと、6月の請求書には金利額が145,059ルピアと記載されているではありませんか。これだとひと月14.5%、年間で175%もの金利率になります。わたしがBNIコールに電話してその件を問い合わせると、「金利は取引ごとにかけられ、またマニュアルで計算されている。」という返事しかもらえず、わたしの疑問は解けません。たとえ取引ごとにかけられたにせよ、金利は1百万ルピアにしかかからないため、金利率がどうして14.5%にもなるのかの答えになっていません。BNIコール担当者は「サービスガイド冊子にすべて記載されています。」と言いましたが、わたしがその冊子を調べたところ、このことに関する記載は何もありませんでした。
わたしはBNI銀行から直接説明を聞きたいと希望します。金利率はひと月2.55%でなく14%以上、年間では175%もの金利を取ってぼろ儲けをしているという推測が成り立つからです。それではまるで高利貸しではありませんか。おまけに返済が遅れるとデットコレクターを寄越すのですから。[ 東ジャカルタ在住、フィゴ・ウィジャナルコ ]


「汚い手も商売のうち」(2006年7月13日)
2006年6月9日付けコンパス紙への投書"Tagihan Kartu BII Tidak Etis"から
拝啓、編集部殿。わたしはもう十数年間ビザBIIクレジットカード保有者でこれまで何も問題がありませんでした。ところが2006年3月末にわたし宛にマスターカードの請求書が届きました。内容はアニュアルフィー15万ルピアです。わたしはこのカードを申請したこともなく、ましてやカードを受け取ってもいません。わたしはその請求書に「このカードはすぐにクローズしなさい」と書いてBIIのブカシ市カリマラン支店経由で返却しました。そのときは銀行の店は開いているのに警備員しかおらず、職員がまだ出勤していなかったのでわたしはそれをカスタマーサービスのデスクに置いて帰りました。2006年4月、こんどは同じ請求金額に金利と罰金が付け加えられた請求書がまた届きました。わたしは5月3日にまた銀行に行って担当者にこの問題を説明したところ、その担当者はBIIクレジットカードセンターに電話して直接話すようわたしに勧めました。電話して相手に事情を告げると、電話の向こうで担当者がわたしのアイデンティティについてあれこれ尋ねるのです。「わたしが希望しているのは請求書の返却と、わたしが依頼してもいないのに銀行が行ったことがらをクローズしてもらいたいだけだ。」とその担当者に言うと、だからわたしのアイデンティティが必要なのだとその担当者は言い張ります。
クレジットカードの名前と住所とカード番号以外にわたしが提供しなければならない情報はないはずですが、その担当者はわたしのアイデンティティの詳細がなければクローズはできないと言い張るのです。わたしは銀行を定年退職した人間で、このような問題は隅々まで知っているとその担当者に言いました。銀行は顧客の依頼なしにそれを始めたのだから、すぐにクローズすることができる。これは百%銀行側の問題であり、顧客の関与するものではない。銀行はもし不適当だと判断すれば、顧客の口座をいつでも顧客の同意なしにクローズすることさえできる、と。
2006年5月末にわたしはまた金利と罰金が更新された請求書を受け取りました。すぐにクローズするようにとのメモを添えて、わたしはBIIカリマラン支店経由でそれをBIIカードセンターに返却しました。時間とエネルギーを空費するだけなので、わたしはクレームを起こす気はありません。顧客の依頼なしに口座を開設するのは不道徳な行為です。ましてやその費用、金利、罰金などを請求するのはもっと倫理に外れています。調査する義務は銀行側にあるのです。もし顧客が言うことが本当なら、銀行はすぐにその口座を閉じて問題を終結させる義務があるのです。[ ブカシ在住、ハルソノ・ステジョ ]


「保険金を待って7ヶ月」(2006年7月17日)
2006年5月22日付コンパス紙への投書"Tunggu Klaim ACA Tujuh Bulan"から
拝啓、編集部殿。2005年10月にわたしの車がダイハツタルナにひどく追突したのがことの始まりでした。わたしは第三者補償を含めた自動車保険に加入していたので、タルナの修理のためにACA保険に求償クレームを起こしました。わたしの車の修理は全然問題なく保険で処理できましたが、第三者補償の方はもう7ヶ月たつというのに保険会社からは何の進展もありません。そしてなぜこうなのかという説明すらないのです。クレームを起こしてひと月目にわたしはボゴールのACAに問い合わせました。すると担当者は「第三者補償はボゴール支店に資金がないので、本社から入金しないと払えない。」と言うのです。またひと月たったのでボゴール支店に問い合わせると、まだ本社からの入金がなくて支払えないが入金したらこちらから電話する、とのことでした。ところが7ヶ月たつのに、連絡など一度もありません。三ヶ月目にタルナのオーナーが自分で立て替えた修理代を早く払ってくれと言ってきたので、仕方なく自分の金で相手との問題を終わらせました。しょっちゅう電話してくるので煩わしかったからです。
わたしがそのようにしたのは、少なくとも数ヶ月以内にはACAから保険金が下りるだろうと思ったからでした。だってACA保険は名前もよく知られた大きな保険会社なんですから。ところが7ヶ月たった今、依然として保険金はもらえず、またリジェクトかどうかというような説明すらありません。大きな看板が仕事やサービスをきちんと果たす保証ではなかったようです。ACA保険からのアテンションを期待しています。[ ボゴール在住、チュー・ホイ・キアン ]


「支払った金額に延滞金利を課す銀行」(2006年7月20日)
2006年6月17日付コンパス紙への投書"Bunga Kartu Kredit Citibank"から
拝啓、編集部殿。シティバンクからのクレジットカード返済請求額が3,694,000ルピアとなっていて、わたしの返済額が44,000ルピア不足していたのには驚きました。なにしろわたしは電話で問い合わせて教えてもらった請求額を満額払っていたのですから。だからその不足分は、わたしが故意に作ったものではありません。
それはともかくとして、ひと月分の支払延滞金利がなんと121,668ルピアも課されていたのにはもっと驚きました。それだと一ヶ月の金利率が276.52%になり、年間だと3,318.2%という天文学的数字になるではありませんか。しかしその金利額は規定金利率の3.5%を3,694,778ルピアに掛けたものだとわたしは思います。ところが請求書の裏側には、支払延滞金利は月末の未払い金額に対して掛けられると記されているではありませんか。1991年以来わたしはシティバンククレジットカード利用者として、いつも期限日より先に、しかも端数額は切り上げて支払っていたというのに、こんなショックを与えられるとは思いもよりませんでした。もしわたしが端数を切り下げて支払ったら数ルピアといった未払い金額が月末に残るにちがいありませんが、そしたらシティバンクはその月にわたしが支払った金額に対して延滞金利をかけてくるのでしょうか?[ バンドン在住、スシロ・バスキ ]


「入院詐欺事件がまた」(2006年7月26日)
南ブカシのジャカムリヤに住むプジ・マヌルンが詐欺事件の被害者になった。この手口は何年も前から行われているものだが、被害者がいまだに後を絶たないようだ。
7月21日、家にいるプジの自宅に電話がかかってきた。相手の男は「メダンのXX病院に勤める医者でジミーです。」と自己紹介したあと、ご主人の甥ごさんが交通事故にあったためすぐ手術しなければならず、手術に要する資材をそろえるために3千2百万ルピアをXX銀行口座番号XXXXXにすぐ振り込んでください、と求めた。切迫した物言いに釣られてプジはすぐに銀行に走り、ジミー医師が言った口座に1千5百万ルピアを振り込んだ。振り込んだことを知らせようとしてプジは家に戻り、メダンのXX病院に電話をかけた。
「XX病院ですか?ジミー先生をお願いします。」
「はあ?そんな名前のドクターはここにいませんが。」
「でも、甥のXXが交通事故で入院したって・・・」
少し時間を置いてから、電話の相手はXXという名前の患者はいない、と断言した。
ショックで腰が抜け、へなへなとくずおれるプジ。
そのあと元気を取り戻したプジはいそいでブカシ警察に電話した。


「廉価航空券の20%は使えないもの」(2006年7月26日)
2006年7月4日付コンパス紙への投書"Tiket Murah AdamAir Menipu"から
拝啓、編集部殿。わが家の家族三人は2006年6月17日、スカルノハッタ空港から朝6時5分発のアダムエアーでバリッパパンへ行くことにしました。当日チェックインしようとしたところ、アダムエアーのカウンターはそのフライトの受付を一方的に閉鎖した後でした。飛行機の出発時間が6時5分であるのは間違いなく、わたしたち家族がチェックインしようとした時間は午前5時20分だったのです。アダムエアーのスタッフは挑戦的な口調で、「あなたがた三人が座るべき座席はもうありません。その座席は他の人が買いましたから。」と言うのです。わたしたちの同意も求めないで、なんと好き勝手なことをするのでしょうか。
おかしなことに、次のフライトに乗るためには78万ルピアを払わなければならないとそのスタッフは言うのですが、ステータスはウエイティングリストなので、出発できるかどうかの保証もありません。わたしがアダムエアーの責任者に会いたいと要請するとかれらは、「空港に責任者はいない」とあっさり言いました。アダムエアーほどの大きな会社が現場に責任者を置いていないなんて、ありえることなのでしょうか?まるで信じられません。わたしの一家が遭遇したのと同じ目に、行く先は異なれ何十人ものひとたちが遭っているようです。座席などもらえないのに安い切符代を餌にアダムエアーに欺かれたとしか思えません。
空港管理会社職員にこの体験を物語ったところその職員は、アダムエアーのカウンターではそんなことは日常茶飯事だ、と言うのです。アダムエアーは百の座席があればそれに対して切符を120枚販売するのだそうです。そのため必ず20枚の切符が宙に浮き、一方で必ず遅れてやって来て仕方なく別の日に出発日を変更するのを受け入れる乗客がいると見ているそうです。だから消費者の皆さんはアダムエアーの安い切符に最大限の警戒を払ってください。あなたが買った切符はいざそのときに使うことのできないものかもしれません。安い切符という仮面をかぶった詐欺かもしれませんよ。[ 西ジャカルタ市在住、ヘルヤント・グナワン ]


「分量をごまかすガソリンスタンド」(2006年7月31日)
ガソリンスタンドが消費者に対して不正行為を行っていないかどうかをチェックしていた石油燃料統合チームが、検査結果ならびに既に取られた措置について公表した。このチームはジャワ島内18都市で2005年3月から覆面検査活動を開始し、今年6月までに石油燃料一般向け小売販売を行っている228軒のスタンドを調べ、そのうち120軒で不正行為の事実を発見した。18都市とはジャカルタ、ボゴール、タングラン、ブカシ、デポッ、セラン、スカブミ、スバン、チレボン、バンドン、タシッマラヤなど。
それらのスタンドが行っていた不正行為とは、給油ポンプの目盛りをごまかして実際には表示量より少ない分量を顧客に売り渡すというもの。摘発された120軒のうち10リッター当たり50〜100mlをごまかしていたのが57軒、100〜150mlをごまかしていたのが29軒、150ml以上も減らして10リッター入れたことにしていたのが24軒という内訳だが、ごまかし量が一番ひどかったのは10リッター中1,300ml、ごまかしの最低は10リッター中60mlだった。他には工場等が持ってきたドラム缶に給油して販売していたのが3軒、そしてディスペンサーに針金やリモコンを設置して操作していたのが7軒となっている。このディスペンサーの操作というのは簪状の針金を設置して給油量測定数値を操作するものだが、中にはそれをリモコンで操作できるようにしたハイテク版もあり、そんなハイテク版はブカシ市タンブンのマグンジャヤで見つかっている。その120軒が消費者から得た不当な利益は年間で430億ルピアに上るものと同チームは見ている。プルタミナは不正行為を行った120軒中の83軒に対して2週間の操業停止を、産業向け販売とディスペンサー操作を行った10軒は2ヶ月の操業停止を命じている。残りの不正スタンドについては、制裁措置がこれから出されることになっている。また首都警察は統合チームからデータをもらい、それら120軒のガソリンスタンドに対する捜査を開始する腹積もりでいる。
全国に3,364軒あるガソリンスタンドは、プルタミナ自身が直営しているものもいくつかあるが大半は民間資本がプルタミナのライセンスを得て開業しているもので、かれらの多くが不当な利益を得るための悪行を行っている事実が浮き彫りにされている。


「クレジットカード返済には落とし穴がいっぱい」(2006年8月2日)
2006年6月27日付コンパス紙への投書"RKK BII Membingunkan"から
拝啓、編集部殿。わたしはVISAのメインとサプラメント、そしてBIIMasterクレジットカードを持っています。2006年5月2日、わたしはその三つのカードに関してクレジットカード口座に全部を振り込みました。返済期限は5月6日でした。ジャカルタのBII銀行パンリマポリム支店で振込みを行うとき、それぞれのカード用に三つの伝票を作りました。それはBIIカードセンターがそれぞれのカードに対して分配をしてくれると思ったからです。クレジットカード口座の利用は期限の三日前までという規定なので、わたしはそれもちゃんと守りました。ところが翌月のマスターカードの請求書には返済が1ルピアも記載されておらず、そのために返済遅延チャージとファイナンスチャージが課されていました。
この問題をカードセンターに問い合わせたところ、担当者はあっさりと「クレジットカード口座に払い込んだ場合は、どのカードにいくら納めるのかということをカードセンターに連絡してもらわないといけません。そうしないとシステム上全額がVISAカードへの入金として処理されますので。」と言うのです。システムを作ったのは人間ではありませんか。ならばこれはBIIが顧客から儲けるようなシステムを故意に作ったということではないのでしょうか?結果的にわたしがマスターカードのために納めた金はVISAカードに入金されたことになります。もし毎回カードセンターに電話しなければならないのなら、クレジットカード口座への入金に伝票を三つも作った意味がどこにあるのでしょう。BII銀行にとっては伝票の無駄であり、わたしにとっては電話代の無駄です。本当は払わなくて済むチャージを課して収入を増やそうとするBII銀行カードセンターの罠にはめられた思いです。[ 西ジャカルタ在住、ロナウリ・イリヤワティ ]


「他人のアイデンティティを無断使用」(2006年8月4日)
2006年6月27日付コンパス紙への投書"KTP untuk KTA Bank Mandiri"から
拝啓、編集部殿。わたしは2006年6月9日に西ジャカルタ市にあるマンディリ銀行グロドッ支店へ貯金口座を開きに行きました。ところが手続を始めて数分後、カスタマーサービス担当者がわたしに「貯金口座は開けません」と言いました。なぜなら、クブンジュルッのマンディリ銀行プルジュアガン通り支店でわたしが無担保ローンを申請しているからだと言うのです。しかしわたし自身はいまだかつてマンディリ銀行に借入れを申請したことはありません。しかし銀行のデータにあるのは、わたしのKTP(住民証明書)の内容とまったく同じなのです。つまり、名前、住所、KTP番号、生年月日のデータがそのまま収められているのです。ただしわたしの母親の名前と出生地は異なっていました。
そのためわたしはマンディリ銀行プルジュアガン通り支店にアイデンティティの偽造を届出て、この問題のフォローをするように依頼しました。同じKTP番号がもうひとつ作られているということなのでしょうか?こんなに簡単に悪用されるのはとても不可解です。この事件は多分、誰かに損をさせて自分が得をしようと考えている悪人のしわざにちがいありません。マンディリ銀行は受け取った借入れ申請を十分吟味し、選択的に承認を与えるようにしなければなりません。KTP所有者のみなさんも、悪事をはたらく悪徳職員の手からKTPを十分保護するよう注意しましょう。[ 西ジャカルタ市在住、モモン ]


「詐欺ならもっとうまくやれ」(2006年8月7日)
2006年7月14日付コンパス紙への投書"Nomor Diganti, BPKB Dipersulit"から
拝啓、編集部殿。わたしは2006年ワールドカップクイズに関するテルコムセルの広告に興味を引かれ、2006番のSMSクイズ宛にSMSを送ってみました。すると返事があり、10問正解で抽選番号がひとつもらえるというのです。SMS送信料は一回1千ルピアでした。
わたしは2006年5月31日から140回解答をSMSで送り、そのうち60問が正解でした。だからわたしは抽選番号を6つもらえるはずなのに、ひとつも番号をもらえません。それで2006年6月4日に111番のテルコムセルカスタマーサービスにコンタクトしました。先方は三日後に抽選番号が届きますと言いましたが、結果は何もなし。6月7日にまた111番にコンタクトしてこの件について尋ねましたが、先方の担当者が言う返事は前回と同じです。そしてその結果も前回と同じでした。6月15日に再度111番にコンタクトすると、こんどはhelp というメッセージを2006番にSMS送信してごらんなさい、と言うのです。言われた通りわたしがそれを行うと、返事が戻ってきました。「クイズは終了しました」という返事が。テルコムセルには本当にがっかりさせられてしまいました。
わたしが尋ねたいのは、テルコムセルはこのクイズに対してどう責任を取るのかということです。それともこれは2006年ワールドカップという一大イベントを利用して顧客から電話代をごっそり搾り取ろうというテルコムセルの策謀なのでしょうか?わたしに抽選番号をくれていれば、わたしはここまで問題にしようとはしなかったでしょう。テルコムセル側の説明を求めます。[ ジャンビ在住、スバイディ ]


「金をもらうのが宅配受付係の仕事」(2006年8月11日)
2006年6月21日付コンパス紙への投書"Paket Lewat Pandu Siwi Sentosa"から
拝啓、編集部殿。わたしは宅配サービス会社PT Pandu Siwi Sentosa のサービスをたいへん遺憾に思います。事の発端は2006年6月6日に中部アチェのタケゴンに小包を送ろうとしたことです。小包はPSSの窓口女性が受付ました。わたしはオーダーする前に、タケゴンまで届くのかと尋ねたのです。なぜならタケゴンはバンダアチェから8時間も離れた場所ですので。窓口女性は「届きます」と請け負い、おまけに「遅くとも二三日中に」と付け加えました。6月9日にタケゴンにいる姉に連絡しましたが、まだ届いていません。名前と住所は間違いないのです。6月10日にわたしはPSSに連絡を取りました。先方の担当者はチェックするから13日にまた連絡してほしいと言います。そしてわたしが得た答えは、小包はタケゴンまで届けられないということでした。ロスマウェでさえ届けられないというのです。最初わたしが尋ねたとき、受付担当者はできると言ったではありませんか。PSSの責任はどうなっているのですか?PSSは欺瞞と虚偽を行いました。[ デポッ在住、リアウィンダ ]


「幼稚園の施設費に疑惑」(2006年8月16日)
2006年7月17日付コンパス紙への投書"Sekolah TK Pembangunan Jaya"から
拝啓、編集部殿。2004年にわたしの子供はタングランのビンタロジャヤにあるプンバグナンジャヤ幼稚園に入園しました。入園時の支払いはプレイグループ、幼稚園年少、幼稚園年長の三年間分一括920万ルピアでした。月謝は毎月35万ルピアです。翌年、わたしの子供は幼稚園年長に上がりました。すると生徒ひとりあたり85万5千ルピアの施設費とひと月52万5千ルピアの月謝が徴収されました。おかしいのは施設費を三週間に渡って三回分割で納めなければならないのです。そして7月15日までに全部納められていないと子供は名簿に名前が載りません。おかげでその学校休みの期間、わたしは何回も幼稚園に行ったり来たりさせられました。幼稚園年長分まで三年分一括で納めてあるというのに。
幼稚園からの通知はプンバグナンジャヤ第一幼稚園経営者と書かれてハンコが押されていますがビンタロのプンバグナンジャヤ幼稚園長のサインはありません。このお金を徴収したことについての責任者はいったい誰なのでしょうか?おまけに支払いは園の事務所での現金払いであり、毎月納めている月謝のようにブコピン銀行を使わないのですから。わたしはこの問題をPTA副会長に提起してみましたが、何の結果も出ていません。過去二年間でこの幼稚園の施設は特に目立った変化はありません。ペンキが塗りなおされたくらいで、生徒用トイレはいつも汚れています。一年間で園側が生徒のために行っていることは85万5千ルピアも使うようなものではありません。ましてや月謝が毎年上がっているのですから。ビンタロジャヤ界隈で子供のために幼稚園を探している親御さんはどうか気を付けてください。[ ビンタロ在住、サリ ]


「一度食らいついたらしゃぶりつくすまで放さない」(2006年8月18日)
2006年6月22日付コンパス紙への投書"Pulsa XL Terus Tersedot"から
拝啓、編集部殿。わたしはPT Excelcomindo Pratama のプリペイドXLカード利用者です。XLのサービスとしてサッカーワールドカップ情報配信があったので、わたしは1111番にその配信を注文しました。SMS1回につき1千ルピアです。SMSでそれを注文するときわたしはAグループのニュースだけを頼みましたが、実際には注文してもいない他のグループのニュースも1回1千ルピアで送られてくるのです。損させられるのは嫌だからわたしはその配信をキャンセルしようとしましたが、奇妙なことに配信先登録リストの中にわたしのデータはないとの返事がSMSで戻ってきました。その後もSMS配信は送り続けられており、止む気配がありません。カスタマーサービス(021)5762300に電話して見ましたが誰も出ませんのでXL818に連絡したところ、先方は24時間後にクローズされると約束してくれましたが所詮ただの約束でした。2日間にわたってわたしはXL818にコンタクトを取り続けましたがわたしの電話代はこのサービスに食われ続け、わずか三日間で12万ルピアが吸い取られてしまいました。わたしはもう、XLの名前で行われている有料サービスなど信用することができません。顧客が大損しているというのにXLは何もできないのですから。[ シドアルジョ在住、アグスティヌス・ドゥイ ]


「消費者の盲点はここ!」(2006年8月22日)
2006年7月10日付コンパス紙への投書"Waspadai Harga Murah Carrefour"から
拝啓、編集部殿。2006年6月21日、わたしは中央ジャカルタ市のカルフルドゥタメルリン店で買い物しました。その日はフィルマブランド食用油が安売り目玉商品で、通常価格の12,900ルピアが12,420ルピアになっています。最初わたしはそれを買う予定がなかったのですが、カルフル廉売プロモーションにひかれて2リットル入りレフィルパックを三つ買いました。レジで支払した後レシートを調べると、その商品の単価が書かれていません。レジの店員に単価はいくらか尋ねましたが、覚えていないという返事でした。まさか間違いはないだろうと思ってそのまま帰宅しましたが、家に着いてからチェックしてみるとその単価はなんと12,930ルピアなのです。これでは通常価格より高いではありませんか。
それから三日後の6月24日にわたしが北ジャカルタ市のカルフルチュンパカプティ店で買い物した時も同じことが起こりました。わたしはリンソマティック洗剤3キロとクローズアップ練歯磨きを買ったのです。棚の価格票はそれぞれが48,895ルピアと6,100ルピアという表示になっていました。支払をしたところ、レシートには52,450ルピアと6,700ルピアという単価がプリントされました。わたしはすぐその足で顧客苦情受付窓口に行きました。カルフル職員はそれらをチェックしてから、現金出納機の価格データがまだ修正されていないのだ、と説明しました。それじゃあいったいどのくらいの顧客がカルフルの廉売手口の被害者になったのかしら、とわたしは言いました。なぜならすべての顧客がレシートにプリントされた価格と棚の表示価格をつき合せているわけではないからです。
カルフルが顧客を欺いている行為にわたしはたいへん憤りを覚えます。わたし自身はカルフルの欺瞞行為を三度体験しています。最初はカルフル自身がそんなミスを減らすだろうと思ったので何も問題にしませんでしたが、どうやらカルフルにとっては消費者を欺く行為が当たり前のことのようですね。[ 西ジャカルタ市在住、サンドラ・クスナディ ]


「高利貸し!」(2006年8月28日)
2006年7月8日付コンパス紙への投書"Meminjam Uang di FIF"から
拝啓、編集部殿。家族のための避けられない事情でわたしはFIFデポッ支店から6百万ルピアを借金しました。オートバイの自動車所有証書を担保に入れ、金利は20.3%で35ヶ月の分割返済という契約です。7ヶ月間毎月33万5千ルピアを返済したあと、残高を一括返済しようと考えました。それで残高をFIFに確認したところ驚いてしまいました。残高は691万7千ルピアだと言うのです。7ヶ月間で234万5千ルピアも返済したというのに、借金は減るどころか増えているのですから。奇妙なのは、最初に返済を始めた際に金利の209,447ルピアについてはっきりした説明が得られなかったことです。以前の話では年利20.3%で逓減されるということだったのに。カラ契約にサインしてしまったため、わたしは不承不承その残高を支払いました。
ところがその691万7千ルピアには訳のわからない管理費746,300ルピア、保険料617,800ルピアなどまでが含まれていたことが判明したのです。そして金利率も34.13%になっていました。借入金を受け取るときには10万ルピアが天引きされ、そして一括返済にはペナルティとして316,727ルピアも課されました。FIFデポッ支店から借金したことがわたしの致命的な間違いでした。[ デポッ在住、リドゥワン ]


「銀行間送金は落とし穴」(2006年8月29日)
2006年7月19日付コンパス紙への投書"Transfer Lewat ATM Muamalat"から
拝啓、編集部殿。7月7日夕方、わたしと妻はムアマラッ銀行の妻の口座からムアマラッ銀行ATMカードを使ってBCA銀行のわたしの口座に送金を行うことにしました。それが問題なくできるかどうかをわたしはムアマラッ銀行フォーンバンキングコールセンターにコンタクトして確認しました。フォーンオフィサーは、その送金は可能であり、BCAのATMを使わなければならないこと、4千ルピアのチャージがかかることを説明してくれました。7月8日午前9時半ごろ、わたしはクブンジュルッにあるBCAのATMで送金プロセスの操作を正しく行いました。ATMのモニターに「あなたの決済はいまプロセス中です」という表示が出るところまで行きましたが、そのあとかなり長い時間そのままだったので、わたしは不安に襲われました。そしてとうとうATMのモニターに「残念ながらご希望の決済はまだ実行できません」という表示が出現しました。その送金が本当に失敗したのかどうかを確かめるために、わたしはBCA側の口座残高をチェックしました。残高は変化していないので、入金が何もなかったのだということが確認できました。次にその同じATMマシンで妻の口座残高をチェックするためにムアマラッ銀行ATMカードを使って残高チェックを行いました。するとどうでしょう、妻の側の口座はさっき送金しようとして失敗した金額分が減っているではありませんか。19時50分ごろ、わたしはもう一度BCAとムアマラッの口座残高を調べましたがさっきと同じ結果が確認できただけでした。つまりBCAのわたしの口座への入金はなく、妻のムアマラッの口座からは出金が記録されていたのです。[ ジャカルタ在住、ペテル・ハンス ]


「口先で客をなだめて、何もせず」(2006年9月5日)
2006年7月20日付コンパス紙への投書"ABN Amro Tidak Profesional"から
拝啓、編集部殿。わたしはABNアムロ銀行発行のマスターカード保有者です。2006年4月1日付け請求書で金利354,449ルピアが請求されているのに驚き、4月11日にアムロ銀行に電話しました。電話に出たヘンドリさんは、前月の支払に不足があったためだと説明しましたが、わたしは今まで常に請求金額を満額支払っています。それで前月支払った証憑として銀行のスリップをファックスしました。その後電話したとき、その電話に出たトニーさんと会話したところ、システム上のミスで起こったことだとトニーさんは認めました。そして早急にこの問題を片付けるからと約束してくれましたが、翌月の請求書はそれが解決されていないことを示していました。
2006年5月15日、わたしはまたアムロ銀行に電話し、ジョニーさんが結果を連絡するからと言ってくれましたが何の連絡もありません。5月17日にまた電話したところヘンドリさんが、次の請求書では必ず解決するから、と言いましたがフォローされていません。2006年7月8日、わたしが電話するとムルニさんが出たので、この問題を解決できるレベルの担当者と話したい旨依頼しました。ところがムルニさんは、その日は誰も事務所に出勤していないとだけ返事し、わたしに支払証憑をファックスするよう求めました。わたしはムルニさんにその依頼を紙に書いてファックスするよう頼みました。かれらが責任持って仕事をしていないことはこれまでの体験から明らかではありませんか。ムルニさんは「わかりました。すぐファックスしますから。」と言って電話を切りましたが、かの女は夕方わたしに電話してきて、月曜にファックスするから時間を下さい、と言います。ところがやはりこれまでと同じでした。フォローは何もありません。
7月分請求書は依然として金利の請求を続けています。ABNアムロ銀行の顧客としてわたしはどれだけ同銀行職員に対してサービスしたでしょう。アムロ銀行はもっとプロフェッショナルな仕事をして顧客に迷惑をかけないようにできませんか?[ 北ジャカルタ市在住、パウリス・アミン・ジョハン ]


「顧客を引き止める必殺技」(2006年9月6日)
2006年8月3日付コンパス紙への投書"Sulit Menutup Kartu ABN Amro"から
拝啓、編集部殿。わたしはABNアムロ銀行のクレジットカード保有者です。2006年3月17日にわたしは5百万ルピアのカード決済をし、2006年4月12日に501万ルピアの返済を行いました。これは返済期限前に当たります。ところが4月の請求書に返済額不足によるペナルティとして242,806ルピアが追加されました。これは銀行側の間違いだと思ったので、わたしはその請求に対する支払をしませんでした。そして電話やファックスで何度かABNアムロにコンタクトしましたが何の解決もありません。3回もファックスしたのに、先方は受け取っていないと言います。この無責任なひとたちの相手をするのに疲れたので、結局わたしは請求金額を全額決済することにし、7月17日に電話で353,690ルピアに膨らんでいる金額の確認を取りました。
それを終わらせてから7月19日にわたしはABNアムロ銀行に電話して決済完了を確認し、同時にそのクレジットカードをクローズすることを申し出ました。ところが驚いたことに、わたしはカードをクローズすることができないと銀行の担当者は言うのです。その理由は3千ルピアの過払いが残っており、ABNアムロ銀行は残高がゼロにならなければクレジットカードをクローズできないシステムになっているそうなのです。ひょっとしてこれは、次のアニュアルフィーがかかるタイミングにまでもつれこませ、そうしたあとでありとあらゆるペナルティを課してわたしからたっぷり搾り取るためのその場しのぎのでっちあげではないのでしょうか?
それが本当かどうかの確認をABNアムロ銀行担当者から取ろうとすれば、かれらの仕事が遅いためにいつまでも待たされてまた何かが請求される恐れが大です。最期の支払を行う前にわたしは金額を確認し、その通りに支払ったのですから過払い残高があるなどという話は実に奇妙なことではありませんか。わたしは何がどうあれ、絶対にABNアムロ銀行のクレジットカードを返却してこのクレジットアカウントをクローズするつもりです。システム云々は銀行側の社内問題でしょう。ABNアムロ銀行側の配慮を要請します。[ シドアルジョ在住、シティ・ホディジャ ]


「金を戻すような仕事はしたくないのだ」(2006年9月8日)
2006年7月21日付コンパス紙への投書"Dirugikan Tagihan GPRS Telkomse"から
拝啓、編集部殿。わたしはテルコムセルのハローカード利用者です。2006年2月に総額571,629ルピアという請求書が届き、その中にはAPNテルコムセルへのGPRS料金410,790ルピアが含まれていましたが、わたしはGPRSを使ったことがありません。請求明細にはGPRS利用が2006年1月24日から2月18日まで記録されており、中には24時から翌朝までといったとんでもない請求が記されています。わたしは3月4日にブカシのグラパリにこの問題を届け出て、それは受理されました。グラパリの担当者は、このような問題は他の人にも起こっていると語り、この処理には3ヶ月かかるので処理されたらテルコムセルからわたしに電話でコンタクトがある、と説明してくれました。ところが3ヶ月を超えてもテルコムセルからわたし宛のコンタクトは何もなく、わたしは不愉快な思いで5月26日にふたたびブカシのグラパリを訪れました。責任者に会って問い質そうとしたのですが、残念なことにひとりも相手になってくれません。しかたなくカスタマーサービス担当者に経過を尋ねると、その担当者にはその後の処理がどうなっているのかなど何も分からないのです。そして、早く処理されるようにもう一度届け出用紙に記入して提出したらどうですかと奨めるだけなのです。わたしのクレームはいまだに何の対応もなされないまま忘れ去られてしまったみたいです。きっと何の処理もされないままゴミ箱に投げ込まれただけなのでしょう。使ったこともないGPRSの請求をして顧客から余分に支払を得ていながら、損させた顧客への責任をテルコムセルは取ろうともしません。顧客に損させて自分だけ儲けようというのがテルコムセルのやり方なのですか?[ ブカシ在住、ルッマヌル・ハキム ]


「他人名義のクレジットカードはこうやって乗っ取る」(2006年9月18日)
2006年8月3日付コンパス紙への投書"Orang Lain Aktifkan Kartu HSBC"から
拝啓、編集部殿。2005年8月、わたしはある展示会でHSBC銀行クレジットカードのオファーを受けました。6ヶ月間金利なし、アニュアルフィー半額、バランストランスファーといった条件付きなのです。しばらく後にカードができあがり、わたしのKTP(住民証明書)に書かれてある住所に届けられました。ところがその内容は、クレジットリミットは5百万ルピアしかなく、またわたしが求めたバランストランスファーも処理されていなかったので、翌月わたしはそのカードをクローズするよう申し出ました。
2006年3月31日、HSBCは家にいるわたしの妻を経由してわたしにコンタクトしてきました。どうしてわたしの携帯電話に直接電話してこなかったのかわかりません。妻が言うには、わたしのクレジットカードはリミットを1千万ルピアも超過しているのですぐに返済するようにとHSBCが言ったそうです。わたしはびっくりしてしまいました。すぐにHSBCのクレジットカード担当者に電話して、いったいどのカードのことを言っているのか尋ねました。前にもらったカードはもうクローズされているはずですので。ところがその担当者が言うには、わたしは2006年1月にアップグレード申請をしており、新しいカードとPINを受け取っているとのことです。送り先は北ジャカルタ市スンテル地区の会社になっており、受取人はジョニという名前の署名がなされているそうです。
わたしは5月15日、この問題の決着をつけるために都内ムリアビルにあるHSBC事務所を訪れました。リスクマネージメント部門のフィルディさんに用件を告げ、この問題の処理を相談しました。わたしはデットコレクターが毎日自宅に電話してくるような事態を望みません。フィルディさんはわたしに偽のアップグレード申請書を見せてくれました。そこにはわたしのデータがすべて記入され、わたしのサインはニセモノでカードの送り先住所はわたしのまったく知らないものになっていました。携帯電話番号も異なっており、また緊急連絡先の名前もわたしの知らないひとになっています。フィルディさんはわたしに声明書を作るよう要請し、この問題の解決のためにフォローすると約束してくれました。
2006年7月25日、HSBCからデットコレクターがわたしを訪ねてきましたので、フォローがなされていないことがわかりました。わたしにはもう何回も、インドネシア語が一言も書かれていない英語だけの請求書と2006年7月12日にプリントされた電話のPIN番号が送りつけられています。しかしこのオーバーリミット問題が発生する前はHSBCからわたし宛に請求書も何の連絡も、一通たりとも来たことがありません。HSBCのような大銀行が、本来の権利者の住所とは異なる住所や携帯電話番号を書いて提出した申請書に応じてクレジットカードを作り、それをPIN番号と一緒にKTPとは異なる住所に送るようなことをイージーに行っているのはたいへん遺憾です。[ 中央ジャカルタ市在住、アグス・スティアワン ]


「ブルーバードの制服に警戒を」(2006年9月25日)
ブルーバードグループに所属するプサカリンタス(Pusaka Lintas)タクシーの制服を着用して”K”タクシーを運転していた男をブルーバード社が捕らえて警察に突き出した。プサカリンタスはブルーバードの子会社だが、”K”タクシーはブルーバードと無関係。
2006年9月13日午前7時45分ごろ、ブルーバード社保安職員が南ジャカルタ市トゥベッのグダンプルル住宅地表で客待ちしていた”K”タクシー、プレート番号B−2819OK車体番号819番の運転手に不審を抱いてブルーバード本社に連行した。その運転手はスハルト44歳で”K”タクシーの正規職員ではなく、正規職員から委託されてタクシーを運行させていただけであり、その際に委託主からその制服を着用するよう指示されたと供述している。スハルトの説明によれば、他にタクシー運転手の制服がなかったためにプサカリンタスタクシーの制服を使ったとのことだが、ブルーバード社はその裏に犯罪計画が隠されていたのではないかと疑っており、最終的にジャティヌガラ警察署にスハルトの身柄を引き渡した。ブルーバード社にはそれ以前からブルーバード系列の制服を着用した運転手が他のタクシー会社の車を運転しているとの報告が再三届いており、ブルーバードタクシーと思わせて客を乗せた後犯罪を行う下心があったものか、もしくはブルーバードの運転手がおかしなことをしているという印象を消費者に与えて企業イメージを損なうことが目的ではないかとブルーバード側は疑っている。
そのような行為は少なくとも商標権に関する2001年第15号法令第90・91条に違反するものであり、刑罰は入獄5年となっている。ブルーバード社は顧客に対し、制服を見ただけで信用しないようにと注意を呼びかけている。


「悪徳警官を搾る詐欺師たち」(2006年10月9日)
公権力は他人を搾取するためにあるという封建主義的植民地構造からいまだに脱け出せないでいるイ_アでは、高位高官になりすまして詐欺を行う手口がある。しかし被害者になるのも腐敗行為容疑がからんだ高位高官であるケースが多く、見方を変えればロビンフッド的にならないともかぎらないが、それでも詐欺は詐欺だ。オルバ期には、州知事になりすまして州内の県市官房局に電話を入れ、資金を大至急必要としているのでXX銀行にあるわたし名義の口座番号XXXX番に今すぐX千万ルピアを振り込んでくれ、と頼めば、何回かに一回はその金が入って来たらしい。ただしその送金実務を行った者が上前をはねていない保証もないのだが。当然ながら事前に偽KTP(住民証明書)を使って州知事名義の口座を開いておく必要がある。
2006年9月に首都警察一般犯罪捜査局が摘発した詐欺グループも偽造KTPを使って高官名義の銀行口座を開いていた。このグループのシナリオライターは東ジャカルタ市マトラマン地区北ウタンカユ住民のタハン31歳で、かれは仲間のヌズルとヤセル・アラファッに命じてBCA、BNI、マンディリ、プルマタなど代表的な銀行にまず口座を開かせた。最初の入金額はそれぞれ70万ルピアだった。ヤセル・アラファッはタハンに指示されてバシル・バルマウィやブディ・グナワンになりすまし、それらの名前のKTPをトゥベッ地区マンガライ通りに住むシギッ・アリヤントに作らせ、謝礼に12万ルピアを渡している。ところでバシル・バルマウィとはいったいだれかと言えば、この人物は国家警察本部人材担当デピュティで階級は国軍の少将に相当する警視正、ブディ・グナワンは准将に当たる准警補だ。
タハンの指示でヤセルは犯行に取り掛かった。5人の手下を使ってマスメディアから情報を集めさせる。タハンの狙いはこうだ。地方部の公職者の中で役職やプロジェクトに絡んだトラブルを抱えている者がいる。かれらにジャカルタから救いの手を差し伸べてやるのだ。救いや問題解決が無料で得られると考えている者はいない。問題調査チームへの資金、判定権限を持つ者への心付、問題決着のための実弾やら感謝金。仲介者はそれらのコストに自分がもらうべき謝礼を加えて請求する。ターゲット選り出しで南スラウェシ州警察とバンタエン地区警察の高官が候補に上がると、今度はかれらの個人データ洗い出しにかかる。きっちりとデータが押さえられたところで成りすまし役が相手の携帯に電話する。信用した相手は一味が開いた口座に送金する。送金額、つまり請求額はそれぞれ異なっているが、ひとり1千万から3億ルピアが詐取されていた。かれらがターゲットにしたのは地方警察だけでなく地方政府の公共事業局高官職者もおり、その場合は中央政府公共事業省の高官名が詐称されている。この一味は首都警察が逮捕した後、南スラウェシ州警察に送られて拘置された上で取調べを受けている。


「路上はやはり戦場だ」(2006年10月11日)
サフリルは仕事でダアンモゴッ通りに向けてボックス車を走らせていた。西ジャカルタ市プシンの交差点で止まっているとき、挙動の不審な三人のごろつきがかれの車に寄って来た。中のひとりが千ルピアをくれと言う。しかし信号待ち停車の最中に財布から千ルピアを出すような状況でなく、危険でもあるために、サフリルはその要求に応じなかった。信号がグリーンに変わるとかれはすぐに車を発進させた。ところがおよそ2キロ走ったとき、車がエンストした。まるで待ち構えていたかのように、レッカー車がやってきた。Koperasi Pemilik Armada Derek(Kopader)に所属するそのレッカー車は否も応もなく車を引っ張りはじめ、そこから近いレッカー車プールに運んだ。レッカー車クルーは言う。「車はすぐに生き返ってまた走れるようになることを保証する。だから牽引料金57万5千ルピアを払え。」
サフリルが車の状態を調べたところ、燃料パイプが外されていることがわかった。サフリルはハードな値引き交渉を行って30万ルピアまで下げた。しかもエンジンはすぐかかる、という保証付きで。
その事件のあと、サフリルは領収書に書かれてある本社住所、北ジャカルタ市タンジュンプリウッ、クラマッジャヤ通り11番地の電話番号に電話してみたが「この電話番号にはつながりません」というテープの声が流れるだけ。結局サフリルはその路上の猿芝居で30万ルピアの金をむしりとられただけということがはっきりした。芝居の筋書きはこうだ。信号待ち停車している車にごろつきが寄って来て金をねだる。そうやって運転者の注意を引いている間に別のひとりが車に細工する。しばらく走ってからエンストするように仕掛けるのだ。仕掛けした車の後をレッカー車が追尾する。ターゲットがエンストするとすぐに近寄って無理やりにでもレッカー車プールに牽引してくる。牽引料金を支払わせ、細工を元に戻してやれば「めでたし」というのがその筋書き。この芝居に引っ掛からないようにドライバーは警戒せよ、とサフリルは語っている。


「一度手にしたデポジットをそうあっさりと戻すものか」(2006年10月12日)
2006年8月18日付けコンパス紙への投書"Refund Deposit di Xplor Sulit"から
拝啓、編集部殿。2006年6月17日、わたしは携帯電話オペレータXLのバタムパンビルセンターに海外ローミングデポジット150万ルピアのリファンドを申請しました。そのときは二週間でわたしの口座に返金されると言われました。ところが二週間経っても入金しないので、わたしは再びパンビルセンターを訪れました。いつ払い戻してくれるのかを確認するためです。ところが返事は、返金はまだ順番待ち状態であり、いつ実施されるかわからない、とのことでした。そして、詳細は818番のカスタマーサービスに問い合わせてください、と。
わたしがコンタクトしたカスタマーサービス担当者は三人とも、返金はファイナンスの仕事なのでいつなされるのかは何も言えないと返事しました。ただわたしの場合は至急処理ポジションに入っているので近いうちではないか、とも。7月13日にまたコンタクトすると、その週のうちに返金される、と言われましたが実行されませんでした。7月16日には電話に出たカスタマーサービス担当者が、明日はっきりした日にちを連絡すると約束しましたが、これも実行されませんでした。7月29日にまたパンビルのXLセンターに出向いて月次支払がてらその問題を尋ねると、KTP(住民証明書)のコピーが付いていないからだ、と言われて驚きました。最初リファンド申請を出したとき、そんなことは一言も言わなかったじゃありませんか。そしてもう一度申請のやり直しをさせられたのです。
XLの顧客に対するサービス姿勢はきわめてお粗末なもので、こちらから尋ねない限り先方から何の連絡もしてきません。今現在わたしはいまだにそのリファンドがいつなされるのか、まるでわかりません。消費者に購入を誘う宣伝はたいへん魅力的なのに、XLの社内管理はでたらめですね。[ バタム在住、ハルヨノ ]
2006年8月31日付けコンパス紙に掲載されたエクセルコミンドからの回答
拝啓、編集部殿。8月18日付けコンパス紙に掲載されたハルヨノ氏の投書について次の通りお知らせします。弊社はハルヨノ氏と連絡を取り、発生した問題のフォローを行いました。同氏は当方の説明と問題解決提案を了承されましたので、これで問題は終結いたしました。[ エクセルコミンド広報ヘッド、フェントゥラ・エリサワティ ]


「ニセ鉄道切符にご用心」(2006年10月17日)
ここ数年間ルバラン帰省に飛行機を利用していた人々が陸路にシフトする傾向を見せている今年、鉄道切符の需要は例年にもまして増加している。需要が高まれば市場原理が働き、供給量が限られていればニセモノが市場に侵入してくる。鉄道切符にもニセモノが作られているので、鉄道利用者は必ず公式鉄道切符売場で切符を買うようにしてチャロと呼ばれる周旋屋あるいは切符ダフ屋から決して買わないように、と国有鉄道会社PT KAガンビル駅長が発言した。
PT KAはチャロ排除努力を続けているが、それでもチャロは混雑時に駅舎ホール内で切符が買えなかった利用者にアプローチしたり、監視の目が厳しいときには駅舎外で切符を買いにきた客にアプローチしている。かれらはたいてい自分が乗る予定もない切符を買い、それに自分の利益を上乗せさせた高い金額で鉄道利用希望者に売りつける。ところがチャロの中にニセモノ切符を持ってきて売りつけようとする者があるので、利用者はそれに引っ掛からないよう公式売場で必ず買うようにとの警告がそれ。ニセモノ作成者がビジネスクラスやエグゼキュティブクラス利用者を対象にすることはまずなく、もっぱらエコノミークラス乗客をターゲットにしており、プルウォクルト、バンドン、マディウンなどではニセモノをつかまされた乗客が既に届出ている。駅長は、ニセモノは切符の紙質やプリント面が本物と違っており、駅員や乗務員はすぐに真贋を判別できるが、たまにしか切符を買わない乗客は引っ掛けられる可能性が高い、と言う。公式鉄道切符販売窓口で乗客にニセモノをつかませることはありえないので、ニセモノ切符をチャロから買って乗車したのにその切符は無効となり再度料金を罰金とともに払わせられて大損するような被害を受けないためにも、切符購入を決して窓口以外で行わないように、と駅長は述べている。
ところで今年のルバランに備えてPT KAはフル稼働で運行スケジュールを組んでいるため増便は不可能で、あとは列車の連結車輌数を増やすことしかできないが、増やしてもせいぜい二輌百席程度だと鉄道会社側は表明している。


「ノーと言えないから搾り取られるんじゃないの?」(2006年10月17日)
2006年8月22日付けコンパス紙への投書"Penipuan Berkedok ACC"から
拝啓、編集部殿。2006年7月19日朝9時ごろ、ガルーダ航空の子会社PT Mandiri の経理担当でロヤンだと名乗る人物がわたしに電話をかけてきました。オフィスは都内チキニラヤ通りのセントラルチキニビル内だと言います。そのひとはわたしに、ホテルと飛行機のパッケージバウチャーが手に入るチャンスだとオファーしてきました。飛行機はガルーダだけでなく、エアエイシア、ボラッなども使えるとのことでした。わたしがアクティブなクレジットカードを持っておりポイントをも得ているので、わたしがこのオファーを受ける資格があると言うのです。「何のポイントですか?」とわたしが尋ねると、国際クレジットカード協会のポイントで、わたしのデータもそこから得たのだという説明でした。クレジットカード発行者はみんなそこへカード保有者データを提出しているのでしょうか?わたしは自分のデータがそのように扱われ、自分が望んでもいないバウチャーのために支出が起こることに不服を表明しました。すると相手は、バウチャーが使用されなければお金は戻ると言います。加えてカルフルの買物券35万ルピア相当ももらえるのだと言いましたが、それらは全部嘘でした。そのひとはまた、わたしのクレジットカードは生涯無料となり、パッケージバウチャーの支払いも9回分割で構わないと言いましたが、すべて嘘八百でした。ガルーダ航空、観光文化省、クレジットカード発行銀行、そしてPT Mandiri の経営者はわたしの被害にどんな対応をしてくれるのですか?わたしはただ自分のお金が戻ってくることを希望しているだけなのです。[ 都内ウジュンメンテン在住、サキム・ブディヤント ]


「ご愛顧を辞めるなんて、許せない」(2006年10月19日)
2006年8月23日付けコンパス紙への投書"Sulit Hentikan Kartu ABN Amro"から
拝啓、編集部殿。しばらく前にわたしはABNアムロ銀行でクレジットカードを作りました。数ヶ月たったあとで、考えられないような請求がいろいろ付け加えられることがわかりました。それは負担になりますし、また金利率はひと月3.75〜4%もかけられるのです。2006年7月、わたしは負債を全額支払ってそのクレジットカードを閉めることにしました。そこから問題が始まるのです。 わたしはコールセンターに何十回も電話して、そのたびに違う担当者(ニニン、アアン、ロド、グル、ワヒユ、ジェニー、オニー、ニンタ、リナ・・・・)に毎回同じ話を最初から繰り返しました。最初は、未払い金が3,230,302ルピアあるのでそれを全額支払えばクレジットカードを閉めることができる、と言われました。わたしがそれを完済すると、別のチャージ29,630ルピアが出現しました。それを支払ったら今度は突然、345,810ルピアのリファンドがあるのでクレジットカードはまだ閉められない、と言い出す始末です。その他いろいろなわけのわからない理由を言ってクレジットカードを閉めるわたしの依頼をなかなか実行してくれません。
ABNアムロ銀行は、「入るときは恵比須顔」ですが辞める時には大格闘しなければなりません。負債などなくとも、とても嫌な思いをしなければならないのです。[ 都内クラパガディン在住、ラウラ・ウィジャヤ ]


「シャンプーや石鹸のニセモノ作りが逮捕される」(2006年10月27日)
北スマトラ州メダン市内でシャンプーや液体石鹸を贋造していた男が警察に逮捕された。捕まったのはハルディ・ビン・ジュリで、かれはリアウ州プカンバルにいたところをプカンバル市警に逮捕された。ハルディはDove やPantene の空き瓶数千個を回収し、塩化ナトリウム、漂白剤、その他いくつかの化学薬品を混ぜ合わせたものをその空き瓶に詰め、透明プラスチックで封印して再び市場に流していた。ハルディは6ヶ月前からその贋造ビジネスを始め、一日に最大20本を生産していたが警察がハルディの工房から押収できたニセモノは204本だけで、既に数千本が北スマトラやリアウの市場に流れているものと警察では見ている。
ハルディは自分の商品を一本1万2千ルピアから2万ルピアの価格でみずから住宅や雑貨店を回って販売していた。コストは一本当たり8千ルピアだったらしい。自分の商品はオリジナルのものとの類似度合いが35%程度だとハルディは認めている。しかしどうやら中味について苦情を持ち込んだ客はまだいなかったらしい。消費者はオリジナルかニセモノかについてあまり関心がなく、ダブやパンテーンのように有名なブランドで値段が安ければそれでご満足だ、とハルディは語っている。
商品贋造行為は消費者保護法第62条に抵触し、入獄5年もしくは最高20億ルピアの罰金刑がハルディを待っている。


「機械のせいにしながら、料金徴収はしっかり」(2006年10月27日)
2006年8月23日付けコンパス紙への投書"Kirim SMS Lewat Flexi"から
拝啓、編集部殿。2006年8月8日、わたしはフレクシのオペレータに連絡を取りました。SMSを1回送ると同じことが2回〜4回繰り返されるからです。これは初めてのことではありません。2005年にも同じようなことがあり、フレクシのオペレータに連絡したら、すぐフォローしますと約束してくれて、その数日後にSMS送信は安定しました。ところが2006年初め、再び類似の現象が起こりました。SMSを1回送ると、その相手に何回も同じSMSが届くのです。わたしのSMSを受け取った相手は、「4回SMSを開いたら全部同じ内容でうんざりした」と苦情するので、わたしは再びフレクシオペレータに連絡し、すぐにその現象を止めるよう依頼しました。今回でこの現象は3回目です。
同じ問題でわたしがフレクシに苦情したのもこれで3度目です。SMSを1回送ればその料金は250ルピアなのに、何回も同じ番号に繰り返し発信されるために送られた回数分が引き落とされ、わたしはとても損をしています。顧客の苦情はもっと真剣に対応してください。同じ苦情を何回も顧客に出させるようでは、顧客はうんざりしがっかりするでしょうから。[ 都内クバヨランラマ在住、レ二 ]


「そごうやカルフルで違法販売」(2006年11月1日)
首都警察は都庁商工局と共同で都内の一級ショッピングセンターの調査を行った。期限切れの飲食品を販売していたのはカルフルのクンバガン(Kembangan)店、ルバッブルス(Lebak Bulus)店、プルイッ(Pluit)店、そしてティップトップ(TipTop)スーパーマーケット。それらの店はまた表示された秤量に満たない分量での販売も行っていた。プラザスナヤン内そごうスーパーマーケットでも秤量の過大表示商品が見つかっている。そごうでは封印のされていない電子式秤1台、即席麺、飲料品などが没収された。カルフルのクンバガン店では2キロ入りと1キロ入りのピーナツが実際には125グラムほど不足していたので没収された。ティップトップスーパーでは期限切れのYoung HeartブランドクリームミルクとCalpico、カルフルルバッブルス店では期限切れのポークソーセージとジャム、カルフルプルイッ店ではOrang Tuaブランドのアルコール飲料がそれぞれ没収された。そのアルコール飲料は濃度が14%以上あってスーパーマーケットでの販売が禁止されているもの。
今回の調査は消費者保護を目的に行われたもので、首都警察は1999年第8号法令消費者保護法にしたがって違反者には厳格に罰則を適用する、と述べている。同法によれば違反者は5年の入獄となっている。


「セールスと詐欺は同義語か?」(2006年11月2日)
2006年9月1日付コンパス紙への投書"Jebakan Paket Family Tour"から
拝啓、編集部殿。2006年8月9日、中央ジャカルタ市プラジュ通りを住所とするファミリーツアーからわたしの妻に切符、ホテル等々のパッケージバウチャーの売り込みがありました。切符のバウチャーにはルート:ジャカルタ〜スラバヤとしか書かれていませんが、それはメダン行きにも変更でき、航空会社もガルーダ航空を含めてどれでも利用できるとそのセールスマンが言うので、ファミリーツアーの事務所に電話で確認してみるとその通りだという返事でした。そのとき、何らかの条件があることなどかれらは何も言いませんでした。
その言葉を信用してバウチャーを買い、翌日記載内容を変更してもらうためにファミリーツアーの事務所を訪れたところ、追加費用を払ってアップグレードしなければ変更はできない、と手のひらを返したような返事です。昨日のセールスマンと電話に出た相手を探してもらいましたが外出中で連絡がつかないという返事でした。そのときファミリーツアーの事務所には、やはりバウチャーを買って問題を抱えてしまった他の消費者も来ていました。どうやらこのセールスは汚い手を使って消費者を罠にはめるビジネスだったようです。消費者の損害は小さな金額ではありません。読者のみなさんも、ファミリーツアーのこの種のセールスには十分に警戒されるように。[ 北ジャカルタ市東プルイッ在住、マイケル・ウィナタ ]


「ニセモノ作りはジャカルタにもいる」(2006年11月7日)
「シャンプーや石鹸のニセモノ作りが逮捕される」(2006年10月27日)で報道されたメダンのニセモノ作りの向こうを張って、こんどは東ジャカルタ市ドゥレンサウィッ地区の民家でニセモノを製造して首都圏の薬局や医薬品店に流していた会社が警察に摘発された。ニセモノが作られていたのは薬用塗布油Minyak Tawon やLang 印のMinyak Kayu Putih、telon 塗布油、ウランアリンシャンプー、スンバワ島印蜂蜜など世の中で伝統的に名前の知られた商品で、空き瓶にニセモノを詰めて再封印し販売店に流す手法はメダンのケースと同じ。
警察はその民家でニセモノ作り家内工業が営まれている情報をつかんだことからその家の監視を続け、確証を抱いたために11月2日昼にその家に踏み込んだ。作業場にあった20リッター缶7本と大型ドラム缶3本分の自動車用潤滑油、数十ダースのウランアリンシャンプー空き瓶とMinyak Tawon の空き瓶などが警察に押収された。ニセモノ薬用塗布油はその潤滑油に香料と着色料を混ぜて作られていた。
このニセモノ作りは6年前からPT Jalak Sakti Farma という会社の製造事業として従業員を使って続けられてきた模様で、警察は作業場で仕事をしていた25歳と23歳の従業員ふたり及び会社オーナーの妻を重要参考人として連行し、事情聴取を行っている。会社オーナーはそのとき不在だったために連行できなかった。オーナーの妻は警察の調べに対し、そこで作っているものはすべて許可を得たものでありニセモノではない、と反論しており、また従業員のひとりは、塗布油やシャンプーは一日20ダースを出荷のために箱詰めして1ダースあたり900ルピアの報酬を得ていたと自供している。自分はただ言われたことをしていただけで、ニセモノかどうかはよくわからない、ともその従業員は述べている。


「ダンキンドーナツに騙される」(2006年11月7日)
2006年9月4日付コンパス紙への投書"Tertipu Paket Dunkin' Donuts"から
拝啓、編集部殿。2006年7月30日日曜日、わたしはチブブルのラパガンテンバッ通りにあるダンキンドーナツにお土産を買いに立ち寄りました。わたしは半ダースを注文し、わたしが選んだドーナツを店員が箱に入れましたが、最後のものを入れたあとその店員はマフィンを1個ドーナツの箱に入れました。不審を抱いてわたしがその店員に質問したところ、その男性店員は「これはおまけです」と言うのです。ならばそれで好いとわたしは考え、お金を払って店を出ました。あとでレジから打ち出された買物明細を調べたところ、なんと6個のドーナツとは別にマフィンの金額が請求されているではありませんか。これはつまりマフィンはおまけでもなんでもなく、騙されて売りつけられたことを意味しています。
翌日わたしは別のダンキンドーナツの店に電話してドーナツ半ダースにマフィンがおまけに付くサービスをしているのかどうか尋ねたところ、そのようなサービスは行っていないとの返事でした。わたしはラパガンテンバッ店の店員の詐欺にあったことになります。わたしはそんな小さな金額のことを問題にしているのではありません。ダンキンドーナツともあろう大会社がそのような小ずるい手を使って客を騙すようなことをするなんて、わたしには信じることができません。そんな狡猾な行為がふさわしくない場所で起こったことにわたしは抗議しているのです。各支店で行われている営業にダンキンドーナツは責任を持つべきではありませんか?[ 都内チガンジュル在住、エンガル・パラストリ ]


「会社の名前でそこの従業員を信用するとアブナイ」(2006年11月13日)
2006年9月4日付コンパス紙への投書"Penawaran Produk Dibarengi KTA"から
拝啓、編集部殿。2006年5月、PT Golden Mitra Indonesia の女性マーケティング担当者からわたしに、マンディリ銀行の無担保クレジットが得られるという条件でさまざまな金融商品のオファーがありました。マンディリ銀行クレジットカードで一週間でプロセスできるというので、わたしは189万9千ルピアの入会費用をマンディリ銀行カードから引き落とすという条件でゴールデンミトラの会員になりました。ところが翌月ダナモン銀行から来た請求書を見ると、マンディリでなくダナモンからわたしの承認もなくその費用が引き落とされているのです。ゴールデンミトラ社は消費者を騙すのが巧みなマーケティング担当者をよくお持ちでしたこと。
わたしがそのことをゴールデンミトラ社に苦情すると、そのときの女性マーケティング担当者は不正を行ったため解雇したのでそれ以上は何もできない、と言います。わたしは同社からの問題解決に対する誠意ある対応を待っていますが、同社からのその後のフォローはありません。今回の事件は明らかに消費者が欺かれたものです。何の役に立つのかよくわからないような金融商品オファーには、読者の皆さんも十二分に警戒されるように。その女性マーケティング担当者は商品オファーをわたしにしたとき、明らかにPT Golden Mitra Indonesia の看板を掲げていたのですから。[ 都内ラワサリ在住、アイ・スミラ ]


「金を先に払ったのが運の尽き」(2006年11月22日)
2006年9月9日付けコンパス紙への投書"Calon Nasabah Asuransi Manulife"より
拝啓、編集部殿。わたしは保険が将来への投資、特に子供の将来のためになるものと考えていました。たまたまわたしの上司がPT Asuransi Jiwa Manulife Indonesia (AJMI)の代理店を営んでいる友人を紹介してくれましたので、わたしはプロキッズプラチナ保険に加入することにしました。わたしは生後まだ1ヶ月未満の子供を保険に加入させるよう申請しましたが、マニュライフの手続にはとても失望させられたのです。わたしのほうは必要な条件をすべて調えましたが、最後に健康診断だけが残りました。代理店側は早く申請を終わらせようとして病院から必要なデータを取ろうともせず、用紙を十分に埋めないまま保険会社に送りました。ジャカルタの保険会社本社はその申請を受け付けず、子供の尿検査を義務付けました。想像してもみてください。赤ん坊の尿をどうやったらビンに取れるというのでしょうか?もっとおかしいのは、そこまで話が進むまでにほとんど1ヶ月が費やされたことです。わたしは第一回分の保険料2,954,100ルピアを既に納めているので、保険会社の対応に抗議し、解約すると申し出ました。しかし代理店に説得されて解約は思いとどまりましたが、わたしの計算は甘かったようです。申請からほぼ3ヶ月過ぎたというのに、いまだに保険証券は発行されずマニュアルを受け取ることもできません。
わたしはAJMIのサービスにとても失望しています。保険証券がいつまでたってもおりないのに、どうしてわたしのお金を受け取ることはできるのでしょうか?これは保険会社がもう三ヶ月間もわたしの金を運用し、顧客候補者に損失を与えていることを意味しています。ましてやわたしのほうから解約すると、あれやこれやと管理費等々の名目でわたしの資金が削られるのです。とても不公平で一方的ではありませんか。保険証券を手に入れるだけでこんなに難しいのなら、保険クレームの処理がいったいどのようなものになるのか想像もつきません。AJMI は社内業務を改善し、サービス業であることを肝に銘じて顧客の満足と快適さを高く捧持するようにしてもらいたいものです。[ メダン在住、アフマッ・ディポヌゴロ ]


「ふたたび投資詐欺」(2006年11月27日)
中部ジャワ州サラティガで投資詐欺が発覚した。詐欺を行ったのはエルニ・イダ・ルスワティ43歳とその夫ジョコ・ミンタルト43歳のふたり。エルニはエルニファッションという衣料品ブティックを経営していたが、高額配当を約束して口コミ投資を呼び集めはじめた。その投資に乗ったひとの話しでは、2005年7月から12月までの間は投資金額1千5百万ルピアに対して定期的に配当が行われていたとのことで、その被害者は5千万ルピアを投資して8百万ルピアの配当金を得ていた。ところが2006年に入ってからは配当が約束通りなされなくなり、大勢の投資者が追求したためにエルニは姿を隠し、夫は資産の保全に不安を感じたために家の警備を警察に要請したことで事件の内容が明らかになり、警察はジョコを逮捕した。
エルニファッションは事業許可によれば資本金3百億ルピアとなっている。この夫婦が大勢の投資者から集めた資金は127.6億ルピアに上ると警察では見ている。この投資詐欺に引っ掛かったのは教員、軍人、警察官などで、被害者はスマラン、サラティガ、マグラン、ジョクジャのクロンプロゴから東ジャワのパナルカンまで広範な地域に散在している。警察は、10億ルピアと見積もられるエルニファッションの店舗兼住居、スマランの土地や建物、数千点にのぼる衣料品在庫、邸内にあった洗濯機・冷蔵庫・テレビ等のほか、トヨタヤリス2台・スズキAPV・ホンダCRV・スズキキャリー・キジャンイノバ各1台の合計6台を差し押さえた。警察はエルニを指名手配し、出国禁止措置を移民局に求めている。またほかにも被害者があるのではないかと警察では推測しており、被害者は届け出るようにと市民に呼びかけている。


「セールスと詐欺は同義語!?(そのニ)」(2006年11月27日)
2006年9月14日付コンパス紙への投書"Ditipu Famili Tour"から
拝啓、編集部殿。2005年9月15日、ファミリーツアーのマーケティング担当と名乗るひとから電話があり、あちこちのショッピングセンターで使えるディスカウントカードをオファーしてきました。それはカルフルでも使えて買物が10%割引されると言うのです。わたしは頻繁にカルフルで食材を買物しているので10%割引はメリットが大きいと考え、98万ルピアを払ってファミリーツアーの会員になりました。
カルフルで買物したとき、わたしはレジでそのディスカウントカードを提示しましたが、レジ担当者はファミリーツアーとの提携はないと言います。すぐには信じられなかったのでわたしはカルフルのマネージャーにそのことを尋ねました。すると答えはやはりその通りだったのです。その日は土曜日だったために、わたしは月曜まで待ってファミリーツアーに電話しました。釈明を求めたところ、電話に出た職員は横柄な口調で応対します。わたしにそのディスカウントカードをオファーしたマーケティング担当者と話したいと言うと、その者は正社員でなく単なる歩合セールスマンだと言うのです。ファミリーツアーのマーケティングはうまいことを言ってひとをたぶらかすだけだと言うと、また横柄な口調でわたしの方を悪者にし、責任を取ろうという姿勢は少しもありません。ファミリーツアーのセールスマンを信用したり、その口車に乗っては絶対いけません。読者のみなさんも気を付けましょう。[ 南ジャカルタ市マンパン在住、タリジョス ]


「陳列用ダミー電話機を売りつける詐欺」(2006年11月29日)
2006年8月27日16時ごろ、アンドラはスナヤンのブンカルノスポーツコンプレックス東駐車場で子供がジャカルタコンベンションセンターから出てくるのを待っていた。子供はお絵かき大会に参加しているのだ。そのとき、まだ若い男がふたり、アンドラの車に近付いてきた。かれらは一見して勤め人やセールスマンでないことがわかる。ふたりはノキア携帯電話モデルN93をアンドラに見せて買うように勧めた。値段は驚くほど安い。残念なことに、バッテリーチャージャーはないと言う。アンドラはその携帯電話を手に取って電源を入れようとしたが、点かない。ふたりは「電池が切れてるんだ。」とアンドラに言う。品物はまだ新しく、チャージャーを別に買っても十分お釣がくるとアンドラは思った。結局駐車場でのこの取引は成立した。ノキアの高級モデルを思いがけない安さで手に入れたアンドラはその日、期待に胸はずませて帰宅した。
8月29日、アンドラはバッテリーチャージャーを買いにブカシの自宅からメトロポリタンモールへ出かけた。セントラポンセルの店内でノキアN93を見せ「これに合うバッテリーチャージャーはどれかしら?」と尋ねると、カウンターの店員はそれを調べてから「この機種はまだイ_アで発売されていませんし、それよりこれはダミーですよ。」と答える。「えっ?」とアンドラの時間が一瞬停止した。「ダミーって、かっこうだけで機能のないあれのこと?これ本物でしょ?」とボタンをピコピコ押さえてみる。店員は苦笑いしながら、「最近このダミーがたくさん出回ってて、もう大勢のひとが騙されてるんですよ。」と言う。しかしどう見ても本物としか思えない。役に立たないダミーを金を払って買わされたアンドラはがっかり。
店頭陳列用に作られた本物そっくりのダミーが大量に市場に流れ、携帯電話機流通ルートの外で複数の人間が消費者を騙してそれを売りつけている。かれらはいったいどこからそんなに多くのダミーを、詐欺を行うために仕入れることができたのだろうか。


「贋札が減少傾向」(2006年12月5日)
インドネシア銀行は、ルピア紙幣製造のコストダウンを図るために輸入材料の使用を減らして国産材料の比重を高める方針であることを公表した。国産紙幣用紙の使用を段階的に高めていくこの方針は、政府および造幣公社Perum Peruri との協力で実現させることになる、とイ_ア銀行第3銀行監督局長は述べている。国産用紙使用は、効率向上、輸入減少による外貨節約、そして国産品へのプライド、という効果を持つ、との弁。
贋造紙幣について同局長は、2006年上半期は流通紙幣1千万枚中贋造紙幣が23枚で、その前の39枚から大幅に低下している、と説明した。また発見された贋造紙幣を地域別に見ると、ジャカルタ本部が49.2%、スラバヤ支店29.6%、スマラン支店15.4%となっている。またインドネシア銀行は贋札を専門に取り扱う部門を新規に作り、このCounterfeit Analysis Center で贋札に関するあらゆるデータを集中管理しまた分析を行うことにしている。


「言語明晰論旨滅裂」(2006年12月6日)
2006年9月20日付けコンパス紙への投書"Uang Palsu dari ATM BCA"から
拝啓、編集部殿。2006年7月16日、わたしは西ジャカルタ市のモールダアンモゴッ(Mal Daan Mogot)にあるBCA銀行のATMで、二種類のカードを使って現金を引き出しました。新デザイン5万ルピア紙幣でそれぞれ100万ルピアと50万ルピアです。出てきたお金をわたしは数え直しもしないですぐに財布に入れました。これまでトラブルは一度もなかったものですから。100万ルピアはカルフルショッピングカード返済用でしたので、50万ルピアや他の紙幣とは別にしました。 わたしはその足で西ジャカルタ市プリインダのカルフルを訪れ、入金フォームに記入して100万ルピアと一緒にキャッシャーに渡しました。キャッシャーはそのお金を数えた後、真中あたりにあった一枚を抜き出し、贋札だと言ってわたしに返しました。わたしは驚き、困惑し、また腹が立ちました。BCA銀行ATMに贋札が入っていることなんかありえないと確信していたからです。受取が拒否されたので仕方なくわたしは50万ルピア口の方から一枚を出して取替えました。
7月18日にわたしがハローBCAにこの問題を届け出ると、担当者はすぐに最寄のBCA銀行にその贋札を持って行くよう言いました。わたしは会社から近い東ジャカルタ市チジャントンのBCA銀行を訪れ、そこで苦情フォームに記載し、引き出したときの明細プリントと証拠の5万ルピア紙幣を窓口に提出しました。「BCAのATMにどうして贋札が混じっているのか」とカスタマーサービス担当者に尋ねると、ATMの現金補給は外部に下請けさせているからという返事です。しかし2006年8月14日にわたしがBCAからもらった苦情の回答にはもっとがっかりさせられました。その回答にはこう記されていたのです。「ATMに現金を補給する際には紙幣選別プロセスが行われているため、問題の紙幣は当方のATMから出たものではありません。」[ タングラン在住、ベルティ・カエラニ ]


「こんどは融資詐欺」(2006年12月7日)
簡単な手続きで巨額の融資が得られる手引きをしてあげるからその謝礼をわたしに払え、という約束で被害者から金を詐取していた一味が警察に摘発された。警察では、この一味が詐取した金額は150億ルピアにのぼると見ている。
首都警察特殊犯罪捜査局によれば、詐欺を行っていたのはトレシェ・オスカリタともうひとりの女性Nlで、かれらは2004年から類似の犯行を重ねていたらしい。警察に届け出た被害者は15人おり、ひとり5億ルピアから30億ルピアの範囲で総額150億ルピアが詐取されていた。トレシェは融資希望者を見つけると、コントラクターで資産運用も行っているPT Prismantara Mega Utama 社がマンディリ銀行に持っている口座から2千億ルピアから1.3兆ルピアまでの融資が受けられる、と希望者を口車に乗せるが実際にそんな会社は存在していない。被害者を信用させるためにトレシェはPT Prismantara Mega Utama 社が5億ドルの預金を持っていることを表明するマンディリ銀行発行のステートメントを見せるが、それはニセモノ。ふたりはその幽霊会社や自分のアイデンティティを示すさまざまな公的書類も用意しており、必要に応じて使っていたがそれらもすべてニセモノ。ふたりはそういうチャンスがあることを口コミで流し、かれらの毒牙にかかった被害者はみんな口コミ情報でトレシェにコンタクトしていた。
融資希望者が来るとトレシェは、自分が仲介すれば手続きは非常に簡単で決してリジェクトされない、と言って被害者を安心させ、その代償としてたとえば希望融資額が2千億であれば25億ルピアを謝礼に要求し、融資契約を公証人証書の形で作成して被害者に与えていた。被害者のひとりは、前金として5億ルピアを渡したあと、いつまでたっても融資は下りずうやむやにされた、と述べている。


「クレジットカードの魔術」(2006年12月7日)
2006年9月25日付けコンパス紙への投書"ANZ Panin dan Carrefour"から
拝啓、編集部殿。わたしはANZ Panin 銀行のクレジットカード保有者です。2006年3月18日、わたしは西ジャカルタ市チュンカレンにあるカルフルタマンパルム店で18時に買物をし、そのクレジットカードで1回だけ支払いをしました。ところが翌月のクレジットカード請求書には、わずか1分の差で同じ店での支払いが二回チャージされていました。
わたしが銀行にクレームすると銀行側は決済の伝票を見せてくれましたが、もうひとつの伝票はあきらかにわたしのサインではありません。その後5ヶ月間、銀行側からわたしへのこの件に関する連絡は一度もなく、わたしのほうから銀行に何度も電話し、そして最終的に銀行側はその20万ルピアほどの決済の責任者はわたしであると決め付けて、わたしに金利とともにその金額の支払いを命じました。
カードの裏にあるサインと伝票のサインが異なっているのをいったいどうして正当な決済だと言うことができるのでしょうか?さらに、カルフルのレジに並んだわたしのすぐ次のひとが、カードはわたしの財布の中にあるというのにわたしのカードを使って支払いをいったいどのようにしてできたのでしょうか?たとえばカルフルのレジ担当者が悪さをするというのは可能なことなのでしょうか?このような事件でカード保有者はいつも弱い立場に立たされるのです。[ ジャカルタ在住、スリ・レスタリ ]


「続これぞインドネシア的光景」(2006年12月20日)
フェリーはプリペイド携帯電話XLべバスの利用者だったが、海外ローミングもできるようにしたかったので同じオペレータのポストペイドサービスXplor に転換した。2006年9月11日にバンテン州ランカスビトゥンのXLセンターでその手続を行ない、受け付けた担当者は海外ローミングはすぐにできるような話をした。支払はクレジットカードからの引落とし方式、初回のクレジットリミットは10万ルピア、ということで9月13日に転換の承認を得た。その後9月19日にXLから連絡があり、クレジットリミットは55万ルピアにアップしたことを知らされまた海外ローミング手続のためにパスポートのコピーを最寄のXLセンターに提出するようにと指示された。それに応じてフェリーはまたランカスビトゥンのXLセンターにパスポートのコピーを届けに行ったところそこの担当者の上司は、利用者になって6ヶ月経過していなければ海外ローミングはできない、と言う。フェリーは呆気に取られた。9月11日にその同じ担当者は手続が済めばすぐに海外ローミングができると言ったではないか。ところがその上司は6ヶ月経たなければだめだ、と言う。どうなってんの? フェリーは真相を知りたいと思い、家に帰ってからXLコンタクトセンター818番に電話して正しい規定を尋ねた。すると電話に出た職員はまた違うことを言う。「海外ローミングは150万ルピアのデポジットを置けばすぐにできます。支払はデポジットからの引落としでクレジットカードからじゃありません。」その情報を持ってフェリーはふたたびランカスビトゥンXLセンターに引き返したが、スーパーバイザーは頑なに自説を主張する。「悪いけど、6ヶ月経たなきゃできないんですよ。」 フェリーはその場でもういちど818番に電話した。別の担当者が出た。そして言うことがまた違っていた。「XL本社の管轄エリア外なので海外ローミングは開始できません。6ヶ月経過するのを待たなければなりません。」
海外ローミングができるようにしたいがためにフェリーが行った行動は何の成果もかれにもたらさなかった。最初からそう言われていれば別のオペレータを探したのに。フェリーの無念の思いは癒されない。


「一度利用者になったら無間地獄」(2006年12月20日)
2006年10月3日付けコンパス紙への投書"Pengalaman Tutup Kartu BII"から
拝啓、編集部殿。わたしはBII銀行が発行したビザとマスターカードのふたつのクレジットカードを持っています。BII銀行のコレクションスタッフのやりかたがあまりにもひどいので、わたしはその二枚のカードをクローズしょうと考えました。2006年6月6日、わたしはBII銀行カードセンターに電話し、返済期限日の6月23日時点での総返済金額を二枚とも教えてくれるように頼みました。それは返済日まで金利がつけられることがわかっていたからで、6月23日には未返済残高をゼロにしたかったためです。
数日後にカードセンターのカマルさんが残高を言ってくれましたがわたしの計算とは違っており、内容を調べたところ6月8日にわたしが返済した前月分の残高が含まれていました。
翌月になってBIIからの請求書を見ると、マスターカードは残高がゼロになっていましたが、ビザカードは遅延チャージ、オーバーリミットフィー、ファイナンスチャージがかけられて15万ルピアが未返済となっているのです。遅延チャージはわたしの支払い遅れのためなのでそれは責任を取ることにし、それ以外の請求は消してくれるように頼みました。カマルさんはわたしの決済証憑をファックスするように言い、クローズ申請が承認されたかどうかを連絡すると言ってくれましたが二週間待っても何の音沙汰もありません。結局わたしの方から電話したところ、クローズ申請は承認されなかったという返事でした。
驚いたことに、それから一週間後の2006年7月24日、カードセンターのロビーさんからクレジットカードのアニュアルフィーを支払うよう連絡がきました。その時点で未返済額は30万ルピアになっており、9月にはそれがさらに65万に膨らんでいます。BII銀行のクレジットカードをクローズするのはなんと難しいのでしょうか。何日には金利がいくらになるという計算が、マニュアルにせよ計算式を使うにせよ正確に算出できるようにどうしてならないのでしょうか?これでは未返済残高がいつまでたってもゼロにならないではありませんか。[ デポッ市在住、トリアディ・スリヤント ]


「バサバシの応対が通じない?!」(2006年12月29日)
2006年10月11日付けコンパス紙への投書"Sriwijaya Air Terbang Lebih Awal"から
拝啓、編集部殿。わたしは2006年9月24日ジャカルタ発スマラン行きスリウィジャヤエアーの航空券を買いました。切符には出発時間が7時10分であると記されています。出発当日わたしはスカルノハッタ空港に行ってすぐにチェックインしました。そのとき時計は6時45分を指していました。わたしがチェックインしようとするとカウンター職員が、飛行機はもう閉めたのでリコンファーメーション窓口に行って次のフライトに乗るよう手続きしてくださいと言いました。わたしは状況を説明し、まだ6時45分だから機内に入るすべはないのかと尋ねたところ、飛行機は閉まったのでもう入れませんという返事でした。わたしはすぐにスリウィジャヤエアーのリコンファーメーション窓口に行って次のフライトの出発時間を尋ねました。するとリコンファーメーション窓口職員はわたしの航空券にlate 06.53 と書き込み、そして次のフライトは18時ちょうどで空席はもうないと返事しました。そして明朝の便にまだ空席があるかどうか調べるから待つようにと言います。わたしはそのとき、いままだ6時55分なのに本当に機内に入れないのか、と言いますと職員は、飛行機は7時ちょうどのテークオフ態勢に入ったのだと答えました。飛行機のテークオフが7時ちょうどだったら、どうして7時10分と航空券に書いてあるのでしょうか?すると別の職員が、もしまだ飛行機がいれば必ず入れるようにしてあげるんだけど、もう飛行機は出発していなくなったので、と言いました。その職員がそう言ったとき、時計はやっと7時ちょうどを指していました。もし本気で助けてくれる気があったのなら、チェックインカウンターで時計が6時45分を指していたときになぜそうしてくれなかったのでしょうか。わたしはその職員に言いました。「これは詐欺です。航空券には出発7時10分と書いておきながら、自分は7時ちょうどに出発するのですから。」乗客が最終的に困難や損をするように飛行機の出発を故意に早めるというようなことはないのでしょうか?わたしが買った往復二枚の航空券はそのまま無効になってしまいました。[ ジャカルタ在住、ネニ・スプリハルタティ ]

「結局は傷を広げただけ」(2007年1月8日)
2006年10月11日付けコンパス紙への投書"Waspadai Kartu Kredit HSBC"から
拝啓、編集部殿。わたしはHSBC(香港上海銀行)発行のマスターカード保有者ですが、わたしが使ってもいないクレジット決済をHSBCがわたしに負担させたのはきわめて遺憾です。2006年6月23日と24日、2006年7月3日と4日の決済として総額412,811ルピアがわたしに請求されましたが、わたしはそのとき、子供の学校の世話で忙しく終日何の買い物もしていません。
わたしはこの問題をHSBCのカスタマーサービスに苦情しました。なんと6人もの担当者にですよ。銀行側はわたしにレジのシートとサインを見せてくれましたが、サインはわたしのものとはまったく違っています。わたしはHSBCにわたしのオリジナルサインの見本をファックスし、それがわたしのものでないことを認識してもらおうとしました。しかし銀行側は、わたしがクレジットカードを保管していない、つまり紛失したからそれが起こったのだと責任をわたしに求めます。わたしは何回も、カードはわたしの手の中にあるのだと言っているにもかかわらずです。結局わたしの夫がわたしのカードを持ってHSBCを訪れました。HSBCの担当者にそれを示してわたしの言っていることが本当であることを認識してもらうためです。そうしてとどのつまりは、わたしのクレジットカードにはさみが入れられ、刻まれたカードの受領証を持って夫は帰宅しました。
HSBCは、そのカードをブロックして新しいカードを発行するという提案を出し、わたしたちはそれに同意しましたが、なんとカード再発行費用が請求され、そしてアニュアルフィーも徴収されたのです。HSBCクレジットカード保有者のみなさんはお気をつけなさい。同じことがあなたの身にふりかかるかもしれません。[ ジャカルタ在住、ファティマ ]


「レジの店員が入力を間違える」(2007年1月18日)
2006年10月18日付けコンパス紙への投書"Waspada Membayar di Giant"から
拝啓、編集部殿。2006年9月10日、わたしと妻はスラバヤのアフマディヤニ通りのスーパーマーケット「ジャイアンマスピオン」で月例の買い物をしました。店側のセールは実に多種に上っており、必要な商品を集めてからわたしどもはレジに向かいました。レジで表示された総額は314,265ルピアでしたので、支払いのためにBNI銀行発行のマスターカードを出しました。レジの男性担当者はシティバンクのCATにわたしのカードを通し、そして驚いたことに341,265と打ち込んだのです。わたしが「金額が違う」と抗議するとその担当者は同僚の女性職員を呼びました。やってきたその女性職員は再度314,265と打ち直しました。わたしは「さっきのままで差額を現金で返してくれればいい」と言いましたが、その女性職員は「決済方法が異なるのでそれはできません」と言います。「だったら差額はいつ返してもらえるのか?」とわたしが尋ねると、「銀行が同じなら二日後には清算されますが銀行が別なので14日くらいかかります」と答えました。
その後9月27日にBNI銀行の通帳に記帳してみましたが、差額はまだ戻されていません。10月1日にまたチェックしても、差額はまだ戻っていないのです。それでジャイアンに電話してみましたが、ハンティングだと書かれているにもかかわらずだれも電話に出ません。[ シドアルジョ県在住、イルプン・サドバ ]
2006年10月27日付けコンパス紙に掲載されたジャイアントからの回答
2006年10月18日付けコンパス紙に掲載されたイルプン・サドバさんの「差額がまだ口座に戻されていない」という内容の投書についてお答えします。当方は9月11日に2万7千ルピアの返金処理手続きを行いました。その手続きの中でジャイアントハイパーマーケットは規則通りのステップを踏んでおります。カードを使った支払いだったために返金もカードが使われます。当方担当者は最初の間違えた341,265ルピアを無効にして正しい314,265ルピアに変更したのです。そのあと9月19日になって当方担当者はシティバンク宛てに事情説明の文書を作ってファックスしました。そしてカード発行者であるBNI銀行へのフォローを依頼したのです。当方は顧客へのサービスのために早急に処理を進めましたが、返金プロセスは結局カード発行銀行の業務次第となりました。
イルプンさんはわたしどもの説明や作成された文書をご覧になり、事情を理解され、納得していただくことができました。[ 全国販売普及マネージャー、ベニー・ナップ ]


「なりすまし人が宅配小包を詐取」(2007年1月19日)
2007年1月3日付けコンパス紙への投書"Mana Tanggung Jawab FedEx?"から
拝啓、編集部殿。2006年11月21日、わたしはアメリカからフェデックスを使って送られてくる小包を待っていました。これまでフェデックスはいつもわたしに電話してきて、小包がバンドンに到着したことといくら費用を払わなければならないかを連絡してくれていました。わたしは1999年からフェデックスのサービスを利用しているのです。その日わたしはフェデックスからの連絡を午前中一杯待ちましたが連絡がありません。それでわたしはフェデックスバンドン支店に電話してみました。すると驚いたことに、わたし宛の小包はもうピックアップされたと言うのです。わたしは急いでフェデックスの事務所を訪問しました。なんとその日午前8時半に何者かが偽造KTP(住民証明書)を使ってわたし宛の小包を受け取っていたのです。偽造KTPはエアウエイビルにあるのと同じわたしの名前と住所になっていますが、写真もサインもわたしのものではありません。もっとすごいことに、そしてこれが重要なポイントなのですが、わたししか知らないはずの小包トラッキング番号をそのわたしの偽者も知っていたのです。
結局わたしはフェデックスバンドン支店長に苦情を出すことにしました。支払い証憑、KTP、インボイス、発送者とのEメール交信などを示してわたしが本当の受取人であることを一生懸命説明しましたが、フェデックス側はあまり協力的でなく反対にわたしに疑惑を抱いている印象を受けました。かれらはあくまでかれらの行ったプロセスに間違ったところはない、と主張します。バンドン支店では埒があかないので、わたしはジャカルタのフェデックスにコンプレインしました。フェデックスの調査部門がわたしの苦情を担当しました。二日過ぎてからジャカルタのフェデックスから連絡がありましたが結論は同じで、フェデックス側の行ったプロセスは正しくフェデックス側に責任はない、という内容でした。しかしフェデックス側が言う1百万ルピア以上の請求をする小包は必ず受取人に確認を取るというプロセスをかれらはわたしに対して取っていません。かれらはあくまでも正しい手続きを行ったと主張していますが、その点は事実と食い違っています。フェデックスが正しいと考えているプロセスが顧客に損失を与えていることにわたしはたいへん不満を感じています。
今回の事件では、フェデックスのプロセスに隙があり決して完璧でないことが証明されました。同じようなことが過去にあったかどうかわたしにはわかりませんが、将来再発する可能性は十分です。メーリングリストなどによく登場するフェデックスのサービスに対する苦情が本当だったことがわかりました。しかしまさか自分がその被害者になろうとは・・・。
わたしはわたしが受けた損害に対してフェデックスからの賠償を要求します。貴社がこの問題を解決できないなら、貴社がこれまで打ち立ててきた名声を多くの顧客が疑うことでしょう。[ バンドン在住、ラマ・ヨガスワラ ]


「発見贋造紙幣は減少傾向」(2007年1月24日)
インドネシア銀行データによれば、2006年上半期の贋造紙幣発見状況は1千万枚中23枚で、その前の期の39枚から大きく減少している。贋造紙幣発見は国家警察の捜査活動に負うところが大きく、ボゴール、ジャカルタ、タングラン、マラン、トゥルンガグン、クブメンなどでの贋札摘発事件が中央銀行統計数値を大きくしている。国家警察の手によるものは全発見枚数の27%に達している。支店担当地区別に見れば中央銀行本店で49%、スラバヤ支店30%、スマラン支店15%。また中央銀行は市場流通に適さなくなった通貨の廃棄処分を進めており、2006年第二四半期には15.5兆ルピア相当が廃棄された。これは第一四半期の14.2兆ルピアから9%上昇している。廃棄処分も最大は本店の33%、スラバヤ支店21%、スマラン支店14%という比率になっている。


「セールスは詐欺と同義語か?」(2007年1月24日)
2006年10月20日付けコンパス紙への投書"Waspadai Maketing Dealer Kendaraan"から
拝啓、編集部殿。2006年6月16日から7月18日まで開催されたジャカルタフェアーはたいへん興味惹かれるものでした。日用品から衣料品、家電品、はては自動車まで、さまざまな商品がオファーされていました。フェアーが始まって数日後、わたしは家族を伴って会場を訪れました。そして自動車展示エリアに興味をひかれました。エリア内ではダイハツ自動車をポンドッピナンのアストラインター社が販売していたのです。その会社は南ジャカルタ市ポンドッピナンのチプタッラヤ通りに事務所を構えています。
セールススーパーバイザーのひとりがわたしにダイハツゼニアを熱心に勧めました。価格交渉が行われ、値引き額が3百万ルピアまでになりました。オーダー手続きは翌日行うということになり、そのスーパーバイザーが次の日わたしの自宅まで来て販売契約が結ばれ、かれは前金の1百万ルピアを求めました。前金の領収書をもらったのでわたしは割引の約束を何かに書いてもらいたいと要求しましたが、そのスーパーバイザーは「割引はSTNKができたときに現金でお渡しすることになっている。ダイハツのセールススーパーバイザーの規範は証拠などを必要としていない。わたしはもう8年間ダイハツで働いており、ダイハツは割引約束を出したりしないことを信じてくれればよい」と言うだけで証拠になるものを残そうとしません。はじめて自動車を買うわたしにはその約束を信じる以外になにも思いつきませんでした。
8月9日に自動車とSTNKがわが家に届いたので、それを届けてきた職員に割引のことを尋ねてみました。その職員は割引のことはなにも知らないと返事しそして割引を尋ねたのはわたし以外に何人もいる、と言うのです。わたしはダイハツディ−ラーのアストラポンドッピナン店に電話して管理部門にこの問題を尋ねましたが、その約束を果たそうというひとはひとりもいません。わたしにその車を販売したセールススーパーバイザーはもう退職しているので、どんな約束をしたのか会社にはわからない、というのが理由でした。そのス−パーバイザーに以前コンタクトしたときの携帯電話番号も死んだままです。これは詐欺行為なのでしょうか?アストラインターという大会社の名前がひとりのセールススーパーバイザーの無責任な行為で傷つけられているのです。
わたしの体験は消費者の皆さんにとって、大会社の名前のついた店や展示場で担当者と価格交渉で有利な結果を得たと思っても、簡単にそれを信じてはいけないという教訓になることでしょう。[ ブカシ在住、リスキ・ヘルマワン ]


「ただでうまい話が来るわけがない」(2007年1月25日)
2007年1月6日付けコンパス紙への投書"Penawaran dengan Debet Kartu Kredit"から
拝啓、編集部殿。2006年12月14日、南ジャカルタ市ファッマワティ通りドゥタマス商業センターにあるPT Golden Mitra Indonesia のセールスがわたしに電話してきました。わたしがBCAカードとカルフルカードの利用者でこれまで問題を起こしたことがないのでわたしは割引バウチャーがもらえるとそのセールスは言うのです。それは有料ですかとわたしが尋ねると、そのセールスは「ノー」と言いました。
翌日クーリエがわたしの家に、割引クーポン、カード、割引対象店リスト、アイビスホテルやボロブドゥルホテルの割引クーポンなどを持ってきました。わたしがそれらを受け取ると、クーリエの人が受取証を出してわたしにサインするよう求めました。わたしがサインしたのはもちろんクレジットカードで買い物をしたという証憑ではありません。
12月18日にカルフルカードの返済内容をチェックしていたわたしは、1,999,000ルピアという買い物証憑があるのにショックを受けました。いったいどのようにしてそれが作られたのかわかりませんが、クレジットカード支払い証憑にわたしのカードの打刻があり、そしてわたしがクーリエの受取証にしたサインがそこに記載されているのですから。この件についてわたしはカード発行者のGEファイナンスとゴ−ルデンミトラ社にそのキャンセルを要請しました。
ゴールデンミトラ社のマネージメントは従業員が正しい説明をしなかったことで謝罪するだけであり、その従業員を解雇するとも言いましたが、199万9千ルピアの請求はキャンセルしてくれません。これは詐欺であり犯罪です。クレジットカード保有者の皆さんは警戒してください。[ 西ジャカルタ市在住、ラ二・アプリヤンティ ]


「こんどは外為投資詐欺」(2007年1月31日)
2006年が終わる数ヶ月前ごろから、スマートウエイフォレックスと名乗る外為投資に対する勧誘が積極的に行われていた。「ミリオネアへの早道、寝ていても利益があなたの手に」というキャッチフレーズがプロフェッショナル層から一般庶民まで幅広く大勢のひとを惹き付けた。この投資ビジネスを主催したのはジョニーとユリア別名ロスナという夫婦者で、PT Energi Kasih Abadi という会社名で手続業務が行われた。同社のウエッブサイトwww.smartwayforex.com やwww.swforex.com は会員投資者の多くが宣伝しており、アクセス件数は少なくない。この1月には自動車やノートパソコンを賞品にした投資パッケージ勧誘キャンペーンすら行われていた。
ジョニーは、オンライン外為取引でレバレッジ1対100が可能だという謳い文句で一般消費者を煙に巻き、8ヶ月間25〜35%の金利を固定収入として入手できて満期では256%という高いリターンになるという高利回りを約束して投資を集めていた。たとえば投資元金5千万ルピアの場合、毎週4百万ルピアが金利としてもらえ、8ヶ月間で5千万の投資額は1億2千8百万ルピアとなって戻ってくる。このスマートウエイフォレックスは2,939人のアクティブメンバーを擁しており、投資家から預かった資金はPT Menara Mas Futures を通して資金運用がなされている。そんな解説を同社のウエッブサイトに見ることができる。昨年11月、ジョニーがスラバヤで投資勧誘のプレゼンテーションを行った。自信たっぷりのジョニーの解説に魅せられて大勢が会員になり、投資した。投資額ミニマムは50万ルピアからで、それでも月25%の金利が手に入る。
2007年1月半ばを過ぎたある日、スラバヤ在住のサイフル・メフミニン、プレンディ、ミングス・ウンボの三人が上京してきた。三人はPT Energi Kasih Abadi 社からの投資リターンが数回なされたものの、それ以来ふっつりと途切れてしまったのに不審を抱いたのだ。運営者に電話で問い合わせたところ、台湾地震のためにインターネット回線が混乱していて送金ができないでいるのだという返事。しばらくたってまた運営者に問い合わせをかけたが、こんどは連絡がつかない。こうして思い余った三人は実態を確かめようと上京してきた。会社の住所になっている中央ジャカルタ市タムリン通りスルヤビル12階を訪れたが、かれらがそこで目にしたのは衝立で仕切られたがらんどうのオフィス。ビル管理者に尋ねてみると、ビル側も騙されたと言う。ジョニーとユリアが提出した本人のKTPや会社の登記書類許認可関連書類はニセモノで、架空の住所が使われていたため本人たちが行方をくらましたあとは手がかりが消え失せてしまった。
サイフル、プレンディ、ミングスの三人はその足で首都警察にジョニーとユリアを詐欺犯として訴えた。三人の話によれば被害者はジャカルタや西部中部東部ジャワに4千人おり、被害総額は百億ルピアにのぼるとのこと。ミングスは仲間たちから預かった資金と自分の資金をあわせた10億ルピアが消えてしまったと嘆く。被害者の中には事業主、医者、行政高官、宗教師などもかなり混じっているそうで、中には資金を用意するために自動車やオートバイを売り、あるいは子供の学費に積み立てていた貯金をはたいた者もあるとのこと。
通貨経済アナリストのひとりは、今回の事件はただの氷山の一角に過ぎない、とコメントする。「明るみに出されていない外為詐欺事件は山のようにある。ニセモノ外為ビジネスマンが何百人も徘徊している。資金運用を投資マネージャーに委託する場合、消費者はまずBappebti(先物商品売買監督庁)とBapepam(資本市場監督庁)に登録されているかどうかを確認するべきだ。もちろん個人投資マネージャーが必ず登録されていなければならない必要もないが、その場合はその者がBappebtiやBapepamに登録されている会社と契約を結んでいるかどうかが信用できるかどうかの鍵になる。」専門家の警告はどうやら一般庶民の耳にはあまり届かないようだ。


「収入印紙偽造団が摘発される」(2007年2月1日)
首都警察は収入印紙を偽造して安く消費者に販売していたグループを検挙した。額面6千ルピアの偽造印紙はきわめて精巧に作られており、ホログラムも本物通りについていてふだん印紙を取り扱っている者でもほとんど見分けがつかないほどの出来栄え。偽造印紙は郵便局や移民局の構内の庭などで販売人が売っていたもので、ふつう郵便局以外で買えば額面より高いものなのに偽造印紙は3千から3千5百ルピアで販売されていた。首都警察は偽造印紙売人クスナディ36歳を南ジャカルタ市クニガンの移民局庁舎駐車場で逮捕し、また偽造印紙のディストリビュータとして売人に印紙を供給していたマルリス夫人49歳を自宅で逮捕した。マルリス夫人は主婦だが、50枚ひと綴りの印紙シートを4,475枚保有していた。マルリス夫人は印紙1枚を1,100ルピアで売人に卸し、売人は消費者に一枚3千から3千5百ルピアで販売していた。マルリス夫人の自供によればこのビジネスはもう2年間ほど続いていたとのこと。販売されている印紙の価格があまりにも安いことに不審を抱いたのがこの摘発の原因だった。
首都警察はその一味とは別に、やはり収入印紙を偽造していたグループを検挙した。こちらは東ジャカルタ市チピナンにある移民局の表で印紙を販売していたシャフェイ・ヌル49歳がまず逮捕され、供給ルートを追って卸人の家を家宅捜索したが証拠品が見つからず、更に大卸人の情報を得たためそちらを捜索したところ50枚綴りの印紙シートが215枚見つかった。こちらの大卸人も54歳の家庭の主婦だった。このふたつのグループはそれぞれ異なるボスにつながっているシンジケートで、各ボスは行方をくらましており警察が手配をかけている。首都警察は、安く売られている収入印紙には気をつけるように、と市民に呼びかけている。


「金融業者は高利貸し!」(2007年2月22日)
2006年10月31日付けコンパス紙への投書"GE Finance Mirip Rentenir"から
拝啓、編集部殿。わたしはGEファイナンスインドネシアのクレジットカード保有者です。わたしのクレジットリミットは2百万ルピアですが、2003年11月以来そのカードは使えなくなっています。ところが毎月10万から20万ルピアの請求が届き、わたしはそれをきちんきちんと支払っているのです。そうしないわけに行かないのは、もしわたしがそれを怠ると、GEファイナンスのコレクション担当者が自宅であれ会社であれ電話をかけてきてわたしを脅すからなのです。わたしの教師としての活動はそれによっておびやかされています。
毎月の返済が平均13万ルピアだったとして、わたしはもうGEファイナンスインドネシアに468万ルピアも支払っています。それだけの金額ですら、わたしの2百万ルピアというクレジットをカバーできないというのでしょうか?GEファイナンスインドネシアの記録では、わたしの未返済クレジットはまだ230万ルピアも残っていることになっているそうです。三年間わたしは一度もクレジットカードを使っておらず、その間わたしは毎月返済を行ってきたというのに残高は増えているのです。これはいったいどんな高利貸しシステムなのでしょうか?
正直言って、わたしはGEファイナンスインドネシアの搾乳牛であり続けることにもう耐えられません。GEファイナンスインドネシアは明らかに顧客の弱点を利用して搾取を行っています。その被害を受けた者は少なくないにちがいありません。GEファイナンスインドネシアはすぐに請求を取りやめてください。わたし自身の基本需要を満たすにも不足している給料でわたしが行わなければならない負担はまだたくさんあるのですから。[ ボゴール在住、スリ・ヌルハヤティ ]


「新しい景品詐欺」(2007年3月13日)
新手口の懸賞詐欺が見つかった。この事件では、小分けしたサチェット入り洗剤「ダイヤ」の袋の中にATMカードのようなコート紙のクーポンが入っており、そこにはその当たりクーポンでトヨタヤリスがもらえるということが記載されている。そのクーポンには通し番号と連絡先携帯電話番号も記されていて、そのサチェットを1千ルピアで買った奥さんが家でクーポンを見つけ、非常に巧みなシチュエーション作りのためにたいていのひとがそのクーポンを本物と思って一家で大喜びし、連絡先に電話するという仕掛け。その先はお定まりの金を渡さなければ自動車は手に入らないという話に向かう。従来の詐欺の多くはまず景品税を納める話になり、その金を被害者に振り込ませたあとでドロンするという手口が大半だったが、今回の事件では3千5百万ルピアの景品税を主催者が負担すると詐欺師側はまず宣言した。しかし自動車を持つに当たっては、自動車所有者証書(BPKB)と自動車番号証明書(STNK)の手続きを行わなければならず、詐欺師は被害者に対してジョコ・スシロ首都警察交通局長の携帯電話番号を教えてそこへ電話するように言った。なりすましジョコ・スシロ局長はそれらの書類手続きのために780万ルピアをまず支払うよう被害者に指示し、またその車を届に行く副官の携帯電話に20万ルピア分の度数を入れるように命じた。詐欺師の言う口座に8百万ルピアが振り込まれると偽副官は、アダン・フィルマン首都警察長官がサインする送り状がまだおりてこないので、それが早く出されるように575万ルピアを振り込んでくれと言われ、被害者はおかしいことに気付いたため8百万ルピアだけの被害で終わった。ちなみに上の話に出てくる首都警察高官名は実在のもの。


「したたかな娘詐欺師たち」(2007年3月16日)
したたかでない詐欺師は成功しないに決まっていると反論を受けるにちがいない。しかし今回の口入詐欺事件には、正直言って手を叩いてしまった。
PT Bina Kerja Insani という海外出稼ぎエージェントの広告が2007年1月中旬ごろから新聞に掲載されるようになった。ブルネイと台湾で、自動車製造、縫製作業、製紙工場などの工員の職に就けるという。エージェントの事務所はデポッ市リモ郡チネレのハジジャエラン通りムソラ横丁にある民家で、申込者がひきもきらず訪れるようになった。その会社の代表取締役はサリ・トリ・アシというまだ20歳のうら若き女性であり、セクレタリーもリナ・ムルシダという名の25歳の女性。就職できれば月給は460万から540万ルピアになるとのこと。出稼ぎ希望者はまず登録手続きを行い、人数が集まったところでトレーニングを受けることになっている。それらの費用として申込者はひとりあたり150万から450万ルピアの金をその会社に払い込まなければならない。
まずブルネイへの出稼ぎ希望者60人に対して3月12日にトレーニングが行われることになった。参加者がその詳細について事務所や同社の社員に電話で連絡を取ろうとしたが連絡がつかない。こうして12日、60人がチネレのエージェント事務所に集まってきたが、事務所はしっかりと錠がおろされていて蟻の這い出る隙もない。その状況から参加者たちははじめて気がついた。詐欺にしてやられた!
しかし中には若い娘たちの毒牙にかかった事実になかなか合点できない者もいる。「3月5日に登録手続きのためここへ来たとき、持ってたスナックをかの女たちに勧めたら断られた。『あたしたち、月曜−木曜の断食をしてるんです。気になさらないでね。』と言われて、これはきっと正直な娘たちだと思った。みんな女だったから全然疑わなかったよ。」と被害者のひとりは語る。騙された憤りから被害者たちはその閉ざされた事務所に押し入ることにした。隣組長を探して協力を仰ぐ。許可を得て窓ガラスの一枚が割られ、被害者たちはその家屋の中を調べた。屋内はすべてがらんどうで、壊れたデスクトップコンピュータがひとつ、そして折りたたみベッドが三つ見つかっただけ。詐欺師たちの足取りを示すものはなにひとつ見つからなかった。その家屋は娘詐欺師たちが2007年1月15日から借りたもので、家主の手には借家人の身元を明らかにするKTP(住民証明書)が握られている。そのKTPにあるサリの住所東ジャカルタ市チピナンチュンプダッとリナの住所ビダラチナに被害者数人が走った。数時間後に戻ってきたかれらはそれぞれ他の被害者たちに報告した。そのKTPはニセモノだったと。
被害者はジャカルタだけでなく、ランプン、パダン、クディリ、ソロ、ブルブス、チレボンなど遠い町からも来ていた。パダンに住んでいる33歳の被害者は3百万ルピアを騙し取られたと語る。かれは以前にも詐欺の被害にあっている。ほかの被害者たちの中にも口入詐欺の被害経験者だという者は少なくない。そして台湾への出稼ぎ希望者100人も3月13日にそこへ集まってくることになっている。


「カード詐欺事件がまた」(2007年3月19日)
2007年2月8日付けコンパス紙への投書"Kartu Carrefour Tidak Aman"から
拝啓、編集部殿。わたしはカルフルショッピングカードの保有者です。2006年12月17日、カルフルショッピングカード発行者であるGEファイナンスから電話があり、バンドンでわたしのカードが悪用されたおそれがあるのですぐにカードをブロックするようにと言われました。わたしはすぐにカスタマーサービスに連絡して使われた金額を尋ねました。なんとバンドンで12月13日14日にわたしのカードによる支払が本当になされていたのです。わたしはすぐにそのカードをブロックするように依頼しました。カスタマーサービス担当者は、そのカードの悪用が拡大しないようにもうブロックしてある、と言いました。カスタマーサービス担当者は同時にその支払に関する免責要請状を提出するようにわたしに奨め、12月18日にはGEファイナンスからEメールでその要請状の書式まで送られてきました。わたしはそれをプリントし、悪用された金額を確かめ、そしてそれにサインしてファックスで送り返しました。そこには悪用された金額の明細までが記入されていたのです。Gold Heart Jewellery Rp 3,337,000-、Lily & Win Boutique Rp 1,031,000-、Suharta Raja Seafood Rp 202,400-。
それらの支払はバンドンで12月13日と14日になされていました。わたしはスラバヤに住んでいます。GEファイナンスはつまり、わたしのカルフルショッピングカードが複製されたことを知っており、それに対する対応までわたしに提案してきているのです。ところが2007年1月3日、GEファイナンスはわたしからの免責要請状に対して、それらの支払はわたしに責任があるという回答を寄越してきました。ご丁寧に、各店でのクレジット支払スリップまで添付しています。それらはすべてわたしの名前が書かれていますが、サインはわたしのものではありません。わたしがカスタマーサービスに電話すると、担当者はそれが既に決定事項であるためどうしようもないと言います。ただし、わたしがそれらの店にコンタクトしてこの詐欺事件の責任を店側が取ることに同意させればその限りではないが、店側がそれに同意しなければわたしがその責任を取らなければならないのだそうです。GEファイナンスはいったいどんなメンタリティをしているのでしょうか。かれらは詐欺が行われたことを正確に理解しています。その主原因はわたしでもバンドンの店側でもなく、オリジナルカードをコピーすらしないで簡単に複製が作られるのを許しているカード運営者にあるのです。つまりカルフルショッピングカードの保安はきわめてお寒いものだということです。[ スラバヤ在住、フレディ・サムエル ]


「海賊版書籍」(2007年3月20日)
書籍の海賊版はAVメディアと同じように市中に大量に出回っている。海賊版CDの取締りは華やかに行われているが、海賊版書籍のほうはそれに比べて鳴り物がかっていないようだ。しかしここにきてインドネシア出版者会はブカシ警察ポンドッグデ署の協力を得て、海賊版書籍を印刷して大量に市場に流していた出版社を摘発した。ブカシのポンドッグデでその不法行為を行っていたPT Samudra Jaya 社は長期にわたって市場で売れ筋の書籍を不法印刷しており、数十億ルピアの不当利益をあげていたと見られている。同社が市場に流していた海賊版の中には、バライプスタカのKamus Besar Bahasa Indonesia、グラメディアのKamus Inggris-Indonesia とKamus Indonesia-Inggris、サレンバ4のPengantar Akuntansi とPengantar Bisnis、パーソンログマンのBasic English Grammer、ウイ−リーのTOEFL Preparation、インドネシア大学医学部のIlmu Kesehatan Anak Jilid 3 など毎年大きい需要が起こる書籍がたくさん含まれている。出版社会は著作権を犯す海賊出版行為の多発によって国内の著述者や出版社が書籍出版の意欲をそがれており、海賊版の被害をあまり受けていない小説やコミックばかりが盛んになれば国民の知的生産活動に影響が大きいとして社会に対しその撲滅を訴えた。
出版社会首都支部海賊版書籍問題対策チームリーダーは、市民の中から海賊版に関する情報が入ってもその撲滅の障害が警察の側からやってくると語る。「著作権を取ってあるのか、証人はいるのか、といったさまざまな条件を警察が要求する。おまけに現場で摘発しようとしても情報が洩れていたり、時には海賊版書籍を保護する役人が摘発行動を妨害しようとする。」
国民購買力に比して書籍の価格は高い。だから安い海賊版に学生たちは手を出す。書物を買ってまで読もうとする一般市民も少ない。だから出版される書籍の印刷部数は少なく、それが書籍の価格が下がらない要因でもある。その悪循環と著作権保護思想の未発達があいまって海賊版は衰えを見せない。知的財産権保護活動がAVメディアやコンピュータソフト偏重では、外圧で動いているだけという政府批判が投げかけられる日も近いのではないだろうか。


「債務返済をさせないほうが得をする」(2007年3月22日)
2007年2月12日付けコンパス紙への投書"Card Center BII Amburadul"から
拝啓、編集部殿。わたしはBIIアストラワールドクレジットカードの保有者です。最近BIIカードセンターのでたらめさをひしひしと感じています。それは2006年8月末・9月初の請求書から始まりました。請求書が送られてこなかったのです。そのとき、わたしはカードを使ったことを覚えていたので、BIIに請求書をファックスするよう自分から頼み、クレジット返済を行いました。ところが翌月もBIIは請求書を送ってきませんでした。そしてたまたま、わたしは1回だけカードを使ったことを忘れていました。結果的にその月のクレジット返済は行われず、そして10月末・11月初の請求書がこれに限って正しいタイミングで届きました。そこにはlate charge とfinance charge として合計88,155ルピアが請求されており、わたしは驚きました。わたしはすぐにBIIカードセンターに電話して、前月の請求書が送られてこなかったのだからその請求は納得できないと訴えました。電話を受けた担当者は、本当にわたしが請求書を受け取っていないのであれば、その請求は免除されると言いました。数日後わたし宛にBIIの配達係から電話があり、わたしの住所は変わっていないかと尋ねるのでわたしは変わっていないと答えました。配達係はまだ送られてきていない9月末・10月初の請求書を届けると言いましたが、届いたのはそれから10日もあとでした。
わたしは使ったクレジット金額をBIIに返済する義務があると思ったので、チャージ等は含めずクレジット金額のみを支払いました。BIIカードセンター担当者も、わたしが本当に請求書を受け取っていないならチャージ等は免除されると言いましたので。しかしその後の12月も2007年1月もわたし宛に送られてくる請求書にはそれらのチャージが請求され、しかも金額は膨らむ一方なのです。BII銀行さん、これはいったいどうなるのですか?[ ジャカルタ在住、ウィディアワテイ ]
2007年2月20日付けコンパス紙に掲載されたBII銀行からの回答
ウィディアワテイ・ステイアワンさんからの2月12日付けコンパス紙への投書に関して、ご当人が体験された不快さをわたしどもは理解します。わたしどもは2月12日にご本人と連絡を取り、状況の説明と問題解決に努めました。利子が利子を生む罰金がもたらしている請求残高は既に抹消されました。ウィディアワテイさんはその解決を受け入れてくださいました。[ BII銀行広報部長、エスティ・ヌグラエニ ]


「行政機構内でなりすまし詐欺」(2007年3月23日)
都庁は2月初のジャカルタ大水害復興資金として各町役場に10億ルピアの予算を支給することを決めた。もちろん各町役場から復興企画書が提出されることが条件になっている。ところでその復興資金が町役場に下りてくるチャンスを狙って円滑金を詐取しようとする動きが起こった。釣られるほうも釣られるほうで、円滑金を渡せば予算が簡単に下りてくると一昔前のように思っている役場関係者がいることに一部高官は呆れ顔。
町役場の下にはRWが住民自治組織として存在し、その町役場に対する住民評議機関として編成された町役場評議会には各RWから一名が常任代表者として参加している。当然ながら評議会は議長を選任しており、議長はそれなりのパワーを持っている。中央ジャカルタ市の各町役場評議会議長宛てにシルス・シレガル同市社会活性化庁長官から円滑金を要求する電話が入った。復興資金10億ルピアがスムースに下りるように1〜3千万ルピアをある民間銀行にあるアンドリ・アドリアンシャ名義の口座に振り込んでくれという内容。一部の町役場評議会議長は高すぎるとして値引き交渉を行ったが、最低でも1千万ルピア以上は振り込まなければならないと言う。振り込まれればそれだけ予算が下りるのが早くなる、とシルス・シレガル長官は言った。中にはそれに応じて振り込んだ評議会議長もいる。議長の幾人かはシルス・シレガル長官と名乗る人物に、予算が下りるメカニズムを会って説明してくれと求めたが、その電話の相手は言を左右にして会見に応じようとしない。
ある議長はシルス・シレガル長官と会談中にシルス・シレガル長官と名乗る人物から円滑金を求める電話を受け取って目をシロクロさせた。そのときこの円滑金詐欺事件が明らかになった。既になりすまし長官から電話で要請を受けていた10人の議長は本物長官に対して苦情を提出していたが、それが詐欺事件であったことを知って疑惑を解いた。本物長官は詐欺師からの電話に疑惑を抱かなかった議長たちに対し、いまだに規定を十分理解していない関係者がいると語り、また詐欺師がまだコンタクトしていない議長には十分注意するよう呼びかけた。しかしこれはタテマエと実態が二重構造で進んでいるいまのインドネシアにとって、判断のむつかしいことがらであるにちがいない。


「ホテルよ、お前もか」(2007年3月23日)
2006年11月4日付けコンパス紙への投書"Waspada Penawaran dari SCC"から 拝啓、編集部殿。2006年10月18日、わたしあてにスマートコールセンター(SCC)別名PT Swara Cipta Caraka から電話がかかってきました。そこのマーケティング担当者は最初ANZ銀行のクレジットカードをわたしに勧誘したあと、バンドンにあるホテルグランドレンバンの宿泊バウチャーが55万ルピアボッキリだと勧めました。わたしはいろんなホテルのこのような売り込みが最終的に余分にお金を払わせられることになるのを聞いていたので、本当は半信半疑だったのです。相手は55万ルピアをわたしのクレジットカード口座から引き出したあと、ホテルグランドレンバンで2006年10月27日の宿泊をアレンジすると約束しました。不審を感じて直接ホテルグランドレンバンに電話したところ、わたしの名前はウエイティングリストにありません。わたしがSCCのマーケティングに電話してそれを言うと、相手は20日にそのアレンジをする予定だったと返事しました。
わたしは10月26日にSCCに電話して約束を果たすよう求めましたが、いつまで待っても予約フォームをファックスしてきません。わたしが怒るとその担当者はやっと手続きを始めましたが、241,500ルピアの追加費用を払えと言います。PT SCCはわたしに詐欺と恐喝を行ったのです。最初の約束はネット55万ルピアでほかの費用は何もないと言ったくせに。
10月27日、わたしがホテルグランドレンバンにチェックインすると、ホテル従業員が確認書の一枚目にすぐサインしてくれと言いました。その下に紙が二枚添付されているので、わたしがそれを読もうとするとその従業員は隠そうとします。それをよく調べたところ、その紙には追加費用が記されていました。ホテルグランドレンバンもSCCと同じ穴のむじなじゃありませんか。
スマートコールセンターというところから電話が来たら、無視するに越したことはありません。[ ジャカルタ在住、リウリアンナ・ウィジョヨ ]


「芝居巧者が犯罪成功の秘訣」(2007年3月26日)
保健省に勤めるスリ・ムリヤニ42歳が、夢にも思わなかった罠に落ちた。東ジャカルタ市パサルボに住むスリは普段から近くにあるマクロに設置されたATMでお金をおろすことが多い。3月11日にもかの女はマクロのマンディリ銀行ATMで出金しようとした。カードをスリットに差し込んだが、何かにつかえてカードが中まで入らない。取りやめしようとしてキャンセルボタンを押したが、かなり中まで入ったカードは引き出すこともできない。困っていると、後に並んでいた男がそばに寄って来た。そして事態を知ると自分もキャンセルボタンを押し、そしてカードを引っ張り出そうとしたがカードはびくともしない。数分してから、突然ワイシャツにネクタイ姿で身だしなみのよい男が三人そこへ登場した。そのひとりは携帯電話をふたつ持っていたが、そのひとつでどこかに電話をし、そして電話の相手と何か話したあとでその電話をスリに差し出した。「奥さん、14000番の担当者が話したいって。」
スリはその男たちがマンディリ銀行職員で、マンディリ銀行カスタマーサービス14000番につないでくれたものと思い込んでしまった。電話の向こう側でマンディリ担当者と名乗った者は、今からわたしが言う通りにしてください、とスリに言う。ATM機のどのボタンをどうしろという一連の指示の中に、あなたのPIN番号を打ち込んで、というものもあったが、スリは言われたとおりそのすべてを行った。それでもスリのATMカードは出てこない。「やっぱりカードは出てきませんか。」と電話の相手は言う。
「それではそのカードをブロックしちゃいましょう。新しいカードを作っておきますから、奥さんのデータを教えてください。口座番号は・・・?PIN番号は・・・?住所は・・・・?母親の名前は・・・・?」スリはそれらのすべてを電話の相手に話した。事態の進展をそばで見守っていた職員風のひとりは、「奥さんのカードはもうブロックされたから、ここに置いて帰っても心配ありません。あした銀行へ行って新しいカードを依頼してください。」そう言われてスリはその足で帰宅した。
12日、スリは保健省内にあるマンディリ銀行事務所に行ってATMカードの再発行を依頼した。カードは16日にできあがる、と銀行職員は請負った。そうして16日、新しいカードをもらったスリはカードのテストをした。残高照会プロセスを試してみたスリは、ATMのスクリーンに残高ゼロと表示されたのを眼にして唖然とした。「あれっ?残高は5千3百万ルピアあったはずなのに?」スリはすぐ銀行のカウンターに引き返した。
「ねえ、このカードおかしいわ。残高がちゃんと出ないじゃないの。」カウンター職員はそのカードをチェックし、スリの口座残高がゼロになっているのであってカードはおかしくないことを説明した。スリの顔色が変わった。「そんなバカな!取引明細をプリントアウトして。」出てきたプリントアウトには、3月11日と3月12日に現金引出し10回、振込み8回のデータが並んでいた。スリのひざから力が抜けた。
3月20日、スリは首都警察に被害を届け出た。現場検証が行われ、警察はそれが新しい手口であることを発表した。カードがATM機に引っ掛かって押しも引きもできないようにするのは、ネガフィルムと両面テープで仕掛けをするらしい。比較的大人数が組んで芝居をする今回の手口に被害者は完全に乗せられていた。


「これは詐欺なのだろうか?」(2007年3月26日)
西ジャワ州南スカブミに住むディマスは持ち家を一軒貸し出すことにした。準備を整えたあと、かれはコンパス紙のミニアドに広告を載せた。広告が載った日の昼過ぎ、さっそくその家の話で電話が来た。
「わたくし、グラハアシアブアナ社のリリと申します。広告を出された貸し家のことでご相談申し上げたいのですが・・・・・・」
話を聞くと、グラハアシアブアナ社は不動産マーケティング会社で、売買や賃貸の仲介を手広くやっているとのこと。
「うちのお客様でおたくの物件を真剣に検討している方がいらっしゃって・・・・・・」
だから同社のサービスを使えばすぐにでも商談成立疑いなし、だと・・・・・・・。結局ディマスは「うん」と言った。
三日後にグラハアシアブアナ社から係員がふたりやってきて、貸し家の写真を撮った上でマーケティング手数料28万9千ルピアを請求した。領収書もちゃんと出た。
ところがそれ以来、グラハアシアブアナ社からの連絡はなしのつぶて。すぐにでも借り手がつくような話をしていたのにいったいどうなったんだろうか?ちょっくらリリさんに電話してみよう。
「えっ?ディマスさん。?・・・・・・ああ、あのスカブミの。ええ、引き合いはちょくちょくあるんだけど、まだ話がまとまらないんですよ。話がまとまったらこちらから連絡しますから。」ガチャン。
しばらくしてまた様子を尋ねようと電話すると、「はいはい?ええ、いまちょっとなんなので、明日電話しますから。」ガチャン。
どうも一杯食わされたのではないか、という思いをディマスは消せないでいる。


「嘘つきはだれ?」(2007年3月28日)
2006年11月15日付けコンパス紙への投書"Keamanan On Line Batavia Air"から
拝啓、編集部殿。2006年11月1日、わたしども5人は午前7時15分発プカンバル行きバタビアエアーに乗ろうとしてスカルノハッタ空港チェックインカウンターへ行きました。まったく驚いたことに、5人のうち2人しかその飛行機に乗れないとカウンター職員は言います。しかし5枚とも切符は予約OKになっていたのです。カウンター職員は10月31日に3枚はPAXというコード名でキャンセルされていると言うのですが、わたしたちの誰も予約をキャンセルしたひとなどいません。仕方なく3人はウエイティングに並んで座席が確保されるのを待ちました。そうして2人がなんとか乗れることになりましたが、そのためにひとり当たり14万ルピアのアップグレードチャージを払わせられることになりました。
結局取り残されたわたしはその切符を買ったブカシの旅行代理店チンドラウィサタにクレームしました。そして調べた挙句わかったのは、チンドラウィサタがキャンセルしたのでなく、ショーホリデイツアーという別の代理店がそれをしたということでした。次の10時45分発のフライトに乗ろうとしましたが、チェックインをしてもらえず、カウンター職員はチケットカウンターに問題を投げたのですがチケット担当者も何もしてくれません。わたしがただ待っているとバタビアエアー職員が、切符販売エージェントが悪さをしたんだと言い、ジュアンダ事務所のIT部門を訪ねて行って処理をしてもらえと奨めてくれましたが、とんでもない話です。切符を買ったのは10月20日で、出発日のその日は朝6時から来て飛行機に乗ろうとしたのにずっと待たされ、挙句の果てに都内ジュアンダ通りまで行けと言うのですから。どうして被害者になったわたしを優先的に扱ってくれないのでしょうか? 最終的に座席がひとつだけ取れたということでわたしも出発することができましたが、そのために20万ルピアもの追加料金を払ったのです。わたしどもが払った追加料金はまだだれからも返してもらっていません。バタビアエアー、チンドラウィサタ、ショーホリデイの一体誰がこの問題に責任があるのでしょうか?バタビアエアーは責任を取ろうとせず、ショーホリデイのオンラインアクセス権を取り消しただけでした。既に予約が取れ、切符も購入してあるというのに、その切符を第三者がそれほど簡単に取り消せるものなのですか?おまけに取消し確認はただPAXというコードだけで名前もないではありませんか。バタビアエアーのオンライン予約と航空券販売の好い加減な仕事ぶりから作り出された犠牲者はわたしどもがはじめてなのでしょうか?[ 北ジャカルタ在住、アンゲリカ・リア ]
2006年11月21日付けコンパス紙に掲載されたバタビアエアーからの回答 アンゲリカ・リアさんからの11月15日付けコンパス紙への投書について説明いたします。アンゲリカさんのグループに切符を発行した旅行代理店が一部の切符の取消しを行ったのです。そのグループが空港でチェックインしたさいコンピュータにはキャンセルの情報が出ていましたので、当方バタビアエアーはその切符発行者からのキャンセル要請に従いました。バタビアエアーは今もまだ切符販売の第一線としてトラベルエージェントを使っています。しかしトラベルエージェントのサービスレベルがバタビアエアーとあわないとき、協力関係が続けられないことも起こります。当方は11月17日にアンゲリカさんにコンタクトして事情を説明し、この問題を良好に終わらせました。[ バタビアエアー広報マネージャー、アントン・シトゥメアン ]


「水増しガソリンを給油される」(2007年3月30日)
2007年3月6日付けコンパス紙への投書"BBM di SPBU Bercampur Air"から
拝啓、編集部殿。2007年2月20日午前9時ごろ、わたしはジャゴラウィ自動車専用道路ボゴール出口の手前にあるストパンスントゥル(Setopan Sentul)ガソリンスタンドでガソリン補給をしました。それからしばらく走ったあと車はノッキングを起こし始め、スカブミとプンチャック方面への三叉路で完全にエンストしてしまいました。しばらく休ませたところ車のエンジンはまたかかりましたが、つっかえつっかえしながらの走りです。調べるために修理屋に入ることにしました。ガソリンフィルターを開けたところ、ガソリンに水が混じっていることがわかりました。それでガソリンタンクの中身を一部抜き、フィルターを交換してから次のガソリンスタンドまで走って給油したあと、スズキの公式修理場までなんとかたどり着くことができました。
修理場でガソリンを全部抜いたところ、かなりの量の水が混じっていました。あのガソリンスタンドの経営者はそこまで好い加減な業務チェックしかしていないために販売しているガソリンに水が混じったということでしょうか。それともこれは収入増をはかってわざとしたことなのでしょうか。今回の問題でわたしは50万ルピアほどの損害を蒙りました。それでも搾取レッカー車の餌食にならないで問題を克服できただけわたしはまだマシだったようです。
スカブミ〜プンチャッ方面には自動車修理場が少ないだけに、他の車が同じ問題で被害を受けないことをわたしは希望します。おまけにごろつきや搾取レッカー車、あるいは自動車修理場での搾取といったような損害を大きくするものだってあるのですから。友人たちからの情報でも、あのガソリンスタンドは水が混入したガソリンを入れられることがよくあるので「問題あり」という評価になっているようです。このガソリンスタンドの経営者は注意してください。[ 西ジャカルタ市在住、ペッテル・リアン ]
2007年3月13日付けコンパス紙に掲載されたプルタミナからの回答
2月20日にジャゴラウィ自動車専用道路のプルタミナガソリンスタンド(SPBU 34−16905)で行った給油の問題に関する3月6日付けコンパス紙へのペッテル・リアンさんからの投書にお答えします。水ペーストをスティックにつけて貯蔵タンクに差し込むという方法で行われたチェックの結果、その貯蔵タンクに水が混入している事実はありませんでした。もし混入していれば水ペーストが溶融するのです。
もし当方のサービスに不満があったり被害を受けたと感じる場合、首都特別区・西ジャワ州・バンテン州の消費者はカスタマー&パートナーケアセンター第3営業課に電話番号0−800−1−555−555(フリーダイヤル)または電話番号(021)31992222/31992025を経由して業務時間内にお知らせください。[ プルタミナジャカルタ第3営業課、スシ・アリヤニ・プラスティヤ ]


「ビジネスはもちろん金儲けのため!」(2007年4月10日)
2007年1月4日付けコンパス紙への投書"Pro XL Pintar Cari Duit"から
拝啓、編集部殿。プロXLは金儲けが巧みです。わたしの体験がそれを物語っています。2006年12月10日、わたしはスナヤンのJCCで開かれたインドネシアンブックフェアに出店していたプロXLスタンドでXplore Mega Data Package 利用申し込みを行いました。わたしがそれを申し込んだのはひと月250Mbの通信使用料金が9万9千ルピアという内容に惹かれたからです。スタンドの担当者は、エクスプロアメガデータは2006年12月16日からアクティブになります、と注釈なしに言明します。わたしが申し込み要件をすべて満たすと、担当者はわたしに番号を選ぶように言い、そして契約書にサインを求め、2万ルピアを払うように言いました。わたしは担当者の言葉を信用したので、契約書を読み返すことはせずにサインしました。2万ルピアの領収書はくれませんでした。
12月12日夕方、わたしはクレジットカードのコピーをロキシーにあるXLセンターに届けました。12月15日にわたしは3G仕様の携帯電話を購入し、その夜ブラウジングを試してみました。なんと、わたしの携帯電話番号で3G通信がアクティブになっていることがわかりました。12月16日朝、わたしは華やかに宣伝されているXL3Gの広大ハイスピードネットワークの醍醐味を実感しようとしてトライしましたが、現実は大違いでした。パソコンを使ってインターネットにアクセスしましたがスピードはとても緩慢で、画面はホワイトのままでウエッブページは出てきません。なのにデータ交信は動いているのです。わたしは何度もテストを繰り返し、別のコンピュータに代えても見ましたが結果に変化はありません。つまりデータ交信はどんどん消費されているのにインターネットは超デカのゼロだったのです!
つぎにわたしはほかの電話番号にSMSを送り、また電話してみましたが、すべてフェールでした。それで818番に問い合わせしてみると、わたしの割当限度になっている10万ルピア分はもう使い果たされた、という返事です。わたしの使用にリミットがあるという話は一言もなかったので、それは驚きでした。もっと驚かされたのは、わたしの限度額が使い果たされたのはインターネットブラウジングによるものだと判明したときです。最初は250メガでひと月9万9千ルピアという話だったので、キロバイト当たりの単価は0.4ルピアだと計算していたのに、なんと限度は10メガで使い果たされましたからキロバイト単価は10ルピアだったのです。そしてわたしの申し込んだエクスプロアメガデータパッケージがアクティブになるのは2007年1月4日からだと言われました。
結局わたしの使った10万ルピアはGPRSとMMSのセッティング及びパソコンでのほんのわずかのブラウジングで消費されたわけです。残ったのはパソコン上のホワイトブランクのウェッブページだけ。
この体験からわたしは、もっとも広くもっとも早いというXL3Gのスローガンは現実のものではないことを学びました。宣伝は宣伝であり、現実はアナザーストーリーだったのです。[ 西ジャカルタ市チュンカレン在住、エドウィン・サファリ ]


「クレジットカードからの引き落とし権を与えたのが運の尽き」(2007年4月16日)
2007年1月5日付けコンパス紙への投書"Waspadai Iuran Fitness First"から
拝啓、編集部殿。わたしはフィットネスファースト西ジャカルタ市タマンアングレッ店の会員です。毎月の会費はフィットネスファースト(FF)側とサインを交わした一年間契約に則してプルマタ銀行クレジットカードから37万ルピアを引き落としています。第三者が関与する費用負担は一切ありません。2006年9月のステートメントでFFは37万ルピアと36万ルピアを引き落としました。わたしはすぐにFFのマーケティング部門に電話してそのことを伝え、先方はすぐに経理に伝えてくれました。数日後わたしはFFから、その経理担当者は頻繁にミスを犯すので解雇されたという知らせをもらいました。そしてFF側は2006年10月の会費の引き落としをしないとも約束しました。ところが10月末にまた同じ間違いが繰り返されたのです。わたしはこの問題をアシスタントマネージャーまで苦情しました。どうして同じ間違いが繰り返されるのか、と。わざとやっているということもあるのでしょうか?FFはこの先二ヶ月間引き落としをしないと約束しました。しかし同じことが起こらない保証など何もありません。FF側には36万ルピアかける2で合計72万ルピアの過剰入金があります。FFは大会社なのでそんな金額ははした金なのでしょうけれど。
ところが11月も12月もまた37万ルピアが引き落とされました。わたしの口座から引き出した過剰入金分はいったいどうなったのでしょうか?そのあと今現在まで、FF側からは何の反応もありません。現金を返すとかわたしの口座に返金するとかといったこともなしのつぶてです。あたかも問題などなにひとつ起こっていないといった雰囲気です。その問題がどうなったのかをわたしが尋ねるたびに、今プロセス中だという返事が返ってきます。そのプロセスはいつまで続くのですか?わたしはこの問題をどこへ届け出れば良いのでしょうか?
FFはその過剰引き落としについて、わたしの会費を負担していたメンバーがやめたので、わたしがその分を自分で負担しなければならなくなったからだという理由を言うのですが、そのやめたメンバーという人をわたしはまったく知りません。メンバーのだれがやめた云々はFF側の問題であって、どうしてわたしが余分にお金を払わなければならないのでしょうか?わたしとFFとの契約書は誰との間の保証についても述べていません。それは契約書をチェックしてみれば明らかです。FFの責任者はいつまでも先延ばししないで一刻も早くこの問題を解決してください。[ 西ジャカルタ市タマンアングレッ在住、ルシアナ ]


「SMS景品詐欺はあとを絶たない」(2007年4月30日)
ブカシ警察は4月23日夜、ブカシ市ドゥタハラパン住宅地区にある一軒の民家を急襲し、SMSを使って景品詐欺を行っていた一味を逮捕した。逮捕された6人は全員がパレンバン出身者で、かれらの自供からボスが別にいることが判明しており警察はその行方を追っている。その6人はそれぞれが異なる役割を担当しており、一味のひとりでまだ16歳の少年は「あなたに景品が当たりました。詳しくはXXXXに電話してください。」というSMSを一日2百件適当な電話番号に発信する役を務めていた。それに興味を示した者がその番号に電話してくるとそれを受けるのは別の仲間で、景品抽選委員会を名乗り賞品を手に入れるために税金をすぐに振り込むように相手に指示を与える。相手をATMまで行かせたあと、ATMの振込み操作を指示して金を送金させるというのがかれの役。
この一味の詐欺に引っ掛かった被害者はブカシ地区だけでなく、ジャカルタから西ジャワ州のあちこちの町に渡っていた。被害者をうまく騙して1千万ルピアを振り込ませるのに成功したことがある、と金を送金させる役の20歳の若者は語っている。かれらは犯罪で手に入れた金額の10%をそれぞれが支給されていたらしい。この一味はおよそ2ヶ月前からこの詐欺行為を開始し、収入は数億ルピアにのぼっていた。警察はその民家を捜索した結果、携帯電話8台、ATMカード16枚、現金130万ルピア、携帯電話イニシャルカード154枚、テレビ受像機3台などを押収した。


「電車の切符は駅を出るまで捨てないように」(2007年05月07日)
2007年2月28日付けコンパス紙への投書"Perlakuan Petugas Stasiun Kota"から
拝啓、編集部殿。2007年2月17日夕刻、わたしはコタ駅プラットフォームにいる鉄道職員たちからとても不愉快な仕打ちを受けました。フォームから出るとき職員のひとりがわたしを止めて切符を見せるよう求めたのです。そのときもうわたしの手に切符はありませんでした。こんなことを尋ねられた経験はいまだかつてありません。どこかになくしたとわたしが答えるとその職員はどこから乗ったか尋ねます。わたしはあるがままに答えました。するとその職員はわたしを事務所の中に連れて行きました。中にいたほかの職員三人からも同じ質問が浴びせかけられましたのでわたしは同じことを返事しました。
かれらはわたしのKTP(住民証明書)を求め、わたしの答えに満足しなかったらしく切符を持っていないで捕まった乗客の罰金がいくらか知っているか、と尋ねるのです。その職員たちの名札は薄汚れていてはっきり読むことができません。わたしが知らないと答えると、そのひとりが古切符をわたしのほうに差し出してそこに書かれている規則を読むように言いました。わたしは、わたしが払わなければならない罰金はいくらなのか言ってくださいと頼みましたが、その職員はそれを読めと頑なに言い張ります。わたしはいつまでもこんなところでぐずぐずしていたくなかったので、10万ルピア札を出してその職員に差し出しました。するとその職員は反対に気分を害した様子をあからさまに示しました。
ややこしいことをだらだら言っていったい何を望んでいるのかよくわからないため、わたしはKTPと10万ルピア札を取り返してそこを出ようとしました。すると思いがけないことに、その職員はわたしに組み付いて腕を強く引っ張り、わたしが中に戻るよう強いるのです。非協力的で礼儀知らずだとわたしを非難しながら。
わたしは、KTPを出し罰金も払おうとして協力的に振舞ったのにそっちがわたしを泥棒扱いしてるじゃありませんか、と言いました。さっきの職員はふたたび古切符に書かれている規則を読めと命じます。わたしは拒否しました。するとその職員はわたしが出した10万ルピアを取って7万5千ルピアをわたしに返し、額面5千ルピアの補助切符を5枚くれました。どうやら罰金は2万5千ルピアだったようです。わたしにとってその金額は少なくないものですが、公衆の面前で辱められたわたしの自尊心に比べれば何ほどの意味がありましょう。事情のよくわからないひとたちはきっとわたしを駅内でうろついている大勢のスリかその同類だと思ったことでしょう。家に戻ったとき、わたしははじめてその職員がわたしのKTPを返してくれなかったことに気が着きました。[ 南ジャカルタ市クバヨランバル在住、アンナ・クルニアティ ]


「カラープリンターで贋札が作れます」(2007年5月9・10日)
プリンターやフォトコピー機など複写機械の性能は日進月歩で、いまや原本そっくりに複写物を作ることのできるカラー印刷物が安い価格で世の中にあふれている。そんな性能の向上を気に病んでいるひとびとがいる。どうしてか?かれらは言う。「そのおかげで中学生にだって贋札が作れるようになったじゃないか。」
2004年に摘発された贋札製造事件は36件で、その大半がスクリーン印刷、オフセット、輪転機などを使ったものだった。ところが2005年には摘発件数が87に増加し、その93%はカラー複写機器を使ったものになった。つまりモダン贋札作りはもはや大型の印刷機械を必要としておらず、コンピュータ、スキャナ、そしてインクジェット方式カラープリンターさえあれば仕事ができることを意味している。おまけにたった数十万ルピア払えば性能のよいプリンターが選り取り見どりで手に入る。2006年の最初の二ヶ月で摘発された14件の贋札製造事件も、市場でありふれているカラープリンターが使われたものだった。優れたものが手に入ると、ひとは容易にそれを悪事に使う。ならばどうすればよいのだろうか?
1978年、商業コペラシ大臣令でカラーフォトコピー機の輸入規制が行われた。その規制が贋札防止を目的としていたのは言うまでもない。輸入は原則禁止とされ、贋札撲滅調整庁(Botasupal)からの許可がある場合だけ輸入が認められた。しかし時代の移り変わりの中で、価格の高いカラーフォトコピー機よりも小型で使い勝手がよく、またはるかに安い価格で性能も遜色ないという多機能カラープリンターが続々と登場してきたことによってその大臣令は意味をなさなくなってしまった。2006年に多機能カラー機器・カラーフォトコピー機・その他カラー複写機の稼動許可に関する国家諜報庁長官規則第Kep-061/2006号が出されてカラー複写機器の国家管理が国民に命じられた。しかし既におよそ8百万台前後のカラープリンターが国内で販売されており、いまさらそれを禁止するのどうのという話などできたものではない。とはいえ、だれでも用意に贋札を作れる機械は管理されなければならない。その対応をどう取るのか?
多機能カラー機器カラーフォトコピー機公式ディストリビュータ協会(Adminkom)が発足し、この協会が国内市場で販売された機器の最終使用者登録を命じられた。しかし規則ではさかのぼっての登録を命じているため過去に販売された8百万台前後の最終使用者も登録しなければならないが、これはだれが考えても「言うは易く・・・」の世界だ。今消費者が使っているプリンターは過去三年間に販売されたものがほとんどを占めている。贋札撲滅調整庁はもうひとつアイデアを出してきた。国内販売されるすべてのカラー複写機器に贋札禁止ステッカーを貼らせろと言うのだ。このステッカーには「お金の複写禁止」と記されている。機器購入者はひとりの例外もなく協会に登録し、6千ルピアのそのステッカーを購入しなければならない。年間140万台に達しようという国内カラープリンター市場でこのステッカー販売はかなりの金額の流れを生み出すことになる。そこに関わればあまりコストとエネルギーをかけることなく商売ができる。しかしこのステッカー案に協会側は反対の意思表示をしており、製品パッケージの外箱や取扱い説明書にプリントする形にしてほしいと表明している。
贋札撲滅調整庁の構想は壮大で、国内市場に出たすべての機器を一台ずつトレースできるようなデータベースを計画しており、国内生産者、輸入者、卸商、小売店、消費者のすべての段階を動くたびにそのデータを取るよう求めている。しかし公式ディストリビュータの販売網に属さない販売者がゴマンとおり、そして公式代理店でない輸入者もゴマンといるこのインドネシア市場で協会がどこまでデータを集め得るかということを考えれば、悲観論が先に立ってもおかしくはない。さらに生産者は熾烈な市場競争を展開しているのであって、協会が集めたデータが同業他社にどのように利用されるかしれたものではないと考える生産者がはたしてありのままのデータを提出するだろうかという疑問も湧く。この構想は携帯電話プリペイド利用者登録と実に類似のシチュエーションを想像させる。携帯電話番号登録では全国すべてのオペレータのエネルギーとコストを相当に搾らせたものの、その成果がどれだけの利用価値を持っているのかとの問いにポジティブな答えを言うことのできる人間はほとんどいないという事実を忘れてはならない。
ある情報ソースによれば、国内市場で実際に動いているカラープリンターの数は公式数値の二倍ほどあるとのこと。つまり国産品と公式輸入データの合計数値に匹敵するほどの平行輸入が行われているというのだ。しかも通関も納税も経ないで。よしんば贋札撲滅調整庁の目論見通りのことができたとしても、政府は実体の半分しか把握することができない。反対にディストリビュータ協会が集めたデータはものの役に立たず、むしろ流通システムにいる商人たちが腐敗役人の搾取を受ける機会を開き、データ操作ばかりが行われ、そして肝心の贋札作りはますます盛んに行われて地方部の商人や住民を困らせる結果になる可能性のほうが高い、と業界関係者は悲観の度を強めている。


「悪いのはいつも他人」(2007年5月9日)
2007年3月10日付けコンパス紙への投書"Uang Palsu di BII"から
拝啓、編集部殿。2007年2月27日、わたしはBII銀行中央ジャカルタ市チデン店で1千9百万ルピアほどの小切手を現金化しました。その現金をわたしはそのままBCA銀行に持参して入金しました。ところがBCA銀行で、5万ルピア紙幣1枚が贋札だったことが明らかになりました。その贋札はすぐにフォトコピーが取られ、現物はBCA銀行が差し押さえました。それでわたしはその責任を求めるためにBII銀行に戻ったのですが、BII銀行は責任を取ろうとせず反対にBII銀行から受け取った紙幣の真贋をその場で調べなかった消費者を悪者にしました。窓口担当者だけでなくBII銀行チデン店の女性業務マネージャーも、利用者は銀行から受け取った現金の真贋をチェックするべきであるとの見解を表明します。でもわたしは、銀行利用者がそんなことを行うのは不可能だと思います。なぜなら銀行から受け取る現金はホンモノであるという信頼を銀行利用者が抱くのは当たり前だからです。
わたしのそんな体験から得た教訓をみなさんにお伝えしたいと思います。BII銀行中央ジャカルタ市チデン店で現金を引き出すひとは贋札検出器を持参するように。[ 中央ジャカルタ市在住、リナ・ヌライニ ]


「親切にはご用心」(2007年5月10日)
郵便局でこんなことが行われていようとは、レニーは夢にも思わなかった。2007年3月7日、中央ジャカルタ市に住むレニーの自宅に電話がかかってきた。昼日中のことで、勤めているレニーは当然家にいない。女中が電話を取った。
「ハロー。レニー・アグスティアさんはいらっしゃいますか?こちらはPT Pos Indonesiaです。」ポスインドネシアというのは郵便事業を独占的に行っている国有会社だ。アンディと名乗った電話の主は、オーストラリアから小包が届いており、それを受け取るためには23万ルピアを払わなければならない、と言う。そしてもしご希望があればその小包を自宅まで届けるので、お金と宛先人のKTP(住民証明書)のフォトコピーを1部用意しておいてください、と言ったそうだ。レニーは女中の報告を聞いてすぐ、「じゃあそうしてもらって。」と女中に指示し、必要なものをすべて女中に託した。
翌日、会社から帰宅したレニーに女中が報告した。「今日また郵便局から電話がきて、届けましょうかと言うのでそうしてくれと言っておきました。明日届けてくれるそうです。」
そして3月9日の夜、帰宅したレニーはオーストラリアから送られてきた自分宛ての小包を受け取った。ところが女中が「へんだ」と言う。それを届けて来たのはオートバイに乗った普通のかっこうの男性で、郵便局員の制服を着ていない。お金を渡すとレシートをくれたが、郵便局の用紙ではなくてそのへんの文房具屋で売っている市販の領収書フォームに手書きで書かれたもので、郵便局のスタンプも捺されていない。そしてその配達の男性は帰りがけに、「もし郵便局から到着通知が来たら破り捨てればいいから。」と言って走り去った。
それから数時間たったその日の午後、女中は郵便局からの郵便物到着通知を受け取った。こちらは郵便局の通知フォームにいつものように郵便物の到着を案内する内容が記され、そして通関費用として7千ルピアを納めてください、と書かれている。レニーはその瞬間覚った。郵便局内にいる腐敗職員が業務の合間に金を詐取するためにうった芝居があれだったのだということを。


「プラダのニセモノ」(2007年5月15日)
高級品ブランドのPRADA がマスメディアに告知を出した。イタリーのPRADA S.A. 社は1977年に同ブランドを世界的に登録して以来、既に著名ブランドとなっている。プラダはインドネシアの何者に対してもブランド使用権を与えたことがない。にもかかわらず、ファハミ・バブラなる人物が法務省知的財産権総局に登録することでプラダの商標権をプラダからの許可なく1995年3月に入手した。ファハミ・バブラは非オリジナルのプラダ商品をバリのLegian, Galeria Nusa Dua, Ubud, Mal Bali Galeria, Tanah Lot 1 などで販売し、1994年以降巨額の不当利益を手に入れている。プラダはそのためジャカルタ国家法廷に告訴し、最高裁に原判決破棄の訴えを起こし、今は最高裁に再審請求を求めてそのプロセス中であるが、それがためにプラダは知的財産権総局がプラダ商標権をファハミ・バブラに与えたことに関してインドネシア政府知的財産権総局を国際法廷に告訴しないことにはならない。 この告知は知的財産権総局がファハミ・バブラに与えたプラダ商標権をただちに取り消すよう告発するものである。この告知とともにインドネシア共和国国家警察に対してもファハミ・バブラに関する届出を行った。プラダのオリジナル商品はPlaza Senayan とPlaza Indonesia のアウトレットでしか販売されていない。


「紙幣の真贋判別は3Dチェック法で」(2007年5月16日)
東ジャカルタ市カンプンランブタンや北ジャカルタ市タンジュンプリウッなどジャカルタの郊外エリアで開店している銀行で贋札が増加している、とインドネシア銀行通貨流通局通貨準備実施部長が語った。小売商をメインの顧客にしているそれら銀行では出入りする紙幣の中に贋札が混じる傾向が増加しており、そのような銀行だけでなくパサルにある現金出納所も同じ傾向にあるとのこと。これはランダム調査の結果判明したことであるため、どの銀行でどのくらい贋札があったというようなデータはない由。企業セクターがメインの顧客対象になっているところは現金出納があまりないので贋札リスクは小さいが、商店やパサルの商人をメイン顧客にしているところはリスクが高い。これはそれらの商人に対する贋札見分け方の啓蒙告知がまだ十分に浸透していないためであり、中央銀行は今後もその啓蒙促進を鋭意進めて行く、と同部長は述べている。贋札がはびこるのは、現金を手にすることに歓びを感じる一般庶民がまだ多いという要素も影響を与えており、ノンキャッシュ取引の習慣を徐々に浸透させていくことも目標のひとつに置かれている。
インドネシア銀行のデータによれば、市場で流通している紙幣1百万枚の中に含まれている贋札の枚数は2005年で24枚だったが2006年は36枚に増加した。2007年3月時点ではそれがまだ7枚であるとのこと。中央銀行は国民に対し、「Dilihat(見る)、Diraba(触る)、Diterawang(透かす)」の3Dチェック法で紙幣の真贋を判別する指導キャンペーンを継続的に行っている。それに加えて銀行業界に対し、ATM機に納められる紙幣の真贋選別を励行するよう指導しており、それをさらに現金出納サービスを行うすべての機関に拡大させる方針。ATM利用者が贋札をつかんだとき、その贋札がどのATMから出てきたかを証明するのがほぼ不可能に近いことから、贋札センサーが設置される必要性に同部長は言及している。


「廉価航空券で銭失い」(2007年05月23日)
2007年4月2日付けコンパス紙への投書"Ditelantarkan AdamAir"から
拝啓、編集部殿。わたしは2007年1月20日20時30分ジャカルタ発スラバヤ行きアダムエアーに乗るため切符を買いました。予約コードはAGK4HIとなっています。1月20日19時にチェックインしようとしたところ、わたしの切符は18時発のフライトに切り替えられているという理由でチェックインを断られました。20時30分発の便は乗客が少ないので運行中止になったそうです。わたしは運行中止とフライト変更の情報をまったく知らされていません。驚いたことに、わたしの持っていた切符はそのまま問答無用で焦げ付き(無効)にされてしまいました。結果的にわたしはその日、スラバヤへ行くことができなくなってしまいました。きわめて不満に思うのは、アダムエアーが運行中止をわたしに一言も連絡してこなかったことです。乗客の了承も得ないで一方的にスケジュールが変更されました。アダムエアーの無責任のおかげでわたしはジャカルタに宿泊せざるを得なくなり、宿泊費・飲食費・空港との間の交通費そして翌日他の航空会社の航空券を買いなおすといった出費を負担しなければならなくなりました。加えてわたしのスラバヤ到着が一日遅れたために、マランのわたしの顧客の宿泊費までわたしが負担しなければなりませんでした。わたしの苦情の手紙はピンポン玉にされています。チュンカレンのアダムエアー、スラバヤのアダムエアー、ジャカルタプレフライト、スラバヤアダムエアーマーケティング、ジャカルタアダムエアーマーケティング。最終的にジャカルタアダムエアーマーケティングのレニさんから得た回答は、処理は2008年までかかるかもしれない、という返事でした。それが、アダムエアーという大会社のマーケティング担当者が会社を代表して消費者に言う言葉でしょうか?
アダムエアーからわたし宛の能動的な反応は何一つありません。いつもわたしの方から電話し、SMSを送り、メッセージを残しても、アダムエアーは沈黙し続けています。乗客への確認など何もしないというのがアダムエアーの業務方針なのですか?アダムエアーへの信頼が危機的状況にある現在、消費者をがっかりさせるのでなくサービスを向上させるのが当たり前ではありませんか?アダムエアーの利用者になった自分にわたしはとても後悔しています。廉価航空券がそれよりはるかに大きな損失をわたしにもたらしたのですから。[ スラバヤ在住、ミシェル・ナザレノ ]


「代表取締役が自社に詐欺」(2007年5月28日)
デポッ市で営業している国民貸付銀行Aslindo Mitra の代表取締役が架空融資をでっちあげて会社の金を詐取した。この代表取締役は同銀行の融資を受けて全額返済済みの38人の顧客がかつて提出した融資申請を再利用し、それらの顧客に対する融資をおろす形を取りながらも資金は代表取締役と貸付部長の口座に振り込んだ。業務上でその行為に関わった出納係と経理担当取締役は代表取締役の命令に従っただけとのこと。代表取締役は詐取した資金を、西ジャワ州カラワンの国民貸付銀行Sarana Ekonomi の買収資金、ボゴールに持っている自動車販売店の運転資金、デポッで個人的に行っている自動車売買などに使っていた。さらに同銀行が担保として取得した車両を取締役会に無断で競売もせずに売却するということも2006年5月から12月までの間に何度か行っている。
その代表取締役の乱行が同銀行の70%シェアを持つ出資者の知るところとなり、2007年5月15日に出資者が警察に届け出たため代表取締役は警察に逮捕された。銀行側が蒙った損害額は20億ルピアにのぼる。


「また個人データの悪用」(2007年5月29日)
2007年4月13日付けコンパス紙への投書"Terus Ditagih ABNAmro"から
拝啓、編集部殿。わたしはプロフェッショナルな仕事ができないABNアムロ銀行クレジットカードマネージメントにとても失望しています。それはこんな経緯でした。
アスマという名のアムロ銀行マーケティング担当者がわたしにアプローチしてきたのは2006年のことでした。わたしにアムロ銀行のクレジットカードを申請するよう勧誘し、申請書に個人データを書き込むよう求めましたがそのフォームはオリジナル用紙でなくフォトコピーでした。そしてわたしの所得証明書を添付書類として要求したので渡しました。KTPはそのとき持っていなかったので、わたしのアイデンティティ条件を満たすことができませんでした。
翌日、その担当者はふたたびわたしを訪れてもうひとつ別の所得証明書の原本を要求したので、わたしはその申請を取りやめることにしました。所得証明書を何枚も渡す必要はありませんから。それでわたしはKTPのコピーも相手に渡しませんでしたが、前日渡した所得証明書を返却させるのは忘れてしまいました。しばらくしてわたしは、申請が了承されたというSMSを受け取りました。わたしはその申請を取りやめたというのに銀行から一度もわたし宛に個人データの確認がなされなかったのはたいへん奇妙です。そのあとわたし宛にクレジットカードが送られてきましたが、わたしは受け取りを拒否しました。
アスマがふたたびわたしを訪れ、そのカードはもちろんわたしのものでないので本部に送り返されることになる、と言いました。翌月になって、わたしのものでなくましてやわたしが使ったこともないクレジットカード番号5256.4411.xxxx〜に対する請求書が届きました。わたしがすぐにその請求書に記載されているABNアムロ銀行カスタマーサービスに電話してそのカードはわたしのものでないことを説明すると、銀行側はわたしにその経緯の説明を求めたあと措置を取ることを約束しました。ところがその後も請求書は毎月送られてきます。Eメールで銀行に連絡しましたが効果はありません。
ABNアムロ銀行回収部門がひっきりなしにわたしに電話をかけてくるので、わたしは繰り返して事件の経緯を説明しました。そのカードを保有したことがないという表明書を出せと言われてそれにも応じました。しかし効果は何もありません。わたし宛にはサンティという名の担当者が2006年12月にわたしの携帯電話にコンタクトしてきたのが最後でした。ところがわたしの家族宛には電話が続いており、わたしの兄妹は怒鳴り声の電話を受けていたのです。電話の主はわたしの家族がわたしをかくまい、わたしの電話番号を消したと言うのですが、わたしは携帯電話を24時間継続してオンにしており、電話のスイッチを切ったことがありません。もしわたしがそのクレジットカードを使ったのに支払いを避けて逃げようとするのであれば、どうして逃げも隠れもせずまた電話番号を変えようともしないのでしょうか?わたしは自分の携帯電話を一日中消しもせず点けっぱなしにしてかれらがわたしに絡んでくることができるようにしているのはいったいどうしてなのでしょうか?著名銀行のレベルってそんなものなのですか?
このクレジットカード悪用はわたしの責任でなく、またわたしのものでない負債でわたしが損害を蒙るのもいやです。銀行側はこの問題の処理をどうしてこんなに愚図愚図しているのですか?銀行側はいつまでもわたしに請求書を送り続けるのでなく、そのカード悪用を行ったマーケティング担当者の行方を追及するのが本筋ではありませんか。
いまやアイデンティティ偽造やごまかしに満ち満ちているクレジットカードの世界に世人はもっと警戒しなければなりません。申請するなら直接銀行で手続きし、契約ベースのマーケティング担当者を相手にしてはいけません。わたしと同様、アイデンティティ偽造の被害を受けるかもしれませんので。[ プカンバル在住、スワンティ ]


「新しい器に古い・・・!?」(2007年5月30日)
安い電気製品には注意したほうがよい。西ジャカルタ市グロドッ地区の電気店でとても安いソニーのプレイステーション2を見つけて即座に購入したひとがいる。その品は化粧カートンでなくキャンバス地のバッグに入っており、Sony PlayStation という刺繍文字が施されていた。価格は125万ルピアだと言う。どうして値段が安いのかと尋ねると店員は「メーカーの保証でなく店の保証であり、保証期間は1ヶ月。その間のサービスは無料で、また故障があれば部品は揃っていますから。」と説明した。
家ではかれだけが使っていたが、ひと月以上過ぎたころゲームができなくなった。かれは買った店でなく別の修理屋にそれを持って行った。修理屋は故障の様子を調べてから、「オプティック部分がいかれてる」と説明した。「この中身は中古品だよ。」とも。かれが廉価に買ったプレステ2は中古品を一見新品のように装った再調整品だった。傷みのひどい部品はもちろん交換されているが、純正部品でない二流品が使われていた。
同じようなことは携帯電話の世界でもざらにある。シュリンク包装の中の化粧箱に収まっている一見新品そのものの携帯電話が実は再調整品なのだ。それらはメーカー保証がついておらず、保証は店もしくはディストリビュータが短期のものをつける。
消費者保護財団はそれらの再調整品について、本当は中古品売買なのだが購入者が一見して新品と思い込むような細工を弄している、と説明する。正直に中古品であることを明らかにしていればまったく問題ないというのに、執拗にそれを隠そうとする商人が少なくない。国内でリサイクルされたものやら海外から税関の目をくぐって持ち込まれてくるブラックマーケット商品と呼ばれるものまでさまざまで、当然ながらメーカーの保証はつかず販売者が保証するしかない。ブラックマーケット商品の中には他の国向けに有名メーカーが生産したものも含まれている。インドネシア国内にそのアフターサービス体制はないから、部品の入手がきわめて困難になるものも少なくない。
クニガンで携帯電話ショップを開店している販売者のひとりは、再調整品は当たり前の現象だと言う。壊れた部分を修理しあるいは部品交換して機能を回復させる。より高く再販できるようにするのは当たり前だ、とかれは言う。部品の入手が困難なモデルは他の品物からその部品を抜く。インドネシアでKanibal(人食い)と呼ばれる手段だ。それが一歩度を過ごせば、消費者に新品と思わせてできる限り大きい儲けを得ようとする動きへとつながっていく。
グロドッのプレイステーション販売店ではこれまで数多くの中古再調整品を販売したが、新品として売ったものも多いそうだ。購入者の多くはプレイステーションを並べて有料で遊ばせるゲームセンター事業者が多い。地方部から買いにくる購入者も少なくない。
消費者も中身のクオリティを評価することよりも見た目を優先する傾向が強い。だから売る側もそのポイントをついてくる。リッポカラワチで中古携帯電話を販売している商人は、中古品の多くは中国・日本・韓国から送られてくると語る。それらの中古品は一度裸にされ、手に入る部品を使って組み立てなおされる。仕上げは新しい化粧箱に入れられて封がなされる。だからそれらを見ただけでは新品か再調整品かの区別ができるひとはまずいない。ケーシングを外してみてはじめてそれとわかるのだが、素人であればそれすら判別できるかどうかわからない。
では新しい化粧箱をかれらはどこから手に入れているのだろうか。再調整業界者のひとりは、ITCチュンパカマスでそんなビジネスを行っている商人がいる、と小さい声で洩らした。その男は有名ブランド携帯電話の化粧箱と取説をセットにしたものをひとつ3万ルピアで販売している。それどころかメーカーのホログラムを一枚1万ルピア、保証書を1枚3千ルピアで売ってくれる。いやそれだけでなく、IMEIナンバーから電話機のボディ番号まで金さえ払えば用立ててくれるそうだ。IMEIパッケージとバーコード、そして携帯電話機の登録番号までもが、メーカーに頼まずとも入手できるのである。


「ありえないことも起こる」(2007年6月5日)
2007年4月7日付けコンパス紙への投書"Daftar Kartu Xplor di Pameran"から
拝啓、編集部殿。2007年3月4日、わたしはジャカルタクマヨランのPRJ会場で行われているXplor後払いカード申し込み受け付けに興味をひかれました。申込書のデータは受付担当者が記入し、わたしはKTP(住民証明書)のフォトコピーを提出しました。2007年3月7日、Xplor担当者からのコンタクトがあり、わたしの申し込んだカードをアクティブにするための確認がなされました。カードは3日後にアクティブになるとのことでした。
2007年3月10日、わたしは電話をためしてみましたが、カードはまだアクティブになっていません。それでXplorカスタマーサービスに電話したところ、わたしの番号はもうアクティブになっているが登録者は別人の名前だと言うのです。わたしは驚き、困惑してしまいました。なぜなら、その番号のイニシャルカードはわたしの手元にあるのですから。わたしがそれをPRJ会場で受け取った時それは完璧な状態で封印されていました。カスタマーサービス担当者も、ありえないことが起こっている事実に面食らっていました。
わたしが懸念するのは、PRJ会場で受付担当者が申し込み書に記載する番号を取り違えてしまい、その結果後日わたしが使っていない番号の使用料金がわたしに請求されてくるということです。カスタマーサービス担当者もわたしの想像に賛同しましたが、それを防ぐためのことは何もできないと言います。わたしの名義でアクティブになっているほかの番号があるのかどうかについても、その担当者にはチェックすることができません。もしわたしの懸念が現実に起こったなら、わたしはどうすればいいのでしょうか?わたしが使ってもいない電話の料金請求に応じなければならないのでしょうか?
あちこちのモールで行われている展示会などで派手なプロモーションをしているXplorの申し込みをしようとする人は注意してください。それを行っているのはXLのディーラーなので、消費者との間で問題が起こった場合Xplor本社はその責任を負うことができないのだそうですから。[ジャカルタ在住、ステファニ・チャンドラ ]


「一度請求書に書かれたら払わなきゃダメ」(2007年6月6日)
2007年4月7日付けコンパス紙への投書"Pemaksaan ala ABN Amro"から
拝啓、編集部殿。わたしは2006年2月からABNアムロ銀行のクレジットカードを利用していましたが、それを延長しないことにしました。2007年2月1日付けの請求書では総額10,290,684ルピアが請求されていますが、その中にはアニュアルフィーが30万ルピア含まれているのです。2007年2月5日、わたしは9,998,500ルピアをその請求に対して振り込みました。つまり、10,290,684ルピアからアニュアルフィー30万ルピアを引き、それにBCAのATM送金費用である7,500ルピアを加えた結果がそれなのです。ところがわたしが24時間フォーンバンキングに電話してクレジットカード口座の閉鎖を確認し、またジャカルタのジュアンダ通りにあるABNアムロ銀行に2月16日にその話をしに訪れたにもかかわらず、銀行側はそのアニュアルフィーを払わなければならないと言い張ってわたしの口座閉鎖を邪魔しました。ほかのクレジットカード発行者はアニュアルフィーの抹消ができるのに、ABNアムロ銀行はそれとは正反対でした。
2007年3月9日、3月1日付けの別の請求書が届きました。そこにはあらたに金利として175,152ルピアが加算されて総額が480,836ルピアと記されています。オランダ資本の外国系銀行であるABNアムロのやり口は、できるだけ多くの利益を得たいがためにその先一年間のアニュアルフィーを無理やり払わせようとしてそんなことをするのです。本人はそのカードを使う気がもうまったくないというのに。[ ジャカルタ在住、キャロリン・オクタヴィアニ ]


「不条理の穴に落とされる顧客」(2007年6月12日)
2007年4月17日付けコンパス紙への投書"Hati-hati Loan on Phone Citibank"から
拝啓、編集部殿。わたしはシティバンクのビザカード保有者です。2007年1月にシティバンクからの請求書が届いたとき、2,594,300ルピアという疑わしい請求が記載されているのに気付きました。それはReinstated lop 24回分割で金利なし、と記されています。わたしがこの件を問い合わせるために何度も繰り返してシティバンクに電話した結果カスタマーサービスのオルガさんが2007年2月9日付けで送ってきた手紙によると、2005年12月22日にlop to alop でBCAのわたしの口座にシティバンク側が二重送金をしたためだとの説明でした。わたしがBCAにその事実を問い合わせたところ、シティバンクからわたしの口座への二重送金はないことが明らかになりました。わたしはふたたびシティバンクに連絡してオルガさんに二重送金の証拠を示すよう依頼したところ、シティバンクのマネージメントはそのような証拠をわたしに提示しないと言い、わたしにBCAの口座を調べるように勧めました。しかたなくわたしはBCA銀行にわたしの口座の2005年12月の入出金記録をプリントするよう依頼しました。
そのプリントにはシティバンクからの入金が一回しか記録されておらず、わたしはそのプリントアウトをオルガさんにファックスしましたがオルガさんはあっさりと「BCAがミスしているのだ」と言うのです。そしてオルガさんはわたしに銀行間決済書番号をふたつ教え、その番号をBCAに示して苦情するようにとわたしに言いました。ところがBCA側が言うには、もしシティバンクが本当に二重送金したのならわたしの口座に送金したときの書類のコピーが提示できなければならないのだそうです。銀行間決済書番号はシティバンクが取ったものでBCAのものではないのだから、番号だけ言われても無意味なのそうです。そしてシティバンクの言う送金のトレースをBCAは行うから、シティバンクからその書類のコピーをもらってきてくれとわたしに言いました。わたしはシティバンクにピンポン玉にされているように感じ、とても不愉快になりました。この問題の最初からシティバンクへは常にわたしのほうから電話をかけており、国際的な大銀行であるシティバンクからは問題を早く解決させるために協力するような姿勢が少しも感じられません。それどころかわたしへの請求書にはペナルティ金が毎月毎月かけられているのです。
この出来事に関してわたしは明らかにシティバンクから物質的精神的な損害を蒙っています。シティバンクにとっては小さな問題かもしれませんが、わたしにはたいへんな問題なのです。わたしはシティバンクが顧客に誠意をもって接するよう求めます。わたしがペナルティ金やそのほかのことを考えずに落ち着いて仕事ができるよう、この問題を早急に解決してください。[ 東ジャカルタ市在住、ウントゥン・エンダン・スリヤニ ]
2007年4月26日付けコンパス紙に掲載されたシティバンクからの回答
拝啓、編集部殿。4月17日付けコンパス紙に掲載されたウントゥン・エンダン・スリヤニさんからの投書についてお知らせします。Reinstated lop 2,594,300ルピアの請求に関することがらについて当方はご本人に連絡して説明申し上げました。また当方はそのReinstated lop の請求に対する修正を2007年4月17日に行いました。[ シティバンクインドネシアカスタマーケアセンター長、ホッマン・シンボロン ]


「ひとを困らす苦心の作品」(2007年6月29日)
2007年5月1日付けコンパス紙への投書"Waspadai Uang ATM Mandiri"から
拝啓、編集部殿。2007年3月31日午前10時ごろ、わたしは南ジャカルタ市ポンドッキンダモール2にあるマンディリ銀行ATMで現金を引き出しました。いつも自分でそうしているように、わたしはATMマシンから出た現金を数えました。するとその中にあった10万ルピア札1枚に異状があることがわかったのです。その10万ルピア札は一部が破れて欠けており、そこに1万ルピア札の一部がぴったり合うようにとても丁寧に貼り付けられていました。そのとき警備員がそこに見当たらなかったので、わたしはすぐに14000番のマンディリ銀行コールセンターに電話しました。その担当者からは問題解決の誠意があまり感じられませんでしたが、そのあと12時を過ぎてからマンディリのチームリーダーと名乗るひとから電話をもらい、そのひとはわたしにポンドッキンダモールにあるマンディリ銀行の店に来るように言いました。その紙幣を交換してくれると言うのです。
ところがポンドッキンダモール2のマンディリ銀行は閉鎖されているので、わたしがどこへ行けばいいのかをそのチームリーダーに尋ねるとはっきりした返事が返ってきません。もしわたしがこの紙幣を使ったらどんなことになるか、想像にあまりあります。それは10万ルピア紙幣なのに左上に貼り付けられた10000という数字が目に明らかで、一方左下にはSERATUS RIBU RUPIAHとはっきり書かれているのですから。マンディリ銀行ATMから引き出した現金には警戒しましょう。[ 南ジャカルタ市在住、ブディヤンティ ]


「ミッションインポシブル顔負け、巧妙な仕掛け詐欺」(2007年7月2日)
2007年6月26日付けコンパス紙への投書"Call Center Palsu di ATM"から
拝啓、編集部殿。わたしは2007年4月26日に東ジャカルタ市ポンドッコピのイスラム病院に設置されているマンディリ銀行ATMで30万ルピアを引き出そうとしました。ところがわたしがカードを挿入したあとATMのモニターに「もうしわけありませんが、出金の処理ができません」という文章が表示されました。わたしのATMカードは排出されなければならないはずなのに出てこず、わたしが引き出そうとした30万ルピアも出てきません。それでわたしは、その周辺に表示されているコールセンター電話番号92899243に電話しました。電話の向こうからは「マンディリ銀行です。こんにちわ・・・・」という声が聞こえました。その相手がわたしの名前、口座番号、カード番号、PIN番号などを尋ねても、わたしは露ほどの疑いも抱きませんでした。わたしが自宅に戻ってから携帯電話を見るとメッセージが5件入っており、そのいずれもがわたしの口座から1百万ルピアの引き出しがあったことを連絡していました。わたしの口座が破られて5百万ルピアが奪われたのです。わたしはマンディリ銀行のパンフレットを探して14000番に電話しました。そしてそのときマンディリ銀行スタッフは、ATM機からわたしが電話した番号はニセモノであると断言したのです。
わたしの口座からは一日の引き出し限度額いっぱいの金額が奪い去られました。わたしはパニックになり、すぐにわたしが口座を開いたマンディリ銀行クレンデル店を訪れました。わたしが事情を訴えるとカスタマーサービス担当者のひとりが、ポンドッコピのイスラム病院に設置されているマンディリ銀行ATMの近くに貼られている電話番号はニセモノであり、わたしのATMカードは機械の中に吸い込まれて出てこないのではなくて挿入口の中に貼られたテープにくっついて身動きが取れなくなっているだけだ、と教えてくれました。犯罪者一味は、ATM利用者がカードを呑み込まれたと思ってそのニセモノ電話番号に電話してくるのを待ちうけているのだ、というのです。ATMブースにある防犯カメラの画像かもしくは銀行の決済データから犯人を追跡できないのかとわたしは尋ねてみましたが、「マンディリ銀行ATMのすべてが防犯カメラで監視されているわけではなく、また決済は送金でなく現金引き出しなのでトレースのしようもない。」というのが銀行担当者の返事でした。おまけに、わたしがこうむったような犯罪はあちこちのマンディリ銀行ATMで起こっているのだと言うのです。もしマンディリ銀行自身が犯罪者一味の手口をそこまでわかっているのであれば、防犯カメラを設置したり警備員を配置したりしてATM機の監視を強めようとどうしてしないのでしょうか?自分の銀行の顧客が犯罪者一味の被害を受けているというのに、これはいったいどういうことなのでしょうか?[ 東ジャカルタ市在住、タマラ ]


「ATMの空手形はいつも藪の中」(2007年7月3日)
2007年4月27日付けコンパス紙への投書"ATM BNI Mengecewakan"から
拝啓、編集部殿。BNIという大銀行が顧客の受けた損害に責任を取ろうとしないのはじつに残念なことです。ATM技術者が悪いのか、それともATMマシーンがまともでないのか、どうしてこんな問題が起こったのかわたしにはわかりません。はっきりしているのは、わたしが大損害を蒙り、そのことでとても失望しているということです。
2007年3月20日18時24分、わたしがITCファッマワティのATMで現金を引き出そうとしたときにその問題が起こりました。40万ルピアを引き出そうとしましたが、お札が折り重なった状態で30万ルピア分だけ出てきたのです。つまり10万ルピアが不足していました。わたしがATMセンターに報告すると、口座開設店に届け出るように言われました。それでわたしは3月21日に南ジャカルタのムラワイラヤ店に出かけて必要な手続きを行い、14日後の結果を待つことにしました。ところがそれより早く、2007年3月28日にBNIムラワイラヤ店がわたしに電話してきました。わたしがクレームしている現金引出しはすべて正常に行われたので、わたしが出した苦情に対する対応はできない、と言うのです。それはわたしが体験したできごとと違うじゃありませんか。銀行側はわたしの苦情を却下し、わたしが損している10万ルピアは弁償されないままということになってしまったのです。
BNIはわたしの苦情に配慮を示すとともに、同じようなできごとで他の顧客が損しないようにサービスを向上させてください。BNI利用者やこれから利用しようとしているひとは警戒するように。[ 東ジャカルタ市パサルボ在住、ムジ・サントソ ]
2007年5月19日付けコンパス紙に掲載されたBNIからの回答
拝啓、編集部殿。ムジ・サントソさんからの4月27日付けコンパス紙に掲載された投書についてお知らせいたします。ITCファッマワティのBNI銀行ATMで40万ルピアの引き出しをしようとしたところ30万ルピアしか出なかったということがらに関しては、ATMの出金記録を当方が調査したところ現金出納は正常に行われていてATMに現金差額は発生していませんでした。当方はムジ・サントソさんにコンタクトし、この問題を良好に解決しました。[ BNI銀行コーポレートセクレタリー、インタン・アブダムス・カトッポ ]


「ただほど高いものはない」(2007年7月6日)
タングラン市チルドゥッのラマヤナモール2階に「無料景品がもらえる」と大きなポスターを張り出して大宣伝している店がある。ハディはついふらふらとそのマルチラインという看板を掲げた店に入って行った。応対した店員の話では、無料で景品が当たるほかラップトップ、冷蔵庫、テレビ、サウンドシステム等々の品が副賞品として定価の20〜35%の手続き費を支払うだけで手に入るとのこと。見せられた商品パンフレットにはだれもが憧れるさまざまな家電品の写真と数百万ルピアという価格が記されている。無料景品と副賞品はセットになっており、当たった副賞品は手続き費を支払って引き取らなければならないことが条件になっている。「いまここで50万ルピアを納めて籤を引けば景品は全部お持ち帰りできます。さあ、どうぞ。」と店員に言われてハディは50万ルピアを出した。目を閉じ、精神を集中させて籤を引くハディ。「さあ、何が当たったでしょうか?」店員の快活な声が心地よい。籤を開いた店員はそこに書かれた文字をハディに見せながら「無料景品はアイロンで、副賞品はお料理セットですねえ。良いものが当たりました。きっと奥さんは大喜びでしょう。」と言う。これが無料景品のアイロンですと言いながら店員は箱を開いて中身を示し、さらに商品パンフレットを開いてお料理セットを指差した。いくつかのサイズの鍋や耐熱容器のセットの写真の下にはRp2,488,000という金額が記されている。この商品の手続き費は35%になりますので、と店員は言いながらすかさず電卓のキーを押して87万ルピアという数字を示した。『期待はずれだった』という思いを押し隠してハディは87万ルピアを払い、手に入れた品々を抱えて車に戻った。
家に戻ってからお料理セットの箱を開いて中身を検分したが、どうみても商品パンフレットに掲載されていた写真と同じものとは思えない。品質は三級品であり、行くところへ行けばもっと安い値段で売られているしろものだ。「アイロンがただで手に入ったから、まあよしとするか?」と自分を慰めたが、アイロンがけをするよう女中にそれを渡したところ「トアン、こりゃどうやったら点くんですか?」と尋ねにくる始末。ハディもあちこち触ってみるが、どうやらこれはアイロン機能の欠如したアイロンのよう。ハディは翌日そのアイロンを交換してもらおうとまたマルチラインを訪れた。店員は昨日とは別の人間だったが、素直に取り替えてくれた。そしてふたたびそのアイロンを使ってみたが、結果は昨日のアイロンとまったく同じ。どうやらいっぱい食わされた、とハディは妙に納得した。


「コンパス紙の広告といえども盲信は禁物」(2007年7月9日)
中部ジャワのクラテンで働いているヤユはジャカルタで就職したくて新聞の求人広告のひとつに応募することにした。住所がマンガライ地区サハルジョ通りにあるビルの3〜4階となっているPT Mitra Utama Global 社の番号にヤユは電話してみた。担当のリサという名の女性が出た。
「あのう、どんな立場でどんな仕事をするんでしょうか?」「面接に来てください。いつ来られますか?」
クラテンからジャカルタへ出たヤユは早速その足でサハルジョ通りに赴き、リサの面接を受けた。そして即採用が決まった。「経理スタッフに採用されました。社員になる条件は登録費用2万ルピア、それからうちの会社が販売している家電品を何でもいいから購入することです。45万ルピア以上買わなければなりません。」 合点の行かないヤユは、いまお金を持ってきていないから、と言ってそこを辞した。「ひょっとしてこの会社は商品を買ってくれるひとを社員と言っているのかしら?」
クラテンへ戻ったヤユはいまの勤め先が毎日取っているコンパス紙の広告を注意深く見るようになった。するとどうだろう。自分が応募した会社と同じ住所なのに、会社名、電話番号、担当者名がすべてまったく異なる広告が二つも三つも見つかったではないか。そしてそれらの会社名が今度はサレンバラヤ通りクナリバルビル4階という住所に支店を開いていることまでヤユは発見した。そんな広告がコンパス紙を埋めていたのだ。
就職難のこのご時世に求人広告でひとを集め、履歴書も何もなしに即採用だと言われ、社員になる条件として金を払え、物を買え。もし言われるがままにそうしたあと、いったい何が待ち受けているのだろうか。明らかに普通の社員採用とは思えない今回の体験を続けてみようとするヤユの好奇心は恐怖心に打ち負かされてしまった。もし就職という言葉に目がくらんで言われるがままに借金してまで物を買っても、どうもその後惨めな仕打ちが待ち構えているにちがいない、とヤユの本能が語っている。ジャカルタはなんて恐ろしい場所なんだろう。ヤユの背中を悪寒が走った。


「景品抽選。実は・・・」(2007年7月11日)
国有客船会社PT Pelni が景品抽選プロモーションを行っているという話を西スマトラのパダンに住むエストゥが聞いたのは2006年11月末。ペルニの乗船券の番号を9400番にSMSで送るというそのプロモーションに、エストゥは自分が前に乗った船の切符の番号を送って参加してみた。するとすぐに、抽選番号としてのPINナンバーとたくさん送れば当選が確実になるのでもっと送るようにというメッセージが返ってきた。ところが9400番からのSMSを一回受信しただけなのになんと2千ルピアも度数が減っている。エストゥはそれが詐欺であることを直感した。
エストゥは二度と9400番にSMSを送ろうとしなかったが、9400番のほうから一方的にSMSが入ってくる。乗船券番号をもっと送れというものから何の役にもたたない情報までいろいろで、そんな意味のないSMSが真夜中に入ってきたり、internal server error というメッセージのSMSが来たりしてもその都度2千ルピアが消えて行く。
2007年3月には2週間で6件のSMSがエストゥの携帯電話に入ってきた。そんな状態が2006年11月末から続いており、エストゥの度数が9400番にいったいどれだけ吸い取られていったのか想像がつこうというものだ。エストゥは9400番との縁切りを努力し続けているが、いまだに成功していない。国有会社の名前を使い、景品抽選という餌で釣り、ところが狙いはまったく違うところにあったというのが今回の詐欺の巧みさと言うべきか。


「就職は金を払って行うもの?!」(2007年7月12日)
ボゴール県チビノン警察署は2007年6月10日、チビノンのブダガン部落に住むディディ45歳を詐欺の容疑で連行した。ふだんオートバイオジェッ運転手をしているディディは自分が陸軍特殊部隊コマンドの中佐であると名乗り、デポッ市チマンギスの住人に東ジャワや中部ジャワの州庁で文民公務員として働けると勧誘して総額3億ルピアほどを詐取した疑い。ディディの話に乗って金を渡した被害者は6人で、ディディは被害者の訴えで警察に連行された。
チビノンのプリニルワナ住宅地に住むバサリ39歳はその上を行く詐欺師で、自動車専用道路管理会社PTジャサマルガのアウトソーシング従業員だったかれはジャサマルガで就職できると約束してボゴール・タングラン・ブカシ・ジャカルタの住人数十人からひとり5百万から1千5百万ルピアの金を受け取っていた。バサリは警察に捕まるまでの6ヶ月間その詐欺ビジネスで10億ルピア以上の金を得ていたのではないかと警察では見ている。


「携帯電話度数トランスファー詐欺」(2007年7月13日)
携帯電話オペレータの多くが利用者間で容易に度数残高のやりとりを可能にするSMSサービスを始めたことで、そのシステムを利用してやりとりされる金額を掠め取る詐欺行為が急増している、とアンチウイルス専門家が発言した。PT Vaksinkomのアンチウイルス専門家アルフォンス・タヌジャヤが語るところでは、一部オペレータが始めた新しいメカニズムの度数移転サービスが悪用の容易さから手軽に利益をあさろうとする犯罪者たちを招き寄せている。この犯罪は今年4月ごろから急増しており、その被害者は1千人を超えていると見られている。この犯罪を行っているのはかつてSMS景品詐欺を行っていたレベルの者たちである由。かれらはオペレータが行っている簡便な登録プロセス、決済後のPIN消去、そして間接的に別の犯罪者を通して手に入れた度数を売りさばくといった手口を使い、簡単に金を手に入れている。このクラスの犯罪者はかなり高い技術レベルを持っている。被害額は1ユニットあたり最大で50万ルピアに達する。
詐欺師はオペレータが塞がなければならないSMSサーバーのセキュリティホールを介して捏造した送り手のアイデンティティを連絡してくる。いまや多くのプロバイダーが登録・PIN・待ち時間といったセキュリティ手段を通さず即席で度数が移されるサービスを行っていることが犯罪者の仕事をやりやすくさせている。以前はこのサービスを使うのに24時間の待ち時間が与えられていたため度数移転は比較的安全だった。アルフォンスはそう解説している。


「偽造運転免許証はたったの25万ルピア」(2007年8月6日)
首都警察一般犯罪捜査局暴力犯罪ユニット捜査員が2007年7月25日に南ジャカルタ市クニガン地区のパサルフェスティバルで二人組みの運転免許証偽造犯を逮捕した。偽造者のひとりは中部ジャワ州スコハルジョ出身のストリスノ33歳、もうひとりは北スマトラ州メダン出身のボナル・フタハエアン36歳で、ボナルが偽造免許証購入希望者を探しストリスノが20分で免許証を作っていた。ふたりはその仕事を今年3月から行っており、30枚を販売しただけだと自供している。
購入希望者は3x4センチの顔写真と現金を渡すだけですぐに偽造運転免許証が手に入る。このふたりはA種免許証とC種免許証だけを作っており、A種は25万ルピア、C種は15万ルピアの料金だった。A種免許は自家用四輪車、C種は二輪車用。かれらからC種免許証を買った二輪運転者が7月25日にマンガライ地区で交通事故を起こしたのがこのふたりの逮捕の発端となった。二輪運転者は即警察署に連行され、その自供から偽造犯の所在が明らかになった。しかしこの二輪運転者は結局逮捕されることなく、偽造犯の被害者だという理由で釈放されている。
ストリスノが作った偽造運転免許証はいくつかホンモノと異なる部分があり、まず指紋は本来右親指が使われるべきものであるのに偽造では左親指になっていたこと、ホログラムシールがないこと、そしてホンモノにあるEdi Guard Simcardの文字がニセモノにはないことなど、容易にニセモノと判別がつく出来のものだった。


「時間と責任は反比例」(2007年8月7日)
2007年4月29日付けコンパス紙への投書"Tertipu Paket Detox Therapy"から
拝啓、編集部殿。2006年7月29日、わたしは西ジャカルタ市モールタマンアングレッ内でデトックスセラピーのプロモーションパッケージを50万ルピアで購入しました。デトックスセラピーというのはION Cleans e-plusという器具を使って足の毛穴から体内の毒素を排出する処置を行うもので、そのパッケージで14回分処置を受けることができるというのです。もちろん一回だけというのもありますが14回分のパッケージははるかに割安になっており、販売員もしつこくそちらを勧めました。14回分パッケージはいつでもだれでも使うことができ、また有効期限もありません。わたしはモールタマンアングレッで2回処置を受けましたが、3度目の処置を受けにいったところかれらはもうそこから姿を消していました。それを行っているPT ION Prima Indonesiaの本社はパゲランジャヤカルタ通りにあり電話番号もあったのでそちらに問い合わせてみると、セラピー開業場所がモールタマンアングレッからモールプリインダに移されていたことがわかりました。わたしは今度はプリインダへ行って2回処置を受けましたが、3回目に行ったところまたかれらはいなくなっていたのです。ふたたびジャヤカルタ通りの事務所に電話するとモールプリインダからモールダアンモゴッに移っていたことがわかりましたので、わたしもダアンモゴッまで処置を受けに行きました。そこで2回処置を受け、3回目の処置のためにそこを訪れたところ、二度あることは三度あったのです。ジャヤカルタ通りの事務所に電話して移転先を尋ねると、「デトックスセラピーの営業は取りやめた」という返事が返ってきました。わたしは14回分支払ってまだ6回分しか使っていないので残りの8回分を返金してくれと頼みましたが、かれらは返金を拒否しました。かれらの話ではエージェントのイラワンというひとが詐欺行為を行ったのであり、会社はそのエージェントと一切無関係である、というのです。イラワン氏の携帯電話番号をくれたのでそこへ電話してみると通じましたがすぐに切られ、そのあとは何回電話しても相手は電話を取ろうとしません。SMSを送っても反応はありませんでした。PT ION Prima Indonesiaはそのひとの住所を決して教えてくれませんでした。[ 西ジャカルタ市在住、チェン・ジェッフワ ]


「景品クーポン詐欺が大隆盛」(2007年8月10日)
商店やスーパーで買った商品の中に景品クーポンが入っている。封印された商品の中に特賞大当たりクーポンが入っていれば、消費者は一流メーカーから景品がもらえるものと思い込む。その先は何十年も昔から使い古されてきた手口が続く。クーポンに印刷された電話番号に問い合わせると、そのメーカーを名乗る者に「まず景品税を当方の口座に振り込んでください。」と説得される。さまざまな手口の景品詐欺が時の流れと共に開発されてきたが、この景品クーポン詐欺は大いにヒットしたようだ。警察は既にマカッサル・ジャカルタ・タングランなど各地で複数の詐欺師グループを検挙しているものの、どうやら捕まるグループの数をこの道に入ってくるグループの数が上回っている印象が強い。2007年上半期でこの手の詐欺の届出件数は月平均6千件、被害金額は15億ルピアと見積もられている。
抽選型景品付販売マネージメント会社Missiによれば、その6千件というのはユニレバー・フリージアンフラッグ・サリフサダ・ネスレの四社に関するものだけなので、実際にはそれよりはるかに多い詐欺事件が起こっているにちがいないとのこと。社会省が2006年7月から2007年7月までの間に全国の社会局と本庁に届いた景品クーポン詐欺の届出件数を集計したところ、10万件を超えていた。
2006年の上記4社に関するクーポン詐欺の届出件数は月平均1千5百〜2千件だったので、わずか1年で3倍増というのが実態のようだ。今やこの詐欺は全国津々浦々まで一流メーカーの商品とともに広がっている。届出者の10%が詐欺の被害者になっており、被害金額は平均して一件当たり250万ルピアとのこと。一方一流メーカーが行っている抽選型景品付プロモーションでは景品税を払い込まなければ賞品をわたさないというようなことはしていない、と各社は表明している。
では一体どのようにしてニセモノ特賞大当たりクーポンが一流メーカーのしかも封印されている賞品の中に入ったのだろうか?種明かしは簡単で、詐欺師グループが一流メーカーの賞品を大量に購入したあと封印を開いてニセモノクーポンを中に入れ、再びシールをするだけの話なのである。景品クーポン詐欺の口火を切った洗剤の場合は詐欺師グループがその洗剤をバラで購入し、小分けサチェットにニセモノクーポンと洗剤を詰めてシールするという作業を行っていた。これは既に産業活動に区分しうるものではないだろうか。かれらが用意したニセモノクーポン入り賞品は一般商店やモダンマーケット、住宅街のワルンなどに卸されて商品棚に並ぶことになる。
景品クーポン詐欺の激増に対して商業省は日用生活必需品生産者に対し、景品クーポン詐欺が下火になるまで景品付プロモーションを控えるよう要請することにしている。


「催眠術詐欺が多発」(2007年8月24日)
首都圏で再び催眠術詐欺事件が発生している。グループで行われるのが一般的なこの犯罪では被害者の心理状態がその犯罪防止の鍵を握っているため、警察や心理学者がそのためのティップスを国民に紹介している。犯人は暗示にかかりやすい人間から現金・装身具・携帯電話だけでなく、口座内の残高や家にしまってある貴金属類まで根こそぎ奪っていく。今年5月にはオジェッ運転手が乗客にオートバイを差し出して乗り逃げしてもらうという事件が都内バトゥチェペル(Batu Ceper)通りやガジャマダ(Gajah Mada)プラザで発生した。
最近起こった事件はタングラン県ティガラクサ(Tigaraksa)の主婦リリ41歳に降りかかったもので、路上で乗合いバスを待っていたリリに強いムラユ語訛りで話す男たちが接近し、リリはかれらを自宅まで連れて行って貯金通帳とKTPフォトコピーをかれらに渡そうとしたがKTPフォトコピーがないため、借金した1,680万ルピアの現金とまた20グラムにのぼる黄金装身具をかれらに渡して7千シンガポールドルが入っている封筒を受け取った。4人の男たちは車で去り、リリがいざ7千ドルの入った封筒を開いたところ、封筒の中には千ルピア札が三枚入っているだけだった。
ビンタロ(Bintaro)地区でも同じような犯罪の被害届けがあり、被害者の70代女性は3億ルピアの銀行残高を別の口座に移されてしまった。
神経言語プログラミングと催眠療法専門家ロニー・ロノディルジョは、催眠術を犯罪に利用するのは可能だ、と語る。「犯罪者は油断している被害者の深層意識に入り込む。眠らせたり、身体に触れたりしなくてもよい。話しかけるだけで相手は催眠術にかかってしまう。この種の犯罪から免れていたいなら、公共スペース内にいる場合に『自分は安全だ』という意識をできるだけ持たないようにすることだ。女性には一般的にそのようになる傾向が強いため、『自分は安全』という意識で持ち運んでいる携帯電話や財布が犯罪者のターゲットになりやすい。もうひとつのポイントは、見知らぬ他人に過度に親切で愛想良く振舞わないことだ。社会で一部のひとびとが持っている弱点をかれらは実によく知り尽くしている。ジャワでよく使われる催眠術詐欺の手口は強いムラユ語訛りで話しかけてくることだ。しかしそれはどうであれ、知り合ったばかりの他人にインターナルなことがらを話すのは絶対にやめたほうがよい。そのようにオープンになってしまうと相手は深層意識に入り込んできて影響力を振るおうとする。もしそんなことが起こり始めたらすぐにエクスターナルなことに話題を切り替えるように。何でもいい、目の前に見える具体的な物について話すようにするのだ。」ロニー医師はそうアドバイスしている。
見知らぬ他人でも困っていれば親切に助けてあげるのは疑いもなく世界中のどこへ行こうが美徳である。そこに「人類みな兄弟」という宗教的バイアスがかかり、社会がそれにより高い価値を与えたとき、自分の身内の人間よりも家の外にいる他人により大きな親切や恵みや金銭を与えようとする姿勢が生まれてくる。「他人によい顔をする」という行動を支える要因のひとつがそれだ。
個人主義がほとんど育っていない社会、むしろ個人主義が悪として排斥されている社会で、人間は自立性より依存性を柱に据える。他者と交わることは自己の他者への開放であり、失われあるいは奪われて困るものが何もないときにその開放は完璧となる。そこでは他者の選別が起こらない。だれにでも容易に自分の身上を打ち明けて親しくなるかれらは個人の壁を作らず秘密を持たず、そしてプライバシーを認めない。さらに言えば、家族主義社会の中でしつけられてきた個々人の服従感覚は、ひとたび相手を上長と位置付けたときその者から与えられる命令を待ちそれを遂行しようとする心理姿勢を呼び覚ます。
催眠術詐欺はインドネシアに根付いている文化構造の弱点をたくみに衝いたものであり、それに対する自己防衛はとりもなおさずそれらの文化構造に対する再構築へ向かわざるを得ないだろう。はたしてそれは可能なのだろうか?


「オリジナル音楽ソフト販売が10年間で7割減」(2007年8月27日)
カセットテープ・CD・音楽VCDなどのミュージックソフト販売が10年間で70%も減少している。この現象は不法コピー品の増加とそれが大っぴらにマーケットを侵略していることに起因するものだと業界者は述べている。業界団体の統計記録によれば、それらミュージックソフト販売数量は下のようになっている。
年 / 万個
1996 / 7,755
1999 / 6,446
2001 / 4,403
2006 / 2,373
年間販売数量の75%はカセットテープが占め、それ以外の音楽ソフトは量的に四分の一でしかない。知的財産権を侵害している不法コピーの激しい攻勢によって音楽産業は崩壊に向かって歩を進めているありさまだ。このような状況を承知の上で音楽産業ビジネスに加わろうと投資する者はいない。政府は明らかに違法である無許可コピー製作者に対して法執行を行い、合法的な音楽産業を保護育成しなければならないはずであるというのに、現状は違反者を野放しにして業界が崩壊に向かっているのを放置している。業界者はそのようにコメントしている。
国家警察犯罪捜査庁特殊商工業ユニットは2007年8月16日午前8時、タングラン市プランチス大通りにある倉庫内で操業している不法音楽ソフト製作工場を急襲した。この工場は一日12万枚のコピーを生産する能力を持っており、CD・音楽VCD・映画VCDやDVD・MP4・プレイステーション用などさまざまな不法コピーを作っていた。インドネシアビデオレコーデイング産業協会事務局長は、その工場の海賊版コピー製造販売によって業界は毎月5百万ドルの損失を蒙っていたと語る。それは同時に毎月120億ルピアの付加価値税国庫収入ロスを生じていたということでもある。首都警察特殊犯罪捜査庁もこの8月に都内ジャティブニン(Jatibening)、タマンサリ(Taman Sari)、クブンジュルッ(Kebon Jeruk)、タンボラ(Tambora)、バトゥチェペル(Batu Ceper)などにある6ヶ所の不法コピーCD製作所を相次いで摘発した。警察はそれらの場所から十数台の複写機器、数十万枚のブランクCD、十数枚のマスターCD、コンピュータなどを押収している。それらの場所を警察が知ったのは、乗客の乗っていない不審なタクシーが頻繁に出入りしており毎回重い荷物を運んでいるようだ、との市民の通報から。それらの場所で作られた不法コピーは西ジャカルタ市グロドッ(Glodok)や地方部に送られて販売されていた。


「他人のサインをコピーして使えば偽造ではない??」(2007年9月21日)
2007年9月3日付けコンパス紙への投書"Data dari ABN untuk BII"から
拝啓、編集部殿。2007年6月21日、わたしの家にBank Internasional Indonesia銀行ゴールドクレジットカードが届きました。ところがこれまでわたしは一度もその銀行のクレジットカードを申請したことがありません。わたしはBII銀行がクレジットカード顧客を増やそうとして無責任な仕事をしているのにとても失望しました。申請書に書き込んだこともなければそれを提出したこともなく、ましてやサインを与えたこともないというのに、銀行はあくまでもクレジットカードを発行するのですから。
その日16時にわたしはBII銀行カスタマーサービス電話番号78869811に直接電話してBII銀行がわたしの個人データをどこから入手したのか尋ねました。カスタマーサービス担当者はわたしに電話番号3928282のマーケティング部門にコンタクトするよう言いましたが、その番号へのコンタクトはまったく成果がなく翌日11時まで何度も電話したのにだれも電話を取ろうとしません。しかしBII銀行マーケティングオペレータのHさんがわたしの問題に手を貸してくださったのでとても助かり、わたしの心は癒されました。最終的にBII銀行マーケティングスーパーバイザーのAさんがわたしに連絡してくださり、マーケティング担当者からわたしにコンタクトさせると約束してくれました。Aさん自身もわたしに関するできごとについて会社から警告書を受けており、遺憾の意を表明してくれました。Aさんからの電話のあとしばらくして、名前をアユと名乗るマーケティング担当者からわたしに電話が入り、かの女はわたしの個人データをABNアムロ銀行マーケティング担当のHから入手したと説明しました。かの女の話によれば、ノルマ達成に追われてわたしに事前の了承を得ることなしにクレジットカード申請書にデータを記入したうえ、わたしの住民証明書からサインをコピーしただけだというのです。わたしがサイン偽造だと非難するとかの女は、これはマーケティング担当者がふつうに行っている行為なので偽造とはちがう、と言いました。
オリジナルでないサインのついた申請書に対して本人宛の確認もなくカード発行承認を与えるBII銀行にわたしはとても奇妙な印象を感じています。さらに言えば、申請書に書かれたデータの正確さを本人に確かめようともしないでBII銀行は申請に承認を与えるようなことをしているのです。[ 東ジャカルタ市クラマッジャティ在住、アイシャ ]
2007年9月18日付けコンパス紙に掲載されたBII銀行からの回答
拝啓、編集部殿。9月3日付けコンパス紙へのアイシャさんからの投書に関して説明いたします。当方は2007年8月16日にアイシャさんとの間でこの問題の解決に至りました。また問題を起こしたスタッフには懲罰を与えました。[ BII銀行広報部長、エスティ・ヌグラエニ ]


「モールの犯罪幇助」(2007年9月24・25・26日)
知的財産権保護の法執行に手を焼いている政府は著作権に関する2002年法令第19号の改定法案の中で、海賊版カセット・CD・VCDなどを販売する商人に売り場を提供した者に対する罰則規定を織り込もうとしている。改定法案第72条(3a)項には「違法商品に関連して故意に販売場所や施設を用意することに関わり手を貸した者は最長5年の入獄と最大10億ルピアの罰金を科す」と書かれており、これは現行法令第19号第72条(3)項の「権利なく故意にコンピュータプログラムを商業目的で多重使用した者は最長5年の入獄と最大5億ルピアの罰金を科す」という内容から変化している。
インドネシアレコーデイング産業協会役員は「不法コピーAVソフトの販売をテナントが行うのを許したショッピングセンター運営者に対する罰則が定められれば、業界の損害を抑える効果は必ずあることを確信している」と語っている。同協会によれば国内産業が不法ソフトから蒙っている損害は2004年が11.9兆ルピア、2005年12.9兆、2006年13.3兆と見積もられている。従来から不法コピーは伝統型パサルや道端のカキリマ商人が大っぴらに販売していて容易に購入できるばかりか、最近ではショッピングセンターに入っている店でも取り扱いが増加している。そのために合法的なレコーディングソフト販売は2004年が3,970万枚、2005年3,000万枚、2006年2,300万枚と急落している一方、不法ソフトは2004年3.3億枚、2005年3.6億枚、2006年3.8億枚とうなぎのぼりのありさまだ。
しかしインドネシアショッピングセンター運営者協会会長は、不法ソフト販売の取り締まり責任をショッピングセンター運営者に負わされてもうまくいかない、と語る。「確かにテナントとの間で結ぶ契約書の中にニセモノや不法商品の販売を禁止する条項があるのは確かだが、その違反に対して何かができるというものでもない。店を閉めさせるというような処分を行うのは警察の領分だ。」との弁。
かつてはロワーミドル層がメインの顧客になっている伝統型パサルや道端のカキリマ商人が不法コピーAVソフトのマーケットだったが、ここのところアッパーミドル層が集まるモダンショッピングセンターへの不法コピー品流入が顕著になっている。政府と業界はそんな状況に歯止めをかけようとして、テナントが不法コピー品を販売したショッピングセンター運営者への懲罰を計画している。しかしこの地主責任(landlord liability)はインドネシアでいったいどれだけ有効なのだろうか?
自分の地所建物で商売している商人が違法行為を行ったとき、地主はどのような罰を受けるのだろう。刑法典第56条を見ろと法律家は言う。犯罪の発生に便宜を与えた者に対する処罰が第56条の内容だ。このように法律は存在している。しかしこの条項が適用された判例は寡聞だ。ましてやニセモノや不法コピー品販売容疑者を出した家主地主がその事件に連座した事例はインドネシアで聞いたことがない。著作権・特許・商標・工業デザイン等々のような知的財産権関連法令の中に地主責任条項は見当たらない。だからと言ってそれができないわけでもない。刑法典第56条を適用すればそれが可能になる。
ショッピングセンターの中で不法ソフトやニセモノ販売が行われていたために家主に法的責任が求められた例は外国でいくつも起こっている。2005年にニューヨークのカナルストリートで起こった事件、2006年に北京でSilk Road Marketの地所オーナーがニセモノのルイビトン・プラダ・グッチ・シャネルなどの販売責任を問われた事件やニセモノヘネシー・シーバス・マーテル・レミマルタン販売に関連して地所オーナーが懲役1年罰金4万元の判決を受けた事件、そして2007年にもロサンジェルスでショッピングセンターオーナーが罪を問われている。こうしていまや、ベトナム・マレーシア・フィリピン・韓国・台湾などでもテストケース的に知的財産権侵害商人を置いていた地主家主に対する裁判が進められているのだ。インドネシアでも早晩テストケースが起こることは避けられないだろう。しかしそこでは、自分の管理する建物が知的財産権侵害商品の販売に利用されていることをショッピングセンター運営者が認識していたという事実を立証しなければならないのである。
知的財産権侵害商品販売に地主責任を適用しようというアイデアに対してその矢面に立たされることになるショッピングセンター運営者の反応はどうだろうか。インドネシアショッピングセンター運営者協会会長は「自分で販売してもいない違反商品の責任を建物管理者にどうやって取らせようというのか?販売者を捕らえて罰するだけでは済まないのか?インドネシアではランドロードという言葉の理解が外国とは違っている。ランドロードという言葉をかぶせようとしている相手は地所のオーナーなのか、それともショッピングセンター運営者なのか?インドネシアでショッピングセンターと呼ばれているものは二つに分類される。ひとつはプラザインドネシア・スナヤンシティ・ポンドッキンダモール(Pondok Indah Mall)などのようなスペース賃貸型で、もうひとつはITCのようなストラタタイトル方式スペース売却型だ。賃貸型のショッピングセンター運営者は建物オーナーの場合もあれば管理運営を委託された法人の場合もある。ところがスペース売却型ショッピングセンターの建物オーナーは売り場を購入した各店主だ。その建物管理者というのは各店主が集まって作った組織が金を払って建物全体の管理をさせている相手だ。今回のような法制化のアイデアが起こったときに、政府は対象となる事業者団体をどうして最初からその検討の輪の中に巻き込もうとしないのか。」と述べている。
ショッピングセンター運営者に地主責任の名目でテナントの知的財産権侵害行為を抑止させようというのは真の解決にはならない、と会長は見ている。侵害行為を行っている商人たち自身に懲り懲りだと思わせるような対応を取らなければ効果はない。今回のアイデアでは逆に摘発された違法商人の事件にショッピングセンター運営者を連座させるだけのことにしかならず、それでは新たな問題の発生に向かうばかりだ。
ところが人権法務省知的財産権総局は既にジャボデタベッ地区のショッピングセンターや商業ビルならびにオフィスビルに対して警告書を発送したという。その内容は、不法ソフトやVCD・CD・DVDなどの販売者に決してファシリティを用意しないようにという要請の形を取っている。「この方針はまずジャボデタベッ地区を手始めとして、その次に全国へと展開される計画だ。それらの建物運営者が知的財産権侵害に手を貸したという告発を突きつけられないために、この警告はきわめて重要だ。」総局長はそうコメントしている。当局側のこの対応は従来の違反取締りの経験から見てきわめて効果的であるとの確信に立脚したものであるらしい。著作権に関する2002年法令第19号の改定法案を準備する中で人権法務省は地主責任条項の挿入を強く主張した。向精神薬取締りに関する法令の中で犯罪行為に手を貸した者への刑事責任を問う姿勢が打ち出されていることに倣ったのがこのアイデアだと言う。
「これまで建物管理運営者には何度も繰り返して知的財産権侵害商人に施設を利用させてはならないとの警告を与えてきたが、盛んになる一方の侵害商品販売にかれらは一度も頭を悩ましたことがない。地主責任条項が適用できる法的根拠は刑法典第56条に存在しており、総局は警察とこの問題について議論を重ねてきた。しかしながら警察側のアクションはまだ取られていない。だからその方針を推し進めるために著作権法改定案の中にその条項を盛り込んだのだ。ショッピングセンターは最前面に置かれたショーケースである。そこに違反商品が並べられているのはインドネシアのイメージを本質以上に損なうことになる。この新機軸を盛り込んだ著作権法改定案はいままだ社会告知段階であり、最終的には国会でそれが通るかどうかが決まる。」知的財産権総局著作権局長はそう説明している。


「他人の言いなりになりやすいひと」(2007年9月24日)
2007年8月28日付けコンパス紙への投書"Agen Kartu Kredit Bukopin"から
拝啓、編集部殿。2007年7月3日、わたし宛にPT Asia Duta Promosindoのデアという女性からブコピン銀行クレジットカード売り込みの電話が入りました。これは新規取扱い開始ということなので、初年度掛け金無料やトランスファーバランス6ヶ月間0%といったおいしそうな条件がついています。自分の会社はブコピン銀行の代理店でさまざまなバウチャーも販売しているとかの女は言いました。それでわたしはプルサダスイミングプールの観光バウチャー1枚、タンドリレストランのバウチャー2枚、ガヤスパのバウチャーなどそれぞれ5万ルピアのものを買いました。さらにガルーダ航空以外のジャカルタ〜ジョクジャあるいはジャカルタ〜スラバヤあるいはジャカルタ〜パレンバンの片道切符オーダー保証書ももらいました。わたしはその合計が198万5千ルピアよりももっと高いだろうと思いました。
このセールス女性の話し方は礼儀正しく確信に満ちていて、どうしたことかわたしはその言いなりになって売り込みに諾々と従ってしまったのです。翌日わたしの住民証明書とシティバンククレジットカードのフォトコピーを取りにPT Asia Duta Promosindoの外回り担当者がやってきて、わたしのクレジットカードをすぐに機械に通して198万5千ルピアを引き落としました。そのときもわたしはまたまた言われるがままにサインをしましたが、決済証憑のコピーはもらえませんでした。その担当者が帰ったあと、わたしはハッとわれに帰ってとても後悔しました。わたしはすぐにPT Asia Duta Promosindoに電話してキャンセルしたいと告げましたが、電話に出たララさんとデアさんはわたしがもうサインをしたので取り消しはできないと言い、支払いはすぐにブコピン銀行クレジットカードに引き継がれてバウチャー有効期限の5年間毎月3万3千ルピアの引き落としが行われるだけだから心配しないで落ち着くようにとわたしを説得するのです。
その日の午後になって、シティバンク決済分析部門のひと(名前を忘れました)からその決済について確認する電話がありました。わたしはひょっとしたらその決済をキャンセルできるかもしれないとの希望を一瞬感じましたが、でもそれはやはり無理だったのです。決済を取り消せるのはPT Asia Duta Promosindo側だけなのだそうです。だったらシティバンクの分析員がわたしに確認をしにきて何の役に立つというのでしょうか?最終的にシティバンクの請求書が届き、その決済が記されていました。一方ブコピン銀行のクレジットカードはいつまでたっても届きません。わたしにはこれらのバウチャーなんか必要ないのです。[ ボゴール県チビノン在住、エピン・ウィナタ ]
2007年9月21日付けコンパス紙に掲載されたシティバンクからの回答
拝啓、編集部殿。2007年8月28日付けコンパス紙に掲載されたエピン・ウィナタさんの投書に応えて説明申し上げます。当方は既にエピン・ウィナタさんに連絡を取って事情の説明をいたしました。エピンさんが抗議されたPT Asia Duta Promosindoへの支払いは2007年9月10日にエピンさんの口座に戻されました。エピンさんは当方の説明を了承され、問題は落着しました。[ シティバンクカスタマーケアセンター長、ホッマン・シンボロン ]


「偽作絵画販売者に無罪判決」(2007年11月6日)
バリの著名な画家ニョマン・グナルサが告訴した偽作事件の判決公判が10月30日にデンパサル地方裁判所で開かれた。原告側によれば、被告人ヘンドラディナタ通称シニョは2000年1月10日にニョマン・グナルサの作品でないものをかれの作品として販売しようとしたとのこと。シニョは販売を目的にしてバリの踊り子や宗教祭事を描いたさまざまなサイズの水彩画や油絵をニョマン・グナルサの作品として展示したため、原告側は著作権を侵害されたとしてシニョを告訴した。
しかし地裁判事団はその告訴に対して、原告人が贋作であるとしたそれらの作品に原告人のオリジナルが存在しないために原告人には著作権訴訟を起こす権利がないこと、さらに被告人がそれらの作品を入手したのは第三者からであること、作品上の署名はだれがどう見てもニョマン・グナルサのものとは似ても似つかないことなどの理由をあげ、原告側の告訴は妥当でなく被告人の行為はせいぜい刑法典第380条のニセモノ販売の禁止に抵触した程度であるとして原告側の訴えをしりぞけ、被告人に無罪の判決を下した。
「著作権に関する法確定の軟弱さを露呈した判決であり、インドネシア国民にとっての悲劇である。」とニョマン・グナルサは不満を全身に漂わせながらその判決にコメントしている。また検察チームコーディネータはその判決が適正さに欠けるものであるとして最高裁に対し原判決破棄の訴えを起こす予定だと語っている。


「医薬品もニセモノが横行」(2007年11月7日)
医薬品のニセモノが市場で増加している。正式ライセンスを持った薬局や薬屋ではない場所で販売されている医薬品は既に50〜80%が偽薬であり消費者の健康を害するおそれが高い、と業界者が警告した。それらの場所で販売されている医薬品の20%はニセモノでないが、たとえホンモノであるとは言ってもオーストラリアやニュージーランドから並行輸入された違法輸入品であるとのこと。並行輸入はインドネシアで認められておらず、ブランド保有独占代理店を政府が認定してそれ以外の者がそのブランドの商品を第三国から輸入することを禁じている。しかし自動車のように物理的に大きな物は別にしてほとんどの品物で並行輸入が行われているのが実態であり、おまけにそれら非合法品は毒食わば皿までとばかり輸入税すら納めないというおまけまで付くため国内生産者の市場政策を大きく揺さぶるタネとなっている。
バイアグラを発売したファイザーはそのニセモノを世界69ヶ国の市場で発見しており、同社の調査結果によれば年々ニセモノの量が増加していることからニセモノ生産者は大もうけをしているようだとのコメントを出している。インドネシアでもPTファイザーインドネシアが国内販売を開始したその年にもう並行輸入品が国内市場に跋扈するようになった由。世界中でニセモノ医薬品が増加の一途をたどっている中で、インドネシアの消費者は少なくとも正式ライセンスを持つ薬局や薬屋で医薬品を買うようにし、そうでない道端商人や屋台あるいはパサルの売店などで価格が安いことに目をくらまされて買うようなことのないようにと業界者は警告しているものの、しかしながらニセモノ販売者の中には値段が安い商人に疑いを向ける消費者への対策として実際に超廉価のニセモノをホンモノの市場価格で販売する手法を使う者もいるため、正式ライセンスを持つ薬局・薬店が鍵になる、と述べている。


「銀行で受け取った現金の真贋鑑定はすぐにその場で」(2007年12月19日)
2007年10月19日付けコンパス紙への投書"Uang Palsu dari BCA"から
拝啓、編集部殿。2007年10月3日、わたしはタングランのBCAチココル店で現金4千万ルピアを引き出しました。金種は5万と10万ルピアです。現金を手にしたわたしはその足でそのお金を入金するためにマンディリ銀行を訪れました。ところが驚いたことにマンディリ銀行は5万ルピア紙幣の1枚が贋札であることを発見したのです。
わたしはその1枚を持ってすぐにBCA銀行に戻り、それを真札と交換するよう求めました。ところが銀行側が言うには、わたしが一度銀行を出たので銀行側は責任が持てないとのことでした。期待する返事がもらえず良好な解決案も示されないのでわたしはハローBCAに電話してみましたが、そのお金を引き出した店に行ってください、というアドバイスしかもらえません。
BCA銀行は持ち込まれたお金を詳しく調べているのでしょうか?それとも贋札を故意に混じりこませようというような要素が混じっている可能性はないのでしょうか?長い間BCA銀行の顧客だったわたしは、この銀行には問題がないと信じていました。しかし今度ばかりは贋札の被害者となり、そしてBCA銀行によって損害を受けたのです。[ タングラン在住、スシアナ ]
2007年11月15日付けコンパス紙に掲載されたBCA銀行からの回答
拝啓、編集部殿。2007年10月19日付けコンパス紙に掲載されたスシアナさんからの投書に関してお伝えします。タングランのチココル店が10月3日直接苦情しに来店されたスシアナさんに説明し、また10月19日にも当方がスシアナさんを訪問して説明申し上げたように、BCA銀行は顧客から受け取った現金をチェックしまた顧客に渡す前にもチェックしています。
BCA銀行は現金を受け取った顧客に対し、カウンターを離れる前に枚数をチェックするとともにそのお金の現品についてもチェックする機会を与えています。スシアナさんが蒙った不快な出来事に対し、遺憾の意を表明いたします。[ BCA銀行企業秘書広報マネージャー、ドゥイ・ナリニ ]