インドネシア詐欺ニセモノ情報2008〜12年


「医療機関の詐欺行為」(2008年2月6日)
医療機関が行なっている不正不良行為が国内に蔓延している。一般国民の医療に関する知識の低さと患者として医療機関を訪れる際の弱い立場が医療機関側に不正不良行為を行なう絶好の機会を提供しているようだ。その対応として政府保健省はアンティフロードプログラムを2007年12月に提唱した。政府のこのプログラムは短期的に、7,640万貧困者に与えている医療扶助予算が医療機関の虚偽請求で過剰に膨らまないようにすることを主目的にしたものだが、それは同時に一般国民が負担している保健医療費用が悪徳医療機関によって膨らまされるのを防止することにもつながる。
医療フロードは、医療機関が棚ぼた大王(aji mumpung)を信奉するあまり目の前に現れた搾り取れる人間から金を搾ろうとする欲求と、自分の医療機関で行なわれた保健医療処置は絶対間違いのない完全無謬のものであるというエゴセントリック精神に由来している。頻繁に行なわれている医療フロードは患者の病状を診断するためにありとあらゆるテストを実施するというもので、それによって最新鋭医療機器や設備の投資回収を促進させようというビジネスマインドに満ちたものがその動機になっている。あるいはまた、学術的に効用が確認されていない医薬品投与や医療処置を実施するケース、さらには一連の処置として費用がパッケージ請求されるのが普通のものを個々に分解してそれぞれにタリフを設定し、合算するとパッケージより高い料金にするようなケース、保険請求コードをごまかすケース、料金水増し請求、架空処置を請求書に書き込むケースなど不正手段は数限りない。中でも目に付くのは、病院側が設定しているサービスとその料金内容が請求書に記載されているものと一致していないという現象だ。
医療保険業界はこのプログラムに関連して三つの病院を調査した結果、概論的に不正不良行為の摘発はきわめて困難であると表明している。医療機関側で作成した各患者への処置に関する書類の文字がきわめて読みづらかったり記載内容が不十分だったりするのがひとつの問題であり、もうひとつは医師と患者間の上下支配関係が強いために患者の大半が内容を知ることなく医師の処置にただ身をゆだねているだけという要素も別の問題を形成している。


「口座保有者の入金記録を好き勝手に変える銀行」(2008年2月20日)
2007年11月5日付けコンパス紙への投書"Dirugikan Mesin Setoran Tunai BCA"から
拝啓、編集部殿。わたしはBCAクラパガディンビラ店にBCAタハパンゴールド口座を持っています。BCAブルバルティムール店のキャッシュ入金用ATMでわたしはたいへん不快な体験をしました。
2007年9月17日午前11時28分、わたしは5万ルピア紙幣32枚、160万ルピア相当を自分の口座に入金しましたが、機械は31枚しか認識しませんでした。わたしはそれでもかまわなかったので、155万ルピアの入金でOKとし、入金証憑のプリントアウトを取りました。夕方になってわたしはまたキャッシュ入金のためBCAクラパガディン店を訪れて250万ルピアを自分の口座に入れました。翌日わたしは貯金通帳を持ってBCAクラパガディン店を訪れ、記帳してもらいました。通帳には確かに155万ルピアと250万ルピアの入金が記載されました。
ところが2007年10月5日に通帳記帳を行なった際、わたしの口座から155万ルピアがわたしへの通知もなく10月3日に引き落とされているのを知って驚きました。入金を行なってから17日も過ぎてこのようなことが起こるのです。わたしがBCA店のカスタマーサービスに訳を尋ねると、ハローBCAに電話してくれと言われました。
10月5日にはイラさん、10月10日にはナディンさん、10月19日にはドナさん、とそれぞれ異なるハローBCA担当者はみんな同じことを言います。わたしの届出は必ず処理され、分析部門が手紙で返事を出しますから、と。最終的にわたしは10月10日付けのBCAからの手紙を受け取りました。それによれば、わたしがその日行なったキャッシュ入金用ATM機による決済は不成立だったというのです。そのATM機はわたしの金を呑み込み、決済成立という証憑まで出しておきながら、BCA銀行はそれが不成立だっと言うのですから、こんなに物凄い話はありません。これはBCA銀行のキャッシュ入金用ATMを担当している不良職員がわたしの金をくすねて銀行には決済不成立という報告を出しているということなのでしょうか?入金を行なってから17日も経過して銀行はやっとその決済が不成立だったという結論を出したようですが、それは時間が経ちすぎていませんか?実に奇妙ですよね。BCA銀行の責任はどうなるのでしょうか。顧客の言うことは聞かずにATM機だけを信用するとでも言うのでしょうか?
BCA銀行キャッシュ入金用ATMを利用する人は警戒しなければなりません。ATM機が打ち出してくる証憑も、通帳にプリントアウトされた記録も、決済成立を表明するものがふたつもあったとしても、それは何の保証にもならないのですから。[ ジャカルタ在住、スリ・レズキ ]
2007年12月12日付けコンパス紙に掲載されたBCA銀行からの回答
拝啓、編集部殿。2007年11月5日付けコンパス紙に掲載されたスリ・レズキさんからの投書に関して、まず問題は既に解決したことをお知らせします。スリ・レズキさんが問題にされた金額はご本人の口座に11月26日、再入金されました。[ BCA銀行企業秘書広報マネージャー、ドゥイ・ナリニ ]


「クレジットカードデータ720万件が盗まれる」(2008年3月11〜13・17・20日)
中央ジャカルタ市のアパルトメン・プリクマヨランで2008年1月24日に捕物があった。シャブパーティが行われているアパートに踏み込んだ麻薬警察は、そのユニットで57グラムのシャブと偽造クレジットカード20枚を押収した。そこで逮捕された麻薬シンジケートの中枢にいると見られるエルウィン52歳のクラパガディンの自宅を家宅捜索した警察は、期待に反してその家で麻薬でなくブランククレジットカード20枚とクレジットカード番号などの個人データを記したメモを発見した。さらに1月30日、警察がエルウィンの関係するデポッ市の家屋に踏み込んだところ、またしても期待に反して麻薬は見つからなかったが、偽造クレジットカードを製作するためのたくさんの機器類とトランク3個にぎっしり詰まった31銀行のブランククレジットカードおよそ7千枚が発見された。こうして麻薬とクレジットカード偽造の二股をかけているシンジケート構成員としてエルウィンの取調べが進められ、警察のこの捜査で容疑者14人が逮捕されたもののこの組織の上層部にいるマレーシア人4人は行方をくらましており、かれらを含む10人を警察は指名手配して追跡している。そのマレーシア人のひとりシモンは偽造クレジットカード用のホログラムを供給し、またインドネシア国内で販売するためにエクスタシーをも供給していた。このシンジケートは消費者のクレジットカードデータを盗み、そのデータを使って製作した偽造カードを一味の者が使ったりまた第三者に販売していた。
この一味が使っていたデータを盗む方法は三つあり、まずトラディショナルな方法としては、商店の店員を抱きこんで消費者のカードを店の読取り機に通す前に別の機械に通させてデータを採取するということをさせていた。スキミングディバイスと呼ばれるデータを盗むための小型の機器に通すと、カードのマグネットテープに収められているデータが読取られて保存される。この方法はカードオーナーが店員を監視していれば被害は受けにくいため、不良店員は店が混んでいてキャッシャーに長い行列ができているときや閉店前の時間にそれを行ってカードオーナーの目をくらましていた。特に新規開店した店は一味にとって狙い目だったようだ。この方法だと犯罪者側に条件のよいカードを選択することができ、不良店員はプラチナカードをお気に入りにしていたらしい。このデータ窃取で不良店員は1件当たり30万ルピアを一味から手に入れていたとのこと。
二つ目の方法はカード読取り機(Electronic Data Capture)サービス業者の不良従業員を抱きこむ方法で、多くの商店がEDCのサービスを注文すると不良従業員はサービス作業のさ中に誰にも言わずにチップをEDCに仕込み、しばらく時間を置いてからサービスしたEDCの調子を調査するために商店を訪れてそのチップを回収する。三つ目の方法は商店で消費者のカードが読取り機に通されたときにそこでオンライン転送されるデータを盗聴して採取するという方法で、この手口は2005〜2006年にマレーシアで盛んに行われた。警察が押収した証拠品からは720万件のクレジットカードデータが不法に集められていたことが判明している。このように大量のデータが窃取されたのは上の第三の手口によるものがメインを占めていたのが明らかで、警察は盗聴ポイントがどこに置かれているのかについて捜査を強めている。逮捕された14人の容疑者の中には、ハイパーコムブランドEDC機器サービス会社の元従業員や、クレジットカードのデータ交換ネットワーク運営会社に勤務していた従業員などが含まれており、このシンジケートがデータ窃取を目的にかれらをリクルートしたことをうかがわせいる。警察は一味が盗聴ポイントをネットワーク運営会社内に置いている可能性も考慮に入れて捜査を行っている。
この一味の組織の中でトップの位置にいたのはマレーシア人のシモンで、シモンの直属の部下であるエルウィンが偽造カード製作グループとカードデータ窃取グループおよびデータ購入グループの間に立ち、作られた偽造カードの販売や使用を行なうグループにカードを卸すという組織活動の中心となっていた。
マレーシア人を頭目とするクレジットカード偽造と麻薬の二股をかけた犯罪シンジケートが摘発され、そのシンジケートによって720万件ものクレジットカードデータが窃取されていたことが判明したこの事件はクレジットカード業界や金融機関に晴天の霹靂をもたらした。データが窃取されたカードは国内18銀行2ノンバンクの20カード発行者にわたっており、各銀行はさまざまな反応を示している。折りしも、EMV規準によるクレジットカードのマグネットストライプ方式からチップタイプへの転換が進められている中で起こった今回の事件は、その転換に要する費用がすべてカード発行者の負担になることから国内発行者の中にはその遂行に熱の入らないところも少なくなく、やきもきしていたインドネシア銀行がその転換推進に檄を飛ばす格好の追い風を提供することにもなった。国内クレジットカード発行総数920万枚のうちで転換が既に行われたのはまだ50%にすぎない。
ところで警察がクレジットカード業界に明らかにした情報によれば、720万件の窃取データのうちで国内発行カードのデータは200万件程度であるらしく、これはつまりインドネシアへ来てクレジットカードを使った外国人のデータが520万件も盗まれたという意味に理解される。これでは、インドネシアは将来国際的にクレジットカード封印国にされかねない。
銀行界の中にはこの事件を重く見て緊急対応措置を決めたところもいくつかある。BNI銀行は3万枚のクレジットカードをブロックして顧客にカードの再発行をすることにしており、GEマネーも3万枚のカードに同じような対応措置を施すことを決めた。マンディリ銀行は67枚のカードが偽造詐欺被害を受けたと表明しており、被害総額は13億ルピアにのぼっているとのこと。しかしBRI銀行は、2万5千件のデータがそのシンジケートに盗まれたようだとしながらも、その事実を確定させるための調査を継続実施しており、今のところはまだカードの凍結や再発行などの措置を取る決定を下していない。
不審なクレジットカード使用をリアルタイムで捕捉し、カード発行者とカードオーナーが協力して対処していくものは別にして、クレジットカード請求書の中に身に覚えのない買物があるという否認の訴えは全国で日常茶飯事的に起こっており、そのようなものと今回の事件とを結びつけることは銀行界やカード発行者にとってきわめて困難だと言える。一方ではたいへんなことが発生しているという認識を当事者業界は持つにちがいないが、他方ではそれと日常業務との関連というミクロのフィールドにカード発行者を含めてノンキャッシュセキュリティ機構がどこまで切り込んで行くことができるのか、その対処方法いかんではインドネシアはこの先もカードフロードシンジケートにとっておいしい市場であり続けるだろう。
100万枚以上のクレジットカードを発行している大手銀行関係者が、ここ数週間にクレジットカードオーナーからの請求否認が増加しており、かれらが否認しているカード利用取引の大半が国外で行われたものであることを明らかにしている。カード発行者はそれらの否認取引の内容調査を進めており、カードオーナーに対してはその調査が完了するまでの60日間は支払猶予が与えられる、と通知している。
クレジットカードの2大プリンシパルであるビザインターナショナルとマスターカードはデータが窃取されたカードの内容を取りまとめて各カード発行銀行に通知し、対策を講じるよう促している。それに応じて諸銀行は対象カードをブロックし、カードオーナーに対して再発行を進めているものの、EMV準拠カードへの即切り替えはまだ難しいようでマグネチック方式カードの再発行が多く見られることから根本解決にならないとの批判が上がっている。150万枚のカードを発行しているBCA銀行は今回の事件に少しの動揺も見せておらず、同行役員によればEMV準拠カードへの切り替えが進んでいるので何もする必要がない、との談。
先に警察が公表した犯罪シンジケートの三つのデータ窃取方法の中で、720万件という大量のデータが窃取されたのは商店で消費者のカードが読取り機に通されたときにそこでオンライン転送されるデータを盗聴して採取するという方法による可能性が高いと言われている一方、データ交換ネットワーク運営会社PT Aplikanusa Lintasartaは、その可能性はきわめて小さいと反論している。最近のデータ通信における暗号化技術はたいへん高度になっており、50ビットから64ビットに至る暗号化テクノロジーのおかげで膨大な量の乱数に置き換えられ、一秒ごとにそのコードが変更されるために人間がそれを解読するのは不可能であるためだ、と同社ジェネラルマネージャーは説明している。「データ窃取が行われる可能性がもっとも高いのは、カード発行者が新しいカードを製作してそれをカードオーナーに配布する局面ではないか?」
国家IT評議会メンバーのひとりは、インドネシアが偽造クレジットカードシンジケートにとっておいしい市場になっている、と語る。「インドネシアには電子取引に関する法律がまだなく、そのため諸外国からは国際クレジットカード偽造シンジケートカルテルの一部だとインドネシアが見なされている。電子取引に法的規制がかけられなければ、この国はたいへん危険な状況になる。」その電子取引に関する法令は国会審議の過程にあるものの、いまだに審議が終了しておらず成立時期の目途もまだたっていない。
マレーシアに本拠を置くクレジットカード偽造と麻薬の二股をかけた犯罪シンジケートがインドネシアで摘発され、そのシンジケートによって720万件ものクレジットカードデータが窃取されていたことが判明した今回の事件では、ビザとマスターカードの二大クレジットカードプリンシパルも力の入った対応を展開している。マスターカードワールドワイドはアジアパシフィックのマスターカード保有者に対して、マスターカードゼロライアビリティポリシーの条件を満たす顧客は身に覚えのない請求からプロテクトされるので心配いらないとの声明を出した。マスターカード側は今回の事件に関連して既に発生した偽造カードの不正使用事件を各国の治安部門と協力して進めており、またカード発行者に対しても偽造カードが作られるおそれのあるものに関して警告を発しているとのことで、当面状況の推移を密接にモニターしていく方針であることを明らかにしている。
犯罪シンジケートがデータを窃取したインドネシア発行カードは220万枚あり、カード保有者の中で偽造されるのが心配な保有者はカード発行者に対応を求めるように、とマスターカード側は奨めている。マスターカードが行っているゼロライアビリティポリシーというのは、慎重にカードを取り扱う保有者に対するフロードプロテクションで、カードの紛失・盗難・不正使用などの事件が起こったときに即座に発行者に報告し、過去12ヶ月以内に2件以上の事件を届け出ておらず、また返済滞納がないことがその条件とされている。


「入金するとだれかがすぐに引き出していく」(2008年4月24日)
2007年12月31日付けコンパス紙への投書"Tabungan Dikuras untuk Pulsa"から
拝啓、編集部殿。わたしはもう長い間、リッポ銀行東ジャカルタ市ジャティヌガラ支店に口座を持っています。2007年10月22日、わたしは4百万ルピアを入金し、PIN番号も新しいものに変えました。2007年11月9日、リッポ保険から郵便でわたしの子供のための保険料支払20万ルピアが残高不足で行えないとの連絡が来たのです。そんな馬鹿な話はありません。だってわたしは10月22日に入金して以来、1ルピアも引き出していないのですから。
わたしは通帳にプリントするためリッポ銀行ジャティヌガラ支店を訪れました。するとどうでしょう、10月22日から31日までの間に毎回50万ルピアが7回も引き出されており、そして25日は46万4千ルピアが出ているので残高は6万8千ルピアしかありません。リッポ銀行は、そのお金を引き出したのは携帯電話番号081311078228の所有者で、携帯電話の度数買い足しに使ったと言うのですが、わたしにその電話番号はまったく思い当たりません。
わたしは南ジャカルタ市ガトッスブロト通りのテルコムセルにその電話番号所有者の名前と住所を明らかにするよう依頼しましたが、テルコムセル側は警察に届け出るようにとわたしに言うのです。結局わたしは11月12日に東ジャカルタ警察署にこの事件を届け出ました。
わたしは何度もリッポ銀行ジャティヌガラ支店を訪れたり電話したりして、この事件の責任を取るよう求めていますが、銀行側は犯人がわたしの金を引き出したATMの調査をするからという約束しかしてくれません。この問題はいまだに解決していないのです。[ ジャカルタ在住、スリ・ハルティニ ]
2008年1月24日付けコンパス紙に掲載されたリッポ銀行からの回答
拝啓、編集部殿。2007年12月31日付けコンパス紙に掲載されたスリ・ハルティニさんの投書に関してお伝えします。当方が行った調査の結果、その携帯電話度数購入の際に口座オーナーのATMカードとPIN番号が使われたことが証明されました。当方はその結果をスリ・ハルティニさんにお伝えし、ご本人は当方の説明を了承してくださいました。ご不便をかけましたことをお詫び申し上げます。[ リッポ銀行コーポレートオフィス副社長、ムティアラ・ムリア ]


「塀の中から一般市民を詐欺にかける」(2008年5月15日)
2008年1月9日付けコンパス紙への投書"Penipuan Dikendalikan dari Dalam LP Cipinang"から
拝啓、編集部殿。わたしの夫は南ジャカルタ市トゥベッ(Tebet)地区でレストランを営んでいます。そして東ジャカルタ市チピナン(Cipinang)刑務所の囚人と看守がぐるになって行った詐欺に引っかかったのです。最初、映画界の有名な実業家の名前で飲み物と料理を注文する電話が来たのですが、それは実は囚人からのものでした。電話の主が言うには、その飲み物と料理は甥の誕生日のためのもので、映画撮影クルーのためにも用意するのだと言って大量のオーダーがなされました。
注文主であるGPさんの運転手だと言ってガトッという名前のひとが飲み物と料理を取りにきました。ところがそのひとは本当はチピナン刑務所の看守だったのです。店がGPさん宛てに請求書を送ったところ、本物GPさんはそんな注文をしておらず、注文したGPさんはニセモノだったことが判明しました。この詐欺の被害を受けたのはわたしの夫だけでなく、家具・家電品・ハイパーマーケットから5星級ホテルまで広範にわたっています。
受けた電話の発信人を調べたところ、電話はすべて東ジャカルタ市チピナン刑務所内からなされたものであることが判明しました。ニセモノGPは、注文した飲み物と料理の合計金額1,280万ルピアの支払をアレンジしているところだから、警察に届けないでくれ、と電話で言うのです。獄舎の中にいる囚人がいったいどうして詐欺を行えるのか、不思議でなりません。そのようなことを可能にするファシリティがなければ、それは不可能なことではないでしょうか。つまり刑務所の外にいる人間に働きかけるための携帯電話、そして被害者から品物を手に入れてくるクーリエ。今回の事件では、クーリエは刑務所の看守が勤めたわけです。更にかれらが詐取した飲食物・家具・家電品などはいったい誰の手に渡ったのでしょうか?わたしどもにはまるで想像もつきません。これはいったいどういうゲームなのでしょう。この事件については、刑務所長も副刑務所長も報告を受けており、了承しているのです。[ ジャカルタ在住、ディラ ]


「贋ウイスキー造りが逮捕される」(2008年5月17日)
ボゴール県ババカンマダン郡のグリヤアラムスントゥル住宅地内にある一軒の家屋を2008年5月12日夕刻ババカンマダン署の警官隊が急襲し、中でニセモノアルコール飲料の製造作業に没頭していたスギマン42歳を逮捕し、多くの証拠品を押収した。警察が押収したのは、ダンボール11箱に入っていたウイスキーとウオッカの瓶詰め528本、空き瓶1千5百本、マンションハウスのラベルが付いた瓶のふた5千個(マンションハウスというのはインドネシア産アルコール飲料のブランド名)。更に灯油缶10本に入ったアルコール2百リッターおよび小瓶に入ったキャラメルの香りをつける元になる液体。アルコールと水およびその香りの元になる液体を巧みに混ぜ合わせることで贋造ウイスキーやウオッカが製造されていた。
KTP(住民証明書)によれば北ジャカルタ市プンジャリガンを住所とするスギマンはその家を2008年2月に年間550万ルピアで借り、ニセモノアルコール飲料の生産に励んでいた。スギマンが借りた家の両側は空家で、スギマンがその借家で行っている作業に不審を抱いた隣人のタレこみでババカンマダン署の警官隊がその家に踏み込んだ結果がそのお手柄だった。
スギマンはかつて西ジャカルタ市スレンセンの民家で贋造アルコール飲料の製造に携わり、そのとき習得した調合技術を駆使してババカンマダンの借家でニセモノを造っていた。スギマンが勤めていたスレンセンのその民家は2007年末に警察の手入れを受けて事業が崩壊したものの、ニセモノ製造に携わっていた作業者たちの中に逮捕を免れて逃亡するのに成功した者が数人おり、かれらは東部ジャワや中部ジャワに逃れて自営で贋造酒の製造を始めた。スギマンは故郷がクブメンだったが帰郷せずにボゴール県で再起を図った。それはその地域にあるワルンの多くがアルコール飲料の需要を少なからず持っていたためだ、とスギマンは語っている。


「クレジットカードを閉めるのは至難の業」(2008年5月21日)
2008年1月31日付けコンパス紙への投書"Kartu ABN AMRO Sulit Ditutup"から
拝啓、編集部殿。わたしはABN AMRO銀行のゴールドクレジットカード所有者ですが、この銀行のサービスにはとても失望しました。2007年12月21日、わたしはBCA銀行ATMから6,984,000ルピアの支払を行い、12月26日にABN AMRO銀行コールセンターに電話してわたしの支払が入金されているかどうか、わたしへの未払い請求は残っていないかどうか、を確認してもらいました。そのときオペレータは、わたしの支払は入金されており請求残高はゼロになっている、と言いました。それでわたしはそのときこのクレジットカードをクローズするよう依頼したところ、相手は2008年1月2日に確認のために電話するようわたしに言いました。1月3日にわたしがコールセンターに電話すると、わたしの債務が38万ルピアあるとオペレータは言うのです。わたしは、未払い請求はもう残っていないはずだと言って電話を切りました。すると1月4日にABN AMRO銀行からわたしに電話があり、クレジットカードのアニュアルフィー30万ルピアと現金引き出しチャージの8万ルピア合計38万ルピアが未払いになっている、と連絡してきました。でもわたしが現金引き出しを行ったのはほぼ1年前のことなのです。銀行担当者は更に続けて、金額はいくらでもいいからひと月に3回以上カードを使えばわたしのクレジットカードはクローズできる、と言いました。ABN AMRO銀行は顧客をこのように処遇し、こんな風にしてクレジットカードのクローズを難しくするのですか?一年も前の現金引き出しチャージが今頃請求されて顧客が負担しなければならない債務だと言うのです。ABN AMRO銀行の顧客になってわたしはとても失望しています。[ ジャカルタ在住、ディアン・クルニアワン ]
2008年2月20日付けコンパス紙に掲載されたABN AMRO銀行からの回答
拝啓、編集部殿。ディアン・クルニアワンさんからの2008年1月31日付けコンパス紙に掲載された投書についてお知らせします。当方はディアン・クルニアワンさんに連絡して、クレジットカードのクローズと3月の請求書の中で修正が行われることを説明申し上げました。[ ABN AMRO銀行企業コミュニケーションPR長、デイシ・クスニア ]


「カードを使った買物処理がアブナイ店」(2008年5月30日)
2008年1月30日付けコンパス紙への投書"Kartu ATM BNI Rawan"から
拝啓、編集部殿。2008年1月1日にわたしはボゴールのワルンジャンブにあるラマヤナスーパーマーケットで日用品の買物をしました。ところがレジでの合計金額はわたしの現金持ち合わせ分を超えており、またわたしはBCA銀行ATMカードも自宅に忘れてきていました。ラッキーなことに、妻のBNI銀行ATMカードがわたしの財布の中にあったのでわたしはそれを使うことにしました。これはBNI銀行南ジャカルタ市ムラワイ店にある妻エッシー・ユリア名義口座用のもので、それはデビットカードとして使えるのです。
わたしはそのカードをスーパーマーケットのレジ係に渡しました。するとどうでしょう、PIN番号も求められず、ただレジで打ち出された買上票にサインするだけで事が終わったのです。名義人でないわたしがサインすることも全然問題ない、とそのレジ係は言いました。大きい違和感を感じながらも、レジの長い行例を気にしたわたしはすぐにサインしてそこから離れました。
家に帰る道中でわたしは考えました。もしわたしがだれかほかのひとのBNI銀行ATMカードを拾ったり盗んだりしてそれでいろんな品物を買物したなら、その口座所有者の残高を空っぽにすることができるのです。買物票に記したサインはチェックもされませんから、まったく問題ありません。おまけにさっきわたしがサインしたレジの買上票はコピーすらもらえませんでした。たしかに普段からわたしの妻がその店でBNI銀行ATMカードを使って買物した場合、サインの検証も行われず、レジの買上票ももらっていません。ただサインするだけでいいのです。 
わたしはこの問題をどこへ届け出ればよいのかわかりません。さっきのスーパーマーケットの手続きが間違っているのか、それともBNI銀行ATMカード発行者のセキュリティシステムに問題があるのか、いったいどちらなのでしょう?PIN番号も求められず、サインの検証もなされず、買上票のコピーすら渡してもらえないようなプロセスは他銀行のATMカードでは考えられません。[ ボゴール在住、イマム・サユディ ]


「贋札作りが逮捕される」(2008年6月2日)
バンテン州警察は2008年4月28日夜、パンデグラン県チマヌッ郡バトゥバンタル村の借家を強制捜査して贋札作りシンジケートメンバー3人を逮捕し、多量の贋札や製造機器を押収した。逮捕されたのはディディン・アブドゥル・カディル51歳とその妻エルニ・アユディヤ・クスマワルダニ21歳、そしてサヌクリ63歳で、ディディンはバンテン州外から来る注文を受ける仕事、サヌクリは贋札を売って流通させる仕事を行っていた。かれらの証言によれば、贋札製造はワワンとカルナが用紙のセッティングとコンピュータを使ったプリンティングを行っており、警察が踏み込んだときそのふたりはそこにおらず逮捕を免れたとのこと。警察はそのふたりの行方を追っている。
警察がエルニ名義のその借家を捜査したのは複数の住民から贋札作りが行われているとの通報があったためで、バンテン州警察はその家を数日張り込んだあと確実と見て28日夜にそこを急襲した。住民の通報どおりその家では贋札作りが行われており、警察は家の中で百米ドル紙幣8百枚、5千ブラジルレアル紙幣333枚、1香港ドルコイン25個、1934年の1万と10万ギルダー証券8百枚を発見した。それらすべてはニセモノである。また贋札製造に使われていたコンピュータ2台とフルカラーのプリンター、贋札用紙ならびに梱包箱などもその家から押収された。
その贋札ビジネスを始めたのは3ヶ月前からだと容疑者らは警察の取調べに自供しているが、それらの贋札は一般大衆の間に流通させるために作ったものではない、とも主張している。


「超常世界から金を得る」(2008年6月3日)
中部ジャワ州スマラン県警は2008年に入ってから既に4件の現金倍増詐欺事件を摘発しており、今年は詐欺事件多発の年だ、と県警署長は語っている。既に処理した詐欺事件の中には、贋外国紙幣を使ったり神秘的な儀式を行って現金を増やすものから印紙を貼った契約書を使うものまでいろいろな手口が使われている。
「犯人は中低所得層に狙いを当て、神秘的魔術的な方法や宗教的アプローチなどさまざまな手法を使ってターゲットを信用させようとする。今回は印紙を貼った契約書まで小道具に使われており、この手口ははじめてだ。最新の事件では超自然の世界から現金を引き出すという詐欺を摘発した。容疑者はスマラン県スモウォノ郡在住のフスマン49歳とアスロリ58歳で、このふたりは既に拘留してある。」県警署長はそのように記者発表した。署長の話によると、フスマンは超常世界から現金を引き出してくるドゥクンの役、アスロリは詐欺被害者に渡りをつける役で、超常世界とコンタクトする儀式ではイマムを務めていた。
そのふたりの最新の被害者となったムジヨノはバタン警察に勤務する警官で、その儀式を行えば50億ルピアが手に入るとアスロリに誘われたらしい。ただしクリス印の香油ふたビンを一本2千万ルピアで買わなければならない。ロンボッ島マタラムの出身だと言うフスマンは、しかしその詐欺容疑を否定して、「儀式の途中で香油が使い果たされたために現金引き出しができなかったが、ムジヨノには借金返済の足しにするよう8百万ルピアを渡した。ムジヨノとはそれで問題なく別れ、その後何の連絡もなかったのに突然警察に捕まった。」と述べている。フスマンとアスロリは既に3人に対して超常世界からの現金引き出し儀式を行っている。それまでは2〜3億ルピアを約束して5百万ルピアの供え物を求め、その際に被害者を信用させるため印紙付き契約書まで使うということを行っている。県警署長はそれに関して、「契約書が使われているとはいえ、これは詐欺犯罪であって民事係争ではない。容疑者は刑法典第378条に従って4年の入獄が求刑されるだろう。市民はこのような手法で簡単に金が手に入るなどと考えないように。」とコメントしている。


「希望的観測は身を滅ぼす元」(2008年6月5日)
2008年1月30日付けコンパス紙への投書"Waspadai Kartu 3"から
拝啓、編集部殿。低価格を大々的に宣伝している携帯電話オペレータ「3(スリー)」でわたしが味わった悪体験をお伝えしたいと思います。2007年11月のある日、南ジャカルタ市ファッマワティ(Fatmawati)通りの本社を訪れた際、スリーの携帯電話用カードをセールスしていると名乗る数人がわたしのところへ来ました。企業向け後払いイニシャルカードは無料だと言うのです。かれらの決まりに従って、わたしは会社の身分証とKTP(住民証明書)を渡しました。かれらは小型のフォトコピー機を持参しており、コピーを終えるとわたしに受領証へのサインを求めました。わたしはカードが必ずもらえると思ったのでそのフォームにサインをしました。
ところがわたしの事務所で急用が起こったため、わたしはそのカードをもらう前に事務所に戻らなければならなくなりました。わたしはそのカードが用意されたら、本社の受け付けにでも預けてくれるだろうと考えたのですが、現実はそうならなかったのです。結局わたしは一度もそのカードをもらいませんでしたし、わたし宛に確認連絡もなかったので、その話はお流れになったのだろうと思っていました。
ところが意外にも、ひと月後に30万ルピア近い請求書がわたし宛に届きました。明細書に記されている電話番号はプルウォクルトのもので、わたしのまったく知らない番号です。わたしはプルウォクルト(Purwokerto)に友人も親戚も、知っている人などひとりもいません。わたしはすぐにスリーのカスタマーサービスに連絡しました。担当者のアストリアさんは、申請書の取消しをするためにわたしにスリーの事務所へ来るように求めました。しかしこれは明らかにわたしのデータが悪用されているわけで、そんなことをしにスリーの事務所へなど行きたくありません。どうしてわたしがそんな目に遭わされなければならないのでしょう。
わたしが請求部門に電話すると、担当のイルファンさんはかえって疑惑を抱き、わたしにあれこれと質問してきました。しかしわたしはもうカスタマーサービスに話をしているし、またわたしに関するデータは請求部門のコンピュータにあるはずですから、わたしに関するデータを再度相手に伝える必要などないではありませんか。
わたしからのこの情報はスリーにとって企業向けカード販売システム改善のために有益なものであるはずです。しかしスリーがわたしに対して行ったのは、デットコレクターをわたしに送って請求書の支払を強要することでした。[ ジャカルタ在住、エカ・アドリアニ ]


「保護されない消費者」(2008年6月10日)
2008年1月16日付けコンパス紙への投書"Jadwal Pesawat Mandala Diubah"から
拝啓、編集部殿。2007年12月16日にマンダラ航空RI290便でジャカルタからスマランへ行き、12月18日にスマランからジャカルタへマンダラ航空で戻ってくるというスケジュールでわたしは11月2日に大人6人子供ひとりの航空券をスリピのKSトゥブン通りにある旅行代理店PTレップツアーに注文しました。コンファメーション番号はB96Z2Nです。
一ヶ月も前から航空券を注文したのは、日程をはっきり確定させて安心しておきたかったからです。なぜならそのときわたしども一家はスマランでとても重要なイベントに出席することになっていたためです。コンファメーションシートには、2007年12月16日ジャカルタ発午前7時30分スマラン着午前8時30分と明記されていました。当日、わたしどもは搭乗時間に遅れたくないので早朝に家を出、5時半にスカルノハッタ空港に到着してからその足でチェックインカウンターに向かいました。ところが驚いたことに、チェックインカウンターの職員はチェックイン手続きはもう終わったと言うのです。わたしがコンファメーションシートを示して出発時間は7時半だからまだチェックインできるはずだと言うとその職員は、出発時間が午前6時に早まったのでチェックインはもう終わっており、わたしの航空券は焦付きで無効になったと応じました。こんな大ショックはありません。一ヶ月も前から航空券を購入していたわたしに一言の連絡もなく出発時間が変更されるなんて、いったいどうやって起こりうることなのでしょうか。わたしはマンダラ側からもPTレップツアーからもまったく連絡をもらっていません。
マンダラのチケット担当者は、PTレップツアーのリンダさんを通して変更連絡を流したと言いました。ところがそのリンダさんに尋ねると、マンダラ航空の出発予定時間変更連絡はまったく受け取っていないと言うのです。マンダラとレップツアーの言うことは互いに正反対で、結局消費者が損害を蒙ることで終わるのです。[ ブカシ在住、イファ・ムニファ ]


「奇怪!スカルノハッタ空港で不法ソフトチェック」(2008年6月12・13日)
2008年6月5日付けコンパス紙に次の記事が掲載された。
”スカルノハッタ空港で不法ソフトウエアをインストールしてある乗客のラップトップコンピュータに対するチェックが開始された。スカルノハッタ空港情報システム部長によれば、不法ソフトチェックは国際空港をはじめすべての政府機関で既に実施されていることがらである由。「インドネシアで不法コピーされるソフトウエアがいまだに膨大な量にのぼっていることに鑑みてわれわれはそれを行っている。みんな知っているように、この国でそのようなコピーは当たり前のように行われているのだから。」
2008年5月29日のラップトップチェック時に不法コピーソフトを使っていることが判明した乗客のひとりはその場で簡易裁判を受けさせられて950万ルピアの罰金を科されたとのニュースが流れているものの、情報システム部長はそのニュースに関してまだ確認されていないとしている。”
このストーリーは2008年6月3日15時36分に流されたdetikcomの記事が先行したようだ。
”スカルノハッタ空港当局が行っている不法ソフトウエア検査に関する話が最近あちこちのメーリングリストで話題をさらっている。その検査を実地見聞した乗客からのEメールがその発端であるようだが、その乗客がいったい誰だったのかは曖昧模糊としている。その話によれば、検査は出発ターミナルにいるラップトップを持った乗客をターゲットにして実施された。そのコンピュータに不法ソフトウエアがインストールされていればその場で簡易裁判が行われ、コンピュータ1台につき950万ルピアの罰金が科される。更にそのコンピュータは押収され、スカルノハッタ空港警察署に出向いて保釈料を払わなければ返してもらえない。このラップトップコンピュータ不法ソフトチェックはスカルノハッタ空港だけでなく、都内のカフェや公共スペースでも警察と知的財産権チームが一週間にわたって実施することになっている。スカルノハッタ空港では何人もの航空機搭乗者がそのコンピュータ検査が実施されている現場を目の当たりにしている。”
それから1時間もたたないうちにdetikcomはフォロー記事を出した。スカルノハッタ空港で本当に不法コピーソフト摘発活動が行われているのだろうか、と。
detikcomの続編記事は次のような内容を報告していた。
”運通省PRセンター長は、乗客が持っているラップトップコンピュータに対する不法ソフトチェックがスカルノハッタ空港で行われているのは本当だ、とそのストーリーを肯定した。当局側は知的財産権の法確立を図るためにそれを実施しているのだ、とセンター長は言う。しかし乗客が持っているコンピュータ内の不法ソフトだけがそのターゲットなのかという質問に対しセンター長は、「それは警察の権限であり、わたしが知っているのは知的財産権関連でインドネシアに入ってくるラップトップにチェックをかけるということだけだ。」と答えている。一方、アンカサプラ?スカルノハッタ空港支社長はこの件に関して「寝耳に水」と驚いており、またスカルノハッタ空港警察署長と同空港税関所長もこの件については何も知らない、と答えている。グントゥル・スティヤント空港警察署長によれば「航空機乗客持込手荷物に対する検査は税関の管轄であり、航空機乗客が持っているラップトップのソフトウエア検査を空港警察は一度も行ったことがない。」とのこと。
空港税関所長の談も似たりよったりのもので、「航空機乗客が持ち込む物品の中で凶器類や麻薬等に対するチェックは厳重に行っているが、空港を通過する乗客が持っているラップトップコンピュータ内のソフトウエアに対する検査はまったく実施したことがない。」との弁。”
そしてコンパス紙は6月6日付けでこの騒動の幕引き記事を出した。それによれば、スカルノハッタ空港で乗客が持っているラップトップコンピュータに不法ソフトウエアがインストールされているかどうかをチェックして持ち主を処罰するような公式方針は一切出されていないというのがその結論だ。その根拠としてコンパス紙は、スカルノハッタ空港のどこにもラップトップコンピュータ検査場所が設けられていないこと、ラップトップだけをチェックするようなオペレーションは行われたことがないというPTアンカサプラ?関係機関コーディネーションスタッフの証言などを取り上げており、950万ルピアの罰金を科されたという民間会社マネージャーのアレクシウスが体験した出来事はスカルノハッタ空港の悪徳役職者が昨今の諸状況を利用して不法徴収金を搾り取るために行った不良行為ではないかとの見方を強めている。
航空会社スタッフたちは、「国外から入ってくるラップトップのソフトが不法コピーかどうかという検査は行われたことがなく、それがなされる場合は出国ターミナルが普通であり、国内線ターミナルでそんなことが行われるのは常軌を逸している。空港での手荷物検査はランダムで行われ、不法ソフトだけを狙ったチェックが行われるという話は聞いたことがない。」と今回の問題に関わることを怖れるように匿名を強調しながら論評している。スカルノハッタ空港を利用する乗客の多くは空港当局に対して、不法ソフトウエア検査に関する公式表明を早急に出すよう求めている。


「コンピュータシステムは神様」(2008年6月16日)
2008年2月11日付けコンパス紙への投書"Pengalaman di ATM Mega"から
拝啓、編集部殿。2008年1月2日14時ごろ、わたしはメガ銀行南ジャカルタ市マイェスティッ(Mayestik)支店のATMで4件の決済を行いました。最初に行った現金引出しは成功しましたが、次に行った他銀行にあるわたしのクレジットカード口座向け送金は不成功と表示されました。それでもう一度現金引出しを行ったところ、お金は出て来ません。そのため残高照会をしようとしましたが、それもできませんでした。
わたしはすぐその店のカスタマーサービスに届け出てさっき行った決済をチェックしてもらいました。すると2回目と3回目の処理はたしかに不成功でしたが、残高は差し引かれていることがわかりました。銀行の担当者はわたしにクレーム用紙に記入するように勧め、残高から差し引かれた金額はすぐに戻されると説明したのです。
その担当者に言われた通り、わたしは1月4日にメガ銀行マイェスティッ支店に電話して返金の処理について尋ねました。するととても驚くべき反応が返ってきたのです。他銀行口座への送金分は2週間後でないと返金処理がなされないということでした。システムでそうなっているのだというのが理由の説明です。銀行側のミスで起こったこのようなトラブルに対しては早急に返金を行うよう、わたしはメガ銀行に要請します。銀行側のそんなシステムは顧客に損害を与え、顧客は不満を抱くことになるのですから。[ バンドン在住、リコ・ウマラ ]
2008年3月13日付けコンパス紙に掲載されたメガ銀行からの回答
拝啓、編集部殿。リコ・ウマラさんからの2008年3月13日付けコンパス紙に掲載された投書について、次のように説明申し上げます。リコさんが他銀行のクレジットカード口座にメガ銀行ATMから送金決済を行った際、技術的なトラブルが発生しました。当方はその問題に関するフォローアップを行い、リコさんにはその間の経緯と当方が行った処理について説明申し上げました。リコさんはその説明を了承してくださいました。リコさんに迷惑をおかけしたことについて重々お詫び申し上げます。[ メガ銀行上級副社長・本社企業秘書、ドニー・オスカリア ]


「警察は個人持ちコンピュータの不法ソフトチェックをしない」(2008年6月23日)
「奇怪!スカルノハッタ空港で不法ソフトチェック」(2008年6月12日13日)で報道された通り、スカルノハッタ空港で何者かが乗客の個人持ちラップトップコンピュータにインストールされているソフトウエアのライセンスチェックを行い、不法コピーと断定された乗客が罰金として950万ルピアを徴収されたという情報が空港利用者の不安をあおっている。
知的財産権侵害者の天国だったインドネシアも、優先監視国リストに置かれて米国通商代表部から通商交渉の中で厳しい条件をつけられるのは得策でないとして、数年前から不法ソフトウエアの取締りを活発化させた。取締りの立役者となっている国家警察は、不法ソフト販売店やインターネットワルンに対する取締りを行い、また製作者や不法ソフト使用企業にまで摘発の手を伸ばしている。そんな諸般の状況から、空港で乗客個人持ちラップトップにも取締りをかけるということはありうる、という印象を国民が抱いておかしくない状況になっていた中でその事件が起こったということのようだ。
国家警察は国民の不安を鎮めるために声明を出した。警察業務として行われている不法ソフトウエア摘発は製作者・流通販売者・業務使用者に向けられており、個人用コンピュータに対する取締りはまだ一度も行っていない、というのがその内容。業務使用者というのは不法ソフトをビジネスに使っている事業者で、インターネットワルンや商店・会社等を意味している。つまりは、不法ソフトの個人使用者はまだ摘発の対象にされていないことを告白したわけである。
国家警察特殊経済犯罪局は不法ソフトの業務向け使用を摘発するという捜査活動を続けているものの、コンピュータソフト分野に深い知識を持つ捜査官の絶対数が不足しているために取締りの実がなかなか上がらず、人材養成が急務であることを認めている。「捜査活動に専門家の協力が不可欠な状態がいまだに続いている。一方、摘発件数も増加の一途であり、不法ソフト使用が減少する気配は感じられない。2007年は不法ソフト製作者を家内工業で233件工場で5件摘発した。2006年の45件からたいへんな増加だ。今年は不法ソフトを使っている工場で16人を逮捕した。販売業者も36人逮捕している。不法ソフト製作者は工場方式から家内工業型に転換を進めており、製作者の数が大きく膨らんでいるはずだが見つけるのが困難なために摘発件数は減少している。」
ビジネスソフトウエアアライアンスのインドネシア事務所担当者は、2007年の不法ソフトウエアによる損失額は4.1億ドルでインドネシアは世界第12位となった、と公表している。


「保護されるのは被害者それとも加害者?」(2008年6月25日)
2008年2月26日付けコンパス紙への投書"Perlindungan Nasabah Bank Kurang Diperhatikan"から
拝啓、編集部殿。2008年1月27日、わたしの妻はわたしのBCA銀行ATMカードを使ってHSBC銀行クレジットカードの返済を行いました。金額は151万ルピアでジャカルタのITCマンガドゥア3階にあるタッチスクリーン型ATMを使ったのです。わたしは1月29日に通帳へのプリントアウトを行いました。するとなんということでしょうか、わたしも妻もまったく身に覚えのない振込みがBCA銀行やその他銀行のさまざまな口座番号宛てになされており、その総額は70,810,000ルピアに上っていました。それでわたしがBCA銀行西ジャカルタ市ガジャマダ支店に届け出たところ、担当者はハローBCAに連絡してそれらの口座をブロックしてもらってはどうか、と奨めたのです。ハローBCAはそれらの口座をブロックするためにいくつかの書類をファックスするようわたしに求めました。住民証明書(KTP)のフォトコピー、6千ルピアの印紙を貼った紙に事件の顛末を記載したもの、警察署長または副所長がサインした警察への告訴状などがそれです。また警察に捜査を依頼するためにわたしの金が振り込まれた口座のオーナーに関するデータが欲しい場合には検察庁からの手紙等々も。
わたしが口座所有者としてとんだ災厄に見舞われたというのに、手に入れることがとても難しいそれらの書類の手続きまでさせられるのです。わたしの最後の望みはどこのATMにも設置されている防犯カメラの画像から事件のようすを見ることに絞られました。BCAガジャマダ支店カスタマーサービスに防犯カメラ画像閲覧の申請を出したところ、2008年2月8日にハローBCAがわたしにコンタクトしてきました。ITCマンガドゥア3階のATMエリアには防犯カメラが設置されていないとの連絡です。理由はそのエリアが設けられてまだ日が浅いからというものでした。BCAほどの大銀行がATM設置場所に防犯カメラを置いていないのです。本来ならATMが置かれる前に防犯カメラがあってもおかしくないほど重要なものではないでしょうか?わたしは今日に至るもいまだにあのような他口座への振込みがどうして起こりえたのかわからないでいます。銀行口座保有者に対する保護はまだまだ手薄くお粗末だったのです。[ 西ジャカルタ市タンボラ在住、リアウ・アグス・ヘルマン ]


「銀行員に油断は禁物」(2008年6月26日)
2008年2月28日付けコンパス紙への投書"Bukti Setor Bank Diganti"から
拝啓、編集部殿。わたしはブミアルタ銀行クラマッジャティ店に口座を持っており、現金を納める場合には銀行員が家へ取りに来ます。2008年2月6日、銀行員が家へ現金を取りに来たので一緒に金額を数え、1億5千5百万ルピアの入金票を証憑にもらいました。その日の夕方、銀行から電話が入り、入金票に書き間違いがあり実際は1億5百万ルピアだと連絡してきたのです。もしわたしが銀行カウンターで入金したとして、金額を一緒に確認した後でわたしがそこを離れ、また戻ったときに銀行側は金額が不足しているなどとわたしには言えないでしょう、とわたしは言いました。
5千万ルピアもの大金が不足しているものを銀行員がそのまま受け取るなんて、とても奇妙です。わたしは店長に電話して、不用意な対応をしないように忠告しました。しかしわたしの口座に入金されたのは1億5百万ルピアだけであり、入金票はわたし承諾を得ないまま銀行側が一方的に書き直したのです。
わたしの5千万ルピアはいったいどうなるのでしょうか?わたしの家に再びやってきた銀行員は、「記載間違いでした。誓ってもいいです。」と言うのですが、わたしが銀行員に渡した金額は入金票に記載されたものに間違いありません。この事件の解決はいまだになされていません。[ デポッ市チマンギス在住、へスティ・プルノモワティ ]
2008年3月14日付けコンパス紙に掲載されたブミアルタ銀行からの回答
拝啓、編集部殿。2008年2月28日付けコンパス紙に掲載されたへスティ・プルノモワティさんかんらの投書に関してお伝えします。当方はへスティさんの問題を調査し、2月28日に5千万ルピアをへスティさんの口座に入金する形で問題を解決いたしました。当方の説明をへスティさんは了承してくださいました。ご不快を与えたことに対しお詫び申し上げます。[ ブミアルタ銀行企業秘書、リビニア・サリ ]


「警察官にも油断は禁物」(2008年6月27日)
2008年2月28日付けコンパス紙への投書"Polisi Pinjam Mobil Menghilang"から
拝啓、編集部殿。2007年10月23日、北ジャカルタ市コジャ警察署所属のR.A.巡査部長とその妻はわたしのスズキAPV(プレート番号B 8244 QU)を借りて行きましたが、いまだに返してくれません。ブカシの巡査部長の家まで探しに行ったものの、本人はいませんでした。結局わたしはこの事件をコジャ警察署と首都警察に届け出ました。
コジャ警察署で耳に挟んだ話では、R.A.巡査部長は以前にも自動車やオートバイを借りたまま行方をくらましたことがあるそうです。わたしは北ジャカルタ市警本部犯罪捜査課や監察課に何度も問い合わせをかけていますが、いつも「展開はまだない」「居場所はまだわからない」という返事です。西ジャワ州チオマスとチアミスにある隠れ家へも行ってみましたがかれらは居場所を転々としているようです。この事件に関してわたしは首都警察長官と西ジャワ州警察職員に対し、情報交換を密にして捜査を展開するようお願いしたいと考えます。こんな事件は民衆の庇護者であるべき警察のイメージを台無しにしているではありませんか。[ 北ジャカルタ市コジャ在住、アニ・スレシュ ]


「恐怖、知らぬ間に借金大王」(2008年7月4日)
2008年2月28日付けコンパス紙への投書"Data Pribadi Aplikasi Kartu Kredit Disalahgunakan"から
拝啓、編集部殿。2005年9月わたしはジャカルタのマンガドゥアスクエアでHSBC銀行クレジットカード勧誘者から申込書にデータを記入するよう誘われました。そのあとHSBC銀行からクレジットカード申請に対する確認も、あるいは何の連絡もないため、わたしはその申請が却下されたものと思っていました。そんな状況だったため、カード現物もわたしは受け取っていません。
2006年5月ごろ、わたしの親や同居していない家族に対してHSBCデットコレクターと名乗る者から電話でコンタクトがあり、わたし名義のクレジットカードによる2千3百万ルピアの未返済額を早急に支払えと要求されたのです。わたしはすぐにHSBCカスタマーサービスに電話し、わたしは一度もクレジットカードの現物および請求書を受け取ったことがなく、わたしの家族に迷惑をかけるのはやめてほしいと訴えました。そのあとHSBCコレクション部門とコンタクトし、クレジットカード送り先は南ジャカルタ市チランダッKKOであることを知りました。しかしわたしが申込書に書いた住所はタングランだったのです。その後HSBCからは何の連絡もなかったので、問題は解決したと思っていました。ところがそんな事件の後で、わたしが2006年に申請したBII銀行クレジットカードも2007年に申請したダナモン銀行クレジットカードも理由がわからないまま発行を拒否されたのです。
あるときわたしは電子メディアや印刷メディアでHSBCに関する事件の情報を入手し、それまでに申請したふたつのクレジットカードが拒否されたのはわたしの名前がインドネシア銀行のブラックリストに載っているためであることを覚りました。2007年11月29日、わたしは再度HSBCカスタマーサービスに電話し、カードの送り先がジョハル通りであること以外わたしのデータはすべて一致していることを確認しました。以前に聞いたカードの送り先はチランダッKKOなのに、今度はジョハル通りです。HSBC銀行が言うデータはどうして毎回変わるのですか?HSBC銀行のデータベースは内容がコロコロ変わるのですね。HSBC銀行内の顧客データセキュリティはいったいどうなっているのですか?[ ジャカルタ在住、メリンダ・マスリム ]


「2009年選挙年、贋札が増加するか?!」(2008年7月24日)
2008年1〜5月期中にインドネシア銀行が発見した贋札は30,622枚で、平均すれば市場流通通貨量の中で紙幣100万枚当たり4枚の贋札が含まれており、前年同期に比べて増加している、とインドネシア銀行総裁デピュティのひとりが公表した。今年のデータによれば、金種別流通通貨量1百万枚当たりの発見贋札枚数がもっとも多いのは10万ルピア紙幣で15枚という数値。続いて5万ルピア紙幣が7枚、2万ルピア札は4枚、1万ルピア札は3枚、5千ルピア札は1枚と低額になるにつれて1百万枚当たりの含有枚数は減少している。これは高額面の贋札のほうがうまみが大きいというだけでなく、額面が小さくなるにつれて圧倒的に紙幣発行枚数が増加することにも関係しているようだ。贋札の発見状況を地域別に見ると、最大は東ジャワ州、次いでジャボデタベッの首都圏地区、中部ジャワ、南スマトラ、西カリマンタンといったランキングになっている。東ジャワは昔から贋札作りが活発な地域でその伝統は根強く生き残っており、西カリマンタンは東マレーシアと国境を接して海外出稼ぎ者の出入りが激しいところだから、という特徴を同デピュティは説明している。
贋札を市場に流通させる場合、一味の者は高額贋札で廉い商品を買うのだそうだ。携帯電話度数買い足しなどがかれらのターゲットにされやすい。贋札の増加傾向は国民の経済状況が逼迫の度を強めていることに加えて高性能の贋札作成設備が入手しやすくなっているためであるとデピュティは説明しているが、総選挙キャンペーンが今後過熱して行けば各政党の資金需要も増加して5年ごとのゴールドラッシュが一般庶民を潤すわけで、そこに贋札が混じる機会も増加する。総選挙実施のあと市中で発見される贋札が急増する現象は昔から季節サイクル化している。
ところで先にインドネシア銀行が公表していた2千ルピア紙幣発行は2009年になることを同デピュティは明らかにした。それによれば、インドネシア銀行は2009年に1千5百万枚の額面2千ルピアという新金種発行を行い、その年に1千ルピア紙幣の印刷は行わない方針であるとのこと。紙幣の流通経済年数は10年とされており、発行後10年を経過すれば新デザインの紙幣にとって代わられるのが通例だが、現行1千ルピア紙幣はこの先まだ当面現状のまま流通させることになるだろう、との談。


「目的達成には手段を選ばない」(2008年8月5日)
2008年3月13日付けコンパス紙への投書"BCA Card Rekayasa Laporan"から
拝啓、編集部殿。わたしは2006年以来BCAマスターカードタスマニアのシルバーカードオーナー使用者です。2007年12月にBCAからゴールドカードにアップグレードするよう勧誘されました。ところが、一度宅配便会社からわたしの個人データに関する問い合わせがあったというのに、2008年2月になってもゴールドカードは届きません。クレジットカード不正行為が頻繁に報じられているのでわたしは落ち着かず、わたしはゴールドカードを受け取っておらずアクティブにもしていないことを連絡するためにハローBCAに電話しました。すると担当者は2008年2月14日までにわたしの住所宛にカードを届けると約束しましたが、その日がきてもやはり問題のゴールドカードは届きません。それでわたしは再度ハローBCAに電話して、わたしの家から最も近いBCAリッポカラワチスーパーモール店に送るよう依頼しました。そのとき担当者はわたしに、2月20日にカードをピックアップするためにその店にコンタクトするよう言いましたが、わたしがその日にコンタクトしたところ、その店にわたしのカードは届いていませんでした。
わたしが再びハローBCAに電話すると、担当者はわたしのカードがタングランのリッポカラワチでなくブカシのリッポチカラン店に送られたと言うのです。これはアブナイ徴候だと思い、わたしはすぐにゴールドカードをこれ以上追求するのをやめて従来のシルバーカードを続けて使用することを決めました。ところが2008年2月25日、BCAカード担当者がわたしに電話してきて、わたし名義のゴールドカードをどこへ送ればいいのか、と質問したではありませんか。わたしは経緯を説明してシルバーからゴールドへのアップグレードはやめたことを告げました。その翌2月26日、わたしのBCAタスマニアカードはスターバックスで受け付けてもらえませんでした。わたしがハローBCAに電話すると、わたしのカードは紛失報告が出ているのでブロックされたとの返事です。わたしはその話に抗議しましたが、相手は聞こうとしません。わたしのカードが紛失したのでブロックするように依頼したことなど一度だってないというのに。
わたしはこのカードで金利0%の分割返済をまだ12ヵ月分抱えています。BCA職員がわたしの報告をでっちあげてシルバーカードを使えないようにしたにちがいないというのがわたしの結論です。[ タングラン在住、ローレン・スカルタ ]


「リース返済リストラの罠」(2008年8月6日)
2008年3月1日付けコンパス紙への投書"Jebakan ala WOM Finance"から
拝啓、編集部殿。2008年2月14日、わたしが昼寝しているときパリスマンさんが断りもなしに家に入り込んで舅の分割払いオートバイを持っていこうとしたのに驚かされました。リース返済に問題があって既に第4期症状に入っているのだと理由を言い、わたしの弁明を聞こうともしません。パリスマンさんは「あんたの説明はそのオートバイの資金付けをしたPT WOMファイナンスに対して行え。」と言ってオートバイを持ち去りました。
翌15日、わたしは領収書など証拠書類を手にしてPT WOMラワマグン店を訪れ、わたしの舅のオートバイはリース返済がリストラされているのだと説明したのですが、WOMのステパヌスさんが30万ルピアの費用を取って奨めた返済リストラを証明する新契約書がわたしの手元にまだありません。リストラ内容に沿って返済しようとした第一回の支払も契約書がないため実行できませんでした。ステパヌスさんは一週間後にまた来るように言いましたが、一週間たっても結果は同じでした。翌月また返済に行きましたが、それでも新契約書はできていません。ステパヌスさんは新契約書ができるまで、最初の契約金額を払っておくように言いました。
数ヶ月間同じことが繰り返されました。返済リストラ契約書が作られるどころか、オートバイは取り上げられ、最初の契約の返済金額を支払わせられるのです。消費者を罠にかけることで名の知れたPT WOMファイナンスのやり方はこんなものなのです。実に汚いやり口で自分の利益をかき集めようとするではありませんか。こんな目にあったのはきっとわたしだけではないでしょう。パリスマンさんも自分の兄弟が同じ目にあったのだと言っていましたから。かれは、「舅のオートバイはもう諦めろ。」とも言いました。WOMから返済リストラを奨められたら、罠にかけられないよう用心しましょう。[ ジャカルタ在住、ジョコ・スバギオ ]
2008年4月1日付けコンパス紙に掲載されたPT Wahana Ottomitra Multiarthaからの回答
拝啓、編集部殿。3月1日付けコンパス紙に掲載されたジョコ・スバギオさんからの投書についてお知らせします。当方は問題解決のため、ご本人にお会いしました。事情説明に対してジョコさんは実際に起こっている問題を理解くださり、誤解によって生じた問題だとコメントされました。ジョコさんとWOMファイナンスの間での問題は家族的に解決されました。[ PT WOM企業秘書、フェンフィラ・テジャ ]


「嘘つきセールスマンの口車」(2008年8月7日)
2008年3月1日付けコンパス紙への投書"Iuran Gratis Tahunan Kartu Kredit Berbuntut Masalah"から
拝啓、編集部殿。2006年7月のある日、わたしの勤めるオフィスにセールスマンがやってきてブアナ銀行クレジットカードを最初の年会費無料という条件で勧誘しました。それから二週間後にわたしの元にクレジットカードが送られてきましたが、わたしはまだそれをアクティブにしませんでした。
ひと月が経って請求書が届き、そこには初年度年会費30万ルピアと記載されていたので、わたしはすぐにブアナ銀行カードセンターに電話して事情を伝え、年会費を払うくらいならカードの使用を取り止めるので口座を閉じてほしい、と言いました。カードセンター担当者は了承し、クレジットカードはクローズされました。その後何ヶ月間も請求書は送られて来ないので、わたしは問題は何もないと思っていました。ところがそれから1年以上経過した2007年11月にUOB銀行(ブアナ銀行はUOB銀行に変わっていたのです)から50万5千ルピアの請求書が突然届いたのです。その金額は初年度年会費30万ルピアに金利が上乗せされたものでした。わたしを驚きと憤りで満たしたのは、この件でわたしの名前がインドネシア銀行のブラックリストに載せられていたことでした。
わたしはふたたびUOB銀行に連絡を取り、問題をフォローするので届け出てほしいと担当者が言ったので2008年1月8日に同銀行を訪れました。そこで明らかになったことは、わたしにクレジットカードを勧誘したセールスマンは問題があったのでもうこの銀行で働いていないということでした。銀行側担当者はこの問題が決着したのでその旨を明らかにした表明書を発行してくれると約束しましたが、それはいまだに実現していません。おまけにわたしの名前は依然としてブラックリストに載せられたままになっています。この件でわたしがUOB銀行に何度電話しても、返事は口約束だけ。空手形を出し続けるのでなく、問題の根本解決を早急にはかるよう、わたしはUOB銀行に要請します。読者は、アニュアルフィーを無料にすると約束するセールスマンには警戒してください。わたしのような目にあわないために。[ ジャカルタ在住、ハンディヤント・タントソ ]
2008年5月12日付けコンパス紙に掲載されたUOBブアナ銀行からの回答
拝啓、編集部殿。ハンディヤント・タントソさんからの2008年3月1日付けコンパス紙に掲載された投書について、まずご迷惑をかけたことをお詫びいたします。苦情には既に対応を取り、ハンディヤントさんのクレジットカードアニュアルフィーに関するこの問題は既に解決いたしました。さらにインドネシア銀行債務者情報システム内の顧客データについても修正措置を取りました。問題は完全に決着しております。[ UOBブアナ銀行サービスクオリティ部長、アリフ・ユリアント ]


「泣く子も黙るKPK」(2008年8月14日)
「カーペーカー」という言葉を聞くと役人はみんなビクッとするという話だが、真偽のほどは定かでない。カーペーカー(KPK)というのは汚職撲滅コミッションの頭字語で、それまでの法曹体制がどうにもできなかった汚職犯罪を一手に引受けるために設けられた捜査機関である。世界有数の汚職天国インドネシアがいまのような地位に上ったのも、従来からある法曹体制が汚職を粛清するどころか汚職の拡大に手を貸していたからであり、行政機構が屋上屋を重ねる構造を取るのがほとんど常識化している国ではKPK設立もむしろ拍手をもって迎えられた観が強い。
人間の上下関係が日常生活を濃く彩っている封建社会では、汚職犯罪に社会的地位の高い人間が関与するケースのほうが多く、そして汚職の成果は巨額なものになる。社会的地位の上下が既存の法曹体制にとって汚職捜査をほとんど不可能なものにしているのは明らかで、だからこそ大統領直轄のKPKが誕生する必然性があったわけだ。KPKの汚職犯摘発は目覚しいものがあり、かれらが狙いをつけたホシは盗聴やらおとり捜査やらさまざまな裏の手を使って網の中に落とし込んで行く。一般警察には許されていない捜査手段でもKPKに許されているものがあるということで、まるで小説を地で行く特別捜査部隊がかれらだと言える。
社会的地位の高い人間に対する名誉保全という観点から犯罪を犯しても極度に侮蔑的にならないよう扱うというインドネシア社会の常識に従って法執行者がこれまで行ってきた待遇を、KPKは汚職犯罪者に対して変更するよう決めた。つまり、KPKによって摘発され送検された汚職容疑者には手錠をかけ、拘留されれば「汚職者」と書かれた囚人服を着させて見せしめにしようというもの。
さてそんなKPKの名前を騙って詐欺を働いたふたりの男が警察に逮捕された。スディルマン・シリ28歳とバダルディン34歳をボゴール警察署は2008年8月6日、西ジャカルタ市クブンジュルッの下宿で逮捕した。
去る6月末のある日、行政機関の会計監査を職務とする会計監査庁(BPK)チアウィ事務所にそのふたりが現れて、「自分たちはカーペーカー職員であり、法律書を買ってもらいたい。」と言って持参した汚職犯罪に関するさまざまな書籍を一冊2百万から5百万ルピアで売りつけようとした。
ベーペーカー職員もむざむざと騙されるような甘さは持っていない。それが清廉潔白なバックボーンから出たものか、それとも反対に詐欺師たちに甘さを見出したのかは不明だが、ベーペーカー職員はすぐにカーペーカーに電話してその状況の裏付けを取ろうとした。カーペーカーから得た返事は、職員の中にそんな名前の人間はおらず、また職員に書籍販売を命じてもいない、というもの。雲行きを察したふたりの詐欺師はその電話が行われている間にBPK事務所から逃げ出した。BPKチアウィ事務所はすぐにボゴール警察署に事件を届け出、警察は捜査の末についにふたりの居所を突き止めて逮捕した。このふたりはKPKのロゴが入ったレターヘッドや封筒あるいはKPKのスタンプなどを偽造しており、また警察の取調べに対して既に三つの政府機関で詐欺に成功していることを自供した。


「悪事が悪事を利用する」(2008年8月19日)
中古携帯電話を再調整し、新品と偽って市場に流していた男を首都警察が逮捕した。逮捕されたムハンマッ・アリ39歳は4万個という膨大な数の中古携帯電話器を集め、再調整してから個装箱に納めてプラスチック包装をかけるという作業を、12人の従業員を使って行っていた。その作業場はアリが年間5千万ルピアで借りた中央ジャカルタ市ロキシーマスにあるルコ(店舗住居)。アリのストックしていた中古形態電話器のブランドはLG、ノキア、オーデイオボックス、サムスン、ソニーエリクソン、東芝、モトローラ、キョーセラ、トレオ。
本人の自供によれば、ニセモノ販売は1ヶ月前からジャカルタのロキシーマス、チュンパカマス、ファッマワティなど携帯電話ビジネスセンターを中心にジャボデタベッ地区で広範に流し始めたばかりで、売れたのはまだ百数十個に過ぎず、自分は1個1万ルピアの利益しか手に入れていない、とのこと。首都警察はアリのルコを捜査して4万個の中古携帯電話器、デスクトップコンピュータ3台、ラップトップコンピュータ2台、熱風噴射機4台や半田ごてなどを押収した。アリは中古携帯電話器を修正して新品に見えるようにし、それを個装箱に入れてラッピングするなどして買い手の目をごまかしていたが、保証書がついておらずまたIMEIナンバーもついていないのは不法輸入されたブラックマーケット品だからだという理由をあげて正当化していた。
この中古品詐欺とは別にアリはまた、輸入部品を組み立てて完成品として販売するという詐欺も行っていた。アリは2000年から中古品を集めて新品に見せかける悪事を開始し、2004年に一度警察に逮捕されている。その後どのように刑期を終えたのかはっきりしないが、2006年から再び世の中に顔を出して昔取った杵柄を演じていた。犯罪者は一度覚えた悪事を繰り返すそうだが、それはどうやら万国共通のものらしい。


「レンタカー投資者を狙う横領詐欺師」(2008年8月26日)
インドネシアのレンタカーは運転手付きと運転手なしの二種類がある。インドネシアのように自動車が高価な動産になっているところでは、運転手なしのレンタカービジネスを行なおうとするなら資産簿価に相当する保証金をもらわなければ危なくてやっていられないだろう。数年前にバリで運転手なしレンタカーを借りまくり、ジャワに持ってきて売り捌いていたヨーロッパ人を含む一味が警察に摘発されたことがある。その結果運転手付きレンタカーが増えたかどうかは不明だが、首都圏では運転手付きレンタカーが圧倒的に優勢なようだ。
レンタカーに使われる車両は自家用黒ナンバーが一般的だ。資本が偏在しているインドネシアでは、多数の車両を自家所有できるような大資本を持つ事業者がごろごろしているわけではない。だから一般の人が自家用車をレンタカー業者に委託して売上の一部を還元させるという投資が盛んに行われている。ひとびとは新車を購入してそれをレンタカー業者に貸し出すのである。このレンタカー投資は何年も前から一般市民にとっての有力な財形投資のひとつになっている。
儲け話に目のないインドネシア人は、儲かると評判を取った投資先に続々と集まってくる。そうしてそのような投資家を食ってやろうという詐欺師がそこへ招き寄せられることになる。つまりレンタカー業の看板を出し、好条件で車両の貸し出しを募ればたくさんの新車が比較的容易に集まってくるのは明らかだ。しばらくの間は約束通りの事業をおとなしく行い、事業が日常化したあたりで委託されている車を遠くの地方に持っていって売り捌いたり担保や質草にして金を手に入れる。金がたっぷり貯まればドロンを決め込むというのがこの種の詐欺師の手口にちがいない。ところが詐欺師の中にもリスクマネージメント能力の欠けた者がいて、うかうかしている間にサツの手が回るということも少なくない。
タングラン市内で中古車を買った者が、STNK(自動車番号証明書)期限が来たので延長しようとしたが手続きでハネられた。何度やってもうまくいかず、結局警察に届けて調べてもらったところ、その自動車についてきた自動車書類が偽造であることが判明した。さっそくその車を売った者の追跡捜査が始まり、盗難車販売ルートが洗い出され、スカブミで盗難車両22台をストックして金に替えていた48歳と40歳の男ふたりが逮捕された。その22台の大半はタングラン県ポンドッカレン(Pondok Aren)のレンタカー女性業者が回してきてものだそうで、ふたりはそれらの車を担保にして金を貸してくれる人間を探して取引を行い、車一台当たり1千7百万から3千万ルピアを手に入れて女性業者に渡し、ふたりはそれぞれ5%の手数料をもらっていた。委託車両を横領して金に替えていた女性業者を警察は追跡している。


「顧客への陰謀が渦巻く銀行」(2008年8月29日)
2008年4月4日付けコンパス紙への投書"Kartu Citibank Salah Alamat"から
拝啓、編集部殿。20年間継続してシティバンククレジットカード所有者であるわたしのカードの期限が2008年2月に切れました。いつもは期限が来る一ヶ月前に期限延長されたカードが送られてくるのですが、今年は2月22日になってもまだ届きません。わたしがシティフォンバンキングに電話して問い合わせると、わたしのカードは2008年2月2日にブカシ県チカランの店舗住宅でアントニオさんが受け取ったと電話に出たデフィさんが言いました。わたしはそのアントニオというひとをまったく知りません。わたしがアントニオさんの住所を尋ねても、デフィさんは答えてくれません。それでわたしはそのカードをすぐブロックするよう求め、また2008年2月の請求は一切支払わないと伝えました。
しかしまだ気になったのでわたしは再度シティバンクに電話し、電話を受けたシティバンクカスタマーサービス係のマワルさんにカードがどうなっているのか尋ねました。するとマワルさんは、そのカードはブカシ県チカラン郡チバルサ通りブロックAB23番地パサルセントラルヒュンダイ店舗住宅のアントニオさんが受け取っていると答えました。さらにマワルさんは、会社の住所が変わったのでわたしがそのカードをアントニオさん宛てに送るよう依頼したのだと言うのです。じつに奇妙な話です。わたしがその依頼は何月何日に出されたのかと質問するとマワルさんは答えることができませんでした。わたしは再度、そのカードをブロックするように依頼しました。
そしてわたしはもう一度シティフォンバンキングに電話し、電話に出たエンディタさんから先のふたりとまったく同じ説明を聞きました。わたしの会社の住所が変わったことの連絡がいつあったのかについてもやはり同じで、回答は得られません。結局そのカードはブロックされ、カードはまだ使われていなかったことが判明したのでわたしはホッとしました。それにしてもこの状況はいったい何を意味しているのでしょうか?わたしの知らないところで何が行われているのですか?シティバンク側は新しいカードを2008年3月8日にわたしの自宅住所に送ると約束しました。シティバンクのオペレータたちやカスタマーデータ管理者は首都圏の地理を本当にわかっているのかどうか、とても心配です。デポッ氏チネレとブカシ県チカランの区別すらできないなんて。それとも銀行内で何らかの陰謀が画策されてでもいるのでしょうか?[ デポッ在住、チトラ・サフィトリ ]


「その場逃れは大切なこと」(2008年10月9日)
2008年4月21日付けコンパス紙への投書"Rekayasa Tagihan KB Carrefour"から
拝啓、編集部殿。わたしはGEファイナンスの発行しているカルフルショッピングカード(Kartu Belanja Carrefour)使用者です。いつもは請求書を月初に受け取っていますが、2008年2月12日にわたしがGEファイナンスのカスタマーサービスに電話して請求書がどうなっているのかを尋ねたところ、請求書は発送済みで2008年1月31日にうちの女中が受け取っているという返事でした。2月12日が請求期限だったことからわたしは大急ぎで1月分の支払いをするためにカルフルの西ジャカルタ市プリインダ店を訪れました。その日の午後になって、請求書がわが家へ届きうちの女中が受け取りました。配達人に尋ねたところ、いつもの配達人は病気で休んでいるとの返事でした。
GEファイナンスが、請求書は発送済みで2008年1月31日にうちの女中が受け取っている、と言った根拠はいったい何だったのでしょうか?うちの女中の名前がなんでそこに受取人として使われたのですか?GEファイナンスは配達人が受け取った受領証のチェックをしたことがあるのでしょうか?あるいは配達人は前月の請求書受取人の名前を勝手に使って、事実無根で虚偽の報告をでっちあげるのでしょうか?
実際にはでっちあげなのに顧客が請求書をすでに受け取ったという報告をGEファイナンスは信じ、顧客が支払期日に遅れたら罰金を科すようなやり方は、顧客の権利をたいへん損なうものです。GEファイナンスからの説明を求めます。[ ジャカルタ在住、ハンディアント・ラハルジョ ]
2008年5月24日付けコンパス紙に掲載されたGEマネーインドネシアからの回答
拝啓、編集部殿。4月21日付けコンパス紙に掲載されたハンディアント・ラハルジョさんからの投書に関して次のようにお知らせします。カルフルショッピングカード発行者であるGEマネーは2008年4月21日にハンディアント・ラハルジョさんにコンタクトして事情を説明申し上げました。請求書は2008年2月12日に受領されています。この問題の解決については既に両者間で合意がなされました。[ GEマネーインドネシアサービスサポート部担当副社長、ムハンマッ・クルニアワン ]


「クレジットカード申請詐欺」(2008年10月24日)
2008年5月13日付けコンパス紙への投書"Cara HSBC Mencari Nasabah"から
拝啓、編集部殿。わたしは普段から北ジャカルタ市のモールクラパガディンにあるファーマースーパーマーケットで日曜生活必需品の買物をしています。2008年4月はじめ、スーパーマーケットのキャッシャーで支払いを終えたわたしに、HSBC銀行の制服を着た女性が近寄ってきて話しかけました。「奥様、さっきの支払にクレジットカードを使われました?」
わたしは「ヤー」と答えました。
するとその女性は更に続けて、「わたしどもHSBC銀行はクレジットカード使用者にバウチャーを差し上げるプロモーションを行なっており、奥様は支払いにクレジットカードを使われたので、奥様の自宅にバウチャーが送られます。ただしそのためには、このフォームにデータを記入した上で奥様のサインをもらわなければなりません。」と言いました。わたしがそのフォームにサインしようとしたところ、サイン欄はメインカード申請者と印刷されたところにありましたのでわたしはその女性に「わたしはクレジットカードの申請をするわけでないのに、どうしてここにサインしなければならないの?」と尋ねました。ところがその女性は、「もし奥様のサインがなかったら、わたしどもはどうやって奥様の自宅にバウチャーを送ることが出来るでしょうか?」と言うので、わたしはサインをしてその女性に渡しました。
それからおよそ2週間後、HSBC銀行からわたしの自宅に電話があり、わたしのクレジットカード申請はいまプロセス中で、その確認のために電話したと銀行職員が言いました。わたしはHSBC銀行のクレジットカードを申請したことは一度もないと説明しましたが、その職員は「銀行側のデータではわたしがクレジットカードを申請したことになっている。」と言い張って聞きません。そしてたいへん奇妙なことに、それから1週間後、HSBC銀行から手紙が届き、今回のわたしのクレジットカード申請は残念ながら承認できないということを通知してきました。本当に吹き出したいくらいおかしな話です。わたしはHSBCのクレジットカードを欲しいとは少しも思っていないというのに。
HSBCの制服を着た女性がバウチャーをあげるという嘘をついてわたしにクレジットカード申請書を作らせたのは詐欺行為であり、ほめられたものではありません。HSBC銀行は自社製品販売に当たって、わたしが体験したような詐欺行為でなくもっと正直でプロフェッショナルな行いをするように求めます。読者の皆さんもわたしのように、HSBC職員に騙されないよう気をつけてください。[ 北ジャカルタ市クラパガディン在住、マリア・コマラ ]


「機械は無謬、人間はただ機械にお仕えするのみ」(2008年10月30日)
2008年5月9日付けコンパス紙への投書"Penjelasan BCA Sepihak"から
拝啓、編集部殿。2008年3月16日、わたしは西ジャカルタ市タマンパルムレスタリのBCA銀行ATMから現金を引き出そうとしました。わたしは50万ルピアを引き出そうとして50万ルピアというボタンを押しましたが、出てきた現金はたったの20万ルピアです。わたしはじっくりとATMマシーンの様子を調べてからこの出来事を届け出るためにハローBCAに電話しました。電話の相手はわたしの電話番号を尋ね、14日以内に回答すると約束しました。
ところが2週間ほど待つ間、BCAから電話の一本もあればこそ、ある日一通の手紙が舞い込んできただけです。その手紙によれば、わたしが現金引出しを行なっていたときATMマシーンも通信回線も良好な状態にあったので、BCA銀行側はわたしが言う30万ルピアの不足分をわたしの口座に入れることはできない、という内容でした。わたしはもちろん、そのような回答に満足できなかったので、3月29日にまたハローBCAに電話し、この問題をきちんと説明できるマネージャーと話がしたいと申し入れました。2008年4月1日にBCA銀行職員から電話がありましたが、その職員は先に受け取っているBCAからの手紙と同じ内容を繰り返すばかりでした。このような問題に対して事件の状況をただ一方的にしか見ようとしないBCA銀行の対応にわたしはとてもがっかりしました。
ATMマシーンとはいえ、ただの機械であり、エラーを起こす可能性がゼロとは言えません。だからわたしの立会いもなしに一方的にATMマシーンを調べただけで、ATMは常に正しいなどとどうして言えるのでしょうか?わたしはATMブースに備え付けの防犯カメラの画像をチェックして現金をなくしたひとりの人間がどれほどうろたえ、また当惑したかその姿を見てくれ、とBCA側に頼みましたが、技術的問題でそれはできないと言われてそれっきりでした。[ 西ジャカルタ市在住、イワン・テナディ・テン ]


「他人の運命に不感症」(2008年11月6日)
2008年5月2日付けコンパス紙への投書"Dirugikan Kartu Kredit BCA"から
拝啓、編集部殿。わたしは2006年にBCAカード保有者になり、2007年に定額返済プロセスに従って同年10月に全額返済を済ませました。最後の返済金額は300,414ルピアでした。完済通知をもらう手続きを行ってその書類を受け取り、またわたしのクレジットカードもクローズしました。わたしはハローBCAにも完済通知書を発行したBCA銀行支店にも完済ステータスを確認し、残高は本当にゼロになっていることを調べてもらいました。ところが2007年11月以来、わたしが銀行ローンを申請してもすべて却下されるのです。それはわたしのBCAクレジットカードが中央銀行で問題にされているためであることがわかりました。
わたしがBCA銀行にこの問題を確認したところ担当者は、中央銀行での問題はまったくわからない、と言います。BCA銀行スタッフでさえBCAから中央銀行への報告のことがわからないのなら、外部者のわたしに何がわかると言えましょうか。わたしは更にハローBCAにこの件について問い合わせたところ、電話番号5721373の内線46612に電話してみてはどうか、とアドバイスしてくれました。
その番号の電話に出た職員が調べてくれたところによると、中央銀行への報告は毎月10日に行なわれており、わたしの完済報告が10日を過ぎていたので報告洩れになったのだそうです。その後中央銀行への報告は出されたそうなのですが、わたしの銀行ローン申請はいまだにBCAクレジットカード問題のために却下され続けています。わたしはずっと以前にクレジットを完済して滞納金などないというのに、BCA銀行はいつまでたってもわたしの名前を中央銀行のクレジット滞納者リストから抹消するための手を打ってくれません。わたしはBCA銀行に損害を与えられているのです。[ ジャカルタ在住、エニ・プルワティ ]


「便利さは犯罪者を悦ばすだけ」(2008年12月2日)
2008年5月19日付けコンパス紙への投書"Tidak Mendaftar, Uang Didebet Lewat SMS Banking"から
拝啓、編集部殿。わたしは3ヶ月ほど前にBNI銀行で口座を開きました。2008年4月17日にわたしはBNI銀行南ジャカルタ市パサルミング支店で自分の口座に2百万ルピアを入金し、5月3日にバンドンとプルウォクルトにいる子供宛にBNI銀行ATMから送金しようとしましたが金額不足でできませんでした。その間わたしは一度もその口座に出し入れをしていないのです。ところが残高を調べたところ、なんと驚いたことに残高は43,007ルピアしかないことが判明しました。
5月5日、わたしがこの問題を調べるためにBNI銀行パサルミング支店を訪れると、職員はわたしに翌日パサルボ支店へ行くように勧めました。パサルボ支店を訪れて調べてもらったところ、わたしが4月17日に入金した2百万ルピアは翌18日にBNIのSMSバンキングで別口座に振返られていたことがわかりました。
わたしはSMSバンキングの申請など出したこともないし、ましてやそのファリシティを使って自分の口座から振替を行なったことさえありません。わたしはそのことを口を酸っぱくしてBNI銀行パサルミング支店職員にもパサルボ職員にも説明しましたが、銀行カスタマーサービス職員はわたしが2007年2月17日にSMSバンキングファシリティをアクティブにしたと主張してわたしの言葉に耳を貸しません。そのファシリティ申請は携帯電話番号0852156XXXXX番を使ってわたしが行なったと銀行職員は言い張るのですが、わたしを含めて身近な人間が使っている携帯電話番号の中にその番号はありません。わたしは被害を蒙ったのです。とても無念ですし、また不思議でなりません。口座所有者本人は貯金通帳もATMも使っていないのに、口座内のお金を何者かがSMSバンキングで掠め取って行くことができるのですから。この掠奪手口は実に超絶技法です。[ 東ジャカルタ市在住、ラティニンシ ]


「不条理はいつあなたを襲うかわからない」(2008年12月4日)
2008年5月23日付けコンパス紙への投書"Citibank Mencemarkan Sepihak"から
拝啓、編集部殿。2001年にわたしはシティバンクのビザクラシッククレジットカードを申請したことがあります。申請してからしばらくたって、わたしの申請が承認されたのでカードをわたしの自宅住所に送ったとの連絡をもらいましたが、家のだれもそのカードを受け取りませんでした。結局カードはシティバンクに戻り、もう一度送ると言われましたがいつまでたっても届きませんでした。
2008年3月、わたしが別の銀行にクレジットカードを申請したところ、わたしの名前がインドネシア銀行ブラックリストに入っているので申請は承認されないとの連絡をもらいました。わたしはどの銀行ともトラブルを起こした記憶がないため、その内容について調べて欲しいと頼み込みました。そしてわたしの名前をブラックリストに入れたのはシティバンクであることが判明したのです。
2008年4月10日にわたしはシティバンクに電話し、自分の住民証明書番号を伝えてわたしのクレジットカード番号を教えてもらい、そして言われた通り南ジャカルタ市ポンドッキンダ(Pondok Indah)のシティバンクにコンタクトしました。するとわたしのデータはムナラジャムソステックの方に移されたという返事です。それでムナラジャムソステックのシティバンクに電話したところ、カードを受け取っていないなどとよく言えたものだという失礼な応対をされたので、それなら受取人がだれだったのか証拠を示して欲しいと要求すると、「あまりにも古いデータなので言えない」と答えるのです。まったくお話になりません。翌日もう一度電話すると違う担当者が出たので、わたしのカードに関する状況を尋ねました。そこでわかったのは、わたしがカードを入手していないこと、アニュアルフィーが897,825ルピア滞納になっているということでした。更にそのアニュアルフィーもわたしがカードを一度も使ったことがないためわたしに請求できないという状態だったのです。すべてがシティバンクの中で起こっている一人相撲であり、わたしに請求すらできないのにわたしが滞納しているなどとよくも言えたものです。シティバンクは一方的に他人の芳名を汚したのです。[ ジャカルタ在住 、メイラン・ヨハナ]
2008年6月12日付けコンパス紙に掲載されたシティバンクからの回答
拝啓、編集部殿。メイラン・ヨハナさんからの5月23日付けコンパス紙への投書について次の通り説明いたします。当方はメイラン・ヨハナさんにコンタクトし、メイランさんが苦情している問題への釈明を内容とする手紙を2008年5月26日にメイランさん宛てに送りました。その手紙は5月29日にご本人に受領されています。
インドネシア銀行債務者情報システムのリスト更新は毎月行なわれていることをお伝えしておきます。他に当方に伝えたいことがありましたら、シティフォンバンキング24時間サービス電話番号(021)2529999あるいは69999(エリアコードなし全国一律、携帯電話用)にご一報ください。あるいはウエッブサイトwww.citibank.co.idのContact Usにどうぞ。[ シティバンクインドネシアカスタマーケアセンター長、ホッマン・シンボロン ]


「襲い掛かった不条理を免れたひともある」(2008年12月5日)
2008年5月15日付けコンパス紙への投書"Bank Teledor, Nama Baik Nasabah Bisa Dikorbankan"から
拝啓、編集部殿。わたしはシティバンククレジットカードの保有者です。2007年11月にわたしはそのクレジットカードをクローズしようとしましたが、1年間アニュアルフィーが無料になるサービスがあるとカスタマーサービス担当者が言うので思いなおしました。そのサービスとは、携帯電話の度数残高が1万ルピアを下回ったら自動的に金額が補充されるというシティバンクサービスプログラムなのです。
2007年11月25日、わたしの携帯電話にシティバンクの自動補充第一回目がなされました。ところが12月に入るとアニュアルフィーの請求が来たではありませんか。わたしが抗議するとその請求は取り消されました。ところがその後もシティバンクからわたし宛てにアニュアルフィーを請求するSMSが入ってくるのです。何度か無視しましたがうんざりしてまた抗議するとSMSは来なくなりました。そして2007年12月14日には2度目の携帯電話残高自動補充がありました。シティバンクの請求書は毎月23日発行なので、わたしは今度送られてくる請求書を待たずにBCA銀行ATM経由でその金額をシティバンク宛てに振り込みました。
ところが驚いたことに、2008年4月28日にシティバンクからの最後通牒がわたし宛てに届いたのです。滞納金額119,833ルピアを至急納めないなら、わたしのカードをブロックするとともにわたしの名前をクレジットカード発行者協会とインドネシア銀行のブラックリストに載せるというのです。それっていったいだれの借金なのでしょうか?わたしがシティバンクに抗議すると、担当者はわたしに滞納金があると強情に言い張り、滞納しているために金利と滞納チャージが上乗せされているのだと言います。でもわたしは滞納があることを通知するシティバンクからの請求書を一度も受け取ったことがありません。それはいったい何のチャージだと言うのでしょうか?
担当者が最終的に明らかにしたのは、なんとアニュアルフィーの滞納だったのです。わたしのアニュアルフィーは免除される約束だったじゃありませんか。シティバンク側のいいかげんな管理のためにわたしの名前がクレジットカード発行者協会とインドネシア銀行のブラックリストに載せられることになったら、ちょっとひどすぎるじゃありませんか。シティバンクのつまらないミスでわたしの芳名が汚されることになるのです。わたしは国営銀行やほかの外国系銀行のクレジットカードも持っているのですから。[ 西ジャカルタ市在住、トリモノ ]
2008年6月5日付けコンパス紙に掲載されたシティバンクからの回答
拝啓、編集部殿。トリモノさんからの2008年5月15日付けコンパス紙に掲載された投書についてお知らせします。当方はトリモノさんにコンタクトして苦情されている問題について説明申し上げました。この問題は当方内部でフォローアップし、社内規定に従って請求されているチャージ類の帳消しを行ないました。[ シティバンクインドネシアカスタマーケアセンター長、ホッマン・シンボロン ]


「他人の親切を信じるととんでもない目に」(2008年12月10日)
2008年5月30日付けコンパス紙への投書"Pencurian Kartu di ATM Mandiri"から
拝啓、編集部殿。ひと気のない寂しい場所にあるATMマシーンにATMカードを挿入するときはよくよく気をつけなければなりません。2008年5月13日、わたしはマンディリ銀行ATMカード泥棒の被害にあいました。
わたしのカードは機械の挿入口で引っかかり、抜き差しならない状態になったのです。するとわたしの知らない男性がひとりやってきて助力を申し出ました。引っかかったカードを中に入れる方法はPIN番号を入力するのだと言うのです。それに従うとその男性はエンターキーを2回押しましたが、わたしのカードはびくとも動きません。そのあとその男性はオートバイで立ち去りました。つまりわたしのPIN番号はその男に覚えられてしまったということです。わたしは引っかかっている自分のATMカードを見張ってしばらくATMブースの中にいましたが、5分ほどたったあと決心して警備員を呼び、そのカードを見張っているように頼んでからマンディリ銀行の店へ行きました。わたしのATMカードをブロックしてもらうためです。
ところがマンディリ銀行職員はとてものんびりと手続きを行ってくれたために泥棒はわたしの口座から現金を引き出したばかりかNISP銀行の何者かの口座にわたしの預金を移し替えてしまいました。マンディリ銀行職員はとてものんびり仕事をして泥棒にわたしの金を盗む機会を与えたばかりか、NISP銀行の振替先口座名義人の住所氏名すら教えようとしないのにはたいへん不愉快になりました。おまけにわたしが被害にあったマンディリ銀行ATMブースには防犯カメラさえ設置されていないのです。
わたしが被害にあったような手口でマンディリ銀行預金者をわなにはめ、その口座からお金を盗むという犯罪が繰り返されないよう、マンディリ銀行は早急に警察と協力して今回の事件を解決するよう真剣に努力してください。この事件でわたしが蒙った損害は小さいものではないのです。[ プカンバル在住、エデン・ニタ ]
2008年6月24日付けコンパス紙に掲載されたマンディリ銀行からの回答
拝啓、編集部殿。2008年5月30日付けコンパス紙に掲載されたエデン・ニタさんの投書について次の通り説明いたします。当方の調査によれば、5月13日にマンディリ銀行ATMカード名義人ホラスマワティさんの息女であるエデン・ニタさんが行ったマンディリ銀行ATMでの出金は正当で問題のないものでした。その出金プロセスには正しいATMカードと正しいPIN番号が使われていました。当方はホラスマワティさんとエデン・ニタさんにお会いして苦情されている問題について説明申し上げ、ご本人たちは当方の説明を了承してくださいました。マンディリ銀行カードを使用されているお客様は、ATMのPIN番号を当銀行職員やコールマンディリ担当者を含めて決して誰にも知らせないようにしてください。[ マンディリ銀行企業秘書、マンシュル・ナスティオン ]


「旅先で贋札をつかまされて警察沙汰に」(2008年12月22日)
2008年6月7日付けコンパス紙への投書"Musibah Paket Liburan Keluarga"から
拝啓、編集部殿。キャセイパシフィックファミリーホリデーと香港ディズニーランドパッケージの宣伝が盛んになされているのを最近よく目にします。大人ふたりと子供ふたりのわたしども一家は、2008年1月にそのファミリーホリデーパッケージを利用してとんでもない災難に遭いました。
2008年1月12日、わたしども一家はファミリーホリデーパッケージプログラムの一環としてディズニーズハリウッドホテルに宿泊しました。夕食のあとホテルのレストランで4百香港ドルを支払ったのですが、なんと思いもよらずそれが贋札だったのです。わたしどもはホテルの宿泊客で身元もはっきりしており、おまけに子供連れであるという事情など完全に無視して、香港ディズニーランドのマネージメントは即座にその出来事を香港警察に通報し、真夜中にもかかわらず、わたしと妻はそのまま警察に拘留されて取調べを受けました。おかげでわたしの親戚が迎えに来るまで、ふたりの子供はホテルのロビーで保護者もないまま放置されました。わたしは三晩香港警察に拘留されてから裁判所の保証で釈放されましたが、家計を受け持っていた妻はわたしどものお金の大部分が妻のバッグにあるということで15日も拘留されたのです。最終的に香港警察は、わたしどもが香港に来る前に立ち寄った廣州で犯罪シンジケートの被害者になっていたことを悟りました。廣州ウエスティンホテルの金庫に預けたわたしどもの金をホテルの不良職員が密かにすり替えていたというのがほぼ間違いない線だと推測されたのです。わたしどもに向けられていた犯罪容疑は取り下げられ、香港裁判所はわたしどもを無罪放免にしました。
香港ディズニーランドはファミリー行楽のチャンピオンと自称していながら、家族的なアプローチよりも保安対応の方が重要だったようです。言うまでもなくわたしどもは幼い子供をふたり連れてファミリー行楽を愉しんでいた一家族なのですから。たった4百香港ドルの得をするために悪事を犯し、子供が悲惨な目に遭うのを気にもかけない親がいるとでも言うのでしょうか?行楽の際に災難に襲われることはあり得るでしょう。でもわたしどもが思いも寄らなかった過失を、ましてやそんな小さな金額のことで、すぐに警察に通報した香港ディズニーランドの振舞いにはたいへん不快な思いを消すことができません。
わたしと妻が警察に拘留されていたため、子供たちはわたしの両親が迎えに来てインドネシアに連れ帰りました。子供たちの帰りのフライトのアレンジをしたとき、キャセイパシフィック側は子供たちの航空券が無効であると言いました。一家四人で乗らないなら無効だと言うのです。わたしどもが陥ちた苦境を説明しても、キャセイパシフィックの家族的で人間的な暖かみに触れることはまったくできませんでした。その結果、わたしども一家のインドネシアへの戻りチケットは全部焦げ付いたのです。[ スラバヤ在住、サントソ・スティアジ ]


「総選挙の年に向かってまた贋札が増加」(2008年12月31日)
昔から総選挙の前年と当年には市中流通通貨に混じる贋札が急増するインドネシア。2009年総選挙年の前年に当たるこの2008年も昔からの伝統を受け継いで贋札が増加していることをインドネシア銀行が報告した。2008年11月の贋札は1.34%だったが12月には2.34%に上昇しているとのこと。ちなみに市中で流通している現金の量は次のような推移を描いている。
               紙幣           硬貨        発見贋札シェア(100万枚中)
2007年12月   218.15兆ルピア    2.64兆ルピア     43枚
2008年3月    196.27兆ルピア    2.67兆ルピア     16枚
2008年6月    221.61兆ルピア    2.73兆ルピア     89枚
2008年9月    267.42兆ルピア    2.82兆ルピア
贋札発見地域でそのエリアにおける贋札流通量が想定できるのだが、2008年8月の中銀データを見てみるとエリア別シェアが激増したのは大都市で、ジャカルタが7月の22%から42%に、スラバヤは11%から22%に、パダンが0.8%から8%に激増していることがわかる。
総選挙の前に選挙運動のための小道具が大量に発注され、Tシャツやピンやステッカーや政党旗などお定まりの小道具に総選挙特需が起こる。それに加えて選挙キャンペーン動員のために日当や飲食品のオーダーも乱れ飛び、さらにマネーポリティックスの実弾まで飛び交うため、膨大な現ナマ需要が起こるのが総選挙の前年と当年の特徴だ。そのようなオーダーを受注するのはたいてい中小零細事業者で、こうして5年毎に零細庶民が特需景気に潤うというサイクルが昔から続けられてきた。各政党はその資金を数年間にわたって蓄え、それをこの5年に一度のお祭りで一気に吐き出すという行動を避ける術もなく行なっている。その流れに乗らずに超然としていれば、選挙のおこぼれにあずかるのも困難になって政界から遠のいてしまうためだ。そんな現金需要の中に贋札が混入されるのである。
地方の寒村で村の衆が集められ、中央からやってきた政党の役員が今度の選挙にはぜひわが党に一票を、と頼んでまわる。モノやカネをくれるひとが善い人であるという社会通念に従って、集めた村人に選挙キャンペーン小道具やアクアにナシブンクス、そして封筒が配られる。村人たちは村人たちで、どの政党がたくさんくれたからそれなりの対応をしてやろうと考えている。これが選挙の実態だからきれいごとで済むはずもない。
そのきれいごとでない選挙の中に、贋札というもうひとつきれいでないモノが混入される。これはまさしく狐狸が行なう化かし合いのひとつにちがいあるまい。贋札を使う人間が悪者なのだという単純な見方でこの問題を解釈するとわれわれはものごとの奥行きを見失ってしまう。インドネシアにおける善悪問題のとらえ方で多くの外国人が陥る落とし穴をここにもわれわれは見出すことになるのである。
贋札問題とは別に、現金紙幣切断行為が最近多発している、とインドネシア銀行通貨流通局長デピュティが語った。インドネシア銀行規則によれば、3分の2以上が残っている紙幣は破損紙幣として完璧な同一額面紙幣と交換することができる。そのために3分の2を下回らないようにして切り取った紙幣は完全な紙幣と交換でき、残った3分の1を2枚集めればまた完全な紙幣と交換できる。このロジックに従えば、10万ルピア紙幣2枚を3分割してやると、その6片で10万ルピア紙幣が3枚手に入るということになる。そのような行為を行なう人間が最近増加している、とデピュティは述べている。



「ダブル請求は忘れた頃にやってくる」(2009年1月21日)
2008年5月15日付けコンパス紙への投書"Waktu Simpan Pembayaran PAM"から 拝啓、編集部殿。わたしの住宅地ではもう何年も前から、水道料金請求明細の中にその月に支払わなければならない金額と、そしてその下に滞納している金額が表示されています。金額はさまざまで、数十万ルピアのときもあれば数百万ルピアにのぼるときもあります。ところがその滞納というのはなんと、前世紀の1990年代までさかのぼるものすらあるのです。
会社やオフィスカテゴリーでなくメディアムクラス家庭利用者(2A3)の区分にあるわたしは、既に支払った料金請求明細を何ヶ月もあるいは何年間も保管するようなことをみんながしているとは思えません。その月の支払が終わったらそのまま、あるいはせいぜい2〜3ヶ月後にみんなそれを捨てているのではないでしょうか。故意であろうがなかろうが、ほとんどの家庭がそうしているようにわたしは思います。
わたしはたまたま2003年以後の請求明細を2008年5月25日支払期限分まで完全に保管していたのですが、最新の料金請求明細には2000年や2001年の未払い分が請求されており、わたしの手元にはそれを支払った証拠が残っていません。しかしわたしは過去に請求された金額はすべて完済しており、わが家の水道に給水停止措置が与えられたことはただの一度もありません。わたしはPT Aetra Air Jakarta旧名PT Thames PAM Jayaに回答を求めます。毎月の支払済み料金請求明細はいったいいつまで保管しなければならないのでしょうか。これはわたし以外にも大勢の水道利用者にとって重要な情報となるでしょう。2007年8月23日以来わたしの顧客ステータスは「暫定停止/レギュラー」と記されていますが、過去一年間わたしはたとえ1万数千ルピアであっても請求金額を支払い続けているのです。[ ジャカルタ在住、リドワン・イドリス ]
2008年7月1日付けコンパス紙に掲載された水道会社からの回答
拝啓、編集部殿。リドワン・イドリスさんからの2008年5月15日付けコンパス紙に掲載された投書には、PT Aetra Air Jakartaに支払った証憑をいつまで保管すればよいのかという質問が出されています。アエトラからの請求書にはふたつの情報が記載されていることを説明します。
請求書にある情報がその支払証憑をいつまで保管しなければならないかを決めるポイントになるのです。情報のひとつはアエトラが既に受領した金額、そしてもうひとつの情報は水道利用料金の滞納額です。既に満額が支払われて滞納金額がない場合、顧客は支払証憑を保管する必要はまったくありません。まだ疑問がございましたら、アエトラ24時間コンタクトセンター電話番号5772010まで、顧客番号をお申し出の上でお問い合わせください。当方はその二種類の情報をチェックしながら顧客の質問にお答えします。[ PTアエトラアイルジャカルタPRマネージャー、デフィ・イェアンヌ ]


「地に堕ちた商道徳」(2009年3月16日)
2008年8月13日付けコンパス紙への投書"Etika Dagang Mundur, Konsumen Dirugikan"から
拝啓、編集部殿。いまやわが民族のモラル低下は社会生活における秩序や礼儀といった側面からだけでなく、商業倫理面においてもひしひしと感じ取ることができます。計量器、はかり、メーターなどはもはや公正な測定具と見なすことができません。長さ・重さ・容量などは好きなようにごまかされ、ますます何もできなくなっている世間の民衆を、騙すと言って悪ければ、愚昧するのに使われているのです。世の民衆は消費者としていったいどれだけ保護されているのでしょうか。
いまや日々の暮らしの中で小中規模商人から大規模製造会社に至るまで、監督当局から何の措置も受けずに本来のサイズや容量を好き勝手に小さくしています。リットル・キログラム・メートルなどの単位は正しく使われていません。一般消費者向けガソリンスタンドで売られているガソリン1リットルは実際には1リットルより少なく、6x15x400cmという板材はその表示と実寸が違います。一番でたらめになっているのは鉄材のサイズで、88mm、10mm、12mmなどの表示と現物は大違いであり、14mm鉄板の厚みは12mm少々で、16mm鉄板の厚みは14mmなのです。ところがそんな寸法表示ラベルは生産工場が公式に付けているものであり、奇妙奇天烈のきわみなのです。
そのようなことがらは国民に対する詐欺行為ではないのでしょうか?政府と産業界が用いている国家規格の役割はどうなっているのでしょう?われわれの商業は倫理を忘れ去ったのでしょうか。容量を偽るのは法律違反にあたらないのでしょうか?この国における商業のあり方を正すべき権限と能力を持つひとびとの心に、この一文が少しでも関心を呼び起こすことができれば幸いです。[ 西ジャワ州クニガン在住、ジュハリ・カルナウィサストラ ]


「それでも計量はごまかされている」(2009年3月27日)
2008年8月21日付けコンパス紙への投書"Pasti Pas di SPBU Pertamina"から
拝啓、編集部殿。わたしはテレビを見ていて、インドネシアで石油燃料を独占的に取り扱っている国有事業体プルタミナの「必ずぴったり(Pasti Pas)」宣伝を何度も目にしました。一般ガソリンスタンドでも「必ずぴったり」宣伝をよく見かけます。その宣伝は多分プルタミナが消費者に「必ずぴったり」ロゴのあるガソリンスタンドで給油するよう勧めているということなのでしょう。そこがこの宣伝のフザけたところです。
「必ずぴったり」ガソリンスタンドがあるということは、「必ずぴったりでない」スタンドがあるという理屈になります。言い換えれば「必ずゴマカシ」スタンドや「必ず掠め取る」スタンドがあるのです。販売者はぴったり一致した量を購入者に渡す義務があるというのに。消費者に損失を与えるどんな少量の不足も絶対にあってはなりません。
石油燃料生産者であり販売者でもあるプルタミナは、「必ずぴったりでない」販売者を厳しく取り締まらなければなりません。「必ずぴったり」宣伝を派手に行なっていれば良いというものではないのです。その宣伝費用だって小さい金額ではないでしょうに。
宣伝を掲げるよりは措置を取りなさい。「必ずぴったり」宣伝費用は壊れた小学校の校舎を補修するために使ったらどうでしょうか?[ ジャカルタ在住、ウィウィン・イスティアルコ ]
2008年9月1日付けコンパス紙に掲載されたプルタミナからの回答
拝啓、編集部殿。ウィウィン・イスティアルコさんからの8月21日付けコンパス紙に掲載された投書に対して次の通り説明いたします。一般ガソリンスタンドの業務とサービスの規準は2006年以降プルタミナが定めた標準業務手順書に即して行なわれています。プルタミナの標準業務手順書であるプルタミナウエイは5つのフォーカスをカバーしています。すなわち、スタッフ・設備と施設・製品と追加サービス・質と量・物理的フォーマットの5つなのです。2009年に「必ずぴったり」ガソリンスタンドを1千店にするのが当方の目標です。「必ずぴったり」サーティフィケートをまだ得ていないガソリンスタンドが「ぴったりを行なっていない」ということではありません。計量器検定局による検査は必ず受けていますし、そのようなスタンドは監査を前にして業務内容を整えているのです。
「必ずぴったり」宣伝費用を国民教育プログラム支援のために使えとのご指摘については、ご心配に及びません。プルタミナは独自に、奨学金、コンピュータ・机・椅子その他の教育設備、医薬品、校舎補修などについて国民教育支援特別プログラムをいくつかの町で実施しています。プルタミナが支出した教育支援資金は2005年が108億ルピア、2006年96億ルピア、2007年166億ルピア、そして2008年は3月までで65億を支出しています。[ プルタミナ通商販売局マネージャー、ハリス・ブディアルト ]


「総選挙年の贋札増加にご用心」(2009年4月29日)
総選挙の年には贋札が増加するというのがインドネシアでは定説になっている。2009年総選挙はどうだったのだろうか?その結果を語るのはまだ早すぎる気がするのだが、投票が終わってまだ間もないいま、インドネシア銀行副総裁が最新状況を明らかにした。「2004年は真札1百万枚に対して贋札が7枚あった。2007年は8枚になり、2009年は1〜4月のデータだが、それが9枚になっている。増加はしているが決して顕著な増加とも言えない。毎回総選挙時には流通通貨量が10〜20%増加するため、贋札使いもそのチャンスをとらえて利用しようとする。」
2008年に発見された贋札は26,456枚で額面総額は1,547,755,000ルピアだった。一方2009年の4ヶ月間に発見された贋札は15,569枚で、その額面ごとの明細は次の通り。
10万ルピア紙幣 5,552枚
5万ルピア紙幣 3,993枚
2万ルピア紙幣 5,827枚
1万ルピア紙幣 5枚
5千ルピア紙幣 192枚
インドネシア銀行は贋札情報センターを新規に設けた。その名もBank Indonesia-Counterfeit Analysis Center。警察捜査を含めて発見されたすべての贋札ルピア紙幣に関する情報はここで集中管理されることになる。ちなみに2008年に警察捜査で摘発された贋札事件の州別件数は次のようになっている。
州 / 事件数 / 容疑者数
ジャカルタ首都特別区 / 33 / 48
西ジャワ州 / 32 / 50
バンテン州 / 15 / 16
東ジャワ州 / 2 / 9
中部ジャワ州 / 1 / 10
北スマトラ州 / 1 / 4
南カリマンタン州 / 1 / 5
西カリマンタン州 / 1 / 5
リアウ州 / 1 / 2
バリ州 / 1 / 1
ゴロンタロ州 / 1 / 3
南スラウェシ州 / 1 / 1
贋札作りのメッカといわれた東ジャワでの摘発が意外に少ない。


「計画的雇用詐欺!?」(2009年5月1日)
バンテン州セラン県チカンデ郡にマルリという男がやってきて、PTクリスナジャヤマンディリの支店長だと名乗った。PTクリスナジャヤマンディリは繊維会社で、チカンデで製糸工場を経営して地元民を雇用する計画だと説明した。「この工場で働きたいひとは申し出てくれ。正社員になりたいひとは250万ルピア、日給雇用者は100万ルピア、出来高契約者は50万ルピア。それが最低金額だ。」グローバル経済危機で働き口が減っており、これまで働いていた職場を失ったひとも数多い住民たちは、即座にその話に乗った。
ところで、マルリの言った金額を賃金報酬だと思ってはいけない。インドネシアのように失業率が高くて雇用機会の乏しい国では、ひとの雇用は売り物になる。需給関係によってものごとは価値を持つようになるという市場資本主義の黄金則にこれほど敏感なひとびとは世にも稀なのではないだろうか。それは品物や金銭などに限定されず、機会というものにまで適用され、おまけに公私の枠組みまでお構いなしなのだから。上の金額は、雇ってもらいたい者はそれだけの金を払えということを意味しているのだ。マルリは続ける。「正社員の月給は103万ルピア、日給は賃金一日2万ルピア、出来高報酬は撚糸1キロにつき250ルピアだ。」大勢の住民がマルリのもとに金を持ってやってきた。かれらはPTクリスナジャヤマンディリの従業員になった。
2009年1月にPTクリスナジャヤマンディリは従業員を集めた。場所はチカンデ郡シトゥトラタイ村のチカンデプルマイ住宅地の中にある民家。ここが工場だと言われてみんな怪訝な顔。
ともかく作業が始まり、従業員たちはその民家で仕事する。昼食は会社が現物を出してくれるから、従業員はともかく出勤すればよい。そうしてひと月経ちふた月が経過し、製品はどんどん出荷されて行くが月給も日給も出来高報酬も一度も支払われたことがない。従業員仲間のだれに尋ねても、賃金をもらったという声がまったく聞かれないのだ。「工場ができてまだ間がないものだから、まだ十分に資金の用意ができていない。でも必ず支払われるから心配はいらない。もう少しのしんぼうだ。」マルリ支店長はそう言って従業員をなだめる。
ところが4月上旬のある日、チカンデプルマイの工場がたたまれ始めた。従業員はまたまた驚く。「チカンデ工場は閉鎖になった。タングランのチソカに移転する。周辺住民がこの工場の存在を拒否して閉鎖を求めたんだ。」
従業員はもちろん新工場で働いてもらうとマルリは言ったが、地方農村部住民はそんな遠距離を自費で通勤しようなどと考えないのが普通だ。こんなケースでは会社側が通勤バスを用意するよう監督当局が指導するわけだが、PTクリスナジャヤマンディリがそんな待遇を従業員に与える気配はさらさらない。
それから一週間、これは仕組まれた詐欺ではないか、と考える者が増加した。インドネシア福祉労組同盟セラン支部の助けを得て、従業員たちはセラン警察にこの事件を訴え出た。従業員たちが雇ってもらうためにマルリに渡した金の領収書が集められた。451枚あったその領収書の金額を集計したところ、総額は15億ルピアを超えた。しかし従業員の数はもっと多く、領収書をもらっていないと言う者も少なからずいることから、マルリがそのプロジェクトでチカンデ住民から手に入れた金はもっと巨額なものだろうと見られている。おまけに数ヶ月間工場作業に来ていた従業員にあてがわれていた昼食をPTクリスナジャヤマンディリは1ルピアもケータリング業者に支払っていなかった。


「老母への凄まじい押し売り」(2009年5月4日)
2008年9月29日付けコンパス紙への投書"Ibu Sepuh Dibujuk Beli Kompor"から
拝啓、編集部殿。2008年9月12日、70歳の老母はPTロニンドウタマから電話をもらいました。母に景品が当たったので、メダン市プトリヒジャウ通りのロニンドウタマまで取りに来なければいけない、という知らせです。有頂天になった母がロニンドウタマを訪れたところ、そこで繰り広げられたのは大勢のセールスマンとセールスガールが寄ってたかって母に399万ルピアの電気式卓上コンロを買わせるための説得と阿諛追従でした。
それを買わせる小道具としてかれらはクーポンを持ち出してきて母にそれをこすらせ、出現した『お買物バウチャー100万ルピア』という文字を示して母はそのたいへんお買い得なコンロを更に100万ルピアも安い値段で買えるようになった、と説得を続けました。そして更に、景品としてあれもつけましょう、これもつけましょう、と母のまったく必要としていない小物を出してきたのです。
母はそのとき10万ルピアしか持っていなかったのですが、セールスガールふたりが阿諛追従を並べ立てて家まで付添い、家にある現金から銀行口座まで問いただしました。そして母が年金を受けるために使っているBRI銀行口座の通帳を持って母と一緒に銀行まで赴き、母が何ヶ月もかけてコツコツと貯めた200万ルピアの金を全額引き出したのです。結局ロニンドウタマはかれらが売りつけたかった商品を母に渡して母の金210万ルピアを全部取り上げました。
そのことを知ったわたしはすぐかれらの品物を返すためにPTロニンドウタマを訪れましたが、かれらはあれこれと理由をつけて母の金を返そうとしません。あげくの果てにゴロツキを呼び入れてわたしを脅かしたのです。[ メダン在住、アグストゥア・シトンプル ]


「カードデータはこうやって盗む」(2009年5月15日)
2008年9月20日付けコンパス紙への投書"Pembobolan Kartu Carrefour BCA"から
拝啓、編集部殿。2008年9月10日、わたしの携帯電話にVISAカード発行者協会のアルフィンと名乗ってコンタクトしてきたひとがいます。最近クレジットカードを受取ったかと尋ねるので、申請していないとわたしは答えました。ところがそのひとが言っているのは、数ヶ月前にわたしが受取ったBCA銀行発行のカルフルクレジットカードのことだったのです。そしてこれまでクレジットカード使用で困ったことはなかったか、カード保有者になってどのくらい経つのか、わたしのカードの期限はいつか、クレジット限度はいくらか、といったことを質問しました。最後にクレジットカードの確認をしたいと言い出し、わたしのカード番号の頭の4桁の数字を言いました。それは正しい数字でした。次の4桁も正しい数字でした。そうしてから、その次の番号を続けて言ってみてくれ、とわたしに言ったのです。わたしはとっさにピンときました。『これは詐欺だ』。わたしは言いました。「そこまで細かくデータを持っているのに、なんでわたしに尋ねるの?」電話は即座に切れました。
わたしはすぐにハローBCAに電話して、わたしのカードをブロックし口座を閉じるよう求めました。ところがわたしのカードは既に破られていたことが判ったのです。2008年9月4日と7日に東ジャカルタ市チュンパカマスのカルフルで不正使用されており、もっと凄いことに9月10日もチュンパカマスのカルフルでわたしのカードによる買物がなされたという報告が入ってきました。わたしのBCAカルフルカードはその前のカルフルショッピングカードの期限が来たので、カルフルダアンモゴッ店で申請したものでした。わたしのカードを不正使用した買物はすべてカルフルで行なわれています。
カード保有者のデータがいったいどうして外部の人間にそれほど簡単に漏れるのか、他人のクレジットカードの不正使用に対する検証と承認がどうしてそれほど簡単になされるのか、関係当局の一考を促したいと思います。わたしのオリジナルカードはずっとわたしの手中にあるのですから。[西ジャカルタ市カリドラス在住、イェニー・ウィダディ]
2008年9月30日付けコンパス紙に掲載されたBCA銀行からの回答
拝啓、編集部殿。2008年9月20日付けコンパス紙に掲載されたイェニー・ウィダディさんからの投書について説明いたします。既に本人にお知らせした通り、イェニーさんが苦情されているカルフルチュンパカマス店で行なわれた買物に対する請求は、今後の請求書の中に記載されないことを再確認申し上げます。
BCAカード保有者は、BCAクレジットカードを名目にアクセスしてくるさまざまな詐欺行為に絶えず警戒してください。かれらはBCA銀行と提携していると言い、BCA銀行クレジットカードを通してメリットのある買物ができると消費者に誘いかけ、トラベルエージェントやクレジットカード協会を詐称してホテルや旅行バウチャーあるいはディスカウントカードがもらえるメンバーシップへの加入をオファーします。そして消費者が興味を示すとかれらはカード読取り機を持って参上してくるのです。[ BCA銀行広報マネージャー、ドゥイ・ナリニ ]


「政治利権詐欺」(2009年6月9日)
インドネシアにおける政治というものの本質をさらけ出すような事件が摘発された。もちろん政治というもののユニバーサルな本質は多かれ少なかれそのようなものではあるのだが、公私という要素や対金銭態度という要素あるいは対人関係といった要素などにインドネシア特有の色付けをするときっとこのような形に至るのではないだろうか。読者諸兄はここからどのような社会心理の特徴を見出すのだろうか?
2009年5月後半、国家警察本部犯罪捜査庁第一広域保安局は、選挙がらみで多数の人間から数千億に上る金を騙し取っていた詐欺グループのメンバーを各地で次々に逮捕した。5月25日現在でその数は13人にのぼり、警察はあと2人の行方を追っている。その13人の中には夫婦者が数組おり、また個人で加わっている女性もいた。かれらはそれぞれが特定の役割を担い、整然と犯行を繰り返してきた。かれらの役割分担は、偽造KTP(住民証明書)を用意する者、偽造KTPで銀行口座を開設する者、政府機関から情報を集めてくる者、ターゲットの電話番号を探り出す者、そしてターゲットに電話をかける者などに分かれており、電話をかける者は名を騙った人間の声色を巧みに真似たそうだ。そして詐取した金が口座に振り込まれたなら、そこから金を全額引き出して口座を閉める。かれらはBRI・BNI46・マンディリ・BCAなどの銀行を使っていたらしい。またこの一味から押収した偽造KTPは2百枚にのぼっている。警察はこの一味を有能な犯罪シンジケート組織だと評している。
さて、一味がターゲットとして狙う人間は、大規模プロジェクトを欲しがっている事業家・地位や高官職を望んでいる役人や政治家・特定の政治的な何かを得たいと思っている者などで、そのために政府機関に近付いて入札情報・高官の人事異動・官憲に洗われている高官や実業家あるいは既にクロとされた者などの情報を探り出してくる。さらにそれらの人間の立場や環境の詳細を把握した上で狙いを定めた人間の電話番号を調べ上げ、そして電話を使ってコンタクトする。コンタクトする者は今回の大統領選に出馬する三候補カップルのいずれかのサクセスチームだと名乗り、選挙費用の寄付をターゲットに求めるのである。中には正副大統領候補者の声帯模写も行なわれたことだろう。コンタクトされた者は、その候補者が大統領に就任した暁には自分の不運が好転し、大繁栄の日々が待ち受けていると考えて高額の拠出に応じるという寸法だ。
一味が得た金の中には一件で200億ルピアがブルネイから送金されてきたというケースもあり、この口座は警察が早々に凍結した。この一味はもう何年も前から詐欺行為を続けており、選挙シーズンでなくとも政治利権にからめた詐欺のネタは尽きないということのようだ。この手の詐欺事件は決してこの一味の専売特許ではなく、似たようなことがこの選挙というイベントにからめて掃いて捨てるほど大勢の詐欺師によって行なわれているため、警察は国民に重々警戒するよう呼びかけている。


「話の最初から騙されているのでは・・・?」(2009年6月22日)
2008年10月27日付けコンパス紙への投書"Menginap Lewat Kartu Kredit"から
拝啓、編集部殿。2008年1月、ジャカルタの旅行代理店PTグローバルウィサタブアナのアレックスと名乗るひとから電話が来ました。5スターホテルに無条件で宿泊できる50人のひとりにわたしが選ばれたというのです。ところがかれらはわたしの承諾も得ないでわたしのクレジットカードから4百万ルピア超もの金額をひそかに引き落としていたのです。
電話の数日後、その旅行代理店からわたしの住所宛に宿泊券・航空券引換券・案内パンフレットが送られてきました。宿泊券は4枚あり、1枚が一泊となっています。このプログラムで使えるホテルリストが添えられており、条件は本当に何も記載されていませんでした。一方航空券引換券のほうは特定航空会社について、国民の休日などの祝祭日のフライトには使えないという条件がありました。
ルバラン休暇にバリで4泊の休日を楽しもうと考え、リスト内ホテルのひとつを選んで早急に一室を予約するようわたしは2008年9月10日にその旅行代理店にファックスを送りました。ところがいつまで待っても返事がなく、一週間が空費されたのでわたしはジャカルタへ長距離電話を入れました。その旅行代理店のホテル予約担当だと名乗るストリスマンさんにそのファックスの内容を問い合わせたところ、あれやこれやとさまざまな理由をあげてわたしのリクエストを困難にするばかりです。結局バリでの家族プログラムは実現しませんでした。わたしはこのサービスにお金を払っているというのに、こんな対応はまるで騙された思いです。[ スラバヤ在住、スワルニ・ロニタ ]


「勝手に業務を作り出す積極派従業員」(2009年6月25日)
2008年11月1日付けコンパス紙への投書"Jebakan Makan ala KA Bima"から
拝啓、編集部殿。2008年10月18日土曜日、わたしは鉄道のほうが快適だろうと考えて中部ジャワ州プルウォクルトへの帰省にはじめてビマ号を利用しました。ジャカルタのガンビル駅を発車したあと、わたしはすぐに眠ってしまいました。およそ1時間くらいたってから、わたしは食堂乗務員に起こされました。その乗務員は肉を一皿と飲物を差し出しましたので、わたしはそれが国鉄の夕食サービスだと思ってそのまま受取りました。
わたしがそれを食べ終えてしばらくしてから別の乗務員がやってきて、その肉と飲物の料金を請求したのです。実に奇妙な思いでした。わたしはそれを注文していないのにお金を払わせられるのですから。他の乗客も何人かわたしと同じ目にあってボヤいていました。その乗務員は客の苦情を適当にあしらうだけで、頑として支払いを要求します。かれらは確かにただ業務を遂行しているだけなのでしょう。乗客を罠にはめて注文もしていない飲食物の料金を支払わせる方針を定めたのはきっと上の人にちがいありません。
国鉄経営者はそのような販売方針を変更しなければなりません。まず夕食サービスパッケージ外のメニューを持った乗務員を車内に巡回させ、注文を取り、そしてはじめて注文のあった飲食品を注文主に届けるのです。車内TVで夕食はご飯とおかずのセットだと放送してあり、それ以外は有料だという言い訳は適切でありません。国鉄経営者は乗客が全員その放送に注意を集中していると思っているのでしょうか?すべての乗客がそんなことをするはずがないでしょう。一部のひとは荷物の整理に没頭し、あるいはおしゃべりし、またわたしのようにすぐ寝てしまうのですから。[ プルウォクルト在住、ワヒユ・ジャッミコ ]
2008年11月21日付けコンパス紙に掲載された鉄道食堂業者からの回答
拝啓、編集部殿。ワヒユ・ジャッミコさんからの2008年11月1日付けコンパス紙に掲載された投書について、ワヒユ・ジャッミコさんに謝罪申し上げます。当方不良職員の似非サービスで迷惑を蒙ったワヒユさんや他の乗客のご不満は十分に理解できるものです。
ビマ号のサービス運営者であるPTレスカアレアジャカルタは、その日のビマ号に乗務していた当方職員に厳しい警告を与えたことを含めていくつかの改善措置を行ないました。この措置ですべての従業員に懲罰の効果が表れることを期待しています。[ PTレスカアレアジャカルタ・サービスジュニアマネージャー、エディ・スリヤナ ]


「家の中に入る押し売りの手口」(2009年6月29日)
2008年11月28日付けコンパス紙への投書"Regulator Gas Dirusak"から
拝啓、編集部殿。2008年11月6日、プルタミナから来たと自称する男のひとがうちへ来ました。最初そのひとは、いつ頃からガスを使っているか、コンロやガスボンベの手入れはどうやっているか、ガス調節器の取扱いはどうやっているか、といったことを質問してきました。そしてそのあと、とうとうそのひとは「Blue Gas」ブランドのガス調節器を取り出してうちのガスボンベに取り付け、それを使ってテストを行なったのです。うちのガスボンベも調節器もまだ新しいものだと説明したにもかかわらず。
そのひとは勝手に取り付けたガス調節器を買うよう強く要求しましたが、わたしは断りました。わたしがどうしても折れようとしないので、そのひとは結局あきらめてまたうちの調節器に付け替えましたが、ドライバーでうちの調節器をあれこれいじくりまわしたのです。数日後、うちのガス調節器の針が動かなくなり、プルタミナと称してやってきたあのたちの悪い男に壊されたことが明らかになりました。
「Blue Gas」ブランドのガス調節器生産者とその流通関係者は、消費者に迷惑をかけないような方法で製品を販売してください。消費者がその品物を買いたくないという場合は、その家にある消費者所有の調節器を壊すようなことをせず、大きい心でその事実を受け入れてください。またセールスマンには正しい販売方法についての教育を行なってください。ところで、セールスマンがオファーしたその品物の価格は、一般に販売されているものよりかけ離れて高いものでした。もし本当にプルタミナがそれを推奨しているのなら、どうしてそんなに高いのですか?[ デポッ在住、サリ ]
2009年1月7日付けコンパス紙に掲載されたPT Blue Gas Indonesiaからの回答
拝啓、編集部殿。サリさんからの2008年11月28日付けコンパス紙に掲載された投書に関して、弊社登録商標に対する違法行為が行なわれていることをお伝えします。ご指摘のあった事件でガス調節器のブランドは「Blue Gas」となっていますが弊社の商標は「Blue Gaz」であり、調節器の販売はガスコンロにガスボンベ・調節器・ホース・クランプをセットにしたパッケージの中に組み込まれていて、全体として高い安全性を確保する方式になっています。ガスの再注入やスペアパーツはPTブルーガスインドネシアが指定した公認代理店やディストリビュータが取り扱っています。弊社の商品を直接消費者に販売するためにいずれかの機関と提携したことは一切ありません。ましてや問題の事件では、セールスマンはプルタミナの名前を出し、消費者の調節器を壊しているのです。
Blue Gaz販売者は常にBlue Gazの制服を着用している公式販売員です。もし消費者がおかしな、あるいは不審な事態に遭遇した場合は、(021)48702079(内線147)に電話してください。あるいは081380088833宛てに「BG 名前 住所 メッセージ/苦情」の形式でSMSを送ることも可能です。[ PTブルーガスインドネシア製品ブランドマネージャー、モハンマッ・スダルモコ ]


「非情!弱いと見られたら食い物にされるだけ」(2009年7月10日)
2008年12月4日付けコンパス紙への投書"Ibu dan Cucu di Bandara Minangkabau"から
拝啓、編集部殿。2008年11月15日、わたしの母は1歳の孫を連れて西スマトラ州ミナンカバウ空港からジャカルタへの空の旅を行ないました。チェックインのとき、手荷物のパッキングサービスを職員がオファーしてきました。手荷物はすべてきちんとパックされているので母はそのオファーをきっぱりと断りましたが、その職員はそうしなければならない決まりになっていると言ってしつこく押し付けてきます。結局母があきらめて成り行きにまかせると、その職員は手荷物1個あたり4千ルピアの料金を請求してきました。大勢がいる中でその問題の議論をするのが面倒だった母は、仕方なく請求金額を払いました。ところが嫌な出来事はそれだけで終わらなかったのです。2階に上がるとまた似たようなことが母を待ち受けていました。エアポートタックスを支払ったというのに、職員は州政府への寄付金5千ルピアとジャシンド搭乗保険の支払を強制したのです。それらは支払わなければならないものなのだと言って。母は最初それらの支払を拒否しましたが、職員たちはまたまた幼い孫を抱えた老婆にしつこく食い下がったのです。
一週間前わたしはミナンカバウ空港からジャカルタに向けて飛行機に乗りました。しかし母に手荷物パッキングをオファーした空港職員を見つけることができませんでした。わたしは2万5千ルピアのエアポートタックスを払っただけで、それ以外の出費をいっさい蒙りませんでした。これはいったいどういうことなのでしょう?旅慣れしていない年寄りの姿を見かけると、空港の不良職員はそれを食い物にしようとして寄ってくるのでしょうか?わたしがきわめて残念に感じているのは、支払った金額についてでなく空港職員の勤務姿勢についてです。孫を抱えて苦労している老婆を助けこそすれ、それを食い物にしようなんて・・・・。[ ジャカルタ在住、ウィウィッ・ブルハン ]


「正しいメーターはどこにある?」(2009年7月22日)
2008年12月31日付けコンパス紙への投書"Meteran SPBU yang Menipu?"から
拝啓、編集部殿。2008年12月8日10時、わたしは南ジャカルタ市ビンタロのクセハタンラヤ通り15番地にあるガソリンスタンド34−12306番でプレミウムガソリンを自動車に給油しました。わたしの自動車は2007年3月製トヨタイノバGタイプでエンジンタイプは1TRです。イノバの説明書には、ガソリンタンクの容量は55リッターと書かれていますが、ガソリンスタンドで満タンにしたところ給油ポンプのメーターは63.8リッターと表示されました。イノバの説明書とガソリンスタンドのメーターと、いったいどっちが正しいのでしょうか?説明書が正しいのであれば、ガソリンスタンドのメーター検量は不正があるということでしょう。[ タングラン在住、ルッフィ・プトラ ]


「セールスと詐欺は紙一重」(2009年7月23日)
2008年12月19日付けコンパス紙への投書"Ancaman Keributan Penagih Danamon"から
拝啓、編集部殿。ダナモン銀行クレジットカードのテレマーケティング担当者の口車に乗せられたわたしは、2008年8月からダナモン銀行クレジットカード保有者になりました。ところが2008年8月以来請求書が一度もわたしの手元に届きません。わたしはダナモンコールセンターに何度も電話しましたが、粗野な応対・あれやこれやの言い訳・フォローするという約束などを聞かされただけです。そしてある日ダナモン銀行デットコレクターがコンタクトしてきて未払い金をすぐに返済せよと迫ったのが事件の頂点でした。わたしは請求書を見せてくれと自分の権利を主張しましたが、かれらはわたしの事務所で騒ぎを起こすぞと言ってわたしを脅かし、結局わたしはそれに負けてかれらの言う金額を支払ったのです。11月24日、わたしは再度ダナモン銀行コールセンターに電話して請求書を送るよう要請しましたが、その担当者はまたまた粗野な応対をし、わたしが連絡なしに勝手に住所を変更したと批難したのです。しかしわたしが毎回コールセンターに電話すると、わたしのアイデンティティデータや請求書送り先住所はすべて正しい内容が確認されているのです。ダナモン銀行のサービスにわたしは強い不満を抱いており、テレマーケティング担当者の詐欺にあったように感じています。[ ジャカルタ在住、アデンタ・ウィチャクソノ ]


「警察署長を騙る詐欺師」(2009年8月15日)
警察が捕えた人間を金づるにするのは「拘置所で殴られたくなかったら・・・」(2009年08月06日)の記事にも見られる通りだが、その原理が詐欺のネタに使われるのだから、生き馬の目が抜かれてもなんら不思議のない世界がここにあるということだろう。
2009年6月21日夜、アグス・マウラナ33歳と友人のスクリは北ジャカルタ市パドゥマガンで酔っ払っていた。酔客の集まるあいまい屋にはサンディ21歳とその仲間たちもいて、気分がどうこじれたのか、アグスとサンディは口げんかを始めて行き着くところは実力行使の修羅場となった。アグスとスクリはサンディをブチのめしたのでサンディはかなりのダメージを負ったが、その喧嘩が終わらないうちにパドゥマガン署員が現場にやってきてアグスとスクリを連行した。
アグスとサンディの家族の間で和解が成立し、アグスの側はサンディの治療費として140万ルピアを相手方に提供した。それやこれやでバタバタしているところに警察を自称するダニーという男がアグスの母ヌルヤティ50歳にアプローチしてきた。5百万ルピアで事件をもみ消すことができると言う。息子を早く拘置所から出してやりたいという一心でヌルヤティは金の工面にかけずりまわったが、3百万ルピアしかそろわなかった。警察の要求する金額は無理だとヌルヤティはダニーに言ったが、ダニーは警察からの連絡を待てと言って去った。
7月8日、パドゥマガン警察署長からヌルヤティに電話があった。「アグスはすぐ釈放してやるから、都合のついた金をチプトマグンクスモ病院内のBNI46銀行ATMに近いところにあるゴミ箱に置け。」そう言われたヌルヤティは金を持って中央ジャカルタ市チプトマグンクスモ病院へ行く。そして病院の救急治療室に近いBNI46銀行ATMの脇にあるゴミ箱の中に3百万ルピアを置いた。するとパドゥマガン警察署長からまた電話が入り、ヌルヤティに同病院の駐車場へ行くよう命じた。しかし駐車場にはだれもいなかったためヌルヤティは急いで金を置いた場所に戻ったものの、3百万ルピアの金は既にあとかたもなかった。
ヌルヤティはこの事件を中央ジャカルタ市警パサルスネン署に届けたが、スネン署は証人がひとりもいないため届出を受け付けていない。またパドゥマガン警察署長もヌルヤティとの関係を否認しており、ヌルヤティは手の込んだ詐欺にしてやられたようだ。


「善人それとも悪人?」(2009年8月24日)
2009年8月7日深夜、テロリストとしてお尋ね者となっているマレーシア国籍者ノールディンMトップの中部ジャワ州トゥマングンにある隠れ家を襲撃した反テロ特殊部隊デンスス88はふたたび脚光の只中にある。そしてデンスス88がバンテン州で捜査を行なっているとの噂が巷で盛んになっていることから、バンテンのなりすまし詐欺師にも暗躍の機会が増えている。
マウラナユスフスタジアムで友人たちと遊んでいたバンテン州セラン市タマンロパインダ住宅地に住む中学生アフマッ・アジ・ジュアンダ15歳のところに、デンスス88隊員と名乗る若い男がやってきてあれこれ質問をはじめた。そしてひとわたり質問を終えた帰り際にその男はアフマッに携帯電話を出すよう命じた。アフマッがそれに従うと男は「これはオレが預かっておく。」と言ってアフマッの携帯電話を持ったまま立ち去った。デンスス隊員が理由も言わないでどうして携帯電話を持って行くのか?怒りに駆られたアフマッはセラン市警に事件を届け出た。
アフマッの携帯電話番号に電波を送って居場所を割り出したセラン市警はルバッ県ランカスビトゥン郡ムアラチウジュンバラッ村まで赴き、早朝に自宅の外の道端でしゃがんでいるアフリザル19歳を重要参考人として市警本部に連行した。アフマッの携帯電話器はアフリザルが持っていたのだ。警察の取調べに対してアフリザルはこれまで他人の携帯電話器を21回略取したことを認めた。被害者の大半は中学生だった。アフリザルは取調べ官に対して、子供が生まれてくるので仕方なく犯行を繰り返した、と自供した。
アフリザルの妻はもう8ヶ月の身重な体で、その出産費用を作るために仕方なく行なっていたことであり、奪った携帯電話を売り払って得た金は、生まれてくる赤児のためのベビー用品購入に一部を使い、残りは妻の出産費用のために貯蓄にまわされていたそうだ。家族のために金を稼ぐ一家の大黒柱のその行動は善なのか悪なのか?


「餓狼の群れ」(2009年9月7日)
「警察署長を騙る詐欺師」(2009年8月15日)の被害者ヌルヤティを食い物にしようとする者たちの暗躍はまるで餓狼の群れを思わせる。前記事より多少詳しいプロセスが明らかにされたので、この事件をもう一度追ってみよう。
パドゥマガン警察署が息子のアグス・マウラナ33歳と友人のスクリを拘留したため、アグスの母ヌルヤティは息子の早期釈放を願ってまずアグスとスクリが虐待したサンディ21歳の家族と和解をはかることにし、サンディ側に治療費140万ルピアを渡して和解書を作り、字役と隣組長の連署をもらってパドゥマガン署に届けようとしたが、そのときカタップという名の男が警察との仲介を売り込んできた。ヌルヤティはスクリの父親ソリヒンと一緒にカタップの案内でパドゥマガン署を訪れてダニーという警察署員に面会した。
最初、四人は署内の一室で話していたが、カタップが突然ヌルヤティとソリヒンに座を外してくれと言い、しばらくカタップとダニーの間で密話が取り交わされた。10分後にその一室から出てきたカタップはヌルヤティとソリヒンに対し、被害者との和解が成立したのだからこの問題の善処に尽力するので5百万ルピアを用意してくれと警察側が言っている、と告げた。しかしヌルヤティとソリヒンにはもう3百万ルピアを用意するしかできない。ふたりはそれが限度だとネゴしたが、相手はびた一文まからない、と突っぱねた。そうしてそのあと、7月8日の展開となる。
せっかくの3百万ルピアの金をチプトマグンクスモ病院で失ってしまったヌルヤティが帰宅すると、誰かと電話していた隣人がヌルヤティに話しかけた。
「もう250万ルピアを用意すれば事件調書のアグスとスクリの犯行内容を別の軽いものに書きかえることができるので、ふたりの処遇はもっと軽いものになり早く釈放される、と警察が言ってるよ。」
「なにそれ・・・?あんた誰と電話してるの?」
「この相手はパドゥマガン警察署員だそうだ。」
「わたしゃまるっきり法律音痴だけど、もうお金はないのよ。あったとしても1ルピアも払わない!」
ヌルヤティの供述に従ってカタップを逮捕し取り調べた北ジャカルタ市警本部はこの詐欺事件について、5百万ルピアの詐取はカタップがたくらんだものと見られるがまだ証拠を収集している最中だ、と本部長が表明した。その供述の中に登場したダニー警部はその日大統領選挙投票日特別警戒で警戒任務に就いており、ヌルヤティとの接触はなかった、と本部長は述べている。ヌルヤティ夫人自宅電話番号を知っているパドゥマガン署員もおらず、ヌルヤティに対する詐欺事件はパドゥマガン署のまったくあずかり知らないところだ、とのこと。 詐欺師に名前を騙られたと言うワワン・スティアワン、パドゥマガン警察署長は、この種の詐欺事件は珍しいものではないので市民は警戒するように、と呼びかけた。「当事者同士の間で和解が成立すれば行なわれた行為は帳消しになるという理解をしている市民が多いがそれは誤解だ。ましてや取調べが行なわれたのにその事件を帳消しにできるような警察官がいるわけがない。」署長はそう語っている。


「ATM機詐欺師一味が捕まる」(2009年10月5日)
タングラン市警は2009年9月30日に市内繁華街のショッピングセンター内にあるBNI銀行ATM機を使って詐欺を行なっていた一味3人を逮捕した。この種のATM機詐欺犯罪の手口はまずブース内に虚偽のコールセンター電話番号の記されたステッカーを貼り、ATM機に入れたカードが中に入ったまま出てこないように仕掛けをしてATM利用者がやってくるのを待つというもので、この手口にひっかかった利用者は当該銀行のコールセンターと思って電話をかけるが実は詐欺師一味がその電話からPIN番号を聞き出し、利用者をブースから去らせてからATM機内のカードを取り出して被害者の口座からごっそりと現金を引き出すという方式の犯行だ。これは数年前から全国各地で大勢の詐欺師がひしめきあう犯罪の一つになっている。
警察が逮捕した3人は35歳のチビノン住人、32歳のチマンギス住人、35歳のクラパドゥア住人で、もうひとりリーダー格の35歳の男は行方をくらましている。警察はおとり捜査でこの詐欺師一味を逮捕した。一味は狙いをつけたATM機のカード挿入口や排出口にマッチ棒で障害物を設けてATM利用者のカードが中に入ったまま出てこないようにしたり、あるいは偽造カードリーダーを取り付けてカード排出口をプラスチックで塞ぐ。自分のカードが呑み込まれて困った利用者がブース内に貼られているステッカーの電話番号に電話すると詐欺師一味のひとりが銀行職員に化けてそこに登場するという筋書きだ。偽装銀行員は利用者からPIN番号を聞き出し、明日連絡すると言って利用者をそこから去らせたあと、利用者のカードをATM機から取り出してごっそり現金をいただくという犯行をこの一味は繰り返してきた。被害者はたいてい3千万から7千万ルピアを詐取されている。この一味は2008年から18台のBNI銀行ATM機を使って総額7億ルピアを手に入れていた。


「公共料金支払領収書を捨てる市民は狙い目」(2009年10月7日)
2009年2月20日付けコンパス紙への投書"Tagihan PAM Enam Tahun Lalu"から
拝啓、編集部殿。わたしの親は1984年以来の首都公営水道会社PAMジャヤ利用者です。最近、水道会社職員ふたりがわが家を訪れて、2003年7月と2005年5月の水道料金が滞納されていると言って支払いを求めました。わが家はこれまで毎月25日までに必ず水道料金を支払っており、それを怠ったことは一度もないため、家中が驚きました。
水道会社職員は、もし支払ってあるのなら領収書を見せろと要求し、滞納を続けるのなら上水供給を停止すると言ったのです。でもそんな古い領収書なんて、いったいどこにしまってあることやら。PAMジャヤのこんなやり方は消費者に困難をもたらすものです。奇妙なことに、わが家周辺一帯の住民はほとんどみんな、2003年と2005年の滞納請求を受けています。
2003年の滞納をどうしてその年の内に利用者に通知しないのですか?2009年になってから滞納請求をするというのはいったいどういうことですか?PAMジャヤの管理システムはどうなっているのですか?[ 北ジャカルタ市クラパガディン在住、デシ・ブリ ]
2009年3月7日付けコンパス紙に掲載された水道会社からの回答
拝啓、編集部殿。2009年2月20日付けコンパス紙に掲載された、2003年7月と2005年5月の滞納金を2009年になって請求されたと苦情されているデシ・ブリさんの投書に関して説明致します。残念なことにデシさんは利用者管理番号も自宅の完全な住所も書いていないため、詳細な情況をお伝えすることができません。
一般的な説明を申し上げると、当方は過去の未払い分を不定期に請求するというようなことを行なっておりません。2003年と2005年の未払い分があれば、それは必ず過去に請求されています。そしてそれに対する支払いがなされなければ、いつまでも当方の未払い請求管理対象となっています。
PTアエトラアイルジャカルタの上水供給利用者のみなさんは、利用料金請求書を受取ったとき、前月分の支払いを弊社が受取ったかどうか確認している点に注目してください。そして滞納欄に未払い分が記載されているかどうかについても。
もしアエトラ側の支払受領確認があり、また滞納欄がブランクであれば、利用者はその領収書を長期に保管する必要がありません。利用者はアエトラ24時間コンタクトセンター電話番号5772010に利用者番号をお申し出の上でお問い合わせください。[ PTアエトラアイルジャカルタ広報マネージャー、マルジー・トゥンブラカ ]


「客を騙せば売り手は儲かる」(2009年10月15日)
2009年2月18日付けコンパス紙への投書"Penawaran Asuransi Penerbangan di Bandara"から
拝啓、編集部殿。2009年1月19日月曜日午前7時45分にわたしはスカルノハッタ空港ターミナルAから出発しました。いつものようにエアポートタックス支払窓口を通過したあと、乗客に搭乗保険を勧めるセールスたちの声がかかりました。飛行機の乗客に搭乗保険を勧めるのは、リスクに対する補償を増やすという意味で決して悪いことではありません。しかしこれまでわたしが感じていたのは、ブミアシジャヤ保険会社のセールスたちが行なっている販売手法は乗客を欺いているという印象なのです。セールスたちはやってくる乗客に対して大声で呼びかけます。「チケットはこっちですよ。チケットをこっちに持ってきてください。行き先はどこですか?チケットをこっちに。」
飛行機に乗った経験の乏しい乗客は、エアポートタックスのように、保険クーポンを買うのも飛行機に乗る際に行うべき搭乗手続きのひとつだと思ってその呼びかけに応じるのです。それどころか、かれらは自分が何を買ったのかということすら認識していないのではないでしょうか。そのような売り方は道徳的でしょうか?セールスたちは自分が売っているものを正直に乗客に知らせるほうがよいのではありませんか?「保険はこちらです。保険をかけましょう。」というように。
そうすることによって乗客は自分が何を買っているのかがはっきりわかります。空港管理者はいま行なわれている不明朗な販売行為を取り締まり、乗客に対する詐欺販売のような印象を払拭してください。[ 東ジャカルタ市在住、J シマヌンカリッ ]
2009年2月28日付けコンパス紙に掲載された保険会社からの回答
拝啓、編集部殿。J シマヌンカリッさんからの2009年2月18日付けコンパス紙に掲載された投書について、不快なできごとにお詫び申し上げます。弊社はスカルノハッタ空港から商業フライトを利用する搭乗客に保険料1万ルピアで搭乗保険を販売していますが、強制的に販売されるべきものではありません。
シマヌンカリッさんが指摘されたできごとのフォローアップとして当方は現場の販売担当者に対し、より礼儀正しい方法でブミアシジャヤ保険会社の搭乗保険加入を乗客に勧めるよう強い警告と指導を与えました。[ PTアスランシジワ・ブミアシジャヤ、マルドゥッ・シタンガン ]


「ニセデータで世の中が動いている」(2009年11月17日)
2009年3月18日付けコンパス紙への投書"BII Tidak Bertanggung Jawab"から
拝啓、編集部殿。昨年以来わたし宛にBIIカードセンターからルシアナ・スガンスという名の人を尋ねて何度も電話やSMSが届くようになりました。しかしわたしはそんな名前のひとを全然知りませんし、わたし自身がBIIのサービスを一度も求めたことがなく同銀行との関係は皆無です。わたしはファックス・Eメール・電話などで何度もBIIにコンタクトし、その女性のものとされている携帯電話番号はわたしのものであることを説明してBII職員の行為に苦情を表明しています。
ふたりのBII職員から銀行内データベースを更新しますという言葉を聞いていますが、しばらくたつとまたBII銀行職員からの電話やSMSが入ってくるのです。最新のBIIからのコンタクトは2009年3月2日のもので、クレジットカード実効担当者からわたしがクレジットカードを受取ったかどうかを尋ねてきました。
BII銀行ほどの大銀行がこんな些細な問題の解決すらできないのです。わたしは煩わしいBII銀行職員からの電話やSMSをいつまで辛抱して相手にしなければならないのでしょうか?BII職員の約束は無責任な口から出まかせの言葉ですね。[ ジャカルタ在住、アリ・スタント ]


「シンガポールのインチキ商人」(2009年12月25日)
2009年3月6日付けコンパス紙への投書"Pengalaman Buruk Belanja di Singapura"から
拝啓、編集部殿。わたしは最近シンガポールへ行ってオーチャードロードのラッキープラザを見て回り、ブラックベリーボールドにとても廉い値付けをしている電気店がいくつかあるのに関心をひかれました。インドネシアでの価格よりも廉いのでわたしはそれをふたつ、ラッキープラザB1/63のMP店でおみやげに買い求めました。オーチャード界隈の店、中でもラッキープラザでショッピングする場合、外国人に対してインチキが頻繁に行なわれているから気をつけるようにと友人たちから言われていたので、わたしは自分が買う商品を仔細にチェックし、不足しているものがないかどうか確かめ、テストまで行なった上で持ち帰ったのです。
インドネシアに戻ってそのブラックベリーを登録しようとしたところ、その品物は別の国の別のオペレータに登録されていることが判明しました。しかしわたしがそれを購入したとき、その品物はまるで新品のように整然と包装されていたのです。インドネシアのオペレータが保留ステータスにしたこのブラックベリーが中古品だったことはまず間違いありません。このブラックベリーは携帯電話として使えるだけで、ブラックベリーのフィーチャーは生産者のRIMがすべてブロックしていました。
わたしは販売者の電話番号をまだ持っていたので国際電話をかけ、少々ハードな会話がなされたあと先方は最終的に新品と交換することを申し出てきましたが、その中古品を店まで持ってくるようわたしに言うのです。結局わたしはふたたびシンガポールに出かけて新品と交換するのに成功しましたが、エクストラのメモリーカードを法外な値段で売りつけられました。
私のこの体験を読者と共有して、シンガポールでのショッピングに十分な警戒心を持つよう奨めたいと考えます。このようなインチキが行なわれたとき、外国人被害者の側に立って保護してくれる機関はありません。もっとひどいことに、かれらは警察に届け出られることをすこしもおそれていないのですから。[ ジャカルタ在住、バグスジャヤ ]


「水道メーター詐欺」(2010年2月2日)
2009年4月20日付けコンパス紙への投書"Periksa Meter Air dengan Ancaman"から
拝啓、編集部殿。わたしは上水道利用者です。2009年2月半ばに水道メーター検針員がそれまでの使用量を記録しました。その一週間ほどあとに水道会社職員と名乗る男がメーターを調べたいと言ってわが家を訪れたのに驚かされました。わが家の水道メーターは異状があるので取り替えなければならず、わたしは水道会社本社に訴えられて数百万ルピアの罰金を蒙ることになると言うその男の言葉にわたしは不審を覚えました。水道会社の資産である水道メーターをいじくったり他のものにすげ替えたりなどわたしは一度もしていないと反論するとその男は、じゃあ表明書を書いてくれとあれこれ文書を作るようわたしに命じました。文書を作ったあとわたしはコピーを取りたいと言いましたが、その男はわたしの言葉を無視してそれらの文書を持って立ち去りました。
その後わたしが耳にした情報によると、同じような手口の詐欺が北ジャカルタ市ジュンバタンドゥア通りやジュンバタンガンバン通り一帯で行なわれているそうです。わたしは今回その詐欺にひっかからなかったわけですが、水道会社のワル社員が行っている新手口の詐欺に読者のみなさんは重々警戒してください。
疑問がひとつあります。水道会社の顧客データベースや記録帳を検診員が車外に持ち出しているのはいったいどういうことですか?そして検針日でない日に検診員が利用者の家にやってくることについても。詐欺師社員がわが家へ来たのは午前7時20分ごろの就業時間外だったので、その男は社員でなかったのかもしれません。また水道メーター検針員が頻繁に入れ替わるのはどうしてですか?かれらは正規の社員ですか、それとも委託契約者なのですか?[ 北ジャカルタ市プンジャリガン在住、ダルマワン ]
2009年5月8日付けコンパス紙に掲載された水道会社からの回答
拝啓、編集部殿。ダルマワンさんの2009年4月20日付けコンパス紙に掲載された投書に関して、当方職員の業務態度がお気に召さなかったこと並びに当方社員になりすました不審な人間がお宅を訪れたことに対してお詫びを申し上げます。ダルマワンさんのアイデンティティが当方の顧客データベースに見当たらないことや住所が不明瞭な上に電話がつながらないこと、北ジャカルタ市プンジャリガンのジュンバタン?エリアは広いことなどのために当方はダルマワンさんからの苦情をより深くフォローし検証することができません。
水道メーターに故障があると思われる場合、当方はメーターを交換して故障の状況とその原因の分析を行ないます。そして現行手続に沿ってその問題を決着させるため顧客に召喚状を送ります。
顧客の皆さんはパリジャ職員になりすまして詐欺のチャンスを狙っている犯罪者に警戒してください。そのような犯罪者は現場で支払いを要求したり個人口座への振込みを命じますが、当方の内規はすべてのパリジャ(Palyja)に対する支払は顧客連絡事務所(Kantor Hubungan Pelangganでの支払あるいは当方会社口座への振込み、もしくは銀行・郵便局・巡回サービス車などを通しての支払を定めています。パリジャ職員は現場での支払い領収権限がいっさい与えられておりません。パリジャは支払者に必ず領収書を与えています。
メーター検針員の現場業務では、検針結果を記録するためにその顧客の住所が明記されたメーター検針票を必ず持参します。検針員は毎月定められたスケジュールに沿って顧客の住所を訪れます。そして検針員は三ヶ月ごとに担当地区が変更されます。検針員はパリジャ協力会社の正社員です。
顧客の苦情は、24時間コールセンター電話57986555あるはパリジャのEメールアドレスcare@palyja.co.id及びウエッブサイトwww.palyja.co.idにどうぞ。[ PT PAM Lyonnaise Jaya企業コミュニケーション責任者、メイリタ・マルヤ二 ]


「シンガポールドルの贋札がクパンで流通」(2010年2月12日)
東ヌサトゥンガラ州クパンのマンディリ銀行で両替されたシンガポールドル紙幣が贋札であったことをマンディリ銀行デンパサル支店が発見した。クパン支店での真贋鑑定は失敗だったようだ。
2009年12月にジャカルタとクパンの事業家がシンガポールを訪れた。かれらが使ったSドル紙幣が贋札であったことをシンガポール警察はかれらが帰国したあとで発見し、インドネシア国家警察に連絡してきた。国家警察はその情報をもとに捜査を開始し、ジャカルタで数人の容疑者を逮捕してSドル贋札作りシンジケートを洗い出した。そこで明らかになったのは、クパンにもこのシンジケートメンバーがいるということであり、捜査の手はクパンまで及んでここでも容疑者数人が逮捕されている。その中には贋札を両替して4億ルピアを手に入れ、その金で高級車を購入した者もあるとのこと。クパンでは既に40億ルピア相当の贋札Sドル紙幣がかれらの手から市場に流されているようだ。


「半日で5億ルピアを稼ぐ催眠術詐欺師」(2010年2月18日)
北ジャカルタ市スンプルバル(Semper Baru)の住人サルネリ・ハイディル55歳が2010年2月4日正午過ぎにコジャ市場で買物していると見知らぬ人間に突然背中を軽く叩かれて話しかけられた。「この近くに孤児院はありませんか?お金を寄付したいのですが・・・・。」
サルネリは背中を叩かれた拍子に意識がうすぼんやりしてしまい、魂の抜けたような状態になってしまった。サルネリに話しかけた男は「案内してください」と言ってサルネリを道路脇に停まっているトヨタアバンザに誘った。ふたりが車に乗り込むと、車内にいたふたりの男がサルネリにロレックスの腕時計を買うように奨める。サルネリは男たちの奨めるがままに「買う、買う。」と言う。男たちは車でサルネリを家まで送った。
家に着くと男たちは支払のために預金通帳と銀行カードを持って来いとサルネリに命じ、サルネリは諾々とそれに従ってBNI銀行の通帳とカードを男たちに差し出した。男たちが立ち去ってからしばらくして我に返ったサルネリがすぐに警察に届け出たところ、BNI銀行に預けてあったサルネリの預金8千万ルピアは空っぽになっていることが警察の調べで判明した。
同じ日の14時半ごろ、北ジャカルタ市警プンジャリガン(Penjaringan)署に催眠術詐欺の届出があった。被害者はプルイッ(Pluit)住むウン・チアッファン50歳で、かの女は4千6百万ルピアの現金を納めるために銀行に向かっているところだった。
そのときひとりの男がハルコへの道順をかの女に尋ねた。ハルコで待っている友人にロレックスの腕時計を売りに行くのだと話し、そして腕時計を取り出してかの女に見せた。「奥さん、これを買わないかね?」と男は言ったが、かの女は断った。すると別の男がそこへ通りかかり、「その時計を買いたい。」と言って割り込んできた。ところが自分はルピアを持っていないと言い、かの女に向かって率のよいレートで自分の持っているドルと交換しないかと誘いかけた。そのときもうひとりの男がかの女の背中をポンと叩き、かの女の意識は朦朧となった。
そのあとかの女はやすやすと三人の男にあやつられ、BCA銀行の口座にあった2億ルピア、パニン銀行の預金2億ルピア、そして手持ちの現金4千6百万ルピアをすべて持ち去られてしまった、というのが届出の内容。
警察はその二つの事件が同一犯人グループのしわざだと見て、捜査を開始している。


「モンキービジネス」(2010年2月26日)
ある山間の村に実業家然としたボスとその使用人がやってきた。村奥にある山にはサルがたくさんいる。ボスは村人を集めると言った。サルを生け捕ってくれば一匹10ドルで買い上げる。村人たちは、こりゃあいい話だ、と思った。
翌日たくさんの檻を積んだトラックがその村にやってきて、使用人はその檻を広場に積み上げたから、村人たちはこりゃあホントの話だと信用してさっそくサル狩のために山に入った。
生け捕られたサルがどんどん村の広場に運ばれ、ボスと使用人はサルを運んできた村人に約束どおり一匹あたり10ドルを払った。こうしてしばらくその村はサル景気に沸いた。しかしサル人口は無限でないから、だんだんと収穫が減ってきた。中にはもっと遠くの山へ逃げ出したサルもいるにちがいない。
サルの生け捕り成果がほそぼそとしたものになってきたのを見たボスはまた村人を集めて言った。「サルはもういないのか?まだいるだろうが・・・。よし今日から一匹20ドルにするから、もっと真剣にサルを集めてくるように。」
その言葉に力付けられて村人たちは山の隅から隅までサルを探し、中にはもっと奥の山まで遠征する村人も出た。ボスと使用人はまたまたサルを生け捕ってきた村人に約束どおり一匹20ドルを支払った。こうしてまたしばらくは村のサル景気が規模を縮小しながらも続いたが、収穫切れは前回よりもっと早くやってきた。
二三日成果がゼロという日が続いたから、ボスはまた村人を集めて言った。「ほんとうにサルを全部捕まえたのか?まだ探していない場所は本当にないのか?一匹50ドルに値上げするから、ありったけのサルを集めるように。ところで町に戻る用事ができたから、わしはしばらく村を離れる。だが心配はいらん。わしがいない間でも、サルを捕まえてくれば使用人が一匹あたり50ドルを払うから。」
そうは言われても、近隣の山の状況を熟知している村人たちは、もう本当にサルが一匹もいなくなったことを周知していた。さあ、どうするべえ、としわを寄せた額を集めて相談するが、なかなかよい知恵は出てこない。そんな村人たちの様子を見ていた使用人が主だった村人数人を集めて耳打ちした。「あんたたちが集めたサルはたくさん檻の中に入っている。どうだいオレがあんたたちに一匹30ドルでそのサルを売ってあげようじゃないか。あんたたちはオレから買ったサルをボスに50ドルで売ればいい。ボスは約束を守る男だから、決して損することはないよ。オレももうあのボスとはこれでサヨナラだな。」
村人たちはこのいい話に飛び乗った。なけなしの金をはたいて自分たちが生け捕ったサルを買う。借金してまで金を作って持ってきた。こうしてこれまで集めたサルは一匹残らず村人が買ったから、使用人はその金を手にして村を去った。
村人たちはボスが町から、今日戻るか明日は戻るか、とクビを長くして待ったが、いつまでたってもボスは村に戻ってこなかった。


「1千万個流通している違法ガスボンベ」(2010年3月8日)
政府が唯一補助金をつけている3kg入りLPG(燃料用プロパンガス)のボンベで政府の定めた品質規準と管理手続に従っていない違法品が大量に国内に出回っており、それを知らずに使った消費者が事故に遭うという事件が増加している。3kg入りLPGボンベの品質規準はSNI(インドネシア製品規格)で定められているが、政府の統制を受けていない違法品は国定品質規準を満たしていないので安全性に問題がある。
商業省は国内市場に流通している違法品を1千万個と見ており、この状況は事故発生のリスクもさることながら、国内ガスボンベ生産者の事業に多大の困難を与えるものだ、とコメントした。低所得層国民の燃料消費を灯油からLPGに転換させる政策の中で政府は3kg入りボンベ生産者70社を指定業者としており、その生産能力は合計月産1千万個にのぼる。ガスボンベ生産者の業界団体は3kg入りボンベの違法品が市場に多数出回っていることを発見して詳細調査を行った。商業省に提出された報告書によると、違法品はPTクラカタウスチール社製の標準鋼板を使っておらず、またガスボンベ生産プロセスで不可欠な圧力対策も取っておらず、ペンキ塗りも粗雑であり、手抜きの超低コストで作られているとのこと。粗悪品質であるためにガス漏れ事故が起こりやすく、最近多発しているボンベの破裂事故と無縁でない、とその報告書は結論付けている。
違法品は正規品より5千ルピア廉く売られているが、違法品生産者は数層倍の利益を得ているはずだ、と鋼鉄容器産業協会会長は述べている。違法品はすでにプルタミナのLPG供給代理店や販売店にかなり浸透しており、協会はプルタミナ・国家警察犯罪捜査局・工業省の協力を得て現場での違法品摘発に乗り出す構え。


「内容を読ませないで相手にサインさせる手口」(2010年3月15日)
2009年5月1日付けコンパス紙への投書"Apartemen Boulevard Agung Sedayu"から
拝啓、編集部殿。アパルトメンブルヴァルの居住予定者としてわたしは何度もデベロッパーのアグンスダユのやり口に裏切られた思いを抱いています。売り出し中に言われた約束を守ろうとしないのです。アグンスダユのマーケティング担当者アグス氏は2008年12月にユニットを引渡しするとわたしに約束しましたが、建物の建築工事が終わっていないことを理由に引渡しは期日通りに行なわれませんでした。アグンスダユ側は電話でユニット引渡しが2009年2月になると言ってきました。ところが現場チェックを行なったところ、またまたデベロッパー側はわたしを裏切ったのです。売り出し中に約束したエアコン2台が、契約書に書かれていないという理由で取り付けられていませんでした。その契約書はデベロッパーのアグンスダユ側を一方的に有利にするものだったのです。
契約書の内容を十分読まないでサインしたのはわたしがバカでしたが、それは契約書が膨大な内容でとても小さな文字でプリントされており、契約書を出されてからサインするまでに与えられた時間はほんの少しで、契約書を持ち帰るのもコピーすることもデベロッパーは拒否したからです。おかしなことに、この法治国家にいながらアグンスダユ側は問題解決に裁判所を経由することすら軽視しています。不動産購入予定者はデベロッパー、特にアグンスダユの口車に乗らないよう警戒してください。[ ジャカルタ在住、イマン・スドラジャッ ]


「ATMから贋札」(2010年3月24日)
2009年6月19日付けコンパス紙への投書"Uang Palsu ATM Niaga"から
拝啓、編集部殿。2009年5月10日日曜日、わたしと妻子は東ジャカルタ市ラワマグンのアリオンプラザへ買物に行きました。プラザに入る前わたしはまず共同ATMでお金を引き出しました。というのは、わたしの持っているのがマンディリ銀行ATMカードだったからです。普通特に問題はないのですが、そのときわたしはニアガ銀行共同ATMを使い、5万ルピア紙幣で100万ルピアを出金しました。アリオンプラザ内のラマヤナで子供服を買ったとき、わたしが払った5万ルピア紙幣の中に贋札が4枚あると言ってレジ係が受け取りを拒否しました。
翌5月11日、わたしは最寄のニアガ銀行を訪れてATM出金証憑を示し、贋札を交換してほしいと頼みましたが銀行側は責任のなすりあいを行い、それは銀行側の責任ではないと言って応じてもらえませんでした。ニアガ銀行の利用者に対するサービスはそんなものなのですか?[ ジャカルタ在住、レジェ・ルキト ]
2009年7月1日付けコンパス紙に掲載されたニアガ銀行からの回答
拝啓、編集部殿。6月19日付けコンパス紙に掲載されたレジェ・ルキトさんからの投書についてお伝えします。この問題解決のために当方はレジェ・ルキトさんにコンタクトしようと努めていますが、投書に書かれた住所でレジェさんを探しても見つかりません。当方はレジェさんにEメール14041@cimbniaga.co.idあるいはコールセンター電話番号14041にコンタクトしてくださるようお願いします。[ PT Bank CIMB Niaga広報ヘッド、ディナ・スタディ ]


「トヨタ自動車部品のニセモノ」(2010年4月22日)
国家警察本部がトヨタ自動車部品の贋造品を都内7ヶ所の店で押収した。これはトヨタ自動車からの訴えで行なわれたもの。トヨタ側法律代理人は、トヨタ自動車部品のニセモノは国内諸都市のどこでも容易に見つけることができる、と次のように語った。「特に多いのは需要の大きいスペアパーツで、さまざまなトヨタ車種用エアフィルターやオイルトランスミッションフィルターがもっとも一般的だ。それらのほとんどは中国か台湾製のもので、PTトヨタアストラモトルはトヨタ自動車部品販売の10%が贋造品に蝕まれている、と見ている。」
トヨタ純正部品のインドネシア国内販売は年間1.2兆ルピアに達するので、その10%は1千2百億ルピアということになる。警察は国内で有名ブランド品のニセモノが流通している問題について、国内に入ってくる輸入品の商標権に関する統制が法務省知的財産権総局によって取られる必要があるのではないかとコメントしているが知的財産権総局長は、贋造ブランド輸入品に対する措置は税関の権限であり法務省は税関からの要請にもとづいて協力することしかできない、と語っている。「ニセモノかどうかが判断できるのはブランドオーナーであり、税関にせよ当方にせよ、疑わしいと思われたケースに対して調査をかけているに過ぎない。そこで贋造品であることが判明した場合に限って水際での法的措置が加えられる。」どうやらそれが実態であるということのようだ。


「シチズン計算機のニセモノ」(2010年4月22日)
2010年3月上旬、国家警察本部が首都警察・東ジャワ州警察・バンドン地方警察などと共同で全国主要都市での贋造シチズン計算機一斉摘発を行い、多数の商店から偽造品と見られるシチズン計算機数千個を押収した。警察の一斉摘発作戦は日本のシチズン株式会社からの訴えに応じて実施されたもので、インドネシア人弁護士である同社の法律代理人がその作戦に随行した。
ジャカルタでの作戦はパサルスネン・パサルパギ・グロドッなどの商店街およびプルイッにある倉庫一ヶ所が捜査された。スラバヤではパサルトゥリ・パサルアトムとクブラウォン地区にある倉庫、バンドンではチバダッ通りの商店が捜査の対象となった。贋造計算機は中国とタイから不法輸入されたものと見られ、シチズンはそのニセモノの国内流通でインドネシアにおける売上が激減し、数十億ルピアの損害を蒙ったと表明している。インドネシアでオリジナル品は1個9万ルピアで販売されているが、ニセモノは1個4〜5万ルピアと半額で売られており、外見がそっくりなので消費者は廉いものを買ってしまう。オリジナル品のインドネシア国内販売代理店はPT Eltrotamaで、同社は青い輪の中にELTという文字の入っているマークをホンモノの印として商品の裏側に表示している。以前は保証書にホンモノマークを表示したが、贋造品にニセモノ保証書が添付されたために意味がなくなり、現在は商品に表示するように変えたとのこと。贋造品は廉いだけに長持ちせず、すぐに壊れるそうだ。贋造品が市場にあふれていることにエルトロタマ側は最初気付かず、あるとき消費者が保証期間中の修理を要求して計算機を持ち込んだときにその商品と保証書のすべてがニセモノであることが判明し、今回警察が行った一斉手入れに発展したとのこと。


「なんでも詐欺のネタになる」(2010年5月15日)
2010年2月20日付けコンパス紙への投書"Iklan Mobil Dijual Palsu"から
拝啓、編集部殿。2010年2月11日のコンパス紙に掲載された「自動車売りたし」の広告に、わたしの自家用車2007年製ホンダCRVが載っていました。プレート番号や住所は正しいデータになっていますが、連絡先電話番号0817−608 4547にはまるで心当たりがありません。これはわたしが出した広告ではないし、わたしはその車を売却する意思を少しも持っていません。
わたしが購入希望者のふりをしてその連絡先に電話してみたところ、その広告は虚偽のもので広告主は他人の資産を悪用して利益を得ようとする犯罪者であることが判明しました。その広告を見てわたしの家を訪れた購入希望者は、そのような詐欺目的で出されている虚偽の広告はたくさんある、と言っていました。[ 東ジャカルタ市在住、シルビア M ]


「女詐欺師、口車一つで金集め」(2010年5月28日)
マイムナ通称ムムンは2010年4月に中央ジャカルタ市プトジョウタラとプトジョスラタンの両町にやってきて、住民のご婦人たちに低金利でひとり2百万ルピアの融資が用立てられる、と吹聴してまわった。その融資は数行の銀行が行なっているもので、この融資勧誘は自分が請負い、4人の手下が都内各地を勧誘にまわっている。返済は毎月18万ルピアを12回納めるだけだ。いますぐ申し込まないと融資枠がなくなりまっせ〜。
例によって例のごとく、金を借りるのも景品をもらうのも先に金を相手に渡すのが常識になっているインドネシアでは、実に頻繁にその常識が詐欺の手口に使われる。金を借りたい人は受付管理費を2万ルピア払えと言われると、それが低金利という利益を得るための先行投資だと思ってそれを払う。円滑金を払えば結果を早く享受できるよと言われれば、腐敗文化の国ではそれが当たり前になっているからそれにも応じる。高く払えばほかのひとより早くしてもらえると思って余分に払う人も出る。ご婦人たちはひとり3万から8万ルピアの金をムムンに渡した。受付手続きのためにKTPとKKのフォトコピーも渡した。融資金は5月5日・10日・15日におりるから、とムムンは約束したが、それ以来ムムンはそこへ一度も顔を出さなくなった。ムムンに金を渡したご婦人たちはおよそ150人にのぼったようだ。
さて5月15日を過ぎて、ムムンから融資金を受取ったという話がだれからも出ないことが明らかになると、あれは詐欺だったのだという思いが全員の脳裏を埋めた。被害者たちは額を集めて相談し、ムムンをおびき出そうという結論にすぐに達した。
罠とも知らず、儲け話を聞いてムムンはのこのこやってきた。そして女詐欺師の命運はそこで尽きたのである。ご婦人たちはムムンを拉致すると取調べを行ない、つるしあげた。中にはムムンに石を投げつけた者もいる。なにしろ既に決まっていた市から出る借入をキャンセルしてムムンの低利融資の話に乗ったのだから、激怒せずにはいられないところ。ご婦人たちはそのあと、顔の一部が腫れ上がったムムンをガンビル警察署に引っ立てて行った。


「ニセモノ産品被害総額は37兆ルピア」(2010年6月1日)
インドネシアアンチ偽造ソサエティの試算によれば、12産業セクターが蒙っている偽造品の被害額は37兆ルピアにのぼっている。12産業セクターとは医薬品・殺虫剤・非アルコール飲料・タバコ・皮革製品・履物・化粧品・潤滑油・揚水ポンプ・事務用品と家電品・電灯・自動車部品で、それらは特にニセモノが横行している分野だ。
今回公表された試算はインドネシア大学社会経済調査院が2010年3月からはじめた調査の経過報告を踏まえたもので、この調査は8月まで継続されて最終報告が出されるためにまだ暫定的な試算結果とされている。アンチ偽造ソサエティは2004年にも調査結果を踏まえた被害額試算を行なっており、そのときの12産業セクター被害額は4.4兆ルピアと算出されている。関係者はそれが今回9倍近く膨れ上がったことに驚きを隠さない。加えて偽造品のせいで販売が低下した結果、純正品生産者の中に人員整理や倒産が起こり、それが生み出した失業者の数も2004年の50,573人から今回の調査では17万4千人にアップしている。
アンチ偽造ソサエティ役員は政府に対し、アセアン=中国自由貿易協定実施が更に偽造品の国内流通を拡大させるおそれが強いことを警告しており、それを受けたブディオノ副大統領はこの問題の対策検討を一層深めるよう指示を出したとのこと。アンチ偽造ソサエティは、PT Pfizer Indonesia, PT Epson, PT Unilever Indonesia, Louis Vuitton Moet Hennessey, Oakley Indonesia, P&G, International Pharmaceutical Manufacturer Group, British Petroleum, PT Nestle Indonesia, PT Bintang Toedjoe, PT Quick Silver Indonesia, PT Tirta Investama-Aqua Danone, Business Software Allianceの13企業/団体で構成されている。


「市場の2割がニセモノ医薬品」(2010年6月2日)
33兆ルピアという国内医薬品市場の20%がニセモノで占められている、とInternational Pharmaceutical Manufacturer Group専務理事が発言した。WHOのデータによれば、先進国ではニセモノが1%程度しか存在しえないのに比べて発展途上国は、ひどいところでは45%がニセモノで占められている。その違いは政府のニセモノ取締の成果の差であり、ナイジェリアなどは45〜50%がニセモノでインドネシアはまだ20%程度であるとのこと。ニセモノは高額医薬品に多い傾向が見られ、低価格の一般医薬品だと多量に売り捌く必要があるが、高額品だと少量の販売で大きい利益が手に入るためだ。
医薬品のニセモノは利益がきわめて大きいことから、今後ますます増加する傾向が予測されている。インドネシアでニセモノ医薬品の法的定義はまだあやふやのものしかない。保健法では、薬物コードに即しておらずまたラベルと中味に不一致があるものをニセモノ医薬品と定義しているが、その見方は管理上の違反としてのものでしかない。
ニセモノ医薬品は大半がインドと中国で作られており、生産者が突き止められないようにいくつかの国を経由させてから世界中にばら撒かれている。消費者がニセモノ医薬品を避けるためには、医師の処方箋を薬局に持ち込んで薬を購入するのがよい、と専務理事はアドバイスしている。
International Pharmaceutical Manufacturer Groupは国際医薬品会社25社で構成されているリサーチベースの会社で、25社の半分は国内医薬品生産者、半分は医薬品原料輸入者という構成になっている。


「Eメールパスワード盗難は詐欺のネタ」(2010年6月4日)
2010年3月6日付けコンパス紙への投書"Waspadai Pembobolan Password Alamat Email"から
拝啓、編集部殿。過去三ヶ月間、別々の日にわたしの同僚が三人わたし宛てにEメールを送ってきました。かれらはみんなインドネシア人ですが、メールは英語で書かれています。メールの内容はこういうものでした。「自分はいまイギリスにおり、財布を盗まれてしまったのでホテル代を支払うことができない。それで、大至急ウエスタンユニオンを使って1,850〜2,500ポンドを送金してもらえないだろうか?帰国したらすぐに返済するから。」
送金先住所として102, Preston New Rd, Blackburn, United Kingdomと書かれているものがありました。わたしはかれら三人に対してクロスチェックを行い、かれらはロンドンとは違う場所にいることが判明したのです。かれらはEメールのパスワードが盗まれたことを明らかにしました。
2010年2月18日、他の同僚もその被害にあい、Eメールが使えなくなりました。Eメールのインボックス内にはたくさんの秘密個人データが入っているというのに。パスワード盗難によってインターネット利用者の多くがEメールアドレスを使えなくなっています。これは組織的サーバークライムです。インターポールは早急にこの犯罪を取り締まらなければなりません。[ ジャカルタ在住、リヨノ ]


「大蔵省国税総局広報」(2010年6月22日)
インドネシア共和国大蔵省
国税総局広報サービス指導局
「国税総局の名前を使った詐欺に関する広報第PENG.02/PJ.09/2010号」
国税総局の名前を使ったさまざまな詐欺行為に関する国民からの訴えや通報の多さに鑑みて、次の通りお知らせします。
1.国税総局が国民一般に対して行なう税務告知や指導はすべて無料サービスであり、費用徴収はありません。
2.国税総局が税法規や税務関連情報を書籍やCD・VCD・DVDその他の形態のデジタルメディアなどで販売することはありません。国民が書籍やCD・VCD・DVDその他形態のメディアを購入するよう奨められたなら、もよりの国税総局事務所に通報してください。税法規(法律や実施規則)の情報はすべて国民に対して無料で提供されており、www.pajak.go.idからダウンロードできます。
3.国税総局は、独自でにせよ他との共同でにせよ、いかなる懸賞籤も実施していません。国税総局の承認を得たと記してあるさまざまな懸賞籤(たとえば石鹸・粉ミルク・コーヒーなどのパッケージに入っているもの)を見つけたら、国民は関係当局に通報してください。
4.国税総局は税務関連セミナーでの講演要請に応じて公式な業務命令を出しています。国税総局職員が講演者になっているセミナーの案内を国民が受けた場合、その真偽をもよりの国税総局事務所もしくは国税総局本庁に照会することが可能です。国税総局の名前を騙るさまざまな手口の詐欺に全国民は警戒するようお願いします。
5.詳細情報に関するお問い合わせは、もよりの国税総局地方事務所あるいは国税リ〜ンリン500200番にどうぞ。
国民の周知と理解をいただけるよう、上の通りお伝えします。
2010年6月7日、広報サービス指導局長
署名
M.イクバル・アラムシャ
公務員基本番号 060060216


「詐欺師を生み出す詐欺の手口」(2010年6月22日)
2010年5月8日付けコンパス紙への投書"Lowongan Kerja dan Calon Korban Berantai"から
拝啓、編集部殿。しばらく前に公共場所に貼られているパンフレットがあり、コンパス紙の広告欄でも同じ広告が掲載されていました。年齢17歳〜57歳・非セールス系業務に即就業可能・求人募集中。業務内容はリセプション・経理・倉庫/ロジスティックマネージャー・スーパーバイザーなど。連絡はイラ(0857112266xx)・レニ(0857107750xx)・トミ(0857105180xx)宛てに。
わたしはその電話番号に連絡し、PT MUGの支店あるいはレップ事務所のひとつに直接来るように言われましたので翌日そこへ赴き、面接の後でわたしが配置される仕事とわたしに支払われる報酬に関する説明を受けました。面接合格者が同意すると、契約書にサインする前に管理費として50万ルピアを納めるよう求められました。
持ち合わせがなければあるだけ払っておいて、不足分は数日以内に納めればいいというのです。PT MUGの封筒にはジェネラルトレーディング・サプライヤ・輸出入と印刷され、本社住所は南ジャカルタ市ドクトルサハルジョ通り102 A3番地で支店はジャボデタベッエリアに分散しており、またスマラン・ジョクジャ・スカブミ・スラバヤなどにも置かれているようです。
配属決定書が出される前、合格者はひとり3時間ほどトレーニングを受けます。そして就職希望者から50万ルピアの金を不審を抱かせずに支払わせるテクニックも教わります。
本当は合格者に約束した配置先の仕事などありはしません。まったくの嘘っぱちなのです。これは求人募集の衣を被せたマルチレベルマーケティングスタイルの詐欺の手口なのです。[ ジャカルタ在住、スマルニ・アギアントノ ]


「ニセモノの訴えは商業法廷に」(2010年7月13日)
最高裁は税関と商業法廷に対し、知的財産権侵害物品の没収業務を命じる意向。この最高裁命令はいままだ関係諸機関との間で調整段階にあるが、近日中には出されることになる。知的財産権侵害被害者からの訴えにもとづいて商業法廷は法務省知的財産権総局に対し物品の没収命令を出し、物品の没収は法務省が行なうことになる。また税関も、これまでは没収権限が法的に明らかでなかったために及び腰だった姿勢がその最高裁命令によって改められる。
この最高裁命令は暫定的なもので、類似の内容の政令が出されるまでの法的根拠として使われる。


「アブナイ!レートの良い外貨両替」(2010年8月16日)
西ジャカルタ市マンガブサールで事業を行っているチン・ウィーチャイ別名アントンは手持ちの現金1万ドルをルピアに換えようと思いつつ、ここ数ヶ月一向に下がらないルピアレートにやきもきしていた。そんなとき、1米ドル1万ルピアで交換してもいい、と言う男に出会ってアントンは小躍りした。そして商談がまとまる。
約束した2010年7月30日に西ジャカルタ市パルメラ地区にあるハラパンキタ病院の脇でふたりは会った。男は1億ルピアの入ったバッグを持参し、そのバッグの中から二三枚の10万ルピア紙幣を取り出してアントンに渡す。アントンも礼儀正しく相手を信用しているそぶりを示し、その10万ルピア札をちらっと見ただけで、その男が渡してくれたバッグの中に放り込んだ。バッグは1億ルピアにふさわしい重さをしている。取引を終えてふたりは別れた。アントンは自分の車に戻るとバッグを置き、自宅に向かって車を走らせた。
わくわくしながら自宅でバッグを開き、中味を取り出したアントンの顔が紅潮するのに時間はかからなかった。さっき相手が渡した数枚の10万ルピア紙幣はホンモノだったが、バッグの中に入っている紙幣はすべてニセモノだったのである。
ホンモノと同じ図柄ではあるもののもっとくすんだ色で印刷され、紙質はよりすべすべしており、中央にbarang mainanという文字がオーバーレイされている。そしてBank Indonesiaの代わりにBank Independen、Seratus Ribu Rupiahの代わりにSeratus Ribu Sajaと書かれ、すかしも入っておらずセキュリティスレッドもない。
アントンはすぐさま西ジャカルタ市警本部に通報した。
届出を受けた西ジャカルタ市警はこのラマダンシーズンに一儲けをたくらむ贋札使い一味を事件から一週間後に逮捕した。まずアントンが訴えた詐欺師ダヌを捜査のあげくに逮捕し、ダヌの自供で捜査の幅を広げて贋札使い一味8人をお縄にし、逃亡中のもうひとりを追跡している。警察は一味が持っていた10万ルピア紙幣の贋札1千6百枚を押収した。この一味は一年ほど前からジャカルタと西ジャワ州をまたにかけて犯行を続けていた。


「スパムSMS」(2010年9月1〜3日)
最近おかしなSMSがときどき入ってくるようになった。これまでは電話オペレータの名前で「賞金が当たりました」「景品が当たりました」といったものばかりだったが、最近はこんなSMSが届くようになったのである。
「ママはプルサがなくなったので5万ルピア分プルサを下の新しい電話番号にトランスファーしてちょうだい。ママより」
一見番号間違いのように思えるこのSMSをインドネシア人は即座に詐欺だと喝破した。目上の人間・尊敬される人間から命じられることを反射的に実行しようとする封建体質と、ものごとを細かくチェックしないで反射的に反応するひとの多い依存性体質があいまって、大勢のひとがそのSMSの送り主を自分の母親あるいは一族の叔母さんと思い込み、5万ルピアをトランスファーしたのではあるまいか。たった5万ルピアと笑うことなかれ。10人が引っかかれば50万ルピアの収入になるのだから。次のものも同工異曲だ。
「XXXです。大至急いくらでもいいからプルサを下の電話番号にトランスファーしてください。友人がジャングルで怪我をしたのです。」
2010年7月にはボゴールでこんな事件も発生している。スカブミ在住の事業家ディノ40歳の携帯電話にSMSが入った。「最大50億ルピアまでの無担保融資枠があります。利用してください。」
事業のための資金を必要としていたディノは興味惹かれてそのSMS発信者に電話した。スリと名乗るその相手と何度か電話で会話した後、ディノは20億ルピアの借入を決意する。するとスリは「管理費5千万ルピアと引き換えに現金を渡す」と言う。その条件を呑んだディノは5千万ルピアを用意した。無担保でそれだけ借りれるのなら、5千万は廉いものだ。
金の引渡し場所と日時をふたりは相談した。場所はボゴール市内パジャジャラン通り商店街の前で17時ごろに。時間通りに出会ったふたりの間で会話がはずむ。そしてスリが約束した管理費の5千万ルピアのことを尋ねた。ディノがビニール袋に入れて持参した5千万ルピアをスリに渡すと、スリは袋を少し開いて覗き込んでからこう言った。「20億ルピアは全額用意されてます。車に積んであるんだけど、結構なかさなんですよ。ディノさんはバッグを用意してますか?」
スリの何がディノをそこまで信用させたのか、ディノは「じゃあバッグを買ってきますから。」と言って5千万ルピアを手にしたスリをその場に残すと、近辺のバッグを売っている店に入って行った。店からバッグを手にして出てきたディノはさっきの場所にスリがいないので「おや?」と思い、近所の店を覗いて時間をつぶしているのだろうと考えて商店街の店を一軒一軒覗いて回ったがどこにも見当たらない。一帯をぐるぐる歩き回って疲れ果て、やっと自分は詐欺の被害者になったことを確信したディノはすぐに警察署に向かった。
数ヶ月前から無担保融資や割引セールあるいは販売プロモ宣伝などのSMSが急増しており、特定番号から発信されたSMSがかなりの割合を占めていること、さらにそのような宣伝SMSに混じって詐欺SMSが大量に増えていることを情報通信省広報情報センター長が明らかにした。それらはまとめてスパムSMSと呼ばれているが、特に詐欺SMSは携帯電話利用者からの苦情が顕著に増えていることから、当局はその増加を確信している。そんな状況を統制しようとして情報通信省は電気通信統制庁と協働し、スパムSMSが乱れ飛んでいる現状を放置している携帯電話オペレータに対して処罰を与える、と表明した。
それに対して携帯電話オペレータ業界は、SMSブロードキャストサービスによる大量SMS発信をストップさせるのは難しい、と反論した。とりあえず開始できるのは、SMS広告発信者の名前と通信オペレータの名前を必ず記載することくらいであり、更にオペレータ間での無料SMSサービス競争をストップさせることも現状を冷却させる効果をもっている、と政府に逆提案している。
SMS広告は電話オペレータが広告主およびコンテンツ制作者と共同で行なっているのが通例で、送信先は広告主が自分で持っている顧客リストが使われ、広告主と顧客の間では広告SMS送付に関する合意がなされているのが普通である由。だからスパムSMSのマジョリティは携帯電話オペレータが積極的に関与している面が強く、政府の推測しているような特定の一部個人法人がオペレータの提供しているサービスを悪用しているということとは趣を異にしている。また個人が発信しているスパムSMSは購買客の権利行使であるため、それが悪事に使われたとしても事前にストップするのはまったく不可能なことだ。
電話オペレータ間の集客競争のツールに使われている無料SMSサービス競争がスパムSMS増の直接的な原因であるなら、景品抱き合わせ販売競争のような業界内の事業競争を和らげるために政府にできることは何なのだろうか?


「狂言強盗も誘発される」(2010年9月9日)
銃器を持つ強盗事件の多発に警察は即応態勢を整え、通報があれば大勢が現場に急行するようになっている。2010年8月26日夕方、ブカシ県バブラン署に強盗事件の連絡があったため、すぐに一隊がバブラン郡バハギア町ウジュンハラパン部落にある二輪車修理工房の犯行現場に出動した。
工房のオーナーであるアリフ40歳は、四人のオートバイに乗った一味が工房を襲い、1千7百万ルピアを奪った、と届け出た。警察はすぐにポリスラインを張って現場検証を開始する。
言うまでもなく、近隣の住民に対する聞き込みも進められた。ところが警察は奇妙な現象に直面した。事件を目撃した者がひとりもいないどころか、強盗事件があったことさえだれも知らない。四人組強盗はオートバイで工房の前に乗りつけたとアリフは言っているものの、今日あそこにそんな大勢の人間が一度に来たことはない、という証言まで集まったので警察は首をひねる。
不審を抱いた警察はアリフの工房の経営状態をそれとなく調べた。そしてアリフはかなり巨額の借金を抱えており、その返済期日が間近にせまっていることも判明した。被害者の証言調べは一転して取調べに変わった。警察につっこまれてほどなく泥を吐いたアリフは、「本当に申し訳ない。借金を苦にしての出来心で・・・・」と平身低頭。
「これは偽証罪に該当する。送検すれば入獄間違いなしだ。」ときつ〜いお灸をすえられてアリフはすごすごと帰宅した。強盗事件多発に乗じて狂言強盗まで出てくる世の中とあっては警察もたいへんだ。


「贋札10万ルピア紙幣一枚が3.7万ルピアで買える」(2010年9月23日)
贋札使いがルバラン明けに市場に贋札を流布させようとしているとのタレこみに従って捜査を行っていたバンテン州警察パンデグラン署は、おとり捜査を行ってターゲットのドゥルハリムを現行犯逮捕し、持っていた10万ルピア贋紙幣95枚を押収した。
パンデグラン県ムンジュル村住人ドゥルハリムはパンデグラン県トゥルッラダ村のドゥルマからその贋札を受取り、額面950万ルピアの贋札を350万ルピアで売り捌く役を与えられたが、最初の相手が警察覆面捜査官で即捕まってしまった、と取調べに自供している。ドゥルハリムの自供でドゥルマも逮捕され、ドゥルマはその贋札をタングラン市チルドゥッに住むスラディから渡されたことを自供し、こうして贋札ルートは次々とその根に向かってたどられて行った。スラディはむかし仕事仲間だったRSからその贋札を受取ったと供述しており、警察はRSの逮捕に取り掛かっている。
かれらは贋札をルバランの二日前に渡され、ルバランが明けてから市場に流布させるよう言いつかっており、贋札の製造と市場流通を操るブレーンが影にいてかれらを使っていたことが明らかだ。警察はこの一味の正体を暴くことを目標に据えている。


「なりすまし詐欺師は千両役者」(2010年10月4日)
リアウ州プカンバル市内でマネーチェンジャーを営むチェン・チン35歳は降ってわいたような巨額の商談に小躍りした。2010年8月26日、チェンの店に電話がかかってきたのだ。
「わたしは統合許認可サービス庁長官のエディ・サトリアだ。市が4万5千米ドルを必要としているので、現金を用立ててこちらへ持ってきてほしい。いつごろ用意できるかね?えっ、今すぐできる?そうか、じゃあ市役所の駐車場に着いたらこの携帯に電話してくれ。」 チェンは大忙しで米ドル現金を用意すると、市役所に向けて車を走らせた。市役所に到着して言われた番号に電話すると、相手は駐車場で会おう、と言い出した。間もなくチェンの車にひとりの中年の男が近寄ってきた。ひとりきり話をしてから、エディと名乗る男はチェンをサービス庁の建物に誘い、ロビーに座らせてから自分は長官室に入って行った。
しばらくして長官室から出てくるとチェンに向かい、今出納がルピアを数えているところで、もうちょっと時間がかかりそうだから待っていてくれと言い、米ドルはどれかね、とチェンに尋ねた。チェンが4万5千ドルの現金が入ったバッグをエディに渡すと、エディはふたたび長官室に入り、ほどなく出てくるとチェンに向かってもう少し待っているように、と言って自分はサービス庁の建物から出て行った。もちろん4万5千ドルを抱えたまま。
チェンはおとなしく待っていたが、役所の出納係がいつまでたっても自分を呼んでくれないのでしびれをきらして立ち上がり、ロビーの警備員に話しかけた。警備員はチェンの話に怪訝な顔を示した。エディ長官はいまズフルの礼拝にムソラへ行っているし、長官室からムソラへ行くときにチェンと話などしなかった。エディ長官の身体的特徴を説明されたチェンの全身を悪寒が襲った。4万5千ドルを持って行ったエディ長官とはまったくの別人だったのだから。
しばらくして戻ってきた本物のエディ長官はチェンの涙ながらの話に、「ああ、その男なら会社設立の手続を質問しにきたので、説明してあげた。確か、二回やってきたなあ」。 ホンモノのエディ長官はチェンに同情してくれたものの、詐取された4万5千ドルは市庁とはまったく関係ないものであり、チェンに警察に届け出るよう勧めて幕切れ。それにしても、なりすまし詐欺師は実に千両役者なのである。


「ジャカルタを地震が襲う?!」(2010年10月14日)
詐欺SMSが飛び交っている中に社会不安を煽ろうとするSMSも混じりこむ。2010年10月に入ってから、ジャカルタを大規模地震が襲うと物語るチェーンSMSが都民の関心を集めている。正確に言うとこれは一般的携帯電話によるSMSでなく、ブラックベリーメッセンジャーやEメールで流されている怪情報だ。
「地学気候気象庁の友人たちの話では、ジャワ島南部海域を震源とする地震(9リヒタースケール)が8日から11日までの間にジャカルタを襲うという計算は間違いないそうだ。大統領には4日前に報告が出されたが、まだ返事はないとのこと。それで地学気候気象庁の友人たちはこのニュースが広まるよう、親しいひとたちに向けて連絡した。三日分の食糧と衣服を用意しておこう。起こるか起こらないかは別にして、警戒するに越したことはない。注記: チアンジュル/スカブミが地震に襲われたら、数分後にはジャカルタがやられる。急いで外へ出て、ラジオ・テレビのニュースに注意しよう。」
それに対して地学気候気象庁は声明を出した。「その情報は全然正しくないものだ。この地震に関する怪情報に関して当方はマスメディアに確認のためのSMSを送った。地震というのは予知の出来ない自然現象であり、発生の数分前であっても地震の探知は不可能だ。津波と地震は違う。特に海底での地震によって引き起こされる津波はそれが発生するかどうかを予知することができる。市民はジャカルタ地震に関するデマにまどわされることのないように。過度の不安やパニックに陥らないようにしてほしい。もしEメールやSMSが送られてきたら、地学気候気象庁のインターネットサイトhttp://www.bmg.go.idにアクセスしていただきたい。国内の地震発生情報はそこにデータが出されている。最新の地震発生情報はそこのデータで確認していただきたい。」公共気象情報課長はそう述べている。


「引っ掛かったあなたが悪い」(2010年10月28日)
2010年9月7日付けコンパス紙への投書"Pungutan di Bandara Hasanuddin Makassar"から
拝啓、編集部殿。わたしの夫は南スラウェシ州マカッサルのスルタンハサヌディン空港でマロス県庁が行なった合法的搾取の被害を受けました。2010年8月26日、チェックインした夫は出発ターミナルに向かって歩いていました。
ターミナルへの階段をのぼる前の所に、マロス県庁と大書したカウンターがあります。夫はターミナルに入る前の検査場所だと思ってそこへ立ち寄りました。すると何の挨拶もなくいきなり搭乗券にステッカーが貼られたのです。そのステッカーには「寄付金。2005年条例第18号。5千ルピア」と記載されていました。寄付金というのは任意でなされるものだと夫は抗議しましたが、係員はステッカーがもう貼られているのだからという理由で5千ルピアを要求します。夫は不承不承5千ルピアを渡しました。夫は10分間ほど、そのカウンターでの仕事の様子を観察しました。その徴収方法はたいへんシステマチックに運用されていたのです。
そのときでも、大勢の乗客はそのカウンターのことなど無視して通り過ぎていきました。そんなひとたちはどうやら、ハサヌディン空港をよく利用しているひとびとだったようです。しかし2005年にその条例が決められてから、何十万人もの乗客がそのマロス県庁のカウンターに引っ掛かったにちがいありません。マロス県庁はもう何十億ルピアの収入をその行為から得たのでしょうか。[ タングラン在住、デウィ・ウィドゥリ ]


「現物を手に取って見てから買うのがインドネシアの常識」(2010年12月2日)
2010年10月17日付けコンパス紙への投書"Tertipu Pedagang Ponsel di Jakarta"から
拝啓、編集部殿。2010年8月11日、わたしはインターネットを通して、100万ルピアで携帯電話4個を買うことにしました。インターネットに記載されていた電話番号は(021)917044xxと0857101781xxです。売り手と合意に達したので、HG名義のBCA銀行口座番号21912508xxにお金を振り込みました。
一週間後、4個注文したうちの2個だけが送られてきましたが、壊れていて使い物にならない状態です。約束とは大違いでした。わたしは売り手にクレームし、売り手は良い状態のものと交換すると約束しました。
ところが今日に至るまで、売り手の誠実さはかけらも示されません。おまけに約束した残り2個の携帯電話もいまだに届きません。売り手に電話やSMSを送っても反応がありません。[ ブカシ市在住、イルワン・サトリア ]


「撲滅困難な贋薬」(2010年12月14日)
市場で販売されている1万5千品目の医薬品から6千品目を選んでラボ検査を行なっている食品薬品監督庁は、2010年上半期までに贋造医薬品10品目を発見した。これは2009年の同期実績20品目から半減している。しかし発見品目数が半減したからといって、市場の贋造医薬品が大幅に減少したことにはならないだろう、と治療薬麻薬覚醒剤監視担当デピュティが表明した。
「食品薬品監督庁は贋造医薬品の実態をつかんでいるわけではないため、どれだけの品目があってどれだけのボリュームが市場に流れているのかわからない。発見品目数が半減しても、ボリュームはそれほど減っていない可能性は否定できない。贋造医薬品の需要は高く、WHOの報告ではインドネシアの贋造医薬品は総市場40兆ルピアの10%あるとのことだ。しかし当方は1%と見ており、ほかのものはイリーガル医薬品だと考えている。贋造医薬品は抗生物質・高血圧治療薬・勃起不全治療薬などに多く、価格の高いものがターゲットになっている。贋薬は国内大都市で例外なく出回っており、その地方特有の病気に対する治療薬もターゲットにされている。その地方でマラリアの罹患が多ければマラリア治療薬が贋造されるというようなものだ。」
いまや贋造医薬品も合法医薬品に負けないくらいきめ細かな販売戦略を実行しているようだ。


「なりすまして家宅侵入する強盗たち」(2010年12月23日)
昼日中に強盗が家宅内に侵入する場合、一般に使われる手口はなりすましだろう。2010年12月1日、デポッ(Depok)市ベジ郡ククサン町にある住宅に男女ペアの強盗が侵入した。家の主ヤント30歳は仕事に出かけ、妻のヘルリナ28歳は午前9時半に家からおよそ5百メートル離れた学校に子供を迎えに出た。家の中には家庭プンバントゥのサティア35歳が幼児ふたりと共にいるのだが、念のためにヘルリナは表ドアに鍵をかけて外出した。
しばらくして、裏口ドアから募金箱を手にした男女カップルが家の中に入り込んでいるのにサティアは気付いた。するとそのふたりはいきなりサティアを壁に押し付け、ハンカチでサティアの口と鼻をふさいだ。麻酔薬が仕込まれていたらしく、サティアは正体不明な香りを嗅ぎ、すぐに眠くなって床に転がった。
30分も経たずに帰宅したヘルリナが玄関扉を開いて家の中に入ったとき、表の部屋は乱雑に荒らされており、そして中の間でサティアが床に転がっているのを見て、ヒステリックに泣き喚いた。それを聞いた隣人のリスキ29歳が駆け込んできた。リスキによれば、麻酔をかけられたのはサティアだけでふたりの幼児に賊は手を触れなかったようだ。表の部屋は激しく荒らされており、賊は金目の物を手に入れると急いでその家から立ち去ったものと思われる。そのエリア一帯は普段からあまり人通りのないところだったにもかかわらず、リスキは犯行が行なわれたことにまったく気付かなかった。麻酔から醒めたサティアの証言では、賊は男女カップルで寄付金集めのふりをしてヤント宅の表門から中に入り、玄関が施錠されているので家の脇を通って裏口から家の中に侵入したとのこと。家の中に見知らぬ人間がいるのに驚いたサティアは悲鳴をあげる暇もなく麻酔を嗅がされて意識不明になった。寄付金集めのふりをしたのは、ヤント宅への侵入と逃亡の際に家の外でだれかに見られても不審を与えないための偽装だったようだ。ヘルリナの届によれば、盗まれたのは黄金製装身具25グラムと韓国製携帯電話器1個だけだった。
犯行のタイミングとそのプロセスがきわめて迅速だったことから、警察は犯人がヤント家の毎日の様子を十分に観察した上で行なったものと見て捜査を進めている。
更に12月13日、北ジャカルタ市クラパガディンの豪邸に、やはり水道会社職員を装った強盗が侵入した。二人組みの強盗は水道会社のメーター検針員のなりをしてその家を訪れ、留守番をしている家庭プンバントゥのエティ18歳に「ヘンドラ・ウィジャヤさんの依頼で水道パイプをチェックしに来た」と来意を告げた。家の主人の名前を言われたエティは相手の言う言葉をすぐに信じ、ふたりを家の中に入れた。ふたりはそのまま二階に上がり、着いてきたエティをいきなり捕まえてハンカチで猿ぐつわをかけ、手はプラスチックひもで縛り上げて、浴室に閉じ込めた。そしてキャノンとニコンのデジタルカメラ各1台、プレステ1台、ゲームボーイ1台をその家の休憩室から盗み出した。被害総額は1千万ルピアと見積もられている。
ところがエティが猿ぐつわを外して叫び出したからふたりの賊は慌てふためいた。大きな声で「助けて!助けて!」と連呼するエティ。たまたま通りかかったクラパガディン署のパトロールが異変に気付いた。署員は塀を乗り越えて外に出てきたタシム21歳を現行犯逮捕。しかしもうひとりのヤヤン25歳にはまんまと逃亡されてしまった。警察はヤヤンを追っている。


「ニセモノ医薬品が包装からわかる?!」(2011年2月11日)
食品薬品監督庁は国民消費者に対し、医薬品の購入に際して合法非合法を確認することはたいへん重要である、と警告した。消費者は自分が買おうとしている医薬品が合法なものかどうかを見分けなければならず、そのために十分な知識を持たなければならないとのこと。
「究極的にはラボでの検査で判定されるものではあるが、消費者が個人でそのようなことを行なうわけにはいかず、結局は医師の処方箋を持って信頼の置ける薬局で購入するのが一番確かな方法となる。加えて消費者はその医薬品を外側から注意深く調べる必要がある。包装には医薬品の登録番号やラベルがなければならず、薬品名・生産者・使用期限・バッチナンバーの記載、さらに包装に穴や破れがないかどうかといったこともチェックしなければならない。使用期限やバッチナンバーは消えにくいインクでプリントされていなければならない。バッチナンバーの取り方の詳細がわかれば、ニセモノかどうかの見分けがつけやすくなる。消費者は、医者が指定した薬を飲んでから、病状の回復が思わしくなかったり、あるいは別の症状が現れてくるような場合、必ず医師に再診を求めるべきだ。消費者が医薬品の包装におかしな記載を見つけたら、早急に食品薬品監督庁に届け出てほしい。住所Jalan Percetakan Negara No.23, Jakaruta Pusat、電話426333、Eメールulpk@pom.go.idあるいは全国各地の食品薬品監督館へどうぞ。」食品薬品監督庁食品薬品捜査センター長はそう語る。
インドネシア大学薬学部長は、ニセモノ医薬品は有効期限が過ぎたため廃棄されるべき原材料を使って作られており、医薬品としての効果は変質して消え失せ、かえって人体に害をもたらすものになっている可能性が高い、と言う。世の中に医療品廃棄物が出回って売買されている昨今の状況には背筋が寒くなる、と同部長は語る。「医療品廃棄物の市場への販売は法律で禁止されており、それを個人あるいは法人で行なえば法的措置を受けることになる。廃棄物処理業者は事業許可が取り上げられ、廃業を余儀なくされる。目視だけでは正規の製品とニセモノとの区別ができない。ニセモノ生産者は廃棄物を使って製品を作る。包装に記載する使用期限も二年後の日付にする。わたし自身でもそれを目で見て区別することはできない。ラボで検査する以外に正確な判定をするのは不可能だ。」インドネシア大学薬学部長はそう述べている。


「ガソリンタンクに10リッター余分に入った?!」(2011年3月17日)
2011年1月8日付けコンパス紙への投書"Kapasitas Tangki Mobil dan Ukuran SPBU Berlainan"から
拝啓、編集部殿。わたしは自分の車ニッサンXトレールに2010年11月27日午前10時45分ごろ、北ジャカルタ市ダナウスンテルのシェル給油所で油種スーパーの給油を行ないました。ところが奇妙なことに、給油ポンプのメーターは67.76リッターを示したというのに、ダッシュボードの燃料計はまだ満タンになっていません。わたしの車の燃料タンク容量は65リッターなのです。
わたしはメーターにごまかしがあると考えてサービス員に給油ストップを命じ、マネージャーに説明するよう求めました。そしてマネージャーのヨギさんとニッサン北ジャカルタ市スンテル支店に電話をつないで、ニッサン職員とヨギさんに燃料タンク容量について直接話をしてもらいました。
ヨギさんはわたしに謝罪し、直接シェル本社にコンタクトするよう勧めました。わたしは黒白をはっきりさせようとして、車のタンクを満タンにするよう依頼しました。更に2.4リッターがタンクに入れられ、その給油所でわたしは69.8リッターを公称65リッターのタンクに入れたことになりました。タンクには5リッターほど燃料が残ることを計算に入れれば、9.8リッターが余分に入ったことになります。この差は無視できる範囲を超えています。
わたしはシェル本社にコンタクトし、電話を受けたアズナンさんに一部始終を語り、給油所でもらった領収書をファックスしました。アズナンさんはこの件をフォローすると返事して電話が切れました。
夕方、シェルのダナウスンテル営業所職員トリスティさんから電話があり、秤量検定機関に届け出るよう言われました。他人に責任を転嫁させて、問題解決の対応はそれだけなんですか?[ 北ジャカルタ市クラパガディン在住、テジョ・スノト ]
2011年1月17日付けコンパス紙に掲載されたシェルインドネシアからの回答
拝啓、編集部殿。テジョ・スノトさんからの2011年1月8日付けコンパス紙に掲載された投書について、シェル給油所の給油ポンプメーターの正確さが保証済みであることを次の通り説明申し上げます。
給油ポンプメーターの正確さを確定し維持させるためにシェル組織内でポンプテストが毎月二度実施されており、また秤量検定機関によるカリブレーション検査も半年ごとに行なわれています。2010年11月27日のできごとについて、当方はテジョさんにポンプテストに立ち会うよう申し入れました。というのは、それが給油ポンプのメーターに疑念を抱く顧客に対する標準作業プロセスになっているからです。現在当方はテジョさんからの回答待ち状態です。
当方が受けた顧客の苦情は完全解決に至るまでフォローすることが原則になっております。ご不快に対してお詫び申し上げます。[ PTシェルインドネシア広報対外問題担当GM、ブディマン・ムルディヤッ ]


「詐欺の新手口」(2011年6月10日)
2011年3月11日付けコンパス紙への投書"Berpura-pura Sewa Rumah"から
しばらく前にわたしが相手にしたのは、借家探しのふりをした詐欺師だったのではないかとほぼ確信しています。2011年1月23日、日曜日昼のことでした。ハジ・ウィスヌ・ハディと名乗る人が三年間わたしの家を借りたいと言って電話してきたのです。わたしはこの家を貸したいという広告をインターネットに出していました。
そのひとはわたしにバリに住んでいると言い、妻にはスラバヤに住んでいると言ったのです。交渉してから、かれは三年間この家を借りたいと言い、おかしなことに三年間の家賃をわたしの銀行口座に振り込んであると言ったのです。口座をチェックしましたが、入金はありません。しかしかれは、自分の口座残高からその金はもう引き落とされていると言い張るのです。その日は日曜日だから銀行側で止まっているのかもしれないとわたしはかれに言い、落ち着くように奨めました。
しばらくしてかれはまた電話して来ました。妻がその電話を受けると、かれは妻にATMに行くように言い、その入金が本当になされたかどうか確認するために同時にATMマシーンにお互いのカードを挿入しようと誘いました。妻が怪しむと、本当にそれができるのだと言い張るのです。妻は遠慮しました。するとかれは妻に対し、それなら振り込んだ金額を返してくれと言い出したのです。妻がそれを拒絶すると、少し口論が起こり、それから電話が切れました。
それから三時間ほど、わたしの携帯電話にわたしの家をまだ借りることができるかと尋ねるSMSが数件入りました。文章はほとんど同じで、それと同じ文章を以前に受取ったことがあります。
こんな手口もあるんだということで、読者の皆さんは警戒してください。[ 東ジャワ州シドアルジョ在住、マルディヤント ]


「コンパス紙の広告にも詐欺がいっぱい」(2011年7月25日)
2011年5月14日付けコンパス紙への投書"Penipuan Berkedok Sewa Mobil LewatIklan Koran"から
拝啓、編集部殿。2011年4月9日(土)夜、わたしはその日のコンパス紙第50ページのクラシカ広告欄でレンタカーサービスを探し、電話番号021−44218356に電話しました。ダニさんというひとが電話に出て、車種と料金を説明しました。先方の場所が中央ジャカルタ市ハヤムルッ(Hayam Wuruk)通りだというので少し迷いました。というのは、わたしの住所は東ジャカルタ市ですので。
しかし優しく礼儀正しい話しぶりと、朝何時でも必ず約束した時間に車を届けるし、それでもし遅刻したなら料金は半額でよいとまで言うので、わたしは心動かされました。ダニさんはトハという名の運転手がプレート番号B8815SDLのトヨタイノバを朝届けてくると約束しましたので、わたしは了承し、前金の55万ルピアをヘルヤワン工学士名義のBCA銀行口座番号2291619786に振り込みました。
翌朝、約束時間を過ぎても車はやってきません。そしてやっとわたしは、自分が詐欺師の被害者になったことを悟ったのです。ダニさんがわたしに言った携帯電話番号081310065561は全然コンタクト不可能でした。[ 東ジャカルタ市在住、スミヤティ ]


「贋札使い逮捕!」(2011年9月12日)
ネットブックとカラープリンターを使って適当に贋札を作り、巧妙な手口で夜市商人をだまそうとした若い夫婦が警察に逮捕された。主犯のハリ・スサント24歳は器用でセンスがあったようだ。かれは精巧な贋札を作る意図などなく、簡単にありふれた機器を使ってHVS用紙に紙幣をコピーしたが、セキュリティスレッドやエンボスなどまったくない単なるカラーコピーであるにせよ、薄暗い場所で見るかぎりすぐに贋札だと判別できるようなものでもなかった。
ハリはその特技をフェイスブックで吹聴し、その作品を求める声も少なくなかったそうだ。中には5万ルピア紙幣を5千万ルピア分注文してきた者もいる。しかし用心深いハリはそのようなリスクを負うことを決してしなかった。
ハリと妻のアヒラフマワティ19歳は北ジャカルタ市コジャ地区の夜市をターゲットにした。しかし用意した5万ルピアと1万ルピアの偽紙幣をそのまま使うようなことはしない。ふたりの手口はこんなものだった。ハリは夜市の中でも薄暗い場所に店を広げている商人から3万ルピア程度の品物を買う。そのときかれはホンモノの10万ルピア紙幣を使った。7万ルピアあまりのつり銭が返ってくる。つり銭の5万ルピア紙幣を贋札と取り替えると、今度は妻のアヒラフマワティがその商人をたぶらかす番だ。妻は商人に毒づく。「ちょっと、あんた、これ偽札じゃないの。こんなもの受け取れないわよ。ホンモノのお金をちょうだい。」
商人は出された贋札を不承不承受け取ってホンモノの5万ルピア札と交換するという仕組みだ。しかし海千山千の商人たちにそんな手がいつまでも通用するはずもなかった。商人のひとりが、ハリと妻の行方を目で追いながら、警備に当たっている警官に通報した。こうして贋札使い夫婦は一時間もしないうちに「御用」となった。警察は、夫婦がそのとき持っていた5万ルピア贋札数枚と、自宅に置いてあった5万ルピアと1万ルピアの贋札160万ルピア相当分を押収した。


「後を絶たないフェイスブック詐欺」(2011年9月21日)
南ジャカルタ市パサルミングに住むN夫人55歳は夫に先立たれた独り身で、フェイスブックを通して新しい友人を作ることを楽しみにしている。ある日、クリスティアンと名乗るイギリス軍人とフェイスブックで知り合った。写真では、クリスティアンは白人の男性で、イギリス軍歩兵の制服を着ており、凛々しく男らしい。メッセージを重ねて十分知り合えたと感じ、電話で話し合うようになったころ、クリスティアンはN夫人に悩みを打ち明けた。
実はイギリスから小包を送ってきたのだが、税関に差し押さえられてしまい、6千万ルピアの金を渡さないと受け取ることができない。その箱の中には5百万ドルの現金と宝石黄金の装身具が入っており、借りたお金におまけをつけて返すことができるんだが・・・。
N夫人はクリスティアンが指定する銀行口座に6千万ルピアを振り込んだ。そしてここまでの関係になったのだから、一度会いましょう、と相手を誘ったが、クリスティアンは言を左右にして会うことを避ける。不審を抱いたN夫人は首都警察に訴えた。
首都警察サイバークライム次局が捜査を開始し、N夫人が6千万ルピアを振り込んだ東ジャカルタ市ポンドッグデの銀行で、その口座から現金を引き出そうとしていた女性を逮捕した。逮捕されたのはサニヤ32歳で、その口座はかの女名義のものだった。サニヤの供述によって、クリスティアンの偽名を使っていたナイジェリア人アウクズ34歳も逮捕され、ふたり以外に共犯者はいないことが明らかになった。サニヤはアウクズと愛人関係にあった。
首都警察特殊犯罪捜査局サーバークライム次局長は、今年のインターネット犯罪の訴えは50件あり、その大半がフェイスブックに関わりを持っていると語っている。50件中30件は既に捜査結果が明らかになっているとのこと。


「詐欺にやられた!?」(2011年9月21日)
2011年6月1日付けコンパス紙への投書"Tipu Cara ABI Tour and Travel"から
拝啓、編集部殿。2010年5月、ABI(アシアブアナ)ツアー&トラベルからエグゼキュティブ会員勧誘があり、ホテル宿泊券5枚が3百万ルピアで入手できるというのです。パンフレットを見ると国内各地の高級ホテルがその対象になっていて、宿泊券を使えばいつでも無料で泊まれることになっています。わたしはすぐに3百万ルピアを払って会員になりました。宿泊券は一年間有効で、期限は2011年6月末日となっており、宿泊券番号は001879でした。
そのときのABIツアー&トラベル販売担当者の話では、宿泊券は有効期限前であればいつでも使用できるとのことでした。ところが2011年5月6日、わたしが一家でバリに泊まりにいくためABIに連絡したところ、一度に5枚使用するのはだめで、最大2枚に限ると説明されました。わたしは仕方なく最初の考えをあきらめ、パンフレットにあるバリのホテルに泊まれるようアレンジを依頼したところ、2011年6月はホリデー月なのでバリのホテルは満室になっていると言われ、2枚の使用すら拒否されました。
ホントにそうなのか調べるためにそのホテルに電話したところ、6月中でも部屋は空いているという返事でした。ABIの詐欺行為はそんなやりかたです。わたしは損しました。[ タングラン在住、アルジュフリ ]


「国際ネット詐欺犯が捕まる」(2011年9月22・23日)
石油会社に勤めるA氏が会社宛に送られてきたEメールを読んだ。『共同投資者求む』と題するそのEメールは、hajia.amshaw.yusuf2010@gmail.comというアドレスから送られてきており、手持ちの資金6百万ドルをインドネシア国内のプロジェクトに投資したいので、だれかパートナーになってくれるひとはいないだろうか、という内容だった。A氏は興味引かれたので返信した。するとしばらくして、相手からコンタクトがあった。Eメールの通信からチャットに移るのにそれほど時間はかからなかったようだ。
ハイチ人だと名乗るその相手は、予算総額6百万米ドルの病院を建設するプロジェクトがあり、そのプロジェクトに投資すれば病院が稼動を開始したあと、きわめて利回りの有利なリターンを享受することができると言ってA氏に投資を勧めた。利益率は30%だと言う。そのチャット相手はジェームズ・マーク博士を紹介し、この人物のアドバイスに従うように言って連絡を絶った。
ジェームズ・マーク博士と名乗る人物はA氏にさまざまなアドバイスを与え、初回投資分3千5百米ドルを払い込むよう要求した。A氏は、払い込む用意はあるが面会した上でのことである、と博士に回答した。相手の姿を見もしないで大金を渡すようなことは、できるものではない。するとジェームズ・マーク博士はインドネシアにいるエージェントのブロリン・エジプトに会うよう指示した。ブロリン・エジプトとのコンタクトがなされ、ふたりはジャカルタ市内のとあるホテルで会う約束をした。
A氏は念には念を入れてまず2千ドルだけ持参し、この話におかしなことがないかどうかを確かめようとしたのだ。会見は順調に進み、ブロリン・エジプト氏も不審を抱かせない応答をした。A氏は最終的にこれはまともな話だと考えて2千ドルを渡し、残りは数日以内に手配すると約束した。A氏はブロリンに受取証と2千ドルの保証となる何かを要求したが、ブロリンはその要求に応じようとせず、言を左右にしてごまかし、A氏の前から姿をくらました。
それが詐欺であることを確信したA氏は翌日首都警察に向かい、この事件を届け出た。首都警察特殊犯罪捜査局サイバークライム次局がただちに捜査を開始する。A氏が誘われた6百万ドル病院建設プロジェクトなど存在しないことが明らかにされ、この事件はインドネシア人をターゲットにした国際的詐欺事件であるとの確証を持った首都警察は、A氏に協力を求めてブロリン・エジプトをおびきだすのに成功し、届出から二日後ハイチ人ブロリン・エジプト別名マーク・アントニ51歳を中央ジャカルタ市チキニラヤ通りのホテルで逮捕した。
ブロリン・エジプトはハイチに住むハジア・アムショー・ユスフとジェームズ・マークの手先としてジャカルタに在住していた。警察はA氏以外にも被害者がいるものと見て、速やかに警察に被害を届け出るよう市民に呼びかけている。


「詐欺被害者でも保護はない」(2011年9月22日)
2011年5月2日付けコンパス紙への投書"Lowongan Bekerja di Selandia Baru"から
拝啓、編集部殿。2010年8月にマスメディアに掲載されたPTプリマツアー&トラベルの広告にわたしの甥は興味を持ちました。その会社は南ジャカルタ市スナヤンのSTC4階にあり、インドネシア人に海外出稼ぎを斡旋しているのです。
そのとき、この会社はニュージーランドで果実収穫労働者の求人を行っていました。報酬はひとり一ヶ月4千万ルピアです。2010年12月に出発という約束でしたので、甥は12月中に現地に着いて果実収穫の仕事に従事するという予定のもとに、2千万ルピアの申込金を払い込みました。ところがいつまでたっても出発は実現しません。甥だけでなく、19人ほどが同じ運命をかこつことになりました。
かれらはその会社が約束を果たさないため、一致団結して申し込みを取り消すことにしました。かれらの中には銀行から借金して申込金を作ったひとも少なくありません。出発していれば、今は借金の分割返済が終わっているはずなのですが、かれらは借金の月賦と高い金利の返済に追い掛け回されているありさまです。PLという名前のその会社オーナーとの交渉は行われており、何人かはオーナーの自宅を訪れて交渉をしていますが、前進はまったくありません。
申込金を返却しようという会社オーナーの誠意はかけらも見られません。申し込みをしたひとたちの中には家族持ちもおり、またその出稼ぎのために勤め先をやめたひともいるというのに。[ ブカシ在住、スバンディ ]


「病院で稼ぐ詐欺師たち」(2011年9月28・29日)
家族の中に長期療養の必要な病人が出ると、一家の精神状態は不安定になる。そんなとき、ひとは暗示にかかりやすくなる。
その日、リリ・スリヤニ45歳は合併症でしばらく自宅療養している夫の診察のためにボゴール赤十字病院に来た。夫は診察が終わったので息子と一緒に先に帰宅した。リリが費用の清算と薬を買い、後追いで帰宅することになっている。処方箋をもらったリリは薬を買うために薬局に向かった。そのとき、初老の男がリリに話しかけた。「奥さん、あんたのご主人はすぐには治らんよ。他の人間に病に落とされたんじゃから。わしなら、なんとかできると思う。」しかしリリはその男の話を無視して進んだ。
つきまとうのをあきらめた男はリリを追ってこなかったが、今度は中年の婦人が声をかけてきた。さっきの男と同じ話をする。リリは立ち止まってその婦人と言葉を交わした。だれかが夫に病を送りつけてきたのだと言う。半信半疑ながら、リリはこの目論見に呑まれはじめていた。
リリはその女性に促されて、さっきの初老の男のところに戻った。
「奥さん、黄金の装身具をたくさん見に着けていると、気持ちが驕っているように見える。はずしたほうがいい。わしが預かってあげる。」言われるがままに、リリは黄金20グラムの腕輪1個、合計11グラムの指輪2個を身体からはずしてその男に渡した。男は更に、多額の現金を持たないほうがいい、とリリに言い、リリは夫の薬を買うためにもってきた230万ルピアの現金をも財布から出してその男に渡した。男はそれらをリリから受け取ると、何も言わずにその場を後にした。リリは自分の周りで何が起こっているのか理解できない様子で、ただ呆然と事の成り行きを見ているだけだった。
初老の男が去ってしばらくしてから、リリはわれに返った。自分がその男に何を渡したのかは覚えていた。すぐその初老の男を追いかけたものの、その姿はどこにもなかった。そしてさっきの場所に戻ってきたリリはがっくりとそこにしゃがみこんだ。ヒステリックな女の泣き声が病院内の空気をつんざいた。
病院の警備員が駆けつけてリリから一部始終を聞き、警察へ届け出るよう勧めたが、リリは応じようとしなかった。病院側によれば、類似の事件は過去に何度か起こっており、公共機関である病院がこの種の事件に対してできることは限られているため、患者や患者の家族は病院内にいても気を緩めることのないように、と注意を促した。先には、入院患者の部屋で患者の妻が付き添っていたにもかかわらず、患者の仕事仲間と名乗る人間が入院部屋に入り、金目の患者の私物をあらいざらい持ち去るという事件が起こっている。
詐欺師が網を張っているのは赤十字病院に限らず私立病院も同じで、私立病院に入院した29歳の女性は、犯人がその女性の親族だと言って病室に入り込み、患者が枕の下に置いていた携帯電話機を奪って行方をくらました事件を回想する。「そのときわたしは寝ていたんです。すると知らない中年の男性がやってきて、わたしの枕の下に手を入れて携帯電話を取ったんです。それは全部わかってたんだけど、どうしても眠りから抜け出して起きることがきなかったの」。


「無料に釣られると高いものにつく」(2011年12月22日)
2011年9月7日付けコンパス紙への投書"Penipuan Berkedok Voucer Menginap Gratis di Hotel"から
拝啓、編集部殿。去る6月24日、わたしはホテルグランドスティアブディの無料宿泊券をもらえるビザインターナショナルクレジットカード保有者50人のひとりに選ばれたことを通知する電話を受けました。その条件は12ヶ月間毎月178,000ルピアを納めることで、12回納金した後にそのお金は返却されるのだそうです。その日昼ごろ、ブコピン銀行のカードリーダーを持ったひとがやってきました。
そのひとはわたしのCIMBニアガ銀行のクレジットカードをリーダーに通し、250万ルピアを引き落としました。そのひとが言うには、引き落とされた250万ルピアは保証金であり、請求書は178,000ルピアで出されるのだそうです。そしてわたしはグランドスティアブディエグゼキュティブクラブのロゴが入った封筒をもらいました。住所は南ジャカルタ市ジャガカルサモフカフィ通り8番地ジャカルタホテルクラブとなっています。
封筒の中には、ホテルグランドスティアブディからの額面50万ルピアのバウチャー5枚と、そのホテルでの無料宿泊券3枚、ならびにグランドスティアブディエグゼキュティブクラブ会員券が入っていました。しかしそれらのいずれにも会員番号はありません。そして会員券は2011年6月が期限になっています。カードの取引明細レシートには、ハラヴァルアバディツアーという引き落とし者名が表示されていました。
夜になってわたしはCIMBニアガ銀行にチェックを入れたところ、請求金額は17万8千ルピアでなく250万ルピアだったのです。わたしは即座にカードをブロックし、詐欺顛末書をファックスでCIMBニアガ銀行クレジットカード部門に送りました。しかし銀行側は、その詐欺事件には責任を負えないと返事してきました。わたしはブコピン銀行にもその詐欺事件を連絡しましたが、ブコピン銀行はあくまでもCIMBニアガ銀行に請求を出しています。
わたしは既にバウチャーと会員券の入った封筒を返却し、グランドスティアブディエグゼキュティブクラブ会員のキャンセル依頼書をハラヴァルアバディツアーに書留で郵送していますが、取り消されたという連絡はいまだにありません。[ ボゴール在住、ハリー・スギアント ]
2011年9月20日付けコンパス紙に掲載されたグランドスティアブディホテルからの回答
拝啓、編集部殿。2011年9月7日付けコンパス紙に掲載されたハリー・スギアントさんの投書について、次の通りお知らせします。バンドンのグランドスティアブディホテル経営陣はその投書の中に当ホテルチェーンのひとつの名前が述べられていることを遺憾に思っております。当方は会社あるいは旅行代理店などの協力相手と事業提携を行い、契約書を交わしております。これまでプロフェッショナルな協力関係が続けられており、トラブルが起こったことはありません。PTハラヴァルアバディツアーとハリー・スギアントさんとの間に発生した事件については、まったく当方の責任外のことがらです。[ グランドスティアブディホテル取締役、オシー・ヒマワン ]


「本物1個にニセモノ千個」(2012年1月10日)
ニセモノ著名ブランド品は何がもっとも多いだろうか?インドネシア大学経済学部経済社会調査院がアンチ偽造インドネシアソサエティと共同で行った調査で、バッグ・靴・財布等々の皮革製品がもっとも最悪な状況であることが判明した。
調査は皮革製品・化粧品・潤滑油とその副次製品・飲食品・医薬品・アルコール飲料・ソフトウエア・エネルギー飲料とサプリ・衣料品・メガネ・殺虫剤など12産業セクター産品に対して行われ、皮革製品セクターはオリジナル製品1に対してニセモノが50の比率で市場に出回っていることが明らかになった。
ルイヴィトンのインドネシアにおける法律代理人は、ルイヴィトンのオリジナル製品1個に対してニセモノは1千個を超える、と言う。「インドネシアにあるルイヴィトンの公式アウトレットはパシフィックプレース・プラザスナヤン・トゥンジュガンプラザ・プラザインドネシアの4ヶ所にしかない。ところがいたるところにあるルイヴィトンの公認ブティックでない店でルイヴィトンのブランドがついた革製品が販売されている。コングロマリットや大金持ちしか買えないルイヴィトン製品をニセモノにせよ大勢の一般市民が持っているのでは、ブランドの名声に傷がつく。ルイヴィトンの排他的高級イメージは地に落ちてしまう。そのため、ジャカルタやスラバヤでは偽造品取締を頻繁に行っている。ニセモノが世の中に横行するチャンスを狭めるために取締は今後も継続的に実施される。」
アンチ偽造インドネシアソサエティはさまざまなニセモノブランド商品の生産者や流通店を摘発し、新聞に謝罪広告を掲載させる対応を進めている。民事裁判に訴えることはまだあまり奨励しておらず、摘発と謝罪広告での対策がメインになっている。
経済社会調査院の報告によれば、インドネシア市場でニセモノが多数流通しているのは、国民一般が持っている高額有名商品への憧れをベースに、廉価でオファーされているニセモノ商品に手が届くためにそれを安易に購入するという性向に根ざすものだと分析されており、インドネシア人が持っている社会的な価値観がそこから見て取れる。
一般消費者のそんな傾向に歯止めがかからないかぎり、インドネシアはニセモノ天国であり続けるにちがいない。


「携帯電話度数吸取り詐欺」(2012年2月3日)
2011年9月29日付けコンパス紙への投書"Waspadai Penawaran Bonus Pulsa Gratis Lewat SMS"から
拝啓、編集部殿。携帯電話通信はSMSを使った様々なオファーに占領されています。オファーは実にいろいろで、そのひとつに無料度数ボーナスがあります。去る9月8日15時22分、テルコムセルSIMカード利用者に対してボーナス3433からオファーがありました。EYDの決まりを無視して書かれたそのメッセージには、5万ルピア分のボーナス度数が当たるかもしれないので、度数買い足しはしばらく待つように、と記されていたのです。そして*500*40#番にSMSを送ってその結果をチェックするようにとアドバイスされました。このプロモは40人にだけ与えられるものである、とも。
そのとき、わたしの度数はギリギリまで減っていましたので、すぐに*500*40#番にチェックを入れました。わたしは文章の前半だけを読んで、後半は無視してしまったのです。そこには、リングトーンがHr当たり2千ルピアで、オファーコードがCS:02145849666であると書かれていたというのに。
わたしはただ、度数のチェックをするつもりだったのです。そのサービスを購入する気などありませんでした。すぐに3433から、わたしがダンドゥッコミュニティに加入したと言って「ありがとうございます」というメッセージが入ってきました。その結果わたしはHr当たり2千ルピアでリングトーンとダンドゥッに関するニュースを送ってもらえることになったのです。そのメッセージを見て、ボーナス度数の話は真っ赤なウソであることを理解しました。そのSMSは悪徳詐欺師が知恵のかぎりを尽くして消費者を引っかけようとした不正行為でした。大勢の携帯電話利用者が苦情している度数吸取り行為がわたしの身にふりかかったのです。
度数吸取り行為の原因のひとつは、不正行為者のSMSによるさまざまなサービスオファーに対して携帯電話利用者が適切な警戒と対応をせず、安易にものごとを考えていることにあります。SMSには常に警戒姿勢を取りましょう。オファー内容を熟読吟味し、一語一句に注意しましょう。未知の番号から来たSMSや、なじみのない番号は無視するのが賢明です。[ ジョクジャ在住、ペトルス・プルワント ]


「十数万ルピアの詐欺」(2012年2月6日)
2011年11月2日付けコンパス紙への投書"Biro Iklan Menipu Via SMS"から
拝啓、編集部殿。2010年7月ごろ、わたしは低料金での広告掲載をオファーする電話番号0878881661XXからのSMSを受信し、そのサービス業者を使って何回か広告を載せました。何度か広告を掲載したわけですが、それはその業者の手口だったように今さらに感じています。
2011年9月15日、いつものようにわたしはその業者にSMSを送り、2011年9月16日のコンパス紙にミニアドを載せるよう手配しました。9月15日午前10時49分、わたしはプジ・アストゥティ名義のBCA銀行口座番号0711883354宛てに掲載料金129,000ルピアを振り込みました。ところが9月16日のコンパス紙ミニアドページにわたしの広告は掲載されていませんでした。わたしは同じ番号に何度も電話し、SMSをも送りましたが、反応がありません。
奇妙なことに、わたしの姉妹が別の電話番号から送った広告掲載依頼に対しては、わたしに送られてきたのと同じ料金と振込先口座番号の連絡が返ってきたのです。わたしの姉妹が料金を現金で支払うから事務所の場所を教えるようにと連絡すると、振り込みでなければだめだという返事がきました。
このような詐欺行為が続けられないよう、そんなやり方の広告掲載サービスには十分警戒しましょう。[ 南ジャカルタ市クバヨランラマ在住、ロサ ]


「恐怖のニセ刑事」(2012年4月11〜16日)
警察の名を騙れば一般庶民は恐れをなし、金を出させることが容易になる。高校三年生のフシャムは、オートバイに乗った男が近づいてくるのに驚いた。そのときフシャムと数人の仲間たちは、もうひとりの仲間がやってくるのを待ちつつ、カードで遊んでいたのだ。インドネシアでカードゲームはバクチと相場が決まっている。黒色ジャケットを着たそのオートバイ乗りは近くでオートバイから降りると、そばへ来て怒鳴り散らした。
「お前ら今すぐ解散だ。おい、お前はわしと警察署へ来い。」
胸倉をつかまれたフシャムはおびえ上がってしまった。
黒色ジャケットの男に従って歩きながら、なんとかこの場を逃れようとフシャムは頭をひねった。「なあ、おじさん。和解してくれないかな。」
「お前、いくら持ってるんだ?」
「5万ルピアボッキリ。」
「和解金は35万ルピアだ。よし、5万ルピアに携帯電話をつけろ。」
「いや、携帯電話はちょっと・・・・・」
「なんだと・・・」
男は手錠を取り出してフシャムの手首にはめた。
「お前、わかってるのか?わしは警察だ。ブカシ署のフラン二級警部補だ。」
フシャムはビビりながら5万ルピア紙幣を二枚、男に渡す。それで赦してもらおうと期待したが、男はフシャムを放免してくれない。
大の男が高校生をいたぶっている図が周辺にいた庶民の注意を引いた。
群集が集まり始めたため気もそぞろになったその男はいきなり自分のオートバイにまたがるとエンジンをふかしてその場をあとにした。急発進して路上に飛び出し、走っている車と接触しそうになって、オートバイは大きく揺らぎ、イスラム45年大学の交差点で転倒したため、黒色ジャケットの男は道路上に転がってしまった。警察が路上の転倒者を保護したが、警官のような服装と立ち居振る舞いに所属が問われ、男は万事休して自分の正体を明かした。フランコ・ネロ24歳はニセ警官だったのである。
ニセ警官捕まるの噂は瞬時に四方に飛び散り、フシャムをいたぶっているのを見ていた群集がストリートジャスティスを実践したがっている様子を示したため、フランコ・ネロは警官に護送されて東ブカシ警察署に連行された。
取調べに対してフランコ・ネロは、警官のふりをしてさまざまな人間から金を搾ることを長い間続けていたことを自供した。「ニセ警官をやるときはブカシ市警強盗課の刑事で二級警部補だと名乗っていました。わたしゃただの勤め人で、追加収入がほしくてやっていたんです。」
一般市民を怖がらせるには、荒っぽい悪逆非道の人間を演じて警察だと名乗れば効果てきめんになる。それに恐れてビビった人間に金を吐き出させるのは容易なことだ。ほかの国だと非合法暴力組織の名前を出すのが常道だが、それが警察になっているところがたくさんの発展途上国で共通の現象らしい。
オルバ期にはニセ警官以上に軍諜報機関の名前もよく使われた。その有様は昔の帝国陸軍憲兵隊と同じような威力を国軍諜報機関が持っていたことをうかがわせるものだ。しかしオルバ期が去って軍は世間にあまり姿をさらさない方向へと変化したことから、一般市民への威嚇効果も薄まっている。
だからやはり警察の名前を騙るのが、ゆすりたかりをやる人間には便利なのだろう。デットコレクターすら、自分の仕事をやりやすくするために警官になりすます。借金の取立てをくらう人間も、なんで刑事が借金を取り立てにやってくるのかとは思わない。金を貸した人間が知り合いの刑事に取立てを依頼すれば、刑事が小遣い稼ぎにそれを手伝うことが大いに起こりうる社会だからである。
中部ジャワ州クドゥスのリース会社が仲介したオートバイの割賦を購入者が払わなくなった。2011年8月3日夕刻、ゴンドアルム村に住むスラマッの家にサングラスをかけてアタッシュケースを手にした男ふたりがやってきた。用件を言い、未払い分の支払いを要求し、払えないならオートバイを預かる、と言う。そのときスラマッの家には小銭しかなく、おまけにそんな時間だから金を調達することもできない。「明日金を用意するから」と言っても、それで引き下がるような気の優しい人間はデットコレクターになっていない。「じゃあ、これを預かる」とスラマッの日常行動の足になっているオートバイに手をかけた。スラマッは必死に懇願するが、聞くような相手ではない。なまじ情けをかけたがために、約束した翌日には抵当品をもって姿をくらます人間がごまんといることを、デットコレクターたちも経験で知っているのだ。
アタッシュケースを開いて書類を出す男の手を見るともなく見ていたスラマッの顔色が変わった。ケースの中にあるのは、書類だけではなかったのだ。黒っぽい色のピストルが一丁そこにあるのを見て、スラマッはおとなしくなった。言われるがままに書類にサインし、その書類の写しを一部受け取ると、スラマッはふたりの男がオートバイを押して歩き出すのを放置した。
ふたりの男がスラマッの家から出て街道に向かって村道を歩き去るのを見届けてから、隣人がスラマッの家に来て何が起こったのかを尋ねた。「おい、おめえのオートバイを持ってかれちゃったでねえか。どうしたんだ。略奪されたんかい?」口を開く気もなくなったスラマッは、けだるい顔でうなずいた。隣人は「そりゃ、てえへんだ。」と言いながら家から走り出て行った。
ふたりのデットコレクターが街道近くまでオートバイを押してやってきたとき、後ろから大勢の村人が追いすがってくるのに気付いた。村人たちがふたりを取り囲むまでに、たいした時間はかからなかった。「スラマッのオートバイを返しやがれ。この強盗野郎が!」などと叫びながら、群衆はふたりに撲りかかって行く。ひとりはなんとか乱闘の合間を縫って逃走したが、もうひとりは完全な包囲下におちて多勢に無勢。「オレはクドゥス警察捜査課の刑事だっ!」と力説するものの、血のたぎった村人たちの耳には入るが理性にまでは届かない。数人から撲られ蹴られてデットコレクターは地面に転がる。そのとき持っていたアタッシュケースも地面に落ちてふたが開き、黒色のピストルが中から転げ出た。その光景が村人たちの理性を呼び覚ました。群衆は男を村役場に引っ立てる。
ほどなくしてクドゥス警察署からパトカーが到着し、刑事だと名乗る男を乗せて去った。そのデットコレクターの本職はやはりデットコレクターでしかなく、持っていたピストルはエアソフトガンであり、刑事だという言葉は真っ赤な嘘であることが判明。クドゥス警察署長は、「もどきのピストルを持ち、刑事と偽って一般民衆を臆させ、相手を手玉に取ろうとする人間が増える一方だ。ほんとうに困った傾向だ。」とコメントしている。


「詐欺師と遊ぼう」(2012年5月18日)
スマランで会社勤めをしているエレン32歳にあるとき、知らない男性から電話がかかってきた。
「もしもし、こちらはスマラン市警麻薬捜査課のヨガ一級警部補だ。」と威厳を取り繕った声がする。続いて耳をつんざくサイレンの音が携帯電話から聞こえた。一瞬驚いたが黙ったままのエレンの耳に、弟が麻薬所持現行犯で逮捕された、という言葉がたたみこまれてきた。この種の詐欺の手口をよく知っているエレンには、すぐに「ハハン・・」と来るものがあった。
「あんたの名前と弟さんの名前をまず教えてもらいたい。」エレンは乗った。
「わっ、わたしはヨナで、弟はヨノよ。」と動転した雰囲気を演出する。
するとヨガ一級警部補は電話機をだれかに渡した。別人の声がした。
「ねっ、ねえさん。ヨナねえさん、なんとかしてよ。警察につかまっちゃったんだよ、ねえ。」甘えた哀願たっぷりの声がしたが、実の弟の声ではない。
「あらあ・・・、あんたいったいどうしたのよ。こんな面倒を起こして。それで、どうすりゃいいの?」
するとまたヨガ一級警部補が出てきた。和解金は2千万ルピアだと言う。「このあたりには新聞記者がうろうろしてる。もし今すぐに送金すれば、ヨノ君はここで放免してもよい。署に連行すればニュース沙汰になるぞ。」
「わたし、そんな大金は持っていません。わたしの口座にあるのは5百万ルピアだけです。」
するとヨガ一級警部補が、「じゃあ送金先はここだ」と言って女性名義の銀行口座番号を指定した。番号を書き取るふりをしながらエレンは、「じゃあ今からATMに走るわ」と言って電話を切ろうとすると、相手は電話を切るなと言う。ATMに着いたら指示するから、と奇妙なことをヨガ一級警部補が言った。
エレンはそのまま事務所のあるビル内をうろうろしてATMへ行くふりをする。途中で出会った仲間のティカを手招きし、電話に自分の声が入らないようにしてティカに事情を話し、そのゲームに誘った。
準備万端整ったところで、エレンはATMで口座振替を行っているふりをする。「さあ、送りましたよ。弟を釈放してください。」
一級警部補はちょっと待てと言って、何かを調べている雰囲気になった。そして「まだ入ってないぞ。」という声がした。エレンは「そんなバカな・・・」と言いながら、電話機をティカに渡す。
「さっきヨナさんが行った口座振替でシステムの間違いが発生しました。これを元に戻すのは数日かかります。」と銀行職員になりすましたティカが言う。
ヨガ一級警部補と名乗る男は困惑に満ちた声でまたエレンに尋ねた。「ヨナさん、あんた現金はいくら持っているのかね?」「そう・・・今持ってるのは5万ルピアだけ。」
「じゃあそれで今から言う電話番号に度数買い足ししてくれ。」
するとエレンはゴホゴホと作り咳をはじめた。「そりゃ、できないわ。ゴホゴホ、また喘息の発作が起き、エヘンゴホン、ちゃったわ。なけなしの5百万ルピアがなくなったんですもの、ゴホゴホ。」
ついに自分がコケにされていることを悟ったヨガ一級警部補を名乗る詐欺師は、みずから電話を切った。


「うっかり信用すると負け!」(2012年6月1日)
2012年2月11日付けコンパス紙への投書"Penipuan Berkedok Mengontrak Rumah"から
拝啓、編集部殿。家を貸そうとしている読者は、最近わたしが経験したような詐欺の手口に注意してください。ブカシやタングランなどジャカルタ周辺の土地でそんな手口は頻繁に行われていることとわたしは確信しています。この詐欺師はたいてい家具付き借家を狙っています。
その詐欺師は40歳くらいの女性で名前をユライスティ学士と称し、被り物をして可愛い感じで話します。住民証明書の住所はタングラン県カラワチ郡チモネ町ガマ7通りで、兄弟だと言う男性が付き添っており、シルバーのアヴァンザもしくはゼニアに乗っています。
わたしが借家にしようとした家はブカシのハラパンインダにあり、セミ家具付きです。エアコン完備、たんす・ベッド・ソファ・カーペット・各部屋には電気スタンドもあります。相手は前金を支払い、残りは外国からの送金を待っているのでひと月以内に支払うと言いました。そして全額まだ支払っていないけれど女中を住み込ませるので入居させてほしいと言い、その理由として自分の荷物を入れたいし、屋内の模様替えをしたいと言ったのです。
ところが後でその家へ行ってみて、わたしはびっくりしました。借家人はいずこともなく行方をくらまし、家の中にあった家具調度品はほとんど姿を消していたのです。カーペット・カーテン・応接テーブル・台所棚・マットレス・電気設備・ゴルフクラブ・そして倉庫の中身一切合財までも。[ 北ジャカルタ市在住、フランシスクス ]


「依然として不法コピーが盛ん」(2012年6月6日)
インドネシアの知的財産権違反不法コピー使用は少しも低下のきざしがなく、2012年3月にビジネスソフトウエアアライアンスが行ったサーベイでは違反率が86%でほとんど改善されていないことが明らかになった。
518人を対象に行われたそのサーベイでは、頻繁に違法コピーを手に入れているのは40%、ときどきというのが23%でめったにないは17%だった。コンピュータ使用者が不法コピーに手を出すのはオリジナルとの価格差が歴然としているからで、個人だけでなくあらゆるセグメントの事業所でも不法コピーに傾く傾向は変わらない。
政府は違反率を引き下げようとして国民に対する教育と啓蒙を続けているが、違反者に対する措置が生易しすぎる、とビジネスソフトウエアアライアンスは批判している。香港やベトナムでは十分に重い制裁が違反者に与えられており、香港では事業所の従業員が不法コピーを使ったら、事業所責任者が監獄入りになるという措置が取られるそうだ。
昨年のアジアパシフィック地区違反率は60%で前年から横ばい。それによって引き起こされた損失は210億ドルで前年の187.5億ドルから大幅増となった。この地区における損失は世界損失の3分の1を占めている。インドネシアでの損失額は14.7億ドルとのこと。


「ひっかけ詐欺の新手法」(2012年6月13日)
2012年3月30日付けコンパス紙への投書"Dipaksa Pakai Kartu Diskon"から
拝啓、編集部殿。2012年3月14日14時50分ごろ、電話番号082817050992から何者かが電話してきて、わたしのニアガ銀行クレジットカードのデータについて尋ねました。電話の主はビザ/マスターカードの者だと言い、わたしのクレジットカードの付属カードとしてディスカウントカードを持つようわたしに勧めたのです。
そのディスカウントカードを持てば、クレジットカードで買物したときにわたしはキックバックがもらえると言うのです。話はそういうことでしたが、おかしなことにクーリエがそのカードを届けに来たとき、キックバックの恩典を得るために290万ルピアを支払うように言われました。わたしは承服できなかったので、それを拒絶しました。だからわたしは何も受取っておらず、また書類へのサインも一切していません。
そのあと、同じ日の15時14分ごろにテレマーケティング担当者から確認の電話をもらいましたのでわたしはその相手に、290万ルピアもの支払いを要求されたから、ディスカウントカードを持つようにというオファーをわたしは拒否します、と伝えました。するとその相手は「取消しはできない。290万ルピアの請求は継続される。」と言い、デットコレクターをわたしのところへ送ると脅かし、電話はそのまま切られました。
クレジットカードをお持ちのみなさん、テレマーケティングが有利なオファーをしてきたら、警戒してください。クレジットカード発行銀行が顧客にファシリティをオファーするのはこんなやり方なのでしょうか?[ ボゴール県在住、スゲン・スリウィヨノ ]


「よくある詐欺」(2012年6月20日)
2012年3月9日付けコンパス紙への投書"Ditipu oleh Angkasa Enterprise"から
拝啓、編集部殿。2011年10月18日にわたしはPT Angkasa Transindo (商号Angkasa Enterprise)のサンティさんというマーケティングのひとから電話をもらいました。指定されたお店で使えるディスカウントカードとホテル宿泊券がもらえると言うのです。電話の話では、わたしはマスターカードのクレジットカードを使って199万5千ルピアのデポジットを行い、取引が終わったらサンティさんがわたしに連絡してきて2,3,4,5ヶ月のどの分割支払いにするかをアレンジするのだそうです。さらにまた、もし6ヶ月間カードが使用されなければ、わたしのお金は返してもらえるとも言いました。
その日のうちにディスカウントカードとホテル宿泊券、そしてデポジット金額を受取るためにカードリーダーを持ってPT Angkasa Transindo のクーリエがやってきました。
それから1〜2ヶ月間、サンティさんからまったく電話がありませんでした。それでわたしのほうからサンティさんの電話番号にかけてみたのですが、するとその番号はもう使われていなかったのです。その後現在に至るまで、この件はまったく闇の中です。[ 東ジャワ州マディウン県在住、アリス・リヤント ]


「クレジットカード詐欺が減少」(2012年8月2日)
インドネシアのカードフロードは減少の一途をたどっており、いまではASEAN加盟11ヶ国の中で最低になっている。インドネシアで行われてきた支払いカードの詐欺と不正使用はさまざまな手口が使われており、単純なものは盗品カードの使用からカード現品がないのにインターネットショッピングが行われるというようなものまで数多い。
2012年1〜4月のフロード発生件数は6,536件被害総額116.1億ルピア。流通支払いカード総数は、2012年末予測ではATM/デビットカード7千4百万枚、クレジットカード1千5百万枚、Eマネーカード1千9百万枚と見込まれている。
Visaカードのチーフエンタープライズリスクオフィサーによれば、アジアパシフィック中欧中東アフリカ地区のフロードグロスレーシオは0.015%で全世界の0.052%より低いとのこと。
Visaカードはインドネシアで18金融機関と提携してカード発行を行っている。2009年以来インドネシア銀行はクレジットカードの磁気テープからチップタイプへの移行を進めており、2015年を完全移行の目標としている。この政策が進行するのと歩をあわせるかのようにカードフロードが低下しており、Visa側もその点を指摘している。


「失業者を狙う口入詐欺」(2012年8月17日)
2012年5月19日付けコンパス紙への投書"Iklan Sesat Lowongan Kerja di Luar Negeri"から
拝啓、編集部殿。コンパス紙のミニアド紙面に2012年4月1日から10日まで掲載されていた『US・オージー・ニュージーランド・LA・UKの労働ビザ手続き:ビンタンツアートラベルエージェント、PIC:ディアナ・ホリゾンMBA(081311157388)、アンディ・プラギ(+6282114255295)、ヘンディ・ヘンドラヤナ(6909703)』はまったく嘘っぱちの虚偽広告です。その広告にはジャカルタ、ロアマラカウタラ通り5−6番地サハルジョビル5階551号室という住所も出ています。
そこに名前が出ている三人の口座にひとり5百万から3千万ルピアを振り込んだ30人の被害者のひとりがわたしです。そのお金はビザ手続き・往復航空券・健康診断等々の費用として支払われたものなのです。この詐欺のために使われた口座はCIMBニアガ銀行口座番号1800101856113とマンディリ銀行プラザマンディリジャカルタ店口座番号070.000.214823.2でいずれもアンディ・プラギの名義でした。
わたしたち被害者はこの詐欺事件を警察に届け出ています。わたしがコンパス紙にこの投書を出したのは、更なる被害者が出てほしくなかったからです。読者の皆さんも、巨額の収入を餌にして勧誘するオファーには警戒してください。新聞の広告部門は宣伝文句をただ受取って紙面に載せるようなことをしないほうがよいと思います。読者が詐欺の被害に落ちるのを手助けすることのないよう、広告主からはその内容を証明できるような事業許可証などの書類を添付させるようにしてほしいと希望します。[ 西ジャワ州デポッ市在住、シティ・ヌルハサナ ]


「銀行通用贋札」(2012年8月22日)
「この札はほかのものよりちょっと高いのよ。なにしろ、銀行通用ものだからな。」その贋札売りはそう言って、ホンモノ1枚に対して贋札は2枚しか渡せない、と言い張った。普通の贋札だとホンモノ1枚に対して3〜4枚の交換比率だというのに。
西ジャワ州ボゴール植物園の外側を周回する道路が一周して出会うクジャンの塔の道路脇で囮捜査していた市警犯罪捜査ユニット職員は、42歳と48歳の贋札売人ふたりを逮捕し、ふたりが持っていた10万ルピア紙幣と5万ルピア紙幣の束を押収した。捜査員が驚いたのは、それらの紙幣の作りがきわめて精巧なものであり、かれらが言うように銀行でも通用する可能性が高い品質のものであったことだ。
普通の贋札は手触りがすべすべしているがこの贋札はホンモノそっくりで、おまけに透かしもまるでホンモノ。ただ、ホンモノと並べてじっくり見ると、贋札のほうが印刷が濃く、またすべて同一の紙幣番号になっている。
ルバラン前後は現金需要が急激に高まる時期であり、その機会を狙って贋札使いが増加するのが例年の傾向であるため、ホンモノそっくりの贋札登場に驚いたボゴール市警は市民に対して警戒を強めるよう呼びかけた。特に両替は見知らぬ他人に依頼せず、金融機関を利用するように、と。
ふたりの贋札売人の自供によれば、かれらはスカブミのSという者の誘いを受けて、コミッション10%で贋札売りを引き受けたとのこと。贋札制作と流通に関する情報はそこまでしか得られておらず、ボゴール市警はそのSを追跡している。
一方、スカルノハッタ空港でも、空港警察が10万ルピア贋札349枚を持っていた航空機搭乗客を逮捕している。その搭乗客は東ジャワで額面総額4千万ルピア相当を1千2百万ルピアで手に入れたと自供しているが、持っていた贋札は色が薄く、また透かしもホンモノとは異なる画像で、品質は劣っている。


「警察詐欺」(2012年10月12日)
2012年7月30日付けコンパス紙への投書"Polisi Gadungan Menelepon tentang Razia Narkoba"から
拝啓、編集部殿。去る7月7日午前2時半ごろ、家の電話が鳴りました。わたしは驚いて目を覚まし、電話を取りました。すると「お父さん、オレ警察に捕まって撲られてるんだ。」という声が聞こえたかと思うと別の人間が出て、わたしの息子の名前を尋ねました。わたしは言いました。「KTP(住民証明書)かSIM(運転免許証)を見たらわかるでしょうが・・・」
電話の相手はわたしの返事に反発して怒り出し、激しい口調で罵詈雑言をわめきます。その相手が言うには、わたしの息子は麻薬覚せい剤不法所持の検問でシャブとエクスタシーを持っているのが見つかったそうで、「法的措置を取れば15年の入獄だが、それでいいのか?」と尋ねてきました。「もしそれを望まないのなら当方の指揮官と交渉すればいい。交渉が成立すれば息子さんは無事にあんたの住所まで送り届ける。」
最初、指揮官と名乗る男が言い出したのは3千万ルピアでした。「そんな大金をわたしは持っていない」と言うと、また脅し文句を並べてわめき散らします。「そうか、じゃあ脚に鉛だまをぶち込んでやれ。」警察のサイレンの音。「赦してくれ、やめてくれ。」という男の悲鳴。わたしはその相手と交渉を続け、その間にわたしの妻は息子に電話して所在を確かめました。息子は自宅で妻子とぐっすり眠っていたのです。そのとき、交渉金額は3百万ルピアまで落ちていました。
妻から息子は無事でいるとの言葉を聞いたわたしは言いました。「もういい。法的措置を取ったらどう?」相手はまた罵詈雑言をわめきながら、電話を切りました。かれら詐欺師が使う手口は不良警官が検問を行い、一般市民を罠にはめて金を搾り取る悪事を模倣しているのです。かれら悪徳警官がボロボロにいためつけた警察のイメージと権威を立て直すのが警察がいま行うべきことなのです。イメージの改善はとても難しく、良いイメージを貶めるのはたいへんに簡単なのです。[ タングラン在住、エミール・ラシディ ]


「アブナイ投資のお勧め」(2012年10月19日)
2012年7月7日付けコンパス紙への投書"Dana Nasabah Terkuras Habis akibat Investasi Emas"から
拝啓、編集部殿。わたしはスラバヤのPT SGB-トリリウンオフィスが行っている黄金投資被害者のひとりです。ことのはじまりは、「ロコロンドンゴールド」を買うのは黄金投資のもうひとつの方法だと語るWPB”S”氏と知り合ったことでした。かれのプレゼンテーションは、投資者が負うリスクなどそっちのけで、ばら色に染まった大儲けの約束に満ち満ちていました。つまり透明性に欠けていたということです。この投資に関するわたしの経験も時間もなかったことから、かれが投資計画を作ることになりました。
WPB”S”氏の作った投資計画は、対象にしたロットを全部市場でフロートさせるものだったのです。その結果投資者は自分の口座を維持するためにあとからあとから資金を注ぎ込むことを強いられ、そんな形で投資者を損させるものであることが明らかになりました。注ぎ込んだ資金が高額になったため、投資者はマーケットから撤退するよう依頼しましたが、それに対する反応は二週間もあとでした。
マーケットで売買しているとき、投資者の口座はプラスでした。投資者がその資金を手元に戻そうとしたとき、オートロックにかかるという理由でかれはその依頼を先延ばしするのに努めたのです。その結果、口座にあった金は市場でのフロートを維持することとストーレッジの費用のために一切が消滅してしまいました。[ 東ジャワ州マラン在住、ギニ ]


「e−バンキング詐欺」(2012年12月5日)
2012年8月22日付けコンパス紙への投書"Penipuan Upgrade Sistem Internet Bank Mandiri"から
拝啓、編集部殿。わたしは口座番号109xxxxxxと006xxxxxxの二つの口座を持っているマンディリ銀行利用者で、一年前からe−バンキングを使っています。2012年3月29日13時30分、わたしはマンディリ銀行ウエッブサイトのロゴがついたeメールを受け取りました。そのメールには、以下に示されているステップに従ってe−バンキングのセキュリティアップグレードを行うように、と記されているのです。
そのあとマンディリ銀行インターネットバンキングからeメールが入り、リバティリザーブ8000購入代金としてSS名義口座番号1280006018425に7,560万ルピアの振込みがなされたことを通知してきました。そんなものを購入した覚えのないわたしは驚くと同時に、インターネット詐欺の被害者になったことを悟ったのです。
わたしは即刻マンディリ銀行コールセンターに電話し、最寄のマンディリ銀行支店をすぐに訪れるよう勧められました。わたしがマンディリ銀行東ジャカルタ市ラワマグンのバライプスタカ支店に着いたのは14時で、わたしの口座が破られてから20分後でした。カスタマーサービス担当者の助けを得てクレーム届けを作ったあと、振込先のSS名義口座番号を調べ、そしてその口座はマンディリ銀行南ジャカルタ市ルバッブルス支店で開設されたものであることが判明しました。SS名義のその口座の残高がわたしからの送金額より大きいことが明らかになったため、マンディリ銀行はその口座残高のうちでわたしからの送金額分をブロックすると表明しました。
わたしはマンディリ銀行側のサジェスチョンに従い、首都警察特殊犯罪部に届出を行ったのです。わたしが行っていないその振込みを取消してこの事件を解決するためのマンディリ銀行側のプロセスがいつ完了するのかは予測できないとのことでした。
サイバークライムに関してわたしは素人であり、不用意な行動を取ってしまいました。それでも、わたしは保護されるべき顧客なのです。[ 東ジャカルタ市ラワマグン在住、アニタ・トビン ]
2012年9月27日付けコンパス紙に掲載されたマンディリ銀行からの回答
拝啓、編集部殿。2012年8月22日付けコンパス紙に掲載されたアニタ・トビンさんの投書に関して、不愉快な体験をなされたことに対してお詫び申し上げます。マンディリ銀行は現在アニタさんと振込先口座所有者の間で調停を進めています。
ご利用者からの提案やご質問は電話番号14000の24時間サービスマンディリコール、あるいはインターネットサイトwww.bankmandiri.co.id内のメニューからcontact usをお選びいただくか、またはcustomercare@bankmandiri.co.idを通してマンディリ銀行カスタマーサービス部門にコンタクトください。[ マンディリ銀行企業秘書、スコリヤント・サプトロ ]


「廉価航空券詐欺」(2012年12月20日)
2012年9月10日付けコンパス紙への投書"Betapa Rumit Meminta BRI Memblokir Rekening Penipu"から
拝啓、編集部殿。2012年7月29日16時27分に、妻が2012年8月17日のジャカルタ発ブンクル行きフライト航空券オンライン購入の支払いのため、ヌル・イクサン名義BRI銀行口座番号022501043296503宛てにBRI銀行東デポッ補助支店ATMからBCA銀行ATMカードを使って振込みを行ないました。その日の15時ごろ、妻はブンクル行きプロモ料金チケットをオファーしてきた旅行代理店側と電話番号085319799968で会話しています。ところが18時までに確認の返事をしてくるはずの相手から、いつまで待っても返事がありませんでした。
妻は率先してその航空会社のサイトを調べ、直接乗客サービス部門に電話しました。そしてわたしどもの航空券注文コードが焦げ付いていることが明らかになりました。つまりヌル・イクサンはわたしどもの支払いを受け取るとそれを航空会社に送金せず、自分の口座に金が入ったらすぐに航空会社への予約を取消したということです。16時半までわたしどもの名前は確かにその航空会社の予約者リストの中にあったのですから。
旅行代理店の電話は切られているので、わたしどもはコンタクトすることができません。こうしてわたしどもは詐欺の被害者になったことを悟りました。妻はBRI銀行の電話番号14017に連絡しました。
2012年7月30日、デポッ市スッマジャヤ警察署とBCA銀行デポッアスリ支店で必要な書類を調えてから、わたしはBRI銀行スッマジャヤ支店を訪れました。銀行側が調べたところ、ヌル・イクサンの口座番号はBRI銀行南スラウェシ州スングミナサ支店で開かれていることがわかりました。BRI銀行担当者が言うには、口座ブロックはその開設銀行でしか行なえないとのことでした。わたしどもがこの届出を行なったのは、詐欺犯人が行なう犯罪行為にその口座が二度と使えないようにするのが目的だったというのに。[ デポッ市在住、ダニ・モハマッ・アンワリ ]
2012年9月21日付けコンパス紙に掲載されたBRI銀行からの回答
拝啓、編集部殿。ダニ・モハマッ・アンワリさんからの2012年9月10日付けコンパス紙に掲載された投書について、当方はそのフォローアップを行なったことをお知らせします。弊行顧客対応セントラルはダニさんとコンタクトし、BRI銀行は現行規定に従ってダニさんからの届出に対するフォローアップを行なったことを報告しました。[ BRI銀行企業秘書、ムハマッ・アリ ]


「詐欺の手法は尽きない」(2012年12月25日)
2012年9月6日付けコンパス紙への投書"Modus Baru Penipuan Telepon kepada Pensiunan"から
拝啓、編集部殿。2012年6月12日、相互覚書と国家公務員管理庁・大蔵大臣・年金貯金会社の共同決定書にもとづいてわたしは5千万ルピアの年金配当金がもらえるのだという電話をかけてきたひとがありました。その手続きについて、今すぐ電話番号70206209に電話して国家公務員管理庁のウィリッノさんにコンタクトするように、と言うのです。
ウィリッノさんの番号に電話すると、かれは配当金があることを肯定しました。そして年金貯金会社チュンパカプティ事務所のスギヤントノさんに連絡しろと言い、電話番号44643211あるいは44643158を教えてくれました。スギヤントノさんの説明によれば、配当金は5%をカットしてすぐに現金で支払われるということで、求められるままにわたしの口座番号を相手に教えたのです。
相手が口座の残高を尋ねたときわたしは不審を抱き、これは詐欺にちがいないと確信しました。わたしが配当金と口座残高がどういう関係にあるのかを質問するとかれは沈黙し、そしてそのまま電話が切れました。わたしの年金プロセスは国家公務員管理庁および年金貯金とまったく無関係なので、この話の最初からわたしには疑念があったのです。わたしは文民公務員でなかったのですから。
気になったので、わたしは年金貯金会社チュンパカプティ事務所にコンタクトしました。そしてそこにはスギヤントノという名前の職員はいないことが判明しました。さらに電話の相手はわたしに、その詐欺の手口は2010年から使われているものであり、詐欺にはくれぐれも警戒するようにとアドバイスしてくれたのです。
年金受給者のみなさん、簡単に相手を信用せず、警戒を厳重になさるよう、わたしからもお奨めします。[ 南ジャカルタ市在住、スリ・ハルトノ ]
2012年9月19日付けコンパス紙に掲載された国家公務員管理庁からの回答
拝啓、編集部殿。スリ・ハルトノさんの9月6日付けコンパス紙に掲載された投書に関して、次のようにお伝えします。国家公務員管理庁広報課はウィリッノ国家公務員管理庁年金局長の名前を騙った年金配当金支給に関する多数の訴えを受けています。
その件は不当に金銭を騙し取ろうとする者たちの詐欺であることを言明したいと存じます。当方は国家公務員管理庁ウェッブサイトwww.bkn.go.idでその詐欺手法に関する情報を広く国民に説明しています。
国家公務員管理庁や庁高官職者の名前を出して文民公務員になれるような話をしてくる者がいた場合、東ジャカルタ市チリリタン地区ストヨ少将通り12番地の国家公務員管理庁広報課、電話(ファックス兼用)(021)80882815宛てにまず確認を取られるよう、本紙読者のみなさんにお伝えします。[ 国家公務員管理庁広報課長、トゥンパッ・フタバラッ ]