「電子KTP異変〜国は美田なり(5)」(2018年12月19日) コンパス紙はもうひとつ別の入手ソースを見つけていた。それはインターネットショッピ ングサイトのトコペディアにロータスbdl というベンダー名でオファーされていたものだ。 コンパス紙はそれも購入した。都内のパサルで入手したものとネットショッピングで入手 したものをそろえて、コンパス紙は専門家に調査を依頼した。 専門家のチェックした結果は、本物と寸分違わないスペックのものであるという結論だっ た。もちろんそれは客観的事実として述べている証言であって、流通経路が判明していな い以上、正規のものが流れたのか、精巧な贋造品が別のところでつくられたのかについて 言及するわけにはいかない。 専門家によれば、使われているチップはNXPで正規規格と同一のものであり、内務省住 民管理市民登録総局が持っているセキュリティアクセスモジュールに反応してきたそうだ。 そのとき明らかになったのは、ロータスbdl から入手したものは既にパーソナル化が行わ れており、アクチベートされる前段階のものだったということだ。市場で入手したものと はそこが異なっていた。 住民管理市民登録総局長はロータスbdl のブランク電子KTPを預かって、追跡調査を開 始した。総局長によればパーソナル化は工場出荷時点で行われるものであるため、足取り をたどって何かを発見することの可能性は低くないと思われたのだろう。一方、この問題 が明らかになってからトコペディアは早々にロータスbdl をベンダーから抹消した。 コンパス紙記者がプラムカポジョッ市場で見聞してきた通り、ブランクの電子KTPがパ ーソナル化されれば、定められたコードに従ったNIKを設定し、規格通りのフォントを 用いて本人データをカードの表面に書き込むことがだれにでもできる。役所で行われてい るのとそっくりそのままのことを、普通のコンピュータとプリンターを使って簡単に行え るのだ。発行者サインなどは、既存のものをスキャンして貼りつけるだけのことだ。 こうして顔写真だけは本人のものだが、名前・住所・年齢などあらゆる本人データは虚偽 というニセモノ電子KTPができあがる。内務省住民管理市民登録総局に持ち込まれたプ ラムカポジョッ市場製電子KTPをカードリーダーにまでかけてチェックした総局職員は、 それをニセモノと判定する決め手が何もない、とあきれた表情を示した。 [ 続く ]