「学術発見の裏に違法行為」(2019年03月05日) 絶滅したと見られていた世界最大のハチが北マルク州で発見され、19年2月21日にネ ットサイトのグローバルワイルドライフコンサベーション(GWC)で報告されたことは 生物学上で有意義なことに違いないものの、インドネシアの国法を破って調査を行った外 国人学者の行動をインドネシア政府は批判している。 イギリス人生物学者アルフレッド・ラッセル・ウォレス氏が19世紀にオランダ植民地下 にある東インドで行った調査で発見されたMegachile plutoという学術名称を持つ巨大蜂 は1981年に昆虫学者アダム・カットン・メッサ―氏の報告を最後にしてその存在の報 告が絶えていたことから、今回の報告は久々の快挙と言えるにちがいない。 ところで、インドネシアで学術調査を行うに当たっては、インドネシア政府の許可が必要 になる。許可を取得した上でインドネシア科学院との共同研究としてそれを行わないと、 入国目的から逸脱した活動としてイミグレーション法規違反となり、法的処罰の対象にな るのが確実だ。 今回GWCに発表された報告はオーストラリア・カナダ・アメリカなどの研究家や写真家 のグループが政府の許可を得ることなく到着時ビザで入国し、北マルクで巨大蜂の探索を 行い、写真やビデオを撮った上、捕獲した蜂は放して帰国したとのことだ。そのひとびと は以前から頻繁にインドネシアを訪れており、無断調査が継続的に行われていた可能性を 政府当局は推測している。もしも何らかのサンプルを持ち帰るようなことが行われていた なら処罰は避けられない、と政府関係者はコメントしている。 GWC責任者はインドネシア政府からの問い合わせに対し、今回の発表は同サイトが世界 への通知に協力しただけであって調査にはまったく関与しておらず、調査自体は一部学者 グループが独自に行ったことだ、と説明した。調査グループに参加した米人写真家クレイ ・ボルト氏は旅行者として北マルク州に巨大蜂の探索に赴いたことを認めている。 2019年に明るみに出た外国人無断学術調査は今回が二件目で、もうひとつは北カリマ ンタン州で調査を行ったイギリス人が逮捕され、国外追放処分を受けている。2018年 は15件の違反行為が記録されている。