「インテリ層に広がるラディカリズム」(2016年10月21日) インドネシアでラディカリズムは教育レベルの低い階層だけに広まっているのではない。 ラディカル思想は国内の一流キャンパスをも支配する勢いを示している。学術研究者のひ とりはガジャマダ大学で調査を行い、学内でラディカリズムが支持されていることを発見 した。更にその傾向を確かめるためにガジャマダ大学だけでなく、バンドン工大、11月 10日工大、ブラウィジャヤ大学、アイルランガ大学、ボゴール農大、ディポヌゴロ大学 で行った調査からも、それが一大学だけの特殊事情でないことが明らかになっている。そ の結果、かれはムスリム大学生がインドネシアの民主主義の将来にどのような影響を与え るだろうかという予測の中で、バラ色の未来が描き切れないことに懸念を抱いた。その対 策としてかれは、政府のより包括的な対策が緊急課題になっていることを説いている。 「一時、学生運動の主流を占めていたチパユングループは、レフォルマシレジームの最初 の十年間にシステマチックに傍流に追いやられてしまった。インドネシア国民学生運動、 インドネシアキリスト教大学生運動、イスラム大学生会もマージナルなポジションに移っ ている。」学生運動の社会変革に対する関心の形が異なる様相を帯び、従来型の闘争が別 の色合いで染め上げられるようになってきている現状にかれは警鐘を鳴らしているのだ。 「イスラムと平和」研究院が行った中等教育レベルへのラディカリズム浸透状況の調査結 果によれば、教員の76.2%、生徒の84%がイスラム法の施行を望んでおり、同一教 徒間の連帯を保つために暴力が使われることに52.3%が賛成し、爆弾テロ行動を14 %が正当化している。 更に教員の25%と生徒の21%が、国是としてのパンチャシラはもはやインドネシア民 族にとって妥当性のないものになっていると述べた。この調査はジャボデタベッ地区の教 員と生徒5百人に対して行われたもの。 それはまだ観念の中の状況であるとはいえ、それを放置すればそのうちにテロリストが続 々と登場して来る可能性が高い。内務省一般政策総局長は、国民にパンチャシラ意識を徹 底させ、統一民族が形成する国家の護持の重要性を植え付けるために、民族統一政策推進 を町役場レベルまで活発化させるよう指令が出されている、と述べている。