「外国人留学生ウエルカム(前)」(2017年05月30日) インドネシアの大学は外国人留学生に対してますますウエルカムの姿勢を示している。た とえば今現在、バンドンのパジャジャラン大学には外国人留学生が150人いるし、ジャ カルタのシャリフヒダヤトゥラ国立イスラム教大学には76人、スラバヤではアイルラン ガ大学に56人、11月10日工大は50人いる。 それらの留学生は世界各国から集まってきている。マレーシア・カンボジャ・タイ・トル コそしてアフリカのガンビア・スーダン・リビア、パレスチナからの学生もいる。かれら はインドネシアの大学で、コミュニケーション学・イスラム教・芸術・国際関係・医学ま で、さまざまな分野で学問を修得しようとしている。 たとえばジャカルタのシャリフヒダヤトゥラ国立イスラム教大学は、2005年から外国 人留学生の受入れを開始し、通算で2百人の留学生を教育して来た。今現在いる76人は マレーシア・タイ・日本・イエーメン・トルコ・アフガニスタンその他アフリカ諸国から 来ている。 大学が国際級のレベルと認定されるためにワールドクラスユニバーシティの条件を満たさ なければならない。そのためには在校生の10%を外国人留学生が占めなければならない。 シャリフヒダヤトゥラ国立イスラム教大学の学生総数は2万5千人だから、外国人留学生 を2千5百人擁したときにこの大学ははじめて国際級になったと言うことができる。 この国立イスラム教大学は決して宗教ばかりを教える神学校ではない。カナダ・アメリカ ・ヨーロッパから来ている留学生は概してイスラム教の研究を選択しているものの、トル コからの留学生は教員資格を得るコースを選択しているし、ガンビアから来た留学生は保 健と環境保護を学んでいる。 ガンビア人男性バブカル・ジャッセイ21歳がその留学生だ。昼食時に大学キャンパス周 辺にあるワルンを覗いて、今日は何を食べようかと思案しているバブカルに記者がインタ ビューした。バブカルはワルンパダンに入るや、すぐにルンダンを注文した。 「ぼくは何でも食べますよ。ナシパダンでもワルテッでも、ナシゴレンでも。食べ物には まったく問題ありません。一番困ったのは言葉と文化ですね。16年8月に初めてインド ネシアに来たとき、インドネシア語はまったくゼロでしたから。だから第一スメスターの とき、毎日単語を25個暗記することに努めました。講義に出ても、何を言っているのか 全然わからないんですから。だから講義を録音することにしましたよ。それをコスで解読 するんです。えっ、IPK?IPKは3.79だったですね。」 IPKは学業成果のランクを指し、3.79というのはAマイナスに該当する。文化の違 いは、今でもかれを戸惑わせている。かれがどこかを歩いていると、自分の方を見て笑っ ているインドネシア人にいつも行き当たる。「自分の姿はそんなに変なの?」という思い がかれを意気消沈させるのだそうだ。 同じ大学で国際関係学を専攻しているバブカルの同国者、ファンナ・コンテ22歳はイン ドネシアでの滞在が一年になったものの、インドネシア語がいまだに苦手。講義に出ても、 教官の言っている内容が理解しづらい。だから学生仲間たちに英語で講義内容を説明して もらうのだが、成績はなかなか思うように伸びない。[ 続く ]