「銀行帰りのパンク強盗に警戒を」(2017年06月19日)

2017年6月9日昼、西ジャカルタ市ダアンモゴッ通りのガソリンスタンドで強盗殺人
事件が起こった。被害者は30歳の実業家で、BCA銀行グリーンガーデン支店で3億ル
ピアの現金をおろしたあとだった。警察の調べによれば、強盗一味はひとりで銀行へ来て
大金をおろす人間を待ちかまえ、その者の車のタイヤがある距離を移動する間に空気が抜
けるよう細工した釘を刺して追尾し、タイヤ交換を行っている被害者の隙をついて大金の
入ったバッグを車から奪取するという手口が使われたとのこと。

悲運にも被害者はバッグを奪われまいとして抵抗したため、拳銃で頭を撃たれて死亡した。
警察は一味の数人を数ヵ所で逮捕した。そのうちのひとりも数日前に西ジャワ州カラワン
で逮捕したが、そのとき、その男は「殺人犯はボゴールにいるので、案内する。」と言っ
て時間を稼ぎ、ボゴールで居場所に案内するふりをして捜査員に逆襲したために射殺され
た。

この一味はランプン出身者をメインにする10人以上の強盗団で、今年の4月から6月9
日までの間に首都圏とチレボンで24回同じ手口の犯行を行い、奪った現金は合計で16
億ルピアを超えていた。既に逮捕された一味のひとりは、ランプン州のある村の村長選挙
に立候補し、選挙キャンペーンに従事している最中に逮捕されている。一味は23回目ま
で被害者に危害を加えることなく犯行に成功していたが、24回目に被害者を殺したため
に一味は即座に分散して逃亡した。警察はまだ逃亡中の者たちに自首するよう呼び掛けて
いる。


その前の5月31日には、ブカシ県北チカラン郡でまったく同じ手口による強盗未遂事件
が起こっている。そのとき、被害者は会社の用で銀行から1億5百万ルピアの現金を引き
出し、その金を持って会社へ戻る途中だった。しばらく車で走ったあと、かれはタイヤの
空気がなくなっていることを感じたが、自分を追尾しているオートバイがいるように思え
たため、停まってタイヤ交換するのは危ないと思い、そのまま走り続けて警官のいる警備
ポストまで走って停車した。そしてかれは「あのオートバイが自分を追跡しているように
思える」と警官に告げたため、警官は即座にそのオートバイ運転者をポストに連行して取
調べ、事実その被害者が強盗団に狙われていたことが明らかになった。警察はすぐさま強
盗団一味の逮捕に向かい、オートバイ追尾者28歳のほか、38歳・33歳・41歳の合
計4人をその日のうちに逮捕した。一味のもうふたりは逃亡しており、警察が追跡中。

一味が被害者の車のタイヤをパンクさせたのは車が交通渋滞の中で動けなくなったときで、
釘を打ったゴムサンダルを車のタイヤの前に投げてそれを踏ませるという手口が使われた。
警察によれば、銀行へ大金をおろしに来た人間をターゲットにする強盗団は、まず銀行内
にスパイを数人送り込み、ひとりでやってきて大金を引き出す銀行客をマークさせる。そ
の一方で、どの客がどの車で来たかをチェックする役割の人間が駐車場にいる。ターゲッ
トが決まると、その客の車のタイヤへの細工が行われる。細工するのが難しい状況である
なら、釘を打ったゴムサンダルを使うという手が残されている。

ターゲットが車で動き出すと、それをオートバイで追尾する役の者も動き出す。強奪実行
者はその動きに追随しながら着かず離れずという形でフォローし、いざタイヤ交換が始ま
った連絡があると現場に急行して大金の入ったバッグを強奪する、というのが強盗団のシ
ナリオ。


銀行へ大金を引出しにひとりで来た場合、銀行内で自分に注意を向けている人間がいるよ
うに思われたら、帰りは必ず警備員や警察に依頼して警官のガードをつけてもらうよう、
遠慮なく要請するように、と警察は勧めている。もちろん、自分に注意を向けている人間
がいようがいまいが、警官のガードを要請するのは大いに奨められていることだ。