「食材のインフレが激しいラマダン〜ルバラン期」(2017年06月28日)

ラマダン〜ルバランシーズンは一年でもっとも経済活動が活発化する時期だとされている。
中銀はこの時期、市場での通貨流通量に不足が起きないようにするため、現金備蓄と供給
を平常期の数割多めに準備するのが常だ。そしてムスリム国民にはハリラヤボーナスが雇
用主から支給されるために、かれらは平常月の二倍多く金を持ち、多少の値上がりはもの
かわと必要物資の購入のためにその金を支出する。

インフレ理論が生々しい形で実践されるのが、その時期のインドネシアだということにな
っている。その多少の値上がりというのが首都ジャカルタでどうなっているのか、それを
具体的な数字で表したものが、コンパス紙R&Dがまとめた次の資料だ。

年    年間インフレ率  ラマダン〜ルバラン月のインフレ率
2012  4.52%     7〜8月 1.36%
2013  8.00%     7〜8月 4.11%
2014  8.95%     6〜7月 1.58%
2015  3.30%     6〜7月 1.32%
2016  2.37%     6〜7月 1.19%

次に、食材カテゴリーについて同じ分析をすると、次のようになる。
年    年間インフレ率  ラマダン〜ルバラン月のインフレ率
2012  7.43%     7〜8月 2.99%
2013 11.57%     7〜8月 6.80%
2014 12.77%     6〜7月 3.39%
2015  4.86%     6〜7月 3.33%
2016  5.31%     6〜7月 2.68%

また、各年でインフレ率の大きかったカテゴリーは次のようになっている。
2012年のカテ別年間インフレ率
衣料品 6.74%   飲食品タバコ 6.03%
2013年
運輸通信金融サービス 14.86%   飲食品タバコ9.74%
2014年
飲食品タバコ 11.92%   運輸通信金融サービス 10.53%
2015年
飲食品タバコ 7.01%   衣料品 4.92%
2016年
衣料品 4.17%   飲食品タバコ 4.02%