「セックス慰安施設とポルノ法」(2017年10月17日)

中央ジャカルタ市ガンビル地区スルヨプラノト通りにあるルコ「プラザハルモニ」で営業
しているT1スパを2017年10月6日夜、中央ジャカルタ市警捜査班が急襲した。

このスパは1階が受付、2階がロッカーとトイレ・シャワーにフィットネス、3階がサウ
ナと小部屋、4階は小さいプールになっていて、その小部屋で性行為が行われていた。

と言っても、ここには売春婦がいるわけでなく、男同士が二人連れで来たり、あるいは他
の客とそこで会って小部屋を利用するという形が行われていた。つまりここは男性同性愛
者の慰安スポットだったということだ。

利用する施設によって料金は異なっており、サウナ利用客の料金はひとり19万ルピア、
フィットネスは16万5千ルピアで、料金を支払うと店はコンドームと特製オイルを客に
渡していた。


店員の話によれば、やってくる客はたいてい高級車で来るとのこと。若者もいれば年寄り
もおり、まだ若い青少年がマジョリティを占めている由。「年寄りの中には、土の臭いが
する者もいる」とその店員は言う。土葬が当たり前のインドネシアでは死期間近い人間に
ついて、「bau tanah」という暗喩表現をよく使う。

中にはそれと知らずにやってきて施設だけ利用し、ほかの男客から迫られて「二度と来な
い。」と捨て台詞を残して帰る客もいるそうだ。店員は「最初に尋ねりゃいいのに。」と
応酬するとのことだが、どちらが常識外れなのか?

だが最初からそのつもりで来る客は帰るとき、ハッピー満点のニコニコ顔で店を出て行く、
と店員は付け加えている。4階のプールでは、みんな一糸まとわぬ姿で入っているとの話
だ。


この店は普段から繁盛しているらしく、警察が急襲したとき大勢の人間が中におり、客や
店関係者など総勢51人が警察に連行された。客の中には外国人が7人いて、中国人4人、
タイ人・マレーシア人・シンガポール人がひとりずつだった。

警察は店側関係者6人を容疑者として取り調べている。容疑者には2008年法律第44
号ポルノ法第30条を適用する意向。第30条は次のような条文になっている。

第4条(2)項に述べられているポルノサービスを提供する者は、6カ月から12年まで
の入獄および/あるいは2億5千万ルピアから60億ルピアまでの罰金を科す。

第4条(2)項の条文は次の通り。
次のポルノグラフィサービスを提供してはならない。
(a)明示的に裸体あるいは裸体を印象付ける姿を示す
(b)明示的に性器を示す
(c)性行為を開示し、あるいは搾取する
(d)セックスサービスを直接あるいは間接的にオファーし、あるいは宣伝する