「ボロブドゥル破壊扇動の開始」(2017年11月27日) 仏教遺跡であるチャンディボロブドゥルに対する攻撃がいよいよ始まったようだ。 インターネット上にホウクスがあふれかえり、作家と名乗る人間が書いた体裁で、「チャ ンディボロブドゥルはシャイレンドラ王朝の遺跡などでなく、あのレリーフも石に彫り込 んだものでなくて成形されたものが貼りつけられているのだ。」という表明が述べられ、 更にはその主張を確かめるためにその本人および仲間たちがレリーフを削る場面を移した ビデオまでが添えられていて、まるで「あなたがたも現地でやってみれば、本当かどうか わかる」と世間一般にそれをけしかけている雰囲気が濃厚だ。 更にはソーシャルメディアに「あのレリーフは粉を成型して作られているのだ。」という 書き込みまで出現し、喧々諤々の論議が広がっている。 実際にチャンディボロブドゥルで働いているガイドたちの中に、そのビデオが本当かどう かを確認したがっている入場者が最近目立って増加していることを指摘する者が何人もい る。ガイドの見ている前で、金属を手にして削るような真似をする入場者はいないものの、 レリーフの一部を握って引きちぎってみるようなことをこっそりと行う者が三々五々混じ っている由。 そのような振舞いのおかしな入場者に気付いたときは即座に警備員に告げ、警備員が入場 者に注意する対応が、ガイドたちとチャンディボロブドゥル遺跡の管理を行っているボロ ブドゥル保存館との間で合意され、実践されている インドネシア大学考古学教授は、「今の時代は通説と異なる解釈をインターネットで表明 し、世の中にそれを知ろしめすことをだれもが自由に行えるため、その種のホウクスを禁 止することはだれにもできないが、ボロブドゥルは国の10大観光目的地のひとつである ことにかんがみて、貴重な歴史遺産をホウクスから保護する手段が取られるべきだ。その ホウクスは遺跡の破壊に向かうものであり、それに対する防止措置が高められなければな らない。」とコメントした。 ボロブドゥル保存館は、インターネットホウクスが一般大衆をボロブドゥルの破壊に向か わせようと扇動している現状に対して、その対抗措置としてインターネット上でボロブド ゥルペディアを立ち上げることにしたと発表した。ボロブドゥルに関するあらゆる情報知 識がそこに盛り込まれることになっている。