「少年相手の詐欺レイプ」(2018年01月16日)

インドネシアのブラックマジックの中には、自分の好きな異性に術をかけて自分に惚れる
ようにさせるものもある。アジアンスマルメスムと呼ばれる術もそのひとつだ。

その術をおまえの肉体に植え付けて、おまえの好きな女子がおまえに首ったけになるよう
にしてやるという謳い文句で、8カ月間に7歳から15歳の少年41人を男色相手にして
犯した48歳の男Wが警察に逮捕された。

Wは妻がマレーシアへ出稼ぎに行っており、身近にいてその犯行に気付く人間がいなかっ
たことが、8カ月間も続いた原因のひとつだったのかもしれない。それとも被害者たちの
ほうに、謳い文句に惹かれる強い欲求が内在していたということなのかどうか?


タングラン県グヌンカレル郡で村の補助教員をしていたWには、被害者少年たちとの接触
の機会がたっぷりとあったにちがいない。事件の発端は、生徒のひとりがWには魔術能力
があるという話を仲間たちに言い広めたことだった。その生徒は本当にそう信じていたら
しく、Wにそそのかされて言いふらしたわけでは決してない。

そのうちに、村のあばら家に住むWのところに、生徒たちが遊びにやって来るようになる。
そうこうしている間に、その機会を自分の性欲処理に使おうという考えがWの頭脳にひら
めいた。

自分が持っている魔術能力を少年に植え付けてアジアンスマルメスムの力がその肉体に宿
るようにする方法はこれだ。その前に、少年には難業を課さなければならない。鉄球ベア
リングを呑み込ませてやれ。呑み込んだ少年が、その植え付け儀式を受けることになる。
ところがどう勘違いしたか、少年たちの中にベアリングを10個も呑んだ者がいたそうだ。

その話が少年たちの間で口伝で広まり、7歳から15歳までの少年41人がアジアンスマ
ルメスムの秘法を身に帯びようとしてWの褥に身を置いた。植え付け儀式の直前になって
嫌がりだす少年もいたが、「今ここでやめれば、お前は60日間、不運にさいなまれるこ
とになるぞ。それでも良いか?」と脅かされたら、しぶしぶとでもWの言いなりになるほ
かなかったようだ。


しかし、少年が次々とWのあばら家を深夜に訪れていることは、そのうちに村中の人間に
知れ渡る。何が行われているかは、Wのあばら家を訪れたことのある少年を問い詰めれば
わかることだ。村人たちはWの行為を怒り、そのあばら家に火をかけたのが2017年1
0月のこと。

Wはもはや、その村に住むことができない。補助教員の仕事も続けることができない。村
を立ち退かざるを得なくなったWはタングラン県ラジェッ郡に引っ越し、水田の脇にあば
ら家を建てて日干しレンガ作りの仕事で生計を立てるようになった。ところがアジアンス
マルメスムの力を求める少年たちが、相変わらずWを頼ってやってきたのだ。男色三昧の
夜がまたよみがえる。

バンテン州警察がWの素行に関するアンテナを高くしたのは数カ月前のこと。風評を追い、
監視を続けて確証を得た上で、2017年12月20日にWを逮捕した。Wの被害者とな
った少年たちのうちで、29人は間違いなく性的暴行を受けた形跡のあることが確認され
ている。