「プレミウムガソリンは先細り(前)」(2016年09月26日)

補助金付きプレミウムガソリンの販売量が低下しており、政府の燃料補助金支出が減少し
ている。何年にも渡ってあれほど大騒ぎした補助金削減のためのプレミウムガソリン販売
制限方針を結局何も実行することなしに、プルタライトガソリンという補助金なしガソリ
ンを小さい価格差で世に送り出しただけでこれほどソフトに補助金削減が進展するのだか
ら、政府とプルタミナにとってはまるで夢を見ているようなものかもしれない。だが、本
当にそうなのだろうか?


プルタミナ社企業広報担当副社長は、RON88のプレミウムよりオクタン価の高いRO
N90のプルタライトは2015年7月の発売以来、国内消費量が何倍にも増えた、と語
る。東ジャワのスラバヤとマランでプレミウムの市場供給が不足しており、プルタミナが
故意に制御しているのではないかという声が聞こえていることについて、そんなことはし
ていない、とかれは反論した。それは市場における需給原理がもたらしているものだそう
だ。
「たとえばスマラン地区の16年8月販売は、プルタライトが一日当たり消費量が850
kl増加して2,500klに上り、反対にプレミウムは600kl減少して一日7,8
00klになった。」

スマラン市内のガソリンスタンドはプレミウムの販売量が大幅に減っており、従来週に2
万kl売っていたスタンドは今や週1万klを割っている由。

スラバヤでも同じ現象が見られ、プレミウムの売れ行きがダウンしてしまっているため、
プレミウムのディスペンサーをプルタライトに切り替えたガソリンスタンドが目に付くよ
うになった。スラバヤ市内を回ると5か所以上のガソリンスタンドがプレミウムの販売を
やめている。それらのガソリンスタンドはおのずとプレミウムの注文をプルタミナに出さ
なくなるためプルタミナの供給量も減少していき、外見的にはプレミウムの販売削減を行
っているようにも見えるのだが、それは市場メカニズムが動かしているものだ、というの
がプルタミナの説明だ。

プルタミナ第5地区販売オペレーション広報課長は、東ジャワ州内の838軒のガソリン
スタンドの一割がプレミウムの販売をやめてプルタライトに絞るようになっている、と言
う。

そこにはもちろん、ガソリンスタンドにとって売上高の大小も関わっている。プレミウム
の小売価格はリッターあたり6,450ルピア、プルタライトは6,800ルピア。数百
ルピアでも高いものを売る方が、マージンも大きくなる。プレミウムはリッター当たり2
00ルピアのマージンだが、プルタライトはそれより320ルピアも大きい。ガソリンス
タンドがプレミウム離れを決断するだけの市場動向をかれらは充分に感じ取ってのことだ
ろう。[ 続く ]