「12地方文字を政府が登録」(2017年02月13日)

文字を持つ地方語の中で12種類の文字を政府が公式登録した。インドネシア大学文化科
学部ジャワ学科教官によれば、歴史的に紀元732年のスカブミ文字がインドのデワナガ
リ文字の影響を受けて作られたあと、それが古ジャワ文字・古スンダ文字・バリ文字など
いくつかの文字の創生を促したと思われるが、そのプロセスについてはまったく闇の中で
あるとのこと。

ジャワプゴン文字やアラブムラユ文字はアラブ文字に由来しているのが明白であり、ジャ
ワ語の発音を表記するためにいくつかの適応がなされている。

レジャン、クリンチ、ランプンなどスマトラの文字はブギス文字との関連性が推測されて
おり、ヌサンタラ一円で少なくとも、スカブミ文字に似ている諸文字とは異なる流れがあ
ったことを感じさせている由。一方、北スマトラ州で発見されたカロ、パッパッ、シマル
グン、トバ、マンダイリンは、ひとつのグループとしての類似性が見て取れる。

それらの事実から考えられるのは、スマトラやブギス=マカッサルに興った文字は古ジャ
ワ文字の影響を受けていないことが推測されるため、政治的文化的接触に関するひとつの
古代史地図を描くことができそうだ。

各地方文字の再活性化はそれぞれの地方政府も考慮していることであり、文化保存の意味
からも、学校での学習から街中での地名表示などに使用されるケースが増えている。バリ
州やヨグヤカルタ州にわれわれはその例を見出すことができる。