「芸術と芸能」(2017年05月23日) 芸術は英語でart、芸能は英語でperforming artsだそうで、そうなるとインドネシア語は 前者がseniあるいはkesenian、後者はseni pertunjukanということになる。つまり後者は 観客がその不可欠な要素になっていると言うことができそうだ。 芸術は人間の生活から切り離せないものであり、自己表現における満足をもたらすととも に、それを鑑賞する観客にも楽しみや感動をもたらすものとなりうる。 美しいものはユニバーサルな価値を持っており、異文化の人間にもその美を伝えることが できる。たとえば、毎年行われているクルアン詠唱コンテストMTQ(Musabaqah Tilawatil Qur'an)を非ムスリムがユーチューブで聞いてみても、その朗詠の美しさに感 動すること請け合いだろう。 芸能は特に、訓練を積むことによって成果が向上するという面を持っている。そのため、 子供を幼いころから習い事に仕向ける親が少なくない。子供の人格教育という面にも、そ れは効果を及ぼすものになると考えられている。 各土地土地で地元民が発展させた地元芸能がある。しかしその地元芸能が経済性を失えば、 それは滅びの道に邁進することになる。優れた先達や師匠が世の中からいなくなってしま えば、子供たちがその芸能を学ぶのは不可能になるに違いない。 地元芸能を保存することは、地元政府にとって重要な使命のひとつだろう。だが各地の地 元政府はどこまでそれに力を入れているのだろうか? コンパス紙R&Dが2017年5月3〜5日に全国14都市住民548人から集めた統計 によれば、地元政府はちゃんとやっている、という印象をふたりにひとりが持っていた。 質問1.芸能のメインの機能は何だと思いますか? 回答1. 娯楽 48.7% 教育 33.4% 触れ合い 10.4% その他 5.7% 不明・無回答 1.8% 質問2.地元政府は地元芸能振興の意識を持っていますか? 持っている 48.9% 持っているが不足 33.2% 持っていない 15.5% 不明・無回答 2.4%