「インドネシア女性を狙うネット詐欺」(2017年06月30日)

ソーシャルメディア利用者にとって、デジタルリテラシーは重要事項のひとつだ。それを
持つことによって、タイムラインから入って来る情報を分析し選別することが容易になり、
ネット犯罪の被害者になるのを避けることができる。特にインターネット詐欺はますます
盛んに行われており、今や年間の被害総額は5千億ルピアにのぼると見られている。

インターネット詐欺の多くはナイジェリアンスキャマーと呼ばれるものだ。それは犯人の
多くがナイジェリア居住者あるいは他国に住むナイジェリア人であることに起因している。
ここ数年盛んになっている手口は、35〜45歳のソーシャルメディア利用者女性を狙っ
て恋愛関係に引き込み、借入金を入手するのに困難があるとか、物品をインドネシアに輸
入するのに困難があって、資金が必要だという話を被害者に持ち掛けて金の工面を依頼す
るというもの。

もうひとつの手口はやはり恋愛関係に引き込んでから相手女性のポルノ画像を熱望すると
いうもので、それに乗せられたが最後、犯人は恋人から恐喝者に一変し、ソーシャルメデ
ィアにばら撒かれるのが嫌なら金を、という結末に至る。この被害にあった女性はニュー
ス種になるのを怖れて、まず警察に届け出ることをしない。


利用者のプライバシー保護が緩いインドネシアのソーシャルメディアから、犯人はターゲ
ットにし得るプロフィールを容易に探し出してアプローチをかけることが行われており、
犯罪の成功率を高める一助になっている。一方、犯人がでっち上げた虚像プロフィールを
被害者が簡単に信じ込んでしまうことも、成功率を押し上げるのに一役買っている。更に
犯人はソーシャルメディアのプロファイリングからターゲットの心理的弱点をつかみ出し、
潜在的欲望や直面している問題が与えているストレスを分析してそこから攻め込むことを
得意としているため、普通のひとならたいていは手玉に取られている。

ISP協会が2016年に行ったサーベイでは、35〜44歳年齢ブラケットのインター
ネット普及率は54.7%だ。国民利用者総数は1億3,270万人で、そのうち54%
がフェイスブックアカウントを持っている。

インドネシア人がインターネット詐欺の被害にかかりやすいのは、まず他人を容易に信じ
るという文化傾向を持ち、アプリがどのように機能しているのかという知識がなく、ソー
シャルメディア活動におけるプライバシー操作に対する意識がないといった要因のせいだ
と専門家は指摘している。