「神への祈りが護身術(後)」(2018年01月09日) コンパス紙が行ったサーベイで、894人を対象にした調査結果によれば、貴重品を自宅 に置いているひとが6割を超えた。 質問: 貴重品をしまっている場所はどこですか? 回答: 自宅のタンス63.1%、銀行のデポジットボックス24.5%、オフィス2. 2%、その他(公証人等)0.2%、貴重品はない0.4% 犯罪事件の中に、自分の身に危険が及ぶことを怖れるひとは少なくない。なぜなら、犯罪 者が被害者に危害を加えることをますます気にかけないようになってきているのだから。 いともイージーに他人の身体を傷つけたり、あるいは下手をすれば被害者が死ぬというよ うなことが、平気で行われるようになってきている。 オートバイに乗ったひったくりが道路脇を歩いている被害者のバッグを強奪しざまに刃物 で斬ったり、他人が乗って走らせているオートバイを奪うためにいきなり刃物で斬りつけ る手段が増えてきた。腕や指を斬り落とされた被害者はたくさんいる。 あるいは白昼に強盗に入った家で、そこにいた住人たち十数人を換気のないトイレに押し 込めて外から鍵をかけたため、救出者が扉を開いたときには中で数名が酸欠で死亡してい たという事件もあった。インドネシアの犯罪者の中には、被害者の生死の運命をあたかも 天に委ねるように扱う者がいるのかもしれない。 インドネシアで起こる犯罪事件を注意して見ていると、犯人は自分の手を汚さず、運が良 ければ死なないが、不運なら死ぬように被害者を扱っているように思える事件にときどき 出くわすのである。上述の換気のないトイレに十数人を押し込める事件を例に引くなら、 運よく救出者が早く気付いてやってくれば死ぬことはないのだが、運悪く時間が経ってし まえば被害者たちは死ぬのである。このような犯罪者の精神構造をわれわれはいったいど のように分析すればよいのだろうか? コンパス紙が行った別の調査では、犯罪の被害を被ったとき、自分や自分の家族の身を護 るためにどんな対策を講じているのかということが835人に質問された。その回答はた いへん興味深いものだった。 質問1。あなたとあなたの家族を犯罪から守るために、どんなことをしていますか? 回答1。 唯一絶対神(アッラー)に祈りを捧げ、神の御心に委ねる 48.6% 隣人たちと良い人間関係を築く 29.1% 金持ち物持ちであるように他人から見られないように振舞う 17.4% 刃物を携帯する 0.7% 何もしない 4.1% 質問2。家に持っている護身のためのものは何ですか? 回答2。 何も持っていない 85.7% 番犬を飼っている 4.9% 警備員(satpam, hansip) 4.6% アラームシステム 1.3% 武器(鉈・ナイフ・ピストル)を置いている 3.4% 秘密だから言えない 0.1% [ 完 ]