「デンポ山の旅(後)」(2018年02月02日)

このトゥグリマウ周辺にはビラがいくつかあって、宿泊することができる。費用は一泊7
0〜100万ルピア。クリスマス〜新年休みには、宿泊施設はすべて一杯になり、年替わ
りの夜にはみんな外へ出てきて花火をあげ、大賑わいするのだそうだ。この地区にはホテ
ルも5軒あり、一泊25〜30万ルピアで宿泊できる。


トゥグリマウまで上がってくるまでに、たくさん滝がある。21を超えるというから、さ
まざまな姿の滝を楽しむのも面白い。滝のことをチュルッ(curug)と言い、滝見物の設備
が整えられている滝はCurug Embun, Curug Tujuh Kenangan, Curug Mangkok, Curug Tiga 
Panggungなどだ。地元行政が整備したものもあれば、地元住民がボランティアで行ったも
のもある。

チュルットゥジュクナガン(Curug Tujuh Kenangan)へ行くには、起伏のある踏み分け道を
およそ5百m進まなければならない。足の踏み場を良くするために、上り下りのところに
は竹が敷かれて階段のようになっている。道の両側にはコーヒーの木や他の作物が植えら
れていて、その山歩きを楽しませてくれる。2015年までその一帯は住民の農園だった
そうだ。

滝の水音が聞こえてきた。滝はもう近い。積み重なった巨大な岩を藪とシダと花が飾り、
滝の風情を心地よいものにしている。この大自然の情景を愉しむ外国人ツーリストの姿も
そこにあった。フランス人、スエーデン人、アメリカ人、マレーシア人、タイ人たちもや
ってくる。

地元民が整備したこのチュルットゥジュクナガンには、アトラクションを増やすため20
17年9月に、樹上ハウスがマホガニーの幹に支えられて設けられた。樹齢50年を超え
るコーヒーの木が、その樹上ハウスを見守っている。

行楽客は大自然の下を歩き回り、疲れた身を5軒ある樹上ハウスで癒す。近くの農家で産
するおいしいコーヒーをすすれば、疲労は吹き飛ぶにちがいない。


今年2017年のこの日までにパガララムを訪れた観光客は244,042人で、201
6年の年間126,000人から大幅な上昇を示した。パガララム市当局はデンポ山麓一
帯でのアグロ観光振興を計画している。観光客にサラッ、アボガド、ミカン、野菜など高
原栽培植物を植えてもらおうというのだ。

パガララムは高原性の気候と豊かな土壌に恵まれており、南スマトラ州屈指の農産業地区
になっている。その特質を観光客にもオファーして、この土地を楽しんでもらいたい、と
いうのが市当局のアイデアだ。

パレンバンからパガララムへの空の便も、ウイングスエアーが就航して45分で観光客を
運んでくれる。地上を走れば8時間かかる。残念なのは、パガララムの宿泊施設が不足し
ていることで、今現在の総客室数は5百しかない。ロングホリデーには一日3千人が訪れ
る最近の状況をとてもサポートできるものではないのだ。地元政府は観光客誘致とともに、
観光産業の充実にも努めなければならないだろう。[ 完 ]