「バハサブタウィは健在(1)」(2018年02月05日)

1995年11月12日付けコンパス紙から、またその時代のバハサブタウィに関する匂
いをわれわれは嗅ぐことができる。Jakarta Punya Gedong, Betawi Punya Omong という
パントゥン形式のタイトルが付けられたこの記事から、現代のバハサガウルが二十年以上
前にどのようなものであったのかを知るのも興味深いものだろう。


omong Betawiとも呼ばれるジャカルタ弁は日常会話の中で、年齢・性別・社会ステータス
・種族の違いを乗り越えて、ますますたくさん使われるようになっている。それどころか、
ジャカルタ以外の国内大都市にも、ひたひたと浸透しているのだ。ますますポピュラーに
なっていくのはどうしてか?本紙の記者訓練指導チームが書いたジャカルタ弁に関する論
説をここでご紹介しよう。

という編集部のメッセージとともに、オム・パシコム作者GMスダルタ氏のカリカチュア
が独特のバハサブタウィ表現を織り交ぜて掲載されている。

SUER, IT'S CRAZY BANGET DEH!
WOW GILE CING!
MANE LU ?!
MO NGETREK!
KALO BEGOKIN, BOING LAH YAOW!
AUK AH GELAP!
果たしてこれを標準インドネシア語に翻訳できるだろうか?それでは論説を読むことにし
よう。


WOW, gile cing! Kamu selalu bikin orang bum (meledak). Uh, it's crazy. Gue pengen 
deh doski diprofilin. Suer, gue kesengsem banget deh ama itu doski punya tampang. 
Wow, keren! 

標準インドネシア語から外れたそれらの表現が若者たちの会話スタイル。飾らず、親し気
で、トレンディ。アメリカ人スティーブン・ウオーレスは1976年に「ジャカルタムラ
ユ語の音韻バリエーションの言語学的・社会学的ディメンション」と題する学士論文の中
でそれをモダンジャカルタ弁と称した。

言葉が特定の意味を表す音韻システムであるとするなら、弁(方言)というものは使用者
次第のさまざまな言語バリエーションだ。たとえば地域的要因(インドネシア語のジャカ
ルタ方言・マナド方言・タパヌリ方言、ジャワ語のバニュマス方言など)、特定社会集団
(若者・女性・商人など)、あるいは時代の要因(古典ムラユ・モダンムラユ)といった
要素がそれをもたらしている。

「特にジャカルタ弁に関しては、特定社会集団に基づいたバリエーションの違いが存在す
る。」とウオーレスはムハジル著「ジャカルタ弁の機能と位置」の書において説明する。
かれによればジャカルタ弁は少なくともふたつの社会的サブ方言(特定社会集団が使った
り、あるいは特定社会階層を示すもの)に分けることができる。モダンジャカルタ弁と在
来ジャカルタ弁がそれだ。

ヤヤBルミンタインタンとムハジルというふたりの言語研究者はそれをモダンや在来とい
う言葉をつけずにジャカルタ弁という言葉にまとめる。ルッマン・アリはそれをオモンブ
タウィと称する。

文頭に掲げた例文をウオーレスは特定集団が使うモダンジャカルタ弁と定義付けた。若者
であれ、ヤングエグゼキュティブあるいはかの地で呼ばれているヤッピーであれ、それぞ
れが違うものなのだ。かれらは独自のモダンジャカルタ弁を持っている。たとえばmilyar
という言葉を単にM(エム)と表現したり、borjuisをborju、jutaをjutと短縮する。jut
は更にjetiと変形された。[ 続く ]