「知っていることに甘んじる国民(後)」(2018年06月27日)

知ることを重視する姿勢は数学にも及ぶ。法則や定理・公理・定義付けは覚え込むもので
あり、それを使って問題を解決する姿勢は養われない。たとえば、縦横XYメートルの土
地の面積を求める設問には答えられても、数行のストーリー風文章を読んで土地の面積を
計算させる問いには失敗してしまう。文章を正確に読んで内容を把握し、答えを出すため
にどう分析するのか、ということが困難な生徒が多い。

0 5 10 15 20 といった倍数列の虫食い問題には楽に答えられても、現在の
国民人口2億5千万人が年率5%で増加したなら、2050年には何人になっているか、
という質問にはお手上げになってしまう。

2018年の中高修業国家試験結果は次のようなものだった。合格評点55.1ポイント
に達しなかった生徒の比率を科目別に見てみると、数学や英語の点が低いことがよくわか
る。
【数学】 
高校‐自然科学系 85.97%
高校‐社会科学系 93.2%
高校‐職業系   92.9%
中学       77.9%
【英語】
高校‐自然科学系 56.4%
高校‐社会科学系 79.5%
高校‐職業系   82.4%
中学       67.2%
【国語】
高校‐自然科学系 19.7%
高校‐社会科学系 41.2%
高校‐職業系   26.2%
中学       27.5%
(他の科目は省略する)
【全科目平均】
高校‐自然科学系 63.4%
高校‐社会科学系 78.9%
高校‐職業系   81.9%
中学       65.5%
【全科目が合格点を超えた者】
高校‐自然科学系  9.8%
高校‐社会科学系  4.3%
高校‐職業系    3.5%
中学       12.6%
[ 完 ]