「雨季入りは遅れそう」(2018年09月07日) 18年9月に入ると乾季のピークは峠を越すとの予測がなされていたが、9月から弱いエ ルニーニョが始まって19年初まで続く可能性が確実視されるようになってきたため、現 実の雨季入りは後ろ倒しされる懸念が高まっている。 地学気候気象庁の気象観測結果では、18年8月中旬までに全国の95.6%が乾季に入 っている。一方4.3%は8月下旬ですら50〜150mmの降雨量が観測されている。 150mmを超えるゾーンさえ0.1%ある。 乾季のピークという認識は、国土の南半球側で30%のゾーンに31〜60日間という長 期の無降雨現象が起こっていることが根拠になっている。6.2%のゾーンではその現象 が60日を超えている。降雨があるのは8.4%で、主にスマトラ西岸・スラウェシ中部 ・パプアに散らばっている。 18年9月上旬の各地の降雨予報では、スマトラ・カリマンタン・スラウェシ・パプアで 降雨量が増えるゾーンが増加しているため、この乾季のピークは峠を越すものと見られて いるが、29%は10日間に50mmに満たない雨量しか予測されておらず、あたかも雨 季の開始の芽吹きを思わせるようなものでしかない。 ともあれ、8月下旬に水不足地域があることを表明する州は8あったが、それらの水不足 地域は9月上旬に29%まで減少すると地学気候気象庁は予測している。 気象配置はまだ乾季型であるものの、地域によって雨がもたらされるのはMJO(マッデ ンジュリアンオシレーション)のウエットフェーズが影響をもたらすためで、インド洋を 西から東に移動してくるMJOがウエットフェーズのとき、国内の一部地域は30〜90 日に渡って降雨量が増加する。 その一方で、太平洋で弱いエルニーニョ現象が18年9月から19年初まで持続すること を諸外国の気象観測機関は予報している。そのため地学気候気象庁も東部インドネシア地 方の海水温は全般的に平温から0.5℃上下で推移すると予測し、バンダ海やパプア海域 は2℃上昇する可能性を表明している。 反対にインド洋側のダイポールモードは平常並みと予測され、雨季型気象配置に移って行 っても雨雲の形成が活発化しないことが降雨量を抑え、降雨の増加はあまり見込めないた めに現実の雨季は年内いっぱい弱い形で推移するだろうとの予報を公表している。