「娘より息子のほうがアブナイ」(2018年12月10日)

世間一般の常識では、ティーネージャーの女子の方が性暴力の被害を受ける可能性が高い
と思われているために女子への保護と配慮は厚く、男子は反対に自分で自分を処置できる
と考えられているために大人がケアを与えるレベルは低い。ところが現実は、被害者にな
るにしろ加害者になるにしろ、男子のほうがはるかにリスクが高い。

今や男の子たちはタウラン(集団喧嘩)、ゲンモトル(二輪ギャング)、アルコールを飲
んでの泥酔、ナルコバ使用、フリーセックス、教師への暴力やいじめ、などといった反社
会的行為に頻繁に巻き込まれている。


2013年に社会省が行った児童に対する暴力サーベイで、男児の4人にひとりが物理的
暴力の被害を受けたことがあり、8人にひとりが情動的暴力の被害を受け、12人にひと
りが性暴力被害者になっていることが明らかにされている。それらの割合は女児よりも高
い。

法務人権省社会更生総局データは、未成年服役者の98%が男児であることを示している。
2011年から18年までの児童保護国家コミッションへの届出の中でのマジョリティは、
法的措置に直面した子供、家庭問題に直面した子供、養育者の変更を必要としている子供
で占められている。

その子が被害者であれ加害者であれ、子供の悪行は劣悪な父子のコミュニケーションと家
庭から父の姿が喪失している状況に端を発している。子供の養育は母親が担い、子供は父
親の愛情を知らないで成長している。一部の父親は自分の務めを、家庭の生計の資を与え
ることに限定し、家庭内の一切は妻(母親)の領域(務め)だと考えている。

児童保護国家コミッション副長官は、子供は父と母の役割を見倣って育つものだ、と語る。
「男の子は父親から決断や勇気を見倣う。家庭内で父親が子供にどのように接し、どのよ
うに扱うのかを男児は見倣う。邪険で厳しいものなら、そのように。」

インドネシア文化では、家庭は父親(年長の男性)が統率するべきもの、とされている。
ところが実態は、男は家の外(社会)で活動し、生計の資を獲得してくるものであり、家
庭は女が切り盛りするものという社会通念がそこに組み合わせられて、男の統率とは女が
用意した選択肢にお墨付きを与えるだけに形骸化し、日々の子供の養育も家庭内の諸事と
一緒くたにされて、女の手元に投げ込まれているケースが目に付く。

家庭の中に模範とするべきものが見つからないとき、男児はそれを別の場所に求めるよう
になる。男児をリスクに駆る罠がそこにある。