「雨季の病気対策」(2019年02月26日)

雨季は病気が増える。雨季に特徴的な種々の要因が個別の病気の発生を助けており、それ
らを予防するためには種々の要因を解きほぐしていかなければならないのであって、雨季
というものを一刀両断になどできはしない。

今、全国で大流行しているデング熱もそのひとつ。日本人はかつてこのデング熱を天狗熱
と呼んだらしい。中国語では登革熱と書かれるが、天狗熱という別名で呼ばれることもあ
り、多分日本人がデングと天狗を引っかけて使ったことに由来しているようだ、という分
析が中国語情報の中でいくつか見つかる。

これは雨水→水たまり→媒介蚊の産卵→幼虫成育→急速な蚊の増加というダイアグラムへ
の対策が必要になる。

他の動物も流行病の発生源になっている。ドブネズミの小便が起こすレプトスピロシス、
あるいは腐敗したゴミや排泄物がもたらす下痢もそうだ。雨季にそれらが流行するのは、
洪水が汚染物質を人間の生活領域の隅々にまで行き渡らせるからである。

2002年に首都圏で大型洪水が発生した後、レプトスピロシスが猛威を振るった。感染
すると出血・呼吸困難・喀血そして死亡の可能性もある。2007年には北ジャカルタ市
が洪水に見舞われた後、下痢患者が激増して、死者が出た。

そこには雨水→洪水というステップがひとつ、そして洪水→隔離場所からの汚物散乱とい
うふたつの対策が出現する。

コンパス紙の統計調査によれば、9割のひとが雨季の病気に関する原因と対策を理解して
おり、それなりの対応をしているとのことだ。だがデング熱に関して言うなら、水がたま
る場所を積極的になくすよう努めているひとは6割しかいない。個人あるいは町内単位で
殺虫剤噴霧を行っているひとは17%だった。