「続・男を釣る餌は女(前)」(2019年03月27日) 前回のリスキと同じような手口で女の付いている釣り針にハナフィ(20歳)も引っかか った。もちろん場所も時も、犯人もまったく別だ。要するにこういうことを大勢がやって いるということなのである。だからインドネシアは治安が悪い?さあ、どうだか? ハナフィもミラと名乗る女性からの間違いSMSに返信してお友達になった。送られてき た写真は驚くほどの美人。パチャルのいないハナフィはゾクゾクっときた。「でも、俺よ り年上の雰囲気だな。ちょっと無理かも・・・」 あるとき、ミラからお誘いのSMSが入った。「一度会いたいから、プラザシンタに来て。 わたしXXにいるから。」ハナフィはすぐに乗った。 プラザシンタに行ってみると、ミラはだいぶ年齢の離れた女性の友人と一緒にいた。四方 山話をして一段落してから、ミラが食事に誘った。「わたしたち、シティモールへ食事に 行くけど、あなたも一緒に、いいでしょ?」 ハナフィは辞退した。自分はここから帰るから、食事はまた別の機会にでも。ところがミ ラはそれを許さない。「食事してから、またここに送ってあげるから、大丈夫よ。」 で結局ハナフィは帰りそびれてついていく。ミラはキジャンイノヴァを自分で運転し、ハ ナフィは助手席に座り、ミラの友人が後ろに座った。シティモールへ着くと、レストラン へ。 食事が終わって駐車場へ。その途中、ミラの友人がずっと誰かと電話していて、ハナフィ からだいぶ離れて電話を続けていた。きっとプライベートな会話なんだろう。 駐車場のミラの車の近くまでくると、その友人はさっさと歩いてきて自分から助手席に乗 り込んだ。ハナフィは後の座席に座るしかない。車は駐車場を出て、プラザシンタに向か った。ところがプラザシンタのかなり手前で、車は道路脇に寄って停車した。 いきなり後部座席の左右のドアが開いて、男がひとりずつ両側から入って来ると、ハナフ ィにパンチをくらわした。「てめえ、ミラを誘惑したな。」 ハナフィは本気で申し開きをしたが、そのセリフは強盗行動の単なる旗印でしかなく、仮 想シナリオを立てて芝居がかろうとする強盗団のお遊びなのである。[ 続く ]