「BABSと発育阻害(後)」(2019年04月23日)

BABS撲滅のための革命を起こす時が来ている。イギリスで2百年以上前に排泄物処理
の劣悪さのために疫病が大流行した。かれらはそれをトイレ革命で克服したのである。わ
れわれの革命も正しい方法で行われなければならない。トイレの便器に座ってBABを行
うのがモダンライフなのだというドクトリンをインドネシアの民衆に教え込むのでなく、
正しい排泄物処理プロセスを構築することに焦点を当てるべきだ。たとえば、トイレはそ
れぞれがセプティックタンクに正しくつなげられており、タンクは閉鎖的ポジションに置
かれて、定期的に中身が汲みだされる、といったことがそれだ。BABを座って行おうが、
しゃがんで行おうが、そこにカッコよさの違いなどあるはずもない。重要なのは、排泄物
が衛生的に貯えられた上で処理のサイクルに回されることなのである。

< 民衆の自覚 >
 ジョコ・ウィドド大統領は2018年から2021年までの間に2百万人の児童を発育
阻害のリスクから救い出すことを公約した。「発育阻害撲滅は政府の最優先課題である。
政府はそのために必要なあらゆる措置を行うことをコミットする。」と大統領自身がそう
述べている。その目的達成を支援するのにもっとも容易な位置にあるもののひとつが、排
泄物処理の重要性を住民に認識させ、更に適切なトイレ設備を用意させるべく地方自治体
を動かすことだろう。

BABSがインドネシア民衆の血肉と化してしまっているように見えるのはどうしてなの
だろうか?多分われわれは、健康という視点からトイレを見なければならないはずなのに、
それを安楽の一形態と見ているからではあるまいか。われわれのマジョリティはトイレを
昔からある当たり前のものと見なしている。そして同時に、川辺でのBAB姿をも見てい
るというのに、残念なことにそれを変えて行こうとはまったくしようとしない。われわれ
はただ傍観し、そして問題は解決されないままになっている。

民衆の日常生活の中で血肉と化した問題を、われわれはどのように解決すればよいのだろ
うか?飲用水についての話を議論のテーブルに載せるのも、ひとつの名案だろう。インド
ネシアで飲用に使われている水の50%超が人間の排泄物を含んでいるのである。われわ
れは毎日、朝起きて歯ブラシをし、顔を洗う。そのとき既に、われわれは不潔がもたらす
さまざまな病気のリスクに直面しているのだ。トイレを持たず、川でマンディをし、皿を
洗い、衣服を洗濯したりしている民衆はいったいどうなるのか?

インドネシアにおける不十分なトイレへのアクセスは、国家経済に直接的な影響をもたら
している。ただこの問題だけのために国は年間3百兆ルピアの損失を蒙っている。11月
19日は世界トイレの日である。この国のトイレ問題への真剣な対応をわれわれは早急に
執らなければならない。排泄物処理と環境衛生への影響について語る時が来ているのだ。
食事前に手を洗わない友人に忠告し、家を建てているひとにはセプティックタンクにつな
がる健康なトイレが必ず家の中に設けられるように警告しようではないか。[ 完 ]