「古刹クレンテンを守れ」(2019年07月23日) 2019年4月6日付けコンパス紙への投書"Nasib Kelenteng Tua"から 拝啓、編集部殿。三教信徒の礼拝所であるクレンテンという名称はインドネシアでだけ使 われています。その始まりは、何百年も昔に荒くれた南シナ海を渡って無事にヌサンタラ の海岸に到達できた移住者たちが、自分たちの乗ったジャンク船を守ってくれた海神への 感謝のしるしとして建てたものでした。 クレンテンは古典的で壮麗で、高い芸術性を持つ工芸装飾に満ちた中国の伝統建築様式で 建てられました。クレンテンは社会活動にも使われたのです。 オルバレジームが崩壊した後、ユニークな習慣が起こりました。富裕層は数百万ルピアも する高さ1メートル超の巨大なロウソクを礼拝に捧げ、それは何日間も昼夜を分かたず燃 え続けるのです。貴重な文化遺産が火事で焼失してしまうのを防ぐために、WPチョン元 都庁都市計画遺産修復課長がその習慣を厳しく批判したことがあります。かれはたまたま、 都庁公務員で唯一の儒教信徒でした。 クレンテン管理者が古い建物のメンテナンスを熱心に行わず、巨大ロウソクや古くなった 電線のショートによって過去5年間に由緒ある五軒の古刹が火事に遭いました。 1784年建立のバニュワギのホーボンHo Bong廟で2014年6月13日に火事 1864年建立のマグランのリオンホッLiong Hok廟で14年7月16日に火事 1650年建立のジャカルタのジンデJin De院で15年3月2日に火事 1885年建立のバンドンのヒャオティエンHiao Thian宮で19年2月5日に火事 1845年建設のスマランのコンテッス納骨堂で19年3月21日に火事 上のようなできごとがこれ以上繰り返されてはなりません。われわれは手に手をとって文 化財と伝えられてきた遺産を守らなければならないのです。クレンテン財団管理者は自ら を正さなければなりません。仏教儒教総局・観光課・都市計画遺産修復課・インドネシア 華人諸姓社会連帯組織・インドネシア華人諸団体にも呼びかけます。すぐに対応を取って ください。[ 西ジャカルタ市在住、ヘンドラ・ルキト ]