「ジャカルタの交通渋滞は良くなっていない」(2019年07月25日)

最近発表されたトムトムトラフィックインデックス2018年版で、ジャカルタの交通渋
滞状況が改善されていることが報告された。その前年の報告では、ジャカルタは世界第四
位の交通渋滞都市で、移動のために61%の追加時間が必要とされていると指摘されてい
たものが、最新版では世界第七位に低下して追加時間は53%に減少した。

2018年に開かれたアジア競技大会で、選手や役員関係者らの迅速な移動のために特定
道路で通行車両のナンバープレート奇数偶数制限が開始され、それは現在までも続けられ
ている。その余波はトランスジャカルタバス乗客数の顕著な増加を促し、道路交通のスピ
ードアップが実感されるようになってきた。それらのもたらした効果が上のような形に結
実したということなのだろうか?

それに加えて、1985年に打ち上げられたMRT構想が2019年にやっと実現し、続
いてLRTも動き始める態勢が見えて来た。そのような公共運送機関の歴史的な充実が、
世界トップレベルの交通渋滞都市と言われたジャカルタの悪評を更に緩和させるであろう
ことを、都民の一部は確信しているように見える。

しかし人間の感受性はまちまちなのである。コンパス紙R&Dが2019年6月24〜2
5日に17歳超のジャボタベッ住民516人から集めた統計調査によれば、63%の回答
者が都内交通渋滞のひどさは改善されていない、と答えている。

質問1.交通渋滞は低下していると感じますか?
回答1.感じる29.8%、感じない/相変わらずだ41.1%、感じない/悪化してい
る21.9%

質問2.都庁は交通渋滞を軽減させる能力があると確信しますか?
回答2.
渋滞は弱まっていると答えた回答者:確信する77.3%、しない20.1%
渋滞は相変わらずと答えた回答者:確信する53.3%、しない44.3%
渋滞は悪化していると答えた回答者:確信する40.7%、しない54.9%

質問3.日常通行しているエリアで渋滞が軽減している/していない理由は?
渋滞は弱まっていると答えた回答者:公共交通機関へのアクセスの便が向上44.6%、
アンダーパスや高架橋の増加23.4%、奇数偶数通行制限22.9%
渋滞は相変わらず/悪化していると答えた回答者:自家用車が増加の一途62.0%、公
共交通機関が快適でない15.2%、公共交通機関の台数不足9.0%、公共交通機関の
間のフィーダー不足4.3%、インフラ建設工事が多すぎ3.7%、世の中の自覚不足0.
9%

都市交通の理想パターンとしては、住民の6割が公共交通機関を利用するのが妥当な姿で
あるにもかかわらず、現実にジャカルタ都民は20.8%しか公共交通機関を利用してい
ない。

結局ひとびとは自家用車の使用に傾くのだが、その理由として自家用車族の45.5%が
廉価で時間が確実と答えている。実際にはどうかということを、MRTルバッブルス〜H
I前ロータリー区間16キロで比較したデータがある。最も早いのはMRTと二輪車でど
ちらも39分かかった。そして二輪車はプルタマッを使って費用は3,152ルピアとな
っていた。ちなみにMRTは1万4千ルピア。