「老齢化社会に向かうインドネシア」(2019年10月01日)

インドネシア男性国民の2010年の平均寿命67.89歳は2018年に69.30歳
に延びた。一方女性国民は71.83歳から73.19歳に増えている。

老人に病気は付き物と見られているものの、病気を患っている老人の比率は2015年の
28.6%から2018年には25.99%に減少した。2013年の統計調査によれば、
老齢者が罹患している疾病と年代別比率は次のようになっている。
年代別ブラケットはA:55〜64歳、B65〜74歳、C75歳超。
高血圧:A45.9%、B57.6%、C63.8%
関節炎:A45.0%、B51.9%、C54.8%
脳卒中:A33.0%、B45.1%、C67.0%
慢性閉塞性肺疾患:A5.6%、B8.6%、C9.4%
糖尿病:A5.5%、B4.8%、C3.5%
癌:A3.2%、B3.9%、C5.0%
冠動脈疾患:A2.8%、B3.6%、C3.2%

ともあれ、老人の四人にひとりが自己の体調に病気を感じ取って調子が良くないことを訴
えているわけだが、それに対して何をしているかと言うと、かれらのマジョリティは医療
施設へ行かず、自己治療で済ませようとしているのである。要するにインドネシアの老人
たちは医者嫌いということらしい。その傾向は都市部でも村落部でも違いがない。
2018年の統計調査によれば、老人階層の68.5%が政府の医療保障制度に加入して
いるので、医者嫌いはどうやら経済的な背景が原因になっているわけではなさそうだ。

2018年の老齢者国民統計調査は老人の日常活動についても報告しており、49.8%
が依然として働いている。働いていない老人も33.3%が家事を行い、他の16.6%
はそれら以外の活動をしていて、まったく何もしていない老人は0.3%しかいない。

その面を見るなら老齢者の健康生活はポジティブな傾向にあると言えるのだが、ライフス
タイルを見ると老齢者の5人にひとりが喫煙の習慣を持っており、また運動の習慣を持っ
ている老人は14.6%しかいなかった。

老人の運動に関しては、運動時間が30分未満というひとが54.7%でマジョリティを
占め、ジョギングと体操が老齢者にポピュラーな二大種目だった。


コンパス紙が2019年7月3〜5日に全国16大都市の17歳超住民518人から集め
た統計調査は、老齢者の健康状態とかれらが行っている医療面の対策に関する状況を次の
ように物語っている。

1.健康状態について
都市部:快調25.0%、不調50.8%、病気である24.1%
村落部:快調20.3%、不調51.8%、病気である27.98%
全国:快調22.7%、不調51.3%、病気である25.99%

2.治療方法
都市部:自己治療38.9%、医療施設に通院26.7%、通院と自己流併用30.8%、
ほったらかし3.6%
村落部:自己治療41.9%、医療施設に通院24.4%、通院と自己流併用29.1%、
ほったらかし4.2%
全国:自己治療40.4%、医療施設に通院25.6%、通院と自己流併用29.9%、
ほったらかし4.7%

更に老人介護や老後についての考え方は次のようになっていた。
1.あなたの家で老人を介護しているのは誰か?
親族・子供たち72.0%、本人22.8%、看護婦・介護人2.7%

2.老人は自宅で介護されるのがよいか、それとも老人ホームか?
自宅や親族の家99.6%、老人ホームという回答はゼロ

3.あなたやあなたの一族の老齢の親は老後の生活資金として十分な貯えを持っているか?
全然ない44.98%、貯金がある24.7%、老齢者年金がある15.1%、事業があ
る8.5%、貯金・年金・事業がある1.9%

4.あなた自身は老後に備えて経済的な準備を行っているか?
貯金や土地などを用意している38.2%、保険30.7%、事業を持っている17.2
%、年金に加入している7.5%、何もしていない3.5%

5.政府の老齢者対策は向上しているか?
向上している45.2%、相変わらず25.1%、悪化している18.9%