「非ムスリム患者を見捨てるムスリム医師はいるのか?」(2020年03月09日) 2019年8月1日付けコンパス紙への投書"Anti keragaman di PTN"から 拝啓、編集部殿。ナフダトゥルウラマ大学社会奉仕調査院が中部ジャワ州とヨグヤカルタ 特別州で高等教育機関を対象にサーベイを行い、イフワヌルムスリミン、ヒズブッタッリ ル、サラフィを追従するタルビヤ運動による反多様性運動が起こっている状況が判明しま した。その三団体はインドネシアの国内外で不寛容を煽っている者たちです。 イフワヌルムスリミンはエジプトで禁止されており、ヒズブッタッリルはカリフ国家設立 を追求していて中東でテロリスト視されており、イスラム純化を叫ぶサラフィはサウジの ワハブ運動再興を目指しているためにサウジ政府の粛清を受けています。発覚したインド ネシアの現状は赤信号であり、放置しておけません。ナフダトゥルウラマとムハマディヤ の介入は国家法曹機関の協働なくしては、効果が期待できません。 これがキャンパスからP-4(Pedoman Penghayatan dan Pengamalan Pancasila パンチャ シラ修得と実践の指針)教育をなくしてしまったレフォルマシレジームの失敗であること は論を待ちません。しばらく前にインドネシア大学医学部で下級生に対し、ムスリムでな い教官の授業は拒否するように言っている上級学生がいることが調査で明らかになってい ます。ムスリムのインドネシア大学卒業生であるわたしはそのような状況が残念でなりま せん。インドネシア大学は国民のための国立高等教育機関です。そこに反多様性思想をは びこらせてはならないのです。 非ムスリム患者に対して不寛容なインドネシア大学卒の医師が存在している図を想像して みてください。医師としての職業誓約に違背しているでしょう?自分が学んだ現代医学が、 ヒューマニズムに奉仕する宗教の違いにこだわらない大勢の非ムスリム先達によって築か れたものであることをかれは忘れているのです。 大学、ましてや国立大学には不寛容思想があってはなりません。われわれは種族や宗教の 違いにとらわれない、相互に尊重しあう暮らしを営むために独立民族になったのです。イ ンドネシア共和国統一国家とパンチャシラに基盤を置く独立国家に。 [ ボゴール在住、スヤディ・プラウィロスントソ ] 2019年8月12日付けコンパス氏に掲載されたインドネシア大学医学部学生執行団か らの回答 拝啓、編集部殿。スヤディ・プラウィロスントソさんからの2019年8月1日付けコン パス紙に掲載された投書に関して、当方からのコメントを申し上げたく存じます。 その投書には反多様性姿勢に関してインドネシア大学医学部であったできごとが記載され ていますが、そこに書かれてあるようなできごとは起こっていないことをインドネシア大 学医学部学生親睦会学生執行団は表明します。ムスリム学生活動を監督するインドネシア 大学医学部学生親睦会学生執行団内の一機関であるイスラム研究フォーラムは、ムスリム でない教官の授業を拒否するように下級生に言っている上級学生がいたという事実はない と述べています。インドネシア大学医学部学生親睦会学生執行団は言うまでもなく多様性 を高く奉持しており、いかなる形態であれ、差別的行為を拒否します。当方はインドネシ ア大学医学部学生親睦会のすべてのメンバーの異なるアイデンティティについて、種族・ 宗教・人種・社会階層ならびに経済レベルにとらわれることなく、互いに尊重することを 基盤に置いております。 [ インドネシア大学医学部学生親睦会学生執行団長、ディオ・アリフ・スプリヤント ]