「東インド植民地警察(4)」(2020年03月13日) コミッショナーとチーフコミッショナー、インスペクターとチーフインスペクター、チー フエージェントはオランダ人が就くランクであり、プリブミのためにウドノ、副ウドノ、 マントリという階級が設けられた。しかし1920年代末から1930年初めごろに、コ ミッショナー、インスペクター、チーフエージェントに就けるためのプリブミ教育が開始 され、ミドル幹部に昇って行くインドネシア人が増加したとはいえ、決定権や指揮権を持 てる階級はすべてオランダ人の独占が続けられた。つまり組織の方針やその他の基本的こ とがらの決定にプリブミが参加する機会はほとんどなかったということだ。現場での実行 レベルで統率者がプリブミであればもちろんのこと、オランダ人であってもプリブミが合 議に参加する機会は与えられただろうが、それは既定の枠組みの中でのことになる。 日本軍の占領で上層部のオランダ人がいなくなり、日本人に取って代わられた以外の空席 はすべてがインドネシア人のものになったことで、日本軍政時代はプリブミの声が強まっ たことも確かだが、依然として異民族支配の枠の中だったことに違いはない。 警察の階級について、現代日本の警察組織ではその階級が次のように法律で定められてい る。下から言うと: 巡査 police officer 巡査長 senior police officer 巡査部長 police sergeant 警部補 assistant police inspector/inspector 警部 police inspector/chief inspector 警視 police superintendent 警視正 senior superintendent/ass. commissioner 警視長 chief superintendent/commissioner 警視監 superintendent supervisor/senior commisioner 警視総監 superintendent general 政府行政管理上で警視総監を監督する役職者が警察庁長官commissioner generalというこ とになる。 日本の近代警察は明治新政府の中でフランスの制度を手本にして開始されたという情報を ネット内に見出すことができる。そうであるなら、下に述べる明治5年8月に定められた 警保寮(現在の警察庁)職制の階級名称はフランス語のものに対応させて作られた可能性 が高いように推測されるものの、実態を見る限りこの仮説にはあまり確信が持てない。 1 頭(かみ) 2 権頭(ごんのかみ) 3 助(すけ) 4 権助(ごんのすけ) 5 大属(だいぞく) 6 権大属 7 中属 8 権中属 9 少属 10 権少属 11 大警視 12 権大警視 13 少警視 14 権少警視 15 大警部 16 権大警部 17 少警部 18 権少警部 19 一等巡査 20 二等巡査 21 三等巡査 [ 続く ]