「印尼華人差別(12)」(2025年08月23日) オルバ期に行われた中華文化エクスポーズの禁止は華人をインドネシア文化に同化させる ことが最大の目的だった。しかしライフスタイルを似たものにさせたところで、経済活動 のメインをかれらが握っているのは変わらない。この部分ではプリブミ社会を、華人のよ うな商業活動を活発に行うあり方に変化させなければならないのだ。同化というのは方向 性が単一だが、商業分野では融合性を高めることが優先されなければならない。 オルバ政府でも当然その検討がなされたものの、議論はおおむね悲観的だった。それでも、 それは着手されなければならないのだ。シンクタンクの専門家のひとりは1994年にこ んなことを述べている。 華人プラナカン層に向けられた25年間にわたる同化政策は、特に教育分野で効果を上げ ている。海外留学生の99%がインドネシアに帰国しているのだ。しかし商業分野ではま だほとんど白紙の状態だ。華人プラナカン事業者のレベルにプリブミを引き上げるために は最低でも20年の期間が必要と思われる。華人プラナカン層が持っている商業能力は先 祖代々培われてきたものであり、商業分野で成功し発展するために必要な能力がかれらの 生活文化の中にしみ込んでいる。 プリブミ文化では比較的最近まで商売は下賤なものという価値観が社会を覆っていた。そ のためプリブミの中下層レベルの精神の中に、華人プラナカンが持っているような資質は 薄い。商売を行う中で自分が生きる姿をそこに映し出そうとする真剣さ、事業の成功のた めに賭けることを決断する度胸、失敗が起こったときに再起に向かうための執着。そんな 精神傾向を持つプリブミはあまり多くない。 その対策としてビジネスとマネージメントの教育機関にプリブミ学生を増やす努力が必要 であり、プリブミ学生に対する学費の軽減や奨学金給付などの方法を検討しなければなら ない。また一般会社の経営機構にプリブミをより多く参加させる方向性も考えられる。そ れについてはプリブミマネージャーの割合を指定する政策もありうるだろう。 他にも、華人系企業にプリブミマネージャーを置かせる方法がある。そのマネージャーに は資本金の一部あるいは株式を持たせ、監督と教育をその企業が行うのである。コングロ マリットが株式を協同組合に分け与える行為が活発化しているが、事業会計や帳簿付けな どの教育を付随させることでもっと大きい効果が期待できる。 最近広まっている株式公開は企業が社会に売名するためにしているのでなく、西洋教育を 受けた世代がメインになって行っていることだ。たいてい事業主が世代交代し、後継した 若い事業主がそれを行っている。プリブミビジネス界が華人プラナカンビジネス界と肩を 並べるまでには、長く厳しい努力が継続されなければならないだろう。 そのようなコメントが論じられていた背景にあった数字は次のようなものだった。199 2〜1996年の時期にインドネシアのトップコングロマリット30社中で22社が華人 プラナカン事業主だった。その時期のインドネシアのGNPは528.9兆ルピア。華人 系企業の総販売高は227.2兆ルピアで保有資産高425兆ルピア。それに対して国有 事業体167社の総販売高は106.3兆ルピア、保有資産高361.9兆ルピア、全国 の協同組合は総販売高2.3兆ルピア、保有資産高6.6兆ルピア。[ 続く ]