「ヌサンタラのコーヒー(103)」(2024年03月26日)

コピプルワチェン生産者はウォノソボ県にたくさん集まっている。1996年にコピプル
ワチェン製造事業を開始したハミッさんもそのひとりだ。毎月2クインタルのコピプルワ
チェンを作り、ジャカルタ・バリ・スマラン・クドゥス・ジュパラ・マグランに卸してい
る。コピラチッにしないで、プルワチェンだけを乾燥させたハーブ飲料もかれは生産して
いる。これは乾燥プルワチェンを煎じてそのまま飲むものだ。

この乾燥プルワチェンは古くなればなるほど薬効が強まるために、乾燥させたものが十年
間保存されると値段は10倍になりうるとかれは語っている。年を経て薬効の強まったも
のであれば、百回以上煎じて飲むことができるそうだ。

ハミッは商品の安定生産を目的にして土地持ち農民から1Haを借り受け、自分でプルワチ
ェンを栽培している。プルワチェンは二年に一回収穫され、かれは一回の収穫から生プル
ワチェンを5クインタル得ている。


ウォノソボの別のコピプルワチェン生産者メガさんも、コピプルワチェンと別にプルワチ
ェン乾燥ハーブを作っている。かの女は1979年からコピプルワチェンのラチッを始め
た。かの女は農民が栽培したプルワチェンを買わない。農民の畑は化学肥料や除草剤殺虫
剤で汚染されているというのがその理由だ。かの女はディエン高原の保護林で自然に生え
ているプルワチェンを採集している。かの女はその特別ミッションを現地の農民のひとり
に委託している。

そのために他のコピプルワチェン生産者よりもプルワチェンにかけているコストが大きい。
原材料価格が他より高めで、しかも量的に負けているため、メガのコピプルワチェン生産
量はそれほど多くない。


コピプルワチェンを製造するとき、プルワチェン草は葉から根まで全部が乾燥処理される。
草の乾燥が十分になされたら、乾燥草は挽きつぶされて粉末にされる。その粉挽工程のと
きに別のスパイスが一緒に混入されるそうだ。だが、そのスパイスが何でどんな方法で混
入されるのかについて、コピプルワチェン生産者はだれもがそれを企業秘密という理由で
明らかにしてくれない。

メガさんのご主人はアラブ系プラナカンだそうで、かの女もアラブ系の香辛料を使ってい
るとほのめかしただけだった。「コピプルワチェン生産者はみんなが独自のものを作って
います。各ブランドの味覚や薬効に特徴を与えるのがそこの工程なんですよ。他の生産者
との差別化をはかるための工程がとても重要なことはお分かりでしょう?」


乾燥プルワチェンの作り方は、まず生のプルワチェンを全部洗浄してから天日乾燥させる。
1日から2日足らずで完全乾燥する場合、10キロの生プルワチェンが1キロの乾燥プル
ワチェンになる。しかし2〜3日かかる場合は11〜12キロの生プルワチェンを投入し
てやっと1キロの乾燥プルワチェンが得られるそうだ。

コピプルワチェンは生産者がサシェット版も生産しており、都市部でそれが手に入ればデ
ィエン高原まで足を運ばなくても自宅で飲むことができる。ただし妊婦・高血圧者・心臓
疾患者には禁物とされている。[ 続く ]