「鬘 付け髷 付け睫(5)」(2024年10月11日)

プルバリンガのマフラー生産者のひとりは、トゥガルからの素材購入に毎月2千万ルピア
支出していると語る。かれは製品をジャカルタの数軒の自動車修理屋に合計でひと月30
個送っており、一日に3個くらいが売れるそうだ。かれは職人を6人使って月に120個
生産し、4千8百万ルピアを売り上げている。

プルバリンガの消音排気管生産は月産で2〜3万個あり、売上高は80億ルピアと推定さ
れている。外国自動車メーカーの独占代理権工場(外資合弁義務のために外国メーカーの
直営工場はありえないことから、合弁相手の国内資本投資者が独占代理権を持つことにな
る)に製品を納入している生産者も二三軒あるそうだ。しかし自動車生産者からの需要以
外にジャワ島だけで消音排気管の需要を持っている自動車修理工房が5千軒あるそうで、
生産者が自動車メーカーに依存する度合いはあまり高くない。戦闘用車両を製造している
PT Pindadにプルバリンガの製品が納入されたこともかつてあった。

インドネシアで自動車の部品名はオランダ語から摂取された言葉が多く使われているから、
たいていの日本人は戸惑うことになる。オランダ時代にオランダ人が自動車をオランダ東
インドに持ち込んで使い、メンテナンスや修理の手伝いをプリブミに教え、もっと後には
プリブミを運転手としても使うようになったから、インドネシア人が車両の部品名をオラ
ンダ語で覚えてしまったのも当然の帰結と言えるだろう。(イ_ア語⇔オランダ語)
マフラー  knalpot ⇔ knalpot
タイヤ  ban ⇔ band
リム   pelek ⇔ velg
ライト  lampu ⇔ lamp
ウインカー  lampu sein ⇔ seinlamp
ハンドル  setir ⇔ stuur
クラッチ  kopling ⇔ koppeling
アクセルペダル pedal gas ⇔ gaspedaal
ブレーキ  rem ⇔ rem
ボンネット  kap mesin ⇔  motorkap
エンジン  mesin ⇔ machine
クラクション  klakson ⇔ claxon
バッテリー  aki ⇔ accu
トランスミッション  persneling ⇔ versnelling
プラグ  busi ⇔ bougie
部品  onderdil ⇔ onderdeel


話を髪の毛に戻そう。
2012年には頭髪商品製造セクターがまた大きくなって、大規模工場は外資系22社を
含む37社に膨れ上がった。外資のほとんどは韓国資本だ。中小零細生産者は3百に達し、
セクター就労人口は4.4万人にのぼっている。就労者は県民ばかりでなく、バニュマス
やバンジャルヌガラから遠くはチラチャップの住民までもがプルバリンガへ働きに来てい
る。

国内外のウイッグ生産者がインドネシアでの大量生産を考えたとき、かれらはプルバリン
ガを第一目的地に選んだ。どうしてか?[ 続く ]