「鬘 付け髷 付け睫(9)」(2024年10月17日)

マドンナやケイティ・ペリーの長い反り身のまつげが世界中のファンを魅了したことを否
定するひとはいないだろう。インドネシアでも、オルガ・リディアやチェリベルの少女た
ちのまつげもインドネシアのファンを魅了している。プルバリンガ産つけまつげが世界中
を魅了しているのである。

プレゼンターのオルガ・リディアにとってつけまつげは、自分のアピアランスを決めるた
めの重要な要素の一つになっている。ファッションモデル界に入ったときからかの女は付
けまつげを使いはじめた。「わたしのまつげはまばらなので、つけまつげで増やしてやら
なくちゃならないの。でも、なんでもいいってわけにもいきません。軽くて、付けていて
も楽で、昼でも夜でも、いつでも脱着できるものでなきゃいけないんです。

着けていると目が充血してくるものがあるんですよ。ダブルで着けたりすりゃすぐに。重
くなって目に負担をかけるんでしょう。着けたままで読書ができるようなものでなきゃ、
わたしは使いません。そうでないと、読書しているうちに文字が読めなくなってきますか
ら。」


つけまつげはプルバリンガの何千人ものひとびとの暮らしを成り立たせている。そのひと
り、ホティッさん36歳は実に巧みにつけまつげを作る。紙に包装されている髪の毛の切
れ端を3本抜き出したホティッはそれを折り曲げて左手に持ち、右手の道具を使って2本
の釘の間に渡してある糸に取り付ける。3本の髪がしっかり糸に取り付けられると、次の
3本がまた取り付けられる。定められた間隔を維持しながら、3.3センチのその糸に3
本ずつの塊が10個作られる。

この作業がスムースに行える新入り作業者はまずいない。これは特殊技能と言っても過言
でないものだ。熟練者になるまで、個人差はあってもある程度の期間をかけなければなら
ないだろう。これは一対のつけまつげを完成させるために必要な10ステップのうちのひ
とつなのである。

最後のカット作業も熟練が要求される。シティさん45歳は毛の塊の一本一本を異なる長
さにハサミでカットする。たとえば5本の毛が一塊になっている場合、両端の毛を四分の
一に、その隣の毛を二分の一にカットし、真ん中はそのままにする。このようなカットパ
ターンの種類は百を超えている。

作業者は普通、出来高制で報酬を受け取る。報酬は作業の難易度によって差が付けられて
いる。ホティッは一個作ると333ルピア、シティは一個当たり285ルピア。それも品
質検査者の合格を得た個数だけが対象にされ、不合格の物は修正して合格が与えられない
限り、1ルピアも支払われない。

18歳でその仕事を始めたホティッは、若いころは夜の22時くらいまで作り続けたと語
る。「今じゃもう飽き飽きして、4時間も作ればうんざりよ。」


製品のほとんどが米国・ヨーロッパ・アフリカなどへ、輸入者が指定するブランドを付け
て輸出される。マドンナからケイティ・ペリーに至る米国のスター歌手やハリウッド女優
たちが使っている付けまつげの多くが、そのブランドが何であれ、プルバリンガの女性た
ちの手が作り出したものなのだ。

Eyelureブランドはプルバリンガで最も古い大規模メーカーのロイヤルコリンダが持って
いるブランドのひとつだ。他にもL'Oreal, Shu Uemura, MAC, Kiss, Maybelline, Make Up 
For Everなどにプルバリンガ産付けまつげが納入されている。[ 続く ]