「謝罪されない植民地化(6)」(2024年11月12日) オランダにあるマルク人社会のスポークスマンはデ フォルクスクラント紙のインタビュ ーに応えて、オランダの繁栄はわれわれの祖先の血と汗の上に築かれたものであり、われ われにそれを祝えと言うのはあまりにも不当だ、と語った。フィナンシェルダッブラッド は人権活動家レザ・ムハラムの論を引用した。「VOCという言葉は何百年間もプリブミ の政治経済構造を破壊し暴圧した行為と同義語になっている。今でもコンペニ(VOCの Cが意味する語)という語は呪いを意図して使われている。」 日刊紙アルヘメンダッブラッドは社説の中で、何百年にも渡る植民地関係並びに血と闘争 に満ちた非植民地化プロセスがメインを占めているオランダとインドネシアの二国間関係 を考えるなら、(VOC誕生を)祝宴で祝うようなことが適切であるはずがない、と述べ た。「VOC商務員たちが大きな利益をつかみ取りした際に賤しく汚いことが行われたの をわれわれは知っている。ダウウェス・デッカー別名ムルタトゥリは19世紀にそれを訴 えていた。だからインドネシアが今ここで行われていることにたいへん批判的なまなざし を向けているのは、何らおかしなことではないのだ。」 駐オランダインドネシア大使がボイコットしたにもかかわらず、3月20日のリダザール の祝典オープニング会場にひとりのインドネシア著名人の姿があった。クイッ・キアンギ 開発企画担当国務大臣/開発企画庁長官そのひとだ。自分は国を代表して来たのでなく、 一私人の資格でここにいる、と大臣は語った。 インドネシア人の目に移っているVOCの姿を、そしてVOCが象徴しているオランダの 姿を、そこに集まっているひとびとに直接語り掛けるためにかれはその機会を利用したの である。オランダという国を指導し運営している女王・皇太子・政府・国会のひとびとに 向かって。 VOCがインドネシアで行ったことは、インドネシア民族の生活に長期にわたる破壊と悲 惨をもたらした。VOC時代にインドネシアには話し合ったり意見を述べる行政システム が設けられたことがまったくない。かれらがインドネシアに設けたのは、プリブミを抑圧 し、搾取し、権力を悪用するシステムだった。VOCは宿主を枯らす寄生植物そのものだ ったのである。クイッは歯に衣着せずにそう語った。 それらは植民地の人民を先住地から追い出すための、コロニアリズムコンセプトの中に書 き込まれている項目の一部分だ。VOCとは奴隷制度と武力に支えられた父系主義的政治 システムを持つ白色人種の飛び地だった。独占権保有者のシステムは自分で決めた価格で 強制労働と強制栽培を行うことを可能にした。 この批判はシステムに向けられたものであって、人間に向けられたものでないことをクイ ッは強調した。インドネシアとオランダの両国民の間に感情的なしこりを生まないように かれは気遣ったのだ。 リダザールでのクイッのスピーチは参会者からたいへんポジティブな反応を得た。ベアト リクス女王はスピーチが終わるとすぐにクイッに近寄り、会話に誘った。ふたりの会話は 1時間ほど続いた。 知識層を代表してスピーチを行った歴史家のブルッセ・ファン オウドアルブラスはVO Cが持ったアンビヴァレンツに焦点を当てた。VOCは国際貿易の扉を開いた一方で腐敗 と権限悪用の習慣を育んだ点をかれは取り上げた。 歴史家ヤコブス・ファン ルールはVOCをティラニーでありアグレッサーだと厳しく批 判した。歴史はそこで終わるものでないし、同じようにVOCの歴史も終わらないのだ、 と述べている。[ 続く ]