「じゃんけん遊び(後)」(2025年10月21日)

こちらのゲームはhompimpa, hompimpah, hongpimpaなどと呼ばれている。この言葉もKB
BIは標準インドネシア語として認知していない。このゲームの作法は、広げた手のひら
を参加者全員が一斉に上にして出すか下にして出すかという二者択一で行う。人数の少な
いほうが勝ち、多い方が負けたことになる。三人で行って1対2になれば勝者はすぐに決
まる。3対ゼロになればやり直しだ。五人で行って2対3になれば、残ったふたりはスイ
ッをすることになるはずだ。

そうは言っても、大人数でホンピンパゲームを行うとき、敗者である多い方のグループが
ゲームを続けるのがそれとも勝った少人数のグループが続けるのかは、ホンピンパを行う
目的次第だろう。トイレ掃除の当番を決めるためなら敗者グループがゲームを続けるだろ
うし、石蹴り遊びの第一プレーヤーを決める場合には勝者グループがゲームを続けるので
はあるまいか。


ホンピンパの場合にタイミングをそろえるために参加者全員で掛け声をかける。それが
「ホンピンパッ」の由来だそうだ。最後の「パッ」で全員が手をパッと出す。ジャワでは
その掛け声におまけが付いていて、Hompimpa alaium gambreng!の最後の「レン!」で形
を決める。ブタウィ文化ではもっと長いおまけが付き、Hompimpa alaium gambreng. Mpok 
Ipah pakai baju rombeng.と言って最後の「レン!」で形を決める。さすがにブタウィで
は子供の時期からパントゥンが日常茶飯事になっている。

ホンピンパという言葉はサンスクリット語に由来していて、5世紀ごろのヒンドゥブッダ
時代に世の中で既によく知られていたとイ_ア語AIは解説している。つまりホンピンパア
ライウムガンブレンというのは呪文であり、それが表しているのは「神から神へ、さあ行
おう」という意味なのだそうだ。

ホンピンパのホンとはヒンドゥ教で祈りを述べる際の開始に使われるOmという言葉であり、
バリ人ヒンドゥ教徒が使う挨拶言葉のOm Swastiastuもオムの語から始まっている。

ヒンドゥブッダ時代のジャワではOmという言葉がしばしばongやhongという形で使われる
こともあったそうだ。OmとはAumが変形したものであり、アウムは宇宙にある一切のもの
をシンボライズする言葉として使われている。一神教の文化では、その後ろに唯一絶対神
がいるということになるのだろう。

イ_ア語AIの解説からはホンピンパが神を示す呪文という印象が感じられ、アライウムガ
ンブレンが「さあ遊ぼう」→「神から神へ}という解釈になると語っているように思われ
る。ホンピンパにしろスイッにしろ、本人が考えに考えた末に選択したものをゲームの場
に出したとしても、勝敗を決めるのは人間の知恵を越えたもっと大きなものの力なのだと
いうことをこの解説は語っているのかもしれない。「神から神へ」という意訳はきっとそ
れを指しているのだろう。[ 完 ]