「遊びの伝統(6)」(2025年11月06日) インドネシアで発祥した民族芸能であるレオッポノロゴの中に騎馬隊を模した6〜8人の 踊り手が群舞を展開するシーンがあり、その踊りがtari jaran kepangと名付けられてい る。その踊りには馬をかたどった小道具が使われる。踊り手はまるでその馬に乗っている かのように舞う。この馬型は玩具店でも販売されていて、幼児のおもちゃとして使う家庭 もあるようだ。 タリケパンが演じられる際に、演者がトランス状態に陥ることがある。その部分だけを抜 き出してレオッとは関係なく見世物として演じられるようになったものがjarananあるい はkuda lumpingと呼ばれるものだ。トランスに陥った演者はガラスを食べたり、鞭打たれ ても身体が傷つかないといった超能力を示すショーを行う。 馬と言えば、インドネシアにも竹馬がある。インドネシアのたくさんの種族が竹馬の伝統 を持っていて、それぞれがこの遊びに異なる名称を付けている。KBBIを見るとインド ネシア語としての一般的な名称はegrangやjangkunganのように思われる。イ_ア語ウィキ ペディアのエグランの項ではジャワが発祥と解説されている。たいてい竹の棒が使われる が、木の棒を使うのが普通な地方もあるようだ。 egrang ジャワ・ランプン jangkungan 中部ジャワ jajangkungan/jejangkungan 西ジャワ tengkak-tengkak 西スマトラ tengkak ブンクル batungkau 南カリマンタン longga/dongga 南スラウェシ tajogh バリ インドネシアにもコマ回し遊びがあり、各地の種族文化が独自の形状のコマを伝統文化の 中に作った。インドネシア語でコマはgasingと呼ばれている。コマのことを昔からガシン と呼んでいた地方はスマトラ島のジャンビ・ブンクル・西スマトラ・タンジュンピナンと リアウ島嶼地方だけだ。 gangsing/panggal ジャカルタ・西ジャワ地方 gangsing ロンボッ maggasing 西ヌサトゥンガラ maggasing/aggasing 南スラウェシのブギス族 begasing 東カリマンタン doggeg 南スラウェシのトラジャ族 paki 北スラウェシ州のボラアンモゴンドウ pukang ランプン kekehan 東ジャワ apiong マルク・パプア ヨグヤカルタでは竹製のコマをgangsingan、木製のコマをpathonと呼び分けているという 話になっている。[ 続く ]