「KBBIへの提言(終)」(2025年11月30日)

ライター: 作家、クルニア JR
ソース: 2017年2月18日付けコンパス紙 "Merdekalah, Wartawan!" 

212という合言葉でポピュラーになった2016年12月2日金曜日の朝、ジャカルタ
のモナスで予定されていた集団礼拝の大規模デモの数時間前に、何人かの著名人が機動旅
団本部に連行されたことを告げるニュースが流れた。警察はかれらを国家転覆容疑で保護
(amankan)したのである。テレビのレポーターもアナウンサーもみんな口を合わせてその
連行をdiamankanやmengamankanという言葉で言い表した。

一方、大半のソーシャルメディアやインターネットニュースサイトはそのニュース報道の
中で事件をditahan, ditangkap, menahan, menangkapという言葉で明瞭に言い切っていた。
現代社会のマジョリティは前者の語法が時代にフィットせずアナクロニズムの罠に落ちる
のを嫌って後者の方を好んでいるとわたしは感じている。


バーチャル世界のソスメドSos-Medやニュースメディアが事実を逆転させたり悪態を示す
言語表現を撒き散らす蛮行に汚染されるようになってから、一部のテレビ・ラジオ・新聞
はネティズンの使う粗野な言語様式に距離を置くようになった。その結果、かれらはオル
バ期の上品言葉の罠に落ちたのである。もっとひどいことに、テレビのレポーターやアナ
ウンサーが犯罪や政治に関連して逮捕や拘留のニュースを述べるときにかれらの言語スタ
イルが被害妄想的な身構えを示す心理コンプレックス、つまりはパラノイア、を患ってい
るように感じられる。上品でないと見られることを怖れ、世間からの批判が自分の使う語
法に浴びせられるのを心配して不安を抱いているようだ。

要するに、誰かが警察の留置場に入れられたときに社会的な上品さを損なうことなくイン
ドネシア語ではそれをditahanやditangkapと言うのが当たり前のことであるという毅然と
した姿勢をかれらのメンタリティは示すことができないでいるのだ。これは思いやりとか
法曹機構に逮捕あるいは拘留された者の基本的人権尊重義務に関わる問題ではない。これ
は今から18年前に崩壊した独裁レジームが作った言語遺産からの、ジャーナリストが持
つべき独立精神の問題なのである。

基語amanの意味はtidak merasa takut, tenteram, sentosaであり、また古代文学の中で
使われる場合はtitipan, amanatを意味している。1950年代初期に出版されたWJSプル
ワダルミンタ編纂のKamus Umum Bahasa Indonesia第一版に記されているmengamankanの語
義はmenyerahkan (menitipkan) supaya selamat, menahan dalam (penjara dsb); であり、
例文にorang yang mengamuk itu telah diamankan di seksi enamと記されている。オル
バ型語義の影響が見られるとはいえ、KUBI1985年版にも、元々の語義である
menitipkan supaya selamatが示されている。

だからpenahanan, penyitaan, penangkapan, pemenjaraanなどに対してmengamankanや
diamankanを使うことはできないのだ。警察が取り調べを行う前に逃げられてはいけない
ので泥棒の身柄を監獄に預ける場合ならまだdiamankan/mengamankanと言うことができる。
なぜなら、amanatやtitipanという意味に合致しているからだ。本当は間違っているにも
かかわらず一般化した言葉の意味が適切かどうかということを、時間に追われる仕事をし
ている中で深く考える余裕が記者にあるのかないのかという点についてわたしは疑問を抱
いている。


KBBI第四版(2008)に見られるmengamankanの語義としての;
menahan orang yang melanggar hukum demi keamanan umum dan keamanan orang itu dari 
kemungkinan tindakan main hakim sendiri
並びに例文のpolisi mengamankan penjambret itu
は内在的および外在的な両方の論理条件を満たしていないために信頼できない。その例文
はあたかも群衆の暴力から安全な避難所にひったくりが保護されたような話になっている
ものの、本当は捕まって罰を受けるために監獄に入れられたのである。

その語義と例文はKBBIの大失態だ。polisi mengamankan penjambret ituと語る文は、
公衆の安全が実現された言っているのだろうか?その文の目的語はpenjambretになってい
るではないか。そして私刑行動のリスクから犯罪者をmengamankanするという語義につい
ても、12月2日に国家転覆罪容疑で警察がmengamankanした著名人たちは群衆の私刑行
動のリスクに直面していたのだろうか?そんな脅威を示すものごとは皆無だった。

オルバが作った欺瞞語を標準化するのを目的にして語義解説と例文が拙劣な行き当たりば
ったりで作られたことをKBBIの大失態は示している。KBBIは規範システムでなく
記述システムを原理にしているという議論は、論理性を持たない語義解説と例文にまった
く当てはめることができない。

ジャーナリストよ。勘違いユーフェミズムの眠りから目覚めるのだ。非政治的パラノイア
を捨て去り、アナクロニズムコンプレックスから自らを解放せよ。ムルデカ!